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JP2019031039A - 多層フィルム及びそれよりなる包装体 - Google Patents

多層フィルム及びそれよりなる包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】成形加工された多層フィルムに中身を充填し、蓋材によりシールされる包装体に使用される多層フィルムにおいて、幅収縮が抑制され、加熱処理後カール性が抑制された多層フィルム及びそれからなる包装体を提供すること。【解決手段】本発明の多層フィルムは、外ポリアミド系樹脂からなる外層1及び中間層2と、シール層3の少なくとも3層からなる多層フィルムであって、前記外層1及び中間層2の少なくとも1層が、ポリラウリルラクタム又は非晶性ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂からなることを特徴とする多層フィルム及びそれからなる包装体。【選択図】図1

Description

本発明は、多層フィルム及びそれよりなる包装体に関する。
食品や医薬品等の包装においては、様々な要求性能を満足するために複合化された多層フィルムが多く用いられている。例えば、多層フィルムを真空成形あるいは圧空成形により内容物に適した形に成形したもの(以下、底材と記載する。)と未成形フィルム(以下、蓋材と記載する。)とからなる包装体の場合、底材側には成形性に優れる未延伸フィルムを多層化したものが使用される。一方、蓋材側には一般に印刷が施されるため、少なくとも1層に印刷適性に優れる延伸フィルムを含む多層フィルムが広く用いられている。これら底材及び蓋材に用いられるフィルムの厚みは、成形加工を行うために底材の方が厚い場合が多く、内容物が重量物等である包装体の中には、JISの分類ではシートの区分に属する厚み範囲のものもある。
これら包装体に用いられるフィルムへの要求性能としては、ガスバリアー性や耐ピンホール性等が挙げられる。前者は、内容物が酸素ガスにより変質することを防ぐために必要であり、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOH樹脂と記載する。)及びジアミン単位の90モル%以上がメタキシリレンジアミン単位であるポリアミド樹脂(ポリメタキシレンアジパミド、MXD−6ナイロン)等が好適に用いられる。一方、後者は、流通過程において振動や落下等で製品に与えられる外部応力によってピンホールが発生することを防ぐために必要であり、各種延伸フィルムやポリアミド樹脂を含む多層フィルムが好適に用いられる。(例えば、特許文献1参照。)
これら内容物保護に関する機能以外にも、内容物に対する認識、区別を可能にする透明性、使用時に簡便に開封出来るイージーピール性等、内容物に適した性能が要求され、内容物によってはボイル加熱処理や冷凍保存が可能であることも要求される。ボイル加熱処理は食品の変質や腐敗の原因となる微生物を死滅、除去するために行われたり、食品の調理作業として行われたりする。しかしながら流通過程において、製品に加わる振動、及び落下によってピンホールが発生し、その箇所から外部環境の空気が侵入し、製品に触れ、製品が変色したり、腐敗したりする場合がある。そのため包装材には、振動や落下による衝撃などによるピンホールの発生や破袋しない衝撃強度や耐ピンホール性が要求されている。耐ピンホール性において、従来よりよく用いられている技術として多層フィルムの一層に衝撃強度に優れたナイロン樹脂を使用する方法がとられており、耐熱性の点から最外層として用いられている。しかしながら、ナイロン樹脂の比率を高くするとナイロン樹脂の吸湿による収縮が大きくなり、特に蓋材とのシール部分が大きい場合では商品の見栄えを損ねるカールが発生する問題があり、ナイロン樹脂の比率を低くすると深絞り成形時にナイロン樹脂に裂けが発生する問題がある。またイージーピール性も簡便性を付与し、商品価値を高めるために必要な性能であるが、内容物に油分が含まれ、ボイル等の加熱時間が長い場合にはわずかな振動や衝撃で破袋する場合があり、ボイル時の破袋防止策としてイージーピール強度を上げた場合には開封出来ないという問題がある。
製品の見栄えを悪くしないよう包装体には様々な検討が行われてきている。例えば、特許文献2には外層に50〜90重量%の6ナイロンと10〜50重量%の非晶性ナイロンとの混合物を用いることでカールが改良することが記載されている。
特許文献3には、中間層に非晶性ポリアミド樹脂を用いることで、ノンボイル用途での耐ピンホール性及びの耐カール性が改善されることが記載されている。また、特許文献4には、外層に非晶性ポリエステル樹脂を用いることで、カール性が改善されることが記載されている。
特公平05−075584号公報 特開2000−62119号公報 特開2007−136914号公報 特開2015−36196号公報
本発明の目的は、成形加工された多層フィルムに中身を充填し、蓋材によりシールされるボイル用途の包装体に使用される多層フィルムにおいて、保存時にフィルムの幅収縮が抑制され、かつ、カール性及び成形性に優れた多層フィルムを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(6)に記載の本発明により達成される。即ち本発明は、
