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JP2019032162A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】真ん中野菜室タイプの冷蔵庫であっても野菜室にオゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストを供給でき、しかも信頼性が高い冷蔵庫の提供。【解決手段】霧化装置34の印加電極35をペェルチェ素子37で冷却する構成とし、かつ、前記霧化装置34の制御部48はペェルチェ素子37に通電して印加電極35を冷却した後に当該印加電極へ高電圧を印加する構成としてある。これにより、霧化装置の印加電極は野菜室の上方の貯蔵室が冷凍室等の冷凍温温度帯の貯蔵室でなくでも周りの水蒸気を結露させ、OHラジカル等を含むナノレベルのミストを放出させることができる。しかも、この霧化装置は印加電圧が放電する際には当該印加電極に結露水が付着していて空放電するようなことがないので、空放電による印加電極の摩滅を抑制してその寿命を長くすることができる。【選択図】図16

Description

本発明は野菜室にミストを放出する冷蔵庫に関するものである。
一般に野菜室にミストを放出する霧化装置を備えた冷蔵庫は、野菜の保鮮度が高く、長期間に亘って野菜を新鮮な状態に冷却保存できる利点がある。そして、このような冷蔵庫の中にはオゾンやOHラジカルなどを含むミストを放出する霧化装置を備え、野菜の除菌・殺菌もできるようにしたものがみられる(例えば、特許文献1参照)。
図19は上記特許文献1(実施の形態6)に記載されている冷蔵庫を示し、その霧化装置101は放電電極となる印加電極102とその放電相手となる対向電極103を備え、上記印加電極102は野菜室104と製氷室105との間を仕切る仕切板106からの伝導熱により冷却されるように前記仕切板106に装着してある。これにより、印加電極102は露点以下に冷却されて周りの水蒸気が結露付着し、印加電極102に高電圧を印加して放電させると、印加電極102に結露付着した水滴がナノレベルのミストとなって放出される。その際、前記印加電極102の放電によりオゾンやOHラジカルなどが発生し、このオゾンやOHラジカルなどが前記ミストと一緒に放出され、オゾンやOHラジカルが持つ強い酸化力によって野菜の除菌・殺菌もできるというものである。
特表2006−99189号公報
上記特許文献1に記載されている冷蔵庫は、印加電極102を低温に冷却し、周りの空気中に存在する水蒸気を結露させてミストを発生させるので、ミストを発生させるための水タンクや水供給構成等を必要とせず、コンパクトに設置できて野菜室等の容積を減じることがない、という利点がある。
しかしながら、上記霧化装置101ではミストを発生させる印加電極102を低温に冷却する必要があるため、霧化装置101を設置する野菜室104の天井となる仕切板106の上方の貯蔵室は製氷室105や冷凍室等の冷凍温度帯域の貯蔵室である必要がある。
したがって、野菜室が冷蔵室と冷凍室との間に配置されている真ん中野菜冷蔵庫では、野菜室上方の貯蔵室が野菜室より若干低い約1℃〜4℃程度の冷蔵室であるため、この冷蔵室からの熱伝導では印加電極35を露点以下に冷却することができず、このような方式の霧化装置を適用することができなかった。
しかしながらこの真ん中野菜タイプの冷蔵庫は野菜の出し入れが容易で野菜を多用されるユーザには重宝されているため、このような真ん中野菜タイプの冷蔵庫にもその野菜室にオゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストを供給できる冷蔵庫の提供が求められていた。
本発明はこのような点に鑑みてなしたもので、真ん中野菜室タイプの冷蔵庫であってもその野菜室にオゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストを供給でき、しかもミストを発生する霧化装置自体の寿命を高めた冷蔵庫とすることを目的としたものである。
