JP2018196284A - 振動型アクチュエータおよび電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動型アクチュエータにおける制御性能の低下を低減し、かつ振動子の寿命の低下を低減する。【解決手段】振動型アクチュエータは、圧電素子24を備える振動子21と、振動子に接触する摩擦材5とを有している。振動子保持部材は振動子と摩擦材とが接触する接触面の外側において振動子を保持し当該接触面に交差する方向に移動可能であり、振動子保持部材は第1の保持部および第2の保持部を有し、第1の保持部によって相対的な移動方向において接触面の外側の一箇所を保持し、第2の保持部によって相対的な移動方向において接触面の外側の他の箇所を保持する。【選択図】図6
Description
本発明は、振動型アクチュエータおよび電子機器に関し、特に、圧電素子を有する振動子に楕円運動を発生させて被駆動体を駆動する振動型アクチュエータに関する。
一般に、振動型アクチュエータは無音動作および低速から高速までの駆動が可能であり、さらに、高トルク出力などの特徴を有している。このため、振動型アクチュエータは、例えば、デジタルカメラおよびレンズユニットの駆動源として用いられている。
このような振動型アクチュエータにおいて、回転軸を有する円環状の被駆動体と複数の振動子とを有し、振動子を被駆動体上に当該被駆動体に加圧された摩擦接触状態で所定の間隔をおいて配置するようにしたものがある(特許文献1参照)。
特許文献1においては、摩擦接触状態で振動子に振動が励起されると、振動子には被駆動体と接している部分に楕円運動が生じて、被駆動体が回転軸を中心として回転駆動する。そして、振動子の被駆動体に対する付勢は板バネによって行われる。
ここで、従来の振動型アクチュエータについて概説する。
図8は、従来の振動型アクチュエータの一例を説明するための図である。そして、図8(a)は断面図であり、図8(b)は動作を示す断面図である。
図8を参照して、図示の振動型アクチュエータは振動子21を有している。振動子21は2つの突起部23を備える振動板22と、当該振動板22に接着された電気−機械エネルギー変換素子である圧電素子24とを有している。
振動子21は小基台38によって支持され、当該小基台38には、丸穴部38−1および長穴部38−2が形成されている。そして、丸穴部38−1および長穴部38−2は下基台37に形成された軸部37−1および37−2に嵌合している。これによって、小基台38は下基台37に対して上下方向以外の方向への移動が禁止される。
下基台37はバネ(図示せず)によって上方に付勢されている。これによって、振動子21は押圧部材28および振動絶縁部材27を介して摩擦材5に対して所定の加圧力で付勢される。よって、振動子21に超音波振動が励起されると、2つの突起部23の先端に楕円運動が生じて、摩擦材5と振動子21との間において図中X方向の相対駆動力が作用する。
ところが、図8に示す振動型アクチュエータでは、振動子21の摩擦材5に対する付勢を妨げないようにするため、小基台38の上下方向へのスムーズな移動が必要となる。このため、丸穴部38−1と軸部37−1とには、僅かな、例えば、10μm程度の隙間を設ける必要がある。
図8(b)に示すように、下基台37が図中実線矢印Aの方向に移動するためには、摩擦材5に実線矢印39の方向の力を与えなければならない。このため、振動子21の2つの突起部23−1および23−2には力40が反力として与えられることになる。
当該力40によって、小基台38には丸穴部38−1付近を中心する回転モーメントが作用する。前述のように、丸穴部38−1と軸部37−1とには僅かな隙間が設けられているので、この隙間によって許容される範囲で小基台38には、実線矢印で示すように反時計回りの回転モーメントが作用して傾く。
この結果、突起部23−1の摩擦材5に対する加圧力が高くなって、突起部23−2の摩擦材5に対する加圧力は小さくなる。このような事態となると、振動型アクチュエータにおける制御性能が低下し、さらには、一方の突起部の摩耗が進んで振動子21の寿命が短くなってしまう。
そこで、本発明の目的は、制御性能の低下を低減し、かつ振動子の寿命の低下を低減する振動型アクチュエータおよび電子機器を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明による振動型アクチュエータは、電気−機械エネルギー変換素子を備え、当該電気−機械エネルギー変換素子に印加される交流電圧に応じた振動を発生する振動子と、前記振動子に接触する摩擦材とを有し、前記振動子および前記摩擦材を相対的に移動させる振動型アクチュエータであって、前記振動子と前記摩擦材とが接触する接触面の外側において前記振動子を保持し、前記接触面に交差する方向に移動可能な第1の保持部材を有し、前記第1の保持部材は、第1の保持部および第2の保持部を有し、前記第1の保持部によって相対的な移動方向において前記接触面の外側の一箇所を保持し、前記第2の保持部によって相対的な移動方向において前記接触面の外側の他の箇所を保持することを特徴とする。
