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JP2019035268A - 杭抜き機の杭キャップ、及び杭キャップを用いた杭抜き工法 - Google Patents

杭抜き機の杭キャップ、及び杭キャップを用いた杭抜き工法 Download PDF

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JP2019035268A JP2017157476A JP2017157476A JP2019035268A JP 2019035268 A JP2019035268 A JP 2019035268A JP 2017157476 A JP2017157476 A JP 2017157476A JP 2017157476 A JP2017157476 A JP 2017157476A JP 2019035268 A JP2019035268 A JP 2019035268A
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Yoneji Tokunaga
米次 徳永
哲也 徳永
Tetsuya Tokunaga
哲也 徳永
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Abstract

【課題】既設杭を安全に引抜く工法を提供する。【解決手段】既設杭Pを引き抜く杭抜き機の杭キャップであって、略円筒状の内側円筒部3と、前記内側円筒部3に沿って移動可能に前記内側円筒部3の外側に設けたキャップ本体2と、前記キャップ本体2の外周壁に軸支された爪7a、7cと、前記爪7a、7cが前記内側円筒部3の内周壁3Nより内部に起立可能に、前記内側円筒部3及び前記キャップ本体2にそれぞれ貫通して設けられた内側円筒部窓3W及びキャップ本体窓2Wと、を備え、前記内側円筒部3に対して前記キャップ本体2を上昇させることにより前記爪7a、7cを前記内側円筒部3の内周壁3Nより内部に起立させ、前記内側円筒部3に対して前記キャップ本体2を下降させることにより前記爪7a、7cを前記内側円筒部3の内周壁3N側に倒伏させることを特徴とする杭抜き機の杭キャップとした。【選択図】図3

Description

本発明は、建築構造物の建替え時等に、地中に埋設されている既設杭を引き抜く工法に関するものである。
ビルやマンション等の建築構造物は、その荷重支持のために地中に杭が埋め込まれている。これらの建築構造物を建替える場合は、埋め込まれている既設杭を除去する必要がある。従来は、既設杭を除去するために、既設杭を破砕して取り出すか、又はワイヤーで既設杭を引抜いて除去していた。
特許文献1には、既設杭を引抜く際に、既設杭の周囲に円筒状のケーシングを埋め込んだ後、ケーシングを一旦引抜き、ケーシングの先端にワイヤーの輪を掛ける。そして、ケーシングを地中に戻してワイヤーの輪を既設杭の上部に掛けてケーシングのみを引抜く。その後、既設杭に掛けたワイヤーを途中まで引き上げて、地上に出た既設杭を切断、除去した後、再度、ワイヤーの輪を既設杭の上部に掛けてケーシングを引抜く工法が記載されている。
特許文献1:特開2012−112149号公報
しかしながら、特許文献1に記載の工法は、地中にある既設杭の上部にワイヤーの輪が掛けられたかどうかの確認が難しく、また、途中まで引き上げた重い既設杭にワイヤーを掛ける際などに、誤って既設杭が地中に落下し作業員が地中に引き込まれる事故が発生する可能性があるという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決して、既設杭を安全に引抜くことを課題とする。
上記課題を解決するために本発明は、既設杭を引き抜く杭抜き機の杭キャップであって、
略円筒状の内側円筒部と、
前記内側円筒部に沿って移動可能に前記内側円筒部の外側に設けたキャップ本体と、
前記キャップ本体の外周壁に軸支された爪と、
前記爪が前記内側円筒部の内周壁より内部に起立可能に、前記内側円筒部及び前記キャップ本体にそれぞれ貫通して設けられた内側円筒部窓及びキャップ本体窓と、を備え、
前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を上昇させることにより前記爪を前記内側円筒部の内周壁より内部に起立させ、前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を下降させることにより前記爪を前記内側円筒部の内周壁側に倒伏させることを特徴とする杭抜き機の杭キャップを提供するものである。
