JP2019209672A - インクジェット装置、およびそれを用いた機能素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェット装置を用いて大面積の基体に多数の機能素子を製造する際に、インク液滴の着弾位置がずれて機能素子の特性が不均一になる場合がある。インク液滴の着弾位置を計測して位置ずれを検知しながら、位置ずれが修正されるようにヘッドの走査とインクの吐出を調整して機能素子を製造する技術が求められていた。【解決手段】インクジェット装置は、基体を挟んでインクジェットヘッドとは反対側に配置された撮像部と制御部とを備え、インクジェットヘッドを基体に対して主走査方向に沿って相対的に走査させながら、インクジェットヘッドがインク液滴を基体に向けて吐出する。撮像部は、インク液滴が基体に着弾したドットを、基体を通して撮像する。制御部は、撮像部が撮像した画像に基づいて液滴の着弾位置と着弾予定位置の位置ずれを検出し、検出結果に基づいて、その後に吐出するインク液滴の着弾位置を調整する。【選択図】図1
Description
本発明は、大面積の基体表面にインクを塗布するために用いられるインクジェット装置に関する。特に、例えば有機EL素子やカラーフィルターのような機能素子を形成する際に好適に用いられるインクジェット装置、およびそれを用いた機能素子の製造方法に関し、なかでもインク液滴が所定の位置に着弾するよう調整する技術に関する。
近年、種々の機能素子を製造する際に、インクジェット装置を用いて機能素子の材料を付与してパターンを形成することが試みられている。インクジェット装置を用いたパターニングは、材料の使用効率が高いこと、非真空プロセスであり製造装置が比較的小型になること、などのメリットを有している。
一方、有機EL素子やカラーフィルターをはじめとする機能素子の分野では、大面積の基体に非常に多数の機能素子を形成することが多いため、インクジェット装置には動作の安定性が求められている。インクジェット装置では、一般に数百から数千のノズルを持つインクジェットヘッドを走査しながら各ノズルを個別に制御してインクを吐出し、任意のパターンを形成する。
一方、有機EL素子やカラーフィルターをはじめとする機能素子の分野では、大面積の基体に非常に多数の機能素子を形成することが多いため、インクジェット装置には動作の安定性が求められている。インクジェット装置では、一般に数百から数千のノズルを持つインクジェットヘッドを走査しながら各ノズルを個別に制御してインクを吐出し、任意のパターンを形成する。
パターンを形成する際に、ノズルから吐出される液滴の着弾が所定の位置から偏移してしまうと、所定のパターンが形成されないことになり、機能素子の特性に影響を及ぼす可能性がある。たとえば、カラーフィルターを作成する場合には、各色のパターンが所定の形状からずれることになり、所望の光学特性が得られなくなる可能性がある。また、有機EL素子を作成する場合には、各素子を隔てるバンク内の所定の位置からずれてインクが着弾すると、当該素子のインク量が不足したり隣接素子のインク量が過剰になったりして、それらの発光特性に影響を及ぼす可能性がある。
そのため、インクジェット装置を用いて機能素子のパターンを形成する際には、各ノズルから吐出されるインク液滴の着弾位置を管理する必要がある。
そのため、インクジェット装置を用いて機能素子のパターンを形成する際には、各ノズルから吐出されるインク液滴の着弾位置を管理する必要がある。
例えば、特許文献1には、機能素子を作成するために印刷する領域の外に、予めアライメントマークを印刷し、アライメントマークの位置を検出することで着弾の位置ずれを計測し、機能素子を印刷する際に位置補正を行うことが開示されている。
また、特許文献2には、機能素子を作成するワークとは別に吐出検査紙を載置しておき、吐出検査紙に印刷して着弾位置精度を検出し、機能素子の作成にフィードバックする装置が開示されている。
大面積の基体に多数の機能素子を製造する場合には、予め製造開始前にノズルを調整しておいたとしても、実際にインクジェットヘッドを走査して吐出を開始するまでの間、あるいは走査している間に、ノズルの状態や周囲の環境が変化する可能性がある。
図8は、大面積の基体に対するインクジェットヘッドの走査方法を説明するための模式的な斜視図であり、100は基体、101は基体100の表面のうち機能素子を形成する面である基体表面、102は機能素子である。模式図であるため、8×8個の機能素子102が示されているにすぎないが、実際には非常に多数の機能素子が形成され得る。
図8は、大面積の基体に対するインクジェットヘッドの走査方法を説明するための模式的な斜視図であり、100は基体、101は基体100の表面のうち機能素子を形成する面である基体表面、102は機能素子である。模式図であるため、8×8個の機能素子102が示されているにすぎないが、実際には非常に多数の機能素子が形成され得る。
基体表面101がXY平面と平行だとすると、不図示のインクジェットヘッドを、基体表面101からZ方向に所定の距離だけ離間させて、平面視で基体の外側から基体の上に移動させる。まず、主走査方向であるX方向に沿って軌道103上を移動させて、一列分の機能素子102の材料を吐出する。そして、機能素子102を形成する領域すなわち塗布領域よりも外側まで移動すると、インクジェットヘッドを副走査方向であるY方向に軌道104に沿って所定距離移動させた後、移動方向をX方向マイナス側に変更する。そして、軌道105に沿って移動させながら別の一列分の機能素子102の材料を吐出する。そして、塗布領域よりも外側まで移動すると、インクジェットヘッドの移動方向を再び副走査方向であるY方向に変更して軌道106に沿って所定距離移動させる。ここでは、説明を簡単化するため、インクジェットヘッドがノズルを1個だけ有するとして説明したが、複数のノズルを有する場合には、一回の主走査で複数列分の機能素子の材料を吐出することもできる。
かかる移動を繰返してインクジェットヘッドを主走査方向に往復移動させて走査し、塗布領域の全域にインクを吐出してゆくが、塗布領域を挟んでその両側には、インクジェットヘッドの軌道を変更する領域、すなわち図中点線で囲まれた領域107が存在する。
このように、インクジェットヘッドが最初の主走査を開始する前や、主走査と主走査の間には、長い距離を移動する時間が必要なため、この間にノズルの状態が変化する可能性がある。
