JP2018025486A - 血清アルブミンの酸化型及び還元型の分別測定法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルブミンの測定方法の提供。
【解決手段】被検試料において、タンパク質変性剤及びSH試薬から選ばれる少なくとも1種の存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した総アルブミン量から、タンパク質変性剤及びSH試薬の非存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した酸化型アルブミン量を差し引くことにより、前記被検試料中の還元型アルブミンの量を算出することを特徴とするアルブミンの測定方法。
【選択図】なし
【解決手段】被検試料において、タンパク質変性剤及びSH試薬から選ばれる少なくとも1種の存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した総アルブミン量から、タンパク質変性剤及びSH試薬の非存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した酸化型アルブミン量を差し引くことにより、前記被検試料中の還元型アルブミンの量を算出することを特徴とするアルブミンの測定方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、血清アルブミンの酸化型及び還元型の分別測定法に関する。
ヒト血清アルブミン(human serum albumin : HSA)は、585個のアミノ酸残基から成る分子量約66.5 kDaの糖鎖を持たない単純タンパク質である。HSAはその分子中に35個のシステイン残基(SH基)を有しているが、そのうち17対は分子内ジスルフィド結合を形成し、9つのループの構築やHSAの構造安定化に大きく寄与している1)。 HSAには2種類の存在様式が知られており、N末端より34番目システインのSH基が遊離している還元型アルブミン(human mercaptalbumin :HMA)、遊離SH基が酸化された酸化型アルブミン(human nonmercaptalbumin : HNA)が生体中に存在している。HNAはさらに2種類に区別され、含硫アミノ酸とジスルフィド結合を形成し、可逆的に酸化されたアルブミンをHNA-1、活性酸素種(ROS)などによりSH基が-SOH、-SO2H、-SO3Hへと不可逆的に酸化されたものをHNA-2という。通常、SH基は細胞内環境を還元状態に保つ重要な働きをしており、グルタチオン、ビタミンCやEなどの低分子化合物とともに、全身の細部外環境において強力な抗酸化作用を示している2)。HSAは生体中で最も総量が多いタンパク質のため、HSAの酸化還元比の経時的な測定は、全身の酸化還元状態を反映する良い指標であるといえる2) 3)。また、加齢4)や各種疾患5)においてHNAの増加が報告されていることから、HSAの測定においては、生体中のアルブミン量を測定するのみならず、酸化還元状態といった質も評価することが重要となってきている。
これまでHSAの測定は、タンパク質に色素が結合するとpH変化がなくても吸収スペクトルが変化するメタクロマジーを利用した6)、ブロムクレゾールグリーン(BCG)法およびブロムクレゾールパープル(BCP)法が代表的であった。BCG法ではアルブミン以外にグロブリン分画、特に急性相反応物質との交差反応性が知られており、BCP法ではアルブミンに対して特異的に反応するがHMAとHNAとの反応性に差があることが知られていた。この問題を改善するため、BCP法では全てのアルブミンのSH基を酸化させ、HMAとHNAの反応性を一定にした改良BCP法が開発された7)。改良BCP法では第1試薬に酸化剤であるSDSおよびジスルフィド結合を形成するためにDTNBが添加されている。
従来のアルブミンの測定方法として、タンパク質変性剤及び/又はSH試薬の存在下、BCPの吸光度変化に基づいて測定を行う方法(特許第3266079号:特許文献1)、還元型アルブミン及び酸化型アルブミンの存在量又は存在比を、質量分析又は液体クロマトグラフィーを用いて分析する方法(特許第5024044号:特許文献2)が知られている。
しかしながら、従来のBCP法では、酸化型アルブミンに反応が強く、また、アルブミン中の酸化型(HNA)と還元型(HMA)を測定するには、上記のとおり高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等が用いられているが、これらの方法では分析に時間がかかり、アルブミン画分の安定性が悪いなど、改良すべき点があった。
しかしながら、従来のBCP法では、酸化型アルブミンに反応が強く、また、アルブミン中の酸化型(HNA)と還元型(HMA)を測定するには、上記のとおり高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等が用いられているが、これらの方法では分析に時間がかかり、アルブミン画分の安定性が悪いなど、改良すべき点があった。
1) 安楽誠,丸山徹,小田切優樹:血清アルブミンの構造特性と医薬への応用,人工血液.13:22-28,2005.
2) 恵良聖一:各種疾患における酸化型・還元型アルブミンの変動,栄養評価と治療.24(2):139-143,2007.
3) Anraku M., Victor Tuan Giam Chuang. et al., Redox properties of serum albumin: Biochimica et Biophysica Acta. 1830: 5465-5472, 2013.
4) Era S., Kuwata K., Imai H. et al., Age-related change in redox state of human serum albumin: Biochimica et Biophysica Acta. 1247: 12-16, 1995.
5) Era S., Imai H., Hayashi T. et al., The influence of redox state of human serum albumin: A study of patients under severe oxidative stress: APIACTA. Available from: http://www.apimondiafoundation.org/foundation/xxxviiie.html.
6) 村本良三:血清アルブミン測定法の現状と展望,医学のあゆみ.198:972-976,2001.
7) 村本良三,松下誠,入野勤:正確度を改善したブロムクレゾールパープル法による血清アルブミン定量法の開発,臨床化学.26:38-43,1997.
8) 栢森裕三,片山善章:血清アルブミン測定法の進歩,生物試料分析.24:85-94,2001.
