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JP2019044817A - 気密保持機構およびスタンドの位置検出装置 - Google Patents

気密保持機構およびスタンドの位置検出装置 Download PDF

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JP2019044817A JP2017166758A JP2017166758A JP2019044817A JP 2019044817 A JP2019044817 A JP 2019044817A JP 2017166758 A JP2017166758 A JP 2017166758A JP 2017166758 A JP2017166758 A JP 2017166758A JP 2019044817 A JP2019044817 A JP 2019044817A
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斎藤 恭造
Kyozo Saito
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Abstract

【課題】異物の侵入から装置内部を保護し気密状態を保持することができる気密保持機構を提供すること。【解決手段】ロータ部材32をケース部材31のケース側収納空間33およびケース側貫通口36に回転可能に保持する機構の、ケース側収納空間33の筒状部40の内周面41とロータ部材32の外周面42との間を封止する環状のシール部材51を備えたサイドスタンドスイッチ5において、ケース部材31はケース側収納空間33の開口端部38Bに、ケース側収納空間33の内部(Y2側)よりも開口38Aが大きく形成された段差部39を有し、記段差部39にはケース側収納空間33の開口38Aに沿って環状の溝部43が設けられ、シール部材51は、ロータ部材32回転軸方向に突出すると共に環状に形成され溝部43と嵌合する嵌入部52を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、自動二輪車等の車両に設けられたスタンドの位置検出装置等の内部の気密状態を保持するために用いられる気密保持機構および当該気密保持機構を備えたスタンドの位置検出装置に関する。
自動二輪車に装着されているサイドスタンドは、サイドスタンドバーが自動二輪車の停止時には起立位置に下ろされて自動二輪車を支え、自動二輪車の走行時には収納位置に収納されて走行に支障のない状態で保持される。自動二輪車においては、サイドスタンドバーが起立位置のままで走行し、サイドスタンドバーが起立位置のままであったことを原因とする事故が発生している。このような事故が発生しないように、サイドスタンドバーの位置を検出して、起立位置の場合には走行ができないようにエンジンを制御することが知られている。
自動二輪車のスタンドの位置検出装置は、エンジン制御に関係することから、高い信頼性が要求される。また、自動二輪車のスタンドの位置検出装置はサイドスタンドバーと共に露出した状態で取り付けられることが多い。このため、水分、泥、埃等の異物の侵入から装置内部を保護する気密保持機構を備えている。
例えば、特許文献1には、ケース部材内への水分や異物が浸入することを防ぐオイルシールを備えたサイドスタンドスイッチが記載されている。当該サイドスタンドスイッチは、同文献の図13に記載されているように、ケース部材内の気密性を保持するためのオイルシールが、金属プレートを介してケース部材に取り付けられた構成を備えている。当該オイルシールの一面が固定されたケース部材の内面と接し、外部から異物が侵入することを防いでいる。
また、オイルシールは、金属プレートを介してケース部材に取り付けられている。すなわち、オイルシールは、ケース部材内面に接する圧力を大きくするために、その内部に補強部材としての金属プレートを備えている。補強部材が挿入されたオイルシールは、たとえば、金属製の補強部材とオイルシールとのインサート成形によって製造される。
特開2014−118042号公報
