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JP2019136172A - ステント - Google Patents

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修平 野村
Shuhei Nomura
修平 野村
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Abstract

【課題】生体組織や他のデバイスが損傷することを抑制でき、かつ薬剤を生体へ効果的に作用させることができるステントを提供する。【解決手段】線状構成要素が環状に形成された環状部20を有するステント10であって、環状部20は、ステント10の外周面側に位置する外表面11に隣接する側面12に、薬剤が設けられる少なくとも1つの針部50を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、生体管腔の開存状態を維持するステントに関する。
近年、例えば心筋梗塞や狭心症の治療では、冠動脈の病変部(狭窄部)にステントを留置して、冠動脈の開存状態を維持する手技が行われている。この手技は、他の血管、胆管、気管、食道、尿道、その他の生体管腔内に生じた狭窄部の治療についても行われることがある。
ステントが留置された血管は、血管壁の中膜に存在する血管平滑筋細胞の過剰増殖により、再狭窄を起こすことがある。このため、再狭窄を抑制する薬剤を表面に配置した薬剤溶出型ステントが使用されている。
しかしながら、ステントは、通常、血管の内壁面に接触して留置される。このため、薬剤を、血管壁の内膜よりも外側に位置する中膜に直接作用させることができない。また、薬剤が、目的部位以外へ作用する可能性がある。また、通常、ステントは留置後に内皮細胞に覆われるが、薬剤が溶出することで、内皮細胞に覆われることが阻害される可能性がある。
このため、例えば特許文献1には、ステントの外表面に設けた微小針により、薬剤を血管の組織内へ直接注入する方法が記載されている。
特表2002−517300号公報
ステントの外表面に微小針を設けると、ステントの搬送時に、微小針が、生体組織やシースなどの他のデバイスを傷つける可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、生体組織や他のデバイスが損傷することを抑制でき、かつ薬剤を生体へ効果的に作用させることができるステントを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係るステントは、線状構成要素が環状に形成された環状部を有するステントであって、前記環状部は、前記ステントの外周面側に位置する外表面に隣接する側面に、薬剤が設けられる少なくとも1つの針部を有することを特徴とする。
上記のように構成したステントは、薬剤が設けられる針部が、環状部の側面に設けられるため、健常な生体組織や他のデバイスの損傷を抑制できる。さらに、当該ステントは、拡張することで薬剤が設けられる針部が生体組織に刺さり、薬剤を生体組織へ効果的に作用させることができる。
前記環状部は、複数の曲げ部で繰り返し折り返されて環状に形成され、前記側面は、前記曲げ部において突出する凸状側面を有し、前記針部は、前記凸状側面に形成されてもよい。これにより、ステントが拡張することで径方向の外側を向きやすい凸状側面に、針部が形成されるため、ステントが拡張することで、針部を生体組織に効果的に刺すことができる。
前記環状部は、複数の曲げ部で繰り返し折り返されて環状に形成され、前記針部は、頂部と、前記側面に連結される基部と、前記頂部と基部の間に位置する中間部と、を有し、前記中間部は、前記ステントの内周面が位置する内周基準面よりも、前記ステントの径方向の内側に位置してもよい。これにより、ステントが径方向の内側からバルーン等の拡張体により押されて拡張する際に、針部の中間部が拡張体から径方向の外側へ向かう力を受ける。このため、針部が径方向の外側へ向かって突出するように変形し、針部が生体組織に効果的に刺さることができる。
前記針部は、前記ステントの径方向の外側へ向かって曲がってもよい。これにより、ステントが拡張することで、針部が、生体組織に刺さりやすい。
