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JP2019219295A - ウエハ検査装置およびウエハ検査方法 - Google Patents

ウエハ検査装置およびウエハ検査方法 Download PDF

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JP2019219295A JP2018117362A JP2018117362A JP2019219295A JP 2019219295 A JP2019219295 A JP 2019219295A JP 2018117362 A JP2018117362 A JP 2018117362A JP 2018117362 A JP2018117362 A JP 2018117362A JP 2019219295 A JP2019219295 A JP 2019219295A
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宏信 西畠
Hironobu Nishibatake
宏信 西畠
井上 直樹
Naoki Inoue
直樹 井上
康之 福武
Yasuyuki Fukutake
康之 福武
昌隆 小嶋
Masataka Kojima
昌隆 小嶋
資晴 徳増
Sukeharu Tokumasu
資晴 徳増
研一 高山
Kenichi Takayama
研一 高山
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Abstract

【課題】レーザ検査方式と画像検査方式との利点を併せ持つウエハ検査装置およびウエハ検査方法を実現する。【解決手段】本発明に係るウエハ検査装置(D)は、ウエハにレーザ光を照射する光源(11)、二次光を検出する検出器(12)、および、二次光の強度に基づいてウエハを検査するレーザ検査部(15)、を有するレーザ検査装置(1)と、ウエハの表面の観察画像を取得する画像取得装置(21)、画像取得装置を制御する画像取得制御部(23)、および、観察画像に基づいてウエハを検査する画像検査部(24)、を有する画像検査装置(2)と、を備えるウエハ検査装置(D)であって、レーザ検査部(15)は、ウエハが有する欠陥部を特定し、画像検査装置(2)は、レーザ検査部(15)が特定した欠陥部に係る情報に基づいて、ウエハの検査に係る検査条件を定めることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ウエハ検査装置およびウエハ検査方法に関する。
従来、半導体素子の製造工程におけるウエハについて、傷、窪み、突起、表面粗さ、うねり、付着物、などの欠陥が存在するか否かを検査するための検査装置が汎用されている。半導体素子の製造工程においては、かかる検査装置により欠陥の存在およびその属性を特定することによって、製品の品質の保証および製造工程の不具合の発見が実現されている。
このような検査装置としては、たとえば、特開2008−241570号公報(特許文献1)に記載された、ウエハにレーザ光を照射した際に生じる散乱光や反射光などの二次光を検出することによって検査を行うレーザ検査方式を採用する装置が用いられている。レーザ検査方式を採用する装置は、ウエハの全面を一度に検査でき、ウエハの全面にわたる検査を迅速に行うことができる点で優れている。
また、このような検査装置の別の例としては、特開2007−134498号公報(特許文献2)に記載された、ウエハ表面を観察した観察画像に基づいて検査を行う画像検査方式を採用する装置が用いられている。画像検査方式を採用する装置は、欠陥部1つ1つを十分に観察しうる倍率で観察画像を取得することで、精密な検査結果を得ることができる点で優れている。
特開2008−241570号公報 特開2007−134498号公報
ところで、特許文献1のような技術では、ウエハの検査に適応できない場合があった。たとえば、SiCウエハ、GaNウエハなどの透明なウエハを検査する場合においては、レーザ検査方式を採用する装置によっては、ウエハの表面に存在する欠陥部と、ウエハの内部または裏面に存在する欠陥部とを区別できない場合があった。
一方、特許文献2のような技術では、検査に供する観察画像を取得するためのフォーカス調整や閾値調整などの条件設定に長い時間を要し、その結果として検査に要する時間が長くなる場合があった。