本発明は、アルブミンの酸化還元型の分別、酸化ストレスの簡易測定、酸化ストレスマーカーの評価などを目的とした血清アルブミンの測定方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、タンパク質変性剤及びSH試薬の存在下でBCP法(BCP改良法)により測定した総アルブミン量(酸化型アルブミン+還元型アルブミン)から、タンパク質変性剤及びSH試薬非存在下でBCP法により測定した酸化型アルブミン(HNA)を差し引くことにより、還元型アルブミン(HMA)を推定すること(酸化型アルブミンと還元型アルブミンの割合を推定すること)に成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)被検試料において、タンパク質変性剤及びSH試薬から選ばれる少なくとも1種の存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した総アルブミン量から、タンパク質変性剤及びSH試薬の非存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した酸化型アルブミン量を差し引くことにより、前記被検試料中の還元型アルブミンの量を算出することを特徴とするアルブミンの測定方法。
(2)総アルブミン量の測定試薬、酸化型アルブミン量の測定試薬、又は両者の測定試薬中に、さらにタンパク質非変性界面活性剤を含む、(1)に記載の方法。
(3)タンパク質非変性界面活性剤がTriton X−405又はTriton X−100である(2)に記載の方法。
(4)Triton X−405又はTriton X−100の最終濃度が、0.2−0.3%である、(3)に記載の方法。
(5)タンパク質変性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の方法。
(6)ラウリル硫酸ナトリウムの最終濃度が0.03%以下である、(5)に記載の方法。
(7)被検試料において、タンパク質変性剤及びSH試薬から選ばれる少なくとも1種の存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した総アルブミン量から、タンパク質変性剤及びSH試薬の非存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した酸化型アルブミン量を差し引くことにより得られた還元型アルブミンの量と、タンパク質変性剤及びSH試薬の非存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した酸化型アルブミン量との量比を算出することを特徴とするアルブミンの測定方法。
(8)総アルブミン量の測定試薬、酸化型アルブミン量の測定試薬、又は両者の測定試薬中に、さらにタンパク質非変性界面活性剤を含む、(7)に記載の方法。
(9)タンパク質非変性界面活性剤がTriton X−405又はTriton X−100である(8)に記載の方法。
(10)Triton X−405又はTriton X−100の最終濃度が、0.2−0.3%である、(9)に記載の方法。
(11)タンパク質変性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、(6)〜(9)のいずれか1項に記載の方法。
(12)ラウリル硫酸ナトリウムの最終濃度が0.03%以下である、(11)に記載の方法。
(13)ブロムクレゾールパープルを含む第一の試薬と、タンパク質変性剤及びSH試薬から選ばれる少なくとも1種並びにブロムクレゾールパープルを含む第二の試薬とを含む、アルブミン測定用キット。
(14) 第一の試薬、第二の試薬又はその両者に、さらに緩衝液を含む、(13)に記載のキット。
(15)第一の試薬、第二の試薬又はその両者に、さらにタンパク質非変性界面活性剤を含む、(13)又は(14)に記載のキット。
(16)タンパク質非変性界面活性剤がTriton X−405又はTriton X−100である(15)に記載のキット。
(17)Triton X−405又はTriton X−100の最終濃度が、0.2−0.3%である、(16)に記載のキット。
(18)タンパク質変性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、(13)〜(17)のいずれか1項に記載のキット。
(19)ラウリル硫酸ナトリウムの最終濃度が0.03%以下である、(18)に記載のキット。
(1)被検試料において、タンパク質変性剤及びSH試薬から選ばれる少なくとも1種の存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した総アルブミン量から、タンパク質変性剤及びSH試薬の非存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した酸化型アルブミン量を差し引くことにより、前記被検試料中の還元型アルブミンの量を算出することを特徴とするアルブミンの測定方法。
(2)総アルブミン量の測定試薬、酸化型アルブミン量の測定試薬、又は両者の測定試薬中に、さらにタンパク質非変性界面活性剤を含む、(1)に記載の方法。
(3)タンパク質非変性界面活性剤がTriton X−405又はTriton X−100である(2)に記載の方法。
(4)Triton X−405又はTriton X−100の最終濃度が、0.2−0.3%である、(3)に記載の方法。
(5)タンパク質変性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の方法。
(6)ラウリル硫酸ナトリウムの最終濃度が0.03%以下である、(5)に記載の方法。
(7)被検試料において、タンパク質変性剤及びSH試薬から選ばれる少なくとも1種の存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した総アルブミン量から、タンパク質変性剤及びSH試薬の非存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した酸化型アルブミン量を差し引くことにより得られた還元型アルブミンの量と、タンパク質変性剤及びSH試薬の非存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した酸化型アルブミン量との量比を算出することを特徴とするアルブミンの測定方法。
(8)総アルブミン量の測定試薬、酸化型アルブミン量の測定試薬、又は両者の測定試薬中に、さらにタンパク質非変性界面活性剤を含む、(7)に記載の方法。
(9)タンパク質非変性界面活性剤がTriton X−405又はTriton X−100である(8)に記載の方法。
(10)Triton X−405又はTriton X−100の最終濃度が、0.2−0.3%である、(9)に記載の方法。
(11)タンパク質変性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、(6)〜(9)のいずれか1項に記載の方法。
(12)ラウリル硫酸ナトリウムの最終濃度が0.03%以下である、(11)に記載の方法。
(13)ブロムクレゾールパープルを含む第一の試薬と、タンパク質変性剤及びSH試薬から選ばれる少なくとも1種並びにブロムクレゾールパープルを含む第二の試薬とを含む、アルブミン測定用キット。
