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JP2019067712A - 燃料電池システム - Google Patents

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JP2019067712A
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Akio Kitamura
彰男 北村
如伯 平田
Yukinori Hirata
如伯 平田
中村 彰成
Akinari Nakamura
彰成 中村
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Abstract

【課題】浄化器の凍結による課題を解決するための技術を提供する。【解決手段】本開示の燃料電池システム(100)は、燃料電池(13)と、燃料電池(13)の運転に使用される水を貯留するタンク(15,80)と、水を浄化する浄化器(50,70)と、を備えている。浄化器(50)がタンク(15)の内部に配置されている又は浄化器(70)がタンク(80)に接している。燃料電池システム(100)の設置時に浄化器(50)が凍結していたとしても、外部からタンク(15,80)に水が供給されてタンク(15,80)に水が貯留された時点で、水の熱が浄化器(50)に効率的に伝わり、浄化器(50)の凍結を速やかに解消することができる。【選択図】図1

Description

本開示は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応によって電力と熱とを生成するシステムである。一般的な燃料電池システムにおいて、生成された電力は、電力負荷に供給される。電力負荷の例は、照明、空調装置などの電化製品である。生成された熱は、温水として貯湯タンクに貯えられる。温水は、貯湯タンクから熱負荷に供給される。熱負荷の例は、給湯機器、床暖房などの熱利用機器である。
水素ガスを供給するためのインフラストラクチャーが整備されていないため、燃料電池システムは、通常、改質器を備えている。改質器は、改質触媒を用いた水蒸気改質反応によって、原料ガス及び水から水素含有ガスを生成する。原料ガスは、有機化合物を含むガスであり、典型的には、都市ガス又は液化石油ガスである。
改質器の劣化を抑制するために、燃料電池システムは、改質器に供給されるべき水を浄化するための浄化器を備えていることがある。例えば、Na+、Ca2+、Mg2+などの金属イオンを多く含む水が改質器に供給され続けると、改質器の内部にスケールが堆積して流路が閉塞するおそれがある。
特許文献1には、活性炭フィルタ、逆浸透膜及びイオン交換樹脂を備えた燃料電池装置が記載されている。水道水などの水は、活性炭フィルタ及び逆浸透膜において浄化され、水タンクに貯えられる。水蒸気改質反応に必要な量に応じて、イオン交換樹脂を経由して、水タンクから改質器に水が供給される。
特開2008−135271号公報
燃料電池システムを家庭、公共施設又は商業施設に設置する際、周囲温度が0℃を下回り、浄化器が凍結していることがある。浄化器が凍結していると、改質器に水を供給することができず、燃料電池システムを運転することができない。周囲温度が所定温度を下回った場合を想定して、燃料電池システムがヒータを備えていることがある。ヒータによって浄化器の周囲を加熱すれば、凍結を解消することができる。しかし、ヒータは、燃料電池システムの消費電力及びコストを増加させる。あるいは、作業者がドライヤなどの加熱手段で浄化器を加熱して凍結を解消させることもある。このことは、燃料電池システムの設置の際の作業効率を大幅に低下させる。
本開示の目的は、浄化器の凍結による課題を解決するための技術を提供することにある。
本開示は、
燃料電池と、
前記燃料電池の運転に使用される水を貯留するタンクと、
前記水を浄化する浄化器と、
を備え、
前記浄化器が前記タンクの内部に配置されている又は前記浄化器が前記タンクに接している、燃料電池システムを提供する。
本開示の技術によれば、浄化器の凍結による課題を解決できる。
図1は、本開示の一実施形態にかかる燃料電池システムの構成図である。 図2は、第1タンクの断面図である。 図3は、変形例1にかかる第1タンク及び浄化器の断面図である。 図4は、変形例2にかかる第2タンクの構成図である。 図5は、変形例3にかかる燃料電池システムの構成図である。 図6は、変形例4にかかる燃料電池システムの構成図である。 図7は、変形例5にかかる燃料電池システムの構成図である。
(本開示の基礎となった知見)
燃料電池システムの出荷前において、燃料電池システムを正常に運転できるかどうかを確かめるための検査が工場で行われる。検査後、燃料電池システムは、家庭、公共施設、商業施設などの所定の設置場所へと運搬される。このとき、浄化器に水が残存し、凍結の原因となる。短時間で浄化器から水を完全に除去することは難しい。
燃料電池システムにおいて、水の用途は様々である。水は、例えば、水素ガスの原料として改質器に供給されたり、燃料電池の冷却に使用されたり、酸化剤ガスの加湿に使用されたり、燃料ガスの加湿に使用されたりする。
本開示の第1態様にかかる燃料電池システムは、
燃料電池と、
前記燃料電池の運転に使用される水を貯留するタンクと、
前記水を浄化する浄化器と、
を備え、
前記浄化器が前記タンクの内部に配置されている又は前記浄化器が前記タンクに接している。
第1態様によれば、燃料電池システムの設置時に浄化器が凍結していたとしても、外部からタンクに水が供給されてタンクに水が貯留された時点で、水の熱が浄化器に効率的に伝わり、浄化器の凍結を速やかに解消することができる。これにより、必要な場所に水を供給することが可能となり、燃料電池システムを運転することが可能となる。タンクに供給された水の温度は0℃よりも高いので、周囲温度が0℃未満であったとしても、上記の効果が得られる。ドライヤなどの加熱手段で浄化器を加熱して凍結を解消させる必要がないので、燃料電池システムの設置の際の作業効率が向上する。凍結を解消するためのヒータが必須とされないので、燃料電池システムのコストを低減することができる。
