JP2019077437A - 乗物用シートのシートクッション及び乗物用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】振動吸収特性を向上させる。【解決手段】シートクッション100が、2つのベース支持部1210同士を接近方向に付勢すると共に、上下方向に弾性変形するベース支持部用弾性部材1220を有するシートクッション用ベース層120を備え、それにより、該シートクッション100をばね特性の高い構成としている。シートクッション100及びシートバック200において、所定の荷重−たわみ特性における原点、最大変位点、最大荷重点を結び、かつ、往路曲線を含む範囲の面積に対する復路曲線を含む範囲の面積の比率(荷重特性面積比)に関し、シートクッション100の方がシートバック200よりも大きくなるように設定した構成となっている。【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車、航空機、列車などに用いられる乗物用シートの技術に関する。
本出願人は、乗物用シートの軽量化、振動吸収特性の向上を図るため、クッションフレームやバックフレームに三次元立体編物や二次元ネット材を張って設けた張力構造体をクッション層とした座席構造を種々提案している(特許文献1、2参照)。また、特許文献2では、バック用ベースネットと表皮との間に可撓性板状部材を配設し、上下方向の振動入力によって、可撓性板状部材がバック用ベースネットに対して相対運動し、振動吸収特性を向上させる技術を開示している。さらに、特許文献3では、シートクッションにおける静ばね定数及び動ばね定数の設定を、シートクッションの人体支持部の位置に応じて所定の関係で設定し、それにより、振動吸収特性の改善を図っている。
特許文献1〜3の座席構造は、軽量であってかつ振動吸収特性等に優れている。しかしながら、乗物用シートにおいては、振動吸収特性等の向上は常に求められている。また、人には酸素が必要であり、酸素を楽に取り入れられる環境が確保されることで人を定常状態に誘導する。乗物用シートに着座した場合も同様であり、疲労感を小さくし、快適な乗り心地を達成するためには、着座状態で呼吸が楽にできることが大切である。従って、乗物用シートは、走行時に車体から入力される振動や加速度等による人へのストレスを軽減できるだけでなく、人の楽な呼吸を妨げないような姿勢を確保できるものであることが望ましい。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、振動や加速度等による着座者が被るストレスを軽減でき、しかも楽な呼吸を確保しやすい姿勢の維持が容易な乗物用シートのシートクッション及び乗物用シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の乗物用シートのシートクッションは、
乗物用シートのシートクッションであって、
クッションフレームに支持されるシートクッション用ベース層と、
前記シートクッション用ベース層上に配置されるシートクッション用クッション層と
を有し、
前記シートクッション用ベース層が、
前記クッションフレームの幅方向に相互に間隔をおいて、着座者の左右の座骨結節に相当する位置を含む範囲に設けられる左右のベース支持部を備え、
前記左右のベース支持部同士が、ベース支持部用弾性部材を介して連結されていると共に、前記クッションフレームに可動に支持され、
前記左右のベース支持部が、それぞれ座骨結節に相当する位置を中心として6自由度に運動可能であることを特徴とする。
乗物用シートのシートクッションであって、
クッションフレームに支持されるシートクッション用ベース層と、
前記シートクッション用ベース層上に配置されるシートクッション用クッション層と
を有し、
前記シートクッション用ベース層が、
前記クッションフレームの幅方向に相互に間隔をおいて、着座者の左右の座骨結節に相当する位置を含む範囲に設けられる左右のベース支持部を備え、
前記左右のベース支持部同士が、ベース支持部用弾性部材を介して連結されていると共に、前記クッションフレームに可動に支持され、
前記左右のベース支持部が、それぞれ座骨結節に相当する位置を中心として6自由度に運動可能であることを特徴とする。
また、本発明の乗物用シートのシートクッションは、シートバックを備えた乗物用シートのシートクッションであって、
クッションフレームに支持されるシートクッション用ベース層と、
前記シートクッション用ベース層上に配置されるシートクッション用クッション層と
を有し、
前記シートクッション用ベース層が、
前記クッションフレームの幅方向に相互に間隔をおいて、着座者の左右の座骨結節に相当する位置に設けられる左右のベース支持部と、
前記クッションフレームの幅方向中央付近であって、前記左右のベース支持部間に掛け渡され、前記左右のベース支持部を相互に近接させる方向に復元力が作用するベース支持部用弾性部材と
を有することを特徴とする。
クッションフレームに支持されるシートクッション用ベース層と、
前記シートクッション用ベース層上に配置されるシートクッション用クッション層と
を有し、
前記シートクッション用ベース層が、
前記クッションフレームの幅方向に相互に間隔をおいて、着座者の左右の座骨結節に相当する位置に設けられる左右のベース支持部と、
前記クッションフレームの幅方向中央付近であって、前記左右のベース支持部間に掛け渡され、前記左右のベース支持部を相互に近接させる方向に復元力が作用するベース支持部用弾性部材と
を有することを特徴とする。
前記ベース支持部用弾性部材が、コイルスプリングからなると共に、前記左右のベース支持部間に、前記クッションフレームの前後方向に沿って複数本配設されていることが好ましい。
前記左右のベース支持部は、前部、後部及び外側部が、前記クッションフレームに支持された支持用布帛と、前記支持用布帛に積層される緩衝部材とを備えてなることが好ましい。
前記緩衝部材が、三次元立体編物を有して構成されていることが好ましい。
前記緩衝部材が、略方形枠状の外側パッド部材と、前記外側パッド部材の内側空間に配置される内側パッド部材と、前記内側パッド部材の表面及び裏面を被覆し、前記外側パッド部材の表面及び裏面に貼着されるカバー部材とを有して構成されていることが好ましい。
前記外側パッド部材がビーズ発泡体であり、前記内側パッド部材が三次元立体編物であることが好ましい。
前記左右のベース支持部は、前部、後部及び外側部が、前記クッションフレームに支持された支持用布帛と、前記支持用布帛に積層される緩衝部材とを備えてなることが好ましい。
前記緩衝部材が、三次元立体編物を有して構成されていることが好ましい。
前記緩衝部材が、略方形枠状の外側パッド部材と、前記外側パッド部材の内側空間に配置される内側パッド部材と、前記内側パッド部材の表面及び裏面を被覆し、前記外側パッド部材の表面及び裏面に貼着されるカバー部材とを有して構成されていることが好ましい。
前記外側パッド部材がビーズ発泡体であり、前記内側パッド部材が三次元立体編物であることが好ましい。
本発明の乗物用シートは、シートクッション及びシートバックを備えた乗物用シートであって、前記シートクッションが用いられていることを特徴とする。
前記シートバックは、バックフレームに支持されるシートバック用ベース層と、前記シートバック用ベース層を被覆して配置されるシートバック用クッション層とを有し、前記シートバック用ベース層が、前記バックフレームの左右のサイドフレーム間に掛け渡されるシートバック用ベース布帛と、前記バックフレームの上下方向略中央部よりも下方寄りの範囲において、ばね部材を介して弾性的に支持されるランバーサポートとを有することが好ましい。
前記シートバック用ベース布帛は、前記ランバーサポートの上下方向長さよりも長く、前記バックフレームの上部寄りに配設されるフレームと下部寄りに配設されるフレームとの間を覆う大きさを有していることが好ましい。
前記ランバーサポートが、
板状のランバー用ビーズ発泡体と、前記ランバー用ビーズ発泡体に形成した孔部に配設される三次元立体編物と、前記三次元立体編物の表面及び裏面を被覆し、前記ランバー用ビーズ発泡体の表面及び裏面に貼着されるカバー部材とを有するランバー用面状支持部材
を備えていることが好ましい。
前記シートバック用ベース布帛は、前記ランバーサポートの上下方向長さよりも長く、前記バックフレームの上部寄りに配設されるフレームと下部寄りに配設されるフレームとの間を覆う大きさを有していることが好ましい。
前記ランバーサポートが、
板状のランバー用ビーズ発泡体と、前記ランバー用ビーズ発泡体に形成した孔部に配設される三次元立体編物と、前記三次元立体編物の表面及び裏面を被覆し、前記ランバー用ビーズ発泡体の表面及び裏面に貼着されるカバー部材とを有するランバー用面状支持部材
を備えていることが好ましい。
直径200mmの加圧板を用い、50mm/minの速度で、荷重1000Nまで加圧した際の前記シートクッションの荷重−たわみ特性において、原点、最大変位点及び最大荷重点を結んだ範囲であって、そのうち往路曲線を含む範囲の往路面積(a1)と復路曲線を含む範囲の復路面積(b1)との比率を前記シートクッションの荷重特性面積比(b1/a1)とし、
直径200mmの加圧板を用い、50mm/minの速度で、荷重500Nまで加圧した際の前記シートバックの荷重−たわみ特性において、原点、最大変位点及び最大荷重点を結んだ範囲であって、そのうち往路曲線を含む範囲の往路面積(a2)と復路曲線を含む範囲の復路面積(b2)との比率を前記シートバックの荷重特性面積比(b2/a2)とした場合に、
(b1/a1)>(b2/a2)
の関係を有することが好ましい。
前記シートクッションの荷重特性面積比(b1/a1)と前記シートバックの荷重特性面積比(b2/a2)との差が3〜15%の範囲であることが好ましい。
前記シートバックの荷重−たわみ特性の往路曲線における平衡点のばね定数が、15000N/m以上であることが好ましい。
前記シートクッション及び前記シートバックに、それぞれ6.7kgの錘を20mmの高さから落下させた際の自由減衰波形から求めた前記シートクッションの減衰比よりも、前記シートバックの減衰比が大であることが好ましい。
直径200mmの加圧板を用い、50mm/minの速度で、荷重500Nまで加圧した際の前記シートバックの荷重−たわみ特性において、前記シートクッション及び前記シートバックの交点から、前記シートバックの上方100mm及び300mmの各測定ポイントにおけるたわみ差が、4mm以上10mm未満であることが好ましい。
直径200mmの加圧板を用い、50mm/minの速度で、荷重500Nまで加圧した際の前記シートバックの荷重−たわみ特性において、原点、最大変位点及び最大荷重点を結んだ範囲であって、そのうち往路曲線を含む範囲の往路面積(a2)と復路曲線を含む範囲の復路面積(b2)との比率を前記シートバックの荷重特性面積比(b2/a2)とした場合に、
(b1/a1)>(b2/a2)
の関係を有することが好ましい。
前記シートクッションの荷重特性面積比(b1/a1)と前記シートバックの荷重特性面積比(b2/a2)との差が3〜15%の範囲であることが好ましい。
前記シートバックの荷重−たわみ特性の往路曲線における平衡点のばね定数が、15000N/m以上であることが好ましい。
