JP2018187934A - 離型フィルムおよびフレキシブルプリント回路基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明の第2の課題は、上記高度なバランスを維持しつつ、さらに良好な耐熱性が得られる離型フィルムを提供することにある。
一方の面に、熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にクッション層を有する離型フィルムであって、
前記クッション層が、(B1)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、(B2)ポリプロピレン、及び(B3)エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)を含む、離型フィルムが提供される。
一方の面に、熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にポリプロピレンを含むクッション層を有する離型フィルムであって、以下の条件を満たす、離型フィルムが提供される。
条件:当該離型フィルムの加熱速度5℃/分として示差走査熱量計で測定して得られたDSC曲線C1において、140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量をP1(mJ/mg)とし、前記DSC曲線C1を得た後、当該示差走査熱量計内の温度が25℃となるように50℃/分で冷却し、再度、加熱速度5℃/分として示差走査熱量計で測定して得られたDSC曲線C2において、140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量をP2(mJ/mg)とした時、P1とP2の値の比(P1/P2)が、1より大きい。
カバーレイフィルムの表面に、上記の離型フィルムの前記第1の離型層が接するように配置する工程と、
前記カバーレイフィルムと前記離型フィルムとをともに加熱プレスする工程と、
前記離型フィルムを、前記カバーレイフィルムから剥離する工程と、
を含む、フレキシブルプリント回路基板の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、良好な耐熱性を得つつ、離型性および追従性を高度なバランスで得られる離型フィルムを提供できる。
第1の実施形態に係る離型フィルムは、一方の面に、熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にクッション層を有する離型フィルムであって、上記クッション層が、(B1)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、(B2)ポリプロピレン、及び(B3)エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)を含む。
離型フィルム100の積層構造は、例えば、第1の離型層と、当該第1の離型層上にクッション層とを備えれば限定されない。
離型フィルム100の積層構造は、例えば、2層以上の離型層(第1離型層及び第2離型層)を含んでもよい。
離型フィルム100の積層構造としては、例えば、図1に示されるように、離型層110と、その上に積層されたクッション層120とから構成されていてもよい。
また、離型フィルム100の積層構造としては、例えば、図2に示されるように、図2に示されるように、第1離型層110a、クッション層120、第2離型層110bがこの順に積層し、第1離型層110aおよび第2離型層110bが離型フィルム100Aの外面を形成していてもよい。
離型層110は、離型フィルム100の一方の外面を形成している。離型層110の厚みは、例えば、10μm以上40μm以下であることが好ましい。前記下限値以上とすることにより良好な離型性を示し、前記上限値以下とすることで良好な埋め込み性を発揮することができる。
(A)熱可塑性樹脂材料が含む熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、およびポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂といったポリエステル系樹脂を主成分とする樹脂を含むことが好ましい。なかでも離型性および追従性のバランスを高度に制御する観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を含むことが好ましい。
以下、代表成分について説明する。
上記アンチブロッキング剤としては、以下のような無機粒子または有機粒子が挙げられる。無機粒子としては、IA族、IIA族、IVA族、VIA族、VIIA族、VIIIA族、IB族、IIB族、IIIB族、IVB族元素の酸化物、水酸化物、硫化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼酸塩及びそれらの含水化合物、並びにそれらを中心とする複合化合物及び天然鉱物粒子等が挙げられる。