(14) 第一の試薬、第二の試薬又はその両者に、さらに緩衝液を含む、(13)に記載のキット。
(15)第一の試薬、第二の試薬又はその両者に、さらにタンパク質非変性界面活性剤を含む、(13)又は(14)に記載のキット。
(16)タンパク質非変性界面活性剤がTriton X−405又はTriton X−100である(15)に記載のキット。
(17)Triton X−405又はTriton X−100の最終濃度が、0.2−0.3%である、(16)に記載のキット。
(18)タンパク質変性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、(13)〜(17)のいずれか1項に記載のキット。
(19)ラウリル硫酸ナトリウムの最終濃度が0.03%以下である、(18)に記載のキット。
本発明においてBCP法とBCP改良法を用いることにより、総アルブミン中の酸化型アルブミンと還元型アルブミンの割合を推定することが可能となった。本発明の方法によれば、アルブミンを迅速、簡便かつ大量に測定可能であることから、全身状態のモニタリングや治療の効果判定などの日常診療、あるいは各種疾患の臨床検査に有用である。
本発明は、タンパク質変性剤及び/又はSH試薬の存在下でBCP法により測定した総アルブミン量(酸化型アルブミン+還元型アルブミン)から、タンパク質変性剤及びSH試薬の非存在下でBCP法により測定した酸化型アルブミン(HNA)を差し引くことにより、還元型アルブミン(HMA)量を推定する方法に関する。すなわち、本発明は、タンパク質変性剤及びSH試薬の存在下で測定された総アルブミン(HMA+HNA)から、タンパク質変性剤及びSH試薬の無添加系の測定値であるHNA量を差し引いて、HMA量を求めるというものである。従って、本発明により酸化型アルブミンと還元型アルブミンの割合をも推定することができる。
ヒト血清アルブミン (HSA) には還元型アルブミン(HMA)と酸化型アルブミン(HNA)の2種類の状態が知られており、加齢、各種疾患による酸化ストレスによりHSAの酸化還元比の経時的な割合が増加することから、HSAの酸化還元比は酸化ストレスマーカーとして利用されている。しかし、HSAの酸化還元状態の安定性が悪く、HPLC法など限られた条件での測定のため広く普及していなかった。
アルブミン測定法であるブロムクレゾールパープル(BCP)法は、HMAとHNAに対する反応性の違いが指摘されている。BCP法において、タンパク質変性剤(SDS等)およびSH試薬(DTNB等)を加えることで反応性を改善したBCP法が開発された。本発明においては、この改善したBCP法を「BCP改良法」と呼び、本発明は、BCP法とBCP改良法とを組み合わせて用いることで、生体中のHMAの割合を簡易的に算出する測定法を新たに開発した。本発明の方法と従来から行われているHPLC法とを比較すると、相関係数は0.92と良好な相関が得られた。本発明の方法を用いることで、アルブミン測定と同時に酸化ストレスを推定することが可能となり、治療の効果判定や状態管理など、アルブミンの量のみならず質の評価をも行うことが可能となった。
1.BCP法及びBCP改良法における総アルブミン量の測定
総アルブミン量とは、酸化型アルブミンと還元型アルブミンとの和であり、この総アルブミンをタンパク質変性剤及び/又はSH試薬の存在下で測定する。
総アルブミン量とは、酸化型アルブミンと還元型アルブミンとの和であり、この総アルブミンをタンパク質変性剤及び/又はSH試薬の存在下で測定する。
本発明に使用されるタンパク質変性剤としては、その変性作用を有するものであって、アルブミンの測定値に影響を与えないものであれば特に限定されるものではない。例えば、尿素、グアニジン塩類(グアニジン塩酸塩,グアニジン硫酸塩等)、無機塩類(フッ化ナトリウム、アジ化ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等)、塩類(例えばチオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム等)、界面活性剤(例えば陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤等)等が挙げられ、中でも界面活性剤、特に陰イオン界面活性剤が好ましく用いられる。また、これらは単独で、又は適宜組み合わせて用いることができる。
陰イオン界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。これらの界面活性剤の例を以下に示す。これらは単独で、又は適宜組み合わせて用いることができる。
アルキル硫酸エステル系界面活性剤:ラウリル硫酸ナトリウム(Sodium Lauryl Sulfate(SDS))、セチル硫酸ナトリウム等
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩:ポリオキシエチレンアルキルエ ーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン塩等
アルキルベンゼンスルホン酸塩:ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム等
アルキル硫酸エステル系界面活性剤:ラウリル硫酸ナトリウム(Sodium Lauryl Sulfate(SDS))、セチル硫酸ナトリウム等
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩:ポリオキシエチレンアルキルエ ーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン塩等
アルキルベンゼンスルホン酸塩:ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム等
本発明においては、上記陰イオン界面活性剤のうちラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が好ましい。
本発明において、タンパク質変性剤の使用濃度は、変性剤の種類及び処理する試料により適宜変更することができるが、試料及び標準品中に含まれる共存物質の影響を防止し、かつアルブミンの測定値に影響を与えない濃度であれば特に限定されることなく選択することができる。
例えば、アルブミン測定時の濃度は、通常0.001〜10 w/w%、好ましくは0.01〜1 w/w%、より好ましくは0.02〜0.3 w/w%であるが、本発明においては、0.03 w/w%以下、例えば0.001〜0.03 w/w%とすることもできる。
本発明において、タンパク質変性剤の使用濃度は、変性剤の種類及び処理する試料により適宜変更することができるが、試料及び標準品中に含まれる共存物質の影響を防止し、かつアルブミンの測定値に影響を与えない濃度であれば特に限定されることなく選択することができる。
例えば、アルブミン測定時の濃度は、通常0.001〜10 w/w%、好ましくは0.01〜1 w/w%、より好ましくは0.02〜0.3 w/w%であるが、本発明においては、0.03 w/w%以下、例えば0.001〜0.03 w/w%とすることもできる。