前記シートクッション及び前記シートバックに、それぞれ6.7kgの錘を20mmの高さから落下させた際の自由減衰波形から求めた前記シートクッションの減衰比よりも、前記シートバックの減衰比が大であることが好ましい。
直径200mmの加圧板を用い、50mm/minの速度で、荷重500Nまで加圧した際の前記シートバックの荷重−たわみ特性において、前記シートクッション及び前記シートバックの交点から、前記シートバックの上方100mm及び300mmの各測定ポイントにおけるたわみ差が、4mm以上10mm未満であることが好ましい。
本発明では、シートクッションが、着座者の左右の座骨結節に相当する位置を含む範囲に設けられる左右のベース支持部同士を接近方向に付勢すると共に、上下方向に弾性変形するベース支持部用弾性部材をクッションフレームの幅方向中央付近に有するシートクッション用ベース層を備え、それにより、該シートクッションはばね特性の高い構成となっている。そのため、座骨結節に相当する位置を中心として、各ベース支持部は、6自由度に運動可能であり、シートクッションにおける臀部を支持する面が動き易い。その結果、変位に対する追従性が高く、人と車等の乗物との一体感を高め、乗り心地の向上を図ることできる。
また、シートバックとして、バックフレームの左右のサイドフレーム間に、ランバーサポートよりも上下に長い範囲に亘って掛け渡されるシートバック用ベース布帛を有するものが好ましい。それにより、シートクッションよりもシートバックの減衰比を高くできる。さらに、シートクッション及びシートバックにおいて、所定の荷重−たわみ特性における原点、最大変位点、最大荷重点を結び、かつ、往路曲線を含む範囲の面積に対する復路曲線を含む範囲の面積の比率(荷重特性面積比)に関し、シートクッションの方がシートバックよりも大きくなるように設定した構成とすることが好ましい。つまり、シートクッションは、減衰特性よりもばね特性を重視する一方、シートバックは、ばね特性よりも減衰特性を重視し、シートクッションとシートバックとの間で顕著な特性差を備えさせた構成である。
これにより、本発明は、シートバックにおいては体圧の分散性が高いという作用、効果を奏するが、シートバックの減衰特性を高めただけでは、共振周波数が、内臓共振周波数と同等になるまで上昇してしまう場合がある。しかし、上記のように、体幹の重心を支持する部位、すなわち、クッションフレーム幅方向中央付近に上記のベース支持部用弾性部材を配設し、面剛性の向上を図って共振周波数が内臓共振周波数まで上昇することを回避し、変位追従性、振動追従性を高めた構成とすると、シートバックの減衰特性とのバランスが図られ、頭部の揺れを抑制し、臀部に感じるごつごつ感を低減させることができる。
また、シートバックとして、バックフレームの左右のサイドフレーム間に、ランバーサポートよりも上下に長い範囲に亘って掛け渡されるシートバック用ベース布帛を有するものが好ましい。それにより、シートクッションよりもシートバックの減衰比を高くできる。さらに、シートクッション及びシートバックにおいて、所定の荷重−たわみ特性における原点、最大変位点、最大荷重点を結び、かつ、往路曲線を含む範囲の面積に対する復路曲線を含む範囲の面積の比率(荷重特性面積比)に関し、シートクッションの方がシートバックよりも大きくなるように設定した構成とすることが好ましい。つまり、シートクッションは、減衰特性よりもばね特性を重視する一方、シートバックは、ばね特性よりも減衰特性を重視し、シートクッションとシートバックとの間で顕著な特性差を備えさせた構成である。
これにより、本発明は、シートバックにおいては体圧の分散性が高いという作用、効果を奏するが、シートバックの減衰特性を高めただけでは、共振周波数が、内臓共振周波数と同等になるまで上昇してしまう場合がある。しかし、上記のように、体幹の重心を支持する部位、すなわち、クッションフレーム幅方向中央付近に上記のベース支持部用弾性部材を配設し、面剛性の向上を図って共振周波数が内臓共振周波数まで上昇することを回避し、変位追従性、振動追従性を高めた構成とすると、シートバックの減衰特性とのバランスが図られ、頭部の揺れを抑制し、臀部に感じるごつごつ感を低減させることができる。
また、呼吸は主に骨盤から胸部までの範囲において体幹の中心部を動かすが、ベース支持部用弾性部材がクッションフレームの幅方向中央付近に配設されていることにより、体幹の中心部に復元力が与えられやすくなる。しかも、シートバックが上記のように減衰特性が高いため、シートクッションからの復元力は座面に沿って伝わってシートバックにおいて減衰、分散される。シートバックでの胸部付近での拘束力が小さく、楽な呼吸を促すことができる。
また、ベース部用弾性部材が、クッションフレームの幅方向中央付近に設けられるが、左右の座骨結節に相当する位置に設けられる左右のベース支持部の外側部は、弾性部材を介さずに剛性の高いクッションフレームに支持させることが好ましい。これにより、着座者の体幹側部がサポートされ、姿勢の崩れを抑制できる。その一方、シートクッションの幅方向中央付近のベース部用弾性部材の動きにより、体幹側部を支持した場合でも窮屈感はない。しかも、シートクッションの幅方向中央付近のベース部用弾性部材を複数本のコイルスプリングから構成することにより、その部位の剛性が高くなる一方で、座骨結節がベース支持部で支持されているため、シートクッションの動きとの一体感が増し、着座姿勢の安定性が高まる。
以下、図面に示した実施形態に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1〜図11は、本発明の第1の実施形態に係る乗物用シート1Aを示した図であり、シートクッション100及びシートバック200を備え、それらがリクライニング機構部300を介して連結され、スライダ400に固定されるシートクッション100に対して、シートバック200がリクライニング可能となっている。
(第1の実施形態)
図1〜図11は、本発明の第1の実施形態に係る乗物用シート1Aを示した図であり、シートクッション100及びシートバック200を備え、それらがリクライニング機構部300を介して連結され、スライダ400に固定されるシートクッション100に対して、シートバック200がリクライニング可能となっている。
シートクッション100は、クッションフレーム110、シートクッション用ベース層120及びシートクッション用クッション層130を有している(図1参照)。クッションフレーム110は、スライダ400に支持される。スライダ400は、シートクッション100の幅方向に所定間隔をおいて車体フロア(図示せず)に固定される左右のロアレール410,410と、各ロアレール410,410にスライド可能に配設されたアッパーレール420,420を有して構成されており、このアッパーレール420,420に、クッションフレーム110を構成する左右のクッション側サイドフレーム111,111が連結されて支持される。また、左右のクッション側サイドフレーム111,111間の前端部間には、シートクッション100の幅方向に沿って前縁フレーム112が掛け渡されていると共に、後端部間には後縁フレーム113が掛け渡されている(図3、図4参照)。さらに、左右のクッション側サイドフレーム111,111間には、前縁フレーム112のやや後方に前縁側補強フレーム114が掛け渡され、後縁フレーム113の前方に後縁側補強フレーム115が掛け渡されている。後縁側補強フレーム115の配置高さは後縁フレーム113よりも低い位置になっており、その位置におけるシートクッション用ベース層120の下方向へのストローク(図10、図11参照)を所定量確保できるようになっている。
シートクッション用ベース層120は、図4に示したように、クッションフレーム110の幅方向に相互に間隔をおいて配置される左右のベース支持部1210,1210と、ベース支持部用弾性部材である複数本のコイルスプリング1220,1220を有している。各ベース支持部1210,1210は、着座者の座骨結節に対応する位置を含む範囲に設けられ、該座骨結節に対応する部位を支持する。そして、図4〜図6に示したように、支持用布帛1211,1211及び緩衝部材1212,1212を有している。
支持用布帛1211,1211は、二次元の布帛あるいは薄手の三次元の布帛(例えば、後述する三次元立体編物)から構成される。形状は任意であるが、本実施形態では略長方形に形成されており、前部1211a、後部1211b及び外側部1211cがクッションフレーム110に支持されている。図5及び図6は支持用布帛1211,1211として二次元の布帛を用いた例である。具体的には、支持用布帛1211の前部1211aには、前部帯状部材1231の一端が連結され、後部1211bには、後部帯状部材1232の一端が連結されている。前部帯状部材1231は前縁フレーム112に上側から下側に回し込むように掛け回され、後部帯状部材1232は後縁フレーム113に上側から下側に回し込むように掛け回されており、前部帯状部材1231及び後部帯状部材1232の各他端は、連結用弾性部材1233を介して連結されている(図3参照)。なお、本実施形態では連結用弾性部材1233としてコイルスプリングを用いている。従って、ベース支持部1210,1210を構成する支持用布帛1211,1211の前部1211a及び後部1211bは、クッションフレーム110に対して可動に支持されることになり、座骨結節に相当する部位を中心とすると、前部1211a及び後部1211bが回転自由端となる。
支持用布帛1211,1211の各外側部1211c,1211cは、ループ状に形成されていると共に、シートクッション100の前後方向に沿って所定間隔ごとに切り欠き部1211c1,1211c1が形成されていると共に、ループ状の各外側部1211c,1211c内に外側係合用金属線1211d,1211dが挿入されている(図4参照)。これにより、切り欠き部1211c1,1211c1の範囲において、外側係合用金属線1211d,1211dが露出する。一方、左右のクッション側サイドフレーム111,111の内側であって、前縁フレーム112、前縁側補強フレーム114及び後縁側補強フレーム115の配設位置よりも高い位置において、上記切り欠き部1211c1,1211c1に対応する位置に、係合片111a,111aが複数形成されている(図4参照)。従って、切り欠き部1211c1,1211c1から露出している外側係合用金属線1211d,1211dを係合片111a,111aに係合すると、支持用布帛1211,1211の各外側部1211c,1211cが左右のクッション側サイドフレーム111,111に係合支持される。