(1)ポリアミド系樹脂からなる外層及び中間層と、シール層の少なくとも3層からなる多層フィルムであって、前記外層及び中間層の少なくとも1層が、ポリラウリルラクタム又は非晶性ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂からなることを特徴とする多層フィルム、
(2)前記非晶性ポリアミド樹脂を含有するポリアミド系樹脂が、結晶性ポリアミド樹脂0〜40重量部に、非晶性ポリアミド樹脂が100〜60重量部を含有したものである(1)の多層フィルム、
(3)前記ポリアミド系樹脂からなる中間層以外に、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層からなる中間層を含む(1)又は(2)の多層フィルム、
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の多層フィルムを成形し、蓋材とシールしてなる包装体、
である。
本発明によれば、成形加工された多層フィルムに中身を充填し、蓋材によりシールされるボイル用途の包装体に使用される多層フィルムにおいて、保存時にフィルムの幅収縮が抑制され、かつ、カール性及び成形性に優れた多層フィルムを提供することが可能となる。
本発明の多層フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の実施例1〜8、比較例1に用いた多層フィルム71の断面図である。 本発明と共に用いられる蓋材の一例を示す断面図である。
以下、本発明の多層フィルムについて詳細に説明する。
本発明の多層フィルムは、ポリアミド系樹脂からなる外層及び中間層と、シール層の少なくとも3層からなる多層フィルムであって、前記外層及び中間層の少なくとも1層が、ポリラウリルラクタム又は非晶性ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂からなることを特徴とする多層フィルムである。
まず、多層フィルムについて好適な実施形態に基づいて説明する。
例えば、図1に示すように、多層フィルム70は、少なくとも外層1と、中間層2と、シール層3とがこの順で積層されてなる。
以下、各層について説明する。
(外層)
外層1は、保存時にフィルムの幅収縮が抑制され、また、底材と蓋材をシールして、ボイル等の加熱処理したときにフランジ部に発生するカールを抑制する機能も有している。外層1に用いられる樹脂は、ポリアミド系樹脂であり、ポリラウリルラクタム又は非晶性ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂が好適に用いられる。特に、中間層2がポリラウリルラクタム又は非晶性ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂ではない場合は、外層1に用いられるポリアミド樹脂は、ポリラウリルラクタム又は非晶性ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂である。これにより、保存時のフィルムの幅収縮が抑制され、かつ、ボイル等の加熱処理後のカール性が抑制されることから、包装体の見栄えを優れたものにすることができる。
前記非晶性ポリアミド樹脂としては、ポリアミド樹脂をJIS K7121に準じて示差走査熱量計により昇温速度20℃/分で測定した場合に明確な融解ピーク温度を示さないものであれば特に制限はないが、例えばその主骨格がヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸及び/又はイソフタル酸が重合したものが挙げられる。具体的には、ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸の重合体、ヘキサメチレンジアミン−テレフタル酸の重合体、ヘキサメチレンジアミン−テレフタル酸−ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸の共重合体等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
前記ポリアミド系樹脂は、非晶性ポリアミド樹脂以外に結晶性ポリアミド樹脂を含むことができる。結晶性ポリアミド樹脂としては、ポリアミド樹脂をJISK7121に準じて示差走査熱量計により昇温速度20℃/分で測定した場合に明確な融解ピーク温度を示すものであれば特に制限はないが、例えばポリカプラミド(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン−2、6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン−4、6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6、6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6、10