このように、インクジェットヘッドが最初の主走査を開始する前や、主走査と主走査の間には、長い距離を移動する時間が必要なため、この間にノズルの状態が変化する可能性がある。
また、一回の主走査で非常に多数の機能素子に向けて連続的に吐出する場合には、主走査中にノズルの状態や周囲の環境が変化してしまう場合がある。たとえば、連続して吐出している間にインクミストやサテライト液滴が吐出口近傍に付着し、吐出方向や吐出速度が途中で変化してしまう場合があり得る。また、主走査している間にノズルの周囲の気流が変化してしまう場合があり、液滴の軌道がこの影響を受けてずれることがあり得る。
このため、各主走査ラインにおいて、端から端までインク液滴の着弾位置精度を高めるためには、主走査中にも液滴の着弾位置を検知しながら補正をすることが望ましい。
このため、各主走査ラインにおいて、端から端までインク液滴の着弾位置精度を高めるためには、主走査中にも液滴の着弾位置を検知しながら補正をすることが望ましい。
特許文献1に記載された方法は、機能素子を作成するために印刷する領域の外に、予めアライメントマークを印刷し、アライメントマークの位置を検出することで着弾の位置ずれを計測し、機能素子を印刷する際に位置補正を行うものである。このため、アライメントマークを印刷してから主走査して印刷を開始するまでの間に生ずる状態変化や、主走査(印刷)中に生ずる状態変化に対しては対処し得ない。
特許文献2に記載された方法は、機能素子を作成するワークとは別に吐出検査紙を載置しておき、吐出検査紙に印刷して着弾位置精度を検出し、機能素子の作成にフィードバックするものである。このため、吐出検査紙に印刷してからワークを主走査して印刷を開始するまでの間に生ずる状態変化や、主走査(印刷)中に生ずる状態変化に対しては対処し得ない。
そこで、インクジェット装置を用いて大面積の基体に多数の機能素子を製造する場合に、主走査してインク液滴を吐出している間にも液滴の着弾位置を検知することが可能で、走査および吐出制御に迅速にフィードバックできる技術が求められていた。
本発明は、インク液滴を基体に向けて吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドが前記基体を相対的に走査するように、前記インクジェットヘッドおよび/または前記基体を動かす走査部と、前記基体を挟んで前記インクジェットヘッドとは反対側に配置された撮像部と、制御部と、を備え、前記走査部が、前記インクジェットヘッドが前記基体を主走査方向に沿って走査するように、前記インクジェットヘッドおよび/または前記基体を動かしながら、前記インクジェットヘッドが、機能素子を作成するためのインク液滴を前記基体に向けて吐出し、前記機能素子を作成するための前記インク液滴が前記基体に着弾して形成されたドットを、前記撮像部が前記基体を通して撮像し、前記撮像部が撮像した画像に基づいて、前記制御部が、前記機能素子を作成するための着弾予定位置と前記インク液滴の着弾位置との位置ずれを検出し、検出した前記位置ずれに基づいて、その後に機能素子を作成するために吐出するインク液滴の着弾位置を調整する、ことを特徴とするインクジェット装置である。
また、本発明は、インク液滴を基体に向けて吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドが前記基体を相対的に走査するように、前記インクジェットヘッドおよび/または前記基体を動かす走査部と、前記基体を挟んで前記インクジェットヘッドとは反対側に配置された撮像部と、制御部と、を備えたインクジェット装置を用いた機能素子の製造方法であって、前記走査部が、前記インクジェットヘッドが前記基体を主走査方向に沿って走査するように、前記インクジェットヘッドおよび/または前記基体を動かしながら、前記インクジェットヘッドが、機能素子を作成するためのインク液滴を前記基体に向けて吐出し、前記機能素子を作成するための前記インク液滴が前記基体に着弾して形成されたドットを、前記撮像部が前記基体を通して撮像し、前記撮像部が撮像した画像に基づいて、前記制御部が、前記機能素子を作成するための着弾予定位置と前記インク液滴の着弾位置との位置ずれを検出し、検出した前記位置ずれに基づいて、その後に機能素子を作成するために吐出するインク液滴の着弾位置を調整する、ことを特徴とする機能素子の製造方法である。
本発明によれば、インクジェット装置を用いて大面積の基体に多数の機能素子を製造する場合に、主走査してインク液滴を吐出している間にも液滴の着弾位置を検知することが可能で、インクの着弾位置の制御に迅速にフィードバックすることが可能である。
[第一実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第一実施形態のインクジェット装置、およびそれを用いた機能素子の製造方法について説明する。
図1(a)は、第一実施形態のインクジェット装置1を側面から見た模式的な側面図であり、図1(b)は、本実施形態のインクジェット装置1を上方向から見た模式的な平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の第一実施形態のインクジェット装置、およびそれを用いた機能素子の製造方法について説明する。
図1(a)は、第一実施形態のインクジェット装置1を側面から見た模式的な側面図であり、図1(b)は、本実施形態のインクジェット装置1を上方向から見た模式的な平面図である。
機能素子を作成する対象となる基板は基体4で、インクを付与すべき面は基体表面5である。基体4および基体表面5は、先に図8にて説明した基体100および基体表面101にそれぞれ対応している。後述するようにインク液滴の着弾位置を基体表面5とは反対側から観測するため、基体4には透光性の材料が用いられる。例えば、基体4には、ガラス等の無機材料や、樹脂等の有機材料が用いられ得る。基体4は、典型的には板状の部材であるが、基体として機能し得るものであれば形態が限られるわけではなく、たとえば変形可能なフィルムであってもよい。基体4は、基台3の上の所定位置に位置決めされてセットされている。
基台3は、基体4を保持しながら、XY平面と平行な面内を自在に移動することができる。基台3は走査台8に支持されているが、走査台8は主走査方向(X方向)に沿って伸びる主走査ガイドレールや、副走査方向(Y方向)に沿って伸びる副走査ガイドレールを内蔵しており、基台3を自在に移動させることができる。