本開示の第2態様において、例えば、第1態様にかかる燃料電池システムの前記浄化器が前記タンクの内部に配置されており、前記タンクは、前記水を貯留する部分である本体部と、前記浄化器を収容する部分である収容部と、前記本体部と前記収容部とを仕切る隔壁と、を有する。このような構成によれば、浄化器が凍結して水が収容部に流入できない場合においても、隔壁を通じて、本体部に貯留された水から収容部に配置された浄化器に水の持つ熱が伝わる。これにより、浄化器の凍結を速やかに解消することができる。
本開示の第3態様において、例えば、第2態様にかかる燃料電池システムでは、前記隔壁の下端と前記タンクの底面との間に隙間が存在し、前記本体部の一部が前記収容部の下方まで延びている。このような構成によれば、本体部に貯留された水が本体部から収容部にスムーズに移動できる。また、本体部から収容部への水経路の断面積を十分に確保することができる。水の熱が外気に奪われにくく、水経路の水の熱を収容部に効率的に与えることができる。
本開示の第4態様において、例えば、第1〜第3態様のいずれか1つにかかる燃料電池システムの前記タンクは、前記タンクにおける水位が規定の水位を超えたときに余剰の前記水を前記燃料電池システムの外部に排出するための排出口を有し、前記規定の水位が前記浄化器の上端よりも上に位置している。このような構成によれば、浄化器のどの部分が凍結していたとしても、水の熱を凍結した部分に効率的に与えることができる。
本開示の第5態様において、例えば、第1態様にかかる燃料電池システムの前記浄化器は、容器と、前記容器に収容された浄化エレメントとを含み、前記容器の外周面が前記タンクの外周面に接している。このような構成によれば、タンクに貯留された水の熱が浄化器に効率的に伝わり、浄化器の凍結を速やかに解消することができる。
本開示の第6態様において、例えば、第5態様にかかる燃料電池システムでは、前記容器の前記外周面が前記タンクの前記外周面に沿っている。このような構成によれば、伝熱面積を十分に確保することができるので、タンクに貯留された水の熱が浄化器に効率的に伝わり、浄化器の凍結を速やかに解消することができる。
本開示の第7態様において、例えば、第5又は第6態様にかかる燃料電池システムの前記タンクは、前記タンクにおける水位が規定の水位を超えたときに余剰の前記水を前記燃料電池システムの外部に排出するための排出口を有し、前記規定の水位が前記浄化エレメントの上端よりも上に位置している。このような構成によれば、浄化エレメントのどの部分が凍結していたとしても、水の熱を凍結した部分に効率的に与えることができる。
本開示の第8態様において、例えば、第1〜第7態様のいずれか1つにかかる燃料電池システムは、前記燃料電池のカソードに接続されたカソードオフガス経路と、前記カソードオフガス経路から分岐して前記タンクに接続された凝縮水経路と、をさらに備え、前記タンクは、カソードオフガスから生成した凝縮水を貯留する凝縮水タンクである。このような構成によれば、外部から水を補給することなく、必要な場所に水を供給し続けることが可能である。燃料電池から排出された凝縮水に不純物は殆ど含まれていないので、浄化器の寿命も延びる。
本開示の第9態様において、例えば、第1〜第8態様のいずれか1つにかかる燃料電池システムは、前記燃料電池に供給されるべき水素ガスを生成する改質器をさらに備え、前記水は、前記浄化器を通って前記タンクから前記改質器に供給され、前記改質器において前記水素ガスの生成に使用される。このような構成によれば、浄化された水を改質器に供給できるので、スケールが改質器に堆積することを防止できる。
本開示の第10態様において、例えば、第1〜第9態様のいずれか1つにかかる燃料電池システムでは、前記水は、前記燃料電池の冷却水である。浄化された水によって燃料電池を冷却できるので、燃料電池の内部にスケールが堆積することを防止できる。
本開示の第11態様において、例えば、第1〜第10態様のいずれか1つにかかる燃料電池システムは、前記燃料電池に供給されるべき燃料ガスを加湿する加湿器をさらに備え、前記水は、前記浄化器を通って前記タンクから前記加湿器に供給される。第11態様によれば、加湿器の内部にスケールが堆積することを防止できる。
本開示の第12態様において、例えば、第1〜第11態様のいずれか1つにかかる燃料電池システムは、前記燃料電池に供給されるべき酸化剤ガスを加湿する加湿器をさらに備え、前記水は、前記浄化器を通って前記タンクから前記加湿器に供給される。第11態様によれば、加湿器の内部にスケールが堆積することを防止できる。
本開示の第13態様において、例えば、第1〜第12態様のいずれか1つにかかる燃料電池システムは、前記浄化器を通じて、前記タンクに貯留された前記水を汲み上げるポンプをさらに備え、前記燃料電池システムの設置時において、前記タンクに所定量の前記水が貯留されたのちに前記ポンプが起動される。第13態様によれば、燃料電池システムを速やかに起動することが可能となる。
本開示の第14態様において、例えば、第1〜第12態様のいずれか1つにかかる燃料電池システムは、前記浄化器を通じて、前記タンクに貯留された前記水を汲み上げるポンプをさらに備え、前記燃料電池システムの設置時において、前記タンクへの前記水の供給が開始された時点から所定時間経過後、前記ポンプが起動される。第14態様によれば、燃料電池システムを速やかに起動することが可能となる。
本開示の第15態様において、例えば、第13又は第14態様にかかる燃料電池システムは、前記タンクに貯留された前記水の温度を検出する温度センサをさらに備え、前記温度センサによって検出された前記水の温度に基づいて前記ポンプが起動される。水の温度が低いと、浄化器の解凍に時間がかかる。そのため、ポンプによって水の流れを作り、解凍を促進することが有効である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。