前記針部の頂部は、前記ステントの外周面が位置する外周基準面よりも、前記ステントの径方向の内側に位置してもよい。これにより、針部が、健常な生体組織や他のデバイスを傷つけることを抑制でき、安全性が向上する。
前記針部は、前記薬剤の少なくとも一部を収容する収容部を有してもよい。これにより、針部は、収容部により薬剤を良好に保持できるとともに、収容部から生体組織へ薬剤を放出できる。
前記針部は、前記薬剤を含む生分解性材料により形成されてもよい。これにより、針部は、生体組織に刺さった後、所定の時間が経過することで、薬剤を放出しつつ分解されて消滅する。このため、薬剤を生体組織へ長期間作用させることができるとともに、針部の消滅により生体の安全性を向上できる。
前記針部は、前記環状部の一部として一体的に形成されてもよい。これにより、針部が、環状部の側面から脱落することを抑制でき、安全性が向上する。
前記環状部を複数配列することによって、1つの筒体を形成してもよい。これにより留置する血管の拡張した状態を、複数の環状部によって良好に保持することができる。
バルーンカテーテルを示す側面図である。 実施形態に係るステントの一部を示す展開図である。 ステントの一部を拡大して示す展開図である。 ステントを拡張させた状態を示す拡大展開図である。 拡張する前のステントの一部を拡大して示す図であり、(A)は側面図、(B)は(A)の矢線Cから視た矢視図である。 拡張したステントの一部を拡大して示す図であり、(A)は側面図、(B)は(A)の矢線Dから視た矢視図である。 ステントの製造方法の例を示す図であり、(A)は素材をレーザー加工した状態、(B)はマスキングした状態、(C)は加工領域のマスキング剤を除去した状態、(D)はエッチングした状態、(E)は全体のマスキングを除去した状態、(F)は収容部を形成した状態を示す。 ステントの製造方法の他の例を示す図であり、(A)は接合面を表面加工した状態、(B)はステントの側面に針部を接合した状態を示す。 血管壁に留置したステントを示す断面図である。 ステントの第1の変形例の一部を拡大して示す側面図である。 ステントの第2の変形例の一部を拡大して示す側面図であり、(A)は拡張前の状態、(B)は拡張後の状態を示す。 ステントの変形例の一部を拡大して示す上面図であり、(A)は第3の変形例、(B)は第4の変形例、(C)は第5の変形例を示す。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。
本実施形態に係るステント10は、血管、胆管、気管、食道、尿道、またはその他の生体管腔内に生じた狭窄部や閉塞部を治療するために用いられる。なお、本明細書では、管腔に挿入する側を「先端側」、操作する手元側を「基端側」と称することとする。
ステント10は、図1に示すように、バルーン130の拡張力によって拡張する、いわゆるバルーン拡張型ステントである。まず、バルーンカテーテル100について説明する。
バルーンカテーテル100は、長尺なカテーテル本体部120と、カテーテル本体部120の先端に設けられるバルーン130と、カテーテル本体部120の基端に固着されるハブ140とを備えている。
カテーテル本体部120は、外管150と、外管150の内部に配置される内管160とを備えている。
外管150の内部には、バルーン130を拡張するための拡張用流体が流通する拡張用ルーメン151が形成されている。外管150の先端部は、バルーン130の基端部に固着されている。外管150の基端部は、ハブ140に固定されている。
内管160の内部には、ガイドワイヤーが挿入されるガイドワイヤールーメン161が形成されている。内管160の先端部は、バルーン130の内部を貫通し、バルーン130よりも先端側で開口している。内管160の基端部は、バルーン130よりも基端側で外管150の側壁を貫通して、外管150に固着されている。内管160の基端部は、固着されている外管150の側壁に、ガイドワイヤールーメン161に連通する側壁開口部162が形成されている。
ハブ140は、外管150の拡張用ルーメン151と連通する基端開口部141を備えている。基端開口部141は、拡張用流体を流入出させるポートとして機能する。