本発明によれば、振動子の傾きを低減できる結果、制御機能の低下を低減し、かつ振動子の寿命の低下を低減することができる。
以下に、本発明の実施の形態による振動型アクチュエータの一例について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による振動型アクチュエータの一例を説明するための図である。そして、図1(a)は電子機器の1つであるデジタルカメラに備えられたレンズ鏡筒を一部破断して示す側面図であり、図1(b)は図1(a)に示すリニア駆動ユニットを示す斜視図である。
図1は、本発明の第1の実施形態による振動型アクチュエータの一例を説明するための図である。そして、図1(a)は電子機器の1つであるデジタルカメラに備えられたレンズ鏡筒を一部破断して示す側面図であり、図1(b)は図1(a)に示すリニア駆動ユニットを示す斜視図である。
図1(a)において、レンズ鏡筒60は振動型アクチュエータを有するリニア駆動ユニット70を有している。なお、図示の例では、説明の便宜上、外枠51、ズームズームレンズ52、ズームレンズホルダ53、およびガイド軸54以外の部材は省略されている。
レンズ鏡筒60は、外枠51を有しており、ズームレンズレンズホルダ53にはズームレンズ52が保持されている。ズームレンズホルダ53はガイド軸54に支持されている。ガイド軸54はレンズ鏡筒60の光軸55に沿って延在しズームレンズホルダ53を光軸55に沿って案内する。リニア駆動ユニット70はズームレンズホルダ53を光軸55に沿って駆動する。
リニア駆動ユニット70には、振動型アクチュエータが搭載された移動体ユニット56が光軸55に沿って移動可能に支持されている。ズームレンズホルダ53の最上部には円柱状の係合ピン57が配設され、この係合ピン57は移動体ユニット56に形成された穴に係合する。図示しない制御部の制御に応じて、移動体ユニット56が所定の距離を移動すると、ズームレンズホルダ53が所定の位置に到達する。
図2は、図1に示す移動体ユニットの構成を説明するための図である。そして、図2(a)は移動体ユニットの移動方向に直交する面におけるリニア駆動ユニットの断面図であり、図2(b)は移動体ユニットを示す斜視図である。
図1および図2を参照して、リニア駆動ユニット70は、下プレート1および上プレート2を有している。下プレート1および上プレート2の各々は開口穴を有する矩形状のプレートである。そして、これら下プレート1および上プレート2は左ブロック3および右ブロック4によって連結されている。なお、これら下プレート1、上プレート2、左ブロック3、および右ブロック4によってリニア駆動ユニット70の筺体が構成される。
図示のように、細長いプレート状の摩擦材5がその両端で左ブロック3および右ブロック4にネジ止め固定される。丸棒状のガイド軸6がその両端で左ブロック3および右ブロック4に固定支持され、ガイド軸6によって移動体ユニット56がガイドされる。
移動体ユニット56は、下基台7、上基台9、2つの駆動ユニット20、および2本の引張バネ11を有している。下基台7には、ガイド軸6が嵌挿される丸穴が形成されるとともに、上基台9を回転可能に支持するための回転軸8が設けられている。上基台9には回転軸8が嵌挿される丸穴が形成され、上基台9は下基台7に対して回転軸8を中心に回転自在に支持される。
下基台7および上基台9には、それぞれ駆動ユニット20が設けられている。下基台7および上基台9の先端に備えられたフック形状部に引張バネ11を架けることによって、所定の加圧力で双方の駆動ユニット20が摩擦材5に付勢される。
図3は、図2に示す下基台に設けられた駆動ユニットを分解して示す斜視図である。
振動子21は、2つの突起部23を持つ振動板22を有しており、振動板22には、電気−機械エネルギー変換素子の1つである圧電素子24が接着されている。振動板22は鉄系の金属(例えば、SUS420J2)で構成されており、突起部23はプレス加工などによって振動板22に一体的に成型されている。
なお、図示の例では、突起部23を振動板22に一体加工するようにしたが、溶接などの手法を用いて突起部23を振動板22に取り付けるようにしてもよい。
振動子21は、互いに別部材であり分離して配置されている第1の小基台25および第2の小基台26に支持されている。第1の小基台25および第2の小基台26にはそれぞれ円柱状の位置決めピン25−1および26−1が形成されている。そして、位置決めピン25−1および26−1は振動板22の両端に形成された丸穴22−1および長丸穴22−2にそれぞれ係合して、接着又は溶着によって接合される。