6はインクジェットヘッドで、インクジェットヘッド6には基体表面5と対向する向きに吐出部であるノズル7が配置されている。ノズル7の数や配置は適宜設定されており、例えば一列に複数ノズルが配列されたり、マトリクス状に配置されることもある。インクジェットヘッドには、例えばPZT素子の変位によってインクを押し出す圧電式のヘッドが用いられるが、これに限らずバブルジェット(登録商標)方式等の他方式のヘッドでもよい。
インクジェット装置1の基体4を設置する領域の外に、ノズル7をクリーニングするためのクリーニング部(不図示)が設けられている。クリーニング部は、クリーニング機構として例えばゴムやスポンジのような多孔質体で形成されたワイピングブレードを備える。ワイピングブレードには、インクの溶媒に含まれる成分と同一材料の液体が供給されている。ノズル7をワイピングブレードに当接させて払拭したり、ポンプにより発生させた負圧によってノズルを吸引することにより、ノズルに付着したごみや固形物を除去することができる。
本実施形態では、ノズル7が基体表面5からZ方向に所定の距離Lだけ離れた高さになる位置で、インクジェットヘッド6の位置は固定されている。
したがって、先に説明した図8の走査を実現するには、走査部である走査台8を用いて基体4をX方向あるいはY方向に移動させることで、位置が固定されたインクジェットヘッド6に対して基体4の相対位置を変化させ、主走査あるいは副走査を行う。
したがって、先に説明した図8の走査を実現するには、走査部である走査台8を用いて基体4をX方向あるいはY方向に移動させることで、位置が固定されたインクジェットヘッド6に対して基体4の相対位置を変化させ、主走査あるいは副走査を行う。
基台3を挟んでインクジェットヘッド6の反対側には、インク液滴の着弾位置を撮像するための撮像部9が配置されている。撮像部9は、光学的にインク液滴の着弾位置を検知する装置で、例えば1000fpsのフレームレートで撮像可能な高速度カメラが用いられる。撮像部9は、着弾位置の検知精度を確保するため、好ましくはインクジェットヘッド6の直下に配置されるが、要は基体4の裏側から観測できる画角内に着弾位置が収まるのであれば、必ずしも直下である必要はない。基体表面5における着弾位置を検出する精度を高めるため、撮像装置の結像焦点は基体表面5の近傍の高さに設定するのが望ましい。
本実施形態では、撮像部9が基台3を通して基体表面5への着弾を撮像できるようにするため、基台3の少なくとも一部を透光材料で構成するか、あるいは基台3にスリット等の光透過可能な空間を設けている。
尚、図中では、ノズル7から吐出された飛翔中の液滴を液滴10、液滴が基体4に着弾したあとのドットをドット11として、模式的に示している。
尚、図中では、ノズル7から吐出された飛翔中の液滴を液滴10、液滴が基体4に着弾したあとのドットをドット11として、模式的に示している。
次に、インクジェット装置1の制御系について説明する。図2は、インクジェット装置1の制御系を簡易的に示す制御ブロック図である。尚、図示の便宜上、図2には制御部が制御する要素のうち、一部だけを示している。
制御部12は、インクジェット装置1の動作を制御するためのコンピュータで、内部には、CPU、ROM、RAM、I/Oポート等を備えている。
制御部12は、インクジェット装置1の動作を制御するためのコンピュータで、内部には、CPU、ROM、RAM、I/Oポート等を備えている。
ROMには、インクジェット装置1の基本動作プログラムが記憶されている。インク液滴の着弾位置の計測や補正制御にかかる各種処理プログラムや、機能素子の製造工程を実行するためのプログラムは、基本動作プログラムと同様にROMに記憶させておいてもよいが、ネットワークを介して外部からRAMにロードしてもよい。あるいは、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体を介して、RAMにプログラムをロードしてもよい。
制御部12のI/Oポートは、外部のコンピュータをはじめとする外部機器20やネットワークと接続されている。制御部12は、例えば製造する機能素子の種類、位置、配列、インクの吐出条件等の機能素子の製造に必要なデータの入出力を、I/Oポートを介して外部のコンピュータとの間で行うことができる。
制御部12は、インクジェットヘッド6、ノズルをクリーニングするためのクリーニング部6C、走査台8、撮像部9、等と接続され、電気信号の送受信を行うことができる。制御部12は、これら各部の動作を制御し、インクジェットヘッド6の駆動、基体4の走査、ノズル7のクリーニング、等を含めインクの塗布に関する処理を実行する。これらの処理には、後述する撮像部9による撮像処理、撮像した画像に基づく着弾位置の検出処理、検出した着弾位置に基づく基体の走査や吐出タイミングの補正処理、等が含まれている。
次に、本実施形態のインクジェット装置1を用いて基体4に機能素子を製造する方法について述べる。
本実施形態では、主走査ラインに沿って走査しながらインク液滴を吐出して機能素子を形成してゆく際に、機能素子を形成する位置に液滴を吐出しながら撮像部により基体の裏側から撮像し、撮像画像に基づいて着弾位置を検出する。検出した着弾位置と、所定の着弾予定位置とを比較し、位置ずれを検出した場合には、以後の吐出において補正処理を行う。検出した位置ずれの中の主走査方向成分に関しては、以後の吐出において吐出タイミングを修正する補正処理を行う。検出した位置ずれの中の主走査方向と直交する方向成分(つまり副走査方向成分)に関しては、以後の吐出においてインクジェットヘッドと基体の副走査方向の相対位置を修正するように機械的に位置補正処理を行う。以上の制御について、さらに詳しく説明する。
本実施形態では、主走査ラインに沿って走査しながらインク液滴を吐出して機能素子を形成してゆく際に、機能素子を形成する位置に液滴を吐出しながら撮像部により基体の裏側から撮像し、撮像画像に基づいて着弾位置を検出する。検出した着弾位置と、所定の着弾予定位置とを比較し、位置ずれを検出した場合には、以後の吐出において補正処理を行う。検出した位置ずれの中の主走査方向成分に関しては、以後の吐出において吐出タイミングを修正する補正処理を行う。検出した位置ずれの中の主走査方向と直交する方向成分(つまり副走査方向成分)に関しては、以後の吐出においてインクジェットヘッドと基体の副走査方向の相対位置を修正するように機械的に位置補正処理を行う。以上の制御について、さらに詳しく説明する。