図1に示すように、本開示の一実施形態にかかる燃料電池システム100は、改質器11及び燃料電池13を備えている。改質器11は、例えば、水蒸気改質反応(CH4+H2O→CO+3H2)などの改質反応によって水素ガスを生成するための機器である。改質器11には、改質反応を進行させるための改質触媒が収められている。改質器11には、一酸化炭素を除去するための触媒も収められている。一酸化炭素を除去するための触媒には、CO変成触媒及びCO選択酸化除去触媒が含まれる。改質器11は、水及び原料ガスを用いて、水素ガスを生成する。原料ガスは、例えば、都市ガス、液化石油ガスなどの炭化水素ガスである。改質器11で生成された水素ガスが燃料電池13に供給される。燃料電池13は、酸化剤ガスと水素ガスとを用いて電力を生成する。燃料電池13は、例えば、固体高分子形燃料電池又は固体酸化物形燃料電池である。燃料電池13の排熱によって湯が生成される。生成された湯は貯湯タンクに貯められる。
燃料電池システム100は、さらに、燃料ガス供給経路12、酸化剤ガス供給経路14、アノードオフガス経路16及びカソードオフガス経路18を備えている。燃料ガス供給経路12は、改質器11から燃料電池13に水素ガスを供給するための流路である。燃料ガス供給経路12は、改質器11と燃料電池13のアノードガス入口とを接続している。酸化剤ガス供給経路14は、燃料電池13のカソードに酸化剤ガスとしての空気を供給するための流路である。酸化剤ガス供給経路14には、空気供給器20が設けられている。空気供給器20は、燃料電池13に空気を供給するためのデバイスである。空気供給器20の例として、ファン、ブロワなどが挙げられる。酸化剤ガス供給経路14には、加湿器、弁などの他の機器が配置されていてもよい。アノードオフガス経路16は、未反応の水素ガス及び未反応の原料ガスを燃料電池13のアノードから排出するための流路である。アノードオフガス経路16は、燃料電池13のアノードガス出口と改質器11の内部に配置された燃焼器22とを接続している。未反応の水素ガス及び未反応の原料ガスは、アノードオフガス経路16を通じて、燃焼器22に供給される。カソードオフガス経路18は、未反応の酸化剤ガスを燃料電池13のカソードから排出するための流路である。カソードオフガス経路18は、燃料電池13のカソードガス出口に接続されており、例えば、燃料電池システム100の筐体の外部まで延びている。
燃料電池システム100は、さらに、第1タンク15及び浄化器50を備えている。第1タンク15は、燃料電池13の運転に使用される水を貯留するタンクである。本実施形態において、第1タンク15は、改質器11に供給されるべき水を貯留するタンクである。浄化器50は、水を浄化するための部材である。水は、浄化器50を通って第1タンク15から改質器11に供給され、改質器11において水素ガスの生成に使用される。このような構成によれば、浄化された水を改質器11に供給できるので、スケールが改質器11に堆積することを防止できる。
燃料電池システム100は、さらに、第1水経路17及び第2水経路19を備えている。第1水経路17は、第1タンク15から改質器11まで延びている流路である。第2水経路19は、所定の分岐位置BPにおいて第1水経路17から分岐し、第1タンク15まで延びている流路である。
第1タンク15には、温度センサ21(第1温度センサ)が設けられている。温度センサ21は、第1タンク15の内部に配置されており、第1タンク15に貯留された水の温度を検出する。温度センサ21は、例えば、サーミスタを利用した温度センサ又は熱電対を利用した温度センサである。第1タンク15には、カソードオフガスから生じた凝縮水及び燃焼排ガスから生じた凝縮水が集められ、貯留される。余分な水は、第1タンク15から溢れ、例えば、燃料電池システム100の筐体の外部に排出される。
浄化器50は、第1タンク15の内部に配置されている。浄化器50において浄化された水(純水)が第1水経路17を通じて改質器11に供給される。浄化器50は、イオン交換樹脂、活性炭、抗菌材及び浸透膜から選ばれる少なくとも1つを含む。浄化器50は、典型的には、イオン交換樹脂を含む。イオン交換樹脂は、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂又はその両方である。イオン交換樹脂の形状は、粒子状であってもよく、繊維状であってもよい。繊維状のイオン交換樹脂は、薄膜の形状に成形されていてもよい。
第1水経路17には、ポンプ25及び第1開閉弁27が設けられている。ポンプ25は、第1タンク15と分岐位置BPとの間に位置している。ポンプ25は、浄化器50を通じて、第1タンク15に貯留された水を汲み上げる。ポンプ25は、第1タンク15の水を改質器11に供給する役割を担っている。第1開閉弁27は、分岐位置BPと改質器11との間に位置している。第1開閉弁27を開くと改質器11への水の供給が許可され、第1開閉弁27を閉じると改質器11への水の供給が禁止される。ポンプ25は、例えば、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ギヤポンプ、ベーンポンプなどの容積式ポンプである。第1開閉弁27は、例えば、電磁弁である。
第2水経路19は、上流部分191、下流部分193及び第2タンク195を有する。上流部分191は、分岐位置BPに接続された一端と第2タンク195に接続された他端とを有する。下流部分193は、第2タンク195に接続された一端と第1タンク15に接続された他端とを有する。第2タンク195には、燃料電池13を冷却するための水が貯留されている。第2タンク195における水位が規定の水位を超えると、第2タンク195から水が溢れ、下流部分193を通じて第1タンク15に移動する。