本発明は、上記目的を達成するため、野菜室に設けた霧化装置と、前記霧化装置を制御する制御部とを備え、前記霧化装置は、ペェルチェ素子と、このペェルチェ素子によって冷却される印加電極と、この印加電極の対向電極とを備え、かつ、前記制御部はペェルチェ素子に通電して印加電極を冷却した後に当該印加電極へ高電圧を印加するように制御する構成としてある。
これにより、霧化装置の印加電極は野菜室の上方の貯蔵室が冷凍室等の冷凍温度帯の貯蔵室でなくてもその印加電極を露点以下に冷却して周りの水蒸気を結露させ、オゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストを放出させることができる。しかも、この霧化装置はペェルチェ素子に通電して印加電極を冷却した後に当該印加電極へ高電圧を印加するので、印加電圧が放電する際には当該印加電極に結露水が付着していて空放電するようなことがなく、空放電による印加電極の摩滅を抑制してその寿命を長くすることができる。
本発明は、上記構成により、真ん中野菜室タイプの冷蔵庫のように冷凍温度帯域の貯蔵室からの熱伝導が得られにくい冷蔵庫であってもその野菜室にオゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストを供給でき、しかもミストを発生する霧化装置の寿命も長いものとすることができ、信頼性の高い冷蔵庫とすることができる。
本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図 同実施の形態1における冷蔵庫の扉を開いた時の正面図 同実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図 同実施の形態1における冷蔵庫の野菜室を示す断面図 同実施の形態1における冷蔵庫の野菜室を示す概略断面図 同実施の形態1における冷蔵庫の野菜室部分の分解斜視図 同実施の形態1における冷蔵庫の野菜室に用いる野菜室容器の斜視図 同実施の形態1における冷蔵庫の野菜室に霧化装置を装着した仕切板部分の断面図 同実施の形態1における冷蔵庫の野菜室に霧化装置を装着した仕切板部分の欠裁斜視図 同実施の形態1における冷蔵庫の野菜室の仕切板を野菜室側から見た斜視図 同実施の形態1における冷蔵庫の野菜室の仕切板を野菜室側から見た分解斜視図 同実施の形態1における冷蔵庫の野菜室の仕切板を野菜室側から見た要部の拡大斜視図 (a)同実施の形態1における冷蔵庫の野菜室に用いた霧化装置の斜視図(b)同霧化装置の平面図 同実施の形態1における冷蔵庫の野菜室に用いた霧化装置部分の断面図 同実施の形態1における冷蔵庫の野菜室に用いた霧化装置の拡大断面図 同実施の形態1における冷蔵庫の制御ブロック図 同実施の形態1における冷蔵庫の霧化動作を説明するフローチャート (a)同実施の形態1における冷蔵庫の強モード時の動作を示すタイミングチャート図、(b)同標準モード時におけるフローチャート図 従来の冷蔵庫の霧化装置部分を示す概略断面図
第1の発明は、冷蔵庫本体に設けた冷蔵室、野菜室、冷凍室と、前記野菜室に設けた霧化装置と、前記霧化装置を制御する制御部とを備え、前記霧化装置は、ペェルチェ素子と、このペェルチェ素子によって冷却される印加電極と、この印加電極の対向電極とを備え、かつ、前記制御部はペェルチェ素子に通電して印加電極を冷却した後に当該印加電極へ高電圧を印加するように制御する構成としてある。
これにより、霧化装置の印加電極は野菜室の上方の貯蔵室が冷凍室等の冷凍温度帯の貯蔵室でなくでもその印加電極を露点以下に冷却して周りの水蒸気を結露させ、オゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストを放出させることができる。しかも、この霧化装置はペェルチェ素子に通電して印加電極を冷却した後に当該印加電極へ高電圧を印加するので、印加電圧が放電する際には当該印加電極に結露水が付着していて空放電するようなことがなく、空放電による印加電極の摩滅を抑制してその寿命を長くすることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記制御部は、冷凍システムの圧縮機と同期させてペェルチェ素子への通電或いは印加電圧への高電圧印加を開始し霧化装置を作動させるとともに、前記圧縮機の停止或いは前記霧化装置の作動から所定時間後のいずれか短い方の時間で少なくとも印加電極への高電圧印加を停止させる構成としてある。
