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JP2018133593A - ウェハ加工方法及びウェハ加工システム - Google Patents

ウェハ加工方法及びウェハ加工システム Download PDF

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JP2018133593A
JP2018133593A JP2018097877A JP2018097877A JP2018133593A JP 2018133593 A JP2018133593 A JP 2018133593A JP 2018097877 A JP2018097877 A JP 2018097877A JP 2018097877 A JP2018097877 A JP 2018097877A JP 2018133593 A JP2018133593 A JP 2018133593A
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Tasuku Shimizu
翼 清水
修平 押田
Shuhei Oshida
修平 押田
明 植木原
Akira Uekihara
明 植木原
藤田 隆
Takashi Fujita
隆 藤田
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Abstract

【課題】安定した品質のチップを効率よく得ることができる。【解決手段】ウェハをチップに分割するための切断ラインに沿って、前記ウェハの内部に設定した目標面と前記ウェハの裏面との間にレーザ改質領域を形成する改質領域形成工程と、前記ウェハをチップ毎に分割することなく、前記ウェハの裏面から前記目標面まで研削砥石を用いて研削して前記ウェハを薄化する研削工程と、を備える。【選択図】図14

Description

本発明は、内部にレーザ光で改質領域を形成したウェーハを割断するための技術に関する。
特許文献1には、裏面を上向きにして載置された半導体基板にレーザを照射して基板内部に改質領域を形成し、半導体基板の裏面にエキスパンドテープを装着し、エキスパンドテープの上からナイフエッジを当てて改質領域を基点として基板を割ることで、半導体基板をチップに切断することが記載されている。
また、特許文献1には、裏面を上向きにして載置された半導体基板にレーザを照射して基板内部に改質領域を形成した後で基板を研削して薄くし、半導体基板の裏面にエキスパンドテープを装着し、エキスパンドテープを伸張させることで改質領域を基点として基板を割ることが記載されている。
特許文献2には、裏面を上向きにして載置された半導体基板にレーザを照射して基板内部に改質領域を形成することで半導体基板の厚さ方向に割れを発生させ、基板の裏面を研削及びケミカルエッチングすることで割れを裏面に露出させることで、半導体基板をチップに切断することが記載されている。そして、特許文献2には、自然に或いは比較的小さな力、例えば人為的な力や基板に温度差を与えることにより熱応力を発生させたりすることにより、改質領域から厚さ方向に割れが発生することが記載されている。
特許3624909号公報 特許3762409号公報
特許文献1に記載の発明では、ナイフエッジにより局所的に外力を印加することで基板を割るが、この局所的に外力を印加するために曲げ応力やせん断応力を基板に付与させることになる。しかし、曲げ応力やせん断応力は基板全面に一様に分布させることは難しい。例えば、曲げ応力やせん断応力を基板にかける場合、どこか弱い点に応力が集中することになり、効率的に所望の部分に対して必要最低限の応力を一様に付与できない。
したがって、基板の割れにばらつきが生じ、割れが緩やかに進行しなかった場合には基板がチップ内においても破壊するという問題がある。また、基板を切断する部分に対して、局所的に順番に応力を与えて切断していく場合、例えば一枚の基板から多数のチップを収集する場合などでは、多数の切断ラインが存在するため、生産性が非常に低下するという問題がある。
また、外力を印加して基板を割る場合に、基板を薄く加工していない場合には、ウェーハを割る際に非常に大きい応力を必要とするという問題がある。
特にレーザ加工の改質深さ幅に対して、基板厚みが充分厚い場合は、外力を印加しても、急激な外力の影響によって、基板に対してきれいに垂直に割断できるとは限らない。そのため、いくつかレーザパルスを基板の厚み方向に多段に照射するなどが必要な場合がある。
また、特許文献1、2に記載の発明では、レーザの照射により基板内部に形成された改質領域は、最終的にチップ断面に残ることとなる。そのため、チップ断面の改質領域の部分から発塵する場合がある。また、チップ断面部分が局所的に破砕した結果、その破砕した断面がきっかけとなって、チップが破断する場合もある。その結果、チップの抗折強度は小さくなるという問題点がある。
特許文献2に記載の発明では、自然に改質領域から厚さ方向に割れが発生すると記載されているが、他方自然に割れる場合は必ずしも自然に割れない場合も存在する。割るという安定した効果を必然的に得るためには、時として恣意的な手段をとる必要があり、自然に割れる場合は恣意的な手段に該当しない。
また、比較的小さな力として、温度差を与えることにより熱応力を発生させて、改質領域から厚さ方向に割れを発生させることも考えられる。この場合においては、基板の面内に一様な熱勾配をどのように与えるかという点が非常に難しいという問題がある。すなわち、人為的に熱勾配を与えたとしても熱伝導によって、一部熱勾配を緩和するように基板内に熱が分散していく。したがって、一定の基板を切断する程度の安定した熱勾配(安定した温度差)をどのように絶えずに形成するか、という点で極めて難しい問題がある。
また、特許文献2に記載の発明では、半導体基板を研削後、裏面にケミカルエッチングするが、研削した後には、研削後の表面は固定砥粒による研削条痕が残り、付随して微小なクラックが形成され、加工変質層が残存している。その表面をケミカルエッチングした場合には、微小クラックなどの格子歪が大きい部分が選択的にエッチングされることになる。そのため、微小クラックはかえって助長され大きいクラックになる。そのため、切断起点領域だけではなく、時として、研削とエッチングによって形成された微小クラックから破断する場合もあり、安定した切断加工が難しいという問題がある。
また、エッチングにより基板表面の凹凸が助長されるため、基板表面は鏡面化されていない。そのため、分割されたチップにも凹凸が残るため、凹凸の大きい部分、すなわち微小クラックから破壊することが十分に考えられ、チップの抗折強度は低くなるという問題がある。
また、さらに、レーザ加工し、改質した部分にエッチング液が作用した場合、改質した部分は一度溶融して再結晶化して固まっているため、大きな粒界が形成されている。
こうした粒界部分にエッチング液が作用すると、粒界からシリコン粒が剥げ落ちるようにエッチングが進行するため、さらに凹凸が助長されるようにエッチングされることになる。
研磨工程としては、具体的には引用文献p.12_1行目において、研削工程と裏面にケミカルエッチングを施すことであると記載されている。ケミカルエッチングの場合、そのまま放置していても、クラック内にケミカルエッチング液が浸透し、クラック部分を溶かす作用がある。
特に、クラックが基板の表面上にまで先走っている場合、エッチング液がチップとチップを接着しているフィルムの間に浸透し、チップをフィルムから剥離するという問題が発生する。
また、クラックが基板の表面上にまで走っていなくても、クラックに沿ってエッチングは進行する。特に研削後に、薄くなった状態でエッチングを行う場合、クラックにエッチング液が毛細管現象によって浸透し、クラック先端を溶かしながら微小クラックをさらに深くするとともに、さらにそこへ新たなエッチング液が入り込むといった形となる。この場合、デバイス面の近傍にエッチング液が作用すると、デバイス面付近を溶かしてしまい、素子内部にまでエッチングが進行する場合がある。また、その時に問題なくても、ウェーハの壁面に残されたエッチング液がデバイス内部に入り込み、その後不良を起こすこともある。よって、ウェーハ表面の加工歪を除去する一方で、それ以上にクラックを助長し、それに伴う副次的な問題を誘発することになりかねない。
また、こうした場合、結果的にクラックが表面上にまで先走って、一部チップとフィルムの間にエッチング液が入り込み、処理中にチップが剥がれる問題が発生することもある。特に、研削後が進行して基板が薄くなった場合、少しの外力でクラックが進行しやすく、クラックが表面に達することでチップ剥離が発生するため、基板が薄くなった場合には、クラックをそれ以上進行させないように処理をしなければならない。
特許文献2には、基板の裏面を研削することにより改質領域から割れが発生することが記載されているが、特許文献2には基板を研削する時の基板の固定方法が記載されていない。図20に示すように基板をリテーナ等に嵌め込むことで基板の外周を支持する場合や、図21に示すように基板の一部のみを吸着する場合には、基板が全面的に一様に拘束されないため、このような場合には基板の裏面を研削したとしても改質領域から割れが発生しない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、安定した品質のチップを効率よく得ることができる半導体基板の割断方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る半導体基板の割断方法の一態様は、内部にレーザ光で改質領域を形成したウェーハを割断するウェーハ割断方法において、前記ウェーハ表面を一様にテーブルに真空吸着する工程と、前記ウェーハを真空吸着した状態で前記ウェーハの裏面を研削除去し、前記改質領域から延びる微小亀裂をウェーハ深さ方向に進展させながら、前記進展した微小亀裂を残して前記改質領域を研削除去する研削工程と、前記研削工程後、前記ウェーハの裏面の化学機械研磨を行う鏡面化工程と、前記鏡面化工程後、前記ウェーハを割断する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る半導体基板の割断方法の一態様において、前記研削工程は、前記ウェーハの裏面から前記改質領域より手前の部分まで研削除去し、前記改質領域から延びる微小亀裂を前記ウェーハ深さ方向に進展させる第1の研削工程と、前記進展した前記微小亀裂を残して前記ウェーハ内部に形成した前記改質領域を研削除去する第2の研削工程と、を含むことが好ましい。
