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JP2018012450A - 駐車支援方法及び駐車支援装置 - Google Patents

駐車支援方法及び駐車支援装置 Download PDF

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JP2018012450A JP2016144335A JP2016144335A JP2018012450A JP 2018012450 A JP2018012450 A JP 2018012450A JP 2016144335 A JP2016144335 A JP 2016144335A JP 2016144335 A JP2016144335 A JP 2016144335A JP 2018012450 A JP2018012450 A JP 2018012450A
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Abstract

【課題】自車両が出庫を開始する際、記憶情報に基づいて車路を含む出庫可能空間を設定することで、出庫支援が可能なシーンを拡大すること。【解決手段】駐車枠から自車両が出庫する際に出庫を支援する駐車支援方法において、出庫可能空間設定ステップ(S34)と、出庫経路生成ステップ(S51,S52,S53,S54)と、を有する。出庫可能空間設定ステップ(S34)は、自車両が出庫を開始する際、予め記憶されている車路Saと駐車枠Sbの情報からなる走行可能空間に基づいて出庫可能空間Sを設定する。出庫経路生成ステップ(S51,S52,S53,S54)は、出庫可能空間Sが設定されると、駐車枠Sbの出庫開始位置PSから車路Saの範囲内に設定された目標出庫位置PEに至る出庫経路Rを生成する。【選択図】図4

Description

本発明は、駐車枠から自車両が出庫する際に出庫を支援する駐車支援方法及び駐車支援装置に関する。
車庫等からの車両の出庫支援機能を有した駐車支援装置としては、例えば、特許文献1に記載された装置が知られている。特許文献1に記載の駐車支援装置は、駐車区画と自己位置の関係を画像処理によって取得する。そして、事前に地図等のデータベースから与えられた駐車区画のデータを基に、駐車区画との接触を避けるように、直線と円弧からなる出庫経路にしたがって車両を誘導するものである。
特開2010−064546号公報
しかしながら、特許文献1の駐車支援装置にあっては、出庫経路の生成において考慮されるのは、自車両と駐車区画の関係のみであり、車路の情報は考慮されていなかった。このため、車路幅が狭い場合には、出庫時に自車両の前方端が障害物と接触する出庫経路が生成されることがある、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、自車両が出庫を開始する際、記憶情報に基づいて車路を含む出庫可能空間を設定することで、出庫支援が可能なシーンを拡大することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、駐車枠から自車両が出庫する際に出庫を支援する駐車支援方法において、出庫可能空間設定ステップと、出庫経路生成ステップと、を有する。
出庫可能空間設定ステップは、自車両が出庫を開始する際、予め記憶されている車路と駐車枠の情報からなる走行可能空間に基づいて出庫可能空間を設定する。
出庫経路生成ステップは、出庫可能空間が設定されると、駐車枠の出庫開始位置から車路の範囲内に設定された目標出庫位置に至る出庫経路を生成する。
この結果、自車両が出庫を開始する際、記憶情報に基づいて車路を含む出庫可能空間を設定することで、出庫支援が可能なシーンを拡大することができる。
実施例1の駐車支援方法及び駐車支援装置が適用された駐車支援システムを示すシステム構成図である。 駐車支援システムのうち駐車支援演算用ECUを中心とする制御ブロック構成を示す出庫時駐車支援制御構成図である。 駐車支援システムにて用いられる出庫可能空間として定義される情報を示す出庫可能空間情報説明図である。 実施例1の駐車支援演算用ECUにて実行される出庫時駐車支援制御処理の流れを示すメインルーチンによるフローチャートである。 実施例1の出庫時駐車支援制御処理において車路幅・駐車枠幅が十分に広い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理の流れを示す第1サブルーチンによるフローチャートである。 