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン−6、12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン−8、6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン−10、8)や、共重合樹脂であるカプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−6/6、6)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−12/6、6)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−2、6/6、6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6、6/6、10)、エチレンアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6、6/6、10)等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
前記ポリアミド系樹脂として好適に用いられる樹脂は、結晶性ポリアミド樹脂0〜40重量部に非晶性ポリアミド樹脂100〜60重量部を含有した樹脂である。非晶性ポリアミド樹脂の含有量が60重量部未満であると、フィルムの幅収縮抑制効果が低く、底材と蓋材をシールした後にボイルした時に発生するカールを抑制する効果が小さくなってしまう。
このような外層1の厚さは、特に限定されないが、10〜50μmが好ましく、特に20〜30μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、比較的安価で、外観がより優れたフィルムを得ることができる。
(中間層)
中間層2は、底材と蓋材をシールした後にボイルした際にフランジ部に発生するカールを抑制する機能も有している。該中間層2に用いられる樹脂は、ポリアミド系樹脂であって、ポリラウリルラクタム又は非晶性ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂が好適に用いられる。特に、外層1が、ポリラウリルラクタム又は非晶性ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂でない場合は、中間層2に用いられるポリアミド樹脂は、ポリラウリルラクタム又は非晶性ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂である。
前記非晶性ポリアミド樹脂としては、前記外層1に用いられる非晶性ポリアミド樹脂が挙げられる。
本発明の多層フィルムは、ポリアミド系樹脂層からなる中間層2の他に、バリアー性樹脂層を中間層として含有することができる。前記バリアー性樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、EVOH樹脂、塩化ビニリデン樹脂、及びジアミン成分に芳香環を有するポリアミド樹脂等が挙げられるが、中でもエチレン共重合比率が24〜44モル%のEVOH樹脂が好適に用いられる。EVOH樹脂のエチレン共重合比率が24モル%未満では、容器形状への加工性に劣ったり、加熱水や蒸気の影響より酸素バリアー性の低下を起こしやすくなる。一方、エチレン共重合比率が44モル%を超えると、乾燥状況下における酸素バリアー性が充分でなく、内容物の変質が起こり易くなる。
この他にも、本発明の多層フィルムはフィルムの腰、耐ピンホール性、柔軟性あるいは成形性等を上げる目的でポリアミド系樹脂層からなる中間層2の他に任意の樹脂層を中間層として含有することができる。このような中間層に好適に用いられる樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂(以下、LDPE樹脂と記載する。)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(以下、LLDPE樹脂と記載する。)、中密度ポリエチレン樹脂(以下、MDPE樹脂と記載する。)、高密度ポリエチレン樹脂(以下、HDPE樹脂と記載する。)、ポリプロピレン樹脂(以下、PP樹脂と記載する。)等のポリオレフィン樹脂及びエチレン共重合体であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVA樹脂と記載する。)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(以下、EMMA樹脂と記載する。)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(以下、EEA樹脂と記載する。)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(以下、EMA樹脂と記載する。)、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(以下、E−EA−MAH樹脂と記載する。)、エチレン−アクリル酸共重合体(以下、EAA樹脂と記載する。)