バルーン130は、例えば狭窄部の内部で拡張することで、狭窄部を押し広げる部位である。バルーン130は、所定の範囲を効率よく押し広げられるよう、軸方向中央部に、ほぼ同一径の筒状部131を有している。本実施形態に係るステント10は、収縮した状態で、収縮したバルーン130の筒状部131の外側に載置される。バルーン130の先端側は、内管160の外壁面に固着されている。バルーン130の基端側は、外管150の先端部の外壁面に固着されている。したがって、バルーン130の内部は、外管150に形成される拡張用ルーメン151と連通する。このため、バルーン130の内部は、拡張用ルーメン151を介して、基端開口部141から拡張用流体を流入可能である。バルーン130は、拡張用流体の流入により拡張し、流入した拡張用流体を排出することにより折り畳まれた状態となる。バルーン130は、拡張させない状態では、内管160の外周面に周方向へ巻きつくように折り畳まれた状態となるよう、形状付けられている。
バルーン130は、ある程度の可撓性を有する材料により形成されることが好ましい。そのような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用できる。
次に、ステント10について説明する。ステント10は、図2、3、5に示すように、バルーン130の軸心方向Xに並ぶ複数の環状部20と、軸心方向Xに隣接する環状部20同士を連結するリンク部30と、薬剤部40とを備えている。
各々の環状部20は、ジグザグに繰り返し折り返された波状の線状構成要素(線材)により形成されている。環状部20は、軸心方向Xの先端側に位置する複数の第1の曲げ部21と、基端側に位置する複数の第2の曲げ部22と、第1の曲げ部21と第2の曲げ部22の間に位置する略直線状の直線部23とを備えている。線状構成要素は、第1の曲げ部21および第2の曲げ部22で、先端側または基端側へ向かうように交互に折れ曲がっている。これにより、環状部20は、波状に形成される。
軸心方向Xに隣接する環状部20同士は、リンク部30によって一体的に連結されている。隣接する環状部20同士は、軸心方向Xと交差する周方向Yに沿った周上の少なくとも1か所(本実施形態では複数個所)で、リンク部30により連結される。リンク部30の先端部は、先端側に位置する環状部20の第2の曲げ部22に連結される。リンク部30の基端部は、基端側に位置する環状部20の第1の曲げ部21に連結される。なお、周方向Yに沿った周上に並ぶリンク部30の数は、1つの環状部20の周方向Yに沿った周上に並ぶ第1の曲げ部21の数よりも少なく、かつ周方向Yに沿った周上に並ぶ第2の曲げ部22の数よりも少ない。このため、軸心方向Xにおいてリンク部30が設けられる位置、すなわち、2つの環状部20の間の位置におけるステント10の曲げ剛性は、環状部20が設けられる位置のステント10の曲げ剛性よりも小さい。ステント10の軸心方向Xの両端には、2つの末端環状部20Aが設けられている。
環状部20およびリンク部30は、外表面11と、側面12と、内表面13とを備えている。ステント10は、後述するように、素材となる円管からレーザー加工等によって切り出される。このため、外表面11は、図5に示すように、全体として略筒状であるステント10の外周面を延長して繋いだ曲面、すなわち、加工前の素材である円管の外周面に対応する外周基準面S1に位置する。また、内表面13は、全体として略筒状であるステント10の内周面を延長して繋いだ曲面、すなわち、素材である円管の内周面に対応する内周基準面S2に位置する。
側面12は、図3、5に示すように、外表面11および内表面13を繋ぎ、外表面11および内表面13と略垂直な面である。側面12は、第1の曲げ部21および第2の曲げ部22において、凸状である凸状側面12Aと、凹状である凹状側面12Bとを備えている。展開図において、第1の曲げ部21および第2の曲げ部22の凹状側面12B側の角度θは、鋭角である。
側面12は、凸状である凸状側面12Aに、突出する針部50が形成されている。針部50の頂部51は、鋭利である。針部50は、凸状側面12Aから略垂直に突出した後、ステント10の径方向Zの外側へ向かって曲がっている。針部50の長さは、特に限定されないが、例えば50〜500μmである。これにより、針部50は、血管壁の内膜を貫通して中膜へ到達できるとともに、厚さが約1mmとされる血管壁を貫通することを抑制できる。凸状側面12Aの法線に対して針部50が曲がる角度αは、特に限定されないが、0度以上であって180度未満、好ましくは10〜90度、さらに好ましくは60〜90度である。針部50は、適切に曲がっていることで、生体組織へ刺さりやすくなる。