この構成の杭キャップを用いることにより、危険なワイヤー掛けをすることなく既設杭を安全に引抜くことができる。
前記爪の軸支方向は、前記内側円筒部に対する前記キャップ本体の移動方向と直交する方向である構成してもよい。
この構成により、内側円筒部に対するキャップ本体の移動のみによって、爪を起立又は倒伏させることができ、簡単な構成で既設杭を把持することができる。
また、上記課題を解決するために本発明は、既設杭を引き抜く杭キャップを用いた杭引抜工法であって、
略円筒状の内側円筒部と、前記内側円筒部に沿って移動可能に前記内側円筒部の外側に設けたキャップ本体と、前記キャップ本体の外周壁に軸支された爪と、前記爪が前記内側円筒部の内周壁より内部に起立可能に、前記内側円筒部及び前記キャップ本体にそれぞれ貫通して設けられた内側円筒部窓及びキャップ本体窓と、を備え、前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を上昇させることにより前記爪を前記内側円筒部の内周壁より内部に起立させ、前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を下降させることにより前記爪を前記内側円筒部の内周壁側に倒伏させる杭抜き機の杭キャップを準備する杭キャップ準備工程と、
地中に埋め込むケーシングを準備するケーシング準備工程と、
既設杭の周囲に位置するように前記ケーシングを地中に埋め込むケーシング埋込み工程と、
前記ケーシングを引抜くケーシング引抜き工程と、
前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を上昇させた前記杭キャップを既設杭の周囲に位置させて前記爪を既設杭の頭部に当接させながら下降させることにより、前記爪を前記内側円筒部の内周壁側に倒伏させる爪倒伏工程と、
前記杭キャップを既設杭に沿って地中に埋め込む杭キャップ埋込工程と、
前記内側円筒部に対して前記杭キャップ本体を上昇させて、前記爪を前記内側円筒部の内周壁より内部に起立させることで既設杭を把持又は支持し、既設杭を引抜く杭引抜き工程と、を備えたことを特徴とする杭キャップを用いた杭引抜工法を提供するものである。
この構成により、危険なワイヤー掛けをすることなく既設杭を安全に引抜くことができる。
本発明の杭抜き機の杭キャップ、及び杭キャップを用いた杭引抜き工法により、既設杭を安全に引抜くことができる。
本発明の実施例1における爪7が倒伏した状態の杭キャップ1を示す図である。 本発明の実施例1における爪7が起立した状態の杭キャップ1を示す図である。 本発明の実施例1における爪7の倒伏・起立を説明する図で、(a)は倒伏した状態、(b)は起立した状態を示す。 本発明の実施例1におけるケーシング準備工程を説明する図である。 本発明の実施例1における(a)及び(b)ケーシング埋込工程、(c)ケーシング引抜き工程を説明する図である。 本発明の実施例1における(a)杭キャップ埋込工程、(b)及び(c)杭引抜き工程を説明する図である。
本発明の実施例1について、図1〜図6を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1における爪7が倒伏した状態の杭キャップ1を示す図である。図2は、本発明の実施例1における爪7が起立した状態の杭キャップ1を示す図である。図3は、本発明の実施例1における爪7の倒伏・起立を説明する図で、(a)は倒伏した状態、(b)は起立した状態を示す。図4は、本発明の実施例1におけるケーシング準備工程を説明する図である。図5は、本発明の実施例1における(a)及び(b)ケーシング埋込工程、(c)ケーシング引抜き工程を説明する図である。図6は、本発明の実施例1における(a)杭キャップ埋込工程、(b)及び(c)杭引抜き工程を説明する図である。
(杭キャップ)
地中に埋設された既設杭Pを引抜くために、既設杭Pを把持又は先端を支持するチャッキング機構を本願では杭キャップと呼ぶ。実施例1における杭キャップ1について説明する。図1〜図3に示すように、杭キャップ1は略円筒状の内側円筒部3と、内側円筒部3に沿って移動可能に内側円筒部3の外側に設けたキャップ本体2と、キャップ本体2の外周壁に軸支された4つの爪7(7a、7b、7c、7d)と、爪7(7a、7b、7c、7d)が内側円筒部3の内周壁より内部に起立可能に、内側円筒部3及びキャップ本体2にそれぞれ貫通して設けられた内側円筒部窓3W及びキャップ本体窓2Wと、を備えている。