実施例1の出庫時駐車支援制御処理において車路幅が狭い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理の流れを示す第2サブルーチンによるフローチャートである。 実施例1の出庫時駐車支援制御処理において駐車枠幅が狭い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理の流れを示す第3サブルーチンによるフローチャートである。 実施例1の出庫時駐車支援制御処理において車路幅・駐車枠幅が共に狭い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理の流れを示す第4サブルーチンによるフローチャートである。 車路幅・駐車枠幅が十分に広い駐車シーンにおける第1出庫経路生成作用を示す第1出庫経路作用説明図である。 車路幅が狭い駐車シーンにおける第2出庫経路生成作用を示す第2出庫経路作用説明図である。 駐車枠幅が狭い駐車シーンにおける第3出庫経路生成作用を示す第3出庫経路作用説明図である。 車路幅・駐車枠幅が共に狭い駐車シーンにおける第4出庫経路生成作用を示す第4出庫経路作用説明図である。 比較例での広い車路幅が必要な出庫経路生成作用を示す出庫経路作用説明図である。 実施例1と比較例の対比による出庫支援が可能なシーン拡大領域を示す出庫経路作用説明図である。
以下、本発明の駐車支援方法及び駐車支援装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における駐車支援方法及び駐車支援装置は、駐車している自車両の出庫を支援する駐車支援システムを搭載した運転支援車両に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「出庫時駐車支援制御構成」、「出庫時駐車支援制御処理構成」、「駐車環境毎の目標出庫位置・姿勢設定及び出庫経路生成処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の駐車支援方法及び駐車支援装置が適用された駐車支援システムを示す全体システム構成図である。以下、図1に基づき、全体システム構成を説明する。
駐車支援システムは、図1に示すように、空間認識センサ21と、出庫開始スイッチ22と、駐車場地図データベース23と、車輪速センサ24と、操舵角センサ25と、センサ情報処理部26と、を備えている。さらに、駐車支援演算用ECU27と、車両制御用ECU28と、画像処理部29と、アクチュエータ210と、表示モニタ211と、を備えている。
空間認識センサ21は、自車両に設けられ、例えば、駐車枠に向かって入庫するときに自車両の周囲環境を検出するためのセンサである。この空間認識センサ21としては、一般的に使用されているレーザレンジファインダに代表されるものである。しかし、レーザレンジファインダの他には、超音波を利用するクリアランスソナーやステレオカメラを用いて障害物の距離を検出してもよい。レーザレンジファインダは、赤外線レーザーを目標物に照射し、その反射の度合いで目標物までの距離を測定出来る装置であり、検出物体の距離情報をポイントクラウド情報として取得できるようになっている。
出庫開始スイッチ22は、自車両が出庫を開始する際に出庫開始の指令を与えるための入力デバイスである。この出庫開始スイッチ22としては、出庫開始の指令を与えるために操作者が保持する携帯端末でも良い。また、操作者が車両内に乗っている場合を想定して、車両内にジョイスティックや操作スイッチ、タッチパネルなど、既設の各種操作入力デバイスなどを設けても良い。また、車両に既設のスピーカを用いて、ドライバに各種の操作入力を促す音声案内を行うようにしても良い。携帯端末を使用する場合、携帯端末と車両は通信手段により無線接続することで、操作者の指令を車両に伝達する。
駐車場地図データベース23は、例えば、駐車場管理システムに予め記憶されている駐車枠や車路を含む駐車場地図のデータベースである。実施例1の駐車支援システムにおいては、例えば、出庫開始の指令が与えられたとき、入庫時の記憶情報に基づいて設定された出庫可能空間が正しいかどうかを確認する情報源として取得される。
車輪速センサ24は、車両の速度や走行距離を演算するための車輪速情報を取得するセンサである。車輪速センサ信号は、駐車支援演算用ECU27と車両制御用ECU28に出力される。
操舵角センサ25は、現在のタイヤ転舵角量などを見積もるための操舵角情報を取得するセンサである。操舵角センサ信号は、車両制御用ECU28に出力される。