これにより、圧縮機を駆動して冷却運転を行っているときには霧化装置が作動してオゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストを放出するので、冷気循環に伴ってこのミストを野菜室から冷蔵室、冷凍室へ供給することができ、これらの室に保存されている食品もミスト中のオゾンやOHラジカルで除菌・殺菌することができる。しかも、霧化装置は前記圧縮機の停止或いは前記霧化装置の作動から所定時間後のいずれか短い方の時間で少なくとも印加電極への高電圧印加を停止するので、印加電極に長時間高電圧を印加して放電させ続けることによる印加電極の摩滅を抑制することができ、長寿命化が可能となるとともに、オゾンやOHラジカルを過度に供給することも防止することもできる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記制御部は、冷凍システムの圧縮機駆動時に毎回霧化装置を作動させる強モードと、圧縮機駆動の数回おきに霧化装置を作動させる標準モードと、を備えた構成としてある。
これにより、野菜室への野菜の収納量に応じでミストの供給量を変えることができるとともに、野菜収納量が少ないときには標準モードで霧化装置を供給して印加電極の高電圧放電時間を少なくすることができ、これによって印加電極の摩滅を防止してさらなる長寿命化が図れるとともに、オゾンやOHラジカルの過度の供給も防止することができる。
第4の発明は、第1〜第3の発明において、前記野菜室は冷気を取り込むとともに野菜室内で冷気を循環させる野菜室ファンを備え、前記野菜室ファンは野菜室内の温度が野菜冷却保存温度帯以外の温度になると駆動するとともに、霧化装置は前記野菜室ファン駆動時の少なくとも一時期駆動する構成としてある。
これにより、野菜室を効果的に冷却するとともに、野菜室の温度が高くなったり低くなりすぎたりすると、野菜室ファンが回転することによって野菜室内に生じがちな温度ムラを解消して野菜の劣化を防止でき、しかもこのようなときに少なくとも霧化装置も作動するときがあってオゾンやOHラジカルを含むナノクラスのミストを野菜室内に強制循環させるので、このミストによる水分補給及び除菌・殺菌作用の効果を上げ野菜を良好な状態に保持することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜図18は本発明の実施の形態1を示すもので、まず、冷蔵庫の全体構成について説明する。
図1〜図6において、本実施の形態に係る冷蔵庫は、前方を開口した冷蔵庫本体1を備え、この冷蔵庫本体1は、図3に示すように主に鋼板を用いた外箱2と、ABSなどの硬質樹脂で成型された内箱3と、前記外箱2と内箱3との間に充填された硬質発泡ウレタン等の発泡断熱材4とから構成されている。冷蔵庫本体1は、仕切板5、6によって複数の貯蔵室に区分されており、冷蔵庫本体1の最上部には冷蔵室7、その冷蔵室7の下部に野菜室8、そして最下部に冷凍室9が配置されていて、真ん中野菜室タイプの冷蔵庫となっている。前記各貯蔵室の前面開口部は、扉10、扉11、扉12によって開閉可能に閉塞されている。
冷蔵庫本体1の上部後方領域には機械室14が設けられている。機械室14には、圧縮機15、水分除去を行うドライヤ(図示せず)等の冷凍サイクルの高圧側構成部品が収容されている。
また、冷蔵庫本体1の背面には冷気を生成する冷却室16と冷却室16からの冷気を前記冷蔵室7、野菜室8、冷凍室9に供給循環させる冷気通路17が設けられている。前記冷却室16及び冷気通路17の一部は冷凍室9の背面から野菜室8の下部背面に渡って形成されており、野菜室8との間は発泡スチロール等によって断熱性を持たせた背面壁体18によって断熱仕切りしてある。
