JP2019115967A - 工具ホルダ - Google Patents
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Abstract
【課題】工具に供給するオイルミストの品質を向上させることができる工具ホルダを提供する。【解決手段】工具ホルダ10は、主軸82から送られる空気を分岐して流す第1空気流路36および第2空気流路37を備える。第1空気流路36および第2空気流路37には、レギュレータ41,38がそれぞれ設けられている。また、工具ホルダ10は、オイルを貯留する貯留室55と、第1空気流路36の下流側に接続しており、貯留室55内のオイルに圧力を加える加圧室61と、貯留室55から送られるオイルを流すオイル流路64とを備える。そして、工具ホルダ10は、オイル流路64を経て供給されるオイルと第2空気流路37を経て供給される空気とを混合してオイルミストを生成し工具Tに供給するノズル43を備える。【選択図】図8
Description
本発明は、工具ホルダに関する。
工作機械は、一般に、ワークや工具の冷却、潤滑、切屑除去等のため、加工部に切削液としてのオイルを多量に供給しながらワークの加工を行う。このため、オイルの大量消費、オイルの飛散による環境汚染、使用済みオイルの廃棄処理負担等の問題があった。そこで、近年、オイルと高圧空気とを混合して生成したオイルミストを加工部に供給しながらワークの加工を行うセミドライ加工が提案されている。セミドライ加工においては、オイルミストを使用することで、実質的なオイルの使用量を大きく削減できる。
しかし、オイルミストを主軸の内部から工具ホルダに固定された工具を介して放出する場合、オイルが主軸内部の通路の内壁に付着し、実際に放出されるオイルミスト中のオイルの含有率が低下するという問題があった。
この問題を解決するために、工具ホルダ内のオイルタンクに貯留されたオイルを工具の近傍で流体通路に供給し、高圧空気に混入させてオイルミストを生成する装置が提案されている(特許文献1の図8参照)。
しかしながら、前記した特許文献1に記載の装置では、高圧空気は、工具ホルダ内のタンク配置部に導入され、オイルタンクのピストンに圧力を加えるとともに、エアー流路を介してベンチュリ部へと至る。つまり、オイルを押圧して噴射させるための空気の圧力と、混合用の空気の圧力とは、エアー源からの高圧空気の圧力によって一律に決まり、両者を個別に調整することはできない。このため、適切な圧力が得られず、工具に供給するオイルミストの噴射速度やオイル含有率等の品質を良好に保持できないおそれがある。
本発明は、工具に供給するオイルミストの品質を向上させることができる工具ホルダを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る工具ホルダは、工具を固定する固定部と、前記固定部の基端側に設けられ、主軸の先端部に装着する本体部とを備える。ここで、前記工具ホルダは、前記主軸から送られる空気を分岐して流す第1空気流路および第2空気流路を備える。前記第1空気流路および前記第2空気流路の少なくとも一方には、圧力調整手段が設けられている。また、前記工具ホルダは、オイルを貯留する貯留室と、前記第1空気流路の下流側に接続しており、前記貯留室内のオイルに圧力を加える加圧室と、前記貯留室から送られるオイルを流すオイル流路とを備える。そして、前記工具ホルダは、前記オイル流路を経て供給されるオイルと前記第2空気流路を経て供給される空気とを混合してオイルミストを生成し前記工具に供給するオイルミスト発生器を備える。
本発明によれば、工具に供給するオイルミストの品質を向上させることができる工具ホルダを提供できる。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を適宜省略する。
なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を適宜省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る工具ホルダ10が装着された主軸装置80の構成を示す断面図である。以下、説明の都合上、工具Tが取り付けられる側を「先端」側または「前」側、その反対側を「基端」側または「後」側と呼ぶ場合がある。
図1に示すように、工作機械の主軸装置80は、円筒状を呈するシリンダ81と、シリンダ81の内部に軸受83,84によって回転自在に支持される主軸82とを備えている。主軸82は、ロータ85aとステータ85bとを有するビルトインモータ85によって回転させられる。主軸82の先端部には工具Tを固定した工具ホルダ10が取り外し可能に装着されている。
