JP2019001458A - 車両及び避難ユニット - Google Patents
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Description
図1の車両は、避難はしごを備える鉄道車両である。当該車両は、床部及び扉3を有する側壁部2を少なくとも備える車体1と、この車体1が搭載される台車と、避難時に扉3と地面との間に配設される避難はしご9とを備える。ここで「床部」とは、車体の床領域を構成する部位を示し、第一実施形態の鉄道車両では床板、出入口床部分及び台枠などの床及び床下の部位を示す。車体1は鋼製構体を基本構造としており、台枠、側構え、妻構え、屋根構えの6面体で構成される。側構えは車体外板を有し、車体外板が側壁部2を有する。側壁部2には出入口が形成されており、側壁部2が出入口に扉3を有する。台車は、特に限定されないが、ボルスタレス台車構造を有し、車体1を下から支持する。図1には、側壁部2の扉3が開放され、出入口から車体1内の床板4などが見えている様子が示されている。
当該車両は、床板4の下の台枠に避難はしご9を格納する格納部を有し、且つ格納部の引き出し口7を閉鎖するカバー体8を有するので、車体1の美観を損なうことなく避難はしご9を格納することができる。また、カバー体8がロック機構を有するので、通常時に避難はしご9へのいたずらを防止することができる。また、格納部が台枠内に組み込まれた構造であるので、雨に由来する錆などから避難はしご9を保護することができる。また、引き出し口7から水平方向且つ出入口の外側方向に避難はしご9を引き出し可能であるので、避難はしご9を簡単に設置することができる。さらに係止部が引き出し口7から引き出された避難はしご9の離脱を防止するので、避難はしご9が車体1から脱落することなく安全に使用することができる。
ここで、格納部に格納される避難はしご9について詳説する。図2の避難はしご9は、一対の側部91と、この側部91に1つずつ連結される一対の手すり92と、この一対の側部91間に架け渡される複数のステップ93とを有する。側部91及び手すり92は、避難はしご本体の長手方向に平行な回転軸を中心に回動可能に連結されており、一対の手すり92が互いに近づく方向に傾倒可能に構成されている。なお、避難はしご9の末端には、図示しない離脱防止部材が回動可能に接続されている。
避難はしご9が手すり92を有するので、乗客が避難はしご9を使用して容易に避難することができる。また、手すり92を避難はしご9のステップ93上に傾倒した傾倒状態に変形させることができるので、避難はしご9をコンパクトに格納部へ格納することができる。また、手すり92を傾倒状態に変形させたまま引き出し口7から避難はしご9を引き出すことができるので、避難はしご9が手すり92を有する構成であっても引き出し口7の形状を小さくすることができる。
線路上で走行停止した鉄道車両内から脱出して避難すべき事態が発生した場合には、まず乗務員もしくは乗客は非常用ドアコックを操作する。非常用ドアコックが操作されると、手動で扉3を開放することが可能になるとともに、これに連動してカバー体8のロックが解除される。
図3の車両は、第一実施形態に係る車両と同様に避難はしごを備える鉄道車両である。以下では第一実施形態に係る車両の説明と重複する部分については省略し、異なる部分について説明する。
カバー体18が上部に扉用下部ガイドレール16の一部を有するので、扉用下部ガイドレール16の位置を側壁部12の外側端面に近づけることを可能とする。つまり、当該車両は、扉13の下の引き出し口17から水平方向且つ出入口の外側方向に避難はしご9を引き出し可能とするとともに、扉13の位置を外側端面に近づけることで車体11の内部空間を広く構成することができる。
ここで第二実施形態に係る車両のカバー体18の構造について図4を参照しつつ詳説する。カバー体18は、扉用下部ガイドレール16を有する上面部と外側端面側の側面部とを有する断面L字型の不透明な板状部材である。扉用下部ガイドレール16は、カバー体18上面部側の一端に設けられている。通常時には、このカバー体18が引き出し口17全体を覆うように引き出し口17を閉鎖している。避難はしご9は、カバー体18の側面部に先端を向けた水平な態勢で格納部内に格納されており、その先端がカバー体18で覆われることによって通常時には外部から視認不能となっている。
跳ね上がる方向にカバー体18が回動するので、避難はしご9を引き出し口17から地面へ向けて引き出す作業において、開放後のカバー体18が避難はしご9に接触するのを防止することができる。