冷却室16内には冷却器19が配設されており、冷却器19の上部には冷却ファン20が配置されている。前記冷却ファン20は、冷却器19により冷却された冷気を、冷気通路17を介し冷蔵室7、野菜室8、冷凍室9に強制循環させて各室を冷却するものである。例えば、冷蔵室7は食品が凍らない程度の温度通常1℃〜4℃に冷却し、野菜室8は冷蔵室7と同等もしくは若干高めの温度2℃〜7℃に冷却している。また、冷凍室9は冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃の冷凍温度帯に冷却しており、場合によっては冷凍保存状態向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温に冷却することもある。
次に野菜室8の構成について説明する。
野菜室8は図5に示すように、その背面下部に冷気入口21、上部に冷気戻り口22を有していて、冷気通路17と連通している。そして、上記冷気入口21にはこれと対向させて野菜室ファン23が設けてあり、野菜室ファン23の回転によって冷気通路17内を流れる冷気を野菜室8内に積極的に取り込むようになっている。また、上記野菜室ファン23は野菜室8の背面壁体18に組み込んであり、同背面壁体18に形成した野菜室ダクト24の上部開口を介して野菜室8内の冷気の一部を吸引し、野菜室内で冷気を循環させることができるようにもなっている。この野菜室ファン23は野菜室8内が所定の野菜冷却保存温度帯以上或いは以下になると駆動し、冷蔵室7の冷却運転中であれば冷気通路17からの冷気を取り込み、冷却運転停止中であれば野菜室内の冷気を野菜室8内で循環させ、野菜室8内が野菜冷却保存温度帯になれば停止するようになっている。
また、前記野菜室8は図6に示すように野菜室容器25が設けてあり、この野菜室容器25は扉11のレール26に載置して扉開閉に伴い野菜室8内から出し入れ自在となっている。この野菜室容器25は図7に示すように仕切壁体27によって野菜を収納する野菜収納部28と別途ボトル等を収納する非野菜収納部29とに区画してあり、野菜収納部28の上部には果物等を収納する小物収納容器30が前後スライド自在に設けてある。そして、前記仕切壁体27には透湿膜31を設けて、野菜収納部28内の湿度がほぼ一定に維持できるようにしてある。
また、前記野菜室8の冷気戻り口22は上記非野菜収納部29側の空間部分に設けてあり、図8、図9に示すように小物収納容器30をスライド自在に保持するレール部材32のスリット開口33を介して前記野菜収納部28とも連通させ、野菜収納部28内の冷気が上記スリット開口33を介して冷気戻り口22から冷気通路17へと還流していくようになっている。
さらに、前記野菜室8には霧化装置34が組み込んである。
以下、この野菜室8に組み込んである霧化装置34について、図10〜図18を用いて説明する。
図10〜図15において、霧化装置34は野菜室8の天井面となる仕切板5、すなわち冷蔵室7と野菜室8との間を仕切る仕切板5の下面に装着してある。上記霧化装置34は前記仕切板5下面のうち前記野菜室容器25の野菜収納部28に対応する位置に設けてあり、野菜収納部28に放出したミストは既述したように前記レール部材32のスリット開口33、非野菜収納部29、冷気戻り口22を介して野菜室冷気とともに冷気通路17へ還流していくようになっている。
ここで、前記霧化装置34は、図15に示すように、オゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストを放出する印加電極35と対向電極36とを備え、更に前記印加電極35を露点以下の温度まで冷却するためのペェルチェ素子37を備えている。すなわち、霧化装置34は、金属ピン状の印加電極35と、これに対向して配置したドーナツ円盤状の対向電極36と、前記印加電極35を冷却するように配置したペェルチェ素子37とで霧化ユニット38を構成している。そして、前記霧化ユニット38の印加電極35に高電圧を印加するとともに、前記ペェルチェ素子37への通電を制御する制御ユニット39(図13参照−後述する冷蔵庫全体を統括制御する制御部の一部を構成している)を備え、これら霧化ユニット38と制御ユニット39は装置基板40に組み込んで一体化し、仕切板5の下面に装着してある。その際、印加電極35は対向電極36の上方に位置していて、下向き、すなわち、野菜室8内に向かって放電するようにしてある。なお、印加電極35はマイナス極、対向電極36はプラス極に接続してあり、放出されるオゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストはマイナスに帯電している。