主軸82の内部には、中心軸上に貫通した軸孔82aが形成されている。この軸孔82aの先端部(図1において左側)に、工具ホルダ10のテーパ形状のシャンク部34と相補形状を呈するテーパ孔82bが形成されている。
主軸82は、その内部に挿入されたプルロッド87を有している。プルロッド87の先端部は、工具ホルダ10の基端部に設けられたプルスタッド33に対して、鋼球88を介して係止可能に構成されている。プルロッド87の基端部には金具89が固定されている。この金具89と、主軸82の軸孔82aの内周面に形成された係止段部82cとの間には、リテーナ部材91等を介して、皿バネ90が装着されている。
皿バネ90の弾性力によりプルロッド87が図1の右方に移動されると、鋼球88によってプルスタッド33が引き込まれ、工具ホルダ10のシャンク部34が主軸82のテーパ孔82bに圧接されて把持される。一方、金具89が皿バネ90の弾性力に抗して前方に押動されると、プルロッド87の先端部および鋼球88による工具ホルダ10のプルスタッド33の保持が解除される。そして、図示しない自動工具交換装置によって、工具Tおよび工具ホルダ10の交換動作が行われるようになっている。
プルロッド87の中心軸上には、通路87aが形成されている。通路87aの基端側は、供給管92を介して、空気供給装置93に接続されている。供給管92には、開閉弁94が設けられている。開閉弁94を開放することによって、空気供給装置93から供給管92を経て工具ホルダ10内に向けて高圧空気(以下、単に「空気」ともいう)が供給されるようになっている。
図2は、図1に示される工具ホルダ10のオイルタンク50を断面で示した工具ホルダ10の右側面図である。つまり、図2では、オイルタンク50が断面で示され、工具ホルダ10の他の部分は右側方から見た図が示されている。図3は、図1に示される工具ホルダ10の正面図である。
図2、図3に示すように、工具ホルダ10は、工具Tを固定する固定部20と、固定部20の基端側に設けられ、主軸82(図1参照)の先端部に装着する本体部30とを備えている。また、工具ホルダ10は、オイルを貯留する貯留室55を有するオイルタンク50を備えている。
固定部20は、ボルト21によって、本体部30の前端面に取り付けられている。工具T(図7参照)は、側面からねじ部材86(図7参照)で締め付けることによって工具ホルダ10の固定部20に固定されている。すなわち、工具ホルダ10による工具Tの固定方式は、ここではサイドロック方式であるが、これに限定されるものではなく、例えばコレットチャック方式等の他の固定方式であってもよい。
本体部30は、主軸82(図1参照)側に位置する装着部31と、装着部31の前側に設けられた支持部32とを備えている。装着部31は、主軸82のテーパ孔82b(図1参照)に密着可能なテーパ形状の外周面34aを有するシャンク部34を有している。シャンク部34の基端側には、プルスタッド33がねじ締結によって取り付けられている。シャンク部34の前側には、図示しない自動工具交換装置によって把持され得る被把持部35が連設されている。装着部31の中心軸上には、プルスタッド33、シャンク部34および被把持部35にわたって、通路30aが形成されている。
支持部32は、装着部31と一体で形成されている。支持部32には、主軸82のプルロッド87内の通路87a(図1参照)から装着部31内の通路30aを経て送られる空気を分岐して流す第1空気流路36および第2空気流路37が形成されている。
第2空気流路37は、通路30aに連通して支持部32内で半径方向に延びる通路37aと、通路37aに連通して支持部32内で軸方向に延びる通路37bとを有している。また、第2空気流路37は、通路37bに連通する例えば樹脂製のチューブ37cと、チューブ37cに接続されて連通する継手39とを有している。第2空気流路37の通路37bとチューブ37cとの間には、レギュレータ38が設けられている。レギュレータ38には、該レギュレータ38の設定圧力値を調整する調整部としての調整用六角穴付き頭部38aが設けられている。
オイルタンク50は、本体部30の支持部32の径方向外側に配置される円筒状の内ケース51と、内ケース51の径方向外側に配置される円筒状の外ケース52とを有している。内ケース51と外ケース52との間には、環状の空間53が形成されており、空間53には、環状のピストン54が収容されている。空間53におけるピストン54の後側は、オイルを貯留する貯留室55として機能する。すなわち、貯留室55は、本体部30の径方向外側に配置されており、貯留室55は、本体部30を囲む環状の空間を有している。