また、本発明に係る半導体基板の割断方法の一態様において、前記鏡面化工程は、前記微小亀裂を残しながら、前記研削工程で導入された加工変質層を除去して鏡面化を行うことが好ましい。
本発明の半導体基板の割断方法によれば、割断が確実に効率よく行え、安定した品質のチップを効率よく得ることができる。
レーザダイシング装置1の概観構成を示す図。 レーザダイシング装置1の駆動手段の構成を表わす概念構成図。 レーザダイシング装置1の駆動手段の構成を表わす平面図。 研削装置2の概観構成を示す図。 研削装置2の部分拡大図。 研削装置2の部分拡大図。 研削装置2の研磨ステージの概略図。 研削装置2のチャックの詳細を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は部分拡大図。 テープ剥離装置3の側面図。 割断の様子を示した側面断面図。 押圧された弾性体の様子を示した側面断面図。 割断の様子を示した斜視図。 テープの貼着方法を示した斜視図。 本発明に係る半導体基板の切断方法を示したフロー図。 研削除去工程を説明する図。 研削除去工程における亀裂進展を説明する図であり、(a)は研削時の概略図、(b)はウェーハW裏面の状態、(c)はウェーハW表面の状態、(d)はウェーハWの断面図。 研削除去工程後のウェーハW裏面の表面状態を説明する図。 亀裂進展評価の条件について示した図。 亀裂進展評価の評価結果を示した図。 従来の基板研削時の固定状態を示す図。 従来の基板研削時の固定状態を示す図。
以下、添付図面に従って本発明に係る半導体基板の割断方法の好ましい実施の形態について詳説する。
本発明は、レーザダイシング装置1と、研削装置2と、テープ剥離装置3と、レーザダイシング装置1により加工されたウェーハを研削装置2またはテープ剥離装置3へ搬送する搬送装置(図示せず)と、テープ剥離装置3により割断されたウェーハを離間するエキスパンド装置とで構成された切断装置により行われる。
<装置構成について>
(1)レーザダイシング装置1について
図1は、レーザダイシング装置1の概観構成を示す図である。同図に示すように、本実施の形態のレーザダイシング装置1は、主として、ウェーハ移動部11、レーザ光学部20と観察光学部30とからなるレーザヘッド40、制御部50等から構成されている。
ウェーハ移動部11は、ウェーハWを吸着保持する吸着ステージ13と、レーザダイシング装置1の本体ベース16に設けられ、吸着ステージ13をXYZθ方向に精密に移動させるXYZθテーブル12等からなる。このウェーハ移動部11によって、ウェーハWが図のXYZθ方向に精密に移動される。
ウェーハWは、不図示のテープ貼付装置によりデバイスが形成された表面に粘着材を有するバックグラインドテープ(以下、BGテープ)Bが貼付され、裏面が上向きとなるように吸着ステージ13に載置される。
なお、ウェーハWは、一方の面に粘着材を有するダイシングシートが貼付され、このダイシングシートを介してフレームと一体化された状態で吸着ステージ13に載置されるようにしてもよい。この場合には、表面が上向きとなるように吸着ステージ13に載置される。
レーザ光学部20は、レーザ発振器21、コリメートレンズ22、ハーフミラー23、コンデンスレンズ(集光レンズ)24、レーザ光をウェーハWに対して平行に微小移動させる駆動手段25等で構成されている。レーザ発振器21から発振されたレーザ光は、コリメートレンズ22、ハーフミラー23、コンデンスレンズ24等の光学系を経てウェーハWの内部に集光される。集光点のZ方向位置は、後出のZ微動手段27によるコンデンスレンズ24のZ方向微動によって調整される。
なお、レーザ光の条件は、光源が半導体レーザ励起Nd:YAGレーザ、波長が1064nm、レーザ光スポット断面積が3.14×10−8cm2、発振形態がQスイッチパルス、繰り返し周波数が100kHz、パルス幅が30ns、出力が20μJ/パルス、レーザ光品質がTEM00、偏光特性が直線偏光である。また、コンデンスレンズ24の条件は、倍率が50倍、N.A.が0.55、レーザ光波長に対する透過率が60パーセントである。
観察光学部30は、観察用光源31、コリメートレンズ32、ハーフミラー33、コンデンスレンズ34、観察手段としてのCCDカメラ35、画像処理部38、テレビモニタ36等で構成されている。
観察光学部30では、観察用光源31から出射された照明光がコリメートレンズ32、ハーフミラー33、コンデンスレンズ24等の光学系を経てウェーハWの表面を照射する。ウェーハWの表面からの反射光はコンデンスレンズ24、ハーフミラー23及び33、コンデンスレンズ34を経由して観察手段としてのCCDカメラ35に入射し、ウェーハWの表面画像が撮像される。
この撮像データは画像処理部38に入力され、ウェーハWのアライメントに用いられるとともに、制御部50を経てテレビモニタ36に写し出される。
制御部50は、CPU、メモリ、入出力回路部等からなり、レーザダイシング装置1の各部の動作を制御する。
なお、レーザダイシング装置1は、図示しないウェーハカセットエレベータ、ウェーハ搬送手段、操作板、及び表示灯等から構成されている。
ウェーハカセットエレベータは、ウェーハが格納されたカセットを上下移動して搬送位置に位置決めする。搬送手段はカセットと吸着ステージ13との間でウェーハを搬送する。
操作板には、ダイシング装置10の各部を操作するスイッチ類や表示装置が取り付けられている。表示灯は、ダイシング装置10の加工中、加工終了、非常停止等の稼動状況を表示する。
図2は、駆動手段25の細部を説明する概念図である。駆動手段25は、コンデンスレンズ24を保持するレンズフレーム26、レンズフレーム26の上面に取り付けられレンズフレーム26を図のZ方向に微小移動させるZ微動手段27、Z微動手段27を保持する保持フレーム28、保持フレーム28をウェーハWと平行に微小移動させるリニア微動手段であるPZ1、PZ2等から構成される。
Z微動手段27には電圧印加によって伸縮する圧電素子が用いられている。この圧電素子の伸縮によってコンデンスレンズ24がZ方向に微小送りされて、レーザ光の集光点のZ方向位置が精密に位置決めされるようになっている。
保持フレーム28は、図示しない4本のピアノ線からなる2対の平行バネで支持され、XY方向には移動自在で、Z方向の移動が拘束されている。なお、保持フレーム28の支持方法はこれに限らず、例えば複数のボールで上下に挟み込み、Z方向の移動を拘束するとともにXY方向に移動自在に支持してもよい。
リニア微動手段PZ1、PZ2には、Z微動手段27と同じく圧電素子が用いられており、一端がレーザヘッド40のケース本体に固定され、他端が保持フレーム28の側面に当接している。
図3は、駆動手段25の平面図である。図3に示すように、リニア微動手段PZ1、PZ2はX方向に2個配置されており、夫々一端がレーザヘッド40のケース本体に固定され、他端が保持フレーム28の側面に当接している。したがって、印加電圧を制御することによってコンデンスレンズ24をX方向に往復微動送りすることができ、レーザ光をX方向に往復微動送りさせたり振動させたりすることができる。
なお、リニア微動手段PZ1、PZ2のうちどちらか一方に圧電素子を用い、他方をバネ材等の弾性部材にしてもよい。また、リニア微動手段を円周上に3個配置するようにしてもよい。
レーザ発振器21からレーザ光Lが出射され、レーザ光Lはコリメートレンズ22、ハーフミラー23、コンデンスレンズ24等の光学系を経由してウェーハWの内部に照射される。照射されるレーザ光Lの集光点のZ方向位置は、XYZθテーブル12によるウェーハWのZ方向位置調整、及びZ微動手段27によるコンデンスレンズ24の位置制御によって、ウェーハ内部の所定位置に正確に設定される。
この状態でXYZθテーブル12がダイシング方向であるX方向に加工送りされるとともに、レーザヘッド40に設けられたリニア微動手段PZ1、PZ2によってコンデンスレンズ24が往復微小移動され、レーザ光LがウェーハWと平行にX方向、または任意のXY方向に振動され、レーザ光Lの集光点がウェーハ内部で微小振動しながら改質領域Kを形成してゆく。これにより、ウェーハWの切断ラインに沿って、ウェーハW内部に多光子吸収による改質領域Kが1ライン形成される。
なお、必要に応じ、Z微動手段27によるZ方向の振動を加えてもよい。また、レーザ光Lを加工方向であるX方向にゆっくり往復微動送りさせながらウェーハWをX方向に送ることにより、レーザ光Lをミシン目のように行きつ戻りつの状態で繰り返し照射するようにしてもよい。
切断ラインに沿って改質領域が1ライン形成されると、XYZθテーブル12がY方向に1ピッチ割り出し送りされ、次のラインも同様に改質領域が形成される。
全てのX方向と平行な切断ラインに沿って改質領域が形成されると、XYZθテーブル12が90°回転され、先程のラインと直交するラインも同様にして全て改質領域が形成される。
(2)研削装置2について
図4は、研削装置2の概観構成を示す斜視図である。研削装置2の本体112には、アライメントステージ116、粗研削ステージ118、精研削ステージ120、研磨ステージ122、研磨布洗浄ステージ123、研磨布ドレッシングステージ127、及びウェーハ洗浄ステージ124が設けられている。
粗研削ステージ118、精研削ステージ120、研磨ステージ122は、図5に示すように仕切板125(図4では省略)によって仕切られ、各々のステージ118、120、122で使用する加工液が隣接するステージに飛散するのが防止されている。
