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JP2018037394A - 導電積層体 - Google Patents

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JP2018037394A
JP2018037394A JP2017028652A JP2017028652A JP2018037394A JP 2018037394 A JP2018037394 A JP 2018037394A JP 2017028652 A JP2017028652 A JP 2017028652A JP 2017028652 A JP2017028652 A JP 2017028652A JP 2018037394 A JP2018037394 A JP 2018037394A
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和也 西岡
Kazuya Nishioka
和也 西岡
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Abstract

【課題】電極反応性が高くかつ、高い導電性を有し、耐水性に優れた導電積層体、並びに電気化学デバイス用電極を提供する。【解決手段】基材上にカーボンナノチューブとアクリル樹脂を含む導電層を有し、前記導電層中のカーボンナノチューブに対するアクリル樹脂の質量比(アクリル樹脂/カーボンナノチューブ)が0.6〜2.5である導電積層体、並びにそれを用いた電気化学デバイスであって、血糖値センサーとして利用することができる電気化学デバイス用電極。好ましくは導電層の厚みが10〜100nmである導電積層体。カーボンナノチューブの分散剤を含み、その分散剤がカルボキシメチルセルロース及びその塩であることが、好ましい、導電積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、カーボンナノチューブを含む導電層を基材上に有する導電積層体に関する。
カーボンナノチューブは高導電性、耐熱性、軽量性、低熱膨張性、高熱伝導性、化学的安定性、高強度/高弾性率、など多くの優れた特性を有する炭素材料として知られており、基板上に形成させてカーボンナノチューブを含む導電積層体とすることで、電極式センサーや、タッチパネル、トランジスタ、キャパシタ、電池電極、放熱材、触媒などの多岐にわたる用途への利用可能性が期待されている。
また、生体試料などに存在する特定成分を、試料の希釈および攪拌などを行うことなく簡易に定量しうるバイオセンサーが提案されている。その一例として、特許文献1には、絶縁性基板上にスクリーン印刷などの方法によって電極系を形成し、この電極上に酸化還元酵素および電子メディエーターを含有する反応層を形成したバイオセンサーが開示されている。
このバイオセンサーは、以下のようにして試料中の基質濃度を定量する。まず、試料液をバイオセンサーの反応層上に滴下することにより、反応層が溶解し、試料液中の基質と反応層の酸化還元酵素との間で酵素反応が進行する。この酵素反応に伴い、メディエーターが還元される。一定時間後、センサーの電極に電圧を印加して、この還元されたメディエーターを電気化学的に酸化し、このとき得られる酸化電流値を測定する。この電流値は、基質濃度に直接比例するので、試料液中の基質濃度を定量することができる。このようなバイオセンサーはすでに血液中のグルコース濃度を測定するセンサーとして実用化されている。
さらに、特許文献2では血液中のグルコース濃度を連続的に測定するために、生体内へ埋め込んで使用するバイオセンサーが提案されている。
カーボンナノチューブを用いたバイオセンサーとしては、白金金属上にカーボンナノチューブを担持した電極系(特許文献3)、金属粒子をカーボンナノチューブに混合させた系(特許文献4)が挙げられている。また、カーボンナノチューブと“テフロン”(登録商標)のコンポジット、ミネラルオイル中でのカーボンナノチューブペースト、白金ナノ粒子を担持したカーボンナノチューブを電極へと応用したものが報告されている
(非特許文献1〜3)。
特開平3−202764号公報 特表2014−516658号公報 特開2006−292495号公報 特開2014−215150号公報
アナリティカルケミストリー(Anal.Chem)2003年、第75巻、p.2075− エレクトリカルケミストリー(Elec.Chem)2003年、第5巻、p.689− アナリティカルケミストリー(Anal.Chem)2004年、第79巻、p.1083−
しかし、特許文献3、4はカーボンナノチューブを白金電極上に担持したり、金属粒子を混合させたりすることで、高い電極反応性を得ている。これらの方法は、白金等の金属を必要とし、高コストである。また、非特許文献1〜3では、カーボンナノチューブを用いない場合よりもバイオセンサーの感度を向上できると報告されているが、いずれもカーボンナノチューブの分散性を向上した報告はなく、感度としても実用化されているバイオセンサーに比べて著しく低いものであった。すでに実用化されている測定精度が良いバイオセンサーの電極としては金などの貴金属が用いられている。
また、特許文献2に記載のような使用方法の場合、バイオセンサーの電極は生体内で長時間体液に浸けられた状態になるため、高い耐水性が必要となる。
本発明は、かかる課題を解決する為に、次のような特徴を有する。すなわち、
(1)基材上にカーボンナノチューブとアクリル樹脂とを含む導電層を有する導電積層体であって、前記導電層中のカーボンナノチューブに対するアクリル樹脂の質量比(アクリル樹脂/カーボンナノチューブ)が0.6以上2.5以下であることを特徴とする導電積層体。
(2)前記導電層にカーボンナノチューブの分散剤を含むことを特徴とする(1)に記載の導電積層体。
(3)前記カーボンナノチューブの分散剤がカルボキシメチルセルロースおよびその塩であることを特徴とする(2)に記載の導電積層体。
(4)前記導電層の厚みが10nm以上100nm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の導電積層体。
(5)前記基材と前記導電層との間にアンダーコート層を有し、該アンダーコート層がポリエステル樹脂および/またはウレタン樹脂を含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の導電積層体。
(6)基材上にカーボンナノチューブを含む層を形成した後、該カーボンナノチューブを含む層の上にアクリル樹脂を含むオーバーコート層を形成する工程を含むことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の導電積層体の製造方法。
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載の導電積層体を用いることを特徴とする電気化学デバイス。
(8)(1)〜(5)のいずれかに記載の導電積層体を用いることを特徴とする血糖値センサー。
本発明によれば、電極反応性が高くかつ、高い導電性を有し、耐水性に優れた導電積層体を提供することができる。
血糖値センサ配線の概念図である。 本発明の導電積層体の断面の概念図である。 アンダーコート層を有する本発明の導電積層体の断面の概念図である。 サイクリックボルタンメトリーの例である。 コールコールプロットの例である。 等価回路の例である。
以下、発明を実施するための形態を説明していく。
[導電積層体]
本発明の導電積層体は、基材上にカーボンナノチューブとアクリル樹脂とを含む導電層を有する。図2に本発明の導電積層体の一例を表す断面の概念図を示す。また、必要に応じて基材と導電層との間にアンダーコート層を設けてもよい。
[基材]