そして、内側円筒部3に対してキャップ本体2を上昇させることにより、爪7(7a、7b、7c、7d)が内側円筒窓3Wの上部に当接して内側円筒部3の内周壁3Nより内部に起立し、内側円筒部3に対してキャップ本体2を下降させることにより、爪7(7a、7b、7c、7d)が内側円筒窓3Wの下部に当接して内側円筒部3の内周壁3N側に倒伏する。図1、図3(a)に爪7(7a、7b、7c、7d)が倒伏した状態を示し、図2、図3(b)に爪7(7a、7b、7c、7d)が起立した状態を示す。爪7(7a、7b、7c、7d)は、キャップ本体2の外周に90°毎に、内側円筒部3に対するキャップ本体2の移動方向と直交する方向に軸支されている。爪7dは、爪7a及び爪7cの中間で爪7bの反対側に存在するが、図示はしていない。
爪7(7a、7b、7c、7d)は鉄を主材料として構成され、引抜く既設杭Pの重量に耐えられ、既設杭Pに当接する寸法を有している。実施例1においては、長さは200〜300mm、幅は100mm、厚みは50mm程度を有している。そして、長さ200〜300mmを有する方向を長手方向と本願では呼ぶ。
爪7(7a、7b、7c、7d)の軸支されている側と反対側の端部は、先端を鋭角に形成して、既設杭Pに対する把持力を向上させてもよい。また、先端に超硬質からなる材料で加工してもよい。
なお、実施例1においては、爪7(7a、7b、7c、7d)を軸支する方向を内側円筒部3に対するキャップ本体2の移動方向と直交する方向とし簡単な機構で爪7(7a、7b、7c、7d)を倒伏又は起立させることができるようにしているが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、内側円筒部3に対するキャップ本体2の移動方向と同じ方向としてもよい。これにより、杭キャップ2の移動方向の長さを短くすることができる。
キャップ本体2は、2本の継手4(4a、4b)により略円形状の天板5に繋がれている。天板5の中心部には、ワイヤー掛け部6が1個設けられている。後述するようにワイヤー掛け部6にワイヤーを掛けてクレーン等で杭キャップ1を吊り下げることができる。
ここで、ワイヤー掛け部6が杭キャップ1の上部となり、爪7(7a、7b、7c、7d)が軸支されている箇所が杭キャップ1の下部となる。杭キャップ1の下部から上部に向かう方向にキャップ本体2を移動させることを上昇させると呼ぶ。また逆に、杭キャップ1の上部から下部に向かう方向にキャップ本体2を移動させることを下降させると呼ぶ。
なお、実施例1においては、4つの爪7(7a、7b、7c、7d)と2本の継手4(4a、4b)を設けるように構成したが、必ずしもこれに限定されず、杭キャップ1の大きさや重量の都合により適宜変更が可能能である。例えば、爪7を1つ〜3つのいずれかとしてもよいし、5つ以上の爪7を設けるように構成してもよい。また、継手4を3本以上設けるように構成してもよい。
さらに、ワイヤー掛け部6を天板5の中心部に1個設けるように構成したが、必ずしもこれに限定されず、杭キャップ1の大きさや重量の都合により適宜変更が可能能である。例えば、天板5の端部2ヶ所以上にワイヤー掛け部6を設けるように構成してもよい。また、天板5は輪郭以外の部分を中空としてもよい。
図1は、爪7(7a、7b、7c、7d)が倒伏した状態の杭キャップ1を示す図であり、例えば、杭キャップ1を地上に載置した場合の杭キャップ1の状態を表している。即ち、キャップ本体2の位置が下がり杭キャップ1全体の高さが低い。そして、爪7(7a、7b、7c、7d)が内側円筒部3の内周壁3N側に倒伏している。これは、図3(a)に示すように、内側円筒部3に対してキャップ本体2が下降することによって、キャップ本体2の外周壁に軸支された爪7(7a、7b、7c、7d)の長手方向の下端部が内側円筒部窓3Wの下部に当接するためである。なお、図3(a)には、既設杭Pが一点鎖線で記載されているが、これは後述の爪倒伏工程を説明するためのもので、爪7(7a、7b、7c、7d)が既設杭Pに当接しながら杭キャップ1を下降させた場合、爪7(7a、7b、7c、7d)に倒伏する方向に力が加わるとともに、内側円筒部3に対してキャップ本体2を下降させることとなり、爪7(7a、7b、7c、7d)は内側円筒部3の内周壁3N側に倒伏する。