第2タンク195には、ヒータ29が設けられている。ヒータ29は、第2タンク195の内部に配置されており、第2タンク195に貯留された水を必要に応じて加熱する。ヒータ29によって第2タンク195の水温を速やかに上昇させることができる。ヒータ29は、例えば、抵抗加熱式の電気ヒータである。本実施形態において、第2タンク195は第2水経路19の一部である。したがって、ヒータ29は、第2水経路19に設けられている。
第2タンク195には、さらに、温度センサ23が設けられている。温度センサ23は、第2タンク195の内部に配置されており、第2タンク195に貯留された水の温度を検出する。温度センサ23も、例えば、サーミスタを利用した温度センサ又は熱電対を利用した温度センサである。ヒータ29は、例えば、第2タンク195の水温が所定の温度範囲に収まるようにオンオフ制御される。「所定の温度範囲」は特に限定されず、燃料電池13の能力、第2タンク195の容量などに応じて決められる。
第2水経路19には、第2開閉弁28が設けられている。第2開閉弁28は、詳細には、第2水経路19の上流部分191に設けられており、分岐位置BPとヒータ29を内蔵した第2タンク195との間に位置している。第2開閉弁28も、例えば、電磁弁である。
本実施形態において、第1タンク15、第1水経路17の一部及び第2水経路19は、循環回路を形成している。第1開閉弁27を閉じ、第2開閉弁28を開き、ポンプ25を作動させると、第1タンク15の水が循環回路を循環する。第1開閉弁27を開き、第2開閉弁28を閉じ、ポンプ25を作動させると、第1タンク15の水が改質器11に供給される。
燃料電池システム100は、凝縮水経路24をさらに備えている。凝縮水経路24は、カソードオフガス経路18から分岐して第1タンク15に接続されている。本実施形態において、凝縮水経路24は、第2水経路19の下流部分193を介して、第1タンク15に接続されている。カソードオフガスから生成した凝縮水は、凝縮水経路24及び第2水経路19の下流部分193を通じて、第1タンク15に導かれる。凝縮水経路24は、第1タンク15に直接接続されていてもよい。第1タンク15は、凝縮水を貯留する凝縮水タンクである。このような構成によれば、外部から水を補給することなく、改質器11に水を供給し続けることが可能である。燃料電池13から排出された凝縮水に不純物は殆ど含まれていないので、浄化器50の寿命も延びる。
燃料電池システム100は、さらに、冷却水回路31、熱交換器33及び熱回収水路35を備えている。冷却水回路31は、第2タンク195と燃料電池13との間で水を循環させるための流路である。冷却水回路31によって、燃料電池13を効率的に冷却できるとともに、燃料電池13の排熱を温水の形で燃料電池13の外部に取り出すことができる。冷却水回路31は、送り経路311及び戻し経路312を有する。送り経路311及び戻し経路312は、それぞれ、燃料電池13と第2タンク195とを接続している。送り経路311を通じて、第2タンク195の水が冷却水として燃料電池13に供給される。戻し経路312を通じて、燃料電池13から第2タンク195に水が戻される。
冷却水回路31には、ポンプ37が設けられている。本実施形態では、ポンプ37は、冷却水回路31の送り経路311に配置されている。ポンプ37は、戻し経路312に配置されていてもよい。先に説明した容積式ポンプの1つをポンプ37として使用できる。
熱交換器33は、冷却水回路31に配置されている。本実施形態では、熱交換器33は、冷却水回路31の送り経路311に配置されている。熱交換器33は、例えば、二重管式熱交換器、プレート式熱交換器などの液−液熱交換器である。
熱回収水路35は、燃料電池13の排熱を回収するための流路である。熱回収水路35は、送り経路351及び戻し経路352を含む。送り経路351及び戻し経路352は、それぞれ、熱交換器33に接続されている。送り経路351は、熱回収水路35の上流部分を構成している。戻し経路352は、熱回収水路35の下流部分を構成している。戻し経路352は、熱交換器33において加熱された水を貯湯タンク(図示せず)に導くための流路である。送り経路351は、熱交換器33において加熱されるべき水を熱交換器33に導くための流路である。熱交換器33は、熱回収水路35を流れる水と冷却水回路31を流れる水とを熱交換させるように構成されている。つまり、熱交換器33は、冷却水回路31の冷却水の熱によって貯湯タンク(図示省略)に貯められるべき水を加熱する役割を担っている。
熱回収水路35には、ポンプ39が設けられている。本実施形態では、ポンプ39は、熱回収水路35の送り経路351に配置されている。ポンプ39は、戻し経路352に配置されていてもよい。先に説明した容積式ポンプの1つをポンプ39として使用できる。
燃料電池システム100は、さらに、給水路36及び開閉弁38を備えている。開閉弁38は、給水路36に配置されている。給水路36は、第2タンク195に水を供給するための経路である。本実施形態において、給水路36は、熱回収水路35から分岐して第2タンク195に接続されている。詳細には、給水路36は、ポンプ39と熱交換器33との間において熱回収水路35の送り経路351から分岐している。開閉弁38を開き、熱回収水路35に水を流すと、給水路36を通じて第2タンク195に水が供給される。開閉弁38を閉じると、第2タンク195への水の供給が遮断される。第2タンク195に供給される水は、例えば市水である。市水の供給圧力又はポンプ39の働きによって、水が第2タンク195に供給される。
燃料電池システム100は、さらに、温度センサ45(第2温度センサ)を備えている。温度センサ45は、燃料電池システム100の周囲温度を検出する。温度センサ45は、例えば、燃料電池システム100の筐体の内部に配置されている。温度センサ45によって検出された周囲温度に応じて、各経路における水の凍結を防止するための処理が実行される。例えば、燃料電池13で発電が行われていない期間において、温度センサ45によって検出された周囲温度が所定温度を下回った場合、ヒータ29で水を加熱しながら循環回路に水を循環させる。