本実施形態に係る離型剤としては、例えば、モンタン酸エステルワックスなどの長鎖カルボン酸エステルを含まないことが好ましい。これにより、FPCの成形の際に、離型剤がFPCに付着することを抑制できる。したがって、モンタン酸エステルワックスなどの長鎖カルボン酸エステルを含まない場合、FPCに回路を形成する際に、メッキがFPCに蒸着しなくなることを抑制できる。
また、長鎖カルボン酸エステルの形状としては、例えば、微粒子形状のものを用いないことがより好ましい。これにより、離型フィルム100の外面を平滑にすることができ、離型性、追従性をさらに向上できる。
なお、第1離型層110aと、第2離型層110bといった複数の離型層の厚みは、例えば、互いに同じであってもよく、また異なるものであってもよい。
クッション層120は、例えば、離型層110上に積層されている。クッション層120は、加熱プレス時の圧力および熱を対象物に均一に伝え、対象物表面の形状に密着し、追従させるために用いられる。
本実施形態に係る離型フィルム100は、共押出法や押出ラミネート法等の方法で製造することができる。
以下、第1の離型層と、当該第1の離型層上にクッション層とを備える離型フィルムの製造方法を一例として説明する。
次に、本実施形態の成型品の製造方法の一例について説明する。成型品としては、例えば、フレキシブルプリント回路基板(FPC)が挙げられる。
フレキシブルプリント回路基板の製造方法は、カバーレイフィルムの表面に、上記の離型フィルム100の離型層110が接するように配置する工程と、カバーレイフィルムと離型フィルム100とをともに加熱プレスする工程と、離型フィルム100を、カバーレイフィルムから剥離する工程と、を含む。すなわち、離型フィルム100は、フレキシブルフィルム上に形成された回路を保護するため、当該回路に対してカバーレイフィルムを加熱プレスして密着させる際に、カバーレイとプレス機との間に、介在させて使用される。
より具体的には、図4に示されるように、回路露出フィルムとCLフィルムとが接着剤により仮止めされたもの340を、離型フィルム100の離型層110が対向するように挟み込んだ後、テフロン(登録商標)シート330、ゴムクッション320及びステンレス板310で順次挟み込まれ、熱盤300でプレスする(図4の白抜矢印参照)。これにより、回路露出フィルムにCLフィルムが密着したフレキシブルプリント回路基板が得られる。
本発明に係る離型フィルム100は、プレスセットの作業性を良好にすることができると共に、FPC等の良品率を高めることができるという特徴を有し、加圧プレスによる回路露出フィルムへのCLフィルム接着時にCLフィルムを回路パターンの凹凸部に密着させるためにカバーレイフィルムを包むように用いられる離型フィルムとして特に有用である。
なお、(1)の積層板製造時に用いられる離型フィルムとは、多層プリント基板を製造する際のプレス成形において、プリント基板とセパレータープレート又は他のプリント基板との間の接着を防止するためにそれらの間に介在させるフィルムである。また、(2)の先端複合材料製品製造時に用いられる離型フィルムとは、例えば、ガラスクロス,炭素繊維又はアラミド繊維とエポキシ樹脂からなるプリプレグを硬化させて種々の製品を製造する際に用いられるフィルムである。また、(3)のスポーツ・レジャー用品製造時に用いられる離型フィルムとは、例えば、釣り竿、ゴルフクラブのシャフト、ウィンドサーフィンのポール等の製造において、プリプレグを円筒状に巻いてオートクレーブ中で硬化させる際にそのプリプレグの上に巻かれるフィルムである。
なお、ここでいう工程フィルムとは、プリント基板やセラミックス電子部品、熱硬化性樹脂製品、化粧板等を製造する時、金属板同士や樹脂同士が接着してしまわないように、成形工程時に該金属板同士の間や樹脂同士の間に挟み込まれるフィルムをいい、特に積層板製造時、フレキシブルプリント基板製造時、先端複合材料製品製造時、スポーツ・レジャー用品製造時に好適に用いられるものである。
第2の実施形態に係る離型フィルムは、一方の面に、熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にポリプロピレンを含むクッション層を有する離型フィルムであって、以下の条件を満たす。
条件:当該離型フィルムの加熱速度5℃/分として示差走査熱量計で測定して得られたDSC曲線C1において、140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量をP1(mJ/mg)とし、前記DSC曲線C1を得た後、当該示差走査熱量計内の温度が25℃となるように50℃/分で冷却し、再度、加熱速度5℃/分として示差走査熱量計で測定して得られたDSC曲線C2において、140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量をP2(mJ/mg)とした時、P1とP2の値の比(P1/P2)が、1より大きい。