まず液滴の着弾位置を検出する方法から説明する。図3(a)、図3(b)は、インクジェット装置1の一部を抽出し、模式的に示した側面図である。また、図3(c)は、インクの吐出から着弾位置検知用の画像データの送信までの状態推移を示すタイムチャートである。
まず、図3(c)上段のグラフに示すように、インクの吐出を指令する吐出指令信号DIJを制御部12がインクジェットヘッド6に対して送信すると、図3(a)に示すようにノズル7からインク液滴が基体4に向けて吐出される。
制御部12は、図3(b)に示すようにインク液滴が距離Lだけ離れた基体表面5に着弾するまでに要する飛翔時間FTを予め記憶している。制御部12は、吐出指令信号DIJを発してからの経過時間を内部タイマーで計測し、飛翔時間FTが経過したら、図3(c)中段に示すように撮像部9に撮像指令TPを送信する。
インクジェットヘッド6の直下に配置された撮像部9は、撮像指令TPを受信すると、基体4の裏側から、基体表面5に着弾したインク液滴のドットを撮影する。そして、撮像した画像データPDATAを、制御部12に送信する。
インクジェットヘッド6の直下に配置された撮像部9は、撮像指令TPを受信すると、基体4の裏側から、基体表面5に着弾したインク液滴のドットを撮影する。そして、撮像した画像データPDATAを、制御部12に送信する。
制御部12は、画像データPDATAにもとづいて液滴の着弾位置を検出する。一般に、均一な表面状態のワークに着弾した液滴は、円形のドット形状を呈する場合が多い。その場合は、制御部12は画像処理により円形形状の重心位置を求め、重心位置を着弾位置とする。また、配線などのパターンがあらかじめ形成されたワークに液滴を着弾させた場合は、ドットとパターンが重なるため、ドットの形状の一部が画像に現れない場合がある。そうした場合には、画像から弧状の輪郭線を抽出し、円形形状へのフィッティングを行うことで円形のドットを推定し、重心位置を求めて着弾位置とする方法も可能である。尚、場合によっては、着弾した液滴の画像における重心位置ではなく、ドット形状から所定の端部を検出し、端部の位置を着弾位置とする方法などもあり得る。
制御部12は、画像処理プログラムを実装してCPUで画像処理を実行してもよいし、例えばパイプラインプロセッサのような専用のハードウェアを内蔵して高速に画像処理を実行してもよい。
制御部12は、画像処理プログラムを実装してCPUで画像処理を実行してもよいし、例えばパイプラインプロセッサのような専用のハードウェアを内蔵して高速に画像処理を実行してもよい。
図4に、撮像部9が撮像した着弾画像の例を模式的に示す。制御部12は、着弾した液滴(着弾ドットDT)が示す色あるいは濃度の範囲を予め記憶しており、撮像部9から送信された画像データPDATAに基づいて、着弾ドットDTを抽出することができる。
本実施形態では、本来着弾すべき着弾予定位置が撮像画面の中心Cに写るように撮像部の位置を設定している。このため、液滴が実際に着弾予定位置に着弾したとすれば、撮像画面の中心に着弾ドットDTが撮影されるはずである。しかし、何らかの事由により着弾予定位置からずれて着弾したとすれば、着弾ドットDTは撮像画面の中心位置からは偏移して撮影されることになる。
制御部12は、画像データPDATAを画像処理して、着弾ドットDTの重心位置GCを検出し、着弾予定位置である撮像画面の中心Cとのずれを求める。すなわち、撮像画面の中心Cを原点とするXY座標系において、着弾ドットDTの重心位置GCのX座標値とY座標値を求める。そして、重心位置GCのX座標値を主走査方向におけるずれ量Mx、Y座標値を主走査方向と直交する方向(副走査方向)におけるずれ量Myとする。
制御部12は、位置ずれ量の調整可能範囲を予め記憶しており、求めたずれ量が調整可能範囲内にあるか否かを判定する。求めたずれ量が調整可能範囲内に収まっていない場合には、例えばノズルの先端付近にゴミや異物が付着し、液滴の軌道が大幅に影響を受けている事が想定される。そこで、制御部12は、まずノズルをクリーニングするためのクリーニング部(図2の6C)を駆動させる。求めたずれ量が調整可能範囲内にある場合には、同一の主走査ラインにおける次の吐出については、主走査方向におけるずれ量Mxおよび副走査方向におけるずれ量Myに基づいて装置動作を補正して、着弾位置を調整する。
本実施形態では、主走査方向におけるずれ量Mxについては、ノズル7からインクを吐出させるタイミングを補正することにより、着弾位置を調整する。ノズル7が基体4を相対的に主走査する速度をVSとした時、Mx/VSだけ以後の吐出タイミングを補正して着弾位置を調整する。もちろん、主走査方向を基準にして着弾が早すぎる方向にずれていた場合には吐出タイミングを遅くするように調整し、着弾が遅すぎる方向にずれていた場合には吐出タイミングを早めるように調整する。
着弾位置の調整は、吐出周波数を一定にしながら走査台8を制御して主走査の機械的な速度を変調することによっても可能であるが、変調の応答速度や制御精度を十分にしようとすると、機械や制御が複雑になるため簡単ではない。そこで、本実施形態では、走査台8による主走査方向の機械的な走査速度は一定にしつつ、吐出ノズルから液滴を吐出するタイミングを補正して着弾位置の調整をする。
一つの態様としては、タイミングの修正情報として補正量であるMx/VSを制御部12からインクジェットヘッド6に逐次送信し、インクジェットヘッド6がノズル7への駆動パルスの印加タイミングを適宜調整するよう構成すればよい。
ここで、液滴を吐出するためにノズル7に印加する駆動信号は、例えば図5に示すような電圧波形である。時間的に長いメインパルスは、液滴をノズルから飛び出させるための液出しパルスであり、後続する短いサブパルスは液切れを良くしてサテライト(不要な微小液滴)の発生を抑制する液切りパルスである。もちろん、用いるノズルやインクの種類の組み合わせにより図5の波形は異なったものとなる。制御部12は、着弾位置が機能素子を製造するために許容される所定の範囲内に収まるように補正する指令を、インクジェットヘッド6に対して送信し、インクジェットヘッド6は駆動パルスの印加タイミングを適宜補正する。
ここで、液滴を吐出するためにノズル7に印加する駆動信号は、例えば図5に示すような電圧波形である。時間的に長いメインパルスは、液滴をノズルから飛び出させるための液出しパルスであり、後続する短いサブパルスは液切れを良くしてサテライト(不要な微小液滴)の発生を抑制する液切りパルスである。もちろん、用いるノズルやインクの種類の組み合わせにより図5の波形は異なったものとなる。制御部12は、着弾位置が機能素子を製造するために許容される所定の範囲内に収まるように補正する指令を、インクジェットヘッド6に対して送信し、インクジェットヘッド6は駆動パルスの印加タイミングを適宜補正する。