なお、針部50の頂部51は、ステント10の径方向Zの外側へ向いていなくてもよい。また、頂部51は、後述するように、生体組織に刺さることができれば、鋭利でなくてもよい。頂部51は、十分に細ければ、必ずしも鋭利でなくても、生体組織に刺さることができる。針部50の形状は、特に限定されず、例えば円錐形状、円筒形状、湾曲形状、直線形状等である。ステント10の収縮状態(バルーン130に載置された状態)において、頂部51は、外周基準面S1よりも径方向Zの内側に位置していることが好ましい。これにより、ステント10の搬送時に、針部50が、血管壁などの生体組織や、シースなどの他のデバイスを傷つけることを抑制できる。
針部50は、薬剤部の少なくとも一部を収容する収容部54を備えている。収容部54は、例えば、針部50の頂部51または側壁面に形成される1つまたは複数の溝または穴である。収容部54は、ステント10の径方向Zの外側へ向かって開口することが好ましい。これにより、針部50が生体組織に刺さる側に収容部54の開口が形成される。したがって、針部50が生体組織に刺さった後、薬剤を目的部位以外へ流出させずに、目的部位へ薬剤を効果的に放出できる。なお、収容部54の開口方向は、特に限定されない。
先端側の末端環状部20Aの先端側の側面12、すなわちステント10の最先端の側面12には、図2に示すように、針部50が形成されていない。また、基端側の末端環状部20Aの基端側の側面12、すなわちステント10の最基端の側面12には、針部50が形成されていない。これにより、ステント10の搬送時に、針部50が、血管壁などの生体組織や、シースなどの他のデバイスを傷つけることを抑制できる。なお、先端側の末端環状部20Aの先端側の側面12に、針部50が形成されてもよい。また、基端側の末端環状部20Aの基端側の側面12に、針部50が形成されてもよい。
ステント10は、留置対象部位により異なるが、一般的に、拡張時(非収縮時)の外径が1.5〜30mm、好ましくは2.0〜20mm、肉厚が0.04〜1.0mm、好ましくは0.06〜0.5mmのものであり、長さは、5〜250mm、好ましくは8〜200mmである。
ステント10は、生体適合性を有する材料から構成される。生体適合性を有する材料は、例えば、鉄、チタン、アルミニウム、スズ、タンタルもしくはタンタル合金、プラチナもしくはプラチナ合金、金もしくは金合金、チタン合金、ニッケル−チタン合金、コバルトベース合金、コバルト−クロム合金、ステンレス鋼、亜鉛−タングステン合金、ニオブ合金等である。
薬剤部40は、薬剤と、薬剤を担持するための薬剤担持体とを含んでいる。なお、薬剤部40は、薬剤担持体を含まずに薬剤のみにより構成されてもよい。薬剤部40は、環状部20の外表面11の一部を覆う第1の薬剤部41と、針部50に設けられる第2の薬剤部42とを備えている。第1の薬剤部41は、環状部20から脱落し難いように、環状部20の変形しやすい部位には被覆されないことが好ましい。したがって、第1の薬剤部41は、ステント10の外表面11の、第1の曲げ部21、第2の曲げ部22およびリンク部30を除く部位に被覆されている。すなわち、第1の薬剤部41は、環状部20の第1の曲げ部21および第2の曲げ部22を除く直線部23の外表面11に被覆されている。なお、第1の薬剤部41は、第1の曲げ部21、第2の曲げ部22およびリンク部30に被覆されてもよい。また、第1の薬剤部41は、設けられなくてもよい。第2の薬剤部42は、針部50に形成される収容部54に収容される。
薬剤としては、例えば、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、インスリン抵抗性改善剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、抗高脂血症薬、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GP IIb/IIIa拮抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロン、一酸化窒素産生促進物質が挙げられる。薬剤は、具体的に例えば、ラパマイシン、パクリタキセル、ドセタキセル、エベロリムス、バイオリムス等である。