センサ情報処理部26は、自車両が駐車枠に入庫するとき、空間認識センサ21からのポイントクラウド情報などを入力し、車路の推定と駐車枠の推定に基づいて走行可能範囲を推定する。この推定した走行可能範囲は、駐車支援演算用ECU27の駐車時走行可能空間記憶部271に記憶される。つまり、出庫開始の指令が与えられたとき、記憶されている走行可能範囲を読み出し、出庫可能空間を設定するようにしている。
駐車支援演算用ECU27は、各センサ情報を用いて、出庫開始位置や目標出庫位置や目標姿勢の算出および目標とする出庫経路を生成した後、目標とする出庫経路を自車両が追従しながら走行する制御指令を車両制御ECU28へ送信する。
車両制御ECU28は、駐車支援演算用ECU27からの制御指令と、車輪速センサ24からの車輪速センサ信号と、操舵角センサ25からの操舵角センサ信号を入力する。そして、出庫開始の指令が与えられると、生成した出庫経路に沿って自車両を出庫移動させる制御指令にしたがって、アクチュエータ210を駆動する。なお、アクチュエータ210としては、駆動アクチュエータ、制動アクチュエータ、転舵アクチュエータ、セレクトレンジ&シフトポジションアクチュエータなどが設けられている。
ここで、車両制御ECU28において、出庫経路に沿って車両が移動するように車両の操舵を自動制御する操舵制御部を付加した構成とすれば、この操舵制御部による自動操舵制御により、出庫動作時におけるドライバの操作負担をより低減させることができる。さらに、車両の制動及び駆動を制御する制駆動制御部を付加した構成とすれば、車両を全自動で誘導経路に沿って移動させて目標位置へと駐車させることができ、ドライバの操作負担をさらに低減させることができる。
画像処理部29は、駐車支援演算用ECU27からの制御指令を入力し、自車両の駐車枠と車路による走行可能空間と、走行可能空間上の駐車出庫開始位置や目標出庫位置や目標姿勢や出庫経路などによる画像処理信号を表示モニタ211に出力する。
表示モニタ211は、画像処理部29から画像処理信号を入力すると、自車位置や走行可能空間や出庫経路などをモニタ画面に表示する。
ここで、表示モニタ211は、算出した出庫経路に沿って車両が目標出庫位置に到達するように出庫案内を行う自車両の誘導経路表示部であり、一般的に車両に設けられているナビゲーション用の液晶ディスプレイや、遠隔操作端末に取り付けられたモニタなどを利用することができる。
なお、上述した基本構成に対して、ドライバが出庫時の運転操作を行う上で有用な各種支援情報を表示する支援情報表示部を付加した構成とすれば、ドライバによる運転操作を支援することができる。ここで、支援情報とは、車両の現在位置を明示する図形や目標位置及び切返し位置を表す枠図形、初期位置や切返し位置でのハンドル角を指示する情報などといったものをいう。なお、支援情報表示部としては、一般的に車両に設けられているナビゲーション用の液晶ディスプレイなどのモニタを利用することができる。また、このとき、車両に既設のスピーカを用いて、車両が誘導経路に沿って移動するように操舵方向などをガイドする音声案内を行うようにすれば、よりきめ細かな出庫案内が可能となる。
[出庫時駐車支援制御構成]
図2は、図1の駐車支援システムのうち駐車支援演算用ECU27を中心とする制御ブロック構成を示し、図3は、駐車支援にて用いられる出庫可能空間として定義される情報を示す。以下、図2及び図3に基づき、出庫時駐車支援制御構成を説明する。
駐車支援演算用ECU27は、図2に示すように、駐車時走行可能空間記憶部271と、出庫可能空間設定部272と、出庫経路生成部273と、制御指令算出部278と、を有する。
駐車時走行可能空間記憶部271は、自車両が駐車する際にセンサ情報処理部26により取得した走行可能範囲の情報を、駐車時走行可能空間として記憶する。なお、センサ情報処理部26では、車路推定ブロック261により推定された車路と、駐車枠推定ブロック262により推定された駐車枠とに基づいて、走行可能範囲推定ブロック263において、車路と駐車枠を含む走行可能範囲が推定される。
ここで、駐車時の走行可能空間を記憶する理由は、駐車開始時では車載センサにより検出可能であった範囲も、出庫動作を開始する駐車完了状態では左右の駐車車両や壁などにより死角が発生し、検出不可能となる場合が多い。そのため、入庫時と出庫時で駐車場構造が大きく変わらないという前提のもと、駐車時の走行可能空間を記憶する。
出庫可能空間設定部272は、出庫開始スイッチ22により操作者より出庫開始の指令が入力されると、駐車時に記憶された走行可能空間を読み出し、読み出した走行可能空間に基づいて、自車両が出庫する際の出庫可能空間を設定する。