タイミング補正の別の態様としては、インクジェットヘッド6の駆動は一定の周期で行うが、機能素子を作成するための当該主走査ラインの描画パターンのデータを、主走査方向のずれ量Mxに基づいて修正する方法があげられる。この場合には、インクジェットヘッド6の駆動回路を複雑化させることなく、実質的に吐出タイミングを変更することができる。ただし、描画パターンのマスターデータを変更してしまうと、別の基体をインクジェット装置にセットして描画する時に支障をきたすので、当該基体のためのカレント描画データを書換え可能メモリー上に作成し、修正するのがよい。
このように、主走査方向のずれについては、吐出タイミングを調整することにより、当該主走査ラインにおける以後の着弾は位置が補正され、作成される機能素子の特性を担保することができる。
本実施形態では、主走査方向と直交する方向(副走査方向)におけるずれ量Myについては、ノズル7と基体4の相対的な位置関係を調整することにより、着弾位置を補正する。先に述べたように、主走査方向の機械的な走査速度を変調するのは簡単ではないが、一定速度で主走査しながら副走査方向の位置を機械的に調整するのは比較的容易である。そこで、制御部12は、走査台8を制御して基体4とノズル7の相対位置を、検知したずれ量Myに基づいて調整する。
このように、副走査方向のずれについては、ノズルと基体の相対的な位置を調整することにより、当該主走査ラインにおける以後の着弾は位置が補正され、作成される機能素子の特性を担保することができる。
以上のように、本実施形態では、機能素子を作成するために主走査ラインに沿って多数の液滴を吐出してゆく際に、機能素子を作成するための吐出を行った時に、基体の裏側から光学的に着弾位置のずれ量を検知する。そして、機能素子を作成するために当該主走査ラインで行う以後の吐出において、検知したずれ量に基づいて必要な着弾位置の修正を行う。
次に、本実施形態の例として、ボトムエミッション型の有機EL素子を備える有機EL表示装置を製造する場合について説明する。他の型の有機EL素子や、有機EL素子以外の機能素子も同様に製造することができる。
図9に、本発明の表示装置の一実施形態の構成を模式的に示す斜視図である。本発明の表示装置は、複数の有機EL素子91がマトリックス状に配置され、表示領域92を形成している。各有機EL素子は、任意の色を発光する。赤色、緑色、青色それぞれの色を発光する3つの有機EL素子を1画素として、フルカラーの表示装置としてもよい。
図9のA−A’線における部分断面模式図が、図7(d)である。各有機EL素子91は、基板41上に、透明電極層42と上部電極55の間に発光層53を有しており、で発光領域はバンク49によって区画されている。尚、図7(d)には、透明電極層42と上部電極55の間に発光層53が挟まれた単純な構造の有機EL素子を示したが、電子輸送層、電子注入層、正孔輸送層、正孔注入層等を含む複雑な層構成の有機EL素子であっても、もちろん差し支えない。
図9に、本発明の表示装置の一実施形態の構成を模式的に示す斜視図である。本発明の表示装置は、複数の有機EL素子91がマトリックス状に配置され、表示領域92を形成している。各有機EL素子は、任意の色を発光する。赤色、緑色、青色それぞれの色を発光する3つの有機EL素子を1画素として、フルカラーの表示装置としてもよい。
図9のA−A’線における部分断面模式図が、図7(d)である。各有機EL素子91は、基板41上に、透明電極層42と上部電極55の間に発光層53を有しており、で発光領域はバンク49によって区画されている。尚、図7(d)には、透明電極層42と上部電極55の間に発光層53が挟まれた単純な構造の有機EL素子を示したが、電子輸送層、電子注入層、正孔輸送層、正孔注入層等を含む複雑な層構成の有機EL素子であっても、もちろん差し支えない。
以下、有機EL素子の製造工程について説明する。まず、図6(a)〜図8(e)に模式的に示した手順に沿って、インクジェット装置1にセットするための基体4を準備する。ここでは図示の便宜のため、有機EL素子の一素子に相当する領域の断面のみを示す。
まず、図6(a)に示すように、透光性を有する基板41を準備する。基板41には、有機EL素子を駆動するためのTFT回路が設けられている。基板41は、ガラス等の無機材料や、樹脂等の有機材料が用いられ、典型的には板状の部材であるが、透光性を有する基体として機能し得るものであれば形態が限られるわけではなく、たとえば変形可能なフィルムであってもよい。
次に、図6(b)に断面構造を示すように、基板41上に第1の電極として透明電極層42を形成する。また、透明電極層42の近傍には、不図示のTFTや接続配線を設ける。
次に、図6(b)に断面構造を示すように、基板41上に第1の電極として透明電極層42を形成する。また、透明電極層42の近傍には、不図示のTFTや接続配線を設ける。
次に、図6(c)に示すように、絶縁層44を形成する。絶縁層44は、有機EL素子のバンク部分を作成するために設けられる層である。絶縁層44は、SiO2をはじめとする無機酸化物、あるいは例えばポリイミド、アクリル等の樹脂で形成される。
次に、図6(d)に示すように開口部を有するマスク45を例えばフォトリソグラフィーを用いて絶縁層44の上に配置する。そして、例えばリアクティブイオンエッチング48により、絶縁層44をエッチングして透明電極層42が露出した開口部を形成する。
開口部を形成した後にマスク45を除去することにより、図6(e)に示すように、バンク49が形成された基体4が準備できる。その際、リアクティブイオンエッチングの条件や、マスク45を除去する条件を適宜選択することにより、透明電極層42や不図示のTFT等を侵食することなく絶縁層44をパターニングしてバンク49を形成することができる。パターニング後、材料の残渣を除去するために、UVオゾン処理やO2プラズマ処理を行っても良い。
バンク49は、複数の有機EL素子を1次元あるいは2次元に配列する場合に、各有機EL素子を空間的に分離するとともに電気的に絶縁する壁として機能させることができる。バンク49の開口の中心位置は、インクジェット装置1のノズル7から有機EL素子の材料を含むインクを吐出する際に、液滴を着弾させるべき目標位置となる。