本発明に用いる基材は、低コストで大量生産を行う目的を達成するためには、高分子化合物であることが好ましいが、特に限定するものではなく、ガラス、石英、サファイア、シリコン、金属等幅広い範囲から選ぶことができる。高分子化合物としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−ρ−フェニレンスルファイド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アセテート系、ポリ乳酸系、フッ素系、シリコーン系等が挙げられる。また、これらの共重合体やブレンド物、さらに架橋した化合物を用いることができる。
さらに上記高分子化合物の中でも、ポリエステル、ポリイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−ρ−フェニレンスルファイド、ポリ(メタ)アクリル酸エステルなどからなるものが好ましく、作業性や、経済性などを総合的に勘案すると、ポリエステル、中でもポリエチレンテレフタレートよりなる合成樹脂が好ましく用いられる。また、これらの基材に、発明の趣旨を損ねない範囲で、UVオゾン処理などの各種前処理やアンダーコート層の積層などがなされていてもよい。
なお、基材がフィルムであればフレキシブルな導電積層体を得ることができ、電子機器の曲面部分に使用できたり、屈曲が必要な電子部品に使用したりすることができるため好ましい。さらに、ロール状に巻かれたフィルムを用いると、ロールツーロールで連続的に本発明の導電積層体を生産することにつながり、コスト面でメリットがあるため好ましい。特に、フィルムとしてポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
また、血糖値センサーとして用いる場合は、血液の視認性を良くするため、基材として白色のものが用いられることが好ましい。白色というのは、JIS L1015(2010)で定められた、ハンター法によって測定される白色度によって規定され、少なくとも70%以上、好ましくは90%以上の値を示す色を指す。基材の厚みは、ハンドリングの観点やフレキシブル性の観点から1μm〜500μmの範囲が好ましく、30μm〜300μmの範囲がより好ましく、50μm〜250μmの範囲がさらに好ましい。
[表面親水化処理]
本発明においては、後で述べるように水系溶媒を含む塗料組成物(以下、水系アンダーコート液ということもある)を基材上に塗工することが好ましい。水系アンダーコート液の基材上への塗布性(はじきなく塗工する)を向上させるため、表面親水化方法としてコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などの物理処理、酸処理やアルカリ処理などの化学的処理を実施することが好ましい。この中でもコロナ処理、プラズマ処理が好ましい。これらの処理により、例えば基材表面水接触角を5°以上55°以下にすることができ、水系アンダーコート液を基材に効率良く塗布することが可能となるため好ましい。
[アンダーコート層]
カーボンナノチューブ分散液の基材上への塗布性向上、およびカーボンナノチューブを含む導電層と基材の密着性を向上させるため、前記基材上にアンダーコート層を設けることが好ましい。また、アンダーコート層は後述する有機バインダーを含むことが好ましい。アンダーコート層の詳細を以下に説明する。
(1)アンダーコート層のぬれ張力、厚み、粗さ
アンダーコート層はISO8296(2003)で規定されている、ぬれ張力が76mN/m以上105mN/m以下であることが好ましい。ぬれ張力を76mN/m以上とすることで、アンダーコート層上にカーボンナノチューブ分散液を塗布した際に、塗布はじきを生じにくくし、カーボンナノチューブ分散液を均一に塗布することが可能となるため好ましい。またアンダーコート層のぬれ張力が105mN/m以下であると、塗布時の塗液の塗れ広がりによる塗布ムラや、乾燥時の風の影響を受けた塗布ムラを生じにくくし、カーボンナノチューブ分散液を均一に塗布することが可能となるため好ましい。塗布ムラの観点から、ぬれ張力は76mN/m以上105mN/m以下であることが好ましく、76mN/m以上90mN/m以下であることがより好ましい。
アンダーコート層のぬれ張力は、アンダーコート層を形成する塗料組成物中の有機バインダーに含まれる親水性官能基の共重合量を多くしたり、アンダーコート層の膜厚を厚くしたりすることにより大きくすることができる。よって、アンダーコート層のぬれ張力は、有機バインダーに含まれる親水性官能基の共重合量、親水性官能基の種類、アンダーコート層の膜厚によって、適宜調整することができる。
アンダーコート層の厚みは導電積層体としたときにカール等の現象が発生しにくく、アンダーコート層表面のぬれ性が前記の好ましいぬれ張力の範囲に入っていれば、任意に設定することができる。
(2)有機バインダー
カーボンナノチューブを含む導電層と基材の密着性を向上させるため、アンダーコート層には有機バインダーを含むことが好ましい。前記有機バインダーは、基材とアンダーコート層との密着性向上とプロセス上層形成が容易なことからガラス転移点70℃以下の熱可塑性樹脂であることがより好ましい。有機バインダーとしては、例えばウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、ビニル樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
中でも基材とアンダーコート層との密着性向上とアンダーコート層の耐水性、耐薬品性の観点からアンダーコート層がポリエステル樹脂および/またはウレタン樹脂を含むことが好ましい。アンダーコート層はポリエステル樹脂またはウレタン樹脂を含んでもよいし、ポリエステル樹脂およびウレタン樹脂の両方を含んでもよい。ウレタン樹脂としてより好ましくはポリエステルポリオールとイソシアネートが重合したウレタン樹脂である。上記のようなポリエステル樹脂としては高松油脂(株)社製“ペスレジン”(登録商標)シリーズや互応化学工業(株)社製“プラスコート”(登録商標)シリーズなどが好ましく用いられ、ウレタン樹脂としては第一工業製薬(株)社製“スーパーフレックス”(登録商標)シリーズなどが好ましく用いられる。
(3)粒子
本発明において、アンダーコート層は粒子を含むことが好ましい。粒子を含むことで、カーボンナノチューブ分散液の塗布性をさらに向上させることができる。また、アンチブロッキング性もアンダーコート層に付与することができるため好ましい。すなわち、導電積層体をロールツーロールで製造する際、アンダーコート層形成後にアンダーコート層が形成された基材を巻き取る必要が生じる場合があり、その際、アンダーコート層に粒子を含むことで、アンダーコート層がブロッキングしにくくなるため好ましい。
粒子の含有量はアンダーコート層全体を100質量%としたとき、5質量%以上95質量%以下が好ましい。5質量%未満となると、アンダーコート層表面の凹凸が不足し、アンチブロッキング性が発揮できない場合がある。また、95質量%より大きくなると、バインダーに対して粒子が過剰となり、粒子の脱落が起こる場合がある。粒子の粒径の好ましい範囲としては5nm〜500nmである。より好ましくは、15nm〜100nm、さらに好ましくは15nm〜40nmである。なお、ここでいう粒径とは動的光散乱法により測定された平均粒径をいう。