次に、ステント10の製造方法の一例を説明する。
まず、図7(A)に示すように、素材である金属製の円管から、非構成部分を除去する。円管の加工は、切削加工(例えば、機械研磨、レーザー切削加工)、放電加工、化学エッチングなどにより行うことができ、さらにそれらの併用により行ってもよい。これにより、環状部20およびリンク部30が一体的に形成されるとともに、針部50となる前の凸部60が形成される。次に、図7(B)に示すように、加工された材料の表面にマスキング剤61をマスキングする。次に、図7(C)に示すように、加工領域である凸部60のマスキング剤61を除去する。次に、図7(D)に示すように、マスキング剤61を除去された凸部60に、エッチングを施す。このとき、マスキング剤61に覆われている環状部20は、エッチングされない。これにより、凸部60に、鋭利な頂部51が形成される。次に、図7(E)に示すように、例えば高出力のフェムト秒レーザーにより、収容部54を形成する。高出力のフェムト秒レーザーを用いることで、材料に溶融痕を残さずに蒸散させ、微細な収容部54を形成できる。この後、環状部20に第1の薬剤部41を配置するとともに、図7(F)に示すように、収容部54に第2の薬剤部42を配置する。この後、必要に応じて、凸部60を径方向Zの外側へ向かって押圧して曲げてもよい。なお、凸部60は、曲げなくてもよい。これにより、図5に示すように、第2の薬剤部42が設けられた針部50を備えるステント10が完成する。
次に、ステント10の製造方法の他の例を説明する。他の例では、図8(A)に示すように、針部50が設けられていない環状部20と、針部50を別々に準備する。針部50の構成材料は、環状部20と同じであっても、異なってもよい。次に、環状部20および針部50の接合する面を表面加工する。表面加工により、環状部20および針部50の表面の、高分子材料(ポリマー)に対する接着性が向上する。表面加工は、例えば、微細な凹凸を形成する微細加工や、表面改質加工である。微細加工は、例えば、ブラスト加工、レーザー加工、化学研磨加工等である。表面改質加工は、例えば、プラズマ処理加工、高分子材料で覆う加工である。次に、図8(B)に示すように、接着剤である高分子材料により、環状部20と針部50を接合する。硬化した高分子材料は、接合部71となる。この後、環状部20に第1の薬剤部41を配置するとともに、収容部54に第2の薬剤部42を配置する。これにより、第2の薬剤部42が設けられた針部50を備えるステント10が完成する。
次に、本実施形態に係るステント10の作用を説明する。ここでは、血管の狭窄部を治療する場合を例として説明する。
まず、図1に示すバルーンカテーテル100を準備する。バルーン130および拡張用ルーメン151内の空気をできる限り抜き取り、バルーン130および拡張用ルーメン151内を拡張用流体に置換しておく。また、内管160内を生理食塩水に置換しておく。このとき、バルーン130は、折り畳まれた状態となっている。ステント10は、折り畳まれたバルーン130の外側に載置されている。
次に、ガイドワイヤールーメン161内にガイドワイヤーを挿入する。次に、ガイドワイヤーおよびバルーンカテーテル100を、血管内へ挿入する。続いて、ガイドワイヤーを先行させつつバルーンカテーテル100を進行させ、バルーン130を狭窄部へ到達させる。
次に、ハブ140の基端開口部141から、インデフレーター、シリンジ、またはポンプ等を用いて拡張用流体を所定量注入する。これにより、拡張用流体が、拡張用ルーメン151を通じてバルーン130の内部に入る。これにより、折り畳まれたバルーン130が拡張する。これにより、バルーン130の筒状部131が、狭窄部を押し広げるとともに、図4に示すように、ステント10を塑性変形させながら押し広げる。このとき、第1の曲げ部21および第2の曲げ部22の角度θは、増加する。ステント10は、図9に示すように、内膜201と接触し、血管平滑筋細胞の過剰増殖で形成された肥厚部204を押し広げる。これにより、ステント10は、血管内に血液の流路を確保する。