支持用布帛1211,1211の各内側部1211e,1211e(幅方向に所定の間隔をもって配置される2つの支持用布帛1211,1211の隣接側の側部)もループ状に形成されていると共に、クッションフレーム110の前後方向に沿って所定間隔ごとに切り込み1211e1,1211e1が形成されている(図6参照)。ループ状の各内側部1211e,1211e内に内側係合用金属線1211f,1211fが挿入されている(図4、図5参照)。ベース支持部用弾性部材であるコイルスプリング1220,1220は、各フックが、シートクッション100の前後方向に沿って所定間隔をおいて対向する切り込み1211e1,1211e1を介して各内側係合用金属線1211f,1211fに係合される。これにより、相互にクッションフレーム110の幅方向に離間して配置された2つの支持用布帛1211,1211は、クッションフレーム110の幅方向中央付近であって、クッションフレーム110の前後方向に沿って複数本配設されたベース支持部用弾性部材であるコイルスプリング1220,1220の弾性復元力の作用により、相互に近接する方向(クッションフレーム110の幅方向中央方向)に引っ張られる。コイルスプリング1220,1220は、このように、クッションフレーム110の幅方向中央部付近に位置している。従って、着座者の体重による負荷や走行時の振動によって、上下方向の力が加わった際には、コイルスプリング1220,1220は、上下方向に弾性変形しつつ伸長し、弾性復元力が作用する(図10及び図11参照)。
支持用布帛1211,1211は、上記のように、各外側部1211c,1211cが左右のクッション側サイドフレーム111,111に係合支持されている。これにより、支持用布帛1211,1211の各外側部1211c,1211cの位置が安定し、走行時における横方向の揺れ等が入力されても、着座者の左右方向への姿勢の崩れが抑制される。仮に、ベース支持部1210,1210(支持用布帛1211,1211)の各外側部1211c,1211cを弾性部材を介してクッションフレーム110に支持させると、横方向の揺れ等の入力によって姿勢が崩れやすく、さらにこれを元に戻そうとして筋力や酸素が必要となり、交感神経の緊張を誘発する場合がある。その一方、クッションフレーム110の幅方向中央付近であって、クッションフレーム110の前後方向に沿って複数本のコイルスプリング1220,1220が配設されている。そのため、着座者の左右の動きが規制されても、このコイルスプリング1220,1220の上下方向への弾性変形により、窮屈感は生じない。すなわち、ベース支持部1210,1210を構成する支持用布帛1211,1211は、コイルスプリング1220,1220が接続された各内側部1211e,1211eが、クッション側サイドフレーム111,111に連結される各外側部1211c,1211cを中心とする回転自由端となっている。
よって、ベース支持部1210,1210は、コイルスプリング1220,1220、前部帯状部材1231、後部帯状部材1232、連結用弾性部材1233を介して連結され、上下、前後、左右に運動可能であると共に、支持用布帛1211,1211の前部1211a、後部1211b、内側部1211eが回転自由端となっており、ベース支持部1210,1210における座骨結節に相当する部位を中心として6自由度に運動可能である。また、コイルスプリング1220,1220がクッションフレーム110の幅方向中央付近に配設されているため、着座者の体幹付近を剛性の高い部材で支持することになる。従って、このコイルスプリング1220,1220の動きと座面上の着座者の動きとの一体感すなわち変位への追従性が高まる。外部から入力される振動に対しては、コイルスプリング1220,1220の運動が逆位相になって減衰されるが、着座者との一体感が高いため、着座者に伝わる振動も同様に減衰される。
支持用布帛1211,1211は、上記のように、各外側部1211c,1211cが左右のクッション側サイドフレーム111,111に係合支持されている。これにより、支持用布帛1211,1211の各外側部1211c,1211cの位置が安定し、走行時における横方向の揺れ等が入力されても、着座者の左右方向への姿勢の崩れが抑制される。仮に、ベース支持部1210,1210(支持用布帛1211,1211)の各外側部1211c,1211cを弾性部材を介してクッションフレーム110に支持させると、横方向の揺れ等の入力によって姿勢が崩れやすく、さらにこれを元に戻そうとして筋力や酸素が必要となり、交感神経の緊張を誘発する場合がある。その一方、クッションフレーム110の幅方向中央付近であって、クッションフレーム110の前後方向に沿って複数本のコイルスプリング1220,1220が配設されている。そのため、着座者の左右の動きが規制されても、このコイルスプリング1220,1220の上下方向への弾性変形により、窮屈感は生じない。すなわち、ベース支持部1210,1210を構成する支持用布帛1211,1211は、コイルスプリング1220,1220が接続された各内側部1211e,1211eが、クッション側サイドフレーム111,111に連結される各外側部1211c,1211cを中心とする回転自由端となっている。
よって、ベース支持部1210,1210は、コイルスプリング1220,1220、前部帯状部材1231、後部帯状部材1232、連結用弾性部材1233を介して連結され、上下、前後、左右に運動可能であると共に、支持用布帛1211,1211の前部1211a、後部1211b、内側部1211eが回転自由端となっており、ベース支持部1210,1210における座骨結節に相当する部位を中心として6自由度に運動可能である。また、コイルスプリング1220,1220がクッションフレーム110の幅方向中央付近に配設されているため、着座者の体幹付近を剛性の高い部材で支持することになる。従って、このコイルスプリング1220,1220の動きと座面上の着座者の動きとの一体感すなわち変位への追従性が高まる。外部から入力される振動に対しては、コイルスプリング1220,1220の運動が逆位相になって減衰されるが、着座者との一体感が高いため、着座者に伝わる振動も同様に減衰される。
支持用布帛1211,1211上には、緩衝部材1212,1212が配設されている。緩衝部材1212は、図4〜図6に示したように、支持用布帛1211とほぼ同形状の三次元の布帛、好ましくは、特開2002−331603号公報、特開2003−182427号公報等に開示されている、互いに離間して配置された一対のグランド編地と、該一対のグランド編地間を往復して両者を結合する多数の連結糸とを有する立体的な三次元構造となった編地(三次元立体編物)を用いて構成される。三次元立体編物は、伸び率0%で張設して面方向に略垂直に加圧した際の荷重−たわみ特性から求められるばね定数として、直径30mmの圧縮板で加圧した際の荷重−たわみ特性から求められるばね定数よりも直径98mmの圧縮板で加圧した際の荷重−たわみ特性から求められるばね定数が高いことを特徴とするものである。この特性は、人の筋肉の荷重−たわみ特性に近い特性であり、三次元立体編物を用いることは、特性的には、当該部位において筋肉の層が厚くなることであり、違和感が小さく、フィット感の増加、姿勢支持性の向上等を図ることができる。なお、三次元立体編物は、グランド編地の編み目の大きさ、形状、連結糸の配設密度、糸の素材等により特性を種々に調整可能である。緩衝部材1212,1212は、上記のように中央に配置されるコイルスプリング1220,1220を介して支持用布帛1211,1211上に所定間隔で配置されており、各緩衝部材1212,1212は着座者の左右の座骨結節に対応する位置を含む範囲となるように設けられる。座骨結節に対応する部位を支持するが、三次元立体編物がこのように人の筋肉の特性に近い特性を有しているため、座骨にかかる圧力の緩和効果が高い。
緩衝部材1212は、支持用布帛1211に例えば縫製等により固定することができる。但し、固定手段はこれに限定されるものではなく、後述の第3の実施形態のように、面ファスナー介して取り付けることもできる。なお、支持用布帛1211として、三次元の布帛を用いる場合、例えば上記の三次元立体編物を用いる場合には、図8(a),(b)に示したように、三次元立体編物からなる支持用布帛1211の両側部に、図5及び図6に示した二次元の布帛からなる支持用布帛1211の各外側部1211c,1211c及び各内側部1211e,1211eと同様に加工された切り込み12111aを有する二次元の布帛12111と、切り欠き部12112aを有する二次元の布帛12112をそれぞれ縫製等により取り付ける。これにより、図5及び図6の二次元の布帛を用いた場合と同様に、左右のクッション側サイドフレーム111,111の内側に、外側部に相当する切り欠き部12112aを有する二次元の布帛12112を係合し、内側部に相当する二次元の布帛12111の切り込み12111aにコイルスプリング1220を係合することができる。
シートクッション用ベース層120は、上記のベース支持部1210,1210、ベース支持部用弾性部材である複数本のコイルスプリング1220,1220のほか、図1、図5及び図6に示したように、保護用布帛1240を設けてもよい。保護用布帛1240は、コイルスプリング1220,1220の上部を覆うように、2つのベース支持部1210,1210間に掛け渡したもので、これにより、シートクッション用ベース層120上のシートクッション用クッション層130にコイルスプリング1220,1220が直接接触することを防止することができる。
シートクッション用クッション層130は、図3に示したように、クッション層用パッド131及び表皮材132を有して構成されている。クッション層用パッド131は、上記のシートクッション用ベース層120上に配置されると共に、前縁部及び後縁部は、それぞれ前縁フレーム112及び後縁フレーム113上に支持される。また、両側縁部も、それぞれクッション側サイドフレーム111,111に支持される。クッション層用パッド131は、発泡ポリウレタン等から構成することができるが、上記の三次元立体編物を用いることもできる。表皮材132は特に限定されるものではなく、本革、合成皮革、ファブリック、あるいは三次元立体編物等を用いて構成され、クッション層用パッド131を被覆して配設される。また、シートクッション用クッション層130を、クッションフレーム110に所定の張力で掛け渡した三次元立体編物のみからなる構成とすることももちろん可能である。
シートバック200は、バックフレーム210、シートバック用ベース層220及びシートバック用クッション層230を有している(図1参照)。バックフレーム210は、シートバック200の幅方向所定間隔をおいて配置される左右のバック側サイドフレーム211,211を有しており、左右のバック側サイドフレーム211,211の下部が、クッションフレーム110を構成する左右のクッション側サイドフレーム111,111の後部に、リクライニング機構部300を介して連結されている。左右のバック側サイドフレーム211,211の上部間には、略逆U字状に形成されたヘッドレストフレーム212が連結されている。また、左右のバック側サイドフレーム211,211の下部間には、下部フレーム213が掛け渡されている(図4参照)。