上述したとおり、スタンドの位置検出装置は、自動二輪車のエンジン制御に関係することから、例えば、水たまりがある未舗装の道路のような過酷条件下においても確実に異物の侵入から装置内部を保護し、装置内部の気密状態を保持できる高い信頼性が要求される。
また、内部に金属プレートが挿入された従来のオイルシールは、インサート成形を用いて製造する必要があるから、材料コストや加工コストが上昇するという不都合もある。
本発明の一つの目的は、過酷条件下においても異物の侵入から保護して、装置内部の気密状態を保持できる気密保持機構を提供することである。
また、本発明の他の目的は、内部に金属プレートが挿入されていないシール部材を用いた気密保持機構を提供することである。
上記目的を達成する手段として、本発明は以下の構成を備えている。
回転軸を中心に回転可能な回転部材をケース部材が挿通孔に回転可能に保持する機構の、前記挿通孔の内周面と前記回転部材の外周面との間を全周に渡って封止する環状のシール部材を備えた気密保持機構において、前記ケース部材は前記挿通孔の開口端部に、前記挿通孔の内部よりも開口が大きく形成された段差部を有し、前記段差部には前記挿通孔の前記開口に沿って、前記回転軸方向に環状の溝部が設けられ、前記シール部材は、前記回転軸方向に突出すると共に環状に形成され前記溝部と嵌合する嵌入部を備えていることを特徴とする気密保持機構。
この構成によれば、ケース部材とシール部材との接触面積が大きくなるから、ケース部材内への異物の侵入をより効果的に防止することができる。また、シール部材の内部に金属環等の補強部材を挿入することなく、シール部材をケース部材および回転部材にしっかりと接触させることができる。
気密保持機構は、前記シール部材が弾性を有しており、前記溝部と嵌合していない状態における前記嵌入部の幅寸法が、前記溝部の幅寸法よりも大きいことが好ましい。また、前記嵌入部が前記溝部に嵌合した状態を保持する抜け止め部を、前記ケース部材が有しており、前記抜け止め部は、前記ケース部材の一部が前記溝部の内側へ突出して形成されている、ことが好ましい。
これらの構成によれば、溝部と嵌入部とが嵌合した状態をより確実に維持することができる。
前記気密保持機構を備えていることを特徴とする、スタンドの位置検出装置。
気密保持機構を備えることにより、過酷な外部条件の下においても、内部の気密状態を保持できるスタンドの位置検出装置となる。
本発明によれば、シール部材とケース部材とを広い面積で接触させることができるから、過酷条件下においても確実に異物の侵入から保護して、ケース部材内の気密状態を保持することができる。また、シール部材を所定の形状に保持してケース部材に接触させるための金属プレート等の補強部材を用いてインサート成形を行う必要が無くなる。したがって、シール部材の製造に要する材料コストおよび加工コストを抑制することができる。
本発明の実施の形態に係るサイドスタンド装置の斜視図である。 本発明の実施の形態に係るサイドスタンド装置の分解斜視図である。 本実施の形態に係るサイドスタンド装置の部分断面図である。 図3のサイドスタンド装置の気密保持機構を示す断面図である。 本実施の形態に係るサイドスタンド装置の回転軸、ケース部材、およびシール部材を模式的に示す分解斜視図である。 従来のサイドスタンド装置の気密保持機構を示す断面図である。
以下、サイドスタンドに用いられる気密保持機構を備えた位置検出装置(サイドスタンド装置)として、本発明を実施する形態について、添付図面を参照して説明する。同じ部材には各図面において同じ番号を付して、適宜、説明を省略する。
まず、図1および図2を参照して、サイドスタンド装置の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るサイドスタンド装置の斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係るサイドスタンド装置の分解斜視図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態に係るサイドスタンド装置1は、自動二輪車を駐車時に起立状態に支持するものであり、図示しない車体フレームに設けられたブラケット2と、ブラケット2にピボットボルト(回転軸)4を介して回転可能、すなわち所定範囲内で回転可能に取り付けられたサイドスタンドバー3とを備えて構成されている。また、サイドスタンド装置1には、ピボットボルト4に固定ボルト6を介してサイドスタンドスイッチ(位置検出装置)5が設けられ、サイドスタンドスイッチ5によりサイドスタンドバー3の位置が検出される。