仕切板125は、図5に示すように、インデックステーブル134に固定されるとともに、インデックステーブル134に設置された4台のチャック132、136、138、140を仕切るように十字形状に形成されている。
粗研削ステージ118は、粗研磨を行うステージであり、図5に示すように、本体112の側面、天板128、及び仕切板125によって囲まれている。精研削ステージ120は、精研磨を行うステージであり、粗研磨ステージ118と同様に、本体112の側面、天板129、及び仕切板125によって囲まれている。仕切板125の上面及び側面にはブラシ(図示せず)が配設され、粗研削ステージ118、精研削ステージ120を外部から隔離している。また、天板128、129には、各ステージのヘッドが挿通される貫通孔128A、129Aが形成されている。
研磨ステージ122は、化学機械研磨を行うものであり、他のステージから隔離するために、図5に示すように、天板126Aを有するケーシング126によって覆われている。なお、天板126Aには、各ステージのヘッドが挿通される貫通孔126Cが形成されている。
ケーシング126の仕切板125が通過する側面には、図6に示すように、ブラシ126Bが取り付けられており、このブラシ126Bは、チャック140が加工位置に位置した時に、仕切板125の上面125A及び側面125Bに接触される。これにより、チャック140が加工位置に位置すると、ケーシング126、仕切板125、及びブラシ126Bによって略気密状態に保持される。
研磨ステージ122は、化学機械研磨を行うものであるため、研磨加工液に化学研磨剤が含有されている。このような研磨加工液に研削加工液が混入すると、化学研磨剤の濃度が低下し、加工時間が長くなるという不具合が生じる。研磨ステージ122を略機密状態に保つことにより、精研削ステージ120で使用される研削加工液や加工屑が研磨ステージ122に浸入するのを防止でき、また、研磨ステージ122で使用される研磨加工液が研磨ステージ122から飛散するのを防止できる。したがって、双方の加工液が混入することに起因する加工不具合を防止できる。
図7は、研磨ステージ122の構造図である。研磨ステージ122では、研磨布156と、研磨布156から供給されるスラリとによって研磨され、粗研磨、精研磨によりウェーハWの裏面に生じている加工変質層が除去される。加工変質層とは、研削によって生じた条痕や加工歪(結晶が変質している)等の総称である。
研磨ステージ122の研磨布156は、モータ158の出力軸160に連結された研磨ヘッド161に取り付けられている。モータ158の側面には、直動ガイドを構成するガイドブロック162、162が設けられており、ガイドブロック162、162が、サポートプレート164の側面に設けられたガイドレール166に上下移動自在に係合されている。したがって、研磨布156はモータ158とともに、サポートプレート164に対して上下移動自在に取り付けられている。
サポートプレート164は、水平に配置されたアーム168の先端に設けられている。アーム168の基端部は、ケーシング170内に配置されたモータ172の出力軸174に接続されている。したがって、モータ172が駆動されると、アーム168は出力軸174を中心に回動することができる。これにより、研磨布56を研磨位置(図3の実線参照)と、研磨布洗浄ステージ123による研磨布洗浄位置(図3の2点鎖線参照)と、研磨布ドレッシングステージ127によるドレス位置との範囲内で移動させることができる。研磨布156は、研磨布洗浄位置に移動された際に、研磨布洗浄ステージ123によって、その表面が洗浄されて表面に付着している研磨屑等が除去される。なお、研磨布156としては、発泡ポリウレタン、研磨布等を例示することができ、研磨布洗浄ステージ123には、研磨屑を除去するブラシ等の除去部材が設けられている。この除去部材は、研磨布156の洗浄時に回転駆動され、研磨布156も同様にモータ158によって回転駆動される。研磨布ドレッシングステージ127には、研磨布156と同じ材料、例えば発泡ポリウレタンが採用されている。
ケーシング170の側面には、直動ガイドを構成するガイドブロック176、176が設けられ、このガイドブロック176、176が、ねじ送り装置用のハウジング178の側面に設けられたガイドレール180に上下移動自在に係合されている。また、ケーシング170の側面には、ナット部材179が突設されている。ナット部材179は、ハウジング178に形成された開口部(図示せず)を介してハウジング178内に配設されたねじ送り装置のねじ棒181に螺合されている。ねじ棒181の上端には、モータ182の出力軸184が連結されている。したがって、モータ82が駆動されて、ねじ棒181が回転されると、ねじ送り装置の送り作用と、ガイドブロック176とガイドレール180の直進作用とによって、ケーシング70が上下移動される。これによって、研磨布156が上下方向に大きく移動され、研磨ヘッド161とウェーハWとの間隔が所定の間隔に設定される。
モータ158の上面には、エアシリンダ装置186のピストン188がアーム168の貫通孔169を介して連結されている。また、エアシリンダ装置186には、シリンダの内圧Pを制御するレギュレータ190が接続されている。したがって、このレギュレータ190によって内圧Pが制御されると、ウェーハWに対する研磨布156の押圧力(圧接力)を制御することができる。
なお、本実施の形態では、研磨体として研磨布156を適用したが、これに限定されるものではなく、加工変質層の除去が可能であれば、例えば研磨砥石や砥粒の電気泳動等を適用してもよい。研磨砥石や砥粒の電気泳動等を適用した場合には、定量研磨を行うことが好ましい。
図4の説明に戻る。アライメントステージ116は、図示しない搬送装置によりレーザダイシング装置1から搬送されたウェーハWを所定の位置に位置合わせするステージである。このアライメントステージ116で位置合わせされたウェーハWは、図示しない搬送用ロボットに吸着保持された後、空のチャック132に向けて搬送され、このチャック132の吸着面に吸着保持される。
チャック132は、インデックステーブル134に設置され、また、同機能を備えたチャック136、138、140が、インデックステーブル134の回転軸135を中心とする円周上に90度の間隔をもって設置されている。回転軸135には、モータ(図示せず)のスピンドル(図示せず)が連結されている。
チャック136は、図4においては粗研削ステージ118に位置されており、吸着したウェーハWがここで粗研削される。チャック138は、図4においては精研削ステージ120に位置され、吸着したウェーハWがここで仕上げ研削(精研削、スパークアウト)される。チャック140は、図4においては研磨ステージ122に位置され、吸着したウェーハWがここで研磨され、研削で生じた加工変質層、及びウェーハWの厚みのバラツキ分が除去される。
ここで、チャック132、136、138、140について説明する。チャック136、138、140はチャック132と同様の構成を有するため、チャック132について説明し、チャック136、138、140については説明を省略する。
図8は、チャック132の詳細を示す図であり、(a)はチャック132の平面図、(b)は(a)におけるA−A’断面図、(c)は(b)におけるB部拡大図である。
チャック132は、緻密体で形成されたチャック本体132bに、多孔質材(例えば、ポーラスセラミックス)で形成された載置台132aが嵌めこまれることにより構成される。チャック本体132bの載置台132aが嵌めこまれる下側には、真空吸着のために吸着孔132cが形成されている。なお、チャック132は、熱伝導率の低い材質で形成されることが望ましい。
載置台132aには、図8(c)に示すように、ウェーハWがBGテープBを介して載置される。載置台132aは、図8(c)に示すように、ウェーハWを載置台132aに載置した時に、ウェーハWの外周の一部が載置台132aからはみ出すよう形成されているが、その幅xは約1.5mm程度である。なお、本実施の形態で用いられるウェーハWは、直径が約12インチ、厚さtは約775μmである。
吸着孔132cは、図8(a)、(b)に示すように、載置台132aの略全域を覆うように配置されている。吸着孔132cには、図示しない流体継手が連結され、この流体継手に連結された図示しないサクションポンプが空気を吸引する。したがって、ウェーハWの略全面が載置台132aの表面にしっかりと真空吸着される。これにより、位置ずれを起こすことなく、ウェーハWと載置台132aとを面で密着させることができる。
チャック132、136、138、140は、図7に示すように、その下面にスピンドル194とモータ192が各々連結され、これらのモータ192の駆動力によって回転される。モータ192は、支持部材193を介してインデックステーブル134に支持されている。これにより、チャック132、136、138、140をモータ137で移動させる毎に、スピンドル194をチャック132、136、138、140から切り離したり、次の移動位置に設置されたスピンドル194にチャック132、136、138、140を連結したりする手間を省くことができる。
モータ192の下部には、シリンダ装置117のピストン119が連結されている。このピストン119が伸長されると、チャック132、136、138、140の下部に形成された凹部(図示せず)に嵌入されて連結される。そして、チャック132、136、138、140は、ピストン119の継続する伸長動作によって、インデックステーブル134から上昇移動され、砥石146、154による研削位置に位置される。
制御部100は、CPU、メモリ、入出力回路部等からなり、研削装置2の各部の動作を制御する。