そこで、レーザ検査方式が有する検査速度の観点における利点と、画像検査方式が有する精度における利点と、を併せ持つウエハ検査装置およびウエハ検査方法を実現することが望まれる。
本発明に係るウエハ検査装置は、ウエハにレーザ光を照射する光源、前記レーザ光が前記ウエハにより散乱または反射された二次光を検出する検出器、ならびに、前記検出器が検出する前記二次光の強度に基づいて前記ウエハを検査するレーザ検査部、を有するレーザ検査装置と、前記ウエハの表面の観察画像を取得する画像取得装置、前記画像取得装置を制御する画像取得制御部、および、前記画像取得装置により取得された観察画像に基づいて前記ウエハを検査する画像検査部、を有する画像検査装置と、を備えるウエハ検査装置であって、前記レーザ検査部は、前記ウエハが有する欠陥部を特定し、前記画像検査装置は、前記レーザ検査部が特定した前記欠陥部に係る情報に基づいて、前記ウエハの検査に係る検査条件を定めることを特徴とする。
また、本発明に係るウエハ検査方法は、ウエハにレーザ光を照射し、前記レーザ光が前記ウエハにより散乱または反射された二次光を検出し、当該二次光の強度に基づいて前記ウエハを検査するレーザ検査ステップと、前記ウエハの表面の観察画像を取得し、取得された観察画像に基づいて前記ウエハを検査する画像検査ステップと、を含むウエハ検査方法であって、前記レーザ検査ステップにおいて、前記ウエハが有する欠陥部を特定し、前記画像検査ステップにおける前記欠陥部の特定に供する観察画像を取得する検査条件を、前記レーザ検査ステップにおいて特定した前記欠陥部に係る情報に基づいて定めることを特徴とする。
これらの構成によれば、検査速度に優れるレーザ検査方式による検査結果を利用することで、精度に優れる画像検査方式による検査に要する時間を短縮することができ、精度の高い検査を短時間で実現することができる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
本発明に係るウエハ検査装置の一態様として、前記画像取得制御部は、前記レーザ検査部が特定した前記欠陥部から選択される少なくとも1つの選択欠陥部について前記レーザ検査部が特定した当該選択欠陥部の座標情報に基づいて、前記観察画像に前記選択欠陥部が含まれるように、前記ウエハにおいて画像取得対象とする位置を特定することが好ましい。
この構成によれば、観察画像を取得するべき箇所の座標を、レーザ検査方式による検査結果に基づいて速やかに決定することができるため、検査に要する時間を短縮することができる。
本発明に係るウエハ検査装置の一態様として、前記画像取得制御部は、前記選択欠陥部を含む前記観察画像における輝度の最大値と最小値との差が最大となるように、前記画像取得装置のフォーカス調整を行うことが好ましい。
この構成によれば、レーザ検査方式により特定した欠陥部から選択される選択欠陥部を手がかりとしてフォーカス調整を行うため、観察画像を取得する際のフォーカス調整に要する時間を短くすることができ、検査に要する時間を短縮することができる。
本発明に係るウエハ検査装置の一態様として、前記画像検査部は、前記観察画像における輝度の最大値と最小値との差である輝度差に基づいて前記ウエハが有する欠陥部を特定するものであって、前記選択欠陥部を含む前記観察画像における前記輝度差に基づいて、前記画像検査部が前記欠陥部を特定するために用いる前記輝度差の閾値を定めることが好ましい。
この構成によれば、検査速度に優れるレーザ検査方式による検査結果に基づいて、画像検査方式による検査において欠陥部と認識すべき欠陥部の閾値を定めることができるので、当該閾値を決定するために要する時間を短くすることができ、検査に要する時間を短縮することができる。
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
ウエハ検査装置の構成図。 ウエハ検査方法のフロー図。
本発明に係るウエハ検査装置および当該ウエハ検査装置を用いたウエハ検査方法の実施形態について、図1、2を参照して説明する。
〔ウエハ検査装置の構成〕
まず、本発明に係るウエハ検査装置の実施形態について、その構成を説明する。本実施形態に係るウエハ検査装置Dは、レーザ検査装置1と、画像検査装置2と、搬送部3と、制御部4と、ディスプレイ5と、を備える(図1)。レーザ検査装置1および画像検査装置2は、それぞれ検査対象であるウエハを受容可能であり、各装置においてウエハの検査を実行する。