本発明において使用されるSH試薬(スルフヒドリル試薬)としては、ジスルフィド体、酸化剤、アルキル化剤、マレイミド及びその誘導体、並びにチオフタルイミド等が挙げられ、これらを単独で、又は適宜組み合わせて使用することができる。これらのSH試薬の例を以下に示す。
ジスルフィド体:5, 5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸)(DTNB)、2,2'-ジチオビス(5-ニトロピリジン)(NPDS)、2,2'-ジチオジピリジン(2-PDS)、4,4'-ジチオジピリジン(4-PDS)、4, 4'-ジチオビス(1-アジドベンゼン)(DTBPA)、酸化型グルタチオン等
酸化剤:ヨウ素、フェリシアン化物、ヨードソ安息香酸、ヨウ素酸塩、亜塩素酸塩類、水銀、亜鉛等
アルキル化剤:ヨード酢酸、クロロ酢酸、ヨードアセトアミド、クロロアセトフェノン等
マレイミド及びその誘導体:マレイミド、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N,N'-p-フェニレンジマレイミド等
チオフタルイミド等
酸化剤:ヨウ素、フェリシアン化物、ヨードソ安息香酸、ヨウ素酸塩、亜塩素酸塩類、水銀、亜鉛等
アルキル化剤:ヨード酢酸、クロロ酢酸、ヨードアセトアミド、クロロアセトフェノン等
マレイミド及びその誘導体:マレイミド、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N,N'-p-フェニレンジマレイミド等
チオフタルイミド等
これらの中でも、特にDTNB、2-PDS、4-PDS等のジスルフィド体、マレイミド、N-エチルマレイミド等のマレイミド誘導体等が好ましく用いられる。また、これらは単独で用いても、適宜組み合わせて用いてもよい。
SH試薬の使用濃度は、SH試薬の種類や処理する試料により異なり、試料及び標準品中に含まれる共存物質の影響を防止し、かつアルブミンの測定値に影響を与えない濃度であれば特に限定されることなく設定できる。例えば、アルブミン測定時の濃度として、通常0. 001〜1mM、好ましくは0.01〜0.5 mMとなるように適宜選択して用いられる。
SH試薬の使用濃度は、SH試薬の種類や処理する試料により異なり、試料及び標準品中に含まれる共存物質の影響を防止し、かつアルブミンの測定値に影響を与えない濃度であれば特に限定されることなく設定できる。例えば、アルブミン測定時の濃度として、通常0. 001〜1mM、好ましくは0.01〜0.5 mMとなるように適宜選択して用いられる。
本発明において使用されるBCPとしては、通常市販されているものを用いることができ、その使用濃度は、アルブミン測定時の濃度として、通常0.02〜0.20 mM、好ましくは0.03〜0.10 mMとなるように適宜選択して用いられる。
本発明の方法において測定の対象となる試料は生体試料(特に血清)であるが、血漿、輸血用アルブミン製剤などを用いることもできる。
本発明においてBCP法によりアルブミンを測定する際、測定時の溶液中には、BCP以外に、当分野で通常用いられる試薬類、例えば緩衝剤、防腐剤、タンパク質変性作用を有さない界面活性剤(タンパク質非変性界面活性剤という)等を含めることができる。これらの試薬類の使用濃度としては、当分野で通常用いられる濃度範囲から適宜選択すればよい。
タンパク質非変性界面活性剤は、タンパク質変性作用を有さないあるいは緩和なため、前記タンパク質変性剤として使用される界面活性剤とは異なる。この界面活性剤の例としては、例えばTriton X−405又はTriton X−100などが挙げられる。これらの試薬の最終濃度は、例えば0.2−0.3%である。
タンパク質非変性界面活性剤は、タンパク質変性作用を有さないあるいは緩和なため、前記タンパク質変性剤として使用される界面活性剤とは異なる。この界面活性剤の例としては、例えばTriton X−405又はTriton X−100などが挙げられる。これらの試薬の最終濃度は、例えば0.2−0.3%である。
本発明においてBCP改良法によりアルブミンを測定する際には、測定時の溶液中には、BCP、タンパク質変性剤及び/又はSH試薬以外に、当分野で通常用いられる試薬類、例えば緩衝剤、防腐剤、タンパク質非変性界面活性剤等を含めることができる。これらの試薬類の使用濃度としては、当分野で通常用いられる濃度範囲から適宜選択すればよい。また、BCP改良法に使用されるタンパク質変性剤及びSH試薬は、いずれか一方のみを反応系に含めてもよいが、両者を含めることが好ましい。
BCP改良法においても、BCP法と同様に、当分野で通常用いられる試薬類、例えば緩衝剤、防腐剤、タンパク質非変性界面活性剤等を含めることができる。
BCP改良法においても、BCP法と同様に、当分野で通常用いられる試薬類、例えば緩衝剤、防腐剤、タンパク質非変性界面活性剤等を含めることができる。
本発明において使用可能な緩衝剤としては特に限定されるものではなく、任意に選択することができる、例えば酢酸塩、グリシン、クエン酸塩、リン酸塩、ベロナール、ホウ酸塩、コハク酸塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)、グッド緩衝剤(例えば3-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES),3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)等)が挙げられる。
緩衝剤のpHは、BCP法の場合は3.5〜5.5、好ましくは4.4〜5.0の範囲から適宜選択され、BCP改良法の場合は、3.5〜5.5、好ましくは4.4〜5.0の範囲から適宜選択される。
緩衝剤のpHは、BCP法の場合は3.5〜5.5、好ましくは4.4〜5.0の範囲から適宜選択され、BCP改良法の場合は、3.5〜5.5、好ましくは4.4〜5.0の範囲から適宜選択される。
本発明の方法によりアルブミンの測定方法を以下に示す。
下記表に示す組成の試薬を調製し、試料と、前記試料とを混合して発色させ、適当な時間経過後に570〜660 nmの範囲から適宜選択された波長における吸光度を測定する。測定時の温度は、例えば15〜37℃であり、好ましくは37℃である。本発明においては、アルブミン測定は自動分析機等を用いて行うことも可能である。
下記表に示す組成の試薬を調製し、試料と、前記試料とを混合して発色させ、適当な時間経過後に570〜660 nmの範囲から適宜選択された波長における吸光度を測定する。測定時の温度は、例えば15〜37℃であり、好ましくは37℃である。本発明においては、アルブミン測定は自動分析機等を用いて行うことも可能である。
本発明においては、BCP法及びBCP改良法のいずれも、一方にはBCPが含まれる試薬(R1)、他方にはBCPが含まれない試薬(BCP改良法では変性剤及びSH試薬を含む)(R2)を別々に調製し(表2)、R1とR2とを混合する形態とすることもできる。
2.還元型アルブミンの推定
本発明においては、BCP改良法により測定した総アルブミン量から、タンパク質変性剤及びSH試薬非存在下でBCP法により測定した酸化型アルブミン(HNA)を差し引くことにより、還元型アルブミン(HMA)を推定する。
本発明においては、BCP改良法により測定した総アルブミン量から、タンパク質変性剤及びSH試薬非存在下でBCP法により測定した酸化型アルブミン(HNA)を差し引くことにより、還元型アルブミン(HMA)を推定する。