ここで、上記霧化装置34は、圧縮機15の運転開始と連動して作動、すなわち印加電極35に高電圧を印加して放電させミストを放出するように構成してある。その際、前記印加電極35を冷却するペェルチェ素子37には高電圧印加の所定時間前に通電し、印加電極35を露点以下の温度まで冷却して空気中の水蒸気が印加電極35に結露しているようにしてある。そして、この霧化装置34は前記圧縮機15の停止もしくは霧化装置34の作動開始から所定時間経過後のうちの短い方の時間が経過すると作動を停止するように構成してある。
図16は上記冷蔵庫の制御ブロック図を示し、44は冷蔵室温度検知手段、45は野菜室温度検知手段、46は冷凍室温度検知手段、47は外気温度検知手段で、いずれもサーミスタで形成してあり、それぞれ冷蔵室7、野菜室8、冷凍室9、冷蔵庫本体1の適所に設置されている。48は冷蔵庫全体を統括制御する制御部で、マイクロコンピュータ等によって構成してあり、前記冷蔵室温度検知手段44、冷凍室温度検知手段46からの出力に基づきあらかじめ組み込まれた制御ソフトにしたがって冷蔵室ダンパ49、冷凍室ダンパ50(いずれも構造図では図示せず)を開閉制御するとともに、圧縮機15、冷却ファン20を駆動して各室を設定温度に制御する。さらにこの制御部48は前記したように圧縮機15を駆動する際、圧縮機15を駆動させる駆動温度より例えば1℃低い温度になるとペェルチェ素子37に通電し、圧縮機駆動温度になると圧縮機15とともに印加電極35に高電圧を印加して霧化装置34を作動させ、圧縮機停止もしくは霧化装置作動の所定時間経過後のいずれか短い方の時間で印加電極35およびペェルチェ素子37への通電を停止するようになっている。その制御の詳細は後述する。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、冷蔵庫全体の動作を説明しておくと、冷蔵室7および冷凍室9のいずれかが設定温度より高くなると、圧縮機15と冷却ファン20が駆動するとともに、冷気通路17中に設けた冷蔵室ダンパ49、冷凍室ダンパ50のいずれかもしくは両方が開き、冷却器19で生成された冷気が冷蔵室7と冷凍室9のいずれかもしくは両方、ならびに前記冷蔵室7と冷気通路17を介して野菜室8へと供給され、これら各室が所定温度になるように冷却運転を行う。
一方、この実施の形態の冷蔵庫では、前記野菜室8の温度が野菜冷却保存温度帯以外の温度、例えば野菜室8の温度が高くなったり低すぎたりすると、制御部48が野菜室ファン23を回転させ、冷却運転中であれば循環冷気を野菜室8内に積極的に取り込んで野菜室8を効果的に冷却し、冷却運転停止中であれば野菜室8内の冷気を野菜室8内で循環させて野菜室8内の温度ムラを解消し、野菜を冷却保存している。
この時、すなわち、前記冷却運転を行っているとき、前記圧縮機15の駆動とともに霧化装置34が作動し、野菜室8内にミストが供給され、野菜室8内の野菜の保鮮が行われる。
以下、上記霧化装置34の動作について、霧化装置のフローチャートを示す図17と動作タイミングチャートを示す図18を用いて説明する。
まず、この霧化装置34は既述したように圧縮機15の駆動と連動して作動を開始するが、その圧縮機15の駆動よりも前にペェルチェ素子37に通電し印加電極35を冷却して周りの水蒸気を結露させておく。
そのため、この実施の形態では、圧縮機15を駆動させる冷蔵室7或は冷凍室9の設定温度、すなわち、冷蔵室温度検知手段44或いは冷凍室温度検知手段46が検知する温度が前記設定温度、換言すると圧縮機駆動温度よりも例えば1℃低い温度になると(S1)、ペェルチェ素子37に通電する(S2)。これにより、ペェルチェ素子37は印加電極を露点以下まで冷却し、印加電極35には周りの水蒸気が結露した状態となる。
上記ペェルチェ素子37への通電後、冷蔵室温度検知手段44或いは冷凍室温度検知手段46が検知する温度が圧縮機駆動温度になると、圧縮機15が駆動し(S1)、図示しないが前述したように圧縮機15とともに冷却ファン20や冷蔵室ダンパ49、冷凍室ダンパ50等が動作し各室に冷気が供給循環されて冷却運転が始まる。