以上により、基体4が準備できたら、基体4をインクジェット装置1の基台3上の所定位置にセットする。
以上により、基体4が準備できたら、基体4をインクジェット装置1の基台3上の所定位置にセットする。
図7(a)〜図7(d)は、有機EL素子を形成する手順を説明するために、インクジェット装置1によるインクの塗布工程等の各工程を模式的に示した図である。各図は、図示の便宜のため、有機EL素子の一素子に相当する領域の断面を模式的に示しているが、インクの塗布に関しては、図8で説明した走査手順で多数の有機EL素子を形成する領域全体を走査しながら行う。
本実施形態では、有機EL素子の発光層をインクジェット法により形成するため、一つの有機EL素子あたり複数発のインク液滴をバンク49で囲まれた領域に向けて吐出してゆく。主走査ラインに沿って発光層を形成するための吐出を行った時に、基体の裏側から光学的に着弾位置のずれ量を検知し、検知したずれ量に基づいて、当該主走査ラインにおける以後の吐出では、必要な着弾位置の修正を行う。
発光層53を形成するには、所望の発光色に応じた蛍光性有機化合物若しくは燐光性有機化合物を、キシレン等の有機系溶媒に溶解させた有機溶媒系インクを、塗布し乾燥させる。発光層用の有機溶媒系インクには、ゲスト材料、ホスト材料などの複数の材料が含まれていてもよい。インクに含まれる発光材料としては、高分子材料、中分子材料または低分子材料などが挙げられ、塗布型に用いられ得る発光材料であれば特に限定されない。例えば、ポリフルオレン、ポリフルオレンの共重合体、ポリフェニレンビニレンなどの高分子材料、オリゴフルオレンなどの中分子材料が挙げられる。また、フルオレン系、ピレン系、フルオランテン系、アントラセン系などの縮合多環化合物、イリジウムを含む金属錯体などの低分子材料も挙げられる。発光層53は、好適には、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体などの高分子系材料を含み得る。赤色の発光層を形成するには、例えばゲスト材料として赤色燐光発光イリジウム金属錯体を、ホスト材料としてポリフルオレンを含有する赤色発光層用インクを用いる。また、緑色の発光層を形成するには、例えばゲスト材料としてフルオランテン系の縮合多環化合物を、ホスト材料としてのポリフルオレンを含有する緑色発光層用インクを用いる。また、青色の発光層を形成するには、例えばゲスト材料としてピレン系の縮合多環化合物を、ホスト材料としてのオリゴフルオレンを含有する青色発光層用インクを用いる。
まず、図7(a)に示すように、インクジェット装置1のノズル7から、バンク49で囲まれた領域に向けて、発光層53の材料を含むインクの一発目の液滴51を吐出する。
液滴51が基体4に着弾すると、すでに説明したように撮像部9が基体4の裏側から着弾ドットを撮影し、制御部12は着弾予定位置からのずれ量を計測する。この場合、着弾予定位置はバンク49で囲まれた領域の中心位置である。
液滴51が基体4に着弾すると、すでに説明したように撮像部9が基体4の裏側から着弾ドットを撮影し、制御部12は着弾予定位置からのずれ量を計測する。この場合、着弾予定位置はバンク49で囲まれた領域の中心位置である。
例えば、図7(b)に模式的に示すように、定常的な気流等の影響で、着弾ドット52の位置が着弾予定位置から副走査方向(Y方向)にずれていたとする。
すると、制御部12は走査台8に制御信号を送り、図7(c)に示すように、基体4とノズル7の相対位置を着弾位置ずれがキャンセルされる方向に補正して、次の液滴51を吐出する。発光層53を形成するのに必要な数の液滴51を補正した位置で吐出し、その後乾燥させれば、図7(d)に示すように、バンク49で囲まれた領域内に、形状の対象性が良い所定膜厚の発光層53を形成することができる。そして、例えば金属のように光反射性と導電性に優れた材料を発光層53の上に被覆して、第2の電極である上部電極55を形成する。最後に、有機EL素子が形成された領域を、大気に含まれる水分から遮断するための公知の封止構造を設ける。このようにして、大面積の基板上に多数の有機EL素子が配置された有機EL装置を、特性のむらなく作成することができる。
すると、制御部12は走査台8に制御信号を送り、図7(c)に示すように、基体4とノズル7の相対位置を着弾位置ずれがキャンセルされる方向に補正して、次の液滴51を吐出する。発光層53を形成するのに必要な数の液滴51を補正した位置で吐出し、その後乾燥させれば、図7(d)に示すように、バンク49で囲まれた領域内に、形状の対象性が良い所定膜厚の発光層53を形成することができる。そして、例えば金属のように光反射性と導電性に優れた材料を発光層53の上に被覆して、第2の電極である上部電極55を形成する。最後に、有機EL素子が形成された領域を、大気に含まれる水分から遮断するための公知の封止構造を設ける。このようにして、大面積の基板上に多数の有機EL素子が配置された有機EL装置を、特性のむらなく作成することができる。
本実施形態では、有機EL素子を作成するためにインクを吐出した際に撮像部を用いて着弾位置を計測し、計測結果に基づいて当該主走査ライン上の残りの吐出の着弾位置の制御を行う。直前に計測されたずれ量に基づいて補正することにより、主走査ライン全体にわたり着弾位置を高精度に制御することができ、有機EL素子の表示特性の均一性を高めることができる。
[他の実施形態]
本発明の実施形態は、上述した実施形態に限られるものではなく、適宜変更したり、組み合わせたりすることが可能である。
例えば、上記実施形態ではインクジェットヘッド及び撮像部の位置を固定し、基体をXY両方向に移動させて走査したが、走査機構はこれに限らない。要は、基体とインクジェットヘッドの相対位置を制御して相対的に走査が可能ならばよいので、例えば主走査方向はインクジェットヘッドを撮像部とともに移動させ、副走査方向は基体を移動させて走査する機構であってもよい。また、走査方法は図8に示した方法には限らず、例えば往路と復路で隣接した列を走査するのではなく、いわゆるインターレースのように隣接列を飛び越して走査してもよい。
本発明の実施形態は、上述した実施形態に限られるものではなく、適宜変更したり、組み合わせたりすることが可能である。
