Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2019001458A - 車両及び避難ユニット - Google Patents

車両及び避難ユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2019001458A
JP2019001458A JP2018115387A JP2018115387A JP2019001458A JP 2019001458 A JP2019001458 A JP 2019001458A JP 2018115387 A JP2018115387 A JP 2018115387A JP 2018115387 A JP2018115387 A JP 2018115387A JP 2019001458 A JP2019001458 A JP 2019001458A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
evacuation
slope
vehicle
ladder
floor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018115387A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6887971B2 (ja
Inventor
圭佑 西田
Keisuke Nishida
圭佑 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Publication of JP2019001458A publication Critical patent/JP2019001458A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6887971B2 publication Critical patent/JP6887971B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Step Arrangements And Article Storage (AREA)

Abstract

【課題】美観を損なうことなく避難はしご又は避難スロープを格納し、非常時に避難はしご又は避難スロープを簡単に取り扱うことができる車両を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係る車両は、床部及び扉を有する側壁部を少なくとも備える車体と、この車体が搭載される台車と、避難時に上記扉と地面との間に配設される避難はしご又は避難スロープとを備える車両であって、上記床部が、上記避難はしご又は避難スロープを格納する格納部を有し、上記格納部が、避難時に車体内から開放操作可能な引き出し口を有し、上記避難はしご又は避難スロープが、避難時に上記引き出し口から車体外部まで引き出し可能に上記格納部に格納されている。上記格納部が、上記引き出し口を閉鎖するカバー体を有し、上記カバー体の一端部と上記引き出し口の一端部とが回動可能に接続されていると好ましい。【選択図】図3