本発明に用いられる粒子としては有機粒子であっても無機粒子であっても、その両方を用いても構わない。本発明に用いることのできる無機粒子の組成としては、例えばシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、セリア、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、各種金属酸化物からなる微粒子などが好ましい。特に、親水性官能基を有するポリエステル樹脂への分散性の点から無機コロイド粒子が好ましく、特にコロイダルシリカが好ましい。さらには、コロイダルシリカ表面に−SiOH基や−OHイオンが存在し、負に帯電した状態で電気二重層が形成され、コロイダルシリカ間の静電反発により溶媒中で分散安定しているコロイダルシリカであることが好ましい。コロイダルシリカ表面に−SiOH基や−OHイオンが存在し、負に帯電した状態で電気二重層が形成され、コロイダルシリカ間の静電反発により溶媒中で分散安定しているコロイダルシリカとしては、日産化学工業(株)社製の“スノーテックス”(登録商標)シリーズや日揮触媒化成(株)社製の“カタロイド” (登録商標)シリーズなどが好ましく用いられる。
本発明に用いることのできる有機粒子の組成としては、例えばアクリル酸類、スチレン樹脂、熱硬化樹脂、シリコーンおよびイミド化合物等を構成成分とする粒子が挙げられる。ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する粒子(いわゆる内部粒子)も好ましく用いられる。特に、親水性官能基を有するポリエステル樹脂への分散性、汎用性の観点から、スチレン/アクリル粒子が好ましい。液中で安定的に分散しているスチレン/アクリル粒子としては、日本合成化学工業(株)製 “モビニール”(登録商標) 972などが好ましく用いられる。
(4)アンダーコート層の形成方法
前述した有機バインダー、並びに必要に応じて、添加剤や溶媒を含有する塗料組成物を基材上へ塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥させることによって、基材上にアンダーコート層を形成することができる。
また、塗料組成物の溶媒として水系溶媒を用いることが好ましい。水系溶媒を用いた塗料組成物を水系溶媒を含む塗料組成物ということもある。水系溶媒を用いることで、乾燥工程での溶媒の急激な蒸発を抑制でき、均一なアンダーコート層を形成できるだけでなく、環境負荷の点で優れているためである。
ここで、水系溶媒とは水、または水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類など水に可溶である有機溶媒が任意の比率で混合されているものを指す。
塗料組成物の基材上への塗布方法は、既知のウェットコーティング方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、ロールコーティング、バーコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷などが利用できる。また、ドライコーティング方法を用いてもよい。乾式コーティング方法としては、スパッタリング、蒸着などの物理気相成長や化学気相成長などが利用できる。また塗布は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類の塗布方法を組み合わせてもよい。好ましい塗布方法は、ウェットコーティングであるグラビアコーティング、バーコーティング、スロットダイコーティングである。
前記塗布工程の後、乾燥工程にて塗布された分散剤を含むアンダーコート塗料から分散媒を除去する。溶媒の除去方法としては、熱風を基材に当てる対流熱風乾燥、赤外線乾燥装置からの輻射で基材に赤外線を吸収させて熱に変え加熱し乾燥させる輻射熱乾燥、熱媒体で加熱された壁面からの熱伝導で加熱し乾燥させる伝導熱乾燥、などを適用することができる。中でも対流熱風乾燥は乾燥速度が大きいため好ましい。
なお、以下で基材上にアンダーコート層が形成されたフィルムをアンダーコート積層フィルムということもある。
[導電層]
本発明における「導電層」とは、カーボンナノチューブおよびアクリル樹脂を含む層である。導電層の厚みは10nm以上100nm以下が好ましい。導電性や耐候性の観点から、厚みは15nm以上50nm以下がより好ましい。
また、導電層中のカーボンナノチューブに対するアクリル樹脂の質量比(アクリル樹脂/カーボンナノチューブ)は、0.6以上2.5以下が好ましく、0.8以上1.7以下がより好ましい。カーボンナノチューブに対するアクリル樹脂の質量比が0.6以上であれば、カーボンナノチューブがアクリル樹脂により基材に固定され、導電層の密着力、耐水性が良好となり好ましい。また、カーボンナノチューブに対するアクリル樹脂の質量比が2.5以下であれば、導電層表面にカーボンナノチューブが露出した状態となるためバイオセンサーとして使用した場合、電解液と接触しやすく良好な電極反応が起こるため好ましい。
[導電積層体の製造方法]
導電積層体を製造するにあたっては、基材上にカーボンナノチューブを含む層を形成した後、該カーボンナノチューブを含む層の上に、オーバーコート層を形成することが好ましい。カーボンナノチューブを含む層とオーバーコート層を合わせたものが、本発明における導電層となる。カーボンナノチューブを含む層を先に形成することにより、カーボンナノチューブ同士の接点数が多い、緻密なネットワーク構造を持ったカーボンナノチューブを含む層を形成することができる。その後に、オーバーコート層を形成することにより、カーボンナノチューブの緻密なネットワーク構造を保ったまま導電層を形成することができ、表面抵抗値の小さい導電層を形成できることから好ましい。基材上にカーボンナノチューブおよびオーバーコート層を構成する樹脂を含む層を一度に形成した場合は、上記の方法と比較して、カーボンナノチューブ同士の接点数が少なくなる傾向にある。また、オーバーコート層を設けなかった場合は、カーボンナノチューブが樹脂によって固定されないため、カーボンナノチューブと基材との密着力が低く、導電層表層を物理的に擦った場合や水などに浸けた場合にカーボンナノチューブが基材から脱落することがある。
なお、オーバーコート層はカーボンナノチューブを含む層に浸透し、カーボンナノチューブと混合されることによって導電層を形成するため、カーボンナノチューブを含む層とオーバーコート層に明確な界面が存在しない場合がある。
[カーボンナノチューブ]
本発明において、導電層にカーボンナノチューブを含むことが好ましい。本発明において用いられるカーボンナノチューブは、実質的にグラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有するものであれば特に限定されず、グラファイトの1枚面を1層に巻いた単層カーボンナノチューブ、多層に巻いた多層カーボンナノチューブいずれも適用できるが、中でもグラファイトの1枚面を2層に巻いた特に2層カーボンナノチューブが100本中に50本以上含まれているカーボンナノチューブであると、導電性ならびに塗布用分散液中でのカーボンナノチューブの分散性が極めて高くなることから好ましい。さらに好ましくは100本中75本以上が2層カーボンナノチューブ、最も好ましくは100本中80本以上が2層カーボンナノチューブである。なお、2層カーボンナノチューブが100本中に50本含まれていることを、2層カーボンナノチューブの割合が50%と表示することもある。また、2層カーボンナノチューブは酸処理などによって表面が官能基化されても導電性などの本来の機能が損なわれない点からも好ましい。
カーボンナノチューブは、例えば次のように製造される。マグネシアに鉄を担持した粉末状の触媒を、縦型反応器中、反応器の水平断面方向全面に存在させ、該反応器内にメタンを鉛直方向に供給し、メタンと前記触媒を500〜1,200℃で接触させ、カーボンナノチューブを製造した後、カーボンナノチューブを酸化処理することにより、単層〜5層のカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブを得ることができる。カーボンナノチューブは製造した後、酸化処理を施すことにより単層〜5層の割合を、特に2層〜5層の割合を増加させることができる。酸化処理は例えば、硝酸処理する方法により行われる。硝酸はカーボンナノチューブに対するドーパントとして作用するため、好ましい。ドーパントとは、カーボンナノチューブに余剰の電子を与える、または電子を奪ってホールを形成する作用をなすものであり、自由に動くことのできるキャリアを生じさせることにより、カーボンナノチューブの導電性を向上させるものである。また、酸化処理を行うことで、2層カーボンナノチューブ外層の欠陥、官能基数を増加させることができる。硝酸処理法は本発明のカーボンナノチューブが得られる限り、特に限定されないが、通常、140℃のオイルバス中で行われる。硝酸処理時間は特に限定されないが、5〜50時間の範囲であることが好ましい。