シートバック用ベース層220は、図1、図4及び図7に示したように、シートバック用ベース布帛2210とランバーサポート2220を備えて構成されている。シートバック用ベース布帛2210は、二次元の布帛又は薄手の三次元の布帛(例えば三次元立体編物)から、左右のバック側サイドフレーム211,211間の距離に相当する幅を有すると共に、ランバーサポート2220の上下方向長さよりも長く、バックフレーム210の上部寄りに配設されるフレームと下部寄りに配設されるフレームとの間を覆う大きさを有している。本実施形態では、上部寄りに配設されるフレームとして、ヘッドレストフレーム212の各端部212a,212a間に掛け渡されたヘッドレスト補助フレーム212bと、下部寄りに配設されるフレームである下部フレーム 213との距離に相当する上下方向に沿った長さを有する略長方形に形成されている。そして、上縁部2211がヘッドレスト補助フレーム212bに係合され、各側縁部2212,2212が、左右のバック側サイドフレーム211,211に係合されて配設される。図7は、シートバック用ベース布帛2210として二次元の布帛を用いた例であるが、三次元の布帛、例えば三次元立体編物を用いる場合は、図9に示したように、三次元立体編物からなるシートバック用ベース布帛2210の各側縁部に二次元の布帛22121,22122を縫製等により取り付け、これらを介して、左右のバック側サイドフレーム211,211に係合する。
ランバーサポート2220は、着座者の腰部に相当する付近、すなわち、シートバック用ベース布帛2210の長手方向(上下方向)略中央部よりも下方付近において、シートバック用ベース布帛2210の裏面側に配設される(図1参照)。ランバーサポート2220は、ランバー支持布帛2221と、このランバー支持布帛2221を弾性的に支持するばね部材であるランバー用コイルスプリング2222を有している(図4、図7参照)。
ランバー支持用布帛2221は、二次元の布帛又は薄手の三次元の布帛(例えば、三次元立体編物)から構成され、その両側縁は、ランバー用コイルスプリング2222の一端が係合されている。ランバー用コイルスプリング2222の他端は、左右のバック側サイドフレーム211,211にそれぞれ係合されている。ランバー用コイルスプリング2222の弾性力により、ランバー支持用布帛2221が前方に付勢されるため、その前方に位置するシートバック用ベース布帛2210の長手方向(上下方向)略中央部よりも下方付近も前方に付勢される。それにより、着座者の腰部付近が所定の支持圧で支持される。
シートバック用クッション層230は、シートバック用ベース層220を覆うように、バックフレーム210に支持される。本実施形態では、シートバック用クッション層230を三次元立体編物から構成し、これをバックフレーム210に張設している。なお、シートバック用クッション層230は、発泡ポリウレタン等からなるパッドとその表面を被覆する表皮材を用いて構成することができることはもちろんである。
シートバック用クッション層230は、シートバック用ベース層220を覆うように、バックフレーム210に支持される。本実施形態では、シートバック用クッション層230を三次元立体編物から構成し、これをバックフレーム210に張設している。なお、シートバック用クッション層230は、発泡ポリウレタン等からなるパッドとその表面を被覆する表皮材を用いて構成することができることはもちろんである。
ここで、本実施形態の乗物用シート1は、シートクッション100及びシートバック200が次のような特性を備えている。
すなわち、
直径200mmの加圧板を用い、50mm/minの速度で、荷重1000Nまで加圧した際の前記シートクッションの荷重−たわみ特性において、原点、最大変位点及び最大荷重点を結んだ範囲であって、そのうち往路曲線を含む範囲の往路面積(a1)と復路曲線を含む範囲の復路面積(b1)との比率をシートクッション100の荷重特性面積比(b1/a1)とし、
直径200mmの加圧板を用い、50mm/minの速度で、荷重500Nまで加圧した際の前記シートバックの荷重−たわみ特性において、原点、最大変位点及び最大荷重点を結んだ範囲であって、そのうち往路曲線を含む範囲の往路面積(a2)と復路曲線を含む範囲の復路面積(b2)との比率をシートバック200の荷重特性面積比(b2/a2)とした場合に、
(b1/a1)>(b2/a2)
の関係を有している。
直径200mmの加圧板を用い、50mm/minの速度で、荷重1000Nまで加圧した際の前記シートクッションの荷重−たわみ特性において、原点、最大変位点及び最大荷重点を結んだ範囲であって、そのうち往路曲線を含む範囲の往路面積(a1)と復路曲線を含む範囲の復路面積(b1)との比率をシートクッション100の荷重特性面積比(b1/a1)とし、
直径200mmの加圧板を用い、50mm/minの速度で、荷重500Nまで加圧した際の前記シートバックの荷重−たわみ特性において、原点、最大変位点及び最大荷重点を結んだ範囲であって、そのうち往路曲線を含む範囲の往路面積(a2)と復路曲線を含む範囲の復路面積(b2)との比率をシートバック200の荷重特性面積比(b2/a2)とした場合に、
(b1/a1)>(b2/a2)
の関係を有している。
なお、上記の往路面積a1,a2及び復路面積b1,b2を、図13〜図18に示した荷重−たわみ特性のデータ中、他のデータとの重なりが少ない図16のB000のデータを例にとって説明すると、往路面積a1,a2は、図16の実線のハッチングで示したaに相当する範囲の面積をいい、復路面積b1,b2は、図16の破線のハッチングで示したbに相当する範囲の面積をいう。
図12は、本実施形態の乗物用シート1A(試験例1、試験例2)、及び、市販の乗用車に搭載されている一般的な運転席用のシート(比較例)における荷重−たわみ特性の関係を示した図である。本実施形態の乗物用シート1Aは、試験例1及び試験例2の2種類準備した。試験例1は、本実施形態のシートクッション用ベース層120のベース支持部1210を構成する支持用布帛1211、及び、シートバック用ベース布帛2210として、いずれも三次元立体編物(旭化成(株)製、製品番号:AKE70043)を用いたもので、試験例2は、ベース支持部1210の支持用布帛1211及びシートバック用ベース布帛2210としていずれも二次元の布帛を用いたものである。ランバー支持用布帛2221は試験例1及び試験例2のいずれも二次元の布帛を用いている。試験例1及び試験例2のその他の構成は全く同様である。
なお、比較例は、シートクッションにおいては、本実施形態のシートクッション用ベース層120に代え、クッションフレームに支持されたSばねからなるシートクッションスプリングが配設され、シートバックにおいては、本実施形態のシートバック用ベース層220に代え、バックフレーム210に支持されたSばねからなるシートバックスプリングが配設された構造である。シートクッション用クッション層130及びシートバック用クッション層230の構成は試験例1及び試験例2と同様である。
シートクッション100の荷重−たわみ特性を測定した位置は、シートクッション100及びシートバック200の交点から、前方約100mmの位置(着座者の座骨結節が対応する位置)の測定ポイント(C000)と、その前方100mmの測定ポイント(C100)と、C100からさらに前方100mmの測定ポイント(C200)である。C000、C100及びC200の各測定ポイントにおいて、シートクッション100の幅方向中央位置に、直径200mmの加圧板の中心を合わせ、シートクッション100の厚み方向(上下方向)に上記の条件で加圧して測定した。そして、試験例1、試験例2及び比較例のC000、C100及びC200の各測定ポイントにおける荷重−たわみ特性を示した測定結果が図13〜図15であり、各測定ポイントについて往路面積(a1)と復路面積(b1)の比率を求め、それらの平均値を図12では採用し、シークッション部100の荷重特性面積比(b1/a1)としている。
シートバック200の荷重−たわみ特性を測定した位置は、ランバー支持用布帛2221の高さ方向の中央位置(シートクッション100及びシートバック200の交点から、上方約100mmの位置:B000)と、その上方100mmの測定ポイント(B100)と、B100からさらに上方100mmの測定ポイント(B200)である。B000、B100及びB200の各測定ポイントにおいて、シートバック200の幅方向中央位置に、直径200mmの加圧板の中心を合わせ、シートバック200の厚み方向(前後方向)に上記の条件で加圧して測定した。そして、試験例1、試験例2及び比較例のB000、B100及びB200の各測定ポイントにおける荷重−たわみ特性を示した測定結果が図16〜図18であり、各測定ポイントについて往路面積(a2)と復路面積(b2)の比率を求め、それらの平均値を図12では採用し、シートバック200の荷重特性面積比(b2/a2)としている。
図12に示したように、試験例1及び試験例2のいずれも、(b1/a1)>(b2/a2)の関係を有している。すなわち、シートクッション100の方がシートバック200よりも上記の面積比が大きく、シートクッション100は、シートバック200と比較してよりばね特性が重視された構造となっている。これは、シートクッション用ベース層120において、中央付近に、複数本のコイルスプリング1220,1220を配設して、両側のベース支持部1210,1210を中央方向に付勢した構成としていることによる。一方、シートバック200は、相対的に減衰特性の高い構造となっており、体圧の分散性が高い。但し、腰部付近は、ランバーサポート2220のランバー用コイルスプリング2222の弾性により、シートバック200の中ではばね特性が相対的に高くなっている。これにより、シートクッション100の高いばね特性との相乗作用により、着座者の臀部から腰部にかけての範囲は、乗物用シート1Aとの一体感が高くなり、共振周波数が内臓共振周波数まで上昇することを回避し、振動吸収特性を高めることができ、頭部の揺れが抑制され、臀部に感じるごつごつ感が低減される。
また、シートバック200の減衰特性が高いため、特に、ランバーサポート2220より上方の胸部付近では着座者の支持圧、拘束力が高くない。そのため、呼吸に伴う骨盤から胸部までの範囲における体幹中心部の運動を妨げない。従って、シートバックは呼吸に伴う骨盤から胸部の僅かな動きへの追従性が高く、楽な呼吸を促すことができる。
すなわち、本実施形態では、シートクッション100におけるコイルスプリング1220,1220を中心としたばね特性、ベース支持部1210,1210(支持用布帛1211,1211)の各外側部1211c,1211cのクッションフレーム110への連結支持による左右方向への姿勢の崩れの抑制、並びに、シートバック200の胸部付近での低拘束性等により、安定した着座姿勢を維持できると共に、楽な呼吸も確保しやすい。
また、シートバック200の減衰特性が高いため、特に、ランバーサポート2220より上方の胸部付近では着座者の支持圧、拘束力が高くない。そのため、呼吸に伴う骨盤から胸部までの範囲における体幹中心部の運動を妨げない。従って、シートバックは呼吸に伴う骨盤から胸部の僅かな動きへの追従性が高く、楽な呼吸を促すことができる。
すなわち、本実施形態では、シートクッション100におけるコイルスプリング1220,1220を中心としたばね特性、ベース支持部1210,1210(支持用布帛1211,1211)の各外側部1211c,1211cのクッションフレーム110への連結支持による左右方向への姿勢の崩れの抑制、並びに、シートバック200の胸部付近での低拘束性等により、安定した着座姿勢を維持できると共に、楽な呼吸も確保しやすい。
これに対し、比較例の乗物用シートは、2つの荷重特性面積比はほぼ同等である。若干、試験例1,2とは逆の(b1/a1)<(b2/a2)の関係になっている。すなわち、シートクッションとシートバックとにおける特性差が小さく、あるいは、シートバックの方がばね特性が重視された構成である。そのため、シートバックでの減衰特性が十分ではなく、着座者の背の支持が不安定で揺れやすく、また、シートバックのストロークが大きく、着座者が猫背になりやすい構造と言える。