ブラケット2は、板状部11と、板状部11を厚み方向に貫通して固定された貫通ピン12とを有して構成されている。板状部11には、サイドスタンドバー3の取り付け位置において、厚み方向に貫通形成された軸孔13が形成されている。貫通ピン12の一端側は、サイドスタンドスイッチ5を位置決めする位置決めピンとして機能し、貫通ピン12の他端側は、図示しないリターンスプリングに係止される係止ピンとして機能する。
サイドスタンドバー3は、ピボットボルト4によりブラケット2に取り付けられ、ピボットボルト4を中心として地面に接地される起立位置と地面に対して略水平な収納位置との間を回転可能に構成されている。サイドスタンドバー3の基端側は、板状部11を挟み込むように二股に形成された一対の連結部15、16が設けられており、この一対の連結部15、16を貫通するように軸孔17、18が形成されている。一方の連結部15の軸孔17の近傍には、サイドスタンドスイッチ5のロータ部材(回転部材)32に係合される係合孔19が貫通形成されている。
ピボットボルト4は、一対の連結部15、16にブラケット2を挟み込んだ状態で、一対の連結部15、16の軸孔17、18およびブラケット2の軸孔13に挿通される。この場合、ピボットボルト4の中間部23は、一方の連結部15の軸孔17およびブラケット2の軸孔13に挿通され、先端側のネジ部24は、他方の連結部16の軸孔18に挿通されて一部が外部に露出される。
ピボットボルト4は、この露出されたネジ部24に固定ナット7が螺合され、固定ナット7が締め付けられることにより一対の連結部15、16に固定される。これにより、サイドスタンドバー3は、ピボットボルト4と一体となってブラケット2に対して回転するように動かされる。また、ピボットボルト4の頭部21には、固定ボルト6が螺合されるネジ穴22が形成されている。
サイドスタンドスイッチ5は、サイドスタンドバー3が起立位置側または収納位置側のどちら側に位置するかを検出するものであり、後述する挟持部34で貫通ピン12の一端側を挟み込んだ状態で固定ボルト6によりピボットボルト4の頭部21に取り付けられる。サイドスタンドスイッチ5のケース部材31には、挟持部34およびカプラ部35が形成されている。挟持部34で貫通ピン12の一端側を挟み込むことによりサイドスタンドスイッチ5が位置決めされ、カプラ部35からサイドスタンドバー3の位置に応じた信号が出力される。なお、サイドスタンドスイッチ5の詳細構成については後述する。
固定ボルト6は、サイドスタンドスイッチ5を挿通してピボットボルト4のネジ穴22に螺合された状態で締め付けられることで、サイドスタンドスイッチ5をピボットボルト4に固定する。固定ボルト6は、頭部に円形のフランジ部27を有し、このフランジ部27により飛び石などから環状のシール部材50(図3参照)を保護している。
次に、図3〜図6を参照して、サイドスタンドスイッチの詳細構成について説明する。図3は本実施の形態に係るサイドスタンドスイッチの部分断面図であり、図4は図3のサイドスタンドスイッチの気密保持機構を示す断面図である。図5は本実施の形態に係るサイドスタンド装置の回転軸、ケース部材、およびシール部材を模式的に示す分解斜視図である。図6は従来のサイドスタンドスイッチの気密保持機構を示す断面図である。なお、図3には、各部材の相対的な位置関係および方向を示すため、座標軸(X軸およびY軸)を示している。
図3に示すように、サイドスタンドスイッチ5は、ケース部材31と、ケース部材31の内側において回転可能に収納されたロータ部材32とを有して構成されている。ケース部材31は、合成樹脂等で成形され、下面を開放した筒状部40と、外部に信号を送信するためのカプラ部35を備えている。