[分散剤]
カーボンナノチューブを含む層にはカーボンナノチューブの分散剤を含むことが好ましい。
カーボンナノチューブの分散剤としては、界面活性剤、各種高分子材料(水溶性高分子材料等)等を用いることができるが、イオン性高分子材料が分散性が高いことから好ましい。イオン性高分子材料としてはアニオン性高分子材料やカチオン性高分子材料、両性高分子材料がある。カーボンナノチューブ分散液を基材に塗布後、分散剤は例えばカーボンナノチューブ間に存在するバインダーとしての役割を果たす。後述する電気化学特性を測定する際、電解液である水溶液に浸漬して測定される。イオン性高分子材料は水との親和性が高いため、疎水性であるカーボンナノチューブと水溶液との親和性を高め、電極反応面積を高くすることができ、電気化学特性を向上させることができる。イオン性高分子材料としては、水との親和性が高く、かつ、カーボンナノチューブ分散能が高く、分散性を保持できるものであればどの種類も用いることができるが、分散性、および分散保持性に優れることから、例えばカルボキシメチルセルロースを含む物質やポリスチレンスルホン酸の塩等を用いることができる。なかでも、カルボキシメチルセルロースを含む物質が好ましく、カルボキシメチルセルロースを含む物質のなかでも特にカルボキシメチルセルロースおよびその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)がカーボンナノチューブ分散液においてカーボンナノチューブを効率的に分散することができ、好ましい。
本発明において、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、ポリスチレンスルホン酸の塩を用いる場合、塩を構成するカチオン性の物質としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のカチオン、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属のカチオン、アンモニウムイオン、あるいはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、エチルアミン、ブチルアミン、ヤシ油アミン、牛脂アミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ポリエチレンイミン等の有機アミンのオニウムイオン、または、これらのポリエチレンオキシド付加物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
カーボンナノチューブと分散剤との質量比(分散剤/カーボンナノチューブ)は1.0〜3.0の範囲にあることが好ましい。1.0未満であると十分な分散性、および電気化学特性を得ることができない場合があり、3.0を超えると絶縁性である分散剤の量が過剰となり、後述する表面抵抗値の値が上昇する場合がある。
[溶媒]
本発明において用いられる溶媒は、前記分散剤を容易に溶解できる点、廃液の処理が容易である等の観点から、水が好ましい。
[カーボンナノチューブ分散液]
本発明において用いるカーボンナノチューブ分散液の調製方法は、特に限定されないが、例えば次のような手順で行うことができる。分散時の処理時間が短縮できることから、一旦、分散媒中にカーボンナノチューブを0.003〜0.15質量%の濃度範囲で含まれる分散液を調製した後、希釈することで、所定の濃度とすることが好ましい。本発明において、カーボンナノチューブに対する分散剤の質量比(分散剤/カーボンナノチューブ)は10以下であることが好ましい。かかる好ましい範囲であると、均一に分散させることが容易である一方、導電性低下の影響が少ない。質量比は0.5〜9であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、質量比が2〜3であれば、高い透明導電性を得ることができるので特に好ましい。
調製時の分散手段としては、カーボンナノチューブと分散剤とを分散媒中で塗装製造に慣用の混合分散機(例えばボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波装置、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカー等)を用いて混合することが挙げられる。また、これら複数の混合分散機を組み合わせて段階的に分散を行ってもよい。中でも、振動ボールミルで予備的に分散を行った後、超音波装置を用いて分散する方法が、得られる塗布用分散液中のカーボンナノチューブの分散性が良好であることから好ましい。
[カーボンナノチューブを含む導電層の作製方法]
本発明において、カーボンナノチューブを含む導電層は、カーボンナノチューブ分散液を基材に塗布する塗布工程と、その後分散媒を除去する乾燥工程とを経て作製される。本発明において、分散液を基材上またはアンダーコート層上に塗布する方法は特に限定されない。既知の塗布方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷などが利用できる。また塗布は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類の塗布方法を組み合わせてもよい。最も好ましい塗布方法は、グラビアコーティング、バーコーティング、ダイコーティングである。
前記塗布工程の後、乾燥工程にて塗布された分散剤を含むカーボンナノチューブ分散液から分散媒を除去する。溶媒の除去方法としては、熱風を基材に当てる対流熱風乾燥、赤外線乾燥装置からの輻射で基材に赤外線を吸収させて熱に変え加熱し乾燥させる輻射熱乾燥、熱媒体で加熱された壁面からの熱伝導で加熱し乾燥させる伝導熱乾燥、などを適用することができる。中でも対流熱風乾燥は乾燥速度が大きいため好ましい。
本発明において、カーボンナノチューブを含む導電層とは、カーボンナノチューブ分散液から分散媒を取り除いた後の、カーボンナノチューブおよび分散剤を含有する固形分を含む層のことを指す。
[カーボンナノチューブを含む導電層の厚みの調整]
カーボンナノチューブ分散液を基材上またはアンダーコート層上に塗布する際の塗布厚み(ウェット状態の厚み)は、カーボンナノチューブ分散液の濃度にも依存するため、望む表面抵抗値が得られるように適宜調整すればよい。本発明におけるカーボンナノチューブ塗布量は、導電性を必要とする種々の用途を達成するために、容易に調整可能である。例えば、塗布量が1mg/m〜40mg/mである。
[オーバーコート層]
次に、カーボンナノチューブを含む層の上に、オーバーコート層を形成する。オーバーコート層はカーボンナノチューブを含む層に浸透し、カーボンナノチューブと混合されて導電層を形成することがある。
オーバーコート層の材料としては、基材との密着力と耐水性に優れたアクリル樹脂が好適に用いられる。アクリル樹脂の中でもカーボンナノチューブを含む層に浸透しやすく、硬化した後に高い密着性と耐水性を発現することから、モノマーが共重合したものが好ましく、共重合に寄与する官能基を2つ以上持つアクリルモノマーが共重合したものがより好ましい。前述のようなアクリル樹脂をオーバーコート層の材料として用いることで、あらかじめ形成されたカーボンナノチューブのネットワーク構造が乱れにくく、かつ、カーボンナノチューブのネットワーク構造がアクリル樹脂によって充分に固定された状態で導電層が形成される。また、カーボンナノチューブとオーバーコート層を構成するアクリル樹脂との密着力が良好になる。これによって、高い導電性と耐久性を得ることができるため好ましい。