本発明においては、140℃以上170℃以下の温度範囲において、離型フィルム100における(P1/P2)を1より大きいものに制御することによって、適度な追従性が得られると共に、離型フィルム使用時におけるクッション層120の染みだしを抑制し、離型性および耐熱性を向上させることができる。かかるメカニズムの詳細は明らかではないが、離型フィルム100における1stRUNのP1を、2ndRUNのP2よりも高くすることによって、離型フィルム100のクッション層120内の分子の結晶化度を高めることができ、これにより、離型フィルム100の剛性を高められ、その結果、適度な追従性とともに、クッション層120の染み出しを抑制し、良好な離型性および耐熱性が得られることが推測される。また、離型フィルム100が加熱プレスに使用される際、140〜170℃において結晶化し、その後、140〜170℃においてFPCからはがされることで、より良好な離型性を得ることができる。
なお、本発明の離型フィルム100における耐熱性とは、加熱プレスによっても軟化が抑制され、離型フィルム100にシワが発生しにくくなることを意図する。これにより、離型フィルム100を用いて作製させるFPCへのシワ発生が抑制され、外観を良好にできる。
すなわち、先ず、離型フィルム100を形成する材料及び基準物質を示差走査熱量計内に供給し、加熱速度5℃/分で250℃まで昇温し、50℃/分の速度で250℃から25℃まで降温させる(1stRUN)。その後、再び加熱速度5℃/分で250℃まで昇温し、50℃/分の速度で250℃から25℃まで降温させる(2ndRUN)。得られたDSC曲線の140〜170℃における吸熱ピークから、融解熱量(mJ/mg)を算出する。
(i)離型フィルム100の材料の選択および組み合わせ
(ii)離型フィルム100の成膜条件
上記の(ii)離型フィルム100の成膜条件としては、例えば、成膜温度、押出速度、冷却処理条件などの因子が挙げられる。例えば、離型フィルム100を形成する樹脂材料の種類に応じた成膜温度、押出速度を設定し、冷却処理の有無を検討する。冷却処理を行う場合には、さらに、冷却処理手法の選択、冷却温度、冷却処理速度等の各因子を組み合わせて制御する。なお、通常、後述する手法で成膜された離型フィルム100は、タッチロールまたはエアナイフを用いて冷却した金属ロールに圧着させてから巻き取られる。この冷却した金属ロールに圧着させる際の温度を制御してもよい。また、冷却温度は、50℃を越え90℃以下の温度とすることが好ましく、冷却処理速度は、50℃/s以上60℃/s以下とすることが好ましい。
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なりクッション層がポリプロピレンを含有すればよい。
クッション層120を形成する樹脂材料としては、上記ポリプロピレンに加え、例えば、ポリプロピレン以外のα−オレフィン系重合体、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、メチルペンテン等を重合体成分として有するα−オレフィン系共重合体、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド等のエンジニアリングプラスチックス系樹脂が挙げられる。これらは、単独であるいは複数併用しても構わない。
中でも、α−オレフィン系共重合体が好ましい。このα−オレフィン系共重合体としては、エチレン等のα−オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体、およびそれらの部分イオン架橋物等が挙げられる。
さらに、良好なクッション機能、耐汚染性、離型性および耐熱性を得る観点から、ポリプロピレンを単独で用いたもの、ポリプロピレンとα−オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体との混合物、または、ポリプロピレンとポリブチレンテレフタレートとの混合物、ポリプロピレンと1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートとの混合物が好ましい。
なかでも、高温での離型性、追従性および耐熱性を得る観点から、ポリプロピレンとエチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)との混合物、ポリプロピレンとポリブチレンテレフタレートとエチレン−メチルメタクリレート共重合体との混合物、ポリプロピレンとポリブチレンテレフタレートとエチレンとの混合物などがより好ましい。
第2の実施形態に係る離型フィルム100は、上述したように、本発明の所定の条件を満たすべく、成膜条件が制御される。離型フィルム100の形成方法としては、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法、インフレーション法等公知の方法を用いて製造することができる。また、離型フィルムが多層構造の場合、離型層、クッション層の各層を、別々に製造してからラミネーター等により接合してもよいが、空冷式または水冷式共押出インフレーション法、共押出Tダイ法で成膜することが好ましい。なかでも、共押出Tダイ法で成膜する方法が各層の厚さ制御に優れる点で特に好ましい。また、離型層110と、クッション層120とをそのまま接合してもよいし、接着層を介して接合してもよい。