また、試験例1及び試験例2を比較した場合、図16及び図17から、三次元立体編物を採用した試験例1の方が、二次元の布帛を採用した試験例2よりも、ヒステリシスロスが大きく、また、ランバーサポート2220より上方位置のB200における平衡点のばね定数は、試験例1の方が低くなっている。そのため、試験例2の方が、着座者の背全体の支持性が高いと言えるが、試験例1の場合は、より振動吸収性、体圧分散性に優れていると言える。
本実施形態の上記の作用をより高めるため、シートクッション用クッション層130にコイルスプリング1220,1220の弾性力や配設本数の調整などにより、荷重特性面積比が、上記の(b1/a1)>(b2/a2)の関係を有し、かつ、その差が、3%以上となるようにすることが好ましい。荷重特性面積比の差が大きすぎると、シートクッション100のばね特性が高くなりすぎるため、両者の差は3〜15%の範囲であることが好ましく、さらには5〜10%の範囲であることがより好ましい。
また、シートバック200の荷重−たわみ特性のばね定数が、図16及び図17に示したように、往路曲線における平衡点(図16及び図17の場合で320N)のばね定数で、15000N/m以上であることが好ましく、さらには、15000〜20000N/mの範囲であることがより好ましい。図18に示したように、平衡点のばね定数が上記の範囲を下回る場合、特に、ランバーサポート2220より上方位置のB200における平衡点のばね定数が上記の範囲を下回る場合には、背上部の支持が不十分となり、体幹が揺れやすくなる。
図19は、試験例1及び試験例2の乗物用シート1A、並びに、比較例の乗物用シートを一軸加振機上にセットし、体重75kgの被験者が着座した状態で、ピーク間振幅2mm、ログスイープ:0.5〜15Hzで加振した際の振動伝達率を示したグラフである。
図19に示したように、試験例1及び試験例2共に、比較例よりも共振周波数が低くなっている。また、いずれも共振周波数は5Hz未満であり、内臓共振周波数よりも低く、さらに、7Hz以上の高周波領域では、試験例1及び試験例2共に振動伝達率が1以下となっており、比較例よりも振動伝達特性の点で優れている。
(第2の実施形態)
図20は、本発明の第2の実施形態に係る乗物用シート1Bのシートクッション用クッション層130及びシートバック用クッション層230を省略した分解斜視図である。第2の実施形態では、ランバーサポート2220が、第1の実施形態と同様のランバー支持布帛2221とランバー用コイルスプリング2222に加えて、ランバー用面状支持材2223を備えている。ランバー用面状支持材2223は、ランバー用面状支持部材2223は、シートバック用ベース布帛2210の長手方向(上下方向)略中央部以下の長さであって、左右のバック側サイドフレーム211,211間に収まる幅を有する所定面積の薄板状に、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂から形成されている。また、上下方向の略中央部付近が前方に膨出するように若干湾曲しており、着座者の腰部付近にフィットする形状となっている。
図20は、本発明の第2の実施形態に係る乗物用シート1Bのシートクッション用クッション層130及びシートバック用クッション層230を省略した分解斜視図である。第2の実施形態では、ランバーサポート2220が、第1の実施形態と同様のランバー支持布帛2221とランバー用コイルスプリング2222に加えて、ランバー用面状支持材2223を備えている。ランバー用面状支持材2223は、ランバー用面状支持部材2223は、シートバック用ベース布帛2210の長手方向(上下方向)略中央部以下の長さであって、左右のバック側サイドフレーム211,211間に収まる幅を有する所定面積の薄板状に、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂から形成されている。また、上下方向の略中央部付近が前方に膨出するように若干湾曲しており、着座者の腰部付近にフィットする形状となっている。
ランバー用面状支持部材2223は、シートバック用ベース布帛2210とランバー支持用布帛2221との間に配設される。従って、ランバー用コイルスプリング2222の復元力の作用により、ランバー支持用布帛2221を前方に付勢されるため、その前方に位置するランバー用面状支持部材2223も前方に付勢される。ランバー用面状支持部材2223は、上記したように合成樹脂から形成され、ランバー支持用布帛2221よりも剛性が高くまた面積も大きく、さらに若干湾曲した形状になっているため、着座者の腰部付近にフィットしてしっかりと支持する。これにより、着座者の臀部から腰部の範囲と、乗物用シート1Bとの一体感がより高くなり、振動吸収特性を高めることができる。なお、その他の構成、作用、効果は第1の実施形態と全く同様である。
(第3の実施形態)
図21〜図31は、本発明の第3の実施形態に係る乗物用シート1Cを説明するための図である。第3の実施形態は、ランバー用面状支持部材2223を有する点で第2の実施形態と同様の構成であるが、該ランバー用面状支持部材2223の具体的な構造が第2の実施形態とは異なる。また、シートクッション用ベース層120のベース支持部1210を構成する緩衝部材1212の具体的構造も、第1及び第2の実施形態とは異なる。その他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
図21〜図31は、本発明の第3の実施形態に係る乗物用シート1Cを説明するための図である。第3の実施形態は、ランバー用面状支持部材2223を有する点で第2の実施形態と同様の構成であるが、該ランバー用面状支持部材2223の具体的な構造が第2の実施形態とは異なる。また、シートクッション用ベース層120のベース支持部1210を構成する緩衝部材1212の具体的構造も、第1及び第2の実施形態とは異なる。その他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
ベース支持部1210を構成する緩衝部材1212は、図27(a),(b)に示したように、外側パッド部材1212a、内側パッド部材1212b及びカバー部材1212cを有して構成されている。外側パッド部材1212aは略方形枠状に形成されており、その内側空間に平面視で略長方形の内側パッド部材1212cが配置される。カバー部材1212cは、例えば2枚のプラスチックフィルムを用いて構成され、外側パッド部材1212a内に内側パッド部材1212cを配置した上で、内側パッド部材1212cの表面及び裏面を被覆し、外側パッド部材1212aの表面及び裏面にそれぞれ貼着されて配設される。
外側パッド部材1212aは、例えば、板状に形成されたビーズ発泡体から構成することが好ましい。ビーズ発泡体から構成する場合、発泡倍率は25〜50倍の範囲で、厚さがビーズの平均直径以下に形成されていることが好ましい。例えば、30倍発泡のビーズの平均直径が4〜6mm程度の場合では、厚さは3〜5mm程度にスライスカットされたものが好ましい。これにより、外側パッド部材1212aに柔らかな弾性が付与され、例えば着座者の生体信号による微振動に対しても振動しやすくなる。
内側パッド部材1212cは、三次元の布帛、好ましくは、上記の三次元立体編物を用いて構成される。また、内側パッド部材1212cは、外側パッド部材1212aよりも若干厚めのものを用いることが好ましく、カバー部材1212cは、この内側パッド部材1212cの表面に密接するように被覆していること好ましい。これにより、カバー部材1212cを介して伝わる生体信号といった微振動が、内側パッド部材1212cを構成する三次元立体編物の糸、繊維を共振させやすくなる。また、外側パッド部材1212aも、上記のような厚さでスライスカットされて柔らかな弾性が付与されることで、微振動を増幅させやすくなる。よって、本実施形態の緩衝部材1212は、内側パッド部材1212cである三次元立体編物とカバー部材1212cとの間に、図示しないセンサ(マイクロフォンセンサ等)を配置すると、本出願人が特開2011−152242号公報に開示した生体信号検出装置と同様の構成となり、着座者の臀部を介して伝わる生体信号を捕捉して着座者の生体状態の分析に供することができる。
緩衝部材1212は、支持用布帛1211に例えば面ファスナー1213を介して固定できる(図24(b)、図25参照)。面ファスナー1213は、フック側及びループ側の対からなり、一方を緩衝部材1212の対向面に取り付け、他方を支持用布帛1211の対抗面に取り付けて用いられる。固定手段はこれに限定されるものではなく、縫製、接着等を採用することも可能であるが、面ファスナー1213を用いることで、緩衝部材1212の取り付け位置を前後左右に微調整することができる。なお、支持用布帛1211として二次元の布帛又は三次元の布帛を用いることができることは上記第1の実施形態と同様であり、三次元立体編物等の三次元の布帛を用いる場合は、図29(a),(b)に示したように、三次元立体編物からなる支持用布帛1211の両側部に、切り込み12111aを有する二次元の布帛12111と、切り欠き部12112aを有する二次元の布帛12112をそれぞれ縫製等により取り付けて配設する。
本実施形態のランバー用面状支持部材2223は、シートバック用ベース布帛2210の長手方向(上下方向)略中央部以下の長さであって、左右のバック側サイドフレーム211,211間に収まる幅を有する所定面積の板状のランバー用ビーズ発泡体2223aを有している。ランバー用ビーズ発泡体2223aには、図21、図26及び図28に示したように、幅方向中心を挟んだ両側寄りに、2つの略長方形の孔部2223a1が形成されており、この孔部にそれぞれ三次元立体編物2223bが配設されている。また、プラスチックフィルムからなるカバー部材2223cが、三次元立体編物2223bの表面及び裏面を被覆して、ランバー用ビーズ発泡体2223aの表面及び裏面に貼着される。ランバー用面状支持部材2223の構成は、大きさ、三次元立体編物の配置数を除けば、シートクッション100で用いた緩衝部材1212の構成と同じであり、ランバー用ビーズ発泡体2223a、三次元立体編物2223b及びカバー部材2223cの好ましい例は、上記の外側パッド部材1212aを構成するビーズ発泡体、内側パッド部材1212bを構成する三次元立体編物及びカバー部材1212cを構成するプラスチックフィルムと同様である。2枚のカバー部材2223cの間に図示しないセンサ(マイクロフォンセンサ)を配置することで、着座者の背部から生体信号を捕捉することが可能となる。