本発明の方法では、BCP改良法による総アルブミン量からBCP法によるアルブミン量を差し引くことにより還元型アルブミン量が算出される。これを還元型アルブミン(1)とする。また、BCP法により、酸化型アルブミン量を得ることができる。これを酸化型アルブミン(2)とする。
本発明では、上記の通り算出された還元型アルブミン(1)と、BCP法により測定された酸化型アルブミン量(2)とを用いて、両者の量比を求めることもできる。比を求める際の分母及び分子は、目的に応じて一方を分母、他方を分子となればよく、限定されるものではない。
本発明では、上記の通り算出された還元型アルブミン(1)と、BCP法により測定された酸化型アルブミン量(2)とを用いて、両者の量比を求めることもできる。比を求める際の分母及び分子は、目的に応じて一方を分母、他方を分子となればよく、限定されるものではない。
3.キット
本発明においては、BCPを含む第一の試薬と、タンパク質変性剤及び/又はSH試薬並びにBCPを含む第二の試薬とを含む、アルブミンの測定用キットを提供する。当該第一の試薬は、BCP法により酸化型アルブミン量を測定するための試薬であり、当該第二の試薬は、BCP改良法により総アルブミン量を測定するための試薬である。
本発明においては、第一の試薬、第二の試薬又はその両者に、さらに緩衝液及び/又は界面活性剤をさらに含めることができる。タンパク質変性剤、SH試薬、界面活性剤、緩衝液は、前記したものを利用することができる。例えば、第一及び第二の試薬は、それぞれ、前記表1及び表2に記載の「BCP試薬」、「BCP改良法試薬」の欄に記載の成分を使用することが好ましい。
本発明においては、BCPを含む第一の試薬と、タンパク質変性剤及び/又はSH試薬並びにBCPを含む第二の試薬とを含む、アルブミンの測定用キットを提供する。当該第一の試薬は、BCP法により酸化型アルブミン量を測定するための試薬であり、当該第二の試薬は、BCP改良法により総アルブミン量を測定するための試薬である。
本発明においては、第一の試薬、第二の試薬又はその両者に、さらに緩衝液及び/又は界面活性剤をさらに含めることができる。タンパク質変性剤、SH試薬、界面活性剤、緩衝液は、前記したものを利用することができる。例えば、第一及び第二の試薬は、それぞれ、前記表1及び表2に記載の「BCP試薬」、「BCP改良法試薬」の欄に記載の成分を使用することが好ましい。
実施例
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
1.材料
健常な成人男女から採血し,遠心分離によって得られた新鮮血清を,直ちに-80℃で保存し検討に用いた。HSAは室温に放置することで,HMAが酸化されHNAに変化していくことが知られているため5),-80℃の保存血清を一部室温にて保存し,HNAの割合が増加した血清として使用した。また,健常な成人血清でのHNAの変動は小さいため,血清に還元剤である10 mmol/L システイン塩酸塩25μLを血清225μLに添加し,HNAの割合を大きく減少させた模擬血清を作製した。一方,システインを添加しても時間経過とともに酸化されHNAの割合が増加することから,37℃で長時間(最大48時間)反応させHNAの割合を大きく増加させた模擬血清を作製した。
健常な成人男女から採血し,遠心分離によって得られた新鮮血清を,直ちに-80℃で保存し検討に用いた。HSAは室温に放置することで,HMAが酸化されHNAに変化していくことが知られているため5),-80℃の保存血清を一部室温にて保存し,HNAの割合が増加した血清として使用した。また,健常な成人血清でのHNAの変動は小さいため,血清に還元剤である10 mmol/L システイン塩酸塩25μLを血清225μLに添加し,HNAの割合を大きく減少させた模擬血清を作製した。一方,システインを添加しても時間経過とともに酸化されHNAの割合が増加することから,37℃で長時間(最大48時間)反応させHNAの割合を大きく増加させた模擬血清を作製した。
2.試薬
1) 125 mmol/Lコハク酸溶液
コハク酸(和光純薬工業株式会社,和光特級)7.38 gを精製水500 mLに溶解し,125 mmol/Lコハク酸溶液とした。
2) 125 mmol/Lコハク酸二ナトリウム溶液
コハク酸二ナトリウム(和光純薬工業株式会社,和光特級)10.12 gを精製水500 mLに溶解し,125 mmol/Lコハク酸二ナトリウム溶液とした。
3) 125 mmol/Lコハク酸緩衝液
試薬1,2を分取し混合させ125 mmol/Lコハク酸緩衝液とした。pHはpHメーター(HORIBA)を用い,確認しながら調製を行った。
1) 125 mmol/Lコハク酸溶液
コハク酸(和光純薬工業株式会社,和光特級)7.38 gを精製水500 mLに溶解し,125 mmol/Lコハク酸溶液とした。
2) 125 mmol/Lコハク酸二ナトリウム溶液
コハク酸二ナトリウム(和光純薬工業株式会社,和光特級)10.12 gを精製水500 mLに溶解し,125 mmol/Lコハク酸二ナトリウム溶液とした。
3) 125 mmol/Lコハク酸緩衝液
試薬1,2を分取し混合させ125 mmol/Lコハク酸緩衝液とした。pHはpHメーター(HORIBA)を用い,確認しながら調製を行った。
4) 30 mmol/L BCP液
BCP(和光純薬工業株式会社,試薬特級)1.62 gをエタノール(ナカライテスク株式会社)100 mLに溶解し,30 mmol/L BCP液とした。
BCP(和光純薬工業株式会社,試薬特級)1.62 gをエタノール(ナカライテスク株式会社)100 mLに溶解し,30 mmol/L BCP液とした。
5) 10 % Triton X-100液
Polyoxyethylene (10) Octylphenyl Ether(Triton X-100)(和光純薬工業株式会社,生化学用)10 gに精製水を加え100 gに調製,10 % Triton X-100液とした。
6) 10 % Triton X-405液
α-[4-(1,1,3,3-Tetramethyl-Butyl)Phenyl]-w-Hydroxy-Poly(Oxy-1,2-Ethanediyl)(Triton X-405)70 %溶液(SIGMA-ALPRICH)10 gに精製水を加え100 gに調製,10 % Triton X-405液とした。
Polyoxyethylene (10) Octylphenyl Ether(Triton X-100)(和光純薬工業株式会社,生化学用)10 gに精製水を加え100 gに調製,10 % Triton X-100液とした。
6) 10 % Triton X-405液
α-[4-(1,1,3,3-Tetramethyl-Butyl)Phenyl]-w-Hydroxy-Poly(Oxy-1,2-Ethanediyl)(Triton X-405)70 %溶液(SIGMA-ALPRICH)10 gに精製水を加え100 gに調製,10 % Triton X-405液とした。
7) 10 % Brij 35液
Polyoxyethylene (23) Laury Ether(Brij 35)(和光純薬工業株式会社)10 gに精製水を加え100 gに調製し,10 % Brij 35液とした。
8) 10 mmol/L DTNB液