1. 一方の面に、(A)熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にクッション層を有する離型フィルムであって、
前記クッション層が、(B1)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、(B2)ポリプロピレン、及び(B3)エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)を含む、離型フィルム。
2. 前記クッション層における、成分(B1)と、成分(B2)と、成分(B3)の含有比{(B1):(B2):(B3)}が、5〜50:5〜50:20〜70である、1.に記載の離型フィルム。
3. 前記エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)が、メタアクリル酸メチルから誘導される単位を5質量%以上20質量%以下含有する、1.または2.に記載の離型フィルム。
4. 前記第1の離型層がポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む、1.乃至3.いずれか一つに記載の離型フィルム。
5. 前記離型フィルムの他方の面に、第2の熱可塑性樹脂材料からなる第2の離型層をさらに有し、前記第1の離型層、前記クッション層、および前記第2の離型層の順に積層される、1.乃至4.いずれか一つに記載の離型フィルム。
6. カバーレイフィルムの表面に、1.乃至5.のいずれか一つに記載の離型フィルムの前記第1の離型層が接するように配置する工程と、
前記カバーレイフィルムと前記離型フィルムとをともに加熱プレスする工程と、
前記離型フィルムを、前記カバーレイフィルムから剥離する工程と、
を含む、フレキシブルプリント回路基板の製造方法。
1. 一方の面に、熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にポリプロピレンを含むクッション層を有する離型フィルムであって、以下の条件を満たす、離型フィルム。
条件:当該離型フィルムの加熱速度5℃/分として示差走査熱量計で測定して得られたDSC曲線C1において、140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量をP1(mJ/mg)とし、前記DSC曲線C1を得た後、当該示差走査熱量計内の温度が25℃となるように50℃/分で冷却し、再度、加熱速度5℃/分として示差走査熱量計で測定して得られたDSC曲線C2において、140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量をP2(mJ/mg)とした時、P1とP2の値の比(P1/P2)が、1より大きい。
2. 前記第1の離型層がポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む、1.に記載の離型フィルム。
3. 前記クッション層が、α−オレフィン共重合体を含む、1.または2.に記載の離型フィルム。
4. 前記離型フィルムの他方の面に、第2の熱可塑性樹脂材料からなる第2の離型層をさらに有する、1.乃至3.いずれか一つに記載の離型フィルム。
5. カバーレイフィルムの表面に、1.乃至4.のいずれか一つに記載の離型フィルムの前記第1の離型層が接するように配置する工程と、
前記カバーレイフィルムと前記離型フィルムとをともに加熱プレスする工程と、
前記離型フィルムを、前記カバーレイフィルムから剥離する工程と、
を含む、フレキシブルプリント回路基板の製造方法。
まず、実施例1〜4、比較例1〜3の離型フィルムを作製し、評価を行った。以下に詳細を説明する。
<離型フィルムの製造>
(1)第1離型層の原料
第1離型層の原料として、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体(ポリブチレンテレフタレート構成単位/ポリテトラメチレングリコール構成単位 90重量部/10重量部)(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製のノバデュラン(登録商標)5505S)を用いた。
クッション層の原料としては、ポリブチレンテレフタレート(表1においてPBTと示す。)(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製社製、品名5505S)を10重量%、ポリプロピレン(表1においてPPと示す。)(住友化学株式会社製、ノーブレン(登録商標)FH1016:MFR0.5g/10min)を50重量%、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(メタアクリル酸メチル誘導単位含有量:5.8重量%、表1においてEMMA1と示す。)(住友化学株式会社製、アクリフト(登録商標)WD106)を40重量%用いた。