ステント10が拡張し、第1の曲げ部21の角度θが増加する際に、図6に示すように、凸状側面12Aには、圧縮応力が作用し、凹状側面12Bには、引張応力が作用する。第1の曲げ部21は、ステント10の収縮状態(拡張前の状態)において、図5に示すように曲がっており、かつ、平面ではなく曲面である外周基準面S1および内周基準面S2の間に挟まれて位置している。このため、第1の曲げ部21と、直線部23に位置する2つの点Pは、図5(B)に示すように、先端側から視て、直線状に並ばない。2つの点Pは、第1の曲げ部21に対して、ステント10の内表面13側に偏って位置する。このため、第1の曲げ部21の角度θを大きくするように、第1の曲げ部21を挟む2つの点Pが離れると、図6に示すように、凸状側面12Aの外表面11に近い側よりも、内表面13に近い側に、強い圧縮応力が作用する。このため、第1の曲げ部21は、ステント10の径方向Zの外側へ向かって反り返るように変形する。このため、第1の曲げ部21は、ステント10の径方向Zの外側へ向かって反り返るように変形しやすい。これにより、針部50の頂部51は、第1の曲げ部21よりも径方向Zの外側へ突出する。したがって、第1の曲げ部21の針部50は、図9に示すように、血管壁の内膜201を貫通し、中膜202または肥厚部204に到達する。なお、針部50は、外膜203を貫通しない。
また、同様の原理により、第2の曲げ部22に設けられる針部50の頂部51も、第2の曲げ部22よりも径方向Zの外側へ突出する。したがって、第2の曲げ部22の針部50も、血管壁の内膜201を貫通し、中膜202または肥厚部204に到達する。
また、環状部20の第1の曲げ部21と第2の曲げ部22の間に位置する直線部23の多くは、ステント10の収縮状態において、図2、3に示すように、周方向Yよりも、軸心方向Xに沿って延在している。すなわち、一部の直線部23は、軸心方向Xに対して傾いているが、多くの直線部23は、軸心方向Xと平行に近い。このため、多くの直線部23は、素材である管体の曲率の影響が小さく、略直線状に形成されている。略直線状の直線部23は、ステント10が拡張すると、図4に示すように、周方向Yに沿うように傾く。通常、直線状の部材が円周上に沿って配置されると、直線状の部材が円周の曲率に沿うことができないため、部材の中央部よりも、部材の両端部の方が、径方向の外側に位置する。したがって、直線部23は、周方向Yに沿って延在すると、直線部23の中央部よりも、両端が径方向Zの外側へ突出する。このため、多くの直線部23の両端に位置する第1の曲げ部21と第2の曲げ部22は、直線部23よりも径方向Zの外側へ突出する。したがって、図9に示すように、第1の曲げ部21および第2の曲げ部22の針部50は、前述した反り返りの効果に加えて、直線部23からの突出による効果も作用し、径方向Zの外側へ突出しやすい。したがって、針部50は、血管壁の内膜201を貫通しやすく、中膜202または肥厚部204に到達しやすい。
この後、拡張用流体を基端開口部141より吸引して排出する。これにより、バルーン130が収縮して折り畳まれた状態とする。ステント10は、拡張する際に塑性変形しているため、押し広げられた状態のまま狭窄部に留置される。この後、血管よりガイドワイヤーおよびバルーンカテーテル100を抜去する。血管内に留置されたステント10は、時間の経過によって、全体が内皮細胞により覆われる。針部50が、中膜202または肥厚部204に到達しているため、針部50に設けられる第2の薬剤部42の薬剤が、中膜202または肥厚部204に直接的に作用する。
以上のように、本実施形態に係るステント10は、線状構成要素が環状に形成された環状部20を有するステント10であって、環状部20は、ステント10の外周面側に位置する外表面11に隣接する側面12に、薬剤が設けられる少なくとも1つの針部50を有する。
上記のように構成したステント10は、薬剤が設けられる針部50が、環状部20の側面12に設けられるため、健常な生体組織や他のデバイスの損傷を抑制できる。さらに、当該ステント10は、拡張することで薬剤が設けられる針部50が生体管腔に刺さり、薬剤を生体組織へ効果的に作用させることができる。
また、環状部20は、複数の曲げ部で繰り返し折り返されて環状に形成され、側面12は、第1の曲げ部21および第2の曲げ部22において突出する凸状側面12Aを有し、針部50は、凸状側面12Aに形成されている。これにより、ステント10が拡張することで径方向Zの外側を向きやすい凸状側面12Aに、針部50が形成されるため、ステント10が拡張することで、針部50を生体組織に効果的に刺すことができる。