アクリル樹脂としては、例えば、モノマーとして、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどを共重合したものや、伸縮性に優れるウレタン骨格を構造に含むウレタンアクリレートが共重合したものが挙げられる。上記アクリル樹脂で具体的に市販されているものとしては、共栄社化学株式会社製「ライトアクリレート(登録商標)」シリーズ、「ウレタンアクリレート」シリーズ、大成ファインケミカル株式会社製「アクリット(登録商標)」シリーズなどが挙げられる。
[オーバーコート層の作製方法]
オーバーコート層の作製方法としては、前記オーバーコート層を構成するアクリル樹脂を含む塗料を、乾燥した後の厚みが所望の厚みになるよう固形分濃度を調整した後、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、スピンコート法などにより塗布することが好ましい。アクリル樹脂を含む塗料は、アクリル樹脂が溶媒に溶解されているか、または、アクリル樹脂が溶媒に分散された状態で用いることができる。オーバーコート層に用いるアクリル樹脂を含む塗料に用いられる溶媒としては、水、有機溶剤などを用いることができる。塗工適性の観点から、水;イソプロピルアルコールやエタノールなどのアルコール系溶剤;酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;シクロヘキサノンやメチルエチルケトンなどのケトン系溶剤;キシレン、トルエンなどの炭化水素系溶剤が好適に用いられる。これらの溶剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
オーバーコート層に用いるアクリル樹脂を含む塗料には、オーバーコート層の効果が損なわれない範囲で、各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、触媒、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤、帯電防止剤、着色顔料などを用いることができる。
次いで、塗布後の塗膜を乾燥させて溶媒を除去することが好ましい。ここで、乾燥に用いられる熱源としては、特に制限は無く、スチームヒーター、電気ヒーター、赤外線ヒーターなど任意の熱源を用いることができる。なお、加熱温度は50〜150℃で行うことが好ましい。また、加熱処理時間は数秒〜1時間行うことが好ましい。さらに、加熱処理中は温度が一定であってもよく、徐々に温度を変化させてもよい。また、乾燥処理中は湿度を相対湿度で20〜90%RHの範囲で調整しながら加熱処理してもよい。前記加熱処理は、大気中もしくは不活性ガス中に封入した状態で行ってもよい。
次に、必要に応じて乾燥後の樹脂を含む塗膜に紫外線照射などの活性エネルギー線照射処理を施すことで前記塗膜の組成を変性させてもよい。紫外線処理は、1回のみ行ってもあるいは2回以上繰り返して行ってもよい。紫外線処理を行う際の酸素濃度は、オーバーコート層の組成制御の観点から、オーバーコート時の系内のガス全体を100体積%としたとき、酸素ガスは1.0体積%以下が好ましく、0.5体積%以下がより好ましい。相対湿度は任意でよい。また、前記紫外線処理においては、窒素ガスを用いて酸素濃度を低下させることがより好ましい。
紫外線発生源としては、高圧水銀ランプメタルハライドランプ、マイクロ波方式無電極ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ等、既知のものを用いることができる。
紫外線照射の積算光量は、50〜3,000mJ/cmであることが好ましく、100〜1,000mJ/cmがより好ましい。前記積算光量が50mJ/cm以上であれば所望のオーバーコート層が得られるため好ましい。また、前記積算光量が3,000mJ/cm以下であれば基材へのダメージを少なくすることができるため好ましい。
[電気化学特性]
図1に血糖値センサーの一般的な構成を示す。血糖値センサーは、グルコースから電子を引き抜く酸化反応を生じる作用極101、作用極101で起きた酸化反応によって生じた電流を図示されない測定部へ伝える作用極導線102、作用極で生じた酸化電流に対して、還元反応を生じて、電気化学システムのバランスを保つ対極103、図示されない測定部から対極に電子を供給する対極導線104、全ての電極、導線を支持する白色基板105からなる。
作用極101は、通常、グルコースから電子を奪う酵素と、これら酵素から電子を受け取り、作用極下部に設けられた作用極導電層に電子を伝えるメディエーター、作用極導電層からなる。
酵素は、血液、尿、唾液、汗、涙などの生体試料、食品原料や製品、環境中に由来する基質(特定成分)に対し特異的に作用し、それらを酸化もしくは還元する役割を果たすものである。例えば、グルコースオキシダーゼ、ウリカーゼ、ザルコシンオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、アルコールオキシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、コレステロールオキシダーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、NADH オキシダーゼ、ジアホラーゼ、ウレアーゼ、フルクトースオキシダーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、アスコルビン酸デヒドロゲナーゼなどが、測定物質に応じて用いることができる。一般的な血糖値センサー測定用途には、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼが用いられる。
メディエーターとしてはフェリシアン化物塩、フェロセンおよびその誘導体、メチレンブルー、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノン、フェナジンメトサルフェート、チオニンなどをあげることができる。血糖値センサー用途として特に好ましくは、フェリシアン化カリウムが採用されている。
血糖値の測定原理は以下の通りである。
測定したい血液を作用極、対極上に滴下すると、血液中のグルコースが、グルコースのみに特異的に作用する酵素(グルコースデヒドロゲナーゼなど)に電子を奪われる。奪われた電子は直接電極に移動することはできず、メディエーターに電子を受け渡す。この際、フェリシアン化カリウムは、以下の式(1)の反応によりフェロシアン化カリウムとなる。
Figure 2018037394
このフェロシアン化カリウムが、電極まで移動し、電極に電子を受け渡す。
この一連の反応を通して、作用極101上ではグルコースから電子が奪われて、作用極導電層に電子が伝えられる。この際生じる電流値は、グルコース濃度に応じて増減するため、血液中のグルコース濃度を測定することが可能となる。作用極導線102、対極導線104は、作用極、対極で生じる電流を測定部に伝える役割を果たす。
電極触媒活性は、一般的に以下の2つの指標(A、B)をもって測定される。いずれも、作用極、対極、参照極を、反応電解質を含む電解質溶液に浸漬した3電極系で測定される。
A.サイクリックボルタンメトリーを実施した際のフェロシアン化カリウムの酸化電流ピークにおける電位と電流密度、B.電気化学インピーダンス法を行った際の電荷移動抵抗。