第1の小基台25および第2の小基台26には、それぞれ丸穴と長丸穴が設けられている。これら丸穴および長丸穴には、下基台7に形成された円柱状の位置決めピン7−1および7−2と位置決めピン7−3および7−4が嵌挿されている。
上述の構成によって、第1の小基台25および第2の小基台26は、基本的に上下方向にのみその移動が許される。
振動子21は、図2に示す引張バネ11の引張力を受けて上方に付勢された下基台7によって、押圧部材28およびフェルト状部材で構成された振動絶縁部材27を介して加圧力を受けて、摩擦材5に加圧接触する。振動絶縁部材27を介して振動子21に加圧力を加えることによって、振動子21の振動が加圧によって阻害されることなく摩擦材5に伝えられる。
図示の例では、振動絶縁部材7として、フェルトを用いていたが、合成皮革、ゴム、又はモルトプレーンなどの弾性部材を用いるようにしてもよい。振動絶縁部材27を押圧部材28に接着することによって、圧電素子24との接触位置を安定させることができる。振動絶縁部材27を圧電素子24に接着するようにしてもよい。
なお、上基台9に設けられた駆動ユニット20は、下基台7に設けられた駆動ユニット20と上下対称であり、その構成は同様であるので、ここでは説明を省略する。
図4は、図3に示す駆動ユニットに備えられた振動子(振動体)を模式化して示す斜視図である。
図4においては、振動子(振動体)、振動板、突起部、および圧電素子はそれぞれ参照番号301、304、306、および305で示されている。図示のように、突起部306が形成された面と対向する面において、振動板301には圧電素子305が接着されて、振動体301となる。そして、圧電素子305には交流電圧が印加される。
図5は、図4に示す振動体における曲げ振動モードの一例を説明するための図である。そして、図5(a)は第1の曲げ振動モード(Aモード)を示す図であり、図5(b)は第2の曲げ振動モード(Bモード)を示す図である。
図5(a)に示す第1の曲げ振動モードをAモードと呼ぶ。Aモードは、矩形の振動体301の長辺方向(X方向)における二次の屈曲運動であって、短辺方向(Y方向)に平行な3つの節を有している。
突起部306はAモードの振動において節となる位置の近傍に配置されており、Aモードの振動によってX方向(圧電素子305が接合された面と平行な方向)において往復運動を行う。
図5(b)に第2の曲げ振動モードをBモードと呼ぶ。Bモードは、矩形の振動体304の短辺方向(Y方向)における一次の屈曲振動であって、長辺方向(X方向)に平行な2つの節を有している。Aモードにおける節とBモードにおける節とは、XY平面内において直交する。
突起部306はBモードの振動において腹となる位置の近傍に配置されており、Bモードの振動によってZ方向(圧電素子305が接合された面と垂直な方向)に往復運動を行う。
上述のAモードおよびBモードの振動を所定の位相差をもって発生させると、突起部306の先端は楕円運動を行い、X方向(圧電素子305が接合された面に平行な方向)に駆動力を与える。
図6は、図2に示す駆動ユニットおよび摩擦材を詳細に説明するための図である。そして、図6(a)は構成を示す断面図であり、図6(b)は動作を示す断面図である。
図示の例では、下基台(第2の保持部材)7に設けられた駆動ユニット20および摩擦材5の断面が示されている。前述のように第1の小基台25および第2の小基台26には、それぞれ接触面の外側において丸穴(係合部)25−2および26−2と長丸穴25−3および26−3が設けられている。
下基台7に形成された円柱状の位置決めピン(係止部:ガイド部材)7−1および7−2と位置決めピン7−3および7−4がそれぞれ丸穴25−2および26−2と長丸穴25−3および26−3が嵌挿されている。
なお、第1の小基台25および第2の小基台26によって第1の保持部材が構成される。
丸穴25−2および26−2と位置決めピン7−1および7−3とによって、第1の小基台25および第2の小基台26は、摩擦材5の振動子21と接触する面に平行な面内における位置が規制される。さらに、長丸穴25−3および26−3に円柱状の位置決めピン7−2および7−4が嵌挿されているので、第1の小基台25および第2の小基台26は摩擦材5の振動子21と接触する面に平行な面内における回転が規制される。
上述の構成によって、第1の小基台(第1の保持部)25および第2の小基台(第2の保持部)26は、下基台7に対して上下方向以外の方向への移動が禁止されることになる。
ここでは、上下方向への移動を可能とするため、丸穴25−2および位置決めピン7−1、そして、丸穴26−2および位置決めピン7−3には僅かな隙間(所定の隙間)が設けられている。さらに、位置決めピン25−1および丸穴25−2の位置関係と位置決めピン26−1および丸穴26−2の位置関係とはほぼ同一となるように設定される。なお、位置関係が同一とは、双方の距離と方向とが一致することをいう。