Description

本発明は、車両及び避難ユニットに関する。
鉄道車両や大型バス等の多数の乗客が乗車する車両は、車両の床面が地面に対して比較的高い位置に設けられている。このためこれらの車両には、一般的に火災等の非常事態が発生した場合に乗客を車両内から外部へ脱出させるための避難はしごが備えられている。
鉄道車両や大型バス等の車両に設けられる避難はしごとしては、車体内の所定の場所に設けられた格納スペースに避難はしごを格納しておき、非常時に避難はしごを格納スペースから運び出し、この避難はしごを乗降口や非常口から地面に向けて設置し使用するものが広く知られている。また車両の乗降口や非常口の近傍に設けられた格納スペースに避難はしごを格納しておき、非常時に避難はしごを格納スペースから設置位置へ移動するだけで使用可能とするものも知られている。
特許文献1には、鉄道車両の避難はしごについて、車体の下に格納してある避難はしごを非常時に水平にスライド移動して引き出し、引き出した避難はしごの先端を地面へ向けて回転して使用するものが開示されている。
特許文献2には、大型バスの避難はしごについて、非常扉の内部に避難はしごを格納しておき、非常時に非常扉の下から避難はしごを地面へ向けて引き出して使用するものが開示されている。
ところで、鉄道車両や大型バス等の車両で非常事態が発生した場合、避難誘導すべき事態であることを乗務員が把握して避難誘導を開始するまでに時間がかかることがある。特に一刻を争うような緊急事態が発生した時には乗務員が乗客を速やかに避難誘導できない可能性があり、乗客が自主的に避難する必要性が生じる場合もある。このため避難はしごは簡単に使用できる必要がある。
また避難はしごを車両に格納しておく上では、車両の美観や避難はしごの格納スペースについて考慮する必要がある。
特許文献1に記載された発明は、乗務員が車体外から乗客の避難誘導を行う場合に、車体の下に格納された避難はしごを引き出して使用するものであるから、車体内から乗務員や乗客が避難はしごを簡単に取り扱える設計ではない。
特許文献2に記載された発明は、非常扉に避難はしごを格納するものであるから、格納された避難はしごが乗客の目に触れやすく、車体内の美観が損なわれる可能性がある。
特開2001−315640号公報 実願昭62−197552号(実開平1−102038号)のマイクロフィルム
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、美観を損なうことなく避難はしご又は避難スロープを格納し、非常時に避難はしご又は避難スロープを簡単に取り扱うことができる車両及び避難ユニットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明の車両は、床部及び扉を有する側壁部を少なくとも備える車体と、この車体が搭載される台車と、避難時に上記扉と地面との間に配設される避難はしご又は避難スロープとを備える車両であって、上記床部が、上記避難はしご又は避難スロープを格納する格納部を有し、上記格納部が、避難時に車体内から開放操作可能な引き出し口を有し、上記避難はしご又は避難スロープが、避難時に上記引き出し口から車体外部まで引き出し可能に上記格納部に格納されている。
当該車両は、車体の床部が避難はしご又は避難スロープを格納する格納部を有するので、車体の美観を損なうことなく避難はしご又は避難スロープを格納することができる。また格納部が車体内から開放操作可能な引き出し口を有するので、引き出し口から避難はしご又は避難スロープを簡単に引き出すことができる。
上記格納部が、上記引き出し口を閉鎖するカバー体を有し、上記カバー体の一端部と上記引き出し口の一端部とが回動可能に接続されていると好ましい。カバー体が引き出し口を閉鎖して避難はしご又は避難スロープを隠蔽するので、車体の美観を高く維持することができる。
上記避難はしご又は避難スロープが、この一端に上記引き出し口を閉鎖するカバー体を有していると好ましい。このような構成であっても、避難はしご又は避難スロープの一端のカバー体が引き出し口を閉鎖して避難はしご又は避難スロープの本体を隠蔽するので、車体の美観を高く維持することができる。
上記格納部が、上記カバー体の開放に連動して上記避難はしご又は避難スロープを上記引き出し口から押し出す自動押出機構をさらに有すると好ましい。カバー体を開放すると、避難はしご又は避難スロープが引き出し口から自動的に押し出されるので、引き出し口から避難はしご又は避難スロープをより簡単に引き出すことができる。
上記扉の下且つ上記床部の床面に上記引き出し口を有し、上記カバー体が扉用下部ガイドレールを有すると好ましい。扉用下部ガイドレールの位置に引き出し口を配置することができるので、扉の下から地面へ向けて避難はしご又は避難スロープを簡単に設置することができる。
当該車両が貫通路を有する鉄道車両であり、上記床部が上記貫通路の床部であると好ましい。やむを得ずトンネル内や橋梁上等に鉄道車両を停車して避難を行う場合、鉄道車両の側面にスペースがなく側引戸から避難はしご又は避難スロープを設置できないことがある。このような側引戸から避難できない場合に、列車の最前部車両または最後部車両の貫通路の床部から避難はしご又は避難スロープを引き出して使用することができる。
上記床部の車体内床面に上記引き出し口を有すると好ましい。扉の下に引き出し口を配置することができない車体構造であっても、車体内床面から避難はしご又は避難スロープを引き出して使用することができる。
上記床部の床面に階段状の段差が形成されており、上記段差の側面に上記引き出し口を有すると好ましい。引き出し口が水平方向を向いて配置されるので、引き出し口から避難はしご又は避難スロープを簡単に引き出すことができる。
上記格納部が、上記避難はしご又は避難スロープの一端が上記引き出し口から引き出された状態で上記避難はしご又は避難スロープの他端を離脱不能に係止する係止部を有すると好ましい。避難はしご又は避難スロープが引き出し口から引き出された際に、係止部が避難はしご又は避難スロープを係止するので、引き出し口から避難はしご又は避難スロープが離脱して脱落するのを防止できる。
上記避難はしご又は避難スロープが、この側部に連結される手すりを有し、上記手すりが、上記避難はしごのステップ又は避難スロープのスロープ上に傾倒した傾倒状態と上記避難はしご又は避難スロープの側部上に起立した起立状態との間で変形可能であると好ましい。避難はしご又は避難スロープが手すりを有するので、乗客が避難はしご又は避難スロープを使用して容易に避難することができる。また手すりがステップ上に傾倒するので、避難はしご又は避難スロープを格納部にコンパクトに格納することができる。
上記避難はしご又は避難スロープが、この本体を長手方向に屈伸変形させる複数の回動軸、及びこの本体を伸展状態に保持するロック機構を有し、上記格納部が、本体の一部が屈曲した状態の上記避難はしご又は避難スロープを格納すると好ましい。避難はしご又は避難スロープが屈伸変形可能であると、屈曲した状態の避難はしご又は避難スロープを格納部にコンパクトに格納できる。またロック機構により避難はしご又は避難スロープを伸展状態に保持できるので、避難はしご又は避難スロープを安定して設置することができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明の避難ユニットは、床部及び扉を有する側壁部を少なくとも備える車体と、この車体が搭載される台車とを備える車両の上記床部に配設される避難ユニットであって、避難時に上記扉と地面との間に配設される避難はしご又は避難スロープと、避難時に車体内から開放操作可能な引き出し口とを有し、上記避難はしご又は避難スロープが、避難時に上記引き出し口から車体外部まで引き出し可能に格納されている。
当該避難ユニットは、避難はしご又は避難スロープを引き出し可能に格納した状態で車体の床部に配設されるので、車体の美観を損なうことなく避難はしご又は避難スロープを格納することができる。また、当該避難ユニットは、車体内から開放操作可能な引き出し口を有するので、引き出し口から避難はしご又は避難スロープを簡単に引き出すことができる。
上記避難スロープが多段伸縮可能な複数のスロープを有するのが好ましい。上記避難スロープを多段伸縮可能な構成とすることで、避難時に容易に避難スロープを引き出せるとともに、格納時にコンパクトに格納することができる。
上記スロープが底板と底板から連続する一対の側板とを有し、平面視で上記底板の幅が車体側に向けて漸減するテーパー形状であり、格納時に車体側のスロープが、このスロープに車体側と反対側で隣接するスロープの底板上面に格納され、避難時に上記車体側のスロープの底板の最大幅近傍部分の側板が、このスロープに車体側と反対側で隣接するスロープの底板の最小幅近傍部分の側板を係止するのが好ましい。このようにすることで、避難時により容易に避難スロープを引き出せるとともに、格納時によりコンパクトに格納することができる。また、上記避難スロープを簡易な構成とすることができ、容易に生産することができる。