ランバー用面状支持部材2223は、シートバック用ベース布帛2210とランバー支持用布帛2221との間に配設される(図21及び図23参照)。従って、ランバー用コイルスプリング2222の復元力の作用により、ランバー支持用布帛2221を前方に付勢されるため、その前方に位置するランバー用面状支持部材2223も前方に付勢される。それにより、着座者の腰部付近が所定の支持圧で支持される。この点は上記第2の実施形態と同様であるが、本実施形態では、さらに、シートクッション100で用いた緩衝部材1212と同様に、ランバー用ビーズ発泡体2223a、三次元立体編物2223bを有するため、上記したように、人の筋肉の荷重特性と同様の特性を有することになり、フィット感の増加、姿勢支持性の向上等を図ることができる。なお、シートバック用ベース布帛2210として三次元立体編物等の三次元の布帛を用いる場合には、上記第1の実施形態と同様、各側縁部に二次元の布帛22121,22122を縫製等により取り付け、これらを介して、左右のバック側サイドフレーム211,211に係合する(図9参照)。
また、図30に示したように、第3の実施形態においても着座者の荷重かかかると、コイルスプリング1220,1220が下方に変位し、左右の緩衝部材1212,1212が中心方向に引き込まれ、それにより、コイルスプリング1220,1220には復元力が作用する。しかし、第3の実施形態では、図31に示したように、緩衝部材1212,1212が、三次元立体編物からなる内側パッド部材1212bのみではなく、その周囲にビーズ発泡体からなる外側パッド部材1212aが配設され、それらが上下のカバー部材1212c,1212cにより一体化されており、さらに、上下のカバー部材1212c,1212c間には空気層が形成されている。このため、三次元立体編物の人の筋肉に近似した特性に加え、空気層による緩衝機能が作用し、座骨結節を中心にかかる荷重を上記実施形態よりもさらに効率的に分散し、緩和することができる。また、外側パッド部材1212aをビーズ発泡体から構成することにより、着座者の臀部がビーズ発泡体の固い剛性面で支持されるため、中央に配置したコイルスプリング1220,1220の異物感が着座者に伝わることを抑制できる。
また、図23、図24、図30、図31等に示したように、左右のベース支持部1210,1210は、支持用布帛1211,1211の各外側部1211c,1211cが左右のクッション側サイドフレーム111,111に係合支持され、また、前部帯状部材1231及び後部帯状部材1232により前縁フレーム112及び後縁フレーム113に支持されている。従って、着座者の体重は、クッションフレーム110に反力としてかかっており、分布荷重に対するばね力と摩擦力のバランスで、高周波入力に対しては逆位相により、着座者に戻ってくる加速度を軽減する。すなわち、前部帯状部材1231と後部帯状部材1232を連結するコイルスプリングからなる連結用弾性部材1233、並びに、左右の支持用布帛1211,1211同士を連結すると共に上下方向にも変位可能な幅方向中央付近に配置された複数本のコイルスプリング1220,1220により、前後方向、左右方向及び上下方向のいずれの入力に対してもばね力が作用する。また、支持用布帛1211に、緩衝部材1212として外側パッド部材1212a、内側パッド部材1212b及びカバー部材1212c等が積層されており、それらの間でも振動により僅かであっても変位が生じ摩擦力による減衰が生じる。これらのばね力と摩擦力によって高周波入力に対しては逆位相により加速度を軽減する。一方、低周波入力は、クッションフレーム110に支持された張力構造物であるこれらの支持用布帛1211、緩衝部材1212、コイルスプリング1220、前部帯状部材1231、後部帯状部材1232、連結用弾性部材1233等を動かすためのエネルギーとなり、摩擦熱に変換されて減衰される。なお、これらの作用は、他の実施形態でも同様であるが、支持用布帛1211等の張力構造物を構成する部材の積層数が増えるほど、振動吸収特性は減衰が強い特性となる。
次に、第3の実施形態の乗物用シート1C(試験例3)と上記の第1の実施形態で使用した比較例のシートを一軸加振機上にセットし、体重71kgの被験者が着座した状態で、ピーク間振幅2mm、ログスイープ:0.5〜15Hzで加振した振動実験を行った。図32はその結果を示したグラフである。
図32に示したように、試験例3は共振周波数が内臓共振周波数より低い5Hz未満となっている。この点は比較例も同様であるが、7Hz以上の高周波領域では、試験例3の方の振動伝達率が1以下となっており、比較例よりも振動伝達特性の点で優れている。
(第4の実施形態)
図33〜図37は、本発明の第4の実施形態に係る乗物用シート1Dを説明するための図である。第4の実施形態では、ランバーサポート2220を、第3の実施形態のランバー用面状支持部材2223を採用しない構造、すなわち、ランバー支持布帛2221と、該ランバー支持布帛2221をバックフレーム210に支持するランバー用コイルスプリング2222とから構成している。すなわち、第4の実施形態のランバーサポート2220は、第1の実施形態のランバーサポート2220と同じ構造である。また、このランバーサポート2220の前面に位置するように、シートバック用ベース布帛2210がバックフレーム210に支持される点も第1の実施形態と同様である。
図33〜図37は、本発明の第4の実施形態に係る乗物用シート1Dを説明するための図である。第4の実施形態では、ランバーサポート2220を、第3の実施形態のランバー用面状支持部材2223を採用しない構造、すなわち、ランバー支持布帛2221と、該ランバー支持布帛2221をバックフレーム210に支持するランバー用コイルスプリング2222とから構成している。すなわち、第4の実施形態のランバーサポート2220は、第1の実施形態のランバーサポート2220と同じ構造である。また、このランバーサポート2220の前面に位置するように、シートバック用ベース布帛2210がバックフレーム210に支持される点も第1の実施形態と同様である。
但し、本実施形態では、シートバック用ベース布帛2210の前面であって、バック用クッション層230との間に、シートバック用面状支持部材2230を新たに配置している。上記の点を除くその他の構造は、第3の実施形態に係る乗物用シート1Cと全く同じ構造であり、それらの詳細については割愛する。なお、図33〜図37において、第3の実施形態と同じ部材ついては同じ記号を付している。
本実施形態で採用したシートバック用面状支持部材2230は、シートバック用ベース布帛2210とランバーサポート2220を備えて構成されている。シートバック用面状支持部材2230の上下方向に沿った長さは、シートバック用ベース布帛2210とほぼ同じであり、ヘッドレスト補助フレーム212bと下部フレーム 213との距離にほぼ相当する長さを有している。幅は、左右のバック側サイドフレーム211,211間の距離に相当する幅を有するシートバック用ベース布帛2210よりも狭い寸法で形成されている。すなわち、シートバック用面状支持部材2230は、シートバック200とシートクッション100の境界付近からヘッドレストフレーム212の下部に位置するヘッドレスト補助フレーム212bまでの範囲を覆う面積を有しており、ランバーサポート2220により支持する範囲を含め、着座者の骨盤から背上部に至るまで広く支持する。
シートバック用面状支持部材2230の構造は、第3の実施形態で用いたランバー用面状支持部材2223と寸法以外は同じである。具体的には、シートバック用ビーズ発泡体2231、三次元立体編物2232、及びカバー部材2233を有して構成されている。シートバック用ビーズ発泡体2231は、上記のように、着座者の骨盤から背上部に至る範囲の面積を有している。図35に示したように、側面から見て、胸部付近は後方にやや湾曲し、ランバーサポート2220に対応する部位は前方に湾曲するようにゆるいS字曲線を描く形状となっており、着座者の背へのフィット感が高い。これにより、シートバック用面状支持部材2230自体の着座者への異物感、当たり感が軽減される。また、図36及び図37に示したように、シートバック用ビーズ発泡体2231のうち、ランバーサポート2220に対応する位置においては、幅方向中心を挟んだ両側寄りに、2つの略長方形の孔部2231a,2231aが形成されており、この孔部にそれぞれ三次元立体編物2232が配設されている。カバー部材2233は、プラスチックフィルムからなり、三次元立体編物2232の表面及び裏面を被覆して、シートバック用ビーズ発泡体2231の表面及び裏面に貼着される。カバー部材2233がシートバック用ビーズ発泡体2231に積層されることにより、シートバック用ビーズ発泡体2231を大きく曲げるような力加わっても、破断を抑制できる。この点は、上記の第3の実施形態におけるランバー用面状支持部材2223でも同様である。
本実施形態によれば、シートバック用面状支持部材2230がシートバック用ベース布帛2210とほぼ同じ大きさを備えているため、着座者の背を、骨盤上部から背上部(肩付近)までの支持力が上記各実施形態よりも高くなる。特に、ランバーサポート2220より上部の範囲では、シートバック用面状支持部材2230が存在するため、より高い減衰特性を発揮できる。
また、着座者の腰部に対応する範囲に限ると、ランバーサポート2220だけでなく、その前面には、カバー部材2232間に配置された三次元立体編物2232を備え、カバー部材2232間には空気層も形成されているため、三次元立体編物2232及び空気層による弾性が作用する点では、第3の実施形態のランバー用面状支持部材2223と同様であり、特に、着座者の体側寄りの範囲における荷重分散性が高く、フィット感の増加、姿勢支持性の向上等を図ることができる。
その一方、三次元立体編物2232及びカバー部材2233を備えたシートバック用面状支持部材2230が、第3の実施形態のランバー用面状支持部材2223よりも、シートバック用クッション層230の近い位置に配設されているため、生体信号を検出するためのセンサ(マイクロフォンセンサ)を配置した場合の検出感度が高いという利点も有する。
ここで、第4の実施形態に係る乗物用シート1Dについて、振動特性、過渡応答特性について実験を行った。なお、上記のように、シートクッション100においては、コイルスプリング1220,1220を有することにより、その動きと座面上の着座者の動きとの一体感が高い。外部から入力される振動に対しては、コイルスプリング1220,1220の運動が逆位相になって減衰されるが、着座者との一体感が高いため、着座者に伝わる振動も同様に減衰される。また、緩衝部材1212は、三次元立体編物を用いることにより、違和感が小さく、フィット感の増加、姿勢支持性の向上等を図ることができる。三次元立体編物は、上記のように人の筋肉の特性に近い特性を有しているため、座骨にかかる圧力の緩和効果が高い。また、腰部付近は、ランバーサポート2220のランバー用コイルスプリング2222の弾性により、シートバック200の中ではばね特性が相対的に高くなっている。これにより、シートクッション100の高いばね特性との相乗作用により、着座者の臀部から腰部にかけての範囲は、乗物用シート1Dとの一体感が高くなる。すなわち、乗物用シート1Dは、ヒステリシスロスの少ないばね系(コイルスプリング)を用いて変位追従性を保ち、人の筋肉の荷重−たわみ特性と近似し、人の体重を支える面剛性を備えた三次元の布帛好ましくは三次元立体編物を用いた構造とすることで、上下方向入力を水平方向の力に変換し、それにより外力が人に返ることを抑制するという非反発特性を有している。この点は、上記第1〜第3の実施形態でも同様である。