ここで、自車両が周囲の障害物環境との接触を回避する出庫経路を生成するためには、周囲の障害物環境から走行可能な空間を認識する必要がある。これを“出庫可能空間S”と呼び、図3に示すように、「車路Sa」と「駐車枠Sb」からなるものとして定義する。車路Saの情報は、車路幅・車路奥行きで構成され、駐車枠Sbの情報は、駐車枠幅・駐車枠奥行き・駐車枠向きで構成される。この走行可能空間の範囲内で、駐車枠Sb内に駐車状態である自車両が、車路Saへ出庫する出庫経路を生成することを考えて“出庫可能空間S”を設定する。
出庫経路生成部273は、出庫開始位置推定ブロック274と、目標出庫位置設定ブロック275と、出庫経路生成ブロック276と、目標出庫位置補正ブロック277と、を有する。
出庫開始位置推定ブロック274は、駐車枠Sb内での自車両の駐車位置(=出庫開始位置PS)を推定するブロックである。なお、推定される出庫開始位置PSは、駐車位置における自車両の左右後輪を繋ぐ後車軸の中心位置とする。
目標出庫位置設定ブロック275は、出庫移動による車路Sa内での自車両の姿勢が、車路Saの向きと平行な目標姿勢となる位置(目標出庫位置PE)を推定するブロックである。なお、推定される目標出庫位置PEは、目標姿勢となる位置における自車両の左右後輪を繋ぐ後車軸の中心位置とする。
出庫経路生成ブロック276は、出庫経路探索ブロック276aと、接触判定ブロック276bと、によって構成されている。出庫経路探索ブロック276aは、基本的に車路Saの向きを自車両の目標姿勢とし、車路Saの車路幅方向の中央位置を目標出庫位置PEとし、出庫開始位置PSから目標出庫位置PEに至る出庫経路Rを探索する。接触判定ブロック276bは、探索した出庫経路Rに沿って自車両が移動すると仮定したとき、自車両と出庫可能空間Sの境界線との接触を回避できるかどうかを判定する。
目標出庫位置補正ブロック277は、接触判定ブロック276bにおいて、探索した出庫経路Rが自車両と出庫可能空間Sの境界線との接触を回避できないと判定されると、目標出庫位置PEを車路Saの中央位置から移動補正する。即ち、目標出庫位置補正ブロック277では、車路Saの中央位置から目標出庫位置PEを移動補正するときの位置補正量を算出する。
制御指令算出部278は、接触判定ブロック276bにおいて、探索した出庫経路Rが自車両と出庫可能空間Sの境界線との接触を回避できると判定されると、車両制御ECU28への制御指令を算出する。この制御指令算出部278では、出庫経路生成部273により生成された出庫経路Rに基づいて、ステアリング舵角や車速やセレクトレンジ位置やシフト位置など、車両を誘導制御するために必要な制御指令を算出する。なお、制御指令算出部278は、車輪速センサ24により推定した自己位置情報に基づいて、出庫経路Rの中のどの位置に自車両が存在しているかを判定し、その位置に応じた制御入力を算出する構成とする。
[出庫時駐車支援制御処理構成]
図4は、実施例1の駐車支援演算用ECU27にて実行される出庫時駐車支援制御処理の流れを示すメインルーチンによるフローチャートである。以下、出庫時駐車支援制御処理構成をあらわす図4の各ステップについて説明する。
ステップS31では、空間認識センサ21により、駐車時の周辺環境(車路・駐車枠)を取得し、駐車時走行可能空間記憶部271に走行可能空間として記憶し、ステップS32へ進む。
ステップS32では、ステップS31での走行可能空間の記憶に続き、出庫開始スイッチ22から出庫開始指令を取得したか否かを判断する。YES(出庫開始指令取得有り)の場合はステップS33へ進み、NO(出庫開始指令取得無し)の場合はステップS32の判断を繰り返す。
ステップS33では、ステップS32での出庫開始指令取得有りとの判断に続き、記憶された駐車時の周囲環境情報を読み出し、ステップS34へ進む。
ステップS34では、ステップS33での駐車時の周囲環境情報読み出しに続き、出庫可能空間設定部272において車路Saと駐車枠Sbとからなる出庫可能空間Sを設定し、ステップS35へ進む。
ステップS35では、ステップS34での出庫可能空間Sの設定に続き、設定された出庫可能空間Sでの駐車枠Sbの幅寸法である駐車枠幅が第1設定幅以上であるか否かを判断する。YES(駐車枠幅≧第1設定幅)の場合はステップS36へ進み、NO(駐車枠幅<第2設定幅)の場合はステップS37へ進む。
ここで、「駐車枠幅の第1設定幅」は、出庫開始位置PSと目標出庫位置PEを結ぶ出庫経路Rを生成したとき、自車両と出庫可能空間Sの駐車枠境界線との接触を回避できる広い幅であるかどうかを判別する閾値に設定される。