チャック132に吸着保持されたウェーハWは、制御部100に接続された一対の測定ゲージ(図示せず)によってその厚みが測定される。これらの測定ゲージは、それぞれ接触子を有し、接触子はウェーハWの上面(裏面)に、他の接触子はチャック132の上面に接触されている。これらの測定ゲージは、チャック132の上面を基準点としてウェーハWの厚みをインプロセスゲージ読取値の差として検出することができる。なお、測定ゲージによる厚み測定はインラインで実施してもよい。また、ウェーハWの厚み測定の方法はこれに限られない。
制御部100によりインデックステーブル134が図4の矢印R方向に90度回転されることで、厚みが測定されたウェーハWが粗研削ステージ118に位置され、粗研削ステージ118のカップ型砥石146によってウェーハWの裏面が粗研削される。このカップ型砥石146は、図4に示すように、モータ148の図示しない出力軸に連結され、また、モータ148のサポート用ケーシング150を介して砥石送り装置152に取り付けられている。砥石送り装置152は、カップ型砥石146をモータ148とともに昇降移動させるもので、この下降移動によりカップ型砥石146がウェーハWの裏面に押し付けられる。これにより、ウェーハWの裏面の粗研削が行われる。制御部100は、カップ型砥石146の下降移動量を設定し、モータ148を制御する。なお、カップ型砥石46の下降移動量、即ちカップ型砥石146による研削量は、予め登録されているカップ型砥石146の基準位置と、測定ゲージで検出されたウェーハWの厚みとに基づいて設定される。また、制御部100は、モータ148の回転数を制御することで、カップ型砥石146の回転数を制御する。
粗研削ステージ118で裏面が粗研削されたウェーハWは、ウェーハWからカップ型砥石146が退避移動した後、制御部100に接続された測定ゲージ(図示せず)によってその厚みが測定される。制御部100によりインデックステーブル134が図4の矢印R方向に90度回転されることで、厚みが測定されたウェーハWが精研削ステージ120に位置され、精研削ステージ120のカップ型砥石154によって精研削、スパークアウトされる。この精研削ステージ120の構造は、粗研削ステージ118の構造と同一なので、ここではその説明を省略する。また、カップ型砥石154による研削量は制御部100により設定され、カップ型砥石154の加工移動量及び回転数は制御部100により制御される。
精研削ステージ120で裏面が精研削されたウェーハWは、ウェーハWからカップ型砥石154が退避移動した後、制御部100に接続された測定ゲージ(図示せず)によってその厚みが測定される。制御部100によりインデックステーブル134が図4の矢印R方向に90度回転されると、厚みが測定されたウェーハWが研磨ステージ122に位置され、研磨ステージ122の研磨布156によって化学機械研磨が行われ、ウェーハWの裏面が鏡面加工される。研磨布156の上下移動距離は、制御部100により設定され、制御部100によりモータ182が制御されることで研磨布156の位置が制御される。また、制御部100によりモータ158の回転数、すなわち研磨布156の回転数が制御される。
研磨ステージ122で研磨されたウェーハWは、制御部100によりアーム168が回動され、研磨布156がウェーハWの上方位置から退避移動した後に、ロボット(図示せず)のハンド(図示せず)で吸着保持されてウェーハ洗浄ステージ124に搬送される。ウェーハ洗浄ステージ124としては、リンス洗浄機能、及びスピン乾燥機能を有するステージが適用されている。研磨終了したウェーハWは、加工変質層が除去されているので、容易に破損することはなく、よって、ロボットによる搬送時、及びウェーハ洗浄ステージ124における洗浄時において破損しない。
ウェーハ洗浄ステージ124で洗浄乾燥終了したウェーハWは、ロボット(図示せず)のハンド(図示せず)に吸着保持されて、カセット(図示せず)の所定の棚に収納される。
(3)テープ剥離装置3について
図9はテープ剥離装置3の構成を示す側面図である。ウェーハWへのBGテープBまたはエキスパンドテープEの貼着はテープ剥離装置3により行われる。さらに研削装置2により研削、研磨されたウェーハWはテープ剥離装置3により割断が行われる。
テープ剥離装置3は、不図示の駆動装置により回転可能に設けられたテーブル211を備えている。テーブル211の上面には、ウェーハWを載置する弾性体212が取り付けられている。
テーブル211の上方には供給リール213、剥離用ローラ214が設けられ、ウェーハWの表面に貼着されたBGテープBを剥離する剥離用フィルム215が供給リール213から繰り出され、ガイドローラ216、217を経て巻取りリール218に巻き取られるようになっている。
剥離用ローラ214の近傍(例えばテーブル211の外周部上方など)にはウェーハWの割断を行う押圧部材219が備えられている。
テーブル211の上面に取り付けられた弾性体212は、圧縮永久歪の小さい空隙の無い弾性体であり、ウェーハWに形成されているチップCのサイズ以下の間隔で図10に示すように格子状または平行に並ぶ溝212a、212a・・が形成されている。弾性体212は、不図示の真空発生源と接続され、溝212a、212a・・等により、表面にBGテープBが貼着され、裏面に貼着されたエキスパンドテープEを介してフレームFにマウントされたウェーハWを吸着固定可能に形成されている。
弾性体212の素材としては例えばSBR(スチレンブタジエンゴム)やNBR(ニトリルブタジエンゴム)等が好適に使用できる。なお、溝212aは孔形状、凹凸形状であっても良い。
例えば図11(a)に示す、小さい空隙が多数形成されているスポンジ状の弾性体212BをウェーハWの割断の際に使用した場合、空隙が小さくなることや、空隙が扁平することによる圧縮永久歪が発生する。このため、繰り返し弾性体212Bを使用すると、変形により徐々に弾性係数が変化して安定した割断をすることができない。
また、図11(b)に示すように、溝や孔、凹凸などが無い弾性体212Cでは、一部の弾性体が押し込まれた際に、体積が一定であるため押し込んだ周りの部分が盛り上がることとなる。この場合、局所的に押圧してウェーハを沈み込ませて割断しようとしても、応力が分散して効率的に割断することが困難となる。
これに対し、弾性体212は、図11(c)に示すように、上からの押圧に対して溝212aにより横方向の変形の余地があるため、均一な変形が起こり、割断を望む切断ラインSに対して応力が集中し、確実に効率よく割断が行える。
押圧部材219は、図10に示すように、半径Rが改質層Pの形成されている切断ラインSの間隔Lよりも小さく形成さえている。半径Rが間隔Lよりも小さいことにより、押圧部材219は1つの切断ラインSを押圧する際に、他の切断ラインSを押圧することが無くなる。これにより、割断を望む切断ラインSに対して応力が集中し、確実に効率よく割断が行える。
ウェーハWの割断は、図12に示すように、切断ラインSに沿って改質層Pが形成されたウェーハWの表面にBGテープB、裏面側へエキスパンドテープEが貼着されて行われる。テープ剥離装置3は、図12に示すように押圧部材219が格子状に形成されている切断ラインSの一方と平行になるように、テーブル211を回転させてウェーハWの位置を調整する。
この状態で押圧部材219がウェーハWへ押圧されるとともに転動されて、一方の切断ラインSに沿ってウェーハWが割断される。一方の切断ラインSの割断後、ウェーハWが載置されたテーブル211不図示の駆動手段により90度回転することで他方の切断ラインSと押圧部材219が平行になるように配置される。この状態で押圧部材219がウェーハWへ押圧されるとともに転動されて他方の切断ラインSに沿ってウェーハWが割断される。
ウェーハWは表面及び裏面にBGテープB、エキスパンドテープEが貼着されているので、一つの切断ラインSを割断後、その隣の切断ラインSを割断する際、BGテープB、エキスパンドテープEにより位置が拘束され、既に割断された切断ラインSにおいてチップ間隔が大きく広がることがなくなる。これにより、弾性体212による縦方向の変形だけでなく、チップCの間隔が大きく広がることによる横方向の変形によって押圧部材219の局所的な応力が分散されてしまうことがなくなり、応力を集中させて確実に効率よく割断が行える。
また、表面及び裏面にBGテープB、エキスパンドテープEが貼着されることにより、ウェーハWが割断された際に生じる破片などが弾性体212に付着することが無く、次のウェーハWを弾性体212に載置しても破片による悪影響が生じない。
剥離用ローラ214は、弾性体212よりも柔らかい弾性体により形成されている。BGテープBは、貼着面に例えば紫外線硬化型粘着剤を有しており、テープ剥離装置3内または外部に設けられた不図示の紫外線照射装置により紫外線を照射されて粘着力が低下される。粘着力が低下したBGテープB上へは、図9に示すように剥離用ローラ214を下方に押圧しながら横方向(図9に示す矢印A方向)に転動させることによって剥離用フィルム215が貼着される。
剥離用フィルム215が貼着された後、巻取りリール218及びガイドローラ217を含む巻取りユニット218Aは、剥離用フィルム215を巻取りながら剥離用ローラ214とともに横方向(図9に示す矢印B方向)へ移動することで、BGテープBがウェーハW上より剥離される。
剥離用ローラ214により剥離用フィルム215を貼着する際またはBGテープBを剥離する際には、図13(a)に示すようにチップCを分割する切断ラインSが剥離用ローラ214に対して平行に配置されているウェーハWを、テーブル211を45度回転させることにより、図13(b)に示すように剥離用ローラ214に対して切断ラインSが傾斜して交差するように配置させる。
これにより、これにより剥離用フィルム215の貼着時やBGテープBの剥離時に割断されたチップCの位置がずれることが無くなり、エキスパンド後のチップCのピックアップなどの後の工程に悪影響を及ぼさない。
(4)エキスパンド装置について
次にエキスパンド装置(不図示)について説明する。エキスパンド装置は、従来の通常のエキスパンド装置を使用することができる。例えば、特開2007−173587に開示されている、以下のような構成のエキスパンド装置を使用することができる。