オイルタンク50の外周面には、貯留室55に向けてオイルを注入する注入ポート56が設けられている。注入ポート56には、通常時には閉止されオイル注入時には開放される弁を有するオイル受け機構部57が設置されている。ただし、注入ポート56に閉塞プラグ(図示せず)が取外し可能に取り付けられて、オイル注入時に閉塞プラグを外してから貯留室55に向けてオイルが注入されるようにしてもよい。オイルタンク50は、ボルト58によって本体部30に固定されている。オイルタンク50の前端面には、必要に応じて、回転バランスを調整するためのウエイト59がボルト60によって固定される。
空間53におけるピストン54の前側は、貯留室55内のオイルに圧力を加える加圧室61として機能する。加圧室61は、通路62を介して、継手63に連通している。
図4は、図1に示される工具ホルダ10のオイルタンク50を断面で示した工具ホルダ10の左側面図である。つまり、図4では、オイルタンク50が断面で示され、工具ホルダ10の他の部分は左側方から見た図が示されている。
図4に示すように、第1空気流路36は、通路30aに連通して支持部32内で半径方向に延びる通路36aと、通路36aに連通して支持部32内で軸方向に延びる通路36bとを有している。また、第1空気流路36は、通路36bに連通する例えば樹脂製のチューブ36cと、チューブ36cに接続されて連通する継手40とを有している。第1空気流路36の通路36bとチューブ36cとの間には、レギュレータ41が設けられている。レギュレータ41には、該レギュレータ41の設定圧力値を調整する調整部としての調整用六角穴付き頭部41aが設けられている。ここで、レギュレータ41は、第1空気流路36に設けられた第1圧力調整手段に相当し、前記したレギュレータ38は、第2空気流路37に設けられた第2圧力調整手段に相当している。
図2、図4に示すように、本体部30の支持部32は、前後に離間して形成された一対の大径部32a,32bを有している。また、一対の大径部32a,32bの間には、外径が一対の大径部32a,32bよりも小さい筒状の胴部32cが形成されている。
図5は、図2のV−V線に沿う断面図である。
図5に示すように、胴部32cの外周には、該胴部32cの中心軸を間に挟んで一対の平行な平坦面32d,32eがそれぞれ形成されている。そして、一対の平坦面32d,32eの間の距離は、胴部32cの最大外径よりも小さく設定されている。すなわち、一対の平坦面32d,32eは、該胴部32cの外周における互いに反対側(図5において左右)の一対の部分が胴部32cの最大外径よりも径方向内側にそれぞれ後退するように形成されている。レギュレータ38とレギュレータ41とは、一対の平坦面32d,32eの各々の径方向外側にそれぞれ配置されている。レギュレータ38とレギュレータ41とは、ここでは同種部品、すなわち同じ構造である。
図5に示すように、胴部32cの外周には、該胴部32cの中心軸を間に挟んで一対の平行な平坦面32d,32eがそれぞれ形成されている。そして、一対の平坦面32d,32eの間の距離は、胴部32cの最大外径よりも小さく設定されている。すなわち、一対の平坦面32d,32eは、該胴部32cの外周における互いに反対側(図5において左右)の一対の部分が胴部32cの最大外径よりも径方向内側にそれぞれ後退するように形成されている。レギュレータ38とレギュレータ41とは、一対の平坦面32d,32eの各々の径方向外側にそれぞれ配置されている。レギュレータ38とレギュレータ41とは、ここでは同種部品、すなわち同じ構造である。
レギュレータ38とレギュレータ41とは、本体部30の中心軸を間に挟んで反対側の位置に配置されている。そして、本実施形態では特に、レギュレータ41は、レギュレータ38およびレギュレータ41の一方が本体部30の中心軸のまわりに180度回転させられたと仮定した場合に他方に重なるように配置されている。つまり、本体部30の中心軸の方向から見て、レギュレータ38とレギュレータ41とは、点対称の関係にある。
オイルタンク50の注入ポート56は、オイル受け機構部57、およびオイル注入路42を経て、貯留室55(図2参照)内と連通する。オイル注入路42は、注入ポート56に連通して半径方向に延びる注入路42aと、注入路42aに連通して略半径方向に延びる注入路42bと、注入路42bに連通して軸方向に延びる注入路42cとを有している。注入路42cは、貯留室55内と連通している。
図6は、図2のVI−VI線に沿う断面図である。
図6に示すように、継手39はL字状を呈しており、一端がチューブ37cに接続されているとともに、他端がオイルミスト発生器としてのノズル43の空気入口43aに接続されている。継手40は、支持部32の胴部32cに形成された凹部32f内に設置されており、一端がチューブ36cに接続されているとともに、他端が支持部32に形成された通路44に連通している。
図6に示すように、継手39はL字状を呈しており、一端がチューブ37cに接続されているとともに、他端がオイルミスト発生器としてのノズル43の空気入口43aに接続されている。継手40は、支持部32の胴部32cに形成された凹部32f内に設置されており、一端がチューブ36cに接続されているとともに、他端が支持部32に形成された通路44に連通している。