5,5'-Dithiobis(2-nitrobenzoic acid) (DTNB)(和光純薬工業株式会社)396 mgを50 mmol/Lリン酸緩衝液(pH 7.0)100 mLに溶解し,10 mmol/L DTNB液とした。
Polyoxyethylene (23) Laury Ether(Brij 35)(和光純薬工業株式会社)10 gに精製水を加え100 gに調製し,10 % Brij 35液とした。
8) 10 mmol/L DTNB液
5,5'-Dithiobis(2-nitrobenzoic acid) (DTNB)(和光純薬工業株式会社)396 mgを50 mmol/Lリン酸緩衝液(pH 7.0)100 mLに溶解し,10 mmol/L DTNB液とした。
9) 10 % SDS液
Sodium Lauryl Sulfate(SDS)(和光純薬工業株式会社)5 gに精製水を加え50 mLとし,10 % SDS液とした。
10) BCP試薬
第1試薬:界面活性剤
125 mmol/Lコハク酸緩衝液
第2試薬:界面活性剤
125 mmol/Lコハク酸緩衝液
30 mmol/L BCP
Sodium Lauryl Sulfate(SDS)(和光純薬工業株式会社)5 gに精製水を加え50 mLとし,10 % SDS液とした。
10) BCP試薬
第1試薬:界面活性剤
125 mmol/Lコハク酸緩衝液
第2試薬:界面活性剤
125 mmol/Lコハク酸緩衝液
30 mmol/L BCP
11) 改良BCP試薬
第1試薬:界面活性剤
125 mmol/Lコハク酸緩衝液
DTNB
SDS
第2試薬:界面活性剤
125 mmol/Lコハク酸緩衝液
30 mmol/L BCP
12) 10 mmol/L システイン塩酸塩
L-システイン塩酸塩(和光純薬工業株式会社)0.176 gを精製水100 mLに溶解し,10 mmol/L システイン塩酸塩とした。
第1試薬:界面活性剤
125 mmol/Lコハク酸緩衝液
DTNB
SDS
第2試薬:界面活性剤
125 mmol/Lコハク酸緩衝液
30 mmol/L BCP
12) 10 mmol/L システイン塩酸塩
L-システイン塩酸塩(和光純薬工業株式会社)0.176 gを精製水100 mLに溶解し,10 mmol/L システイン塩酸塩とした。
3.測定方法
生化学自動分析装置H7600(日立ハイテクフィールディング)を用い測定を行った。BCP法およびBCP改良法は同一の測定条件であり,血清8μLに第1試薬180μLを添加,攪拌後37℃で5分間反応させた後,第2試薬90μLを添加した。攪拌後37℃で5分間反応させ,主波長605nmにて吸光度測定を行った。副波長は660 nmとした。
生化学自動分析装置H7600(日立ハイテクフィールディング)を用い測定を行った。BCP法およびBCP改良法は同一の測定条件であり,血清8μLに第1試薬180μLを添加,攪拌後37℃で5分間反応させた後,第2試薬90μLを添加した。攪拌後37℃で5分間反応させ,主波長605nmにて吸光度測定を行った。副波長は660 nmとした。
4.最適BCP試薬の検索
(1)最適界面活性剤濃度の検索(BCP法)
HNAに対する反応性が最も高い界面活性剤及び濃度を決定するため,コハク酸緩衝液pH 5.6において,Triton X-405,Triton X-100,Brij 35の3種類の界面活性剤を用い-80℃保存血清,室温保存血清をそれぞれ測定した。室温保存血清は-80℃保存血清と比べHNAの割合が増加していることから,-80℃保存血清と室温保存血清の反応性の差が最大となる試薬がHNAに強く反応する試薬と考えられる。このため以下の式を設定した。
(1)最適界面活性剤濃度の検索(BCP法)
HNAに対する反応性が最も高い界面活性剤及び濃度を決定するため,コハク酸緩衝液pH 5.6において,Triton X-405,Triton X-100,Brij 35の3種類の界面活性剤を用い-80℃保存血清,室温保存血清をそれぞれ測定した。室温保存血清は-80℃保存血清と比べHNAの割合が増加していることから,-80℃保存血清と室温保存血清の反応性の差が最大となる試薬がHNAに強く反応する試薬と考えられる。このため以下の式を設定した。
Day(0)は採血した直後に-80℃で保存した血清を測定した時の吸光度,Day(x)は採血からx日室温にて保存し,測定した時の吸光度,Blankは生理食塩水を測定した時の吸光度をそれぞれ示している。分母であるDay(0)-BlankはBCP法における血清中のアルブミンに対する感度を示しており,分子のDay(x)-Day(0)はx日室温に保存した状態でのHNA増加を示している。すなわち,この式における値AはアルブミンにおけるHNAの感度を示しており,この値が高いほど,HNA増加の程度をより鋭敏に反映していると考えられる。今回の検討では室温にて6日間保存した血清を用いた。検討の結果,最も高い反応性を示したのはTriton X-405 0.1%であり,次いでTriton X-405 0.2%であった(図1)。また,全ての界面活性剤において,界面活性剤の濃度が高くなるに従い,HNAに対する反応性の低下が認められた。 このため,界面活性剤の濃度が低い程HNAに対する反応性が良くなるが,界面活性剤の濃度が低い程,試薬とアルブミンの反応安定性が悪く,測定時の再現性が低下するため,今回使用する界面活性剤はTriton X-405 0.2%とした。
(2)最適pHの検索(BCP法)
次にHNAに対する反応性が最も高いpHを決定するため,界面活性剤をTriton X-405 0.2%とし,pH 4.4からpH 5.0まで0.2間隔で試薬を調整,2種類の異なる-80℃保存血清,室温保存血清を用いて測定を行った。その結果,それぞれの検体においてpH 4.8が最も高い反応性を示した(図2)。このことからTriton X-405 0.2%において, pH 4.8を最もHNAに強く反応する試薬とした。以上の結果より,本法で用いるBCP法の界面活性剤はTriton X-405 0.2%,125 mmol/Lコハク酸緩衝液のpHは4.8とした。
次にHNAに対する反応性が最も高いpHを決定するため,界面活性剤をTriton X-405 0.2%とし,pH 4.4からpH 5.0まで0.2間隔で試薬を調整,2種類の異なる-80℃保存血清,室温保存血清を用いて測定を行った。その結果,それぞれの検体においてpH 4.8が最も高い反応性を示した(図2)。このことからTriton X-405 0.2%において, pH 4.8を最もHNAに強く反応する試薬とした。以上の結果より,本法で用いるBCP法の界面活性剤はTriton X-405 0.2%,125 mmol/Lコハク酸緩衝液のpHは4.8とした。
5.BCP改良法試薬の検索
BCP改良法はSDS,DTNBを加えることでHNAとHMAの反応性を改善した測定法であるが,本法で用いるHSAの酸化還元状態の推定には,BCP改良法試薬がHSAに高感度に反応する必要がある。このため,HSAに高感度に反応する界面活性剤濃度の検索,およびSDS,DTNBの濃度を検討した。
BCP改良法はSDS,DTNBを加えることでHNAとHMAの反応性を改善した測定法であるが,本法で用いるHSAの酸化還元状態の推定には,BCP改良法試薬がHSAに高感度に反応する必要がある。このため,HSAに高感度に反応する界面活性剤濃度の検索,およびSDS,DTNBの濃度を検討した。