また、針部50は、ステント10の径方向Zの外側へ向かって曲がっている。これにより、ステント10が拡張することで、針部50が、生体組織に刺さりやすい。
また、針部50の頂部51は、ステント10の外周面が位置する外周基準面S1よりも、ステント10の径方向Zの内側に位置してもよい。これにより、針部50が、健常な生体組織や他のデバイスを傷つけることを抑制でき、安全性が向上する。
また、針部50は、薬剤の少なくとも一部を収容する収容部54を有している。これにより、針部50は、収容部54により薬剤を良好に保持できるとともに、収容部54から生体組織へ薬剤を放出できる。
また、針部50は、環状部20の一部として一体的に形成されている。これにより、針部50が、環状部20の側面12から脱落することを抑制でき、安全性が向上する。
また、環状部20を複数配列することによって、1つの筒体を形成している。これにより留置する血管の拡張した状態を、複数の環状部20によって良好に保持することができる。なお、環状部は、1つの場合もあり得る。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、針部72は、図10に示す第1の変形例のように、薬剤を含有する生分解性高分子材料あるいは生分解性金属材料等の生分解性材料により形成されてもよい。これにより、生分解性の針部72は、中膜202や肥厚部204に刺さった後、薬剤を徐放しつつ分解される。このため、薬剤を生体組織絵へ長期間作用させることができるとともに、針部72が分解されて消滅することで、生体の安全性を向上できる。生分解性高分子材料は、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸−グリコール酸共重合体、ポリカプロラクトン、乳酸−カプロラクトン共重合体、グリコール酸−カプロラクトン共重合体、ポリ−γ−グルタミン酸等の生分解性合成高分子材料、あるいはセルロース、コラーゲン等の生分解性天然高分子材料等である。生分解性金属材料は、例えば、マグネシウム、亜鉛等である。
針部72が生分解性高分子材料により形成される場合、針部72は、射出成型法やキャスト法により形成できる。射出成型法では、原料を熱で溶かし、金型に圧入した後、冷却して固める。これにより、微細な針部72を形成できる。キャスト法では、原料を溶媒に溶かし、金型に流し込んだ後、溶媒を蒸発させて固める。これにより、微細な針部72を形成できる。形成された針部72は、図8に示す方法と同様に、環状部20に接合できる。針部72が生分解性材料の場合、薬剤は、材料に混ざって含まれるが、前述の実施形態と同様に、収容部に収容されてもよい。針部72が生分解性材料の場合、針部72は分解されるため、収容部は、外部に開口していない閉じた空間であってもよい。
また、図11に示す第2の変形例のように、針部80は、バルーン130から受ける力によって変形可能であってもよい。針部80は、頂部81と、環状部20の側面12に連結される基部82と、頂部81と基部82の間に位置する中間部83とを備える。針部80は、塑性変形しやすい材料により形成される。ステント10の収縮状態において、頂部81は、外周基準面S1よりも径方向Zの内側に位置している。さらに、中間部83は、内周基準面S2よりも径方向Zの内側に位置している。針部80は、側面12から略垂直に突出した後、径方向Zの内側へ曲がって中間部83を形成する。針部80は、中間部83から径方向Zの外側へ曲がって延在し、頂部81を形成する。ステント10がバルーン130に載置された状態において、中間部83は、バルーン130に食い込んでいる。バルーン130が拡張すると、ステント10が拡張するとともに、中間部83が、バルーン130から、径方向Zの外側へ向かう力を受ける。これにより、針部80が、径方向Zの外側へ向かって塑性変形し、頂部81が、環状部20よりも径方向Zの外側へ突出する。これにより、針部80の頂部81は、血管壁の中膜202や肥厚部204に効果的に刺さることができる。第2の変形例における針部80は、針部80自体がバルーン130から力を受けて変形できる。したがって、環状部20の側面12の針部80を配置可能な位置は、第1の曲げ部21および第2の曲げ部22の凸状側面12Aに限定されない。