図7は、図3のVII−VII線に沿う断面図である。
図7に示すように、通路44は、継手63を介して通路62に連通している。通路44、継手63および通路62は、第1空気流路36の構成要素である。通路62は、加圧室61に連通している。すなわち、加圧室61は、第1空気流路36の下流側に接続されている。
図7に示すように、通路44は、継手63を介して通路62に連通している。通路44、継手63および通路62は、第1空気流路36の構成要素である。通路62は、加圧室61に連通している。すなわち、加圧室61は、第1空気流路36の下流側に接続されている。
工具ホルダ10は、貯留室55から送られるオイルを流すオイル流路64を備えている。オイル流路64は、貯留室55に連通して半径方向に延びる流路64aと、流路64aに連通して軸方向に延びる流路64bとを有している。
ノズル43は、本体部30の支持部32に内蔵されている。具体的には、ノズル43は、支持部32の中心軸上に形成された穴部32g内に設置されており、ナット45によって、穴部32gの底面にパッキン46を介して押し付けられて固定されている。これにより、オイル流路64の流路64bが、ノズル43のオイル入口43bに連通する。ノズル43は、オイル流路64を経て供給されるオイルと第2空気流路37(図2参照)を経て供給される空気とを混合してオイルミストを生成し工具Tに供給するものである。ノズル43の先端には、オイルミストを噴射する噴射口43cが設けられている。
固定部20の基端部には、ナット22が螺着されている。工具ホルダ10に対する工具Tの軸方向の取付け位置は、ナット22の先端に当接することによって規制される。工具Tの内部には、該工具Tの基端側から先端側まで貫通する貫通孔Ta,Tbが形成されている。
オイル流路64の流路64aの入口には、オイル流路64を流れるオイルの流量を調整する流量調整手段65が設置されている。流量調整手段65には、該流量調整手段65の設定流量値を調整する調整部としての調整用六角穴65aが設けられている。流量調整手段65は、円柱状を呈しており、該流量調整手段65の外周の一部が径方向内側に後退するように形成された切欠部65bを有している。
図9(a)はオイル流路64を開いた状態の図7のIX−IX線に沿う断面図、図9(b)はオイル流路64を閉じた状態の図7のIX−IX線に沿う断面図である。
図9(a)に示すように、切欠部65bが流路64aに対向するように調整用六角穴65aを用いて流量調整手段65の回転方向位置を設定すると、オイル流路64が開放される。図9(b)に示すように、流量調整手段65の切り欠かれていない外周面65cが流路64aに対向するように調整用六角穴65aを用いて流量調整手段65の回転方向位置を設定すると、オイル流路64が遮断される。また、図9(a)の状態と図9(b)の状態との中間の状態、すなわち切り欠かれていない外周面65cが流路64aの一部のみを塞ぐように流量調整手段65の回転方向位置が設定され得る。
図9(a)に示すように、切欠部65bが流路64aに対向するように調整用六角穴65aを用いて流量調整手段65の回転方向位置を設定すると、オイル流路64が開放される。図9(b)に示すように、流量調整手段65の切り欠かれていない外周面65cが流路64aに対向するように調整用六角穴65aを用いて流量調整手段65の回転方向位置を設定すると、オイル流路64が遮断される。また、図9(a)の状態と図9(b)の状態との中間の状態、すなわち切り欠かれていない外周面65cが流路64aの一部のみを塞ぐように流量調整手段65の回転方向位置が設定され得る。
次に、前記したように構成された工具ホルダ10の作用について、図1、図8を参照して説明する。図8は、工具ホルダ10内の空気流路およびオイル流路を模式的に示す断面図である。
図8に示すように、ワーク(図示せず)の加工前に、予め、工具ホルダ10のオイルタンク50の貯留室55に、オイルタンク50の外周面に設けられた注入ポート56を経て、オイルが注入されて所定量貯留される。そして、貯留室55にオイルが所定量貯留されるとともに固定部20に工具Tが固定された工具ホルダ10が、主軸82(図1参照)の先端部に装着される。
図1に示すように、ワークの加工時には、空気供給装置93から供給管92を経て主軸82のプルロッド87内の通路87a内に高圧空気が供給される。主軸82の通路87aから送られる空気は、図8に示すように、工具ホルダ10の本体部30に形成された通路30aに流入する。通路30aを経て送られる空気は、第1空気流路36および第2空気流路37に分岐してそれぞれ流れる。