ウエハ検査装置Dが検査対象とするウエハは、特に限定されないが、たとえば、Siウエハ、SiCウエハ、GaNウエハ、などであってよい。また、ウエハの形状は、一般的に市場に流通するものであれば特に限定されず、たとえば、直径2〜10インチ(5.1〜25.4cm)の円形状であってよい。ただし、ウエハの円形状の外周部の一部に、ノッチなどの位置決め基準点(不図示)が設けられており、ウエハを支持する装置(後述する回転ステージ13など)によりウエハが回転した角度を、当該位置決め基準点を基準として特定できるようになっている。ウエハはその全面にわたって平坦であることが好ましいものであるが、傷、窪み、突起、表面粗さ、うねり、付着物、などの欠陥を有する場合がある。ウエハ検査装置Dは、ウエハが有するこれらの欠陥を特定することを目的として検査を行う装置である。
レーザ検査装置1は、光源11と、検出器12と、回転ステージ13と、レーザ制御部14と、レーザ検査部15と、を有する。
光源11は、回転ステージ13上に載置されたウエハに対してレーザ光を照射するように構成されたレーザ光源である。また、回転ステージ13は、水平移動可能に構成されており、この水平移動によってレーザ光を照射する対象位置を変更することができる。また、光源11は、照射の角度や方向が異なる複数のレーザ光源であってもよい。
検出器12は、ウエハにより散乱された散乱光を検出する散乱光検出器121と、ウエハにより反射された反射光を検出する反射光検出器122と、を含む。散乱光検出器121および反射光検出器122は、それぞれ複数台の検出器であってよく、本実施形態では、散乱光検出器121として、低角度で照射されるレーザ光の散乱光を受光させて突起の検出感度を高くした散乱光検出器、高角度で照射されるレーザ光の散乱光を受光させて窪みの検出感度を高くした散乱光検出器、および、その他の欠陥に対応する散乱光検出器、を有する。また、反射光検出器122として、高角度で照射されるレーザ光の正反射光を受光させて表面粗さ、うねりの検出感度を高くした反射光検出器、および、低角度で照射されるレーザ光の正反射光を受光させて膜厚に関する欠陥の検出感度を高くした反射光検出器、を有する。なお、本明細書において、散乱光および反射光を総称して二次光という。
回転ステージ13は、ウエハを載置可能に構成されている。また、回転ステージ13は、ウエハを載置した状態で、ウエハと一体に、水平移動可能、軸心まわりに回転運動可能、かつ、軸心に沿って上下移動可能、であるように構成されている。
レーザ制御部14は、光源11、検出器12、および、回転ステージ13の運転を制御する演算装置である。光源11については、レーザ光の発光・停止および強度を制御する。検出器12についてはその起動および停止を制御する。回転ステージ13については、その水平移動、回転運動および上下移動を制御する。
レーザ検査部15は、散乱光検出器121および反射光検出器122が検出した二次光の強度に係る信号入力に基づいて、前記ウエハを検査するための演算処理を行う演算装置である。なお、具体的な検査方法は後述する。
画像検査装置2は、カメラ21(画像取得装置の例)と、画像検査ステージ22と、画像取得制御部23と、画像検査部24と、を有する。
カメラ21は、画像検査ステージ22上に載置されたウエハの観察画像を取得可能に構成されている。なお、カメラ21は、ウエハ全体の観察画像を取得することも、ウエハの一部を拡大した観察画像を取得することも、可能である。
画像検査ステージ22は、ウエハを載置可能であり、かつ、ウエハを載置した状態でウエハと一体に水平方向に平行移動可能に構成されている。画像検査ステージ22の水平移動によって、カメラ21が画像取得対象とする領域を制御する。
画像取得制御部23は、カメラ21および画像検査ステージ22の運転を制御する演算装置である。カメラ21については、倍率、絞り、感度、フォーカスなどの調整を制御し、画像検査ステージ22については、水平方向および上下方向の平行移動を制御する。
画像検査部24は、カメラ21が取得した観察画像に基づいて、前記ウエハを検査するための演算処理を行う演算装置である。なお、具体的な検査方法は後述する。
搬送部3は、レーザ検査装置1および画像検査装置2にウエハを配置し検査を実行できるようにする機能、および、レーザ検査装置1および画像検査装置2の相互間においてウエハを搬送する機能、を有する。制御部4は、ウエハ検査装置Dの全体の制御を行う演算装置である。特に、レーザ検査装置1(レーザ制御部14、レーザ検査部15)と画像検査装置2(画像取得制御部23、画像検査部24)との間の情報の授受を仲介する機能、および、レーザ検査装置1および画像検査装置2の双方の検査結果に基づいてウエハを複合的に検査する機能、を有する。ディスプレイ5は、レーザ検査装置1および画像検査装置2のそれぞれによる検査結果、ならびに、複合的な検査結果、を表示する。