筒状部40の内部にはロータ部材32を収納可能なケース側収納空間(挿通孔)33が設けられ、ケース側収納空間33の天井面の中央部には上方(Y2側)へ貫通したケース側貫通孔(挿通孔)36が形成されている。なお、ケース側収納空間33およびケース側貫通孔36をY軸に直交する面で切断したときの断面形状は円環形である。
また、ケース側収納空間33のY1側の開口端部38Bには、ケース側収納空間33の天井面側(Y2側)よりも大きく開口した段差部39が形成されている。段差部39では、ケース側収納空間33の内部(Y2側)よりも、開口端部38B側(Y1側)のほうが、開口38Aが大きくなるように形成されている。段差部39の天井面には天井面に対して凹状であり、開口38Aに沿って、すなわちケース側収納空間33の周囲を囲む環状の溝部43が設けられている。このため、段差部39において、溝部43を挟んで開口38Aの大きさが異なっており、開口38AのX軸方向の幅は、Y1側の方が広くなっている。なお、ケース部材31のケース側貫通孔36のY2側の開口端部には、段差部および溝部が形成されていないが、ケース側収納空間33の開口端部38Bと同様に、ケース側貫通孔36の開口端部にも段差部および溝部が形成された構成としてもよい。
また、ケース部材31には金属板を板金加工した配線部材が2つインサート成形されている。なお、2つの配線部材は電気的には接続されていない。2つの配線部材の一部は、それぞれケース側収納空間33の天井面に露出し接点部37の一部である固定端子37Aを形成している。また、カプラ部35は筒状に側方(X2方向)へ突出して形成され、その筒の内部には2つの配線部材の一部がそれぞれ突出しており外部に信号を送信するための外部接続端子となっている。すなわち、接点部37と外部接続端子とは配線部材により電気的に接続されており、カプラ部35から外部に信号を送信可能としている。
図3に示すように、ロータ部材32は、合成樹脂などで形成され、大径の筒状に形成された大径部32Aの上方(Y2方向)に小径の筒状に形成された小径部32Bが一体に形成されている。大径部32Aと小径部32Bとは同軸となるように配置されている。大径部32Aはケース部材31のケース側収納空間33に挿入可能な大きさであり、小径部32Bはケース側貫通孔36に挿入可能な大きさに形成されている。大径部32Aには下面が開放されピボットボルト4の頭部21を収納可能なロータ側収納空間が形成されている。ロータ側収納空間の天井面の中央部には上方へ貫通し固定ボルト6を挿通可能なロータ側貫通孔が形成されている。また、ロータ部材32の大径部32Aの上面には金属板からなり接点部37の一部である回転端子37Bがロータ部材32と一体に回転可能に配置され、回転端子37Bは付勢部材により上方(Y2方向)へ付勢されている。詳しくは、大径部32Aの上面に形成された穴部の内部に付勢部材であるコイルばねが配置され、穴部から突出したコイルばねの先端に回転端子37Bが取り付けられている。
ロータ部材32は、小径部32Bがケース側貫通孔36に挿入された状態でケース側収納空間33内に配置される。この時、固定端子37Aと回転端子37Bとは対向して配置され、回転端子37Bは固定端子37Aに圧接している。
また、ロータ部材32は、固定ボルト6のフランジ部27によってピボットボルト4の頭部21に固定されており、一部がサイドスタンドバー3の連結部15に設けられている係合孔19と係合しており、サイドスタンドバー3と共に回転する。一方、ケース部材31は、挟持部34(図1、図2参照)で貫通ピン12の一端側を挟み込むとともに固定ボルト6によって固定されており、サイドスタンドバー3が回転しても回転しない。
サイドスタンドバー3の位置に対応してロータ部材32が回転すると、回転端子37Bも共に回転する。回転端子37Bの回転に伴って、2つの固定端子37Aが電気的に接続されていない状態と、回転端子37Bを介して2つの固定端子37Aが電気的に接続された状態と、が切り替わる。すなわち、固定端子37Aと回転端子37Bとの電気的な接続状態が変化する(ON/OFFが切り替わる)。ケース部材31内部に設けられた接点部37の接触状況(状態)に応じた信号がカプラ部35から出力される。