また、図2は、爪7(7a、7b、7c、7d)が内側円筒部3の内周壁3Nより内側に起立した状態の杭キャップ1を示す図であり、例えば、杭キャップ1をワイヤー掛け部6に掛けるなどして地上より引き上げた状態を表している。即ち、キャップ本体2の位置が上がり杭キャップ1全体の高さが高い。そして、爪7(7a、7b、7c、7d)が内側円筒部3の内周壁3Nより内部に起立している。これは、図3(b)に示すように、内側円筒部3に対してキャップ本体2が上昇することによって、キャップ本体2の外周壁に軸支された爪7(7a、7b、7c、7d)の長手方向の上端部が内側円筒部窓3Wの上部に当接するためである。なお、図3(b)には、既設杭Pが一点鎖線で記載されているが、これは後述の杭引抜き工程を説明するためのもので、爪7(7a、7b、7c、7d)が内側円筒部3の内周壁3Nより内部に起立して既設杭Pを把持又は支持し既設杭Pを引抜くことができる。爪7(7a、7b、7c、7d)に既設杭Pを把持させる場合は、爪7(7a、7b、7c、7d)の軸支されている側と反対側の先端部を鋭角に形成して、既設杭Pに対する把持力を向上させるとよい。また、先端部に超硬質からなる材料で加工しておくとなおよい。
このように、本発明の実施例1における杭キャップ1は、油圧シリンダー等の駆動装置を用いることなく、既設杭Pを把持又は支持することができる。このため、コストをかけず簡単な構成で既設杭Pを引抜くことができる。また、ワイヤー掛け部6に予めワイヤーを掛けておくことにより、危険な状態での作業が不要になり安全に既設杭Pを引抜くことができる。
(杭キャップを用いた杭抜き工法)
まず、杭キャップ準備工程を実行する。杭キャップとは、地中に埋設された既設杭Pを引抜くために、既設杭Pを把持又は先端を支持するチャッキング機構のことをいう。実施例1においては、上述した杭キャップ1を準備し、後述する杭引抜き工程では既設杭Pを把持又は支持して引抜く。
次に、ケーシング準備工程を実行して、複数の分割ケーシングを継合し、かつ最下端に掘削刃を有した円筒状のケーシング10を準備する。詳しく説明すると、図4に示すように、キャタピラ移動が可能で組立が容易なテレスコクローラ杭抜き機を準備する。このテレスコクローラ杭抜き機はクレーンにより分割ケーシングを5個継合させたケーシング10を油圧式減速機により吊り下げる。油圧式減速機は、ケーシング10を回転させて最下端に設けられた掘削刃で地中を掘りながら地中に埋め込む。また、各分割ケーシングはそれぞれボルトで継合されていて取外しや継ぎ足しが可能な構成とされている。
なお、実施例1においては、キャタピラ移動が可能で組立が容易なテレスコクローラ杭抜き機を準備するようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、キャタピラ移動ができない任意の杭抜き機を準備するようにしてもよい。
地中には、既設杭Pが埋設されている。既設杭Pは、おおよそ直径が150mmφ〜1200mmφ、長さが6m〜22mであり、材質は、セメント(PC杭)、松(松杭)、鋼管(鋼管杭)等である。ケーシング10は既設杭Pの直径や長さに合わせて選択される。すなわち、ケーシング10の内径が既設杭Pの直径より大きく、長さが既設杭Pの先端P1に届く長さのものを準備する。そして、既設杭Pは、その頭部P2が見えるように土を掘削しておく。
なお、実施例1においては、準備するケーシング10における分割ケーシングの数を5個としたが、必ずしもこれに限定されず、既設杭Pの長さ等の都合により適宜変更が可能である。例えば、4個以下としてもよいし、6個以上としてもよい。また、後述するように、ケーシング埋込工程において、既設杭Pの長さに応じて、さらに分割ケーシングを継ぎ足していくことができる。
次に、既設杭Pの周囲に位置するように、ケーシング10を地中に埋め込むケーシング埋込み工程を実行する。図5(a)に示すように、ケーシング10を既設杭Pの周囲に位置決めして下降させ、図5(b)に示すように、ケーシング10を回転させながら地中に埋め込む。そして、既設杭Pの先端P1に届くまでケーシング10を埋め込めれば、ケーシング引抜き工程を実行して、図5(c)に示すように、ケーシング10を引抜く。ケーシング10を引き抜いた後、既設杭P周囲の土はケーシング10によって取り除かれた状態となっている。
ケーシング10を地中から引き抜いた後、準備した杭キャップ1のワイヤー掛け部6にワイヤーを掛けして既設杭Pに位置合わせして下降させる。つまり、杭キャップ1の内側円筒部3に対してキャップ本体2を上昇させた状態の杭キャップ1を既設杭Pの周囲に位置させて爪7(7a、7b、7c、7d)を既設杭Pの頭部P2に当接させながら下降させることにより爪7(7a、7b、7c、7d)が既設杭Pの頭部P2に押されるとともに、内側円筒部3に対してキャップ本体2が下降することとなり、爪7(7a、7b、7c、7d)が内側円筒部3の内周壁3N側に倒伏させられる(図3(a)参照)。つまり、杭キャップ1を既設杭Pの頭部P2に当接させながら下降させることにより爪倒伏工程を実行する。