〔ウエハ検査方法〕
次に、ウエハ検査装置Dを用いたウエハ検査方法について、図2を参照して説明する。
ウエハ検査装置Dによるウエハの検査においては、第一にレーザ検査装置1によるレーザ検査ステップS1が行われ、第二に画像検査装置2による画像検査ステップS2が行われる。
レーザ検査ステップS1においては、ウエハが回転ステージ13上に載置され(S11)、当該ウエハに対し、光源11からレーザ光が照射される(S12)。ウエハに照射されたレーザ光は散乱光および反射光を生じ、これらの二次光はそれぞれ対応する散乱光検出器121および反射光検出器122により検出される(S13)。このとき、レーザ光の照射および二次光の検出を行いながら、光源11の水平移動および回転ステージ13の回転運動を行うことで、ウエハの表面の全体にわたってレーザ光が走査され、ウエハの表面の全体にわたって検査が行われる(S14)。
一般に、走査対象の面が均一な平面であれば、その二次光は均一になる。しかし、走査対象の面に非連続な点、すなわち欠陥がある場合は、当該欠陥により生じる二次光は、当該欠陥の周囲の均一平面とは異なるものになる。これを利用して、レーザ検査部15は、検出される二次光の強度が周囲と異なる箇所を、欠陥を有する箇所、すなわち欠陥部であると特定する(S15)。
なお、このとき、欠陥の属性によって生じる二次光の種類および強度が変化しうる。したがって、散乱光および反射光の検出結果を組み合わせることで、欠陥の属性を判定することができる。レーザ検査部15は、各検出器による二次光の検出結果を組み合わせて、各欠陥の属性を判定する。
ウエハの表面の全体にわたる検査の後、ディスプレイ5に検査結果が表示される。表示される検査結果は、欠陥を有すると特定された箇所の座標情報、欠陥の属性および寸法、欠陥が存在する箇所を示す欠陥マップ、ウエハ上の各点における二次光強度、などの情報を含む。ここで、座標情報は、ウエハに設けられた位置決め基準点に基づき、回転ステージ13によってウエハが回転した角度を特定することによって定められる。これらの検査結果は、レーザ検査部15から、制御部4を介して、画像取得制御部23および画像検査部24によって共有される。
次に、画像検査ステップS2が行われる。画像検査ステップS2の検査では、最初に、レーザ検査ステップS1において特定した欠陥部から選択される欠陥部に基づいて、カメラ21のフォーカスの焦点距離(検査条件の例)を調整するステップが行われ、次に、観察画像から欠陥部を特定するための閾値(検査条件の例)を調整するステップが行われる。このフォーカスの焦点距離を調整するための欠陥部(以下、フォーカス調整用欠陥部とする。)および閾値を調整するための欠陥部(以下、基準欠陥部とする。)は、画像取得制御部23により自動的に(所定の属性とサイズのものを選択する)、あるいは、使用者の人為操作により、選択される。
ここで、フォーカス調整用欠陥部は、サイズがある程度大きく凹凸の可能性の高いもの(たとえば、突起の検出感度を高くした散乱光検出器と窪みの検出感度を高くした散乱光検出器との出力の比が大きいもの)などが選択される。また、基準欠陥部は、要求される最終製品の品質などに鑑みて欠陥部として取り扱う必要があるものが選定され、具体的には、レーザ検査ステップS1の検査結果から、欠陥部として取り扱う欠陥の程度が最も小さい水準のもの(たとえば、深さが浅い窪み、高さが低い突起、など)から選択される。
これらのフォーカスの焦点距離の調整と閾値の調整のステップの後に、その他の欠陥部の検査ステップが行われる。
画像検査ステップS2において、レーザ検査ステップS1による検査を終えたウエハは、搬送部3によって画像検査装置2の画像検査ステージ22に載置される(S21)。
画像取得制御部23は、まず、フォーカス調整用欠陥部の、レーザ検査ステップS1において特定した座標情報および寸法に基づき、フォーカス調整用欠陥部がカメラ21の画像取得範囲に含まれるように、カメラ21の倍率(検査条件の例)を調整するとともに、画像検査ステージ22の水平方向の位置(検査条件の例)を定める(S22)。
そして、カメラ21のフォーカスの調整を行う(S23)。焦点距離の調整に当たってはフォーカス調整用欠陥部の観察画像が明瞭になるように、具体的には、当該観察画像における輝度が最大の点における輝度の値と、輝度が最小の点における輝度の値と、の差(コントラスト値)が最大となるように調整が行われる。すなわち、カメラ21の撮像素子が検出する輝度の値に基づいて、フォーカス調整を行う。