A.については、式(1)の反応系を用いた測定例を図3に示す。図で示した301の酸化電流ピークが式(1)の右辺から左辺へ変化する酸化反応を示している。酸化ピーク電位302は低いほど、酸化ピーク電流密度303が高いほど反応特性が良いということ表す。本発明において、5mmol/lの濃度でフェロシアン化カリウムと0.5mol/lの濃度で塩化カリウムとを含む水溶液に導電積層体を浸漬し、導電層上の電位を50mV/sで掃引した際に、酸化ピーク電位Vが銀/塩化銀電極基準で0.2V以上0.4V以下の範囲に存在することが好ましい。より好ましくは0.25以上0.35V以下である。本発明で規定した電気化学系においては、50mV/sで掃引した際、参照極Ag/AgClを0Vとして0.2以上0.4V以下に、この酸化電流ピーク301が生じることが好ましい。また、この場合において、酸化ピーク電流密度I(303)が0.50mA/cm以上であることが好ましい。酸化ピーク電流密度I(303)は、0.50mA/cm以上であれば、センサー用途として十分な特性であるため好ましい。
B.は、反応物質を添加した系で、参照極を基準として、作用極に反応物質の反応が起きる電圧で、ある幅をもって交流電圧を印加する。このことによって得られるインピーダンスの実軸成分と虚軸成分をプロットする。このプロットはコールコールプロットと呼ばれる。コールコールプロットの例を図4に示す。図5に示す回路を電極−電解液間の等価回路と想定した場合、図4に示す電荷移動抵抗Rct401が、電極触媒活性の大きさを表す指標となる。この電荷移動抵抗Rct401は、図5の等価回路では501で表され、低いほどセンサーとして優れた特性である。このとき、5mmol/lの濃度でフェロシアン化カリウムと5mmol/lの濃度でフェリシアン化カリウムと0.5mol/lの濃度で塩化カリウムとを含む水溶液に浸漬させた際の銀/塩化銀電極基準で自然電位における電荷移動抵抗が0.2Ωcm〜50Ωcmであることが好ましい。より好ましくは0.4Ωcm〜40Ωcmである。0.2Ωcm〜50Ωcmの範囲にあれば、センサー用途として十分な特性であるため好ましい。
[表面抵抗値]
前記の通り、作用極導線102、対極導線104は、作用極、対極で生じる電流を測定部に伝える役割を果たすため、ある程度以上の導電性が必要となる。本願では、この導線部の導電性を表す指標として表面抵抗値を用いた。求められる表面抵抗値は血糖値センサーの回路設計に依存するが、一般的には1×10〜1×10Ω/□の範囲である。
表面抵抗値はカーボンナノチューブ塗布量により調整することができる。つまり、カーボンナノチューブ塗布量を多くすると、表面抵抗値は低くなり、少なくすると表面抵抗値が高くなる。製品の価格を考慮すると、カーボンナノチューブ塗布量がより少ない状態で低い表面抵抗値を得ることが好ましい。
[用途]
本発明の導電積層体は電極反応性が高くかつ、高い導電性を有することから、電流を測定する電気化学デバイスに好ましく用いることができる。また、本発明の導電積層体は血糖値センサーに特に好ましく用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。本実施例で用いた測定法を以下に示す。特に断らない限り、測定値から数値を求めるときは、測定の数を2回とし、その平均値を数値として採用した。
<測定法>
(1)表面抵抗値
5cm×10cmの大きさにした、導電積層体の導電層側の中央部にプローブを密着させて、4端子法により室温下で表面抵抗値を測定した。使用した装置は、ダイアインスツルメンツ(株)製の抵抗率計MCP−T360型、使用したプローブはダイアインスツルメンツ(株)製の4探針プローブMCP−TPO3Pである。
(2)酸化ピーク電位、酸化ピーク電流密度
各サンプルの導電層を作用極としてサイクリックボルタンメトリーを行い、電解液中のフェロシアン化カリウムの酸化電流ピークにおける電位と電流密度を測定した。酸化電流ピークにおける電位が小さいほど、電流密度は大きいほど導電層表面の反応活性が高いと判断できる。
電解液として、5mmol/lの濃度でフェロシアン化カリウムと0.5mol/lの濃度で塩化カリウムとを含むように調製した水溶液を用いた。参照電極としてAg/AgCl電極(BAS株式会社製:RE−1B水系参照電極)を用い、対極としてPt電極(BAS株式会社製:Ptカウンター電極5.7cm)を用いた。作用極は各サンプルを10mm×20mmにカットし、さらに直径3mmの円形の孔を空けた絶縁テープを導電層上に貼合することで作用極面積を一定の0.071cmとしたものを作製して用いた。ポテンショスタット(北斗電工株式会社製:HZ−7000)を用いて、掃引速度50mV/s、電位掃引範囲をAg/AgClに対して−500mV〜700mV、室温の条件でサイクリックボルタンメトリー測定を行い、3サイクル目の酸化電流ピーク電位と電流の結果を採用した。測定された電流値は、電極面積(0.071cm)で規格化し、電流密度とした。図3に示す通り、+0.2V付近に、上述した式(1)に伴うフェロシアン化カリウムの酸化電流ピークが確認される。この酸化電流ピーク電位と酸化電流ピーク電流密度を、電極反応性を表す指標とした。
(3)電荷移動抵抗
各サンプルの導電層を作用極としてインピーダンススペクトロスコピーを行い、電解液中のフェロシアン化カリウムの電荷移動抵抗を測定した。電荷移動抵抗は反応活性を表す。
電解液として、5mmol/lの濃度でフェロシアン化カリウムと5mmol/lの濃度でフェリシアン化カリウムと0.5mol/lの濃度で塩化カリウムとを含むように調製した水溶液を用いた。参照電極、対極、作用極のサイズ、設置方法は(3)項と同様である。ポテンショスタット(北斗電工株式会社製:HZ−7000)にFRAボードを追加して、インピーダンススペクトロスコピーを実施した。測定電位は自然電位、電位振れ幅は10mV、周波数1Hz〜10kHzで実施した。このようにして得たインピーダンススペクトロスコピーのコールコールプロットを解析ソフト(北斗電工株式会社製:EIS Version 1.0.23)で解析し、電荷移動抵抗と電気二重層容量を導出した。その際に用いた等価回路は図5と同様である。フィッテイング方法としてはLevnberg−Marquard法を用いた。探索条件は以下である。
・計算点生成:メッシュ
・フィッテイング計算:1回につき1回
・探索打ち切り回数:10,000
・絶対許容誤差:1.0×10−15
・相対許容誤差:1.0×10−15
・最大繰り返し回数:100
・差分:前進差分
・差分ステップ幅:0.0001。
(4)耐水性
導電積層体を37℃に温めた純水に30分間浸漬した後、取り出して濡れた状態で、ゴム手袋を装着した指で導電層表面を10回擦った。その後ウェスで水分を拭き取り、指で擦った部分を目視で観察して導電層の剥離を判断した。
(5)導電層に含まれる樹脂および分散剤の特定
導電層の表面をFT−IR−ATR法で測定した。測定条件はFTS−55A(Bio−Rad Diglab社製FT−IR)を用い、ATR結晶はゲルマニウムを使用して赤外線入射角60°の条件で測定した。
上記FT−IR−ATR法で成分が特定できない場合は、導電層を重クロロホルムに溶解して核磁気共鳴分光法にて測定した。
(6)導電層に含まれるカーボンナノチューブとアクリル樹脂の質量比の測定
熱重量分析(TGA)にてカーボンナノチューブとアクリル樹脂の質量比を測定した。試料を示差熱分析装置(島津製作所製 DTG−60)に設置し、50ml/分の空気供給量、10℃/分の昇温速度にて室温から900℃まで昇温した。そのときのDTA曲線から発熱による燃焼ピーク温度を読みとり、TG曲線から質量変化を読み取ってカーボンナノチューブとアクリル樹脂の質量比を測定した。
(7)密着性の評価
カッターナイフで導電層表面に1mm幅間隔で100マスの碁盤目状の切り込みを入れ、“セロテープ”(登録商標)の粘着面を切り込みを入れた導電層に貼り付け密着させた。貼り付けた“セロテープ”(登録商標)を剥離角約90度で一気に剥離して導電層の剥離状態を目視で確認した。