第2離型層の原料は、第1離型層と同じ原料を用いた。
共押出法を利用して、クッション層の表裏に第1離型層および第2離型層を有する離型フィルム(図2参照)を作製した。
クッション層のPBT、PP、EMMA1の配合量を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に離型フィルムを作製した。
クッション層のPBT、PP、EMMA1の配合量を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に離型フィルムを作製した。
クッション層のPBT、PP、EMMA1の配合量を表1に示すものに変更し、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(メタアクリル酸メチル誘導単位含有量:20重量%、表1においてEMMA2と示す。)(住友化学株式会社製、アクリフト(登録商標)WH206−F)を30重量%用いた以外は、実施例1と同様に離型フィルムを作製した。
クッション層のPBT、PP、EMMA1の配合量を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に離型フィルムを作製した。
クッション層のPBT、PP、EMMA1の配合量を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に離型フィルムを作製した。
クッション層のPBT、PP、EMMA1の配合量を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に離型フィルムを作製した。
まず、回路露出フィルムの表面に対して、有沢製作所製のカバーレイ(CEAタイプ)の接着剤がコーティングされている側の面が接触するように上記カバーレイを仮止めした試験フィルムを作製した。次に、離型フィルムにおける第1離型層の第1離型面が、上記試験フィルムのカバーレイを有する側の面と対向するように互いを貼り合わせたものを試験片として得た。次に、この試験片について、195℃、3MPaの条件で2分間の熱プレス処理を施した後、引っ張り試験機(エーアンドデイ社製Force gauge AD−4932A−50N)を用いて、180°方向に約1000mm/分の速度で、上記離型フィルムの第1離型層の第1離型面と、上記試験フィルムのカバーレイとの間を剥離させて剥離強度(N/50mm)を測定した。なお、剥離強度が高すぎると、試験片または離型フィルムのいずれかが破損し、適切な測定が行えなかった。
剥離強度(N/50mm)は、小さいさいほど離型性が優れていることを示す。
ポリイミドフィルムとエポキシ樹脂系接着剤層からなる有沢製作所製のカバーレイ(CEAタイプ)を用いた。このカバーレイフィルムにはプリント配線基材の端子部分に相当する窓が打ち抜かれており、打ち抜き部の大きさは50mm×50mmである。
このカバーレイフィルムと厚さ50μmの銅箔を重ね合わせ、さらにカバーレイフィルム側に離型フィルムの第1離型層の表面が重なるようにして、加熱プレス機にセットした。195℃、3MPa、2分間の条件で加熱プレスし、プレス板を開放し冷却した後、離型フィルムをカバーレイフィルムが接着した銅箔から離型させた。
カバーレイフィルムの端縁部から染み出したエポキシ樹脂系接着剤の染み出し部のエポキシ接着剤成分の長さをフィルム面上部から光学顕微鏡で観察し測定した。測定はカバーレイフィルムの端縁部の4辺に対し各辺2点ずつ測定し、これらの平均値を「カバーレイフィルムの接着剤の染み出し長さ(μm)」とした。
カバーレイフィルムの接着剤の染み出し長さ(μm)は、短いほど追従性が良好なことを示す。
離型フィルム(大きさ70mm×70mm)と厚さ50μmの銅箔(大きさ100mm×100mm)を重ね合わせ、更に、その外側にアルミ板とSUS板で挟みこみ、加熱プレス機にセットした。195℃、3MPa、2分間の条件で加熱プレスし、プレス圧を解放し冷却した後、離型フィルム端部から染み出したクッション層成分の長さをフィルム面上部から光学顕微鏡で観察し測定した。
測定は離型フィルムの4辺に対し各辺2点ずつ測定し、これらの平均値を多層離型フィルム端部からのクッション層成分の染み出し長さ(μm)とした。
離型フィルム端部からのクッション層成分の染み出し長さ(μm)は、短いほど汚染が少なく耐汚染性に優れていることを示す。
また、実施例1〜4の離型フィルムを用いて、メッキ付性を評価した。
JPCA規格の6.3.4項のめっきの外観(必要メッキ面積の90%以上にメッキが付いているものを良品)に準拠して、離型フィルムを用いて作製したFPC100個に対するメッキ付性を評価した。評価基準は、以下の○×とした。
○:必要メッキ面積の90%以上にメッキが付いている良品の数が、100個中98個以上であった。
×:必要メッキ面積の90%以上にメッキが付いている良品の数が、100個中98個未満であった。
評価の結果、実施例1〜4の離型フィルムは、いずれもメッキ付性の評価結果が「○」であることが確認された。
次いで、実施例5〜6、比較例4〜5の離型フィルムを作製し、評価を行った。以下に詳細を説明する。