以上説明したように、本発明の車両及び避難ユニットは、美観を損なうことなく避難はしご又は避難スロープを格納し、非常時に避難はしご又は避難スロープを簡単に取り扱うことができる。
本発明の第一実施形態に係る車両の車体について、出入口床部分周辺を示す模式的部分拡大斜視図である。 図1の車両の避難はしごの模式的平面図である。 本発明の第二実施形態に係る車両の車体について、出入口床部分周辺を示す模式的部分拡大斜視図である。 図3の車両の車体について、出入口床部分を扉用下部ガイドレールに垂直な面で切断した模式的断面図である。 本発明の第三実施形態に係る車両の車体について、出入口床部分を扉用下部ガイドレールに垂直な面で切断した模式的断面図である。 本発明の第四実施形態に係る車両の車体の模式的正面図である。 図6の車両の車体について、引き出し口から避難はしごを引き出した様子を示す模式的正面図である。 図6の車両の避難はしごの模式的斜視図である。 本発明の第五実施形態に係る車両の車体について、出入口床部分周辺を示す模式的部分拡大斜視図である。 本発明の第六実施形態に係る車両の車体について、出入口床部分周辺を示す模式的部分拡大斜視図である。 本発明の第七実施形態に係る避難ユニットを示す模式的斜視図である。 図2の避難はしごの変形例を示す概略部分側面図であり、(a)踏板が避難はしごの裏面に傾倒した状態(b)踏板が回動してロックされた状態を示す。 一方の側壁部に2箇所の側引戸を有する車体の模式的斜視図である。 一方の側壁部に3箇所の側引戸を有する車体の模式的斜視図である。 一方の側壁部に4箇所の側引戸を有する車体の模式的斜視図である。 側壁部の側引戸を開放した状態における、低床ホーム対応ステップ付き車体での、出入口床部分に配置された避難ユニットを示す模式的側面図である。 大型バスの車体後部寄りの側壁部に設けられた非常扉の床部分に避難ユニットを配置した状態を示す模式的斜視図である。 避難スロープを構成するテーパー形状スロープの模式的分解斜視図である。 避難スロープを構成するテーパー形状スロープの格納状態を示す模式的斜視図である。 避難スロープを構成するテーパー形状スロープを引き出した状態を示す模式的斜視図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
図1の車両は、避難はしごを備える鉄道車両である。当該車両は、床部及び扉3を有する側壁部2を少なくとも備える車体1と、この車体1が搭載される台車と、避難時に扉3と地面との間に配設される避難はしご9とを備える。ここで「床部」とは、車体の床領域を構成する部位を示し、第一実施形態の鉄道車両では床板、出入口床部分及び台枠などの床及び床下の部位を示す。車体1は鋼製構体を基本構造としており、台枠、側構え、妻構え、屋根構えの6面体で構成される。側構えは車体外板を有し、車体外板が側壁部2を有する。側壁部2には出入口が形成されており、側壁部2が出入口に扉3を有する。台車は、特に限定されないが、ボルスタレス台車構造を有し、車体1を下から支持する。図1には、側壁部2の扉3が開放され、出入口から車体1内の床板4などが見えている様子が示されている。
扉3は、後述する扉用下部ガイドレール6に沿って摺動する側引戸であり、扉3が開放された際には側壁部2に形成された戸袋に扉3が格納されるように構成されている。なお、扉3が設置される出入口は、台車が車体1を支持する位置に対応して側壁部2に形成されてもよいし、台車の位置とは関係なく側壁部2に形成されてもよい。
床部は、上部位置に床板4を有し、側部位置に出入口床部分5を有する構成となっている。出入口床部分5の上面と床板4の上面とは連続しており、これらが車体の床面を形成している。出入口床部分5の上面には、扉用下部ガイドレール6が出入口床部分5に沿って水平且つ直線的に形成されている。
床部は、床板4を下から支持し、車体の基礎となる台枠を有する。この台枠は、台車により下から支持されている。台枠内には、避難はしご9を格納する格納部が組み込まれている。つまり、床部が避難はしご9を格納する格納部を有する。
格納部は、格納している避難はしご9を引き出し可能な引き出し口7を有する。具体的には、引き出し口7が、出入口床部分5の外側端面から出入口床部分5の上面の一部にわたって形成されており、その内部が避難はしご9を格納する格納部となっている。
格納部は、引き出し口7を閉鎖するカバー体8を有する。カバー体8は、出入口床部分5の上面及び外側端面の形状を補完する形状となっている。つまり、出入口床部分5の床面及びカバー体8の上面、出入口床部分5の外側端面及びカバー体8の側面の各々が面一となっている。カバー体8はロック機構を有し、通常時にはカバー体8が開放されないようにロックされている。避難時に図示しない非常用ドアコックが操作されると、人力で扉3を開放することが可能になるとともに、これに連動してカバー体8のロックが解除され、人力でカバー体8を開放することが可能になる。また、引き出し口7は出入口床部分5に形成されているので、車体内からカバー体8を開放することが可能となっている。つまり、格納部が、避難時に車体内から開放操作可能な引き出し口7を有する構成となっている。
避難はしご9は、避難時に引き出し口7から車体外部まで引き出し可能に格納部に格納されている。具体的には、避難はしご9が、引き出し口7に先端を向けた水平な態勢で格納部内に格納されており、避難時に引き出し口7から水平方向に引き出されるように構成されている。また、格納部は、避難はしご9の一端(先端)が引き出し口7から引き出された状態で避難はしご9の他端(末端)を離脱不能に係止する係止部を有する。具体的には、一定の長さ分だけ引き出し口7から延出可能な離脱防止部材が避難はしご9の末端に回動可能に接続されており、避難はしご9の先端が引き出し口7から引き出されて避難はしご9全体が露出した際に、避難はしご9の末端と引き出し口7とが一定距離以上引き離されないように、この離脱防止部材が避難はしご9の末端を離脱不能に係止する。
避難はしご9が配置される側引戸としては、特に限定されるものではないが、図13に示すように、車体71Aが車体の左右に4箇所の側引戸を有する場合は、全ての側引戸に避難はしご9が配置されるのが好ましい。図14に示すように、車体71Bが車体の左右に6箇所の側引戸を有する場合は、車体の左右にある中央2箇所の側引戸77b、77b’に避難はしご9が配置されるのが好ましい。図15に示すように、車体71Cが車体の左右に8箇所の側引戸を有する場合は、車体の左右にある中程4箇所の側引戸77b、77b’77c、77c’に避難はしご9が配置されるのが好ましい。
[利点]
当該車両は、床板4の下の台枠に避難はしご9を格納する格納部を有し、且つ格納部の引き出し口7を閉鎖するカバー体8を有するので、車体1の美観を損なうことなく避難はしご9を格納することができる。また、カバー体8がロック機構を有するので、通常時に避難はしご9へのいたずらを防止することができる。また、格納部が台枠内に組み込まれた構造であるので、雨に由来する錆などから避難はしご9を保護することができる。また、引き出し口7から水平方向且つ出入口の外側方向に避難はしご9を引き出し可能であるので、避難はしご9を簡単に設置することができる。さらに係止部が引き出し口7から引き出された避難はしご9の離脱を防止するので、避難はしご9が車体1から脱落することなく安全に使用することができる。
<避難はしご>
ここで、格納部に格納される避難はしご9について詳説する。図2の避難はしご9は、一対の側部91と、この側部91に1つずつ連結される一対の手すり92と、この一対の側部91間に架け渡される複数のステップ93とを有する。側部91及び手すり92は、避難はしご本体の長手方向に平行な回転軸を中心に回動可能に連結されており、一対の手すり92が互いに近づく方向に傾倒可能に構成されている。なお、避難はしご9の末端には、図示しない離脱防止部材が回動可能に接続されている。
手すり92についてさらに詳説する。避難はしご9の一方の側部91は、隣り合う二つのステップ93の中間位置の各々に接続部94を有し、この複数の接続部94において避難はしご本体の長手方向に平行な回転軸を中心に回動可能に支持部95が1つずつ接続されている。そして一方の側部91に接続された複数の支持部95の先端には、各先端を架け渡すように避難はしご本体の長手方向と平行な棒状の手すり92が接続されている。他方の側部91の手すり92についても、一方の側部91の手すり92と同様に構成されている。
一対の手すり92は、各接続部94において各支持部95が回転することで、避難はしご9のステップ93上に傾倒した傾倒状態と避難はしご9の側部91上に起立した起立状態との間で変形可能な構成となっている。避難はしご9を格納部に格納する際には、手すり92を避難はしご9のステップ93上に傾倒した傾倒状態に変形させる。避難はしご9を使用する際には、ステップ93上に傾倒状態にある手すり92をステップ93から離れるように回動させ、手すり92が避難はしご9の側部91上に起立した起立状態に変形させる。なお、手すり92には、起立状態にあるときに傾倒することを防止して起立状態を保持する図示しないロック機構が設けられている。