例えば、上記実施形態ではインクジェットヘッド及び撮像部の位置を固定し、基体をXY両方向に移動させて走査したが、走査機構はこれに限らない。要は、基体とインクジェットヘッドの相対位置を制御して相対的に走査が可能ならばよいので、例えば主走査方向はインクジェットヘッドを撮像部とともに移動させ、副走査方向は基体を移動させて走査する機構であってもよい。また、走査方法は図8に示した方法には限らず、例えば往路と復路で隣接した列を走査するのではなく、いわゆるインターレースのように隣接列を飛び越して走査してもよい。
また、液滴の着弾位置を検出するための画像処理は、必ずしも制御部12で行わなければならないわけではない。例えば、画像データを外部機器20に送信し、外部機器20で着弾位置を検出し、結果を制御部12に送信してもよい。あるいは、撮像部9を構成するカメラに画像処理部を付設し、撮像部9が着弾位置を検出して結果を制御部12に送信してもよい。これらの場合には、着弾位置を検出するための画像処理を行う装置が、制御部の一部として動作しているとみなすことが可能である。
また、着弾位置を検出する画像処理アルゴリズムは、重心を求める方法に限らず、それ以外の方法でも採用され得る。
また、着弾位置を検出する画像処理アルゴリズムは、重心を求める方法に限らず、それ以外の方法でも採用され得る。
また、図7(c)の例では、位置ずれを検出した機能素子と同じ機能素子に対してその後に吐出する液滴の着弾位置を補正したが、実施形態はこれに限るものではない。例えば、一つの機能素子あたり一発の液滴を付与すれば足りる場合には、位置ずれを検出した機能素子とは別の機能素子を作成する際に、その別の機能素子の着弾予定位置に液滴が着弾するように、先に検出した位置ずれ量に基づいて補正をすればよい。要は、機能素子を作成しながら直前に計測したずれ量に基づいて以後の吐出を補正することにより、機能素子を作成する領域の全体にわたり着弾位置を高精度に制御することができる。
また、機能素子として有機EL素子を製造する場合には、発光層の形成時に限らず、電子輸送層、電子注入層、正孔輸送層、正孔注入層、電極等をはじめとする他の層の材料を含むインクの塗布において本発明を実施してもかまわない。また、ボトムエミッション型の有機EL素子に限らず、他のタイプの有機EL素子で実施しても差し支えない。
もちろん、有機EL素子以外の機能素子の製造にも広く適用が可能で、たとえば大面積の基体上に帯電防止構造や反射防止構造やカラーフィルターを形成する際にも好適に実施することができる。
また、ノズルの駆動波形は図5の例に限るわけではなく、インクジェット装置の方式や用途により適宜変更し得る。
また、ノズルの駆動波形は図5の例に限るわけではなく、インクジェット装置の方式や用途により適宜変更し得る。
1・・・インクジェット装置/3・・・基台/4・・・基体/5・・・基体表面/6・・・インクジェットヘッド/6C・・・クリーニング部/7・・・ノズル/8・・・走査台/9・・・撮像部/10・・・液滴/11・・・ドット/12・・・制御部/20・・・外部機器/41・・・基板/42・・・透明電極層/44・・・絶縁層/45・・・マスク/48・・・リアクティブイオンエッチング/49・・・バンク/51・・・液滴/53・・・発光層/55・・・上部電極
Claims (16)
- インク液滴を基体に向けて吐出するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドが前記基体を相対的に走査するように、前記インクジェットヘッドおよび/または前記基体を動かす走査部と、
前記基体を挟んで前記インクジェットヘッドとは反対側に配置された撮像部と、
制御部と、を備え、
前記走査部が、前記インクジェットヘッドが前記基体を主走査方向に沿って走査するように、前記インクジェットヘッドおよび/または前記基体を動かしながら、
前記インクジェットヘッドが、機能素子を作成するためのインク液滴を前記基体に向けて吐出し、
前記機能素子を作成するための前記インク液滴が前記基体に着弾して形成されたドットを、前記撮像部が前記基体を通して撮像し、
前記撮像部が撮像した画像に基づいて、前記制御部が、前記機能素子を作成するための着弾予定位置と前記インク液滴の着弾位置との位置ずれを検出し、検出した前記位置ずれに基づいて、その後に機能素子を作成するために吐出するインク液滴の着弾位置を調整する、
ことを特徴とするインクジェット装置。 - 前記制御部は、前記その後に機能素子を作成するために吐出するインク液滴の着弾位置が、前記位置ずれを検出した前記機能素子の着弾予定位置に近づくように調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット装置。 - 前記制御部は、前記その後に機能素子を作成するために吐出するインク液滴の着弾位置が、前記位置ずれを検出した前記機能素子とは別の機能素子の着弾予定位置に近づくように調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット装置。 - 前記制御部は、検出した前記位置ずれのうち前記主走査方向の成分については、前記インクジェットヘッドがインク液滴を吐出するタイミングを修正することにより、その後に機能素子を作成するために吐出するインク液滴の着弾位置を調整する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット装置。 - 前記制御部は、検出した前記位置ずれの前記主走査方向の成分に基づいて、吐出するタイミングの修正情報を前記インクジェットヘッドに送信する、
ことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット装置。 - 前記制御部は、検出した前記位置ずれの前記主走査方向の成分に基づいて、当該主走査ラインの描画パターンのデータを変更する、
ことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット装置。 - 前記制御部は、検出した前記液滴の着弾位置と着弾予定位置の位置ずれのうち前記主走査方向と直交する方向の成分については、前記走査部に前記基体と前記インクジェットヘッドの相対的な位置関係を変更させることにより、その後に機能素子を作成するために吐出するインク液滴の着弾位置を調整する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット装置。 - インク液滴を基体に向けて吐出するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドが前記基体を相対的に走査するように、前記インクジェットヘッドおよび/または前記基体を動かす走査部と、