導電層が基材に95%以上の面積剥離せずに残っている場合、密着性良好とした。
(実施例1)
[アンダーコート層作製]
以下の操作により、アンダーコート層を作製した。
ポリウレタン樹脂の水分散体(第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス210」固形分濃度:35質量%)をアンダーコート層用の樹脂とし、シリカ粒子の水分散体(日産化学工業株式会社製「スノーテックスO」固形分濃度:20質量%)をアンダーコート層に含まれるシリカ粒子とした。前記スーパーフレックス210とスノーテックスOと純水を質量比で3.4:4.0:12.5の割合で混合し、固形分10質量%のアンダーコート層作製用の塗布液とした。基材として、厚さ188μmのPETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)E20)を使用した。UR100線のグラビアロールを用いて、ライン速度に対するグラビアロールの回転比を1.5倍に設定し、基材上に前記アンダーコート層用の塗液を塗布した。塗布後、125℃の乾燥機内で1分間乾燥させた。この方法で作製したアンダーコート層の厚みは約600nmで、アンダーコート層の樹脂とシリカ粒子の質量比は6:4であった。
[カーボンナノチューブ合成触媒調製]
約24.6gのクエン酸鉄(III)アンモニウム(和光純薬工業社製)をイオン交換水6.2kgに溶解した。この溶液に、酸化マグネシウム(岩谷社製MJ−30)を約1,000g加え、撹拌機で60分間激しく撹拌処理した後に、懸濁液を10Lのオートクレーブ容器中に導入した。この時、洗い込み液としてイオン交換水0.5kgを使用した。容器を密閉した状態で160℃に加熱し、6時間保持した。その後オートクレーブ容器を放冷し、容器からスラリー状の白濁物質を取り出し、過剰の水分を吸引濾過により濾別し、濾取物中に少量含まれる水分は120℃の乾燥機中で加熱乾燥した。得られた固形分を、篩い上で、乳鉢で細粒化しながら、10〜20メッシュの範囲の粒径を回収した。得られた顆粒状の触媒体を電気炉中に導入し、大気下600℃で3時間加熱し、触媒体を得た。触媒体のかさ密度は0.32g/mLであった。また、濾液をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)により分析したところ、鉄は検出されなかった。このことから、添加したクエン酸鉄(III)アンモニウムは、全量酸化マグネシウムに担持されたことが確認できた。さらに触媒体のEDX分析結果から、触媒体に含まれる鉄含有量は、0.39質量%であった。
[カーボンナノチューブの製造]
前記の触媒体を用い、カーボンナノチューブを合成した。触媒体132gを、鉛直方向に設置した反応器の中央部の石英焼結板上に導入することで触媒体層を作製した。反応管内温度が約860℃になるまで、触媒体層を加熱しながら、反応器底部から反応器上部方向へ向けて窒素ガスを16.5L/minで供給し、触媒体層を通過するように流通させた。その後、窒素ガスを供給しながら、さらにメタンガスを0.78L/minで60分間導入して触媒体層を通過するように通気し、反応させた。メタンガスの導入を止め、窒素ガスを16.5L/min通気させながら、石英反応管を室温まで冷却して触媒付きカーボンナノチューブ組成物を得た。この触媒付きカーボンナノチューブ組成物129gを、4.8Nの塩酸水溶液2,000mL中で1時間撹拌することで、触媒金属である鉄とその担体である酸化マグネシウムを溶解した。得られた黒色懸濁液を濾過した後、濾取物を再度4.8Nの塩酸水溶液400mLに投入して脱酸化マグネシウム処理をした後、濾取した。この操作を3回繰り返し、触媒が除去されたカーボンナノチューブ含有組成物を得た。
[カーボンナノチューブの酸化処理]
前記のカーボンナノチューブ組成物を約300倍の質量の濃硝酸(和光純薬工業社製 1級 Assay 60〜61質量%)に添加し、約140℃のオイルバスで24時間攪拌しながら加熱還流した。加熱還流後、カーボンナノチューブ含有組成物を含む硝酸溶液をイオン交換水で2倍に希釈して、吸引ろ過した。イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗した後、水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ組成物を保存した。このカーボンナノチューブ組成物の平均外径を高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、1.7nmであった。また2層カーボンナノチューブの割合は90質量%であり、波長532nmで測定したラマンG/D比は80であり、燃焼ピーク温度は725℃であった。
[重量平均分子量:35,000のカルボキシメチルセルロースの製造]
カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)社製、セロゲン5A、重量平均分子量:80,000、分子量分布(Mw/Mn):1.6、エーテル化度:0.7)10質量%水溶液500gを三口フラスコに加えて、1級硫酸(キシダ化学(株)社製)を用いてpH2に調整した。この容器を120℃に昇温したオイルバスに移し、加熱還流下で攪拌しながら9時間加水分解反応を行った。三口フラスコを放冷後、28質量%アンモニア水溶液(キシダ化学(株)社製)を用いてpH10に調整し、反応停止した。加水分解後のカルボキシメチルセルロースナトリウムの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い、ポリエチレングリコールを標準サンプルとして作成した校正曲線と対比させることにより分子量を算出した。その結果、重量平均分子量は約35,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。また収率は97質量%であった。このようにして得られたカルボキシメチルセルロースナトリウム(重量平均分子量:35,000)10質量%水溶液20gを、30cmに切断した透析チューブ(スペクトラムラボラトリーズ(株)社製、Biotech CE透析チューブ、分画分子量:3,500−5,000D、16mmφ)に入れ、この透析チューブをイオン交換水1,000gが入ったビーカーに浮かべて2時間透析を行った。その後、ビーカー内の水を新しいイオン交換水1,000gと入れ替えて再度2時間透析を行った。この操作を3回繰り返した後、新しいイオン交換水1,000gが入ったビーカー中で12時間透析を行った。透析チューブからカルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液を取り出した。この水溶液をエバポレーターを用いて減圧濃縮した後、凍結乾燥機を用いて乾燥した結果、粉末状のカルボキシメチルセルロースナトリウムが70質量%の収率で得られた。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定した重量平均分子量は透析前と同等であった。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィースペクトルにおけるピーク面積について、透析前は、カルボキシメチルセルロースナトリウムのピーク面積が57質量%であったのに対し、透析後は硫酸アンモニウムのピーク面積が減少し、カルボキシメチルセルロースナトリウムのピーク面積が91質量%に向上した。
[カーボンナノチューブ分散液作製]