そして、上記圧縮機15の駆動とともに霧化装置34の印加電極35に高電圧が印加され対向電極36との間で放電を行ってオゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストを放出する。
以上のようにしてミスト供給が開始されると、圧縮機15の運転状態を確認し(S6)、圧縮機15が停止すると(S6−Y)、ペェルチェ素子37への通電を停止し(S7)、印加電極35への高電圧印加も停止して霧化装置34の作動を停止する(S8)。
一方、圧縮機15が運転状態の時は(S6−N)前記霧化装置34の作動後、例えばペェルチェ素子37への通電もしくは印加電極35への高電圧印加のいずれであってもよいが、この実施の形態では印加電極35への高電圧印加後、所定時間が経過すると(S9−Y)、ペェルチェ素子37への通電を停止し(S7)、印加電極35への高電圧印加も停止して霧化装置34の作動を停止する(S8)。
前記霧化装置34の作動後、すなわち印加電極35への高電圧印加後所定時間が経過していない場合は(S9−N)、ステップ(S6)に戻って圧縮機15の運転状態を確認し、前記動作を繰り返す。すなわち、圧縮機15が停止するか、或いは霧化装置34の作動後所定時間が経過するか、のいずれか短い方の時間中、霧化装置34が作動してオゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストを放出する。
そして、上記ミストを放出する霧化装置34の作動は、図18のタイミングチャート(a)に示すように、圧縮機15駆動時に毎回作動する強モードと、同図(b)に示すように、圧縮機15駆動の数回おき、例えば1回おきに作動する標準モードの二種類備わっており、この強モードと標準モードが切り換えられるようになっている。
以上のように、この霧化装置34は、印加電極35に空気中の水蒸気を結露させ、この結露水を前記印加電極35の対向電極36に対する放電によってナノクラスのミストとして放出するが、前記印加電極35はペェルチェ素子37によって冷却するので、野菜室8の上方の貯蔵室が冷凍室9等の冷凍温度帯の貯蔵室でなくてもその印加電極35を露点以下に冷却して空気中の水蒸気を結露させ、オゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストを放出させることができる。 この時、本実施の形態の霧化装置34は、圧縮機駆動前にペェルチェ素子37に通電してこれを冷却して結露水を付着させておくので、結露水なしの状態で放電(以下、これを空放電と称す)することがなく、空放電による印加電極35の過度な摩滅を抑制することができる。加えてオゾンやOHラジカルの過度の放出も防止することができる。
また、上記霧化装置34の運転は、圧縮機15が停止或いは圧縮機15が運転していても霧化装置34が作動してから所定時間が経過する、すなわちいずれか短い方の時間が経過すると停止するようにしてあるから、年がら年中運転していて、かつ、冷蔵室7あるいは冷凍室9の温度状態によって圧縮機15が頻繁に駆動し、しかもその駆動時間が長時間になるという冷蔵庫であっても、霧化装置34の作動時間は限定的なものとすることができる。これによって、印加電極35の放電による摩滅を抑制すると同時にオゾンやOHラジカルの放出量が過度なものとなるのを防止でき、長寿命かつ安全性の高いものとすることができる。
更に、前記霧化装置34は、圧縮機15駆動時に毎回作動する強モードと、圧縮機15駆動の数回、この例では1回おきに作動する標準モードと、を備えた構成としてあるから、例えば野菜室8への野菜の収納量に応じてミストの供給量を変えることができるとともに、野菜収納量が少ないときには標準モードで霧化装置34を供給して印加電極35の高電圧放電時間を少なくすることができ、これによって印加電極35の摩滅を防止してさらなる長寿命化が図れるとともに、オゾンやOHラジカルの過度の供給も防止することができる。
また、本実施の形態においては、前記野菜室8は当該野菜室8に設けた野菜室容器25の内部を野菜収納部28と非野菜収納部29とに区分けし、前記野菜収納部28と対応する部分の天井面に霧化装置34を設けているから、霧化装置34からのミストは図5の破線で示すように野菜収納部28内に効率よく供給することができる。したがって、野菜収納部28内の野菜に対するミスト保鮮効果はもちろんオゾンやOHラジカルによる除菌・殺菌効果も効率よく発揮させることができる。