前記基体を挟んで前記インクジェットヘッドとは反対側に配置された撮像部と、
制御部と、を備えたインクジェット装置を用いた機能素子の製造方法であって、
前記走査部が、前記インクジェットヘッドが前記基体を主走査方向に沿って走査するように、前記インクジェットヘッドおよび/または前記基体を動かしながら、
前記インクジェットヘッドが、機能素子を作成するためのインク液滴を前記基体に向けて吐出し、
前記機能素子を作成するための前記インク液滴が前記基体に着弾して形成されたドットを、前記撮像部が前記基体を通して撮像し、
前記撮像部が撮像した画像に基づいて、前記制御部が、前記機能素子を作成するための着弾予定位置と前記インク液滴の着弾位置との位置ずれを検出し、検出した前記位置ずれに基づいて、その後に機能素子を作成するために吐出するインク液滴の着弾位置を調整する、
ことを特徴とする機能素子の製造方法。 - 前記制御部は、前記その後に機能素子を作成するために吐出するインク液滴の着弾位置が、前記位置ずれを検出した前記機能素子の着弾予定位置に近づくように調整する、
ことを特徴とする請求項8に記載の機能素子の製造方法。 - 前記制御部は、前記その後に機能素子を作成するために吐出するインク液滴の着弾位置が、前記位置ずれを検出した前記機能素子とは別の機能素子の着弾予定位置に近づくように調整する、
ことを特徴とする請求項8に記載の機能素子の製造方法。 - 前記制御部は、検出した前記インク液滴の着弾位置と着弾予定位置の位置ずれのうち前記主走査方向の成分については、前記インクジェットヘッドがインク液滴を吐出するタイミングを修正することにより、その後に機能素子を作成するために吐出するインク液滴の着弾位置を調整する、
ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の機能素子の製造方法。 - 前記制御部は、検出した前記位置ずれの前記主走査方向の成分に基づいて、吐出するタイミングの修正情報を前記インクジェットヘッドに送信する、
ことを特徴とする請求項11に記載の機能素子の製造方法。 - 前記制御部は、検出した前記位置ずれの前記主走査方向の成分に基づいて、当該主走査ラインの描画パターンのデータを変更する、
ことを特徴とする請求項11に記載の機能素子の製造方法。 - 前記制御部は、検出した前記液滴の着弾位置と着弾予定位置の位置ずれのうち前記主走査方向と直交する方向の成分については、前記走査部に前記基体と前記インクジェットヘッドの相対的な位置関係を変更させることにより、その後に機能素子を作成するために吐出するインク液滴の着弾位置を調整する、
ことを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載の機能素子の製造方法。 - 前記機能素子は有機EL素子であり、前記インク液滴は、有機EL素子の発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔輸送層、正孔注入層、電極のいずれかの材料を含む、
ことを特徴とする請求項8乃至14のいずれか1項に記載の機能素子の製造方法。 - 第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を有する複数の有機EL素子を備える表示装置の製造方法であって、
複数の前記第1の電極が形成された基体に、インクジェット法により発光材料を含むインクを塗布する工程と、
前記発光材料を含む液滴を乾燥させて発光層を形成する工程と、
前記発光層の上に前記第2の電極を形成する工程と、
を有しており、
前記インクジェット法により発光材料を含むインクを塗布する工程は、インクジェットヘッドが前記基体を主走査方向に沿って走査するように、前記インクジェットヘッドおよび/または前記基体を動かしながら、前記インクジェットヘッドから前記インクの液滴を前記基体に向けて吐出し、
前記液滴が前記基体に着弾して形成されたドットを、前記基体を通して撮像し、
前記液滴を着弾させる着弾予定位置と前記液滴が前記基体に着弾して形成されたドットの位置との位置ずれを検出し、
検出した前記位置ずれに基づいて、その後に前記インクジェットヘッドから前記液滴を吐出するタイミングおよび/または前記インクジェットヘッドと前記基体との相対位置を調整する、
ことを特徴とする表示装置の製造方法。
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JP2018110726A JP2019209672A (ja) | 2018-06-08 | 2018-06-08 | インクジェット装置、およびそれを用いた機能素子の製造方法 |
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Cited By (1)
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JP2022177813A (ja) * | 2021-05-18 | 2022-12-01 | セメス株式会社 | 基板処理制御方法、基板処理装置、基板処理方法、及びコンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラム |
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2018
- 2018-06-08 JP JP2018110726A patent/JP2019209672A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2022177813A (ja) * | 2021-05-18 | 2022-12-01 | セメス株式会社 | 基板処理制御方法、基板処理装置、基板処理方法、及びコンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラム |
JP7357110B2 (ja) | 2021-05-18 | 2023-10-05 | セメス株式会社 | 基板処理制御方法、基板処理装置、基板処理方法、及びコンピュータ読出し媒体に格納されたコンピュータプログラム |
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