また、図12(A)に示す第3の変形例のように、針部90に設けられる第2の薬剤部91は、針部90を被覆する薬剤層として設けられてもよい。この場合、針部90は、収容部を備えなくてもよい。
また、針部の収容部の形態は、薬剤を収容できれば、特に限定されない。したがって、例えば、図12(B)に示す第4の変形例のように、収容部92は、薬剤を収容可能なスリットであってもよい。また、図12(C)に示す第5の変形例のように、針部93は、薬剤を収容可能な多数の微細な空間部を備える多孔質体であってもよい。この場合、収容部94は、多孔質体の微細な空間部により形成される。
また、薬剤部40は、環状部20の一部を被覆する第1の薬剤部41が設けられず、針部50に配置される第2の薬剤部42のみが設けられてもよい。この場合、薬剤は、血管に刺さる針部50にのみ設けられる。これにより、薬剤の目的部位以外への流出を効果的に抑制できる。
また、ステント10は、螺旋状の線材により形成されてもよい。この場合、各々の環状部は、周方向Yへ360度にわたって形成され、両端が連結されない。本実施形態では、両端が連結されない形態も、環状部に含まれる。
また、リンク部30の形状は、特に限定されない。また、ステント10は、自己の弾性力により拡張する自己拡張型ステントであってもよい。
10、50 ステント
11 外表面
12 側面
12A 凸状側面
12B 凹状側面
13 内表面
20 環状部
21 第1の曲げ部
22 第2の曲げ部
23 直線部
40 薬剤部
41 第1の薬剤部
42、91 第2の薬剤部
50、72、80、90、93 針部
51、81 頂部
54、92、94 収容部
81 頂部
82 基部
83 中間部
S1 外周基準面
S2 内周基準面

Claims (9)

  1. 線状構成要素が環状に形成された環状部を有するステントであって、
    前記環状部は、前記ステントの外周面側に位置する外表面に隣接する側面に、薬剤が設けられる少なくとも1つの針部を有することを特徴とする、ステント。
  2. 前記環状部は、複数の曲げ部で繰り返し折り返されて環状に形成され、
    前記側面は、前記曲げ部において突出する凸状側面を有し、
    前記針部は、前記凸状側面に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のステント。
  3. 前記環状部は、複数の曲げ部で繰り返し折り返されて環状に形成され、
    前記針部は、頂部と、前記側面に連結される基部と、前記頂部と基部の間に位置する中間部と、を有し、
    前記中間部は、前記ステントの内周面が位置する内周基準面よりも、前記ステントの径方向の内側に位置することを特徴とする、請求項1または2に記載のステント。
  4. 前記針部は、前記ステントの径方向の外側へ向かって曲がっていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のステント。
  5. 前記針部の頂部は、前記ステントの外周面が位置する外周基準面よりも、前記ステントの径方向の内側に位置することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のステント。
  6. 前記針部は、前記薬剤の少なくとも一部を収容する収容部を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のステント。
  7. 前記針部は、前記薬剤を含む生分解性材料により形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のステント。
  8. 前記針部は、前記環状部の一部として一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のステント。
  9. 前記環状部を複数配列することによって、1つの筒体を形成していることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のステント。
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