図6(b)に示すように、下基台7が実線矢印Aの方向に移動するためには、摩擦材5に実線矢印39の方向の力を加える必要がある。このため、振動子21の2つの突起部23−1および23−2には実線矢印で示す力40が反力として作用する。この力40によって、第1の小基台25および第2の小基台26には、実線矢印で示すように丸穴部25−2および26−2付近を中心として反時計回りの回転モーメントが作用して傾く。
一方、前述のように、第1の小基台25における位置決めピン25−1および丸穴25−2の位置関係と第2の小基台26における位置決めピン26−1および丸穴26−2との位置関係は略同一となるように設定されている。ここで、略同一とは、同一の場合の他、実質的に同一の場合を含む。
このため、振動子21と第1の小基台25、第2の小基台26、および下基台7とは、恰も平行リンクのような関係となる。よって、第1の小基台25および第2の小基台26は、略同一の方向(反時計回り)に、略同一の量だけ傾くことになる。
但し、第1の小基台25における位置決めピン25−1から丸穴25−2までの距離と第2の小基台26における位置決めピン26−1から丸穴26−2までの距離とが略等しい(等しいか又は実質的に等しい)。従って、振動子21は僅かにX方向に移動するが傾くことはない。よって、制御性能が低下することもなく、さらには、双方の突起部における摩耗は均等に進むので寿命が低下することもない。
ここで、位置決めピン25−1および丸穴25−2の位置関係と位置決めピン26−1および丸穴26−2の位置関係とが略同一であることについてさらに説明する。
図6(a)を参照して、ここでは略同一とは、位置決めピン25−1の点Aに対する丸穴25−2の点CのX方向距離およびY方向距離が位置決めピン26−1の点Bに対する丸穴26−2の点DのX方向距離およびY方向距離に略一致することをいう。なお、略一致とは、一致するか又は実質的に一致することをいう。
なお、点Aは位置決めピン25−1の中心軸上の点であり、点Bは位置決めピン26−1の中心軸上の点である。また、点Cは丸穴25−2の中心軸上の点であり、点Dは丸穴26−2の中心軸上の点である。そして、これら点A〜Dはそれぞれ位置決めピンおよび丸穴の中心に位置する。
上記のX方向距離およびY方向距離は一致することが最も好ましいが、前述のように、小基台を2つに分割して互いに別部材にすることによって、分割しない場合に比べて小基台の傾きによる影響が相殺される。よって、小基台を分割することだけによっても同様の効果が得られる。さらに、分割された2つの小基台が、略同一の方向(反時計回り)に傾くように構成するだけでも、同様の効果が得られる。このことは、後述する第2の実施形態でも同様である。
なお、上述の例では、第1の小基台25および第2の小基台26が移動可能な方向を上下方向としたが、上下方向とは摩擦材5が振動子21の突起部23と接触する面に対して垂直な方向をいう。
第1の小基台25および第2の小基台26が移動可能な方向は、直交する方向、すなわち上記の接触面と90度の角度をなす方向が最も好ましいが、これに限られない。例えば、70度以上90度未満の交差する方向であっても実用上支障はない。この場合、丸穴25−2および26−2と円柱状の位置決めピン7−1および7−3の角度も当該角度に設定される。
さらに、上述の例では、第1の小基台25および第2の小基台26に丸穴および長丸穴を形成し、下基台7に円柱状位置決めピンを設けた。一方、第1の小基台25および第2の小基台26に円柱状位置決めピンを設けて、下基台7に丸穴および長丸穴を形成するようにしても、同様の効果が得られる。
つまり、第1の保持部材および第2の保持部材の一方に丸穴および長丸穴を形成し、第1の保持部材および第2の保持部材の他方に円柱状位置決めピンを設けるようにすればよい。
また、上述の例では、摩擦材5が静止し、駆動ユニット20が移動する場合について説明したが、駆動ユニット20が静止し、摩擦材5が移動する構成としてもよく、この構成であっても、同様の効果が得られる。
このように、本発明の第1の実施形態では、回転モーメントに起因する振動子の傾きを低減するようにしたので、突起部の摩耗量をほぼ均一とすることができ、さらに制御性が向上して振動型アクチュエータの寿命が延ばすことができる。
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態による振動型アクチュエータの一例について説明する。
続いて、本発明の第2の実施形態による振動型アクチュエータの一例について説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態による振動型アクチュエータの一例を説明するための図である。そして、図7(a)は要部を示す斜視図であり、図7(b)はその断面図である。なお、上基台9に設けられた駆動ユニット80は、下基台67に設けられた駆動ユニット80と上下対称であり、その構成は同様である。