<離型フィルムの製造>
(1)第1離型層の原料
第1離型層の原料として、ポリブチレンテレフタレート(PBT:三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、品名5505S)を用いた。
クッション層の原料としては、ポリブチレンテレフタレート(表2中「PBT」:三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、品名5505S)を20重量%、ポリプロピレン(表2中「PP」:住友化学株式会社製、ノーブレン(登録商標)D101:MFR0.5g/10min)を20重量%、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(表2中「EMMA」:メタアクリル酸メチル誘導単位含有量:5.8重量%)(住友化学株式会社製、アクリフト(登録商標)WD106)を60重量%用いた。
第2離型層の原料として、第1離型層と同じ原料を用いた。
共押出法を利用して、クッション層の表裏に第1離型層および第2離型層を有する離型フィルム(図2参照)を作製した。
クッション層の原料として、ポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、品名5505S)を20重量%、ポリプロピレン(住友化学株式会社製、ノーブレン(登録商標)FS2011DG2:MFR2.5g/10min)を20重量%、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合体ポリエチレンテレフタレート(表2中「PETG」:SKchemicals.製、SKYGREEN PETG S2008)を60重量%用いた以外は、実施例5と同様にして、離型フィルムを得た。
クッション層の原料として、ポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、品名5505S)を20重量%、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(メタアクリル酸メチル誘導単位含有量:5.8重量%)(住友化学株式会社製、アクリフト(登録商標)WD106)を80重量%用いた以外は、実施例5と同様にして、離型フィルムを得た。
実施例5のライン速度を30m/min、第1ロール230の温度を30℃とした以外は、実施例5と同様にして、離型フィルムを得た。
離型フィルム100を形成する材料及び基準物質を示差走査熱量計内に供給し、加熱速度5℃/分で250℃まで昇温し、50℃/分の速度で250℃から25℃まで降温させた(1stRUN)。その後、再び加熱速度5℃/分で250℃まで昇温し、50℃/分の速度で250℃から25℃まで降温させ(2ndRUN)、DSC曲線を得た。得られたDSC曲線から、1stRUNでの140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量P1(mJ/mg)を算出し、2ndRUNでの140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量P2(mJ/mg)を算出した。
まず、回路露出フィルムの表面に対して、有沢製作所製のカバーレイ(CEAタイプ)の接着剤がコーティングされている側の面が接触するように上記カバーレイを仮止めした試験フィルムを作製した。次に、離型フィルムにおける第1離型層の離型面が、上記試験フィルムのカバーレイを有する側の面と対向するように互いを貼り合わせたものを試験片として得た。次に、この試験片について、195℃、3MPaの条件で2分間の熱プレス処理を施した後、引っ張り試験機(エーアンドデイ社製Force gauge AD−4932A−50N)を用いて、180°方向に約1000mm/分の速度で、上記離型フィルムの第1離型層の離型面と、上記試験フィルムのカバーレイとの間を剥離させて剥離強度(N/50mm)を測定した。なお、剥離強度が高すぎると、試験片または離型フィルムのいずれかが破損し、適切な測定が行えなかった。
剥離強度(N/50mm)は、小さいほど離型性が優れていることを示す。
ポリイミドフィルムとエポキシ樹脂系接着剤層からなる有沢製作所製のカバーレイ(CEAタイプ)を用いた。このカバーレイフィルムにはプリント配線基材の端子部分に相当する窓が打ち抜かれており、打ち抜き部の大きさは50mm×50mmである。
このカバーレイフィルムと厚さ50μmの銅箔を重ね合わせ、さらにカバーレイフィルム側に離型フィルムの第1離型層の表面が重なるようにして、加熱プレス機にセットした。195℃、3MPa、2分間の条件で加熱プレスし、プレス板を開放し冷却した後、離型フィルムをカバーレイフィルムが接着した銅箔から離型させた。
カバーレイフィルムの端縁部から染み出したエポキシ樹脂系接着剤の染み出し部のエポキシ接着剤成分の長さをフィルム面上部から光学顕微鏡で観察し測定した。測定はカバーレイフィルムの端縁部の4辺に対し各辺2点ずつ測定し、これらの平均値を「カバーレイフィルムの接着剤の染み出し長さ(μm)」とした。