即ち、エキスパンドテープEの周縁部は枠状のフレームFに固定されている。エキスパンドテープE周縁部の内側部分の下面にはリング部材が当接している。このリング部材の上面外周縁部は滑らかにR面取りがされている。フレームFに下方向に力が付与され、下方に押し下げられる。これによりダイシングテープはエキスパンドされ、チップ同士の間隔が広げられる。この時、リング部材の上面外周縁部が滑らかにR面取りされているので、エキスパンドテープEはスムーズにエキスパンドされる。
フレームFを押し下げるための機構としては、公知の各種直動装置が採用できる。例えば、シリンダ部材(油圧、空圧等による)、モータとねじ(シャフトとしての雄ねじと軸受としての雌ねじとの組み合わせ)よりなる直動装置が採用できる。
<半導体基板の切断方法>
次に、半導体基板の切断方法について説明する。図14は、半導体基板の切断方法の処理の流れを示すフローチャートである。
(1)BGテープ貼付工程(ステップS1)
本発明の半導体基板の切断方法では、まずウェーハWの回路パターン等が形成されている表面側へBGテープBが貼着される(ステップS1)。
ウェーハWへのBGテープBの貼着は、不図示のテープ貼着装置により行われる。BGテープBを貼着する際には、チップCを分割する切断ラインSがテープを貼り付ける貼着用ローラに対して傾斜して交差するように、テーブル211を45度回転させる。これにより、BGテープBをウェーハWへ貼着している最中に貼着用ローラの加圧力でウェーハWが切断ラインSに沿って割断してしまうことが無い。
(2)レーザ改質工程(ステップS2)
表面にBGテープBが貼付されたウェーハWが、裏面が上向きとなるようにレーザダイシング装置1の吸着ステージ13に載置される。以下の処理はレーザダイシング装置1で行われ、制御部50により制御される。
レーザ発振器21からレーザ光Lが出射されると、レーザ光Lはコリメートレンズ22、ハーフミラー23、コンデンスレンズ24等の光学系を経由してウェーハWの内部に照射され、ウェーハWの内部に改質領域Kが形成される。
本実施の形態では、最終的に生成されるチップの厚さが略50μmであるため、ウェーハWの表面から略60μm〜略80μmの深さにレーザ光を照射する。ウェーハWの表面(デバイス面)を効率的に破断するためには、ウェーハW表面からチップCの厚み分だけ裏面側に位置する面である基準面に近い比較的深い位置にレーザ改質領域を形成する必要があるからである。
制御部50は、パルス状の加工用のレーザ光LをウェーハWの表面に平行に走査して、ウェーハW内部に複数の不連続な改質領域K…を並べて形成する。改質領域Kの内部には、微小空孔(以下、クラックという)が形成される。以下、複数の不連続な改質領域K、…が並べて形成された領域を改質層という。
図10に示す切断ラインSの全てに沿って改質層が形成されたら、ステップS2の処理を終了する。
(3)研削除去工程(ステップS3)
レーザ改質工程(ステップS2)により切断ラインSに沿って改質領域Kが形成されたら、 搬送装置(図示せず)によりウェーハWをレーザダイシング装置1から研削装置2へ搬送する。以下の処理は研削装置2で行われ、制御部100により制御される。
搬送されたウェーハWを裏面を上側、すなわちウェーハWの表面に貼付されたBGテープBを下側にしてチャック132(例示、チャック136、148、140でも可)に載置させ、ウェーハWの略全面をチャック132に真空吸着させる。
インデックステーブル134を回転軸135を中心に回転させてチャック132を粗研削ステージ118に搬入し、ウェーハWを粗研磨する。
粗研磨は、チャック132を回転させるとともにカップ型砥石146を回転させることにより行う。本実施の形態では、カップ型砥石146として例えば、東京精密製ビトリファイド♯325を用い、カップ型砥石146の回転数は略3000rpmである。
粗研磨後、インデックステーブル134を回転軸135を中心に回転させてチャック132を精研削ステージ120に搬入し、チャック132を回転させるとともにカップ型砥石154を回転させてウェーハWを精研磨する。本実施の形態では、カップ型砥石154として粗例えば、東京精密製レジン♯2000を用い、カップ型砥石154の回転数は略2400rpmである。
本実施の形態では、図15に示すように、粗研磨と精研磨とをあわせて目標面まで、すなわちウェーハWの表面から略50μmの深さまで研削を行う。本実施の形態では、粗研磨で略700μmの研削を行い、精研磨で略30〜40μmの研削を行うが、厳密に決まっているわけではなく、粗研磨と精研磨との時間が略同一となるように研削量を決定してもよい。
したがって、図15に示すように、改質層は研削工程で除去され、最終的な製品であるチップC断面にはレーザ光による改質領域Kは残らない。そのため、チップ断面から改質層が破砕し、破砕した部分からチップCが割れたり、また破砕した部分から発塵したりということをなくすことができる。
また、本実施の形態においては、この研削除去工程において、改質層内のクラックをウェーハWの厚み方向に進展させる亀裂進展工程が含まれる。図16は、クラックが進展する仕組みを説明する図であり、(a)は研削時の概略図、(b)はウェーハW裏面の様子、(c)はウェーハW表面の様子、(d)は研削時のウェーハWの断面図である。
研削によって、図16(a)に示す研削面、すなわちウェーハW裏面は、図16(b)に示すように研削熱によって膨張する。それに対し、研削面の反対側の面、すなわちウェーハW表面は、図16(c)に示すように真空チャックにより略全面が減圧吸着されており、熱膨張による位置ずれが生じないように横方向への変位に対して物理的に拘束されている。
すなわち、図16(d)に示すように、ウェーハWの裏面(研削面)は熱膨張によって円盤状の場合外周方向に広がろうとする(熱膨張による変位)のに対し、ウェーハWの表面(吸着面)はその広がろうとするウェーハ面内の各点を物理的に位置ずれしないように拘束されている。そのため、ウェーハ内部に歪が生じ、この内部歪によりクラックがウェーハWの厚み方向に進展する。この内部歪は、熱膨張により膨張する部分と、物理拘束されるウェーハ面内各点との間に均等に働く。内部歪による亀裂進展は、最も研削量が大きく、摩擦力も大きくなる、すなわち摩擦熱も大きくできる研削初期、すなわち粗研磨時が最も効率よい。
レーザ改質領域は、チップの厚みに近い比較的深い位置に形成される。したがって、研削初期では研削表面からレーザ改質層までの距離は比較的遠くなるが、改質層から目標面は、亀裂進展させる程度に比較的近い位置にある。そのため、亀裂進展のためには、粗研磨の初期に研削熱によってウェーハWの熱膨張を促すとよい。
ウェーハWを熱膨張させる条件、すなわち摩擦熱をよい多く発生させるための条件(例えば、研削液を少なくする等)で研削を行ったとしても、研削のせん断応力がすぐに改質層に及ぼされるものでもない。本実施の形態では、研削によるせん断応力によって亀裂が進展するのではなく、研削熱による熱膨張が亀裂進展の支配的要素である。
内部歪によりクラックを進展させる場合には、ウェーハW面内の剛性ばらつきなどに起因することなく、どのようなウェーハWであってもウェーハW面内各点一様にクラックを進展させることができる。したがって、人為的な応力を付与する場合のように、ウェーハW面内の欠陥の存在などに起因する剛性の弱い部分に応力が集中することを防ぐことができる。
また、人為的に外力を与えた場合においては、材料の弱い部分に応力が集中するため、クラックを一様に緩やかに進展させるという制御は困難であり、完全にウェーハが割断される。それに対し、本実施の形態における内部歪によるクラックの進展の場合、熱膨張の度合いよる内部歪であることから、クラックを微妙に進展させることが可能となる。すなわち、目標面とウェーハWの表面との間にまでクラックを進展させることができる。したがって、後に説明するウェーハ割断工程(ステップS6)で効率よく分割することが可能となる。
なお、ウェーハWの熱膨張による内部歪は、温度差に起因するいわゆる熱応力とは区別される。熱応力は温度勾配に比例して発生するが、本実施の形態では発生した熱はチャック132、136、138、140へ逃げていくため、熱応力は発生しない。
(4)化学機械研磨工程(ステップS4)
この工程は研削装置2で行われ、制御部100により制御される。
精研磨後、インデックステーブル134を回転軸135を中心に回転させてチャック132を研磨ステージ122に搬入し、研磨ステージ122の研磨布156によって化学機械研磨が行われ、研削除去工程(ステップS3)においてウェーハWの裏面に形成された加工変質層が除去され、ウェーハW裏面が鏡面加工される。
本実施の形態では、研磨布156としてポリウレタン含浸不繊布(例えば、東京精密製TS200L)を用い、スラリとしてコロイダルシリカを用い、研磨布156の回転数は略300rpmである。
研削除去工程(ステップS3)により、ウェーハWの裏面は、図17に示すような凹凸が多数形成されている。化学エッチングにより研磨を行う場合には、表面形状がそのまま保たれるため、凹部から割れが発生する恐れがあるし、表面が鏡面化されない。それに対し、本実施の形態では、化学機械研磨であるため、加工により生じた加工歪を除去され、表面の凹凸が除去されて鏡面化される。
すなわち、最終製品であるチップCの品質向上のためには、砥石を用いた研削除去工程と、研磨布を使用した化学液を含んだ遊離砥粒による化学機械研磨工程の二つが必要不可欠となる。
(5)エキスパンドテープ貼付工程(ステップS5)
化学機械研磨工程(ステップS4)が行われたウェーハWの裏面にはエキスパンドテープEが貼着される。エキスパンドテープは弾性テープの一種であり、伸縮自在である。
ウェーハWへのエキスパンドテープEの貼着は、ステップS1のBGテープBの貼着と同様に不図示のテープ貼着装置により行われる。エキスパンドテープEを貼着する際には、BGテープBと同様にチップCを分割する切断ラインSがテープを貼り付ける貼着用ローラに対して傾斜して交差するように、テーブル211を45度回転させる。