、エチレン−メタクリル酸共重合体(以下、EMAA樹脂と記載する。)、アイオノマー(以下、ION樹脂と記載する。)等のポリオレフィン系樹脂が好適に使用でき、単体あるいは2種類以上を含んでいても良い。なかでも、LLDPE樹脂、ION樹脂を用いることで、耐ピンホール性をより良好にすることができる。ここで言うLLDPE樹脂とは、メタロセン触媒にて製造されたメタロセン直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(mLLDPE樹脂)も含むものである。また、ION樹脂の分子鎖間を架橋する金属陽イオンとしてはNa+、Zn2+等があるがいずれのタイプでも良い。さらには、シール層3に隣接するようにポリオレフィン系樹脂層を設けることで、シール層3にイージーピール機能を付与した際のピール強度をより均一にすることができる。
このように、ポリアミド系樹脂からなる中間層2の他に任意の樹脂層を設けることで、バリヤー性、耐ピンホール性やフィルムの腰等を向上することができる。これは、前記中間層2は、硬いもの、鋭利なものによる接触に対する耐性が優れるのに対し、例えばLLDPE樹脂、ION樹脂等は屈曲に対する耐性が優れるため、両層が補完しあって、振動や落下により与えられる外部応力からピンホール発生をより抑制することができるためである。
(シール層)
シール層3は、耐内容物性と蓋材とのシール適性の機能を有している。使用される樹脂としては、LDPE樹脂、LLDPE樹脂、MDPE樹脂、HDPE樹脂、PP樹脂、EVA樹脂、EMMA樹脂、EEA樹脂、EMA樹脂、E−EA−MAH樹脂、EAA樹脂、EMAA樹脂、ION樹脂等の樹脂が好適に使用でき、単体あるいは2種類以上を含んでいても良い。なかでも、LLDPE樹脂、EVA樹脂が透明性やシール強度等に優れる点で特に好ましい。
シール層3にはイージーピール機能を付与することができる。イージーピール機能の付与は、例えば、EMAA樹脂あるいはEMMA樹脂等のエチレン共重合体10〜90重量部にPP樹脂90〜10重量部を含有することで達成できる。エチレン共重合体が10重量部未満ではイージーピール性の効果が少なくなり、90重量部を越えるとピール強度のばらつきが大きくなってしまう。
(多層フィルム)
図1で例示したような多層フィルム70では、外層1と、中間層2と、シール層3とを、別々に製造してからラミネーター等により接合して得ても良いが、外層1と、中間層2と、シール層3とを例えば空冷式または水冷式共押出インフレーション法、共押出Tダイ法で製膜する方法で得る方法が好ましい。なかでも、共押出Tダイ法で製膜する方法が各層の厚さ制御に優れる点で特に好ましい。また、外層1と、中間層2と、シール層3とをそのまま接合しても良いし、接着層を介して接合しても良い。
本発明の多層フィルムにおける各層については、酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、樹脂改質剤、染料及び顔料等着色剤、安定剤等の添加剤、フッ素樹脂、シリコンゴム等の耐衝撃性付与剤、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填剤を含有しても良い。また、各樹脂層の間には必要に応じて接着樹脂層を設けることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
1.多層フィルムの作製
図2に示すように、外層1を構成する樹脂として12−ナイロン(品番6434B、宇部興産(株)製)と、中間層24及び25を構成する樹脂として接着性樹脂(NF536、三井化学(株)製)と、中間層22及び23を構成する樹脂として6−ナイロン(品番1022B、宇部興産(株)製)と、中間層21を構成する樹脂としてEVOH樹脂(品番FR101B、(株)クラレ製)と、シール層3を構成する樹脂としてLLDPE樹脂(品番ELITE 5220G、ダウ・ケミカル(株)製)とを押出し、多層フィルム71を作製した。多層フィルムの総厚は150μmであった。多層フィルムの総厚に対する、各層の厚さの比率は、外層1が13%、中間層24が15%、中間層22が8%、中間層21が7%、中間層23が8%、中間層25が9%及びシール層3が40%であった。
2.スライスハム包装体の作製
得られた多層フィルムを底材として、また、図3に示すように、層41および42を構成する樹脂として6−ナイロン(品番1022B、宇部興産(株)製)と、層51および層52を構成する樹脂として接着性樹脂(NF536、三井化学(株)製)と、層6を構成する樹脂としてEVOH樹脂(品番FR101B、(株)クラレ製)と、層71を構成する樹脂としてEMMA(品番WD106、住友化学(株)製)と、層72を構成する樹脂としてEMAA(品番N0903HC、三井・デュポンポリケミカル(株)製)とをTダイ押出法にて製膜したフィルムと、2軸ポリプロピレンフィルム(OPP、厚さ20μm、層8)をドライラミネート法により貼り合わせた多層のフィルム80のフィルムを蓋材として使用し、深絞り型全自動真空包装機(型番FV−6300、大森機械工業(株)製)を用いてスライスハム50gをパックして包装体を作製した。ここでの真空成形時の底材の絞り深さは8mmとした。