[利点]
避難はしご9が手すり92を有するので、乗客が避難はしご9を使用して容易に避難することができる。また、手すり92を避難はしご9のステップ93上に傾倒した傾倒状態に変形させることができるので、避難はしご9をコンパクトに格納部へ格納することができる。また、手すり92を傾倒状態に変形させたまま引き出し口7から避難はしご9を引き出すことができるので、避難はしご9が手すり92を有する構成であっても引き出し口7の形状を小さくすることができる。
<避難はしごの使用方法>
線路上で走行停止した鉄道車両内から脱出して避難すべき事態が発生した場合には、まず乗務員もしくは乗客は非常用ドアコックを操作する。非常用ドアコックが操作されると、手動で扉3を開放することが可能になるとともに、これに連動してカバー体8のロックが解除される。
次に乗務員もしくは乗客は、扉3を開放した後に出入口床部分5にあるカバー体8を開放する。カバー体8が開放されると、引き出し口7から避難はしご9の先端が出現する。
次に乗務員もしくは乗客は、引き出し口7から避難はしご9を引き出す。このとき避難はしご9が末端まで引き出されると、避難はしご9と引き出し口7とが一定距離以上引き離されないように離脱防止部材が避難はしご9の末端を係止する。
最後に乗務員もしくは乗客は、引き出された避難はしご9を出入口から地面へ渡すように設置する。このとき、避難はしご9の先端が地面に設置され、避難はしご9の末端が離脱防止部材とともに車体側の出入口に支持される。以上の手順で避難準備が完了し、避難はしごが使用可能となる。
避難はしご9がステップ(踏板)に換えて、少なくとも1枚の板から構成されるスロープ(滑り台)を備える避難スロープとしてもよい。この場合は、避難スロープが出入口から地面へ渡すように設置された際の傾斜が緩やかになるように、避難スロープの長さが避難はしごの長さよりも長く設計されるとよい。避難はしごに替えて避難スロープが採用されると、はしごを使用することが困難な高齢者や幼児であっても比較的容易に避難できるとともに、避難はしごを格納する場合に比べて格納スペースの薄型化を図ることができ、また、生産コストの低減を図ることができる。さらに、ホームに段差がある場合に車いすで乗降する際、駅員ならびに乗務員が車いす用スロープを持っていかなくても、車両の避難スロープを適宜引き出せば、車いす用のスロープとしても対応可能となる。
[第二実施形態]
図3の車両は、第一実施形態に係る車両と同様に避難はしごを備える鉄道車両である。以下では第一実施形態に係る車両の説明と重複する部分については省略し、異なる部分について説明する。
図3の車両の引き出し口17は、出入口床部分15の外側端面から出入口床部分15の上面の扉用下部ガイドレール16の位置にわたって形成されている。つまり、扉13の下且つ床部の床面に引き出し口17を有する。引き出し口17には、この引き出し口17を閉鎖するカバー体18が設けられている。そしてカバー体18が、その上部に扉用下部ガイドレール16の一部を有する構成となっている。
[利点]
カバー体18が上部に扉用下部ガイドレール16の一部を有するので、扉用下部ガイドレール16の位置を側壁部12の外側端面に近づけることを可能とする。つまり、当該車両は、扉13の下の引き出し口17から水平方向且つ出入口の外側方向に避難はしご9を引き出し可能とするとともに、扉13の位置を外側端面に近づけることで車体11の内部空間を広く構成することができる。
<カバー体>
ここで第二実施形態に係る車両のカバー体18の構造について図4を参照しつつ詳説する。カバー体18は、扉用下部ガイドレール16を有する上面部と外側端面側の側面部とを有する断面L字型の不透明な板状部材である。扉用下部ガイドレール16は、カバー体18上面部側の一端に設けられている。通常時には、このカバー体18が引き出し口17全体を覆うように引き出し口17を閉鎖している。避難はしご9は、カバー体18の側面部に先端を向けた水平な態勢で格納部内に格納されており、その先端がカバー体18で覆われることによって通常時には外部から視認不能となっている。
カバー体18の一端部と引き出し口17の一端部とは回動可能に接続されている。具体的には、カバー体18の回動軸が引き出し口17の一端に形成される接続部に接続され、この回動軸を中心にカバー体18が回動するように構成されている。カバー体18の回動軸は、扉用下部ガイドレール16と平行に、且つ扉用下部ガイドレール16下の位置Aに設けられている。つまり、カバー体18は、位置Aを中心としてカバー体18を跳ね上げる方向(側面部側の一端である位置Bが上昇する方向)に回動するように引き出し口17に接続されている。
[利点]
跳ね上がる方向にカバー体18が回動するので、避難はしご9を引き出し口17から地面へ向けて引き出す作業において、開放後のカバー体18が避難はしご9に接触するのを防止することができる。
[第三実施形態]
第三実施形態に係る車両の避難はしご9及びカバー体28について図5を参照しつつ詳説する。第三実施形態に係る車両の車体構成は、第二実施形態に係る車両のものと同じであり、避難はしご及びカバー体の構成のみが異なる。以下では図4に係る避難はしご及びカバー体の説明と重複する部分については省略し、異なる部分について説明する。
図5に示す避難はしご9は、この一端(先端)に引き出し口17を閉鎖するカバー体28を有する。具体的には、避難はしご9の先端とカバー体28の側面部の内側とが固着することにより、避難はしご9及びカバー体28が一体となっている。通常時には、避難はしご9の先端のカバー体28が引き出し口17を閉鎖し、格納部内に避難はしご本体が格納される。
[利点]
カバー体28に開閉機構を設ける必要がないので、カバー体28の故障リスクを低減することができる。
[第四実施形態]
図6及び図7に示される車両は、第一実施形態に係る車両と同様に避難はしごを備える鉄道車両である。以下では第一実施形態に係る車両の説明と重複する部分については省略し、異なる部分について説明する。
当該車両は、貫通路35を有する鉄道車両である。当該車両の車体31は、妻構えの側壁部32に出入口を有し、且つこの出入口から車体内に通じる貫通路35を有する。側壁部32の出入口には、開き戸タイプの貫通扉33が設けられており、貫通路35の床部が、避難はしご39を格納する格納部を有する構成となっている。つまり、第四実施形態に係る車両では、扉が貫通扉33であり、床部が貫通路35の床部である。
引き出し口37は、貫通路床部分34の外側端面から貫通路床部分34の上面の一部にわたって形成されている。引き出し口37には、この引き出し口37を閉鎖するカバー体38が設けられている。カバー体38の外側には、桟板36が取り付けられている。桟板36は、カバー体38への取り付け位置を中心に上下に回動可能に取り付けられている。また、カバー体38の内側には、避難はしご39の先端が固着されている。さらに、避難はしご39の末端には、一定の長さ分だけ引き出し口37から延出可能な離脱防止部材が回動可能に接続されている。
[利点]
鉄道車両の貫通路35から地面に向けて避難はしご39を設置可能な構成であるので、側引戸から避難できない場合に、列車の最前部または最後部の貫通路35が設けてある車両から避難することができる。
<避難はしご>
ここで、第四実施形態に係る車両の格納部に格納される避難はしご39について詳説する。図8の避難はしご39は、長手方向に一列に並ぶ複数のステップ部材392と、ステップ部材392の一対の側面の各々に接続され、隣接するステップ部材392を連結する連結部材393とを有する。なお、図8の避難はしご39については、離脱防止部材が接続される最上部のステップ部材392と、最下部のステップ部材392に固着されるカバー体38とが省略されている。
ステップ部材392は、避難はしご39のステップを有する部材である。ステップ部材392は、上面から下面に貫通し、ステップとして利用される貫通孔を中央に有する板状の部材であり、ステップ部材392の上面且つ上部側には、ステップ部材392の上面から上部側へ延出したステップ延出部3921が形成されている。ここで上面とは、使用者が避難はしご39を使用する側の面を示し、下面とは、上面に対して反対側の面を示す。また、上部側とは、避難はしご39における離脱防止部材が接続される側を示し、下部側とは、上部側に対して反対側を示す。また、ステップ部材392は、一方の側面の上部側、一方の側面の下部側、他方の側面の上部側及び他方の側面の下部側のそれぞれに接続部390を有し、これら計4つの接続部390の各々に連結部材393が1つずつ接続されている。