(1)最適界面活性剤濃度の検索(BCP改良法)
HSAに対する反応性が最も高い界面活性剤及びその濃度を決定するため,pH 5.6において,Triton X-405,Triton X-100,Brij 35を用いて-80℃保存検体,および生理食塩水をそれぞれ測定した。-80℃保存検体の吸光度から生理食塩水の吸光度を引くことで,それぞれの界面活性剤におけるHSAへの感度とした。その結果,Triton X-100 0.1%,Triton X-405 0.4%がHSAに対する感度が最も高かった(図3)。このことからTriton X-100 0.1%をHSAに最も高感度に反応する界面活性剤とした。
HSAに対する反応性が最も高い界面活性剤及びその濃度を決定するため,pH 5.6において,Triton X-405,Triton X-100,Brij 35を用いて-80℃保存検体,および生理食塩水をそれぞれ測定した。-80℃保存検体の吸光度から生理食塩水の吸光度を引くことで,それぞれの界面活性剤におけるHSAへの感度とした。その結果,Triton X-100 0.1%,Triton X-405 0.4%がHSAに対する感度が最も高かった(図3)。このことからTriton X-100 0.1%をHSAに最も高感度に反応する界面活性剤とした。
(2)最適DTNB濃度の検索(BCP改良法)
最適なDTNB濃度を決定するため,Triton X-100 0.1%,SDS 0.04%とし,DTNB 0.0 mmol/Lから0.2 mmol/Lまで0.05 mmol/L間隔に試薬を調製し,-80℃保存検体と室温保存検体をそれぞれ測定した。その結果,全ての濃度において,-80℃保存検体と室温保存検体の吸光度に差は認められなかった(図4)。今回の検討では,DTNBの有無に関わらず全てのアルブミンが酸化されていたと考えられるが,アルブミン濃度が高い場合,一部のアルブミンが酸化されない可能性があるため,DTNBを添加する必要がある。このため,今回の最適DTNB濃度は0.1 mmol/Lとした。
最適なDTNB濃度を決定するため,Triton X-100 0.1%,SDS 0.04%とし,DTNB 0.0 mmol/Lから0.2 mmol/Lまで0.05 mmol/L間隔に試薬を調製し,-80℃保存検体と室温保存検体をそれぞれ測定した。その結果,全ての濃度において,-80℃保存検体と室温保存検体の吸光度に差は認められなかった(図4)。今回の検討では,DTNBの有無に関わらず全てのアルブミンが酸化されていたと考えられるが,アルブミン濃度が高い場合,一部のアルブミンが酸化されない可能性があるため,DTNBを添加する必要がある。このため,今回の最適DTNB濃度は0.1 mmol/Lとした。
(3)最適SDS濃度の検索(BCP改良法)
最適SDS濃度を決定するためTriton X-100 0.1%,DTNB mmol/Lとし,SDS 0.00%から0.03%まで0.01%間隔に試薬を調製,-80℃保存検体と室温保存検体をそれぞれ測定した。その結果,SDS 0.01%以上において-80℃保存検体と室温保存検体の吸光度差を認めなくなった(図5)。このことから,最適SDS濃度は0.03%とした。
最適SDS濃度を決定するためTriton X-100 0.1%,DTNB mmol/Lとし,SDS 0.00%から0.03%まで0.01%間隔に試薬を調製,-80℃保存検体と室温保存検体をそれぞれ測定した。その結果,SDS 0.01%以上において-80℃保存検体と室温保存検体の吸光度差を認めなくなった(図5)。このことから,最適SDS濃度は0.03%とした。
6.HPLC法との相関
作製したBCP試薬,BCP改良法試薬を用いてHPLC法との相関を確認した(図6)。-80℃で保存した血清は健常な成人より得られた血清であったため,多くの血清は典型的な分画を示した(図7)。図ではHPLCでのアルブミン溶出パターンを示しており10分程度で溶出されたピークがHMAを,20分程度で溶出されたピークがHNA-1を,29分程度で溶出されたピークがHNA-2をそれぞれ示している。それぞれの割合はHMA 74.5%,HNA 25.5%であった。健常な血清では酸化還元状態に差が見られなかったため,システインを添加しHNAの割合を大きく減少させた模擬血清(図8)(HMA 85.8%,HNA 14.2%)および,システインを添加後37℃で長時間(最大48時間)反応させHNAの割合を大きく増加させた模擬血清(図9)(HMA 13.9%,HNA 86.1%)を相関に使用した。
作製したBCP試薬,BCP改良法試薬を用いてHPLC法との相関を確認した(図6)。-80℃で保存した血清は健常な成人より得られた血清であったため,多くの血清は典型的な分画を示した(図7)。図ではHPLCでのアルブミン溶出パターンを示しており10分程度で溶出されたピークがHMAを,20分程度で溶出されたピークがHNA-1を,29分程度で溶出されたピークがHNA-2をそれぞれ示している。それぞれの割合はHMA 74.5%,HNA 25.5%であった。健常な血清では酸化還元状態に差が見られなかったため,システインを添加しHNAの割合を大きく減少させた模擬血清(図8)(HMA 85.8%,HNA 14.2%)および,システインを添加後37℃で長時間(最大48時間)反応させHNAの割合を大きく増加させた模擬血清(図9)(HMA 13.9%,HNA 86.1%)を相関に使用した。
その結果,相関式はy = 270.1 x - 151.96,相関係数は0.92と非常に良好な正の相関が得られた。以上のことから,本発明の方法を用いることで簡易的にHMAの割合を推定することができた。
7.考察
アルブミンは古くから全身栄養状態や腔内・体外への喪失の把握,肝機能障害の検査として利用されてきており,測定には色素結合法が主に用いられていた。本発明の方法ではこれまで使用されてきたBCP法およびBCP改良法を用いることで簡易的にアルブミンの酸化還元状態を推定することを目的とし,HNAにより高感度に反応する試薬開発を目指した。
アルブミンは古くから全身栄養状態や腔内・体外への喪失の把握,肝機能障害の検査として利用されてきており,測定には色素結合法が主に用いられていた。本発明の方法ではこれまで使用されてきたBCP法およびBCP改良法を用いることで簡易的にアルブミンの酸化還元状態を推定することを目的とし,HNAにより高感度に反応する試薬開発を目指した。
その結果,界面活性剤はTriton X-405 0.2%,緩衝液は125 mmol/Lコハク酸緩衝液,pH 4.8が最適な濃度であることが明らかとなり,アルブミンと高感度に反応する濃度とは異なる最適濃度が存在することが確認された。BCP法ではHNAとHMAに対する反応性の違いが知られていたが,各条件を変更することで反応時にアルブミンの構造変化が起こり,HNAに高感度に反応する試薬を開発することができたと考えられる。
また,本発明の方法とHPLC法との相関では,非常に良好な相関を得ることができ,専用分析装置を用いなくても短時間で大量の処理が可能であり, 多くの検査室で日常検査に利用されている自動分析装置で測定が可能となり,アルブミンの酸化還元状態をより簡易的に推定することが可能となった。