第三実施形態に係る車両の避難はしご9及びカバー体28について図5を参照しつつ詳説する。第三実施形態に係る車両の車体構成は、第二実施形態に係る車両のものと同じであり、避難はしご及びカバー体の構成のみが異なる。以下では図4に係る避難はしご及びカバー体の説明と重複する部分については省略し、異なる部分について説明する。
カバー体28に開閉機構を設ける必要がないので、カバー体28の故障リスクを低減することができる。
図6及び図7に示される車両は、第一実施形態に係る車両と同様に避難はしごを備える鉄道車両である。以下では第一実施形態に係る車両の説明と重複する部分については省略し、異なる部分について説明する。
鉄道車両の貫通路35から地面に向けて避難はしご39を設置可能な構成であるので、側引戸から避難できない場合に、列車の最前部または最後部の貫通路35が設けてある車両から避難することができる。
ここで、第四実施形態に係る車両の格納部に格納される避難はしご39について詳説する。図8の避難はしご39は、長手方向に一列に並ぶ複数のステップ部材392と、ステップ部材392の一対の側面の各々に接続され、隣接するステップ部材392を連結する連結部材393とを有する。なお、図8の避難はしご39については、離脱防止部材が接続される最上部のステップ部材392と、最下部のステップ部材392に固着されるカバー体38とが省略されている。
格納部の格納スペースについて奥行の長さに制約があり、この格納スペースに固定長の避難はしごを格納できない場合であっても、避難はしご39を長手方向に屈伸変形させることができるので、十分な長さの避難はしご39を格納部に格納することができる。また避難はしご本体を伸展状態に保持するロック機構を有するので、避難はしご39を車体から地面へ向けて斜めに設置し、乗客が避難はしご39の上面側からステップ部材392の貫通孔を踏んで避難する場合に、乗客が避難はしご39を安全に利用することができる。
貫通路35から避難すべき事態が発生した場合には、まず乗務員は貫通扉33の開放操作を行う。貫通扉33の開放操作に連動して貫通路床部分34にあるカバー体38のロックが解除される。
図9の車両は、第一実施形態に係る車両と同様に避難はしごを備える鉄道車両である。以下では第一実施形態に係る車両の説明と重複する部分については省略し、異なる部分について説明する。
出入口床部分45に引き出し口を有しない構成であるので、出入口床部分45の構造を変更できない場合においても車体に避難はしご9を備えることができる。例えば、扉43の設置高さを高くして水平方向を向く引き出し口を出入口床部分45に形成できない車体構成の場合に有効である。
図10の車両は、第一実施形態に係る車両と同様に、避難はしごを備える鉄道車両である。以下では第一実施形態に係る車両の説明と重複する部分については省略し、異なる部分について説明する。
引き出し口57を床面の段差の側面59に形成するので、扉53の設置高さを高くできない場合であっても、避難はしご9を出入口方向且つ水平方向に引き出すことができる。
図11の避難ユニット10は、鉄道車両の床部に配設される避難ユニットである。当該避難ユニットが配設される鉄道車両は、第一実施形態に係る車両と同様に、床部及び扉を有する側壁部を少なくとも備える車体と、この車体が搭載される台車とを備えるが、台枠内に避難はしごを格納する格納部が組み込まれる構成ではなく、床部が有する台枠内に当該避難ユニットが配設される構成である点で第一実施形態に係る車両とは異なる。以下では第一実施形態に係る車両の説明と重複する部分については省略し、異なる部分について説明する。なお、図11には、避難ユニット10の引き出し口67付近が概略で示されており、避難ユニット10内に避難はしご9が格納されている様子が破線により仮想的に示されている。
当該避難ユニットは、車体の床部に配設される構成であり、避難はしご9を避難時に引き出し口67から車体外部まで引き出し可能に格納するので、車体の美観を損なうことなく避難はしご9を格納することができる。また、当該避難ユニットは、台枠内に配設されるので、雨に由来する錆などから避難はしご9を保護することができる。さらに、当該避難ユニットは、車両とは別に製造することができるので、メンテナンス性が高い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
2,12,32,42,52 側壁部
3,13,43,53 扉
4,14,44,54 床板
5,15,45,55 出入口床部分
6,16,46,56 扉用下部ガイドレール