自動二輪車が走行される場合には、運転者によりサイドスタンドバー3が押し上げられ、サイドスタンドバー3がピボットボルト4を支点として起立位置から収納位置に回転される。サイドスタンドバー3が起立位置と収納位置のいずれに位置するかによって、固定端子37Aと回転端子37Bとの接続状態が変化し、サイドスタンドスイッチ5は、接点部37の電気的な接続状態の変化に対応した信号を、カプラ部35から出力する。これにより、サイドスタンドバー3の位置を検出することができる。出力された信号は、例えば、図示しないECU(Engine Control Unit)等によるエンジン制御等に用いられる。
次に、サイドスタンドスイッチ5のシール構造(気密保持機構)について説明する。
図3および図4に示すように、ケース部材31のケース側収納空間33の天井面とロータ部材32の大径部32Aの上面との間には、接点部37が配置された空間が設けられている。この空間内に粉塵や泥水などの異物が入ると接点部37に接触不具合が発生する恐れがあるため、封止する必要がある。ケース部材31内の空間の気密状態に保持するため、筒状部40の両端近傍に、すなわち、ケース側貫通孔36およびケース側収納空間33の段差部39に、環状のシール部材50および環状のシール部材51が設けられている。
シール部材50およびシール部材51は、合成樹脂等の弾性を有する素材からなり、ケース部材31とロータ部材32とにより形成される内部空間を封止して、外部から水や埃等の異物がケース部材31内に侵入することを防止する。
シール部材51は、ケース部材31の筒状部40の内周面41とロータ部材32の外周面42との間を全周に渡って封止する環状の部材であり、ケース部材31の溝部43に嵌入される嵌入部52と、ロータ部材32と接触するリップ部53とを備えている。嵌入部52は、ロータ部材32の回転軸方向(Y軸方向、図3参照)に突出すると共に環状に形成された円筒状に形成されており、嵌入部52の一端側の内周面から内方へ向かって襞状に突出してリップ部53が形成されている。なお、リップ部53の先端部は上下方向(Y2方向とY1方向)へ二股に分かれている。
嵌入部52は、ケース部材31の筒状部40のピボットボルト4側の端部近傍に設けられている環状の溝部43と嵌合する。詳しくは、嵌入部52は他端側(図3における上側、Y2側)から溝部43の内部に圧入され、溝内側壁44および溝外側壁45の両方に接している。筒状部40のピボットボルト4側の端には、嵌入部52と溝部43とが嵌合した状態を維持する抜け止め部46が設けられている。抜け止め部46は、ケース部材31をピボットボルト4側から見たときに、溝部43の内側に突出する部分である。なお、抜け止め部46は、嵌入部52と溝部43とを嵌合させた後に、溝外側壁45の一部を溝部43の内側へ突出するように二次加工することで形成される。
図4に示すように、溝部43へ嵌合されていない状態におけるシール部材51(図4に破線で示している)の嵌入部52の幅寸法W1は、ケース部材31の溝部43の幅寸法W2よりも大きい。このため、嵌入部52と溝部43とが嵌合した状態では、嵌入部52の弾性力によって、図4に白抜き両矢印で示すように、溝内側壁44および溝外側壁45の両方に対して圧力(面圧)が生じる。したがって、オイルシールの外周面のみがケース部材に接触している特許文献1の構造に対して、シール部材51とケース部材31との接触面積が大きくなり、ケース部材31側からの水等の浸入防止効果が向上する。例えば、水などの液体がケース部材31内の空間に達するには溝外側壁45に沿って進んだ後に溝内側壁44に沿って進まなければならないので、内部の空間までの沿面距離が長いといえる。
図5に示すように、シール部材51の環状の嵌入部52が、全周に渡ってケース部材31の筒状部40の環状の溝部43に嵌入されることにより、シール部材51によって連続的に封止された部分を形成し、溝部43の溝内側壁44と溝外側壁45との間に保持される。この構成によって、シール部材51とケース部材31との接触面における圧力を高くすると共に、インサート成形された金属環62(図6参照)が無くてもシール部材51の形状を環状に保持することができる。
図6に示すように、従来のシール部材61は、シール部材61を環状に保つための補強部材として、その内部に金属環62が設けられている。金属環62によって、白抜き片矢印で示す方向の圧力を生じさせ、シール部材61をケース部材31に接触させるとともに、座屈が発生することを防止している。
