JP2019078233A - 真空ポンプ - Google Patents
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Abstract
Description
以下、図を参照して本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明の真空ポンプの第1実施形態を示す断面図である。
ターボ分子ポンプ1は、真空排気を行うポンプ装置10とそのポンプ装置10を駆動する制御装置100とを有している。ポンプ装置10のベース2の側面には取付面23が形成されており、制御装置100はボルトによって取付面23に取り付けられている。
ターボポンプ部は、ロータ3に形成された複数段の回転翼30とポンプケーシング12側に配置された複数段の固定翼20とで構成される。一方、ターボポンプ部の下流側に設けられたHolweckポンプ部は、ロータ3に形成された一対の円筒部31a,31bと、ベース2側に配置された一対のステータ21a,21bとで構成されている。円筒状のステータ21a,21bの内外周面の内、円筒部31a,31bと対向する周面には螺旋溝が形成されている。なお、ステータ側に螺旋溝を設ける代わりに、ロータ側に螺旋溝を設けてもよい。
図2は、図1に断面図で示した制御装置100を拡大して表した断面図である。制御装置100は、ポンプ装置10内のモータ4を駆動するためのパワー半導体素子や回路基板102等を含む電子回路と、それを収納するハウジング101を備えている。ハウジング101の外形はほぼ直方体形状であるが、これに限らす任意の形状であっても良い。この直方体を構成する6個の外板のうち、断面図である図1および図2には、4つの外板101a、外板101b、外板101c、外板101dの各断面が示されている。ハウジング101とは、これらの6個の外板101a〜dおよびそれらを連結している不図示の部材の全体を表す。
なお、回路基板102を経由しての放熱を促進するために、回路基板102を、グラファイトシートのような低熱抵抗体(高熱伝導体)を介して、制御装置100の上部の外板101cや下部の外板101dや、手前側や奥側の不図示の外板と低熱抵抗で接触させても良い。
発熱素子を低熱抵抗で接触させる外板も、上記に限らず、ベース2と接触する外板101b以外の外板であれば、ハウジング101のどの外板に接触させても良い。ただし、ハウジング101自身による熱伝導を考慮すると、外板101bからなるべく離れた外板に接触させることが好ましい。
本発明の第1実施形態の真空ポンプ1は、玉軸受8で支承される回転軸AXを中心としてロータ3を高速回転させるポンプ装置10とポンプ装置10の動作を制御する制御装置100とを備え、制御装置100内の発熱素子103は、制御装置100のハウジング101のポンプ装置10に接しない外板101aと直接接触している。ポンプ装置10に接する外板101bには、発熱素子103が接触していない。
このような構成としたので、発熱素子103で発生した熱は外板101aに高効率で伝達され、外板101aから放熱される。これにより、発熱素子からの熱が外板101bを介してベース2に伝達することを防止または抑制でき、ポンプ装置10内の玉軸受8の温度上昇を防止または抑制できるという効果がある。その結果、玉軸受のグリースが加熱され蒸発して真空装置の真空度を低下させることを防止または抑制できる。さらにはグリースの減少が防止または抑制されるので、玉軸受の寿命、ひいては真空ポンプの寿命(メンテナンスサイクル)を長くすることができる。
ただし、一般に真空ポンプ1の形状は回転軸AXに沿った方向に長いため、ハウジング101が回転軸AX方向に延在すると、真空ポンプ1全体を大型化せずに外板101aの面積を拡大でき、発熱素子103からの熱を一層効率良く放熱できるという効果がある。
上述の第1実施形態の説明では説明を省略したが、図2に示したように、ハウジング101の外板101bとベース2の取付面23との間に、ゴムまたは樹脂材料等からなる断熱部材107を設けることもできる。
この場合には、ハウジング101は断熱部材を介してポンプ装置10に接するため、制御装置100内の発熱素子からポンプ装置10への熱の伝導をさらに低減できるという効果がある。
以下、図3を参照して本発明の第2実施形態について説明する。図3は本発明の真空ポンプの第2実施形態を示す断面図である。なお、図1中の符号と同じ符号を付した部分は第1実施形態と共通するため、説明を省略する。
第2実施形態においては、制御装置100Aは、ポンプ装置10Aの回転軸AXの方向に沿った側面の中の、ベース2Aの下部の周辺の一部を切り欠いた凹部26に配置されている。すなわち、制御装置100Aが配置される位置は、特開2014−105695号公報で開示される真空ポンプと同じである。
凹部26の境界は、ポンプ底面および吸気口フランジ面と平行な凹部底面26aと、その凹部底面26aに対して垂直な凹部側面26bである。
前述の第1実施形態と同様に、放熱の一層の促進のために、回路基板102Aを低熱抵抗体を介して、制御装置100Aの図中左端の外板101hや、手前側や奥側の不図示の外板と低熱抵抗で接触させても良い。
また、発熱素子103をグラファイトシートのような低熱抵抗体(高熱伝導体)を介して外板101hに低熱抵抗で接触させてもよい。
以上の第2実施形態の真空ポンプ1Aにおいても、上述の第1実施形態と同様に、玉軸受8で支承される回転軸AXを中心としてロータ3を高速回転させるポンプ装置10Aとポンプ装置10Aの動作を制御する制御装置100Aとを備え、制御装置100A内の発熱素子103は、制御装置100Aのハウジング101Zのポンプ装置10Aに接しない外板101eと低熱抵抗で接続している。
図4および図5を参照して、第3実施形態について説明する。図4は、第3実施形態の真空ポンプ1Bの斜視図であり、真空ポンプ1Bを斜め下方から見た図である。
制御装置100に設けられているコネクタ120は、冷却ファンに電力を供給する等の電気配線を接続するためのコネクタである。