ステップS36では、ステップS35での駐車枠幅≧第1設定幅であるとの判断に続き、設定された出庫可能空間Sでの車路Saの幅寸法である車路幅が第2設定幅以上であるか否かを判断する。YES(車路幅≧第2設定幅)の場合はステップS51へ進み、NO(車路幅<第2設定幅)の場合はステップS52へ進む。
ここで、「車路幅の第2設定幅」は、出庫開始位置PSと目標出庫位置PEを結ぶ出庫経路Rを生成したとき、自車両と出庫可能空間Sの車路境界線との接触を回避できる広い幅であるかどうかを判別する閾値に設定される。
ステップS37では、ステップS36での駐車枠幅<所定幅であるとの判断に続き、設定された出庫可能空間Sでの車路Saの幅寸法である車路幅が第2設定幅以上であるか否かを判断する。YES(車路幅≧第2設定幅)の場合はステップS53へ進み、NO(車路幅<第2設定幅)の場合はステップS54へ進む。なお、「車路幅の第2設定幅」は、ステップS36と同様の設定である。
ステップS51では、ステップS36での車路幅≧第2設定幅であるとの判断に続き、出庫経路生成部273において、車路幅・駐車枠幅が十分に広い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理を行い(図5)、ステップS38へ進む。
ステップS52では、ステップS36での車路幅<第2設定幅であるとの判断に続き、出庫経路生成部273において、車路幅が狭い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理を行い(図6)、ステップS38へ進む。
ステップS53では、ステップS37での車路幅≧第2設定幅であるとの判断に続き、出庫経路生成部273において、駐車枠幅が狭い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理を行い(図7)、ステップS38へ進む。
ステップS54では、ステップS37での車路幅<第2設定幅であるとの判断に続き、出庫経路生成部273において、車路幅・駐車枠幅が共に狭い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理を行い(図8)、ステップS38へ進む。
ステップS38では、ステップS51又はS52又はS53又はS54での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理に続き、車両制御ECU28において、生成された出庫経路に沿って自車両の出庫を誘導する車両誘導制御が実行され、エンドへ進む。
[駐車環境毎の目標出庫位置・姿勢設定及び出庫経路生成処理構成]
図5は、車路幅・駐車枠幅が十分に広い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理(図4のステップS51)の流れを示す。以下、図5の各ステップについて説明する。
ステップS511では、自車両の目標姿勢を、出庫可能空間S1の車路Saの向きと同じに決定する。ステップS512では、自車両の最小回転半径によりy軸方向の位置を設定し、次のステップS513では、車路Saの真ん中となるようにx軸方向の位置を設定し、目標出庫位置PE1を決定する。ステップS514では、出庫開始位置・姿勢と目標出庫位置・姿勢から出庫経路R1を生成し、エンドへ進む。
図6は、車路幅が狭い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理(図4のステップS52)の流れを示す。以下、図6の各ステップについて説明する。
ステップS521では、自車両の目標姿勢を、出庫可能空間S2の車路Sa’の向きと同じに決定する。ステップS522では、自車両の最小回転半径により目標位置(y軸)を設定する。次のステップS523では、車路端と車両前方の接触を避けるように目標位置(x軸)を、車路Sa’の真ん中位置からマイナス方向(駐車枠Sbに近づく方向)に移動して設定し、目標出庫位置PE2を決定する。ステップS524では、出庫開始位置・姿勢と目標出庫位置・姿勢から出庫経路R2を生成し、エンドへ進む。
図7は、駐車枠幅が狭い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理(図4のステップS53)の流れを示す。以下、図7の各ステップについて説明する。