次に、杭キャップ1を既設杭Pに沿って地中にできた空間に埋め込む杭キャップ埋込工程を実行する。つまり、上述のケーシング埋込工程を実行したことにより、既設杭Pの周囲は土が除去されて空間ができているので、この空間に杭キャップ1を位置決めして埋め込む(図6(a)参照)。
杭キャップ埋込工程の次に杭引抜き工程を実行する。つまり、杭キャップ1をワイヤーで引き上げることで内側円筒部3に対して杭キャップ本体2を上昇させることとなり、爪7(7a、7b、7c、7d)を内側円筒部3の内周壁3Nより内部に起立させることができる。爪7(7a、7b、7c、7d)で既設杭Pを把持することができる(図3(b)参照)。この状態で、杭キャップ1を引き上げれば把持した既設杭Pを引抜くことができる(図6(b)、(c)参照)。なお、この場合、爪7(7a、7b、7c、7d)の先端を鋭角に加工しておくと、既設杭Pの把持をさらに確実に行うことができる。
ここで、杭キャップ1は、内側円筒部3に対してキャップ本体2を上昇させることで既設杭Pを把持する構成を有しているため、従来のワイヤー掛け作業のように、多くの作業員が既設杭Pの周囲で作業することがなく、地中に作業員が引き込まれるといった危険を防止することができる。
最後に、引抜いた後の地中の空間には、セメントミルクと砂を地中に投入して地中の空間を埋め戻して、既設杭Pの引抜きを完了する。
なお、実施例1においては、杭キャップ1の爪7(7a、7b、7c、7d)で既設杭Pを把持して引き抜くように構成したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、既設杭Pが比較的短い場合には、杭キャップ1の爪7(7a、7b、7c、7d)で既設杭の先端P1を支持して引抜くように構成してもよい。
つまり、杭キャップ埋込工程において、杭キャップ1を既設杭Pの先端P1まで杭キャップ1を埋め込む。そして、杭キャップ1の内側円筒部3に対して杭キャップ本体2を上昇させることで、爪7(7a、7b、7c、7d)を内側円筒部3の内周壁3Nより内部に起立させ既設杭Pの先端を支持する。この状態で杭キャップ1を引き上げれば、既設杭Pの先端P1を持ち上げて引き抜くことができ、引き抜く途中で既設杭Pが破断したりして一部分を地中に残すことなく地上に引く抜くことができる。
なお、この場合は、杭キャップ1におけるワイヤー掛け部6を天板5の中心ではなく両端2ヶ所又は3ヶ所に設け、天板5の輪郭部分以外を中空として既設杭Pが天板5を通るように構成しておくとよい。
このように、実施例1においては、既設杭を引き抜く杭抜き機の杭キャップであって、
略円筒状の内側円筒部と、
前記内側円筒部に沿って移動可能に前記内側円筒部の外側に設けたキャップ本体と、
前記キャップ本体の外周壁に軸支された爪と、
前記爪が前記内側円筒部の内周壁より内部に起立可能に、前記内側円筒部及び前記キャップ本体にそれぞれ貫通して設けられた内側円筒部窓及びキャップ本体窓と、を備え、
前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を上昇させることにより前記爪を前記内側円筒部の内周壁より内部に起立させ、前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を下降させることにより前記爪を前記内側円筒部の内周壁側に倒伏させることを特徴とする杭抜き機の杭キャップを用いることにより、危険なワイヤー掛けをすることなく既設杭を安全に引抜くことができる。
また、既設杭を引き抜く杭キャップを用いた杭引抜工法であって、
略円筒状の内側円筒部と、前記内側円筒部に沿って移動可能に前記内側円筒部の外側に設けたキャップ本体と、前記キャップ本体の外周壁に軸支された爪と、前記爪が前記内側円筒部の内周壁より内部に起立可能に、前記内側円筒部及び前記キャップ本体にそれぞれ貫通して設けられた内側円筒部窓及びキャップ本体窓と、を備え、前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を上昇させることにより前記爪を前記内側円筒部の内周壁より内部に起立させ、前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を下降させることにより前記爪を前記内側円筒部の内周壁側に倒伏させる杭抜き機の杭キャップを準備する杭キャップ準備工程と、
地中に埋め込むケーシングを準備するケーシング準備工程と、
既設杭の周囲に位置するように前記ケーシングを地中に埋め込むケーシング埋込み工程と、
前記ケーシングを引抜くケーシング引抜き工程と、