より詳細には、フォーカス調整は、画像取得制御部23の制御下においてオートフォーカス方式により行われる。当実施形態では、オートフォーカス方式としてラインセンサ方式を採用しており、当該オートフォーカス方式では、観察画像全体のコントラストが最も高くなるときのカメラ21の焦点距離を、フォーカスが合う焦点距離として設定する必要がある。
このフォーカス調整用欠陥部で焦点距離を調整した以降のフォーカス調整のステップ(S23)においては、リアルタイムにウエハ高さを測定する手段を併用し、ウエハの厚みのばらつきや表面のそり具合に応じて画像検査ステージ22を上下方向に移動させて当該焦点距離に自動調整するオートフォーカス処理が行われる。
フォーカス調整の後、カメラ21は欠陥部の観察画像を取得する(S24)。
続いて、基準欠陥部について上記のS22〜S24を行い、画像検査部24は、基準欠陥部の観察画像に基づいて欠陥と判断するための閾値を調整する。
画像検査部24は、当該観察画像におけるコントラスト値がある一定の閾値以上である場合に、当該観察画像に含まれる欠陥部が真に欠陥部であると特定する。一方、コントラスト値が閾値未満である場合は、当該観察画像に含まれる欠陥部は欠陥部ではないものであると特定する。閾値が高すぎる場合は欠陥部の認識漏れが生じるおそれがあり、閾値が低すぎる場合は欠陥部の誤検知が生じるおそれがあるので、検査目的に応じて適切な値を設定する必要がある。ここでは、基準欠陥部の観察画像に基づいて、基準欠陥部を欠陥部として認識し、かつ、基準欠陥部より欠陥程度の水準が小さい欠陥部を欠陥部として認識しない、という条件を満たすように、閾値が設定される。
フォーカスの焦点距離と閾値の調整が終わると、他の欠陥部について上記のS22〜S24を繰り返して行い、複数の観察画像を取得する。
このとき、レーザ検査ステップS1における検査により特定した欠陥部のうち、すべての欠陥部を画像検査ステップS2の検査対象としてもよいし、画像検査ステップS2によるより精密な検査が必要と判断される一部の欠陥部のみを画像検査ステップS2の検査対象としてもよい。また、レーザ検査ステップS1における検査において欠陥部を有さないと判断した部位についても観察画像を取得してもよい。いずれの場合においても、最初の画像取得時に定めたフォーカス調整などの検査条件は、他の部位の観察画像を取得する際にも大きく変更する必要はないため、複数の観察画像の取得を速やかに行うことができる。
画像検査部24は、当該観察画像に基づいて、当該欠陥部の属性および寸法を特定する(S25)。
ウエハの各所で取得された欠陥部の観察画像は、基準欠陥部の観察結果をもとに決定された閾値に従って、真に欠陥部として取り扱うべき欠陥部であるか否かが特定される。よって、基準欠陥部以上の欠陥水準を有する欠陥部のみを画像検査ステップS2において真に欠陥部として取り扱うことができるため、検査目的に合致した検査結果を得ることができる。
レーザ検査ステップS1において特定した各欠陥部について、画像検査ステップS2における検査が行われた後、ディスプレイ5に検査結果が表示される。また、画像検査ステップS2の結果は画像検査部24から制御部4に受け渡され、制御部4は、レーザ検査ステップS1および画像検査ステップS2の双方の検査結果に基づく複合検査結果をディスプレイ5に表示する。
〔当実施形態の効果〕
上記の実施形態により、レーザ検査方式が有する検査速度の観点における利点と、画像検査方式が有する精度における利点と、を併せ持つ検査を実現することができる。
画像検査方式においては、欠陥部1つ1つを十分に観察しうる倍率で観察画像を取得することで、精密な検査結果を得ることができる。ただし、その反面、ウエハの全面を一度に検査することは難しい。
また、前述したように、画像検査方式においてはフォーカス調整を行うことが必要であるが、ウエハの欠陥を含まない部分のように均一な平坦面を画像取得対象とする場合には、フォーカスを合わせにくいという特徴がある。そのため、少なくとも1つの欠陥部がカメラ21の画像取得範囲に含まれるように画像検査ステージ22の水平方向の位置を調整してから、当該欠陥部を手がかりとしてフォーカス調整を行うことが一般的である。しかし、画像検査装置2を単独で使用する場合においては、手がかりとして用いる欠陥部を発見することに時間を要し、その結果としてフォーカス調整に要する時間が長くなる場合があった。