ステップS531では、自車両の目標姿勢を、出庫可能空間S3の車路Saの向きと同じに決定する。ステップS532では、自車両の最小回転半径により目標位置(y軸)を設定する。次のステップS533では、左右障害物と車両側面の接触を避けるように目標出庫位置(x軸)を、車路Saの真ん中位置からプラス方向(駐車枠Sb’から遠ざかる方向)に移動して設定し、目標出庫位置PE3を決定する。ステップS534では、出庫開始位置・姿勢と目標出庫位置・姿勢から出庫経路R3を生成し、エンドへ進む。
図8は、車路幅・駐車枠幅が共に狭い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理(図4のステップS54)の流れを示す。以下、図8の各ステップについて説明する。
ステップS541では、自車両の目標姿勢を、出庫可能空間S4の車路Sa’の向きと同じに決定する。ステップS542では、左右障害物と車両側面の接触を避けるように設定した目標位置(x軸)を、車路端と車両前方の接触を避けるようにマイナス方向(駐車枠Sb’に近づく方向)に移動して設定する。次のステップS543では、左右障害物と車両側面の接触を避けるように目標出庫位置(y軸)をマイナス方向(駐車枠Sb’に近づく方向)に移動して設定し、目標出庫位置PE4を決定する。ステップS544では、目標出庫位置PE4とは逆方向へ自車両が旋回する回答予備動作を生成する処理を行う。ステップS545では、出庫開始位置・姿勢と目標出庫位置・姿勢から出庫経路R4を生成し、エンドへ進む。
次に、作用を説明する。
実施例1の作用を、「出庫時駐車支援制御処理作用」、「駐車シーン毎の出庫経路生成作用」、「出庫時駐車支援制御作用」、「駐車支援制御の他の特徴作用」に分けて説明する。
[出庫時駐車支援制御処理作用]
以下、図4のフローチャートに基づき、出庫時駐車支援制御処理作用を説明する。
先ず、自車両が駐車枠に駐車する駐車時には、ステップS31において、空間認識センサ21により、駐車時の周辺環境(車路Sa・駐車枠Sb)が取得され、駐車時走行可能空間記憶部271に走行可能空間として記憶される。
そして、出庫開始スイッチ22から出庫開始指令を取得するまでは、ステップS32の判断が繰り返され、出庫開始スイッチ22から出庫開始指令を取得すると、ステップS32からステップS33→ステップS34へと進む。ステップS33では、記憶された駐車時の周囲環境情報が読み出される。ステップS34では、出庫可能空間設定部272において車路Saと駐車枠Sbとからなる出庫可能空間Sが設定される。
ステップS34にて出庫可能空間Sが設定されると、出庫経路Rを生成するために、目標出庫位置設定ブロック275により目標出庫位置並びに目標姿勢を定める必要がある。目標出庫位置は、自車両と出庫可能空間Sの境界線との接触を回避するように設定する必要があり、車路幅と駐車枠幅の関係により大きく下記の4種類に分類される。
駐車枠幅≧第1設定幅であり、かつ、車路幅≧第2設定幅である車路幅・駐車枠幅が十分に広い駐車環境のときは、図4のフローチャートにおいて、ステップS34からステップS35→ステップS36→ステップS51へと進む。ステップS51では、出庫経路生成部273において、車路幅・駐車枠幅が十分に広い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理が行われる。
駐車枠幅≧第1設定幅であり、かつ、車路幅<第2設定幅である車路幅が狭い駐車環境のときは、図4のフローチャートにおいて、ステップS34からステップS35→ステップS36→ステップS52へと進む。ステップS52では、出庫経路生成部273において、車路幅が狭い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理が行われる。
駐車枠幅<第1設定幅であり、かつ、車路幅≧第2設定幅である駐車枠幅が狭い駐車環境のときは、図4のフローチャートにおいて、ステップS34からステップS35→ステップS37→ステップS53へと進む。ステップS53では、出庫経路生成部273において、駐車枠幅が狭い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理が行われる。
駐車枠幅<第1設定幅であり、かつ、車路幅<第2設定幅である車路幅・駐車枠幅が共に狭い駐車環境のときは、図4のフローチャートにおいて、ステップS34からステップS35→ステップS37→ステップS54へと進む。ステップS54では、出庫経路生成部273において、車路幅・駐車枠幅が共に狭い駐車環境での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理が行われる。