燃料電池システム100は、さらに、制御器41を備えている。制御器41は、例えば、A/D変換回路、入出力回路、演算回路、記憶装置などを含むDSP(Digital Signal Processor)である。温度センサ21,23及び45の検出信号が制御器41に入力される。制御器41には、流量計、ガスセンサなどの他の計測機器(図示省略)からも検出信号が入力される。制御器41は、温度センサ、流量計、ガスセンサなどの計測機器の計測結果に基づき、ポンプ25、第1開閉弁27、ヒータ29、第2開閉弁28、ポンプ37などの制御対象を制御する。制御器41には、燃料電池システム100を適切に運転するためのプログラムが格納されている。
本実施形態において、各流路は、少なくとも1つの配管によって構成されている。配管は、ステンレス管などの金属配管であってもよいし、樹脂配管であってもよい。
次に、第1タンク15の構造を詳しく説明する。
本実施形態において、浄化器50は、第1タンク15の内部に配置されている。燃料電池システム100の設置時に浄化器50が凍結していたとしても、外部から第1タンク15に水が供給されて第1タンク15に水が貯留された時点で、水の熱が浄化器50に効率的に伝わり、浄化器50の凍結を速やかに解消することができる。これにより、改質器11に水を供給することが可能となり、燃料電池システム100を運転することが可能となる。第1タンク15に供給された水の温度は0℃よりも高いので、周囲温度が0℃未満であったとしても、上記の効果が得られる。ドライヤなどの加熱手段で浄化器50を加熱して凍結を解消させる必要がないので、燃料電池システム100の設置の際の作業効率が向上する。凍結を解消するためのヒータが必須とされないので、燃料電池システム100のコストを低減することができる。
浄化器50の凍結が完全に解消する前においても、第1開閉弁27を閉じ、第2開閉弁28を開いてポンプ25を動かせば、氷の融解によって生じた僅かな隙間を通じて、水が流れてポンプ25に吸い込まれる。ポンプ25の働きによって、水は、第1水経路17及び第2水経路19を経由して、第1タンク15に戻される。循環回路に水を循環させることによって、浄化器50の凍結が短い時間で解消されうる。このとき、第2タンク195のヒータ29がオンであってもよい。
図2に示すように、第1タンク15は、本体部61、収容部63及び隔壁65を有する。本体部61は、水を貯留する部分であって、第1タンク15の入口15aを有する部分である。収容部63は、浄化器50を収容する部分であって、第1タンク15の出口15bを有する部分である。隔壁65は、本体部61と収容部63とを仕切っている。言い換えれば、本体部61と収容部63とが隔壁65を共有している。収容部63は開口63pを有する。開口63pを通じて、本体部61の内部空間と収容部63の内部空間とが連通している。このような構成によれば、浄化器50が凍結して水が収容部63に流入できない場合においても、隔壁65を通じて、本体部61に貯留された水から収容部63に配置された浄化器50に水の持つ熱が伝わる。これにより、浄化器50の凍結を速やかに解消することができる。本体部61と収容部63とを接続する配管が存在しないので、簡素な構造でありながら、配管の凍結も回避できる。
第1タンク15の入口15aには、第2水経路19の下流部分193が接続されている。第1タンク15の出口15bには、第1水経路17が接続されている。水は、入口15aから第1タンク15の本体部61に供給され、収容部63を通って、出口15bから第1タンク15の外部に排出される。
第1タンク15は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂によって作られている。本体部61を構成する外壁部分、収容部63を構成する外壁部分及び隔壁65は、例えば、樹脂で作られている。隔壁65の厚さは、水の熱が浄化器50に十分に伝わるように適切に調整されている。収容部63には、浄化器50が配置されている。収容部63から浄化器50が脱落することを防止するために、収容部63の開口63pには、樹脂製又は金属製のメッシュ部材52が取り付けられている。収容部63から浄化器50が水とともに流出することを防止するために、出口15bと浄化器50との間には、樹脂製又は金属製のメッシュ部材52が配置されている。メッシュ部材52は、例えば、溶着によって第1タンク15に固定されている。
第1タンク15において、本体部61の容積は、例えば、収容部63の容積よりも大きい。これにより、十分な量の水を本体部61に貯めることができる。十分な量の水は、大きい熱容量を有する。このことは、浄化器50の凍結を確実に解消することに有利に働く。
隔壁65の下端65eと第1タンク15の内部底面15pとの間に隙間15hが存在する。この隙間15hは、本体部61の内部空間の一部である。本体部61の一部が収容部63の下方まで延びている。このような構成によれば、本体部61に貯留された水が本体部61から収容部63にスムーズに移動できる。収容部63が第1タンク15の内部底面15pに向かって開口している。出口15bが収容部63の上部に位置している。開口63pから出口15bに向かって水が浄化器50を通過するとき、水は重力に逆らって進む。このような構成によれば、浄化器50の全体に水を均一に流すことができる。
第1タンク15は、第1タンク15における水位が規定の水位Lを超えたときに余剰の水を燃料電池システム100の外部に排出するための排出口15cを有する。本実施形態において、排出口15cは、本体部61に設けられている。排出口15cには、排水経路67が接続されている。排水経路67は、例えば、燃料電池システム100の筐体の外部まで延びている。規定の水位Lは、浄化器50の上端50tよりも上に位置している。このような構成によれば、浄化器50のどの部分が凍結していたとしても、水の熱を凍結した部分に効率的に与えることができる。