また、画像検査方式において閾値を設定する場合、最初は欠陥の属性や程度が不明な状態であるため、いくつかの欠陥を対象に観察画像の取得と閾値設定を繰り返したり、同じ欠陥についての閾値の再設定を行うなどして、真に欠陥部として取り扱うか否かを決める閾値を決めることが必要となるため、閾値調整に要する時間が長くなる場合があった。
これらの点により、一般的に、画像検査方式はレーザ検査方式に比べて検査に要する時間が長くなる傾向があった。
当実施形態においては、あらかじめレーザ検査ステップS1の検査結果に基づいて選択したフォーカス調整用欠陥部を手がかりとして用いてフォーカス調整を行う。そのため、手がかりとして用いる欠陥部を発見するために要する時間を短くすることができ、結果として、フォーカス調整に要する時間を短くすることができる。また、あらかじめレーザ検査ステップS1の検査結果に基づいて選択した基準欠陥部を手がかりとして用いて閾値調整を行う。そのため、手がかりとして用いる欠陥部を発見するために要する時間を短くすることができるとともに、閾値を調整するための欠陥部を一意的に定めることができるため、結果として、閾値に要する時間を短くすることができる。
一方、レーザ検査方式においては、ウエハの全面をレーザで走査することで一度に検査でき、画像検査方式に比べて検査に要する時間が短くなる傾向がある。しかし、その反面、レーザ検査方式における欠陥部の属性および寸法の特定は、観察画像に基づいて行われる属性および寸法の特定に比べて精度が落ちる傾向があった。また、SiCウエハ、GaNウエハなどの透明なウエハを検査する場合においては、ウエハの表面に存在する欠陥部と、ウエハ内部または裏面に存在する欠陥部とを区別できない場合があった。
当実施形態においては、2つの異なる検査方法による検査結果を組み合わせて複合的に欠陥属性を特定するため、精度の高い検査結果が得られる。
これらの方法を採用することにより、画像検査方式における検査時間が長くなるという欠点を解消し、精度の高い検査を短時間で実現するに至った。
〔その他の実施形態〕
本発明に係るウエハ検査装置および当該ウエハ検査装置を用いたウエハ検査方法のその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
上記の実施形態では、レーザ検査部15が特定した欠陥部に係る情報に基づいて定められる画像検査部24によるウエハの検査に供する観察画像を取得する検査条件が、カメラ21の倍率およびフォーカス、画像検査ステージ22の水平方向の位置、ならびに、欠陥部を特定するための閾値である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、当該検査条件は、画像取得装置の感度、露光時間、などを含んでよく、また、画像取得を補助するための照明装置を備える場合にあっては、当該照明装置の明度を含んでよい。
上記の実施形態では、レーザ検査ステップS1において特定した欠陥部の座標情報に基づき、当該欠陥部がカメラ21の画像取得範囲に含まれるように、画像検査ステージ22の水平方向の位置を定める構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、たとえば、検査工程の前工程においてウエハを保持する治具が当接する箇所などの、欠陥が生じる可能性がウエハ上の他の部位より高い部位が特定される場合は、当該箇所を、レーザ検査方式による検査結果にかかわらず必ず画像取得対象とするように構成してもよい。
上記の実施形態では、レーザ検査ステップS1において選択されたフォーカス調整用欠陥部に基づいて画像検査のフォーカス調整を行う構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、レーザ検査ステップS1において特定された欠陥に対し、最初に検査対象となる欠陥に基づいてフォーカス調整するように構成してもよい。
上記の実施形態では、フォーカス調整用欠陥部に基づいてカメラ21を制御してフォーカスの焦点距離の調整を行ない、その後のフォーカス調整は画像検査ステージの上下移動させる方法でフォーカス調整を行う構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、フォーカス調整はカメラ21の制御のみで行ってもよい。
上記の実施形態では、フォーカス調整をラインセンサ方式により行う構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、公知のオートフォーカス方式を採用することができる。また、フォーカス調整を人為操作により行うように構成してもよい。