アルブミンは生体中に最も多く含まれる物質であることから,生体中の酸化還元状態を推定することが可能となり,疾病による酸化ストレスの評価や治療の有効性を相対的に評価するなど様々な応用が期待される。また,臨床の現場では輸血にアルブミン製剤が用いられているが,アルブミン製剤に含まれるアルブミンのHNAの割合は製造販売各社間で大きく異なり,多いもので71%,少ないものでも41%と,健常者の割合に比べHNAの割合が非常に高いことが知られている8)。HMAとHNAではL-Trpやセファゾリンなどの物質結合能が異なることが報告され9),HNAの増加による薬物動態が健常人とは異なることを示唆しており,これらアルブミン製剤の頻回使用による酸化還元状態の変動が生体もしくは治療に及ぼす影響については現在評価されていない。
本発明の方法を用いることで,HNAの割合の低いアルブミン製剤の選択やアルブミン製剤の品質評価など新たな評価が可能になると考えられる。
本実施例は、Triton X-405およびX-100を含む、各種界面活性剤を試した実施例である。
<材料及び方法>
各種界面活性剤の所定の濃度に調製した試薬を用い、生化学自動分析装置 (日立7600型) を利用して測定した。測定条件は以下のとおりである。検体量(血清)4μLと第一試薬180μLを加え5分反応させた。その後第二試薬 90μLを加え、主波長600 nm、副波長660 nmの2ポイントエンド法で測光した。反応温度は37℃である。なお、試料は模擬的に作製した酸化型、還元型優位の血清を用いた。図10、11にHPLCパターン(それぞれ酸化型、還元型)を示す。HPLCの測定値を表3に示す。
<材料及び方法>
各種界面活性剤の所定の濃度に調製した試薬を用い、生化学自動分析装置 (日立7600型) を利用して測定した。測定条件は以下のとおりである。検体量(血清)4μLと第一試薬180μLを加え5分反応させた。その後第二試薬 90μLを加え、主波長600 nm、副波長660 nmの2ポイントエンド法で測光した。反応温度は37℃である。なお、試料は模擬的に作製した酸化型、還元型優位の血清を用いた。図10、11にHPLCパターン(それぞれ酸化型、還元型)を示す。HPLCの測定値を表3に示す。
また、界面活性剤の濃度と吸光度の関係を調べた結果を図12(酸化型優位)及び図13(還元型優位)並びに表4及び5に示す。
これらの結果より、0.3% Triton X-405がもっとも酸化型と還元型試料が示す吸光度の差が大きく、次いで0.1% Tween 20であることが示された。
また、反応に使用する検体量の検討を行った結果、BCPでは2-8 μL、BCP改良法では2-4μLにおいて良好な測定をすることができた(図14)。
また、反応に使用する検体量の検討を行った結果、BCPでは2-8 μL、BCP改良法では2-4μLにおいて良好な測定をすることができた(図14)。
参考文献
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6) 村本良三,松下誠,入野勤:正確度を改善したブロムクレゾールパープル法による血清アルブミン定量法の開発,臨床化学.26:38-43,1997.
7) 栢森裕三,片山善章:血清アルブミン測定法の進歩,生物試料分析.24:85-94,2001.
8) 恵良聖一:各種疾患における酸化型・還元型アルブミンの変動,栄養評価と治療.Vol.24 no.2:47-51,2007.
9) 山田尚之,窪田和幸,河上麻美,他:肝疾患マーカー候補としての酸化型アルブミンの構造と機能解析およびその生理学的意義,生物物理化学.52;25-30,2008.
Claims (19)
- 被検試料において、タンパク質変性剤及びSH試薬から選ばれる少なくとも1種の存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した総アルブミン量から、タンパク質変性剤及びSH試薬の非存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した酸化型アルブミン量を差し引くことにより、前記被検試料中の還元型アルブミンの量を算出することを特徴とするアルブミンの測定方法。
- 総アルブミン量の測定試薬、酸化型アルブミン量の測定試薬、又は両者の測定試薬中に、さらにタンパク質非変性界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
- タンパク質非変性界面活性剤がTriton X−405又はTriton X−100である請求項2に記載の方法。
- Triton X−405又はTriton X−100の最終濃度が、0.2−0.3%である、請求項3に記載の方法。
- タンパク質変性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- ラウリル硫酸ナトリウムの最終濃度が0.03%以下である、請求項5に記載の方法。
- 被検試料において、タンパク質変性剤及びSH試薬から選ばれる少なくとも1種の存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した総アルブミン量から、タンパク質変性剤及びSH試薬の非存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した酸化型アルブミン量を差し引くことにより得られた還元型アルブミンの量と、タンパク質変性剤及びSH試薬の非存在下でブロムクレゾールパープルの吸光度に基づいて測定した酸化型アルブミン量との量比を算出することを特徴とするアルブミンの測定方法。
- 総アルブミン量の測定試薬、酸化型アルブミン量の測定試薬、又は両者の測定試薬中に、さらにタンパク質非変性界面活性剤を含む、請求項7に記載の方法。
- タンパク質非変性界面活性剤がTriton X−405又はTriton X−100である請求項8に記載の方法。
- Triton X−405又はTriton X−100の最終濃度が、0.2−0.3%である、請求項9に記載の方法。
- タンパク質変性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法。
- ラウリル硫酸ナトリウムの最終濃度が0.03%以下である、請求項11に記載の方法。
- ブロムクレゾールパープルを含む第一の試薬と、タンパク質変性剤及びSH試薬から選ばれる少なくとも1種並びにブロムクレゾールパープルを含む第二の試薬とを含む、アルブミン測定用キット。
- 第一の試薬、第二の試薬又はその両者に、さらに緩衝液を含む、請求項13に記載のキット。
- 第一の試薬、第二の試薬又はその両者に、さらにタンパク質非変性界面活性剤を含む、請求項13又は14に記載のキット。
- タンパク質非変性界面活性剤がTriton X−405又はTriton X−100である請求項15に記載のキット。
- Triton X−405又はTriton X−100の最終濃度が、0.2−0.3%である、請求項16に記載のキット。
- タンパク質変性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、請求項13〜17のいずれか1項に記載のキット。
- ラウリル硫酸ナトリウムの最終濃度が0.03%以下である、請求項18に記載のキット。
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