本体部61は、さらに、水抜き口15dを有する。水抜き口15dには、栓(図示せず)が取り付けられている。栓を水抜き口15dから外すことによって、燃料電池システム100から水を抜き取ることができる。なお、第1タンク15の入口15aが省略され、水抜き口15dから第1タンク15に水が補給されてもよい。
次に、燃料電池システム100の設置方法について説明する。
燃料電池システム100の出荷前において、燃料電池システム100を正常に運転できるかどうかを確かめるための検査が工場で行われる。検査後、燃料電池システム100は、家庭、公共施設、商業施設などの所定の設置場所へと運搬される。水は、第1タンク15の水抜き口15dを通じて抜き取られる。このとき、浄化器50に水が残存する。燃料電池システム100を所定の設置場所で組み立てたのち、開閉弁38を開き、第2タンク195に水を補給する。第2タンク195の水位が規定の水位を超えると、水は、第2タンク195から溢れ、第2水経路19の下流部分193を通じて第1タンク15に供給され、貯留される。このとき、浄化器50が凍結していたとしても、第1タンク15に水が貯留された時点で、水の熱が浄化器50に効率的に伝わり、浄化器50の凍結を解消することができる。
浄化器50の凍結が完全に解消する前においても、第1開閉弁27を閉じ、第2開閉弁28を開いてポンプ25を動かすことができる。燃料電池システム100の設置時において、第1タンク15には、空の状態から徐々に水が貯められる。第1タンク15に所定量の水が貯留されたのちにポンプ25を起動させる。ポンプ25を起動させるタイミングは特に限定されない。例えば、第1タンク15の水位が規定の水位Lに達した場合にポンプ25を起動させる。あるいは、第1タンク15への水の供給が開始された時点から所定時間経過後にポンプ25を起動してもよい。「所定時間」は、例えば、第1タンク15に十分な量の水が貯留されると推測される時間であって、実験によって予め調べられた時間である。「第1タンク15への水の供給が開始された時点」は、第1タンク15に水が実際に貯まり始めた時点であってもよいし、第2タンク195への水の供給が始まった時点であってもよい。前者の時点は、例えば、温度センサ21の検出結果から判断することが可能である。後者の時点は、例えば、温度センサ23の検出結果から判断することが可能である。
ポンプ25を起動すると、氷の融解によって生じた僅かな隙間を通じて、水が流れてポンプ25に吸い込まれる。ポンプ25の働きによって、水は、第1水経路17及び第2水経路19を経由して、第1タンク15に戻される。水を循環させることによって、浄化器50の凍結が短い時間で解消されうる。その結果、燃料電池システム100を速やかに起動することが可能となる。このような制御は、外気温度が低いとき(例えば、0℃未満のとき)に特に有効である。
なお、燃料電池システム100の設置時において、第1タンク15に貯留された水の温度から浄化器50の解凍状況を推定し、推定結果に応じてポンプ25を起動してもよい。例えば、第1タンク15に貯留された水の温度に基づいて、ポンプ25を起動してもよい。第1タンク15に供給されて第1タンク15に貯留された水は、浄化器50に顕熱を与え、浄化器50の一部を解凍する。この過程で第1タンク15に貯留された水の温度が低下する。第1タンク15に貯留された水の温度を検出してポンプ25を動作させて水の流れを作り、解凍を促進することが有効である。例えば、水の温度が初期温度から数度低下した場合にポンプ25を起動してもよい。
本実施形態において、温度センサ21は、浄化器50の近傍に配置されている。温度センサ21は、例えば、浄化器50の下方に配置されている。このような位置に温度センサ21が配置されていると、温度センサ21の検出結果から浄化器50の解凍状況を把握することができる。ただし、温度センサ21の位置は特に限定されない。
浄化器50の解凍を促進するための上記の制御は、制御器41によって実行されうる。
図2を参照して説明した第1タンク15は、浄水ユニットとして、水を貯留すること及び浄化された水が必要とされる様々なシステムに適用可能である。すなわち、浄水ユニットは、本体部61、収容部63及び隔壁65を有する。本体部61は、入口15aを有し、水を貯留する部分である。収容部63は、出口15bを有し、浄化器50を収容する部分である。隔壁65は、本体部61と収容部63とを仕切っている。収容部63は、さらに、開口63pを有する。開口63pを通じて、本体部61の内部空間と収容部63の内部空間とが連通している。このような構成によれば、浄化器50が凍結して水が収容部63に流入できない場合においても、隔壁65を通じて、本体部61に貯留された水から収容部63に配置された浄化器50に水の持つ熱が伝わる。これにより、浄化器50の凍結を速やかに解消することができる。浄水ユニットの他の詳細な構造は、第1タンク15について説明した通りである。
以下、いくつかの変形例について説明する。図1及び図2を参照して説明した実施形態と各変形例との間の共通する要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略することがある。技術的に矛盾しない限り、実施形態及び変形例は、相互に組み合わされてもよい。
(変形例1)
燃料電池システム100は、図2を参照して説明した第1タンク15に代えて、図3に示す構造を備えていてもよい。
図3に示すように、本変形例において、浄化器70が第1タンク80に接している。本変形例においても、図2を参照して説明した効果が得られる。すなわち、燃料電池システム100の設置時に浄化器70が凍結していたとしても、外部から第1タンク80に水が供給されて第1タンク80に水が貯留された時点で、水の熱が浄化器70に効率的に伝わり、浄化器70の凍結を速やかに解消することができる。これにより、改質器11に水を供給することが可能となり、燃料電池システム100を運転することが可能となる。