7,17,37,47,57,67,77,77a,77b,77c,87 引き出し口
8,18,28,38,48,58 カバー体
9,39 避難はしご
10 避難ユニット
33 貫通扉
34 貫通路床部分
35 貫通路
36 桟板
59 段差の側面
91 側部
92 手すり
93 ステップ
94 接続部
95 支持部
96 踏板
101 格納部
390,391 接続部
392 ステップ部材
393 連結部材
3921 ステップ延出部
3931 延出部
A 避難スロープユニット
B 避難スロープ格納用ストッパー
a 第1避難スロープ構成部
b 第2避難スロープ構成部
c 第3避難スロープ構成部
t 傾倒方向
w 第3避難スロープ構成部cの最小幅
Claims (14)
- 床部及び扉を有する側壁部を少なくとも備える車体と、
この車体が搭載される台車と、
避難時に上記扉と地面との間に配設される避難はしご又は避難スロープと
を備える車両であって、
上記床部が、上記避難はしご又は避難スロープを格納する格納部を有し、
上記格納部が、避難時に車体内から開放操作可能な引き出し口を有し、
上記避難はしご又は避難スロープが、避難時に上記引き出し口から車体外部まで引き出し可能に上記格納部に格納されていることを特徴とする車両。 - 上記格納部が、上記引き出し口を閉鎖するカバー体を有し、
上記カバー体の一端部と上記引き出し口の一端部とが回動可能に接続されている請求項1に記載の車両。 - 上記避難はしご又は避難スロープが、この一端に上記引き出し口を閉鎖するカバー体を有している請求項1に記載の車両。
- 上記格納部が、上記カバー体の開放に連動して上記避難はしご又は避難スロープを上記引き出し口から押し出す自動押出機構をさらに有する請求項2又は請求項3に記載の車両。
- 上記扉の下且つ上記床部の床面に上記引き出し口を有し、
上記カバー体が扉用下部ガイドレールを有する請求項2、請求項3又は請求項4に記載の車両。 - 貫通路を有する鉄道車両であり、
上記床部が上記貫通路の床部である請求項2、請求項3又は請求項4に記載の車両。 - 上記床部の車体内床面に上記引き出し口を有する請求項2、請求項3又は請求項4に記載の車両。
- 上記床部の床面に階段状の段差が形成されており、
上記段差の側面に上記引き出し口を有する請求項2、請求項3又は請求項4に記載の車両。 - 上記格納部が、上記避難はしご又は避難スロープの一端が上記引き出し口から引き出された状態で上記避難はしご又は避難スロープの他端を離脱不能に係止する係止部をさらに有する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車両。
- 上記避難はしご又は避難スロープが、この側部に連結される手すりを有し、
上記手すりが、上記避難はしごのステップ又は避難スロープのスロープ上に傾倒した傾倒状態と上記避難はしご又は避難スロープの側部上に起立した起立状態との間で変形可能である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の車両。 - 上記避難はしご又は避難スロープが、この本体を長手方向に屈伸変形させる複数の回動軸、及びこの本体を伸展状態に保持するロック機構を有し、
上記格納部が、本体の一部が屈曲した状態の上記避難はしご又は避難スロープを格納する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の車両。 - 床部及び扉を有する側壁部を少なくとも備える車体と、
この車体が搭載される台車と
を備える車両の上記床部に配設される避難ユニットであって、
避難時に上記扉と地面との間に配設される避難はしご又は避難スロープと、
避難時に車体内から開放操作可能な引き出し口と
を有し、
上記避難はしご又は避難スロープが、避難時に上記引き出し口から車体外部まで引き出し可能に格納されていることを特徴とする避難ユニット。 - 上記避難スロープが多段伸縮可能な複数のスロープを有する請求項12に記載の避難ユニット。
- 上記スロープが底板と底板から連続する一対の側板とを有し、
平面視で上記底板の幅が車体側に向けて漸減するテーパー形状であり、
格納時に車体側のスロープが、このスロープに車体側と反対側で隣接するスロープの底板上面に格納され、
避難時に上記車体側のスロープの底板の最大幅近傍部分の側板が、このスロープに車体側と反対側で隣接するスロープの底板の最小幅近傍部分の側板を係止することを特徴とする請求項13に記載の避難ユニット。
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