前記[カーボンナノチューブの酸化処理]の項で得られたウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物(乾燥質量換算で25mg)、前記のカルボキシメチルセルロースナトリウム(重量平均分子量:35,000)3.5質量%水溶液1.8g、ジルコニアビーズ(東レ(株)社製“トレセラム”(登録商標)、ビーズサイズ:0.8mm)13.3gを容器に加え、28質量%アンモニア水溶液(キシダ化学(株)社製)を用いてpH10に調整した。この容器を振動ボールミル((株)入江商会社製、VS−1、振動数:1,800cpm(60Hz))を用いて2時間振盪させ、カーボンナノチューブ含有組成物ペーストを調製した。得られたカーボンナノチューブ含有組成物ペーストにおける分散剤の吸着量は88質量%であり、カーボンナノチューブ含有組成物の平均直径は2.9μmであった。
次にこのカーボンナノチューブ含有組成物ペーストをカーボンナノチューブ含有組成物の濃度が0.15質量%となるようにイオン交換水で希釈し、その希釈液10gを、再度28質量%アンモニア水溶液でpH10に調整した。その水溶液を超音波ホモジナイザー(家田貿易(株)社製、VCX−130)出力20W、1.5分間(2kW・min/g)、氷冷下分散処理した。分散中は液温が10℃以下となるようにした。得られた液を高速遠心分離機((株)トミー精工、MX−300)にて10,000G、15分遠心処理し、カーボンナノチューブ分散液9gを得た。この分散液中のカーボンナノチューブ含有組成物を原子間力顕微鏡(AFM)により測定した。カーボンナノチューブ含有組成物の分散体の平均直径は1.7nmであり、孤立分散していた。また、カーボンナノチューブ含有組成物の分散体の長さは3.9μmであった。その後、該分散液に水を添加してカーボンナノチューブ含有組成物の濃度が0.06質量%となるようにしてフィルム塗布液とした。
[カーボンナノチューブを含む層の作製]
前記作製法で作製したフィルム塗布液を、前記アンダーコート層上に、バーコート法によって塗布し、乾燥させることで、カーボンナノチューブを含む層を形成した。なお、バーコートの番手は10番、乾燥温度100℃、乾燥時間60秒である。
[オーバーコート層の作製]
多官能アクリルモノマー(共栄社化学株式会社製「ライトアクリレートDPE−6A」)をn−プロピルアルコールで希釈し、光重合開始剤(BASF社製「“IRGACURE”(登録商標)184」)を樹脂固形分に対して5質量%添加し、固形分濃度0.0625質量%の塗液を得た。この塗液を、前記カーボンナノチューブを含む層上に、バーコーター番手6番で塗布した後、熱風オーブンを用いて125℃で1分間乾燥し、さらに、UV照射装置(アイグラフィックス株式会社製「ECS−301」)を用いて窒素雰囲気下で積算光量400mJ/cmの照射量のUV照射し、アクリル樹脂を含むオーバーコート層を硬化した。
(実施例2)
オーバーコート層作製に用いるバーコーター番手を8番とした以外は実施例1と同様の方法で導電積層体を作製した。
(実施例3)
オーバーコート層作製に用いるアクリルモノマーの固形分濃度を0.1質量%とした以外は実施例2と同様の方法で導電積層体を作製した。
(実施例4)
オーバーコート層作製に用いるアクリルモノマーの固形分濃度を0.125質量%とした以外は実施例2と同様の方法で導電積層体を作製した。
(実施例5)
オーバーコート層作製に用いるアクリルモノマーの固形分濃度を0.18質量%とした以外は実施例2と同様の方法で導電積層体を作製した。
(実施例6)
アンダーコート層を作製する代わりに、基材表面に80W・min/mの処理強度でコロナ処理したこと以外は実施例2と同様の方法で導電積層体を作製した。
(実施例7)
ポリエステル樹脂の水分散体(高松油脂株式会社製「ペスレジンA647」固形分濃度:20質量%)をアンダーコート層用の樹脂とし、シリカ粒子の水分散体(日産化学工業株式会社製「スノーテックスO」固形分濃度:20質量%)をアンダーコート層に含まれるシリカ粒子とした。前記ペスレジンA647とスノーテックスOと純水を質量比で9:1:10の割合で混合し、固形分10質量%のアンダーコート層作製用の塗布液とした。前記アンダーコート層用の塗布液を用いた以外は実施例2と同様の方法で導電積層体を作製した。
(比較例1)
オーバーコート層を作製しないこと以外は実施例1と同様の方法で導電積層体を作製した。
(比較例2)
オーバーコート層作製に用いるバーコーター番手を4番とした以外は実施例1と同様の方法で導電積層体を作製した。
(比較例3)
オーバーコート層作製に用いるアクリルモノマーの固形分濃度を0.25質量%とした以外は実施例2と同様の方法で導電積層体を作製した。
各々の導電積層体について行った評価の結果を、表1に示す。
実施例1〜7の導電積層体のカーボンナノチューブに対するアクリル樹脂の質量比(アクリル樹脂/カーボンナノチューブ)の範囲ではバイオセンサー用途として良好な電気化学特性を発現すると同時に高い耐水性を発現する。比較例1の導電積層体は導電層にアクリル樹脂を含まないため、カーボンナノチューブが基材に固定されておらず耐水性が悪い。比較例2の導電積層体は導電層にアクリル樹脂を含むが、カーボンナノチューブに対するアクリル樹脂の質量比(アクリル樹脂/カーボンナノチューブ)が小さくカーボンナノチューブを基材に十分固定できていないため耐水性が悪い。一方、比較例3ではカーボンナノチューブに対するアクリル樹脂の質量比(アクリル樹脂/カーボンナノチューブ)が大きく、アクリル樹脂がカーボンナノチューブを覆ってしまうため電気化学特性が悪化してしまう。
Figure 2018037394
本発明は、例えば電流を測定するための電極として好適に用いることができる。特に電気化学デバイスや血糖値センサーの電極として好適に用いることができる。
101:作用極
102:作用極導線
103:対極
104:対極導線
105:白色基板
201:基材
202:アクリル樹脂
203:カーボンナノチューブ
204:アンダーコート層
301:酸化電流ピーク
302:酸化ピーク電位
303:酸化ピーク電流密度
401:電荷移動抵抗
402:円周の頂点
501:電荷移動抵抗
502:電気二重層容量

Claims (8)

  1. 基材上にカーボンナノチューブとアクリル樹脂とを含む導電層を有する導電積層体であって、前記導電層中のカーボンナノチューブに対するアクリル樹脂の質量比(アクリル樹脂/カーボンナノチューブ)が0.6以上2.5以下であることを特徴とする導電積層体。
  2. 前記導電層にカーボンナノチューブの分散剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の導電積層体。
  3. 前記カーボンナノチューブの分散剤がカルボキシメチルセルロースおよびその塩であることを特徴とする請求項2に記載の導電積層体。
  4. 前記導電層の厚みが10nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電積層体。
  5. 前記基材と前記導電層との間にアンダーコート層を有し、該アンダーコート層がポリエステル樹脂および/またはウレタン樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電積層体。
  6. 基材上にカーボンナノチューブを含む層を形成した後、該カーボンナノチューブを含む層の上にアクリル樹脂を含むオーバーコート層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導電積層体の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の導電積層体を用いることを特徴とする電気化学デバイス。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の導電積層体を用いることを特徴とする血糖値センサー。
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