浄化器70は、第1タンク80の外部に配置されている。浄化器70は、容器72と、容器72に収容された浄化エレメント60とを含む。浄化エレメント60は、図2に示す浄化器50そのものでありうる。つまり、浄化器70が専用の容器72を有している点において、図3に示す構造は、図2に示す構造と異なる。容器72の内部において、浄化エレメント60の上方にメッシュ部材52が配置されている。容器72の内部において、浄化エレメント60の下方にメッシュ部材52が配置されている。
第1タンク80は、入口80a及び出口80bを有する。浄化器70は、入口72a及び出口72bを有する。第1タンク80は、連絡路74(第3水経路)によって浄化器70に接続されている。詳細には、連絡路74は、第1タンク80の出口80bと浄化器70の入口72aとを接続している。入口80aから第1タンク80に水が補給される。出口80bから第1タンク80の外部に水が排出される。第1タンク80から排出された水は、連絡路74を流れ、入口72aから浄化器70の内部に導かれる。水は、浄化エレメント60を通過し、出口72bから浄化器70の外部に排出される。
本変形例において、容器72の外周面72pが第1タンク80の外周面80pに接している。詳細には、外周面72pが外周面80pに直接接している。言い換えれば、浄化器70が第1タンク80に面接触している。このような構成によれば、第1タンク80に貯留された水の熱が浄化器70に効率的に伝わり、浄化器70の凍結を速やかに解消することができる。なお、外周面72pと外周面80pとの間に金属箔などの伝熱部材が配置されていてもよい。この場合、伝熱部材は、浄化器70の一部又は第1タンク80の一部とみなされる。浄化器70の容器72が第1タンク80と一体化されていてもよい。浄化器70は、ねじ、ボルトなどの締結部材によって第1タンク80に固定されていてもよい。
本変形例において、第1タンク80の形状及び浄化器70の容器72の形状は特に限定されない。第1タンク80の外周面80pは、曲面であってもよく、平面であってもよい。浄化器70の容器72の外周面72pは、曲面であってもよく、平面であってもよい。本変形例では、浄化器70の容器72の外周面72pが第1タンク80の外周面80pに沿っている。このような構成によれば、伝熱面積を十分に確保することができるので、第1タンク80に貯留された水の熱が浄化器70に効率的に伝わり、浄化器70の凍結を速やかに解消することができる。
本変形例の第1タンク80も第1タンク80の水位が規定の水位Lを超えたときに余分な水を燃料電池システム100の外部に排出するための排出口80cを有する。規定の水位Lは、浄化エレメント60の上端60tよりも上に位置している。このような構成によれば、浄化エレメント60のどの部分が凍結していたとしても、水の熱を凍結した部分に効率的に与えることができる。
(変形例2)
図4に示すように、本変形例においては、第2タンク195の内部に浄化器50が配置されている。第2タンク195には、燃料電池13の冷却水が貯留されている。水は、浄化器50を通って、燃料電池13に供給される。浄化された水によって燃料電池13を冷却できるので、燃料電池13の内部にスケールが堆積することを防止できる。水から金属イオンを取り除くことによって、水の導電率を下げることができる。低い導電率を有する水で燃料電池13を冷却することによって、リーク電流を減らすことができる。
本変形例においても、温度センサ23は、浄化器50の近傍に配置されている。温度センサ23は、例えば、浄化器50の下方に配置されている。このような位置に温度センサ23が配置されていると、温度センサ23の検出結果から浄化器50の解凍状況を把握することができる。ただし、温度センサ23の位置は特に限定されない。
図2を参照して説明した構造だけでなく、図3を参照して説明した構造も第2タンク195に適用されうる。つまり、浄化器70が第2タンク195に接していてもよい。
(変形例3)
図5に示すように、本変形例の燃料電池システム102において、給水路36は、第1タンク15に接続されている。給水路36は、第1タンク15に接続されていてもよく、第2タンク195に接続されていてもよい。
(変形例4)
図6に示すように、本変形例の燃料電池システム104は、加湿器46及び加湿器47から選ばれる少なくとも1つを備えている。加湿器46は、燃料電池13に供給されるべき酸化剤ガス(空気)を加湿するためのデバイスである。加湿器47は、燃料電池13に供給されるべき燃料ガス(水素ガス)を加湿するためのデバイスである。加湿器46及び47の型式は特に限定されず、例えば、バブラー式、インジェクション式又はシャワー式である。加湿器46及び47は、加湿水経路48によって第1水経路17に接続されている。加湿水経路48は、例えば、開閉弁27と改質器11との間において、第1水経路17から分岐している。ただし、加湿水経路48の分岐位置は特に限定されない。加湿水経路48は第2水経路19から分岐していてもよい。加湿水経路48に開閉弁又は流量調整弁が設けられていてもよい。本変形例によれば、第1水経路17及び加湿水経路48を通じて、第1タンク15から加湿器46及び47のそれぞれに浄化された水が供給される。これにより、加湿器46及び47の内部にスケールが堆積することを防止できる。
(変形例5)
本開示の技術は、改質器を備えていない燃料電池システムにも適用されうる。図7に示すように、本変形例の燃料電池システム106は、燃料電池13、燃料供給源91及びタンク93を備えている。燃料供給源91は、例えば、液化水素の貯蔵タンク又は水素ガスのパイプラインである。燃料ガス供給経路92を通じて、燃料供給源91から燃料電池13に水素ガスが供給される。タンク93には、燃料電池13の冷却水が貯留される。タンク93は、冷却水回路31によって燃料電池13に接続されている。冷却水回路31の構成及び役割は、図1を参照して説明した通りである。