連結部材393は、ステップ部材392を相互に連結するための部材である。連結部材393の上面且つ上部側には、連結部材393の上面から上部側へ延出した延出部3931が形成されている。連結部材393は、ステップ部材392側の側面の上部側及び下部側に計2つの接続部391を有し、これらの接続部391の各々にステップ部材392が1つずつ接続されている。
ステップ部材の接続部390及び連結部材の接続部391は、回動軸を介して相互に回動可能に接続されている。そしてこれら複数の回動軸を中心にステップ部材392及び連結部材393が相互に回動することによって、避難はしご39本体が長手方向に屈伸変形する構成となっている。つまり、避難はしご39は、この本体を長手方向に屈伸変形させる複数の回動軸を有する。
避難はしご39は、この本体を伸展状態に保持するロック機構を有する。具体的には、ステップ部材392及び連結部材393を相互に上面側に回動させて避難はしご39を直線的に伸ばした伸展状態とした際に、一のステップ部材392のステップ延出部3921が上部に隣接するステップ部材392の上面下部に当接し、且つ一の連結部材393の延出部3931が上部に隣接する連結部材393の上面下部に当接することで避難はしご39を伸展状態に保持する。つまり、隣接するステップ部材392の上面に当接するステップ延出部3921と、隣接する連結部材393の上面に当接する延出部3931とがロック機構を構成している。
避難はしご39は、伸展状態においてステップ部材392及び連結部材393を相互に下面側に回動させた際に屈曲変形可能であり、一部が巻き取られるように屈曲変形した状態で格納部に格納される。つまり格納部が、本体の一部が屈曲した状態の避難はしご39を格納する。
[利点]
格納部の格納スペースについて奥行の長さに制約があり、この格納スペースに固定長の避難はしごを格納できない場合であっても、避難はしご39を長手方向に屈伸変形させることができるので、十分な長さの避難はしご39を格納部に格納することができる。また避難はしご本体を伸展状態に保持するロック機構を有するので、避難はしご39を車体から地面へ向けて斜めに設置し、乗客が避難はしご39の上面側からステップ部材392の貫通孔を踏んで避難する場合に、乗客が避難はしご39を安全に利用することができる。
<避難はしごの使用方法>
貫通路35から避難すべき事態が発生した場合には、まず乗務員は貫通扉33の開放操作を行う。貫通扉33の開放操作に連動して貫通路床部分34にあるカバー体38のロックが解除される。
次に乗務員は、貫通扉33を開放した後に貫通路床部分34にあるカバー体38を車体31外部に向けて引き出す。カバー体38が引き出されると、カバー体38とともに避難はしご39が引き出し口37から引き出される。
最後に乗務員は、カバー体38とともに引き出された避難はしご39をさらに引き出して、図7に示すように避難はしご39を貫通路35から地面へ渡すように設置する。このとき、避難はしご39の先端が地面に設置され、避難はしご39の末端が離脱防止部材とともに車体側の出入口に支持される。なお、カバー体38の外側に取り付けられた桟板36は地面における踏み台となる。以上の手順で避難準備が完了し、避難はしごが使用可能となる。
[第五実施形態]
図9の車両は、第一実施形態に係る車両と同様に避難はしごを備える鉄道車両である。以下では第一実施形態に係る車両の説明と重複する部分については省略し、異なる部分について説明する。
図9の車両の引き出し口47は、平面視で側壁部42に平行な方向に長辺を有する長方形の形状であり、この長辺が出入口床部分45に沿うように床板44に形成されている。つまり、床部の車体内床面に引き出し口47を有する。
引き出し口47には、この引き出し口47を閉鎖するカバー体48が設けられている。カバー体48は、床面の形状を補完する形状となっている。つまり床板44の上面及びカバー体48の上面が面一となっている。出入口床部分45から遠い位置にある引き出し口47の長辺の位置にカバー体48が回動可能に接続されている。具体的には、出入口床部分47から遠い位置にある引き出し口47の長辺に接続部を有し、この接続部にカバー体48の回動軸が接続され、この回動軸を中心にカバー体48が回動するように構成されている。図9には、カバー体48を開放した様子が示されており、避難はしご9は省略されている。
避難はしご9は、引き出し口47から出入口方向に向けて斜め上方向に引き出されるように構成されている。避難はしご9が引き出し口47から引き出されて避難はしご全体が露出した際に、避難はしご9の末端に接続された離脱防止部材が一定の長さ分だけ引き出し口47から斜め上方向に延出する。そして避難はしご9の末端と離脱防止部材とが回動可能に接続されているので、避難はしご9はその先端が地面を向くように設置される。
[利点]
出入口床部分45に引き出し口を有しない構成であるので、出入口床部分45の構造を変更できない場合においても車体に避難はしご9を備えることができる。例えば、扉43の設置高さを高くして水平方向を向く引き出し口を出入口床部分45に形成できない車体構成の場合に有効である。
[第六実施形態]
図10の車両は、第一実施形態に係る車両と同様に、避難はしごを備える鉄道車両である。以下では第一実施形態に係る車両の説明と重複する部分については省略し、異なる部分について説明する。
当該車両の出入口床部分55の高さは、床板54の高さより低く構成されており、これにより出入口下部分55及び床板54間には階段状の段差が形成されている。つまり床部の床面には階段状の段差が形成されている。
当該車両は、床面に形成された階段状の段差の側面59に引き出し口57を有する。段差の側面59が扉用下部ガイドレール56と平行な鉛直面で形成されているため、引き出し口57は、出入口方向且つ水平方向を向いて開口している。引き出し口57には、この引き出し口57を閉鎖するカバー体58が設けられている。カバー体58は、上端に回動軸を有し、この回動軸を中心にカバー体58を跳ね上げる方向に回動するように引き出し口57の上端に接続されている。
出入口床部分55及び床板54の高低差の下限としては、30mmが好ましく、40mmがより好ましい。高低差が上記下限より小さいと、引き出し口57の上下幅が不足して厚みのある避難はしご9を格納することが難しくなる。図16に示すように、低床ホーム対応ステップ付き車両のように、出入口床部分及び床板の高低差が大きい場合、床板に近い高さで避難はしご9を格納することが好ましい。
[利点]
引き出し口57を床面の段差の側面59に形成するので、扉53の設置高さを高くできない場合であっても、避難はしご9を出入口方向且つ水平方向に引き出すことができる。
[第七実施形態]
図11の避難ユニット10は、鉄道車両の床部に配設される避難ユニットである。当該避難ユニットが配設される鉄道車両は、第一実施形態に係る車両と同様に、床部及び扉を有する側壁部を少なくとも備える車体と、この車体が搭載される台車とを備えるが、台枠内に避難はしごを格納する格納部が組み込まれる構成ではなく、床部が有する台枠内に当該避難ユニットが配設される構成である点で第一実施形態に係る車両とは異なる。以下では第一実施形態に係る車両の説明と重複する部分については省略し、異なる部分について説明する。なお、図11には、避難ユニット10の引き出し口67付近が概略で示されており、避難ユニット10内に避難はしご9が格納されている様子が破線により仮想的に示されている。
避難ユニット10は、避難時に扉と地面との間に配設される避難はしご9と、避難はしご9を格納する格納部101と、格納部101に設けられ、避難時に車体内から開放操作可能な引き出し口67とを有している。避難はしご9は、格納部101内において避難時に引き出し口67から車体外部まで引き出し可能に格納されている。また、引き出し口67は、避難ユニット10が車体の床部に配設される際に、上述の第一実施形態の車両の引き出し口7と一致する位置に設けられている。避難ユニット10は、車体の床部に対して固定的に配設される構成であってもよいし、車体の床部に対して着脱自在に配設される構成であってもよい。
避難はしご9がステップ(踏板)に換えて、少なくとも1枚の板から構成されるスロープ(滑り台)を備える避難スロープとすることができる。この場合は、避難スロープが出入り口から地面へ渡すように設置された際の傾斜が緩やかになるように、避難スロープの長さが避難はしごの長さよりも長く設計されるとよい。
上記避難スロープが多段伸縮可能な複数のスロープを有するのが好ましい。具体的には、例えば図18に示すように、第1避難スロープ構成部a、第2避難スロープ構成部b、及び第3避難スロープ構成部cで形成される避難スロープとすることができる。格納時には、図19に示すように、第3避難スロープ構成部cが車体側と反対側で隣接する第2避難スロープ構成部bの底板の上面に載置されて格納され、第2避難スロープ構成部bが車体側と反対側で隣接する第1避難スロープ構成部aの底板の上面に載置されて格納される。避難時には、図20に示すように、一端が車体に接続される第3避難スロープ構成部cの他端が第2避難スロープ構成部bの一端を保持し、第2避難スロープ構成部bの他端が第1避難スロープ構成部aの一端を保持して一体となった避難スロープが形成され、この避難スロープが出入口から地面に渡される。