(実施例2)
外層1を構成するポリアミド樹脂として、以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
ポリアミド系樹脂1〔結晶性ポリアミド樹脂(品番1022B、宇部興産(株)製)40重量部に対し、非晶性ポリアミド樹脂(品番シーラPA 3426、三井・デュポンポリケミカル(株)製)を60重量部含有した樹脂〕を用いた。
(実施例3)
外層1を構成するポリアミド樹脂として、以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
ポリアミド系樹脂2〔結晶性ポリアミド樹脂(品番1022B、宇部興産(株)製)30重量部に対し、非晶性ポリアミド樹脂(品番シーラPA 3426、三井・デュポンポリケミカル(株)製)を70重量部含有した樹脂〕を用いた。
(実施例4)
外層1を構成する樹脂として、ポリアミド樹脂3〔非晶性ポリアミド樹脂(品番シーラPA 3426、三井・デュポンポリケミカル(株)製)〕を用いた以外は実施例1と同様にした。
(実施例5)
外層1を構成する樹脂として、6−ナイロン(品番1022B、宇部興産(株)製)、中間層22及び23を構成する樹脂として、ポリアミド樹脂3〔非晶性ポリアミド樹脂(品番シーラPA 3426、三井・デュポンポリケミカル(株)製)のみ含有した樹脂〕を用いた以外は実施例1と同様にした。
(実施例6)
外層1及び、中間層22及び23を構成する樹脂として、ポリアミド樹脂3〔非晶性ポリアミド樹脂(品番シーラPA 3426、三井・デュポンポリケミカル(株)製)〕を用いた以外は実施例1と同様にした。
(比較例1)
外層1を構成するポリアミド樹脂として、6−ナイロン(品番1022B、宇部興産(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にした。
各実施例及び各比較例で得られた多層フィルム又は、該多層フィルムを用いた包装体について、以下の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表1に示す。
(幅収縮性)
実施例1〜6及び比較例1の多層フィルムの成形直後シート幅を測定し、60℃で所定時間保存後のシート幅を測定し、成形前のシート幅(425mm)との差を求めた。なお、表1の値は、成形直後から70時間経過後の値である。
(突刺強度)
耐突刺性の評価は、突刺強度の測定によって行った。なお、突刺強度は、島津製作所社製の卓上形精密万能試験機(AGS−1kNX)、先端の丸い針(直径1mm、R=0.5mm)を用いて、固定した多層フィルムに穴をあけるために必要な強度(N)を測定した。
(カール性)
スライスハムを包装した各包装体をボイル槽にて98℃で30分間の加熱処理を行い、シール部の反りを評価した。評価の各符号は、以下の通りである。
○:良好
×:カール発生
Figure 2019031039
実施例1〜6の多層フィルムを用いて包装体を製造することにより、幅収縮及びカール性が抑制された包装体を得ることができる。また、実施例1〜6の多層フィルムは、深絞り型全自動真空包装機での成形性にも優れていた。
本発明の多層フィルムは、その多層フィルムを成形した後、中身を充填し、蓋材によりシールされる包装体に使用することで、幅収縮が抑制され、かつ、加熱処理後のカール性が抑制された包装体を得ることができる。また、成形性にも優れているので、加工を容易に行うことができる。
1 外層
2 中間層
21 中間層(EVOH樹脂層またはMXD−NY樹脂層)
22 中間層(ポリアミド系樹脂層)
23 中間層(ポリアミド系樹脂層)
24 中間層(接着性樹脂層)
25 中間層(接着性樹脂層)
3 シール層
41 Ny樹脂層
42 Ny樹脂層
51 接着性樹脂
52 接着性樹脂
6 EVOH樹脂層
71 EMMA樹脂層
72 EMAA樹脂層
8 OPPフィルム
90 多層フィルム
91 多層フィルム
100 蓋材フィルム

Claims (4)

  1. ポリアミド系樹脂からなる外層及び中間層と、シール層の少なくとも3層からなる多層フィルムであって、前記外層及び中間層の少なくとも1層が、ポリラウリルラクタム又は非晶性ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂からなることを特徴とする多層フィルム。
  2. 前記非晶性ポリアミド樹脂を含有するポリアミド系樹脂が、結晶性ポリアミド樹脂0〜40重量部に、非晶性ポリアミド樹脂が100〜60重量部を含有したものである請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 前記ポリアミド系樹脂からなる中間層以外に、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層からなる中間層を含む請求項1又は2記載の多層フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の多層フィルムを成形し、蓋材とシールしてなる包装体。
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