図2及び図3を参照して説明した構造がタンク93に適用されうる。浄化された水によって燃料電池13を冷却できるので、燃料電池13の内部にスケールが堆積することを防止できる。水から金属イオンを取り除くことによって、水の導電率を下げることができる。低い導電率を有する水で燃料電池13を冷却することによって、リーク電流を減らすことができる。
本開示の技術は、燃料電池システムなどのコジェネレーションシステムに有用である。本開示の技術は、水を貯留すること及び浄化された水が必要とされる様々なシステムにも適用可能である。
11 改質器
13 燃料電池
15 第1タンク(凝縮水タンク)
15h 隙間
17 第1水経路
19 第2水経路
21 温度センサ
24 凝縮水経路
25 ポンプ
27 第1開閉弁
28 第2開閉弁
29 ヒータ
31 冷却水回路
36 給水路
38 開閉弁
41 制御器
45 温度センサ
46 加湿器
47 加湿器
48 加湿水経路
50 浄化器
50t 浄化器の上端
60 浄化エレメント
60t 浄化エレメントの上端
61 本体部
63 収容部
65 隔壁
65e 隔壁の下端
70 浄化器
72 容器
72p 外周面
80 第1タンク(凝縮水タンク)
80p 外周面
100,102,104,106 燃料電池システム
195 第2タンク(冷却水タンク)
BP 分岐位置

Claims (15)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池の運転に使用される水を貯留するタンクと、
    前記水を浄化する浄化器と、
    を備え、
    前記浄化器が前記タンクの内部に配置されている又は前記浄化器が前記タンクに接している、燃料電池システム。
  2. 前記浄化器が前記タンクの内部に配置されており、
    前記タンクは、前記水を貯留する部分である本体部と、前記浄化器を収容する部分である収容部と、前記本体部と前記収容部とを仕切る隔壁と、を有する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記隔壁の下端と前記タンクの内部底面との間に隙間が存在し、
    前記本体部の一部が前記収容部の下方まで延びている、請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記タンクは、前記タンクにおける水位が規定の水位を超えたときに余剰の前記水を前記燃料電池システムの外部に排出するための排出口を有し、
    前記規定の水位が前記浄化器の上端よりも上に位置している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記浄化器は、容器と、前記容器に収容された浄化エレメントとを含み、
    前記容器の外周面が前記タンクの外周面に接している、請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記容器の前記外周面が前記タンクの前記外周面に沿っている、請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記タンクは、前記水の水位が規定の水位を超えたときに余剰の前記水を前記燃料電池システムの外部に排出するための排出口を有し、
    前記規定の水位が前記浄化エレメントの上端よりも上に位置している、請求項5又は6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記燃料電池のカソードに接続されたカソードオフガス経路と、
    前記カソードオフガス経路から分岐して前記タンクに接続された凝縮水経路と、
    をさらに備え、
    前記タンクは、カソードオフガスから生成した凝縮水を貯留する凝縮水タンクである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記燃料電池に供給されるべき水素ガスを生成する改質器をさらに備え、
    前記水は、前記浄化器を通って前記タンクから前記改質器に供給され、前記改質器において前記水素ガスの生成に使用される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記水は、前記燃料電池の冷却水である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  11. 前記燃料電池に供給されるべき燃料ガスを加湿する加湿器をさらに備え、
    前記水は、前記浄化器を通って前記タンクから前記加湿器に供給される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  12. 前記燃料電池に供給されるべき酸化剤ガスを加湿する加湿器をさらに備え、
    前記水は、前記浄化器を通って前記タンクから前記加湿器に供給される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  13. 前記浄化器を通じて、前記タンクに貯留された前記水を汲み上げるポンプをさらに備え、
    前記燃料電池システムの設置時において、前記タンクに所定量の前記水が貯留されたのちに前記ポンプが起動される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  14. 前記浄化器を通じて、前記タンクに貯留された前記水を汲み上げるポンプをさらに備え、
    前記燃料電池システムの設置時において、前記タンクへの前記水の供給が開始された時点から所定時間経過後、前記ポンプが起動される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  15. 前記タンクに貯留された前記水の温度を検出する温度センサをさらに備え、
    前記温度センサによって検出された前記水の温度に基づいて前記ポンプが起動される、請求項13又は14に記載の燃料電池システム。
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