これにより、エキスパンドテープEをウェーハWへ貼着している最中に貼着用ローラの加圧力でウェーハWが切断ラインSに沿って割断してしまうことが無い。
(6)ウェーハ割断工程(ステップS6)
エキスパンドテープEが貼着されたウェーハWはテープ剥離装置3へ搬送され、ウェーハWへ押圧部材218を押圧し、切断ラインSに沿ってウェーハWを割断することでウェーハWが個々のチップCに分割される。
ウェーハWの割断では、図12に示すように押圧部材219が格子状に形成されている切断ラインである切断ラインSの一方と平行になるように、ウェーハWが上面に弾性体212が設けられたテーブル211上に載置される。この状態で押圧部材219がウェーハWへ押圧されるとともに転動されて、一方の切断ラインSに沿ってウェーハWが割断される。一方の切断ラインSの割断後、ウェーハWが載置されたテーブル211が不図示の駆動手段により90度回転されて他方の切断ラインSと押圧部材219が平行になるように配置され、他方の切断ラインSに沿ってウェーハWが割断される。
テーブル211の上面に取り付けられた弾性体212は、圧縮永久歪の小さい空隙の無い弾性体であり、ウェーハWに形成されているチップCのサイズ以下の間隔で図10に示すように格子状または平行に並ぶ溝212a、212a・・が形成されている。これにより、弾性体212は、図11(c)に示すように、上からの押圧に対して溝212aにより横方向の変形の余地があるため、均一な変形が起こり、割断を望む切断ラインSに対して応力が集中し、確実に効率よく割断が行える。
押圧部材219は、図10に示すように、半径rが改質領域Kの形成されている切断ラインSの間隔lよりも小さく形成されていることにより、押圧部材19は1つの切断ラインSを押圧する際に、他の切断ラインSを押圧することが無くなる。これにより、割断を望む切断ラインSに対して応力が集中し、確実に効率よく割断が行える。
ウェーハWの割断では、表面及び裏面にBGテープB、エキスパンドテープEが貼着されているので、一つの切断ラインSを割断後その隣の切断ラインSを割断する際、BGテープB、エキスパンドテープEにより位置が拘束されて既に割断された切断ラインSにおいてチップ間隔が大きく広がることがなくなる。これにより、弾性体212による縦方向の変形だけでなく、チップCの間隔が大きく広がることによる横方向の変形によって押圧部材218の局所的な応力が分散されてしまうことがなくなり、応力を集中させて確実に効率よく割断が行える。
また、表面及び裏面にBGテープB、エキスパンドテープEが貼着されることにより、ウェーハWが割断された際に生じる破片などが弾性体212に付着することが無く、次のウェーハWを弾性体212に載置しても破片による悪影響が生じない。
(7)BGテープ剥離工程(ステップS7)
割断されたウェーハWは、剥離用フィルム215が剥離用ローラ214によりBGテープBへ貼着されBGテープBが剥離される。
剥離用ローラ214は、弾性体212よりも柔らかい弾性体により形成されている。BGテープBは、貼着面に例えば紫外線硬化型粘着剤を有しており、テープ剥離装置3内または外部に設けられた不図示の紫外線照射装置により紫外線を照射されて粘着力が低下される。粘着力が低下したBGテープB上へは、図9に示すように剥離用ローラ214を下方に押圧しながら横方向(図9に示す矢印A方向)に転動させることによって剥離用フィルム215が貼着される。
剥離用フィルム215が貼着された後、2巻取りリール18及びガイドローラ217を含む巻取りユニット218Aは、剥離用フィルム215を巻取りながら剥離用ローラ214とともに横方向(図9に示す矢印B方向)へ移動することで、BGテープBがウェーハW上より剥離される。
剥離用ローラ214により剥離用フィルム215を貼着する際またはBGテープBを剥離する際には、図13(a)に示すようにチップCを分割する切断ラインSが剥離用ローラ214に対して平行に配置されているウェーハWを、テーブル211を45度回転させることにより、図13(b)に示すように剥離用ローラ214に対してストリートSが傾斜して交差するように配置させる。
これにより、これにより剥離用フィルム215の貼着時やBGテープBの剥離時に割断されたチップCの位置がずれることが無くなり、エキスパンド後のチップCのピックアップなどの後の工程に悪影響を及ぼさない。
(8)ウェーハ離間工程(ステップS8)
BGテープBを剥離した後、ウェーハWはエキスパンドテープEを下にして不図示のエキスパンドテーブル上に載置され、フレームFを押し下げる、またはフレームFを固定してテーブルを上昇させることによりエキスパンドテープEを引き伸ばしチップCの間隔が広げられる。
エキスパンド後のウェーハWはチップC毎にエキスパンドテープEよりピックアップされ、後の各種工程へ搬送される。
<<研磨による亀裂進展評価>>
次に、上記研削除去工程(ステップS3)における研磨による亀裂進展評価について図18、図19を参照して説明する。研磨方法、分割離間方法、それらの条件等は基本的に上記ステップS1からS8の通りである。図18は、亀裂進展評価の条件について示した図であり、図19は、亀裂進展評価の評価結果を示した図である。
図18の(A)、(B)、(C)において、横軸は共通し、各位置が互いに対応しており、研磨時間(s)を示す。図18の(A)の縦軸は、切り込み速度(研磨速度)(μm/s)を示し、(B)の縦軸は、研磨中の砥石への給水のON、OFFを示し、(C)の縦軸は、研磨中のウェーハW裏面の温度(℃)を示す。
図18の(A)に示すように、研磨速度を変えながら粗研磨を合計710μm行い、その後、精研磨を13μm(図示せず)行い、さらに化学機械研磨(図示せず)を2μm行った。ウェーハの際、図18の(B)に示すように、粗研磨の途中に砥石またはウェーハへの給水の中断期間を設けた。研磨開始後t1秒経過後に給水を中止し、研磨開始後t2秒経過後に給水を再開した。給水は、10L/minの流量で行った。その後、上記ステッ
プS5、S6、S7工程を行って、ウェーハを割断し、その割断状態を観察して評価した。チップが割れたり、発塵したりせず良好に割れた場合を○とし、チップが割れたり発塵したものは×として、図19に結果をまとめた。
図18の(C)に示すように、ウェーハWの裏面温度は、給水が中止された研磨開始後t1秒経過後に急に上昇を初め、給水が再開された研磨開始後t2秒経過直後に下降し始めた。
図19に示すように、研磨によりウェーハWの裏面温度が70℃以上になった場合、良好にウェーハの割断が行われた。これは、研磨の熱によりレーザによって形成されたクラックが進展したためと考えられる。
よって、本発明に係る研削装置は、ウェーハの温度測定する手段と、研削中に砥石またはウェーハへの給水をON、OFFする手段と、研削開始から所定の時間経過後にウェーハ温度が所定の値になるまでウェーハへの給水をOFFするように制御する手段とを備えることができる。これにより、レーザによって形成されたクラックを進展させ、ウェーハの割断を良好に行うことができる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、研削によりレーザ光により形成された改質領域内のクラックを進展させることができるため、チップCの断面にレーザ光により形成された改質領域が残らないようにすることができる。そのため、チップCが割れたり、チップC断面から発塵したりとするという不具合を防ぐことができる。したがって、安定した品質のチップを効率よく得ることができる。また、ウェーハの切断ラインに対して押圧部材の応力を集中させ、割断が確実に効率よく行うことが可能となる。さらに、ウェーハを載置する弾性体上に割断時の汚染を残さず、割断を連続して行ってもウェーハに悪影響を及ぼさない。
(付記)
上記に詳述した実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(付記1)ウェーハの表面にバックグラインドテープを貼着する工程と、前記バックグラインドテープが表面に貼着された前記ウェーハの切断ラインに沿って裏面からレーザ光を入射して前記ウェーハの内部に改質領域を形成することで前記改質領域内に微小空孔を形成する改質領域形成工程と、前記改質領域形成工程で改質領域が形成されたウェーハの表面の略全面を各領域独立して一様にテーブルに真空吸着させる真空吸着工程と、前記吸着工程で表面の略全面がテーブルに吸着されたウェーハを裏面から研削して前記改質領域を除去するとともに、前記微小空孔を前記ウェーハの厚み方向に進展させる研削工程と、前記研削工程後、前記研削工程で前記微小空孔が前記ウェーハの厚み方向に進展されたウェーハを化学機械的に研磨する工程と、化学機械的に研磨された前記ウェーハの裏面にエキスパンドテープを貼着する工程と、前記エキスパンドテープが裏面に貼着された前記ウェーハを、前記バックグラインドテープを介して押圧部材で押圧して前記ウェーハを割断する割断工程と、前記バックグラインドテープを剥離する剥離用テープを帖着し、剥離用ローラで前記バックグラインドテープの剥離を行う剥離工程と、割段された前記ウェーハを、前記エキスパンドテープを引き伸ばすことにより複数のチップに分割する分割離間工程と、を含むことを特徴とする半導体基板の切断方法。
付記1に記載された発明によれば、ウェーハの表面にはテープを貼り付ける機構により、保護用のバックグラインドテープが貼着される。バックグラインドテープ貼着後、切断ラインに沿ってウェーハの裏面からレーザ光を入射してウェーハの内部に改質領域を形成することで改質領域内に微小空孔が形成される。改質領域が形成されたウェーハ表面の略全面をテーブルに基板の各位値を独立して一様に吸着させた状態でウェーハを裏面から研削して改質領域を除去する。
この時に、研削によって生じた研削熱により、研削しているウェーハ表面とともに半径方向に熱膨張して広がろうとする。しかし、一方でウェーハは熱容量の大きいウェーハ真空チャックによって、その膨張による広がりを阻止しようとする。