対して、本実施形態のサイドスタンドスイッチ5は、図4および図5に示すように、ケース部材31に設けた環状の溝部43にシール部材51の環状の嵌入部52を嵌合する構成により、シール部材51に金属環62を設ける必要がないため、製造工程が簡単になる。金属環62の材料コストおよび金属環62をシール部材51にインサート成形するための加工コストが不要となるから、従来よりも製造コストを抑えることができる。
さらに、従来のシール部材61では、図6に示すように、気密性を確保するために圧力が加えられる面が外側の一面のみであるのに対して、シール部材51の嵌入部52は、図4に示すように、溝内側壁44および溝外側壁45の両面である。このため、本実施形態のサイドスタンドスイッチ5は、シール部材51とケース部材31との面圧が付与された接触面が従来よりも大きくなるから、従来よりも確実に封止することができる。
上述したサイドスタンドスイッチ5では、溝部43および嵌入部52を各一つずつ設けた構成を示したが、それぞれ複数としてもよい。これらを複数とすることにより、シール部材51とケース部材31との接触面積がさらに大きくなるから、ケース部材31の気密状態をより確実に保持できる。
なお、上述した実施形態では、二つの開口を有するケース部材31を備えたサイドスタンドスイッチ5について説明した。しかし、本発明の気密保持機構は、開口を一つだけ有するケース部材を備えたサイドスタンドスイッチに対しても用いることができる。この場合、開口側にのみ設けられてシール部材が嵌入された構造となる。
また、上記実施形態において、スタンドとしてサイドスタンドを例にして説明したが、メインスタンドであってもよい。
1 :サイドスタンド装置
2 :ブラケット
3 :サイドスタンドバー
4 :ピボットボルト
5 :サイドスタンドスイッチ
6 :固定ボルト
7 :固定ナット
11 :板状部
12 :貫通ピン
13 :軸孔
15 :連結部
16 :連結部
17 :軸孔
18 :軸孔
19 :係合孔
21 :頭部
22 :ネジ穴
23 :中間部
24 :ネジ部
27 :フランジ部
31 :ケース部材
32 :ロータ部材(回転部材)
32A :大径部
32B :小径部
33 :ケース側収納空間(挿通孔)
34 :挟持部
35 :カプラ部
36 :ケース側貫通口(挿通孔)
37 :接点
37A :固定端子
37B :回転端子
38A :開口
38B :開口端部
39 :段差部
40 :筒状部
41 :内周面
42 :外周面
43 :溝部
44 :溝内側壁
45 :溝外側壁
46 :抜け止め部
50 :シール部材
51 :シール部材
52 :嵌入部
53 :リップ部
61 :シール部材
62 :金属環
W1 :幅寸法
W2 :幅寸法

Claims (5)

  1. 回転軸を中心に回転可能な回転部材をケース部材が挿通孔に回転可能に保持する機構の、前記挿通孔の内周面と前記回転部材の外周面との間を全周に渡って封止する環状のシール部材を備えた気密保持機構において、
    前記ケース部材は前記挿通孔の開口端部に、前記挿通孔の内部よりも開口が大きく形成された段差部を有し、
    前記段差部には前記挿通孔の前記開口に沿って環状の溝部が設けられ、
    前記シール部材は、前記回転軸方向に突出すると共に環状に形成され前記溝部と嵌合する嵌入部を備えていることを特徴とする気密保持機構。
  2. 前記シール部材が弾性を有しており、
    前記溝部と嵌合していない状態における前記嵌入部の幅寸法が、前記溝部の幅寸法よりも大きい、請求項1に記載の気密保持機構。
  3. 前記嵌入部が前記溝部に嵌合した状態を保持する抜け止め部を、前記ケース部材が有している、
    請求項1または2に記載の気密保持機構。
  4. 前記抜け止め部は、前記ケース部材の一部が前記溝部の内側へ突出して形成されている、
    請求項3に記載の気密保持機構。
  5. 請求項1に記載の前記気密保持機構を備えていることを特徴とする、スタンドの位置検出装置。
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