カバーレイフィルムの接着剤の染み出し長さ(μm)は、短いほど追従性が良好なことを示す。
離型フィルム(大きさ70mm×70mm)と厚さ50μmの銅箔(大きさ100mm×100mm)を重ね合わせ、更に、その外側にアルミ板とSUS板で挟みこみ、加熱プレス機にセットした。195℃、3MPa、2分間の条件で加熱プレスし、プレス圧を解放し冷却した後、離型フィルム端部から染み出したクッション層成分の長さをフィルム面上部から光学顕微鏡で観察し測定した。
測定は離型フィルムの4辺に対し各辺2点ずつ測定し、これらの平均値を多層離型フィルム端部からのクッション層成分の染み出し長さ(μm)とした。
離型フィルム端部からクッション層成分の染み出し長さ(μm)は、短いほど汚染が少なく耐汚染性に優れていることを示す。
上記の離型フィルムの離型性の評価において、離型フィルムを剥離した後の試験片(FPC)表面のシワの個数を確認した。
シワが少ないほど、FPCの外観が優れていることを示す。
一方の面に、熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にクッション層を有する離型フィルムであって、
前記クッション層が、(B1)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、(B2)ポリプロピレン、及び(B3)エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)を含む(ただし、酸変性ポリエチレンを除く)、離型フィルムが提供される。
Claims (11)
- 一方の面に、熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にクッション層を有する離型フィルムであって、
前記クッション層が、(B1)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、(B2)ポリプロピレン、及び(B3)エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)を含む、離型フィルム。 - 前記クッション層における、成分(B1)と、成分(B2)と、成分(B3)の含有比{(B1):(B2):(B3)}が、5〜50:5〜50:20〜70である、請求項1に記載の離型フィルム。
- 前記エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)が、メタアクリル酸メチルから誘導される単位を5質量%以上20質量%以下含有する、請求項1または2に記載の離型フィルム。
- 前記熱可塑性樹脂材料は離型剤であるモンタン酸エステルワックスを含まない、請求項1乃至3の離型フィルム。
- 前記第1の離型層の最外面は、平滑である、請求項1乃至4の離型フィルム。
- 一方の面に、熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にポリプロピレンを含むクッション層を有する離型フィルムであって、以下の条件を満たす、離型フィルム。
条件:当該離型フィルムの加熱速度5℃/分として示差走査熱量計で測定して得られたDSC曲線C1において、140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量をP1(mJ/mg)とし、前記DSC曲線C1を得た後、当該示差走査熱量計内の温度が25℃となるように50℃/分で冷却し、再度、加熱速度5℃/分として示差走査熱量計で測定して得られたDSC曲線C2において、140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量をP2(mJ/mg)とした時、P1とP2の値の比(P1/P2)が、1より大きい。 - 前記クッション層が、α−オレフィン共重合体を含む、請求項6に記載の離型フィルム。
- 前記熱可塑性樹脂材料がポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む、請求項1乃至7いずれか一項に記載の離型フィルム。
- 前記離型フィルムの他方の面に、第2の熱可塑性樹脂材料からなる第2の離型層をさらに有し、前記第1の離型層、前記クッション層、および前記第2の離型層の順に積層される、請求項1乃至8いずれか一項に記載の離型フィルム。
- 当該離型フィルムは、フレキシブルプリント回路基板の成形に用いられる、請求項1乃至9の離型フィルム。
- カバーレイフィルムの表面に、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の離型フィルムの前記第1の離型層が接するように配置する工程と、
前記カバーレイフィルムと前記離型フィルムとをともに加熱プレスする工程と、
前記離型フィルムを、前記カバーレイフィルムから剥離する工程と、
を含む、フレキシブルプリント回路基板の製造方法。
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