すなわち、非反発特性の構造とするためには、シートクッション用クッション層130及びシートバック用クッション層230がクッションフレーム及びバックフレームにそれぞれ張設された張設構造で、それらを構成するパッド及び表皮材(三次元立体編物等)が柔らかい層を構成し、三次元立体編物等からなる内側パッド部材1212b及び好ましくはビーズ発泡体を備えてなる外側パッド部材1212a等、あるいは、ランバーサポート2220等が、動きながら人を支える座面を形成し、これらがコイルスプリング1220,2222等を介してクッションフレーム又はバックフレームに設けられることで、変位追従性と振動吸収性とを創出する構造となっている。そして、これらの特性を位相遅れなく発揮するために、クッションフレーム及びバックフレームの剛性は高いことが望ましい。
図38は、国産車及び欧州車のSUV車に用いられたシートのバックフレームと、後述する実験で用いた第4の実施形態に係る乗物用シート1Dのバックフレームとして採用した高剛性フレームとの剛性を比較したグラフである。剛性計測は、ヒップポイント(H.P.)から403.4mmの高さにあるバックフレーム上の点に500Nの荷重を負荷した際の変位を測定することにより行った。高剛性フレームは特に前後方向の剛性が高くなっている。この高剛性フレームをバックフレームとして採用し、第4の実施形態に係る各構成部材を装備させ、実験を行った。
(実験例)
共振実験及び過渡応答特性について実験を行った。共振実験は、振幅2mmp−p(ピーク間)のサイン波をログスイープさせ、0.5〜15Hzの範囲で行う。過渡応答特性について実験は、2Hz、加速度0.5Gp−pの励振波を用いて行う。各実験は、被験者を着座させた状態で尻下の上下方向加速度を計測する。加振機は、共振実験ではデルタツーリング株式会社製の1軸加振機を用い、過渡応答性についての実験は、デルタツーリング株式会社製の6軸加振機を用いる。加速度計は、リオン社製座席用加速度ピックアップPV−62、プラットフォーム上加速度はリオン社製加速度ピックアップPV−85を用いる。被験者は、20〜50歳代までの健常な男性4名である。被験者の体重は50〜80kgfの範囲であり、身長は150〜180cmの範囲である。
共振実験及び過渡応答特性について実験を行った。共振実験は、振幅2mmp−p(ピーク間)のサイン波をログスイープさせ、0.5〜15Hzの範囲で行う。過渡応答特性について実験は、2Hz、加速度0.5Gp−pの励振波を用いて行う。各実験は、被験者を着座させた状態で尻下の上下方向加速度を計測する。加振機は、共振実験ではデルタツーリング株式会社製の1軸加振機を用い、過渡応答性についての実験は、デルタツーリング株式会社製の6軸加振機を用いる。加速度計は、リオン社製座席用加速度ピックアップPV−62、プラットフォーム上加速度はリオン社製加速度ピックアップPV−85を用いる。被験者は、20〜50歳代までの健常な男性4名である。被験者の体重は50〜80kgfの範囲であり、身長は150〜180cmの範囲である。
図39(a),(b)は、正弦波励振力に対する共振特性の実験結果である。本実験例で用いた第4の実施形態に係る乗物用シート1D(非反発特性を有する三次元立体編物を用いたシート(非反発系3Dネットシート))の座部の固有振動数は被験者全員が4〜5Hz、ゲインは2.0の近傍にあり(図39(b))、自動車用シートの理想とする共振特性の範囲内にある。また、市販車シートは被験者の体格に依存して共振特性にばらつきが生じているのに対し(図39(a))、非反発系3Dネットシートは体格の影響が少なかった(図39(b))。
図40(a)〜(c)及び図41(a),(b)は、体重60kgfの被験者の過渡応答性の実験結果である。市販車のシートの減衰比ζ=0.133に対して(図41(a))、非反発系3Dネットシートはζ=0.225であった(図41(b))。ここで、v2=k/mの関係から、増大するmに対応するためにはkを大きくする必要がある(vは固有角振動数)。この場合、弾性支持のばねに併用される減衰は大きいほど変位振幅を小さくし得るが、シートに着座している人への伝達率が大きくなるので、振幅と伝達率の両方を考慮して、使用すべき減衰比の適値を求める必要があり、従来、衝撃応答の適値はζ=0.25とされている。非反発系3Dネットシートの減衰比はこれに近いものであった。また、整定時間は、ばね性が強い市販車シートに対して0.62secとなり(図40(c))、ブルブル感を知覚し始める5Hz、0.1Gp−pの揺れに対して整定時間を1sec以内とすることができ、市販車シートの1.29sec(図40(b))と比較して約半分の時間とすることができた。
図42(a),(b)は、体重77kgfの被験者の過渡応答性実験結果である。加振機のプラットフォームに対して位相差が20ms近傍と非常に小さくなっており、人車の一体感が作られていると言える。
図43(a),(b)は、体重71kgfの被験者の体圧分布である。図43(a)に示したように、市販車シートでは広範囲で身体と接している。特に背部では、体圧の強弱が小さく、身体にまとわりつくような不快感を与える。図43(b)に示したように、非反発系3Dネットシートでは、脊柱周辺の体側部を中心に身体を支持している。体側支持は、呼吸を楽にする長時間着座に適した支持であり、乗員の疲労の効果的な抑制につながる。
(シートバックの比較実験)
上記のように、本発明の乗物用シートは、シートクッションでは、減衰特性よりもばね特性を重視する一方、シートバックでは、ばね特性よりも減衰特性を重視している。そこで、シートクッションのクッション層の構成は、市販車シートで採用されているウレタン材とし、シートバックの減衰特性を高めることで、乗物用シート全体の減衰特性がどのように変化するかを調べてみた。なお、以下の説明及び図44〜図52において、「Genuine Seat(Gシート)」は市販車(純正)シートのことであり、シートバックのクッション層を構成するバック用ベース層として、図44(a)に示したような、両側が櫛歯状になっている面状ばね部材が採用されてものである。「Remodeling A seat(RAシート)」は、図44(b)に示したように、市販車シートの面状ばね部材の表面を覆う二次元編物を配置し、当該二次元編物の両側をサイドフレームに対して左右5本ずつのコイルばねで支持したものである。「Remodeling B seat(RBシート)」は、図44(c)に示したように、バック用ベース層220として、第4の実施形態と同じ、バックフレーム210に掛け渡されるシートバック用ベース布帛2210と、左右3本ずつのコイルスプリングによりサイドフレームに支持したランバーサポート2220を備えたシートバック用面状支持部材2230を配設したものである。また、いずれのシートも、バック用ベース層上を被覆するシートバック用クッション層230の構成は、上記各実施形態と全て同じ構造とした。
上記のように、本発明の乗物用シートは、シートクッションでは、減衰特性よりもばね特性を重視する一方、シートバックでは、ばね特性よりも減衰特性を重視している。そこで、シートクッションのクッション層の構成は、市販車シートで採用されているウレタン材とし、シートバックの減衰特性を高めることで、乗物用シート全体の減衰特性がどのように変化するかを調べてみた。なお、以下の説明及び図44〜図52において、「Genuine Seat(Gシート)」は市販車(純正)シートのことであり、シートバックのクッション層を構成するバック用ベース層として、図44(a)に示したような、両側が櫛歯状になっている面状ばね部材が採用されてものである。「Remodeling A seat(RAシート)」は、図44(b)に示したように、市販車シートの面状ばね部材の表面を覆う二次元編物を配置し、当該二次元編物の両側をサイドフレームに対して左右5本ずつのコイルばねで支持したものである。「Remodeling B seat(RBシート)」は、図44(c)に示したように、バック用ベース層220として、第4の実施形態と同じ、バックフレーム210に掛け渡されるシートバック用ベース布帛2210と、左右3本ずつのコイルスプリングによりサイドフレームに支持したランバーサポート2220を備えたシートバック用面状支持部材2230を配設したものである。また、いずれのシートも、バック用ベース層上を被覆するシートバック用クッション層230の構成は、上記各実施形態と全て同じ構造とした。
(実験方法)
シート特性を知るために座部、背部の荷重−たわみ特性を計測する。荷重−たわみ特性は(株)島津製作所製オートグラフAG−Xplusを用いる。
減衰比は6.7kgの錘を20mmの高さから自由落下させ、自由減衰波形を計測して求める。変位は(株)キーエンス製レーザー式変位センサLB−01を用いる。
共振実験の被験者は、健常な20〜50歳代の日本人男性4名である。被験者の体重は58kg〜77kgである。加振は、(株)デルタツーリング製の上下方向1軸加振機を用い、加振波形は振幅2mmp−pの正弦波対数掃引波形(0.5〜15Hz)である。加速度センサは、リオン(株)製、圧電式加速度ピックアップPV−85(台上加速度)と座席用振動ピックアップ(3方向)PV−62(被験者臀部加速度)を用いる。
体圧分布は、Tekscan製、体圧分布計測システム(BPMSシステム)を用いて計測する。
シート特性を知るために座部、背部の荷重−たわみ特性を計測する。荷重−たわみ特性は(株)島津製作所製オートグラフAG−Xplusを用いる。
減衰比は6.7kgの錘を20mmの高さから自由落下させ、自由減衰波形を計測して求める。変位は(株)キーエンス製レーザー式変位センサLB−01を用いる。
共振実験の被験者は、健常な20〜50歳代の日本人男性4名である。被験者の体重は58kg〜77kgである。加振は、(株)デルタツーリング製の上下方向1軸加振機を用い、加振波形は振幅2mmp−pの正弦波対数掃引波形(0.5〜15Hz)である。加速度センサは、リオン(株)製、圧電式加速度ピックアップPV−85(台上加速度)と座席用振動ピックアップ(3方向)PV−62(被験者臀部加速度)を用いる。
体圧分布は、Tekscan製、体圧分布計測システム(BPMSシステム)を用いて計測する。
(実験結果と考察)
図45は計測ポイントを示し、C000又はB000は、シートに着座した被験者の骨盤近傍で、C100又はB100は、臀部から大腿部間又は腰部近傍で、C200又はB200は、大腿部近傍又は肩甲骨部近傍である。具体的には、C000又はB000は、シートクッション及びシートバックの交点から100mm前方又は上方に位置し、各ポイント間は面に沿って100mmピッチである。加圧板のサイズは直径200mmである。
図45は計測ポイントを示し、C000又はB000は、シートに着座した被験者の骨盤近傍で、C100又はB100は、臀部から大腿部間又は腰部近傍で、C200又はB200は、大腿部近傍又は肩甲骨部近傍である。具体的には、C000又はB000は、シートクッション及びシートバックの交点から100mm前方又は上方に位置し、各ポイント間は面に沿って100mmピッチである。加圧板のサイズは直径200mmである。