ただし、図4に示すとおり、本実施形態の真空ポンプ装置10Bでは、ベース2Bおよびポンプケーシング12Bの側面に、冷却ファン42を取り付けるための平面40、平面41をそれぞれ形成してある。
図5は、図4の真空ポンプ1Bを下から見た平面図である。冷却ファン42から吹き出される冷却風50は、冷却ファン42とベース2Bの間の支柱44によって形成された隙間を通って、ベース2Bの両側(図5中の上方および下方)に吹き出す。
冷却風50は、その後もベース2Bの側面に沿って流れ、図5中でベース2Bの上側を流れる冷却風は、図5中の紙面の奥および手前に分かれて排気口22も通過する。そして冷却風50は、ベース2Bに対して冷却ファン42とは反対側に配置されている制御装置100に至り、制御装置100のハウジング101の側面の外板101i、101jを冷却する。
なお、冷却風50は、制御装置100を通過した後に渦51を形成するので、この渦51によりハウジング101のベース2Bとは反対側の外板101aも冷却される。よって、発熱素子103を外板101aに低熱抵抗で接続させてもよい。
また、ハウジング101の側面の外板101i、101jにも、冷却風50の流路に沿って平行な形状の放熱フィンを形成し、冷却効率を一層向上することもできる。
例えば、ベース2Bの下部の近傍の隙間(図4中の下部の隙間)を覆うことで、冷却風50をベース2Bの周面、制御装置100およびポンプケーシング12Bの平面41の方向に集中させることができる。さらに、図4中の上部の隙間も覆うことで、冷却風をベース2Bの周面および制御装置100の方向に集中させることもできる。
以上説明したように、本第3実施形態変形例の真空ポンプは、ポンプ装置10Bの外面に設置され、ポンプ装置10Bを冷却する冷却ファン42を有している。
このような構成としたので、ポンプ装置10Bを効率的に冷却することが可能となり、ポンプ装置10B内の玉軸受8の温度上昇を防止できるという効果がある。
さらに、冷却ファン42を、制御装置100に対して、ポンプ装置10bの軸芯すなわちロータ3の回転軸AXを挟んでポンプ装置10Bの反対側に設置する構成としている。従って、ポンプ装置10Bにより二分される冷却風50の冷却経路の双方を使って制御装置100を冷却することができるという効果がある。
図6を参照して、第4実施形態について説明する。図6は、第4実施形態の真空ポンプ1Cの斜視図であり、真空ポンプ1Cを斜め下方から見た図である。
本実施形態は、基本的には図4に示した上述の第3実施形態と同様に、第1実施形態の真空ポンプ1に対し、冷却ファン42を設けたものであるため、共通する構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
ただし、第3実施形態とは異なり、冷却ファン42は、真空ポンプ1Cのベース2Cの下側に設置している。
以上説明したように、本第4の実施形態の真空ポンプは、ポンプ装置10Cの外面に設置され、ポンプ装置10Cを冷却する冷却ファン42を有している。
このような構成としたので、ポンプ装置10Cを効率的に冷却することが可能となり、ポンプ装置10C内の玉軸受8の温度上昇を防止できるという効果がある。
上記の第3実施形態および第4実施形態では、第1実施形態のポンプ装置10および制御装置100の冷却に空冷方式の冷却ファン42を使用したが、これに代えて、あるいは加えて、液冷式の冷却機構を備える。すなわち、ポンプ装置10のベース2やポンプケーシング12の内部または周囲に配管を設置し、これに冷却液を流すことで冷却を行うものである。
さらに、制御装置100の周囲にも冷却用の配管を備えていても良い。この場合には、冷却用の配管を、制御装置100の外板のうち、発熱素子103が低熱抵抗で接続されている外板、すなわちポンプ装置10に接触している外板以外の外板に重点的に設置することで発熱素子103を効率的に冷却することが望ましい。
本変形例では、ポンプ装置10を冷却する液冷式の冷却機構を備えているため、より高い冷却能力でポンプ装置10および玉軸受8を冷却できるという効果がある。
Claims (7)
- 玉軸受で支承される回転軸を中心としてロータを高速回転させて、ポンプ吸気口から吸入した気体をポンプ排気口から排出するポンプ装置と、
前記ポンプ装置の前記回転軸の方向に沿った側面に取り付けられ、発熱素子を含む電子回路、および前記電子回路を収納するハウジングを有し、前記ポンプ装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記発熱素子が、前記ハウジングの前記ポンプ装置に接しない外板と直接接触しており、前記ハウジングの前記ポンプ装置に接する外板には、前記発熱素子が接触していない、真空ポンプ。 - 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
前記ハウジングは、前記回転軸の方向に沿った長手方向を有する略直方体であり、
前記ハウジングの前記発熱素子が接触する前記外板は、前記回転軸の方向に沿って延びている外板である、真空ポンプ。 - 請求項1または2に記載の真空ポンプにおいて、
前記ハウジングは、断熱部材を介して前記ポンプ装置に接している、真空ポンプ。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
前記ポンプ装置の外面に設置され、前記ポンプ装置を冷却する冷却ファンを有する、真空ポンプ。 - 請求項4に記載の真空ポンプにおいて、
前記制御装置は、前記冷却ファンからの冷却風の冷却経路に設置されている、真空ポンプ。 - 請求項4または請求項5に記載の真空ポンプにおいて、
前記冷却ファンは、前記制御装置に対して、前記回転軸を挟んで前記ポンプ装置の反対側に設置されている、真空ポンプ。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
前記発熱素子は、伝熱部材を介して、前記ハウジングの前記外板と接続している、真空ポンプ。
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