各避難スロープ構成部が、底板と底板から連続する一対の側板とを有し、平面視で上記底板の幅が車体側に向けて漸減するテーパー形状であり、格納時に車体側のスロープが、このスロープに車体側と反対側で隣接するスロープの底板上面に格納され、避難時に上記車体側のスロープの底板の最大幅近傍部分の側板が、このスロープに車体側と反対側で隣接するスロープの底板の最小幅近傍部分の側板を係止するのが好ましい。このようにすることで、多段伸縮可能な複数のスロープを有する避難スロープの構成を簡易にすることができるとともに、避難時に避難スロープを容易に引き出すことができる。
また、第1避難スロープ構成部aが車体側と反対側の端部に避難スロープ格納用ストッパーBを有することで、当該避難スロープを避難スロープユニットAとして避難ユニットとすることができる。避難スロープ格納用ストッパーBは、傾倒方向tに回動させることで、避難時にはスロープの一部、格納時にはストッパーとなる。避難ユニットを避難スロープユニットAとすることで、避難はしごを有する避難ユニットを車体等に格納する場合に比べて格納スペースをコンパクトにすることができるとともに、避難ユニットの生産コストを比較的低減することができる。
さらに、避難ユニットを避難スロープユニットAとすることで、はしごを使用することが困難な高齢者や幼児であっても比較的容易に避難できる。また、ホームに段差がある場合に車いす用スロープとして避難スロープユニットAを利用することができ、利用客の利便性を向上することができる。車いす用スロープとして利用可能な避難スロープとする場合、第3避難スロープ構成部cの最小幅wは、車いすの幅を超える幅で設計されるのが好ましい。
図20に示す第1避難スロープ構成部a、第2避難スロープ構成部b、及び第3避難スロープ構成部cは、個別に形成されたものを組み合わせることも可能であるが、一体で形成された長尺のスロープを任意の箇所で切断して組み合わせることも可能である。一体で形成されたスロープを切断することで、多段伸縮可能な複数のスロープを有する避難スロープを容易に生産することができる。
[利点]
当該避難ユニットは、車体の床部に配設される構成であり、避難はしご9を避難時に引き出し口67から車体外部まで引き出し可能に格納するので、車体の美観を損なうことなく避難はしご9を格納することができる。また、当該避難ユニットは、台枠内に配設されるので、雨に由来する錆などから避難はしご9を保護することができる。さらに、当該避難ユニットは、車両とは別に製造することができるので、メンテナンス性が高い。
[他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上記各実施形態では、避難はしごを備える鉄道車両について説明したが、車両は鉄道車両に限定されず、大型バスなどの他の車両としてもよい。車両が大型バスの場合、図17に示すように、扉を非常扉とするとよい。
上記各実施形態では、扉が側引戸又は開き戸タイプの貫通扉であるものを説明したが、扉はこのようなものに限定されない。例えば、折戸やグライドスライドドアなど、車両に設けられるあらゆる種類の扉を採用することができる。
上記各実施形態では、カバー体のロックを解除する非常用操作部として非常用ドアコックを採用するものについて説明したが、非常用ドアコックに限定されず、例えばカバー体のロックを解除する専用の操作部を備える構成としてもよい。
上記各実施形態では、カバー体を開放した後に、引き出し口から手動で避難はしごを引き出す構成について説明したが、このような構成に限定されず、格納部が避難はしごを引き出し口から自動的に押し出す自動押出機構を有する構成としてもよい。例えば、格納部が、カバー体の開放に連動して避難はしごを引き出し口から押し出す自動押出機構を有する構成としてもよい。自動押出機構は、特に限定されないが、例えばカバー体を開放する力に連動して作動するリンク機構としてもよいし、カバー体を開放することにより起動する動力機構としてもよい。
また上記自動押出機構は、カバー体の開放に連動して作動する構成に限定されず、例えば専用の非常用操作部を操作することに基づき作動する構成としてもよい。つまり、格納部が、車体内の非常用操作部の操作に基づき避難はしごを引き出し口から押し出す自動押出機構を有する構成としてもよい。
上記第二実施形態では、図4のカバー体18が、位置Aを中心としてカバー体18を跳ね上げる方向(位置Bが上昇する方向)に回動するように引き出し口17に接続されるものとして説明したが、このようなものに限定されない。例えば回転軸を位置Bに設け、位置Bを中心としてカバー体18を前面に押し出す方向(位置Aが押し出されて下降する方向)に回動するようにカバー体18が引き出し口17に接続される構成としてもよい。
上記第四実施形態では、図8の避難はしご39のロック機構が、ステップ延出部材3921及び延出部材3931により構成されるものとして説明したが、ステップ延出部材3921または延出部材3931のいずれかにより構成されてもよい。また避難はしご39が伸展状態となる角度で回動軸を締付固定するロック機構を併せて備える構成としてもよい。
上記第四実施形態以外の実施形態では、図2の避難はしご9を採用するものについて説明し、上記第四実施形態では、図8の避難はしご39を採用するものについて説明したが、各実施形態において図2の避難はしご9又は図8の避難はしご39のいずれを採用してもよい。例えば、第一実施形態の車両において、避難はしご9に替えて図8の避難はしご39を採用してもよい。また、上記各実施形態に採用される避難はしごの構造は、図2の避難はしご9の構造又は図8の避難はしご39の構造でなくてもよく、例えばスライド伸縮機構を備える公知の伸縮式のはしごの構造としてもよい。
また、図2の避難はしご9には、可動式の踏板が設けられていてもよい。例えば、図12に示すように、避難はしご9が側部91に接続される複数の踏板96を備え、これらの踏板が避難はしご9の裏面から離れるように回動し且つ所定角度でロックされるとよい。具体的には、複数の踏板96が避難はしご9の側部91においてステップ93の方向に平行な回転軸を中心に回動可能に連結されており、避難はしご9が設置された際に、これらの踏板96が避難はしご9の裏面から一端が離れるように回転軸を中心に回動し、且つステップ93及び踏板96の板面が略水平に並ぶような角度で踏板96がストッパーの当接によりロックされる構成であるとよい。なお、可動式の踏板は、図8の避難はしご39に設けられていてもよい。また、可動式の踏板は、図12(a)に示すように、避難はしごの裏面に当接するように傾倒する構成に限定されず、避難はしご9の2つのステップ93の間又は避難はしご39の貫通孔の内側に位置するように傾倒する構成であってもよい。
上記第七実施形態では、引き出し口67の位置が第一実施形態の車両の引き出し口7の位置と一致するように、避難ユニット10が車体の床部に配設されるものについて説明したが、これに限定されない。例えば、引き出し口67の位置が第四実施形態の車両の引き出し口37の位置と一致するように、避難ユニット10が車体の床部に配設されるものであってもよい。つまり、避難ユニット10は、側構えの側引戸に対応して車体の床部に配設されてもよいし、妻構えの貫通扉に対応して車体の床部に配設されてもよい。
本発明の車両及び避難ユニットは、美観を損なうことなく避難はしごを格納し、非常時に避難はしごを簡単に取り扱うことができる。このため、当該車両又は避難ユニットを、出入口が比較的高い位置に設けられた鉄道車両や大型バスなどの輸送車両に採用すれば、好適に避難はしごを備えることができる。
1,11,31,41,51,61,71A,71B,71C,81 車体
2,12,32,42,52 側壁部
3,13,43,53 扉
4,14,44,54 床板
5,15,45,55 出入口床部分
6,16,46,56 扉用下部ガイドレール
7,17,37,47,57,67,77,77a,77b,77c,87 引き出し口
8,18,28,38,48,58 カバー体
9,39 避難はしご
10 避難ユニット
33 貫通扉
34 貫通路床部分
35 貫通路
36 桟板
59 段差の側面
91 側部
92 手すり
93 ステップ
94 接続部
95 支持部
96 踏板
101 格納部
390,391 接続部
392 ステップ部材
393 連結部材
3921 ステップ延出部
3931 延出部
A 避難スロープユニット
B 避難スロープ格納用ストッパー
a 第1避難スロープ構成部
b 第2避難スロープ構成部
c 第3避難スロープ構成部
t 傾倒方向
w 第3避難スロープ構成部cの最小幅