振動子21は、2つの突起部23を有する振動板22と、当該振動板22に接着された電気−機械エネルギー変換素子である圧電素子24とを有している。そして、振動子21は、互いに別部材であり分離して配置されている第1の小基台85および第2の小基台86に支持されている。
第1の小基台85および第2の小基台86に形成された円柱状の位置決めピン85−1および86−1は振動板22の両端に形成された丸穴22−1および長丸穴22−2にそれぞれ係合し、接着又は溶着によって接合されている。
第1の小基台85および第2の小基台86の両側には断面が矩形状(矩形断面)の凸部85−2、85−3、86−2、および86−3がそれぞれ形成されている。一方、下基台67には、上記の凸部に対応する位置において、4つのコの状の係合部67−1〜67−4が設けられている。係合部67−1〜67−4における凹部の幅は、凸部85−2、85−3、86−2、および86−3の幅よりもわずかに大きい。
上記の凸部およびコの字状係合部によって位置規制が行われるとともに、回転規制が行われる。この構成によって、第1の小基台85および第2の小基台86は、基本的に上下方向にのみの移動が許される。
振動子21は、第1の実施形態と同様に、引張バネの引張力を受けて上方に付勢された下基台67から、押圧部材28とフェルト状部材で構成された振動絶縁部材27とを介して加圧力を受けて、摩擦材5に加圧接触する。
前述のように、第1の小基台85および第2の小基台86は、下基台67に対して上下方向以外の方向についてその移動を禁止されている。一方、上下方向に移動可能とするため、係合部67−1〜67−4の凹部と凸部85−2、85−3、86−2、および86−3とには僅かな隙間が設けられている。
さらに、位置決めピン85−1および凸部85−2および85−3の位置関係と位置決めピン86−1および凸部86−2および86−3の位置関係とは略同一となるように設定される。
下基台67を実線矢印Aの方向に移動するためには、図7(b)に示すように、摩擦材5に実線矢印で示す方向の力89を作用させる必要がある。このため、振動子21の2つの突起部23には実線矢印で示す力90が反力として作用する。
この力90によって、第1の小基台85および第2の小基台86には実線矢印で示すように、凸部85−2および86−2付近を中心として反時計回りの回転モーメントが作用して傾く。
一方、第1の小基台85における位置決めピン85−1および凸部85−2および85−3の位置関係と第2の小基台86における位置決めピン86−1および凸部86−2および86−3の位置関係とは略同一となるように設定されている。よって、振動子21と第1の小基台85、第2の小基台86、および下基台67とは、平行リンクのような関係となって、第1の小基台85および第2の小基台86は略同一の量だけ傾く。
但し、第1の小基台85における位置決めピン85−1から凸部85−2までの距離と第2の小基台86における位置決めピン86−1から凸部86−2までの距離は略等しい。このため、振動子21は僅かにX方向に移動するものの傾くことはない。従って、図示の振動型アクチュエータにおいては、制御性能の低下がなく、しかも、双方の突起部の摩耗が均等に進む結果、寿命が低下することもない。
なお、第2の実施形態では、小基台85および86に矩形状凸部、下基台67にコの字状係合部を設けた。一方、小基台85および86にコの字状係合部を設け、下基台に矩形状凸部を設けて、下基台67に対する上下方向以外の方向への移動を禁止するようにしてもよい。
このように、本発明の第2の実施形態においても、回転モーメントに起因する振動子の傾きを低減するようにしたので、突起部の摩耗量をほぼ均一とすることができ、さらに制御性が向上して振動型アクチュエータの寿命が延ばすことができる。
上述の振動型アクチュエータは、例えば、電子機器の1つであるデジタルカメラに備えられたレンズ鏡筒において、光学レンズ及びレンズホルダ(駆動部材)を光軸に沿って駆動する際に用いられる。例えば、振動型アクチュエータは、ズームレンズの駆動、フォーカスレンズの駆動などに用いられる。なお、上述の振動型アクチュエータは、例えば、ロボットに用いるようにしてもよい。
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
5 摩擦材
7 下基台
9 上基台
20 駆動ユニット
21 振動子
22 振動板
23 突起部
24 圧電素子
25,26 小基台
56 移動体ユニット
7 下基台
9 上基台
20 駆動ユニット
21 振動子
22 振動板
23 突起部
24 圧電素子
25,26 小基台
56 移動体ユニット