しかも、上記野菜収納部28と非野菜収納部29の間は小物収納容器30を支持するレール部材32にスリット開口33を設けているので、野菜収納部28に放出されたオゾンやOHラジカルを含むミストは図8の破線で示すように上記スリット開口33を介して非野菜収納部29へと流れ、更に非野菜収納部29に開口している冷気戻り口22から冷気通路17を介して冷蔵室7や冷凍室9にも供給されることになる。したがって、これら冷蔵室7や冷凍室9に冷却保存している食品に対してもオゾンやOHラジカルによって除菌・殺菌効果をもたらすことができる。すなわち、上記オゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストは野菜室8内だけではなく冷気循環に伴って野菜室8から冷蔵室7、冷凍室9へと供給することができ、これらの室に保存されている食品もミスト中のオゾンやOHラジカルで除菌・殺菌することができる。 更に、この実施の形態では、前記野菜室8に野菜室ファン23が設けてあって上記した霧化装置動作中に野菜室温度が野菜冷却保存温度帯以外の温度になれば野菜室ファン23が回転するから、野菜をより良好な状態に冷却保存できる。
すなわち、前記野菜室ファン23は、少なくとも霧化装置34が作動することになる圧縮機15の駆動開始時には冷蔵室7や冷凍室9の温度とともに野菜室8の温度も高くなっている可能性が高いので、図18のタイミングチャートに示すように圧縮機15の駆動時には霧化装置34とともに回転することになる。これにより、野菜室8内に放出したオゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストを野菜室8内に強制的に循環拡散させることができる。したがって、野菜室8に保存してある野菜の細部までオゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストをいきわたらせて、野菜の保鮮及び除菌・殺菌効果を高め、野菜を良好な状態に保持することができる。
更にまた、前記霧化装置34は印加電極35が野菜室8の天井面に設けられており、しかも下向き、すなわち、野菜室8内に向かって放電するように構成してあるので、放電によって生成されるオゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストは野菜室8内に効果的に供給され、野菜の保鮮度効果が高いものとなる。加えて、印加電極35を下向きとしていることによって印加電極35に付着する結露水がその先端放電部に集まって効率よくナノレベルのミストを放出できるとともに、空放電による印加電極35の摩滅も防止して長寿命化を図ることもできる。
しかも、上記印加電極35はマイナス極としてあるから、放電によって放出されるオゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストはマイナスに帯電しており、通常プラスに帯電している野菜への付着効果が高まり、保鮮はもちろん、オゾンやOHラジカルが持つ除菌・殺菌効果も高いものとなる。
更にこの実施の形態では、野菜室8を冷蔵室7と冷凍室9との間に配置した真ん中野菜室タイプの冷蔵庫としてあるから、野菜の出し入れを容易なものとしつつその野菜を新鮮な状態に保鮮し、除菌・殺菌もでき、野菜を多用されるユーザにとって使い勝手の良い冷蔵庫となる。
以上、本発明の一実施の形態を説明してきたが、上記実施の形態で説明した構成は本発明を実施する一例として示したものであり、本発明の目的を達成する範囲で種々変更可能なことは言うまでもない。
例えば上記実施の形態では霧化装置34の停止条件の一つを霧化装置34作動の所定時間後としているが、この霧化装置34の作動は圧縮機15の作動と連動しているので、圧縮機15の作動後であってもよく、霧化装置34作動の所定時間後にはこの圧縮機15作動の所定時間後も含むものである。