Claims (14)

  1. 床部及び扉を有する側壁部を少なくとも備える車体と、
    この車体が搭載される台車と、
    避難時に上記扉と地面との間に配設される避難はしご又は避難スロープと
    を備える車両であって、
    上記床部が、上記避難はしご又は避難スロープを格納する格納部を有し、
    上記格納部が、避難時に車体内から開放操作可能な引き出し口を有し、
    上記避難はしご又は避難スロープが、避難時に上記引き出し口から車体外部まで引き出し可能に上記格納部に格納されていることを特徴とする車両。
  2. 上記格納部が、上記引き出し口を閉鎖するカバー体を有し、
    上記カバー体の一端部と上記引き出し口の一端部とが回動可能に接続されている請求項1に記載の車両。
  3. 上記避難はしご又は避難スロープが、この一端に上記引き出し口を閉鎖するカバー体を有している請求項1に記載の車両。
  4. 上記格納部が、上記カバー体の開放に連動して上記避難はしご又は避難スロープを上記引き出し口から押し出す自動押出機構をさらに有する請求項2又は請求項3に記載の車両。
  5. 上記扉の下且つ上記床部の床面に上記引き出し口を有し、
    上記カバー体が扉用下部ガイドレールを有する請求項2、請求項3又は請求項4に記載の車両。
  6. 貫通路を有する鉄道車両であり、
    上記床部が上記貫通路の床部である請求項2、請求項3又は請求項4に記載の車両。
  7. 上記床部の車体内床面に上記引き出し口を有する請求項2、請求項3又は請求項4に記載の車両。
  8. 上記床部の床面に階段状の段差が形成されており、
    上記段差の側面に上記引き出し口を有する請求項2、請求項3又は請求項4に記載の車両。
  9. 上記格納部が、上記避難はしご又は避難スロープの一端が上記引き出し口から引き出された状態で上記避難はしご又は避難スロープの他端を離脱不能に係止する係止部をさらに有する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車両。
  10. 上記避難はしご又は避難スロープが、この側部に連結される手すりを有し、
    上記手すりが、上記避難はしごのステップ又は避難スロープのスロープ上に傾倒した傾倒状態と上記避難はしご又は避難スロープの側部上に起立した起立状態との間で変形可能である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の車両。
  11. 上記避難はしご又は避難スロープが、この本体を長手方向に屈伸変形させる複数の回動軸、及びこの本体を伸展状態に保持するロック機構を有し、
    上記格納部が、本体の一部が屈曲した状態の上記避難はしご又は避難スロープを格納する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の車両。
  12. 床部及び扉を有する側壁部を少なくとも備える車体と、
    この車体が搭載される台車と
    を備える車両の上記床部に配設される避難ユニットであって、
    避難時に上記扉と地面との間に配設される避難はしご又は避難スロープと、
    避難時に車体内から開放操作可能な引き出し口と
    を有し、
    上記避難はしご又は避難スロープが、避難時に上記引き出し口から車体外部まで引き出し可能に格納されていることを特徴とする避難ユニット。
  13. 上記避難スロープが多段伸縮可能な複数のスロープを有する請求項12に記載の避難ユニット。
  14. 上記スロープが底板と底板から連続する一対の側板とを有し、
    平面視で上記底板の幅が車体側に向けて漸減するテーパー形状であり、
    格納時に車体側のスロープが、このスロープに車体側と反対側で隣接するスロープの底板上面に格納され、
    避難時に上記車体側のスロープの底板の最大幅近傍部分の側板が、このスロープに車体側と反対側で隣接するスロープの底板の最小幅近傍部分の側板を係止することを特徴とする請求項13に記載の避難ユニット。