その結果、ウェーハ表面は熱膨張で拡大する一方、チャックされているウェーハ裏面は真空チャックにより膨張せず、そのままの状態を維持しようとする。その結果、ウェーハ内部に形成された改質領域は、そのウェーハ表面と裏面の膨張の違いに応じて、改質領域がさらに拡大するように作用し、さらに亀裂が進展するようになる。改質領域は、レーザ光が照射され、一度溶融状態になって再結晶した部分もあるため、結晶粒が大きくもろい。こうした改質領域が将来的なチップの側面に現れた場合、チップ側面から発塵するほか、チップ側面から大きな結晶粒が欠けたりすることもある。しかし、改質領域から進展した微小亀裂部分は、純粋な結晶面であるため、将来的なチップ側面にこの面が現れたとしても、チップ側面から発塵したり、大きな結晶粒となって欠けたりということは無い。
こうして、研削工程によってウェーハを削りながら除去するとともに、微小空孔をウェーハの厚み方向に進展させ改質領域を除去する。次に、研削により形成された加工変質層と、進展した微小空孔とを、際立たせるために、ウェーハ全面に対して化学機械研磨を施して(後に詳細記載)、加工変質層を完全に除去する。その結果、微小空孔のみが表面に残り、その残りの領域は加工歪も残らない完全な鏡面となる。その後、まだ割れていないウェーハの裏面に対して、テープを貼り付ける機構内によりエキスパンドフィルムが貼着される。
エキスパンドフィルムが貼着されたウェーハは反転されて、バックグラインドテープを剥離する機構内に設けられたテーブル上に載置される。続いて、切断ラインと平行に位置づけられた、剥離機構内に設けられている押圧部材により一方の切断ラインが割断される。一方の切断ラインが全て割断された後、ウェーハが90度回転して他方の切断ラインが割断される。
割断後、紫外線照射や加熱などによりバックグラインドテープの粘着力が低減される。粘着力が低減されたバックグラインドテープには、剥離用ローラにより剥離用テープが貼着されて剥離が行われる。バックグラインドテープが剥離されたウェーハはエキスパンドフィルムが拡張されてチップの離間が行われる。これにより、チップの断面にレーザ光により形成された改質領域が残らないようにすることができる。そのため、チップが割れたり、チップ断面から発塵したりとするという不具合を防ぎ、安定した品質のチップを効率よく得ることができる。
また、研削されたウェーハの裏面を化学機械研磨してからウェーハを分割するので、チップの抗折強度を高くすることができる。ここで、化学機械研磨においては、引用文献2に示す研磨工程におけるエッチング処理とは大きく区別される。
まず、本願における化学液は、引用文献2のエッチング液は異なる。引用文献2におけるエッチング液は、基板表面に液が作用することで基板を自然に溶かす、すなわちエッチングする作用を有する。それにより、クラックが発生した部分においても、エッチング液が浸透して周囲を自然とエッチングするため、レーザによって形成された改質層をさらに大きくするという作用がある。また、従来のエッチング液の場合、先にも述べた通り、エッチング液がクラック内を浸透しすぎてクラックを進展させ、最終的にチップとフィルムの間の部分にまで浸透する。それにより、チップ表面までエッチング液が回り込み、チップ表面がエッチング液により浸食されて、それぞれのチップデバイスが機能しなくなる場合もある。
これに対して本願の化学機械研磨において使用する研磨剤(スラリ)は、静的な状況下ではエッチング作用は無い。すなわち、ウェーハに対して研磨剤のみを供給したとしても、全くエッチングが進行せず、単にウェーハ表面を改質するだけである。そのため、たとえ、研磨剤がウェーハの切断予定ラインにあるクラック内に入り込んだとしても、周りのシリコンを溶かすことは無いため、それ以上クラックが進展することは無い。
結果的に、引用文献2における研磨工程すなわちエッチング工程ではクラックが進展するかもしれないが、本願の研磨工程では、研磨剤を入れて放置しても全くウェーハはエッチングされないため、クラックはほとんど進展しない。その結果、研磨剤が浸透して勝手にチップをフィルムから剥離するようなことやチップ表面の方に研磨剤が回り込んでチップを侵食し、チップデバイスが機能しなくなるという従来の問題が起こることは無い。
ここで、化学機械研磨のメカニズムは次に示す通りである。すなわち、研磨において、まず研磨剤がウェーハに供給されるが、これによりウェーハ表面は化学的に改質されるだけである。次に改質された表面は柔らかくなっているため、この状態でスラリの中に含まれる砥粒がウェーハ表面に作用することで、ごく小さい応力であってもウェーハ表面を効率的に除去できるのである。
例えば、シリコンを除去するプロセスの場合、シリカ系のスラリを使用する。シリカ系のスラリを使用する場合、ウェーハ表面で次の反応が起こる。
[数1]
Si(−OH)+SiOH=SiO2+H2O
すなわち、通常研磨直後のウェーハ表面はSi原子がある。このSi原子は水中における表面では水和されており、Si原子表面には-OHが存在することになる。このSi基板表面に付着したOH基と、液中に存在するシリカゾルのSiOHやシリカ粒子表面に存在するSiOHが結びつく。
しかし、これだけでは、エッチングが進行しない。結果的に、この状態でシリカ粒子を多量に含んだ研磨パッドを基板に対して相対的に運動させて、ある一定の運動量の下でシリカ粒子を基板表面に作用することによって、ある一定の温度環境と圧力環境の下で、化学反応が進行しながら、機械的に除去されるのである。
このとき、クラックに浸透したシリカゾルやシリカ粒子によって、クラックをさらに進展させる効果は働かない。クラック内へは研磨パッドが入り込むこともないため機械的な作用が働かず、結果的に化学的な除去作用も発生しないからである。
こうしたことにより、研削時に発生した基板表面の加工変質層は、シリカゾルとシリカ粒子を有する化学性をもつスラリが供給されるとともに、研磨パッドが基板に接触することで機械的な摩擦作用が働くこととあいまって、基板表面のみが化学機械的に研磨が進行して、除去される(土肥俊郎編著:詳説半導体CMP技術(工業調査会)(2001)p.40〜42)。
その結果、ウェーハ表面の加工変質層はほとんどが除去される。また、形成されたウェーハ表面は鏡面になる。この鏡面になる原理は、引用文献2にある化学エッチングと比較すると次の通りである。
化学エッチングの場合は、先にも述べた通り、シリコンなどの結晶において格子歪や結晶欠陥部分が選択的にエッチングされる。そのため、エッチピットが形成されたり、結晶粒界に沿って大きくえぐれたりということが起こり、こうしたことは原理的に免れることはできない。
それに対して、化学機械的な研磨の場合、先にも述べた通り、機械的な作用が働かない限り、化学的な除去作用が働かない。機械的な作用、ここではすなわち研磨パッドによってウェーハ表面を擦ることであるが、この機械的な作用は、基板表面の結晶状態とは全く関係無く、全ての基板表面において等確率に起こるものである。そのため、結晶状態に関係無くすべての表面が一様に除去される中で、化学的に作用が働くため、表面は一様な表面で結晶欠陥も無く、鏡面になるのである。ここで、鏡面といっても相対的な観点から曖昧であるため、本願では、化学機械研磨によって得られた鏡面というように定義する。
このような化学機械研磨を行うことによって、引用文献2とは大きく異なり、理想的な鏡面状態を得ることができるとともに、チップとフィルム間にエッチング液が浸透することによる侵食を防ぐことができる。
なお、化学機械研磨を行った後において、チップはまだ完全に割れてはいない。一部化学機械研磨後における表面部分に改質層から進展した微小空孔を残すだけである。なお、改質層は前の研削加工処理で既に除去されている。
この改質層から進展した微小空孔を残した状態が、例えば引用文献2に示すような研削とエッチングを施した表面状態に形成されていた場合、改質層から進展した微小空孔と、研削後のエッチング処理により助長された凹凸とを明確に区別することはできなくなる。よって、チップを割断する際に、必ずしも微小空孔から破断するのではなく、場合によっては、研削した研削条痕をエッチングにてさらに助長した凹凸部分から破断する場合も考えられる。
本願のように、表面に化学機械研磨を施した場合、処理後のウェーハ表面には凹凸はほとんどなく、唯一改質層から進展した微小空孔だけが残されることになる。よって、この状態で割断処理する場合、微小空孔からさらに亀裂が進展して割断することになる。
このように、本願発明の方法においては、研削後及び化学機械研磨を施した後においても、微小空孔が大きくなり亀裂が進展するものの、完全に基板は分割されていない。仮に、研削中ないしは化学機械研磨中に亀裂が進展して完全に基板が分割されてしまうと、特にウェーハ外周部のチップは研削や研磨時のせん断応力に耐え切れず、吸着テーブルから剥がされてチッピングを起こしてしまう問題がある。
しかし、本願発明においては、研削、研磨を行った後においても、亀裂は進展するものの、完全に分断されていない。完全に分断されていない状態から亀裂をさらに進展させて完全に割断するためには、さらに割断する工程が必要となる。割断工程としては、ウェーハ裏面にエキスパンドテープを貼り付けた後、そのテープを介して押圧部材を押圧して、局所的にウェーハに曲げ応力を与える。これにより、研削によって進展された亀裂を起点として、効率よく割断することが可能となる。
ここで、エキスパンドテープが貼着されていない場合、押圧部材でウェーハが直接押圧され、ウェーハが割断された際にその割れの振動がウェーハ面内を伝播される。伝播した振動は、切断ラインの他の部分が付随的に割ることや、切断ライン以外の部分を割ることがある。