Claims (13)
- 電気−機械エネルギー変換素子を有し、当該電気−機械エネルギー変換素子に印加される交流電圧に応じた振動を発生する振動子と、前記振動子に接触する摩擦材とを有し、前記振動子および前記摩擦材を相対的に移動させる振動型アクチュエータであって、
前記振動子と前記摩擦材とが接触する接触面の外側において前記振動子を保持し、前記接触面に交差する方向に移動可能な第1の保持部材を有し、
前記第1の保持部材は、第1の保持部および第2の保持部を有し、前記第1の保持部によって相対的な移動方向において前記接触面の外側の一方を保持し、前記第2の保持部によって相対的な移動方向において前記接触面の外側の他方を保持することを特徴とする振動型アクチュエータ。 - 前記第1の保持部材を前記接触面に交差する方向に移動可能に保持する第2の保持部材を有することを特徴とする請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
- 前記第1の保持部材は前記第1の保持部と前記第2の保持部とに分割されていることを特徴とする請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
- 前記振動子、前記第1の保持部、前記第2の保持部、および前記第2の保持部材は、平行リンクの関係に規定されていることを特徴とする請求項2に記載の振動型アクチュエータ。
- 前記第1の保持部および前記第2の保持部について前記第2の保持部材に対する前記接触面における位置を規制する第1の規制手段と、
前記第1の保持部および前記第2の保持部について前記接触面における回転を規制する第2の規制手段と、を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。 - 前記第1の保持部と前記第1の規制手段との位置関係は前記第2の保持部と前記第1の規制手段との位置関係と同一であることを特徴とする請求項5に記載の振動型アクチュエータ。
- 前記第1の保持部が前記振動子を保持する位置から前記第1の規制手段までの距離は前記第2の保持部が前記振動子を保持する位置から前記第1の規制手段までの距離に等しいことを特徴とする請求項5に記載の振動型アクチュエータ。
- 前記第1の保持部が前記振動子を保持する位置から前記第1の規制手段への方向は前記第2の保持部が前記振動子を保持する位置から前記第1の規制手段への方向に等しいことを特徴とする請求項5又は7に記載の振動型アクチュエータ。
- 前記第1の規制手段は、前記第1の保持部材および前記第2の保持部材の一方に設けられ前記接触面に交差する方向に延在する係止部と、
前記第1の保持部材および前記第2の保持部材の他方に設けられ前記係止部が係合する係合部と、を有することを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。 - 前記係止部は棒状のガイド部材であり、前記係合部は前記ガイド部材が嵌挿される穴部であることを特徴とする請求項9に記載の振動型アクチュエータ。
- 前記係止部は矩形断面を有する凸部であり、前記係合部は前記凸部が嵌挿される凹部であることを特徴とする請求項9に記載の振動型アクチュエータ。
- 前記振動子又は前記摩擦材を付勢して前記振動子と前記摩擦材とを接触させる付勢手段を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
- 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータと、
前記振動型アクチュエータの駆動によって駆動される駆動部材と、
を有することを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2020058175A (ja) * | 2018-10-03 | 2020-04-09 | キヤノン株式会社 | 振動型アクチュエータ及び装置 |
-
2017
- 2017-05-19 JP JP2017099929A patent/JP2018196284A/ja active Pending
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JP2020058175A (ja) * | 2018-10-03 | 2020-04-09 | キヤノン株式会社 | 振動型アクチュエータ及び装置 |
US11201569B2 (en) | 2018-10-03 | 2021-12-14 | Canon Kabushiki Kaisha | Vibration actuator including vibration element, and apparatus |
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