第1空気流路36を流れる空気は、通路36a、通路36b、レギュレータ41、チューブ36c、継手40、通路44、継手63および通路62を経て、加圧室61に供給される。ここで、第1空気流路36を経て加圧室61に供給される空気の圧力は、レギュレータ41によって、適切な値に調整される。そして、加圧室61に供給される空気によってピストン54が基端側へ押圧され、貯留室55に貯留されているオイルに圧力が加えられる。これにより、加圧されたオイルがオイル流路64を経てノズル43に供給される。
一方、第2空気流路37を流れる空気は、通路37a、通路37b、レギュレータ38、チューブ37c、継手39を経て、ノズル43に供給される。ここで、第1空気流路36を経てノズル43に供給される空気の圧力は、レギュレータ38によって、適切な値に調整される。
ノズル43は、オイル流路64を経て供給されるオイルと第2空気流路37を経て供給される空気とを混合してオイルミストを生成し、噴射口43cから噴射する。噴射口43cから噴射されたオイルミストは、工具Tの内部に形成された貫通孔Ta,Tb(図7参照)を経て加工部に供給される。
前記したように、本実施形態に係る工具ホルダ10は、主軸82から送られる空気を分岐して流す第1空気流路36および第2空気流路37を備える。第1空気流路36および第2空気流路37には、レギュレータ41,38がそれぞれ設けられている。また、工具ホルダは、オイルを貯留する貯留室55と、第1空気流路36の下流側に接続しており、貯留室55内のオイルに圧力を加える加圧室61と、貯留室55から送られるオイルを流すオイル流路64とを備える。そして、工具ホルダ10は、オイル流路64を経て供給されるオイルと第2空気流路37を経て供給される空気とを混合してオイルミストを生成し工具Tに供給するノズル43を備える。
このような本実施形態によれば、オイルを押圧して噴射させるための空気の圧力と、混合用の空気の圧力とを個別に調整することが可能となる。したがって、両者について適切な圧力を得ることができるため、工具Tに供給するオイルミストの噴射速度やオイル含有率等の品質を良好に保持することができる。
すなわち、本実施形態によれば、工具Tに供給するオイルミストの品質を向上させることができる工具ホルダ10を提供できる。
また、本実施形態に係る工具ホルダ10は、クーラントを主軸の内部から工具ホルダに固定された工具を介して供給しながらワークの加工を行うクーラント加工用の主軸に装着して使用され得る。このため、特殊な構造の主軸を用意する必要がなく、低コストで工具ホルダ10を用いたセミドライ加工が可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、工具Tに供給するオイルミストの品質を向上させることができる工具ホルダ10を提供できる。
また、本実施形態に係る工具ホルダ10は、クーラントを主軸の内部から工具ホルダに固定された工具を介して供給しながらワークの加工を行うクーラント加工用の主軸に装着して使用され得る。このため、特殊な構造の主軸を用意する必要がなく、低コストで工具ホルダ10を用いたセミドライ加工が可能となる。
また、本実施形態では、ノズル43は、本体部30に内蔵されており、貯留室55は、本体部30の径方向外側に配置されている。このため、本体部30の構成を変更せずにそのままにして、貯留室55を適宜の容量に変更して設定でき、例えば大容量化も可能となる。また、貯留室55をノズル43の軸方向に並べて配置せずに、ノズル43の径方向外側に配置できるため、工具ホルダ10の軸方向寸法を短くすることができる。
また、本実施形態では、貯留室55は、本体部30を囲む環状の空間を有している。このため、工具ホルダ10の径方向寸法を僅かに増すだけで、貯留室55の容量を大きくすることができる。
また、本実施形態では、貯留室55を有するオイルタンク50の外周面に貯留室55に向けてオイルを注入する注入ポート56が設けられている。このため、工具ホルダ10の径方向外側からオイルを貯留室55へ注入できる。したがって、オイルの注入作業に要するスペースを十分に確保でき、注入作業も容易となる。また、オイル注入装置を用いてオイルの注入作業を自動で行う場合、オイル注入装置の設置および動作範囲についてのレイアウトの自由度が増す。
また、本実施形態では、レギュレータ38およびレギュレータ41の一方が本体部30の中心軸のまわりに180度回転したと仮定した場合に他方に重なるように配置されている。このため、圧力調整手段としてのレギュレータ38,41の工具ホルダ10への設置前後において、工具ホルダ10の回転バランスが変化することを抑制できる。