前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を上昇させた前記杭キャップを既設杭の周囲に位置させて前記爪を既設杭の頭部に当接させながら下降させることにより、前記爪を前記内側円筒部の内周壁側に倒伏させる爪倒伏工程と、
前記杭キャップを既設杭に沿って地中に埋め込む杭キャップ埋込工程と、
前記内側円筒部に対して前記杭キャップ本体を上昇させて、前記爪を前記内側円筒部の内周壁より内部に起立させることで既設杭を把持又は支持し、既設杭を引抜く杭引抜き工程と、を備えたことを特徴とする杭キャップを用いた杭引抜工法により、危険なワイヤー掛けをすることなく既設杭を安全に引抜くことができる。
本発明における杭抜き機の杭キャップ、及び杭キャップを用いた杭抜き工法は、既設杭引抜きの分野に広く用いることができる。
1: 杭キャップ 2:キャップ本体 2W:キャップ本体窓
3:内側円筒部 3N:内周壁 3W;内側円筒部窓
4:継手 5:天板 6:ワイヤー掛け部 7:爪
10:ケーシング
P:既設杭 P1:先端 P2:頭部

Claims (3)

  1. 既設杭を引き抜く杭抜き機の杭キャップであって、
    略円筒状の内側円筒部と、
    前記内側円筒部に沿って移動可能に前記内側円筒部の外側に設けたキャップ本体と、
    前記キャップ本体の外周壁に軸支された爪と、
    前記爪が前記内側円筒部の内周壁より内部に起立可能に、前記内側円筒部及び前記キャップ本体にそれぞれ貫通して設けられた内側円筒部窓及びキャップ本体窓と、を備え、
    前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を上昇させることにより前記爪を前記内側円筒部の内周壁より内部に起立させ、前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を下降させることにより前記爪を前記内側円筒部の内周壁側に倒伏させることを特徴とする杭抜き機の杭キャップ。
  2. 前記爪の軸支方向は、前記内側円筒部に対する前記キャップ本体の移動方向と直交する方向であることを特徴とする請求項1に記載の杭抜き機の杭キャップ。
  3. 既設杭を引き抜く杭キャップを用いた杭引抜工法であって、
    略円筒状の内側円筒部と、前記内側円筒部に沿って移動可能に前記内側円筒部の外側に設けたキャップ本体と、前記キャップ本体の外周壁に軸支された爪と、前記爪が前記内側円筒部の内周壁より内部に起立可能に、前記内側円筒部及び前記キャップ本体にそれぞれ貫通して設けられた内側円筒部窓及びキャップ本体窓と、を備え、前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を上昇させることにより前記爪を前記内側円筒部の内周壁より内部に起立させ、前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を下降させることにより前記爪を前記内側円筒部の内周壁側に倒伏させる杭抜き機の杭キャップを準備する杭キャップ準備工程と、
    地中に埋め込むケーシングを準備するケーシング準備工程と、
    既設杭の周囲に位置するように前記ケーシングを地中に埋め込むケーシング埋込み工程と、
    前記ケーシングを引抜くケーシング引抜き工程と、
    前記内側円筒部に対して前記キャップ本体を上昇させた前記杭キャップを既設杭の周囲に位置させて前記爪を既設杭の頭部に当接させながら下降させることにより、前記爪を前記内側円筒部の内周壁側に倒伏させる爪倒伏工程と、
    前記杭キャップを既設杭に沿って地中に埋め込む杭キャップ埋込工程と、
    前記内側円筒部に対して前記杭キャップ本体を上昇させて、前記爪を前記内側円筒部の内周壁より内部に起立させることで既設杭を把持又は支持し、既設杭を引抜く杭引抜き工程と、を備えたことを特徴とする杭キャップを用いた杭引抜工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111809627A (zh) * 2020-07-17 2020-10-23 长安大学 一种多用途型钢静拔桩机
JP2021080646A (ja) * 2019-11-14 2021-05-27 株式会社神島組 既設構造物の引抜装置および引抜工法
CN113668530A (zh) * 2021-09-02 2021-11-19 厦门大学 一种易回收的流化减阻拔桩的施工方法
JP2022040576A (ja) * 2020-08-31 2022-03-11 株式会社徳永組 ケーシング把持具、及び杭抜き工法

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