JP2018115387A 2017-06-16 2018-06-18 車両、避難はしご及び避難スロープ Active JP6887971B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017118804 2017-06-16
JP2017118804 2017-06-16

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019001458A true JP2019001458A (ja) 2019-01-10
JP6887971B2 JP6887971B2 (ja) 2021-06-16

Family

ID=65005503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018115387A Active JP6887971B2 (ja) 2017-06-16 2018-06-18 車両、避難はしご及び避難スロープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6887971B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110281964A (zh) * 2019-07-22 2019-09-27 中铁第四勘察设计院集团有限公司 一种可侧门疏散的轨道交通车辆及其侧门疏散结构
CN110281965A (zh) * 2019-07-22 2019-09-27 中铁第四勘察设计院集团有限公司 可侧门疏散的轨道交通车辆及可翻转伸缩的侧门疏散结构
JP2021187402A (ja) * 2020-06-04 2021-12-13 東日本旅客鉄道株式会社 車椅子スロープ兼避難梯子

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS535928U (ja) * 1976-07-01 1978-01-19
JPS6073639U (ja) * 1983-10-27 1985-05-23 日野自動車株式会社 2階バス
JP3181313U (ja) * 2012-11-19 2013-01-31 ネイテク株式会社 車両用の緊急脱出装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS535928U (ja) * 1976-07-01 1978-01-19
JPS6073639U (ja) * 1983-10-27 1985-05-23 日野自動車株式会社 2階バス
JP3181313U (ja) * 2012-11-19 2013-01-31 ネイテク株式会社 車両用の緊急脱出装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110281964A (zh) * 2019-07-22 2019-09-27 中铁第四勘察设计院集团有限公司 一种可侧门疏散的轨道交通车辆及其侧门疏散结构
CN110281965A (zh) * 2019-07-22 2019-09-27 中铁第四勘察设计院集团有限公司 可侧门疏散的轨道交通车辆及可翻转伸缩的侧门疏散结构
CN110281965B (zh) * 2019-07-22 2024-01-05 中铁第四勘察设计院集团有限公司 可侧门疏散的轨道交通车辆及可翻转伸缩的侧门疏散结构
JP2021187402A (ja) * 2020-06-04 2021-12-13 東日本旅客鉄道株式会社 車椅子スロープ兼避難梯子
JP7372877B2 (ja) 2020-06-04 2023-11-01 東日本旅客鉄道株式会社 車椅子スロープ兼避難梯子

Also Published As

Publication number Publication date
JP6887971B2 (ja) 2021-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105658496B (zh) 用于保护人员免受移动的轨道车辆伤害的保护壁
ES2926908T3 (es) Conjunto de protección de los dedos de los pies para un sistema de ascensor
EP1694547B1 (en) Escape device for a rail vehicle
JP2019001458A (ja) 車両及び避難ユニット
JPH05229428A (ja) 軌道拘束型車両用の多段式折り畳みタラップ
JP5495652B2 (ja) 鉄道車両の扉構造
EP3461713B1 (en) Vehicle with retractable stair assembly
KR101177419B1 (ko) 레일차량에 구비되는 피난장치 및 그 피난장치의 레일차량에 대한 고정방법
US6578905B1 (en) Vehicle sleeper compartment bunk bed ladder
KR101603164B1 (ko) 열차승강장 발빠짐 방지용 접철식 자동길이 조절 안전발판
KR101309769B1 (ko) 철도 차량용 가동 발판 장치
JP2002187546A (ja) 車両用梯子装置
US6640728B1 (en) Passenger rail car sliding door with high platform threshold
JP3657573B2 (ja) 鉄道車両の非常用折り畳み式階段
JP6262442B2 (ja) 車両用非常梯子
JP3182139B2 (ja) 車輛床下格納形非常脱出装置
JP4406291B2 (ja) 鉄道車両の非常用脱出装置
JPH0316872A (ja) 車両用補助ステップ装置
JP5947032B2 (ja) 車椅子リフト用プラットホームスライドフレーム装置
KR101144942B1 (ko) 철도차량의 비상도어용 핸드레일
JP4643897B2 (ja) 車両床下格納乗降台装置
US11919744B2 (en) Elevator system having a car apron supportable on guide rails
EP1568564A1 (en) Railway carriage provided with an emergency exit assembly
JP2020112001A (ja) 手摺り付き梯子
US970010A (en) Passenger-car.

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200707

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201201

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201211

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20201210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210329

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6887971

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250