また、本実施形態では、胴部32cの外周には該胴部32cの中心軸を間に挟んで一対の平行な平坦面32d,32eがそれぞれ形成され、一対の平坦面32d,32eの間の距離は胴部32cの最大外径よりも小さい。そして、レギュレータ38とレギュレータ41とは、一対の平坦面32d,32eの各々の径方向外側にそれぞれ配置されている。これにより、本体部30の胴部32cの側方に設置空間を確保して、該設置空間に、レギュレータ38とレギュレータ41とをコンパクトに収納することができる。
また、本実施形態では、レギュレータ38,41には、該レギュレータ38,41の設定圧力値を調整する調整部としての調整用六角穴付き頭部38a,41aが設けられている。これにより、レギュレータ38,41の設定圧力値を適宜変更して調整でき、工具Tに供給するオイルミストの品質をより向上させることができる。
また、本実施形態は、オイル流路64を流れるオイルの流量を調整する流量調整手段65を備え、流量調整手段65には、該流量調整手段65の設定流量値を調整する調整部としての調整用六角穴65aが設けられている。これにより、オイル流路64を経てノズル43に供給されるオイルの流量を適宜変更して調整でき、工具Tに供給するオイルミストの品質をより向上させることができる。
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に記載した構成に限定されるものではない。本発明は、前記実施形態に記載した構成を適宜組み合わせ乃至選択することを含め、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。また、前記実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換をすることができる。
例えば、前記した実施形態では、第1空気流路36および第2空気流路37にレギュレータ41,38がそれぞれ設けられているが、これに限定されるものではない。第1空気流路36および第2空気流路37のいずれか一方に、圧力調整手段としてのレギュレータが設けられていてもよい。この場合、レギュレータが設けられていない空気流路を流れる空気の圧力は、主軸82よりも上流側、例えば空気供給装置93や供給管92に設けられた圧力調整手段によって調整されるように構成することができる。
また、前記した実施形態では、第1空気流路36および第2空気流路37は、通路、チューブ、継手等を備えて構成されているが、これに限定されるものではない。第1空気流路36および第2空気流路37の構成は適宜変更可能であり、例えば通路やチューブ等の流路同士を直接接続することによって継手40や継手39等が省略されてもよい。
また、前記した実施形態では、工具ホルダのシャンク部のテーパ形状の外周面のみが主軸のテーパ孔と密着する1面拘束タイプ、いわゆるBTシャンクタイプが採用されているが、これに限定されるものではない。例えば、シャンク部のテーパ形状の外周面が主軸のテーパ孔と密着するとともにフランジ部の内端面が主軸の端面と密着する2面拘束タイプ、いわゆるHSKシャンクタイプが採用されてもよい。
10 工具ホルダ
20 固定部
30 本体部
32c 胴部
32d 平坦面
32e 平坦面
36 第1空気流路
37 第2空気流路
38 レギュレータ(第2圧力調整手段)
38a 調整用六角穴付き頭部(調整部)
41 レギュレータ(第1圧力調整手段)
41a 調整用六角穴付き頭部(調整部)
43 ノズル(オイルミスト発生器)
50 オイルタンク
55 貯留室
56 注入ポート
61 加圧室
64 オイル流路
65 流量調整手段
65a 調整用六角穴(調整部)
82 主軸
T 工具
20 固定部
30 本体部
32c 胴部
32d 平坦面
32e 平坦面
36 第1空気流路
37 第2空気流路
38 レギュレータ(第2圧力調整手段)
38a 調整用六角穴付き頭部(調整部)
41 レギュレータ(第1圧力調整手段)
41a 調整用六角穴付き頭部(調整部)
43 ノズル(オイルミスト発生器)
50 オイルタンク
55 貯留室
56 注入ポート
61 加圧室
64 オイル流路
65 流量調整手段
65a 調整用六角穴(調整部)
82 主軸
T 工具
Claims (9)
- 工具を固定する固定部と、
前記固定部の基端側に設けられ、主軸の先端部に装着する本体部と、
前記主軸から送られる空気を分岐して流す第1空気流路および第2空気流路と、
前記第1空気流路および前記第2空気流路の少なくとも一方に設けられた圧力調整手段と、
オイルを貯留する貯留室と、
前記第1空気流路の下流側に接続しており、前記貯留室内のオイルに圧力を加える加圧室と、
前記貯留室から送られるオイルを流すオイル流路と、
前記オイル流路を経て供給されるオイルと前記第2空気流路を経て供給される空気とを混合してオイルミストを生成し前記工具に供給するオイルミスト発生器と、
を備えることを特徴とする工具ホルダ。 - 前記オイルミスト発生器は、前記本体部に内蔵されており、