上記の実施形態では、基準欠陥部の検査結果に基づいて閾値を決定したあと、レーザ検査方式により特定された欠陥部が存在する部位の画像検査を行う構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、ウエハ全面にわたって画像検査を行うように構成してもよい。
上記の実施形態では、レーザ検査ステップS1において選択された基準欠陥部に基づいて画像検査の閾値を調整する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、所定の閾値により画像検査を行うように構成してもよく、また、レーザ検査ステップS1において特定された欠陥に対し、最初に検査対象となる欠陥に基づいて閾値を調整して画像検査を行うように構成してもよい。
上記の実施形態では、第一にレーザ検査装置1によるレーザ検査ステップS1が行われ、第二に画像検査装置2による画像検査ステップS2が行われる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、レーザ検査方式または画像検査方式のいずれか一方のみによってウエハの検査が行われてもよい。
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、たとえば、半導体製造に供されるシリコンウエハ原料の検査に用いるウエハ検査装置に利用することができる。
D :ウエハ検査装置
1 :レーザ検査装置
11 :光源
12 :検出器
121 :散乱光検出器
122 :反射光検出器
13 :回転ステージ
14 :レーザ制御部
15 :レーザ検査部
2 :画像検査装置
21 :カメラ
22 :画像検査ステージ
23 :画像取得制御部
24 :画像検査部
3 :搬送部
4 :制御部
5 :ディスプレイ

Claims (5)

  1. ウエハにレーザ光を照射する光源、前記レーザ光が前記ウエハにより散乱または反射された二次光を検出する検出器、ならびに、前記検出器が検出する前記二次光の強度に基づいて前記ウエハを検査するレーザ検査部、を有するレーザ検査装置と、
    前記ウエハの表面の観察画像を取得する画像取得装置、前記画像取得装置を制御する画像取得制御部、および、前記画像取得装置により取得された観察画像に基づいて前記ウエハを検査する画像検査部、を有する画像検査装置と、を備えるウエハ検査装置であって、
    前記レーザ検査部は、前記ウエハが有する欠陥部を特定し、
    前記画像検査装置は、前記レーザ検査部が特定した前記欠陥部に係る情報に基づいて、前記ウエハの検査に係る検査条件を定めるウエハ検査装置。
  2. 前記画像取得制御部は、前記レーザ検査部が特定した前記欠陥部から選択される少なくとも1つの選択欠陥部について前記レーザ検査部が特定した当該選択欠陥部の座標情報に基づいて、前記観察画像に前記選択欠陥部が含まれるように、前記ウエハにおいて画像取得対象とする位置を特定する請求項1に記載のウエハ検査装置。
  3. 前記画像取得制御部は、前記選択欠陥部を含む前記観察画像における輝度の最大値と最小値との差が最大となるように、前記画像取得装置のフォーカス調整を行う請求項2に記載のウエハ検査装置。
  4. 前記画像検査部は、前記観察画像における輝度の最大値と最小値との差である輝度差に基づいて前記ウエハが有する欠陥部を特定するものであって、前記選択欠陥部を含む前記観察画像における前記輝度差に基づいて、前記画像検査部が前記欠陥部を特定するために用いる前記輝度差の閾値を定める請求項2または3に記載のウエハ検査装置。
  5. ウエハにレーザ光を照射し、前記レーザ光が前記ウエハにより散乱または反射された二次光を検出し、当該二次光の強度に基づいて前記ウエハを検査するレーザ検査ステップと、
    前記ウエハの表面の観察画像を取得し、取得された観察画像に基づいて前記ウエハを検査する画像検査ステップと、を含むウエハ検査方法であって、
    前記レーザ検査ステップにおいて、前記ウエハが有する欠陥部を特定し、
    前記画像検査ステップにおける前記欠陥部の特定に供する観察画像を取得する検査条件を、前記レーザ検査ステップにおいて特定した前記欠陥部に係る情報に基づいて定めるウエハ検査方法。
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