また、霧化装置34はそのペェルチェ素子37への通電を、上記実施の形態では印加電極35と同様圧縮機15の運転もしくは霧化装置34の作動所定時間後のいずれか短い方の時間だけ行い、それ以外の時間は非通電としたが、外気温が高いときには霧化装置34の作動が頻繁になる可能性があるので外気温が一定温度以上になれば常時通電する制御パターンを追加しておくこともできる。
更に、冷蔵庫も、真ん中野菜タイプの冷蔵庫の場合を例にして説明したが、これは例えば野菜室が冷凍温度帯域の貯蔵室の下部にある冷蔵庫であって、その冷凍温度帯域の貯蔵室と野菜室との間を仕切る仕切板に本発明の霧化装置34を設ける構成とする場合でも適用できるものである。
更にまた、野菜室8は必ずしも野菜室ファン23を必要とするものではなく、野菜室ファン23が備わっていないタイプの冷蔵庫にも適用できるものである。
本発明は、真ん中野菜室タイプの冷蔵庫のように冷凍温度帯域の貯蔵室からの熱伝導が得られにくい冷蔵庫であってもその野菜室にオゾンやOHラジカルを含むナノレベルのミストを供給でき、しかもミストを発生する霧化装置の寿命も長いものとすることができ、信頼性の高い冷蔵庫とすることができる。よって、家庭用はもちろん業務用冷蔵庫やショーケース等多くの用途に幅広く適用することができる。
1 冷蔵庫本体
2 外箱
3 内箱(冷蔵庫本体内箱)
4 発泡断熱材
5、6 仕切板
7 冷蔵室
8 野菜室
9 冷凍室
10、11、12 扉
14 機械室
15 圧縮機
16 冷却室
17 冷気通路
18 背面壁体
19 冷却器
20 冷却ファン
21 冷気入口
22 冷気戻り口
23 野菜室ファン
24 野菜室ダクト
25 野菜室容器
26 レール
27 仕切壁体
28 野菜収納部
29 非野菜収納部
30 小物収納容器
31 透湿膜
32 レール部材
33 スリット開口(開口)
34 霧化装置
35 印加電極
36 対向電極
37 ペェルチェ素子
38 霧化ユニット
39 制御ユニット
40 装置基板
41 補強梁
42 リブ
43 凹所
44 冷蔵室温度検知手段
45 野菜室温度検知手段
46 冷凍室温度検知手段
47 外気温度検知手段
48 制御部
49 冷蔵室ダンパ
50 冷凍室ダンパ
本発明は、野菜室に設けられている霧化装置が放出するミストを、冷蔵室と冷凍室にも供給できる冷蔵庫を提供することを目的としたものである。
本発明の冷蔵庫は、前記冷蔵庫の最上部に設けられている冷蔵室と、前記冷蔵室の下方に設けられている野菜室と、前記野菜室の下方に設けられている冷凍室と、前記野菜室の背面に設けられている、前記野菜室と連通する冷気通路と、前記野菜室に設けられている、ミストを放出する霧化装置とを備え、前記霧化装置が放出するミストは、前記冷気通路を介して前記冷蔵室と前記冷凍室にも供給されることを特徴とする
本発明によれば、野菜室に設けられている霧化装置が放出するミストを、冷蔵室と冷凍室にも供給できる冷蔵庫を提供することができる。

Claims (4)

  1. 冷蔵庫本体に設けた冷蔵室、野菜室、冷凍室と、前記野菜室に設けた霧化装置と、前記霧化装置を制御する制御部とを備え、前記霧化装置は、ペェルチェ素子と、このペェルチェ素子によって冷却される印加電極と、この印加電極の対向電極とを備え、かつ、前記制御部はペェルチェ素子に通電して印加電極を冷却した後に当該印加電極へ高電圧を印加するように制御する構成とした冷蔵庫。
  2. 制御部は、冷凍システムの圧縮機と同期させてペェルチェ素子への通電或いは印加電圧への高電圧印加を開始して霧化装置を作動させるとともに、前記圧縮機の停止或いは前記霧化装置の作動から所定時間後のいずれか短い方の時間で少なくとも印加電極への高電圧印加を停止させる構成とした請求項1記載の冷蔵庫。
  3. 制御部は、冷凍システムの圧縮機駆動時に毎回霧化装置を作動させる強モードと、圧縮機駆動の数回おきに霧化装置を作動させる標準モードと、を備えた請求項1または2記載の冷蔵庫。
  4. 野菜室は冷気を取り込むとともに野菜室内で冷気を循環させる野菜室ファンを備え、前記野菜室ファンは野菜室内の温度が野菜冷却保存温度帯以外の温度になると駆動するとともに、霧化装置は前記野菜室ファン駆動時の少なくとも一時期駆動させる構成とした請求項1〜3のいずれか1項記載の冷蔵庫。
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