図46(a)は、Gシートの荷重−たわみ特性を示し、図46(b)は、RAシートの荷重−たわみ特性を示し、図46(c)は、RBシートの荷重−たわみ特性を示す。図中のkの値は動ばね定数であり、共振ピークの高さとヒステリシスロスの影響も考慮し、共振周波数付近では振幅±2mmと想定して動ばね定数を算出した。Gシートのシートバックの荷重−たわみ特性は、骨盤及び腰部から胸椎に至るまでほぼ均一の特性となっている。そのため、体の重心位置である第4腰椎近傍の圧力が高くなり、背上部の圧力が小さくなり、腰が押し出されるような圧力分布を示している。一方、RAシートは、荷重−たわみ特性が腰部から背上部にかけて約10mmのたわみ差が生じ、接触面積は増えるが、肩部に抜けが生じるような支持分布となっている。第4の実施形態と同様のシートバックの構成を有するRBシートは、腰部から背上部にかけて約5mmのたわみ差があり、接触面積は増えるが背上部のばね定数が高くなるため、肩部まで均一な支持分布として感じられる。
シートバックのばね定数は、Gシートと比較して、RAシートは若干低く、弱いばね定数となっている。RBシートはRAシートよりも高めのばね定数となっている。RBシートは、シートクッションとシートバックの支持バランスがほぼ均衡し、外力に対して余裕のある荷重−たわみ特性をもつことになる。
図47(a)〜(c)は、6.7kgの錘を、高さ20mmから自由落下させたときの自由減衰波形の一例を示す。図48(a)〜(c)は、図47(a)〜(c)の自由減衰振動より得られたXiとXi+1 の関係を示す。この図から、式:ζ=log(tanθ)/πを用いて減衰比ζを求めた。図49は、Gシート、RAシート及びRBシートのシートバックのB000における減衰比を示す。RBシートは、減衰比ζ=約0.17であり、GシートとRAシートは、いずれも減衰比ζ=約0.14であった。シートクッションのC000における減衰比は、いずれも同じ構成で、減衰比ζ=約0.15であった。よって、第4の実施形態と同様の構成のRBシートのシートバックは、シートクッションよりも減衰比を高くできた。
ここで、シートバックが、シートクッションに与える影響は、シートクッションとシートバックから骨盤に入力される力の合力によって推定できると考えられる。そこで、図50において、Gシート及びRBシートに関し、シートクッションとシートバックの各自由減衰振動を重ね合わせた結果を示す。Gシートは、シートクッションとシートバックがほぼ同一の減衰比となるため、シートクッションとシートバックの位相差により減衰が生じている。一方、RBシートは、骨盤周りに分布するばね特性と腰部から背上部にかけて分布する減衰特性により、体幹の質量を利用してGシートよりも早い段階で減衰が生じていることがわかる。
図51は、体重58kgの被験者Aと体重77kgの被験者Dの体圧分布を示す。どの被験者も同じ傾向を示し、Gシートは接触面積が小さく、RAシート、RBシートの順に接触面積が増加していた。これらの結果からRBシートは、背上部の質量を利用してシートクッションの振動を減衰させやすい構造になっていると言える。
図52は、これらのシートに着座した各被験者の上下方向の振動伝達率を示す。シートクッションの減衰比ζ=0.15及びシートバックの減衰比ζ=0.17の組み合わせを備えたRBシートは、体重58kg〜77kgの被験者の場合、シートクッションの共振周波数が3.0〜4.5Hzの範囲となり、ゲインは1.9〜2.3であった。被験者Aは内臓共振が低減され、被験者Dは内臓から胸部に至る共振が低減されていることを示した。被験者B,Cについては、脊柱の上下動が低減されていることがわかった。被験者により低減部位に差はあるが、RBシートは、Gシートに比べてシートクッションの振動吸収性が改善されているのがわかる。
以上より、シートバックのばね特性と減衰比の分布を変えることにより、シートクッションの減衰比と整定時間を制御でき、シートクッションよりシートバックの減衰比を大きくすることで、脊柱共振、内臓共振及び胸部共振を低減できることがわかった。
1A,1B,1C,1D 乗物用シート
100 シートクッション
110 クッションフレーム
120 シートクッション用ベース層
1210 ベース支持部
1211 支持布帛
1212 緩衝部材
1212a 外側パッド部材
1212b 内側パッド部材
1212c カバー部材
1220 コイルスプリング(ベース支持部用弾性部材)
130 シートクッション用クッション層
200 シートバック
210 バックフレーム
220 バック用ベース層
2210 シートバック用ベース布帛
2220 ランバーサポート
2221 ランバー支持布帛
2222 ランバー用コイルスプリング
2223 ランバー用面状支持材
2223a ランバー用ビーズ発泡体
2223b 三次元立体編物
2223c カバー部材
2230 シートバック用面状支持材
2231 シートバック用ビーズ発泡体
2232 三次元立体編物
2233 カバー部材
230 バック用クッション層
100 シートクッション
110 クッションフレーム
120 シートクッション用ベース層
1210 ベース支持部
1211 支持布帛
1212 緩衝部材
1212a 外側パッド部材
1212b 内側パッド部材
1212c カバー部材
1220 コイルスプリング(ベース支持部用弾性部材)
130 シートクッション用クッション層
200 シートバック
210 バックフレーム
220 バック用ベース層
2210 シートバック用ベース布帛
2220 ランバーサポート
2221 ランバー支持布帛
2222 ランバー用コイルスプリング
2223 ランバー用面状支持材
2223a ランバー用ビーズ発泡体
2223b 三次元立体編物
2223c カバー部材
2230 シートバック用面状支持材
2231 シートバック用ビーズ発泡体
2232 三次元立体編物
2233 カバー部材
230 バック用クッション層
Claims (16)
- 乗物用シートのシートクッションであって、
クッションフレームに支持されるシートクッション用ベース層と、
前記シートクッション用ベース層上に配置されるシートクッション用クッション層と
を有し、
前記シートクッション用ベース層が、
前記クッションフレームの幅方向に相互に間隔をおいて、着座者の左右の座骨結節に相当する位置を含む範囲に設けられる左右のベース支持部を備え、
前記左右のベース支持部同士が、ベース支持部用弾性部材を介して連結されていると共に、前記クッションフレームに可動に支持され、
前記左右のベース支持部が、それぞれ座骨結節に相当する位置を中心として6自由度に運動可能であることを特徴とするシートクッション。 - 乗物用シートのシートクッションであって、
クッションフレームに支持されるシートクッション用ベース層と、
前記シートクッション用ベース層上に配置されるシートクッション用クッション層と
を有し、
前記シートクッション用ベース層が、
前記クッションフレームの幅方向に相互に間隔をおいて、着座者の左右の座骨結節に相当する位置を含む範囲に設けられる左右のベース支持部と、
前記クッションフレームの幅方向中央付近であって、前記左右のベース支持部間に掛け渡され、前記左右のベース支持部を相互に近接させる方向に復元力が作用するベース支持部用弾性部材と
を有することを特徴とするシートクッション。 - 前記ベース支持部用弾性部材が、コイルスプリングからなると共に、前記左右のベース支持部間に、前記クッションフレームの前後方向に沿って複数本配設されている請求項1又は2記載のシートクッション。
- 前記左右のベース支持部は、
前部、後部及び外側部が、前記クッションフレームに支持された支持用布帛と、
前記支持用布帛に積層される緩衝部材と
を備えてなる請求項1〜3のいずれか1に記載のシートクッション。 - 前記緩衝部材が、三次元立体編物を有して構成されている請求項4記載のシートクッション。
- 前記緩衝部材が、略方形枠状の外側パッド部材と、前記外側パッド部材の内側空間に配置される内側パッド部材と、前記内側パッド部材の表面及び裏面を被覆し、前記外側パッド部材の表面及び裏面に貼着されるカバー部材とを有して構成されている請求項5記載のシートクッション。
- 前記外側パッド部材がビーズ発泡体であり、前記内側パッド部材が三次元立体編物である請求項6記載のシートクッション。
- シートクッション及びシートバックを備えた乗物用シートであって、
前記シートクッションとして、請求項1〜7のいずれか1に記載のシートクッションが用いられていることを特徴とする乗物用シート。 - 前記シートバックは、
バックフレームに支持されるシートバック用ベース層と、
前記シートバック用ベース層を被覆して配置されるシートバック用クッション層と
を有し、
前記シートバック用ベース層が、
前記バックフレームの左右のサイドフレーム間に掛け渡されるシートバック用ベース布帛と、
前記バックフレームの上下方向略中央部よりも下方寄りの範囲において、ばね部材を介して弾性的に支持されるランバーサポートと
を有する請求項8記載の乗物用シート。 - 前記シートバック用ベース布帛は、前記ランバーサポートの上下方向長さよりも長く、前記バックフレームの上部寄りに配設されるフレームと下部寄りに配設されるフレームとの間を覆う大きさを有している請求項9記載の乗物用シート。
- 前記ランバーサポートが、
板状のランバー用ビーズ発泡体と、前記ランバー用ビーズ発泡体に形成した孔部に配設される三次元立体編物と、前記三次元立体編物の表面及び裏面を被覆し、前記ランバー用ビーズ発泡体の表面及び裏面に貼着されるカバー部材とを有するランバー用面状支持部材
を備えている請求項9又は10記載の乗物用シート。 - 直径200mmの加圧板を用い、50mm/minの速度で、荷重1000Nまで加圧した際の前記シートクッションの荷重−たわみ特性において、原点、最大変位点及び最大荷重点を結んだ範囲であって、そのうち往路曲線を含む範囲の往路面積(a1)と復路曲線を含む範囲の復路面積(b1)との比率を前記シートクッションの荷重特性面積比(b1/a1)とし、
直径200mmの加圧板を用い、50mm/minの速度で、荷重500Nまで加圧した際の前記シートバックの荷重−たわみ特性において、原点、最大変位点及び最大荷重点を結んだ範囲であって、そのうち往路曲線を含む範囲の往路面積(a2)と復路曲線を含む範囲の復路面積(b2)との比率を前記シートバックの荷重特性面積比(b2/a2)とした場合に、
(b1/a1)>(b2/a2)
の関係を有する請求項9〜11のいずれか1に記載の乗物用シート。 - 前記シートクッションの荷重特性面積比(b1/a1)と前記シートバックの荷重特性面積比(b2/a2)との差が3〜15%の範囲である請求項12記載の乗物用シート。
- 前記シートバックの荷重−たわみ特性の往路曲線における平衡点のばね定数が、15000N/m以上である請求項12又は13記載の乗物用シート。
- 前記シートクッション及び前記シートバックに、それぞれ6.7kgの錘を20mmの高さから落下させた際の自由減衰波形から求めた前記シートクッションの減衰比よりも、前記シートバックの減衰比が大である請求項9〜14のいずれか1に記載の乗物用シート。
- 直径200mmの加圧板を用い、50mm/minの速度で、荷重500Nまで加圧した際の前記シートバックの荷重−たわみ特性において、
前記シートクッション及び前記シートバックの交点から、前記シートバックの上方100mm及び300mmの各測定ポイントにおけるたわみ差が、4mm以上10mm未満である請求項15記載の乗物用シート。
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