前記貯留室は、前記本体部の径方向外側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の工具ホルダ。 - 前記貯留室は、前記本体部を囲む環状の空間を有していることを特徴とする請求項2に記載の工具ホルダ。
- 前記貯留室を有するオイルタンクの外周面に、前記貯留室に向けてオイルを注入する注入ポートが設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の工具ホルダ。
- 前記圧力調整手段は、前記第1空気流路に設けられた第1圧力調整手段と、前記第2空気流路に設けられた第2圧力調整手段と、を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の工具ホルダ。
- 前記第1圧力調整手段および前記第2圧力調整手段の一方が前記本体部の中心軸のまわりに180度回転させられたと仮定した場合に他方に重なることを特徴とする請求項5に記載の工具ホルダ。
- 前記本体部は、筒状の胴部を有し、
前記胴部の外周には、該胴部の中心軸を間に挟んで一対の平行な平坦面がそれぞれ形成されており、
一対の前記平坦面の間の距離は、前記胴部の最大外径よりも小さく、
前記第1圧力調整手段と前記第2圧力調整手段とは、一対の前記平坦面の各々の径方向外側にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の工具ホルダ。 - 前記圧力調整手段には、該圧力調整手段の設定圧力値を調整する調整部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の工具ホルダ。
- 前記オイル流路を流れるオイルの流量を調整する流量調整手段を備え、
前記流量調整手段には、該流量調整手段の設定流量値を調整する調整部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の工具ホルダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017252211A JP2019115967A (ja) | 2017-12-27 | 2017-12-27 | 工具ホルダ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017252211A JP2019115967A (ja) | 2017-12-27 | 2017-12-27 | 工具ホルダ |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=67303764
Family Applications (1)
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JP2017252211A Pending JP2019115967A (ja) | 2017-12-27 | 2017-12-27 | 工具ホルダ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019115967A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109900639A (zh) * | 2019-04-17 | 2019-06-18 | 德玛克(长兴)自动化系统有限公司 | 一种塑料容器中间体检测用固定装置 |
JP2021154423A (ja) * | 2020-03-26 | 2021-10-07 | コベルコ建機株式会社 | 工具、工具ホルダ、切削加工機及び加工方法 |
-
2017
- 2017-12-27 JP JP2017252211A patent/JP2019115967A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109900639A (zh) * | 2019-04-17 | 2019-06-18 | 德玛克(长兴)自动化系统有限公司 | 一种塑料容器中间体检测用固定装置 |
CN109900639B (zh) * | 2019-04-17 | 2022-05-10 | 德玛克(长兴)自动化系统有限公司 | 一种塑料容器中间体检测用固定装置 |
JP2021154423A (ja) * | 2020-03-26 | 2021-10-07 | コベルコ建機株式会社 | 工具、工具ホルダ、切削加工機及び加工方法 |
JP7487515B2 (ja) | 2020-03-26 | 2024-05-21 | コベルコ建機株式会社 | 工具、工具ホルダ、切削加工機及び加工方法 |
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