しかし、エキスパンドテープを貼り付けて、テープを介して押圧部材により応力を付与することにより、ウェーハが割断される際にテープが割れの振動を吸収するため、余計な振動を発生させることない。また、エキスパンドテープは皺や寄りがなく伸ばされた状態で貼着されているため、絶えず一定の張力をウェーハへ付与し、ウェーハが拘束された状態となる。ウェーハが割断される際においてウェーハを拘束した状態にすると、ウェーハの様々な部分の曲げ変形が拘束され、ウェーハ内部の剛性弱い箇所である進展した亀裂部分に対して、押圧部材の押圧力が曲げではなく、せん断的な応力として集中する。これにより、本来切断する箇所のみが効率よく切断され、切断ライン以外の箇所においては、保護された状態になり、割れることは無い。
特に、ウェーハ両面ともにテープが貼り付けられている場合、割れの振動は完全に封じ込められるとともに、ウェーハの曲げも一層拘束されていることから、効率的な割断が可能となる。
(付記2)ウェーハの表面にバックグラインドテープを貼着する工程と、前記バックグラインドテープが表面に貼着された前記ウェーハの切断ラインに沿って裏面からレーザ光を入射して前記ウェーハの内部に改質領域を形成することで、前記改質領域内に微小空孔を形成する改質領域形成工程と、前記改質領域形成工程で改質領域が形成されたウェーハの表面の略全面を一様かつ各領域内で独立してテーブルに吸着させる工程と、前記ウェーハを吸着した状態で、前記レーザ光を入射してウェーハ内部に形成した改質領域より手前の部分まで研削除去し、該改質領域から延びる微小亀裂を基板の深さ方向に進展させる第1の研削工程と、前記ウェーハ内部に形成した改質領域を研削除去する第2の研削工程と、ウェーハ表面を改質する化学スラリと研磨パッドを用いて化学機械研磨を行いながら、前記改質領域から延びる微小亀裂を残しながら、前記第1及び第2の研削工程で導入された加工変質層を除去して表面を鏡面化する工程と、表面を鏡面化された前記ウェーハの裏面にエキスパンドテープを貼着する工程と、前記エキスパンドテープが裏面に貼着された前記ウェーハを、前記バックグラインドテープを介して押圧部材で押圧して前記ウェーハを割断する割断工程と、前記バックグラインドテープを剥離する剥離用テープを貼着し、剥離用ローラで前記バックグラインドテープの剥離を行う剥離工程と、割段された前記ウェーハを、前記エキスパンドテープを引き伸ばすことにより複数のチップに分割する分割離間工程と、を含むことを特徴とする半導体基板の切断方法。
付記2に記載された発明によれば、初期に改質領域をウェーハ内部の深い位置に形成し、初期に第1の研削工程で研削熱を発生させながら除去加工していくことで、改質領域に形成された亀裂をウェーハのさらに深い位置にまで進展させることが可能となる。
しかし、第1研削工程で、改質していない領域と同じ容量で、レーザで改質した領域も研削除去加工すると、改質領域は結晶粒界が大きいため、大きな結晶粒が欠け落ちたり、こうした結晶粒に伴って、さらに致命的な亀裂が進展したりすることもある。よって、第1の研削工程は、結晶性が一定である改質領域手前の部分まで研削を行うとよい。
第2の研削工程では、主としてレーザで改質された領域を研削する。この際、研削砥石も番手が高い、すなわち第1の研削工程と比べて細かい粒度の研削砥石を使用し、第1の研削工程と比較して、改質領域から派生した致命的なクラックや欠陥を誘発することのないように、穏やかな研削加工を行う。第2研削工程は改質領域だけであり、第1の研削工程と比較しても研削レートは小さい条件とし、細かく削り落とす。
そして、レーザ改質領域が除去された後に、最終的に化学機械研磨を行う。化学機械研磨では、ウェーハを改質する化学液を供給しつつ、高分子や不織布などの研磨パッドをウェーハに押し付けて、化学的かつ機械的に研磨を行う。
仮に、先程の改質領域に、化学機械研磨を行う場合、改質領域は大きい結晶粒が欠け落ちる場合がある。化学機械研磨では不織布や発泡ポリウレタンなどの研磨パッドを使用するため、こうしたパッド表面に欠け落ちた結晶粒が入り込むと研磨中絶えず欠け落ちた結晶粒によってスクラッチを発生させてしまう。このような場合、研削加工での加工変質層を除去しつつ、鏡面化するという目的を果たすまでもなく、研磨面をスクラッチだらけにしてしまうことになる。
そうしたことから、化学機械研磨工程に導入される状態では、先の第2の研削工程においてレーザによって導入された改質層は完全に除去されていなければならない。
(付記3)前記切断ラインに沿ってレーザ光により改質層が形成され、表面に前記バックグラインドテープが貼着され、裏面に前記エキスパンドテープが貼着されたウェーハを弾性体が上面に取り付けられたテーブル上に載置し、前記押圧部材が前記切断ラインと平行になるように前記テーブルを回転させ、前記押圧部材を前記ウェーハに押圧するとともに転動させて前記切断ラインを割断することを特徴とする付記1または付記2に記載の半導体基板の切断方法。
付記3に記載された発明によれば、ウェーハの割断ではバックグラインドテープが表面に貼着され、裏面から入射されたレーザ光により改質層が形成されたウェーハは裏面が研削、研磨された後にテープを貼り付ける機構によりエキスパンドテープが裏面に貼着される。
バックグラインドテープとエキスパンドテープが両面に貼着されたウェーハはバックグラインドテープを剥離する機構に設けられた、弾性体が上面に取り付けられたテーブル上に載置される。続いて剥離機構内に設けられている押圧部材が切断ラインと平行に位置づけられ、押圧されるとともに転動されて一方の切断ラインが割断される。
一方の切断ラインが全て割断された後、ウェーハが90度回転して他方の切断ラインが割断される。割断されたウェーハは紫外線照射や加熱などによりバックグラインドテープの粘着力が低減される。粘着力が低減されたバックグラインドテープには、剥離用ローラにより剥離用テープが貼着されて剥離が行われる。バックグラインドテープが剥離されたウェーハはエキスパンドフィルムが拡張されてチップの離間が行われる。これにより、割断が確実に効率よく行われ、割断を連続して行っても後のウェーハに悪影響を及ぼすことなく連続して割断を行うことが可能となる。
(付記4)前記押圧部材は前記切断ラインの間隔よりも小さい半径に形成されていることを特徴とする付記3に記載の半導体基板の切断方法。
付記4に記載された発明によれば、押圧部材の半径は押圧するウェーハに形成された切断ラインの間隔よりも小さい半径となるように形成されている。切断ラインの間隔よりも小さい半径であるため、押圧部材が複数の切断ラインを一度に押圧して応力が分散することがない。これにより一つの切断ラインに応力を集中させて作用させることが可能となり、割断が確実に効率よく行える。
(付記5)前記弾性体には前記ウェーハに形成されたチップのサイズ以下の間隔で溝、孔、または凹凸が形成されていることを特徴とする付記3または付記4に記載の半導体基板の切断方法。
付記5に記載された発明によれば、ウェーハが載置される弾性体は表面に溝加工、孔加工、または凹凸加工が施されている。弾性体には初期の弾性係数と、幾度か使用した後の弾性係数の変化が少ないように圧縮永久歪の小さい空隙のない弾性体が好ましい。弾性体にウェーハに形成されたチップのサイズ以下の間隔で溝、孔、または凹凸が形成されていることにより、ウェーハは局所的に変形することが可能となり、割断が確実に効率よく行える。
(付記6)前記バックグラインドテープまたは前記エキスパンドテープを貼着させる際には、格子状に形成された前記切断ラインに対して傾斜して交差する方向に貼着用ローラを転動させて貼着させることを特徴とする付記3から付記5のいずれか1項に記載の半導体基板の切断方法。
付記6に記載された発明によれば、バックグラインドテープやエキスパンドテープをウェーハ表面及び裏面に貼着させる際には、ウェーハが載置されたテーブルを45度程度回転させることにより、格子状に形成された切断ラインに対して傾斜して交差する方向に貼着用ローラを押圧した後、転動させてテープの貼着が行われる。
仮にテープ貼着用ローラの押圧力により切断ラインが割断された場合、貼着面に気泡が入ることや、チップ方向の崩れにより精度よくテープを貼り付けることが困難となる。切断ラインに対して傾斜するように交差させてテープ貼着ローラを移動させることにより、割断が確実に効率よく行え、後の工程にも悪影響を及ぼすことがない。
1…レーザダイシング装置,2…研削装置,3…テープ剥離装置,11…ウェーハ移動部,13…吸着ステージ,20…レーザ光学部,30…観察光学部,40…レーザヘッド,50…制御部,118…粗研削ステージ,120…精研削ステージ,122…研磨ステージ,132、136、138、140…チャック,146、154…カップ型砥石,156…研磨布,211…テーブル,212…弾性体,212a…溝,213…供給リール,214…剥離用ローラ,215…剥離用テープ,216、217…ガイドローラ,218…巻取りリール,219…押圧部材,B…BGテープ,C…チップ,E…エキスパンドテープ,F…フレーム,K…改質領域,L…レーザ光,S…切断ライン,W…ワーク

Claims (4)

  1. ウェハをチップに分割するための切断ラインに沿って、前記ウェハの内部に設定した目標面と前記ウェハの裏面との間にレーザ改質領域を形成する改質領域形成工程と、
    前記ウェハをチップ毎に分割することなく、前記ウェハの裏面から前記目標面まで研削砥石を用いて研削して前記ウェハを薄化する研削工程と、
    を備えるウェハ加工方法。
  2. 前記研削工程が行われた後、前記ウェハに外力を加えることにより前記ウェハをチップ毎に分割する分割工程を備える、
    請求項1に記載のウェハ加工方法。
  3. ウェハをチップに分割するための切断ラインに沿って、前記ウェハの内部に設定した目標面と前記ウェハの裏面との間にレーザ改質領域を形成する改質領域形成手段と、
    前記ウェハをチップ毎に分割することなく、前記ウェハの裏面から前記目標面まで研削砥石を用いて研削して前記ウェハを薄化する研削手段と、
    を備えるウェハ加工システム。
  4. 前記研削手段により薄化された前記ウェハに外力を加えることにより前記ウェハをチップ毎に分割する分割手段を備える、
    請求項3に記載のウェハ加工システム。
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