そして、ステップS51又はステップS52又はステップS53又はステップS54での目標姿勢設定・目標出庫位置設定・出庫経路生成処理がなされると、ステップS38へ進む。ステップS38では、車両制御ECU28において、生成された出庫経路Rに沿って自車両の出庫を誘導する車両誘導制御が実行される。
[駐車シーン毎の出庫経路生成作用]
車路幅・駐車枠幅ともに十分に広い駐車シーンのときは、図9に示すように、出庫可能空間S1の範囲内に出庫経路R1が生成される。先ず、自車両の目標姿勢が車路Saと平行になる向きに設定される(ステップS511)。次に、y軸方向の目標位置は、目標姿勢に到達するために必要な円弧の半径によって定められる(ステップS512)。なお、このとき据え切りによる最大転舵を想定する場合は、最小回転半径と一致する。そして、x軸方向の目標位置は、車路Saの真ん中となるように設定し、目標出庫位置PE1を決定する(ステップS513)。このように目標出庫位置PE1を決定することで、駐車枠Sbの出庫開始位置PS1から目標出庫位置PE1に向かって自車両が出庫する際の直線区間と曲線区間とが定められる。以上により、車路幅・駐車枠幅ともに十分に広い駐車シーンのときは、目標姿勢や目標出庫位置PE1を補正することなく、自車両と出庫可能空間S1の境界線との接触を回避する出庫経路R1が生成される(ステップS514)。
車路幅が狭い駐車シーンのときは、図10の実線に示すように、出庫可能空間S2の範囲内に出庫経路R2が生成される。先ず、自車両の目標姿勢が車路Saと平行になる向きに設定される(ステップS521)。次に、y軸方向の目標位置は、目標姿勢に到達するために必要な円弧の半径によって定められる(ステップS522)。なお、このとき据え切りによる最大転舵を想定する場合は、最小回転半径と一致する。そして、x軸方向の目標位置として、車路Saの中央を選択すると自車両の前方と対面側の車路Sa’の境界線とが接触するため、接触を回避するように、x軸方向の目標出庫位置PE2をマイナス方向に移動させ、目標出庫位置PE2’とする補正が行われる(ステップS523)。以上により、車路幅が狭い駐車シーンのときは、目標出庫位置PE2の補正によって、出庫開始位置PS2と目標出庫位置PE2’とを結び、自車両の前方と対面側の車路Sa’の境界線との接触を回避する出庫経路R2が生成される(ステップS524)。
駐車枠幅が狭い駐車シーンのときは、図11の実線に示すように、出庫可能空間S3の範囲内に出庫経路R3が生成される。先ず、自車両の目標姿勢が車路Saと平行になる向きに設定される(ステップS531)。次に、y軸方向の目標位置は、目標姿勢に到達するために必要な円弧の半径によって定められる(ステップS532)。なお、このとき据え切りによる最大転舵を想定する場合は、最小回転半径と一致する。そして、x軸方向の目標位置を車路Saの中央に選択すると、自車両の内側と左右の駐車車両とが接触するため、接触を回避するように、x軸方向の目標出庫位置PE3をプラス方向に移動させ、目標出庫位置PE3’とする補正が行われる(ステップS533)。以上により、駐車枠幅が狭い駐車シーンのときは、目標出庫位置PE3の補正によって、出庫開始位置PS3と目標出庫位置PE3’とを結び、自車両の内側と左右の駐車車両との接触を回避する出庫経路R3が生成される(ステップS534)。
車路幅と駐車枠幅が共に狭い駐車シーンのときは、図12に示すように、出庫可能空間S4の範囲内に出庫経路R4が生成される。先ず、自車両の目標姿勢が車路と平行になる向きに設定される(ステップS541)。次に、x軸方向の目標位置を自車両の内側と左右の駐車車両との接触を回避する目標出庫位置PE4に選択すると、車路Sa’の境界線と車両前方とが接触するため、接触を回避するように、x軸方向の目標出庫位置PE4をマイナス方向に移動させる補正が行われる(ステップS542)。次に、x軸方向の目標出庫位置PE4を変更するだけでは接触を回避することができない場合は、y軸方向の目標出庫位置PE4をマイナス方向に移動させる(ステップS543)。つまり、目標出庫位置PE4からx軸方向とy軸方向へと移動して目標出庫位置PE4’とする補正が行われる。さらに、自車両が出庫する側とは逆側に旋回させる回頭予備動作を付加する処理が行われる(ステップS544)。以上により、車路幅と駐車枠幅が共に狭い駐車シーンのときは、目標出庫位置PE4の補正と回頭予備動作によって、出庫開始位置PS4と目標出庫位置PE4’とを結び、自車両と出庫可能空間S4の境界線との接触を回避する出庫経路R4が生成される(ステップS545)。
[出庫時駐車支援制御作用]
実施例1の駐車支援方法は、出庫可能空間設定ステップ(S34)と、出庫経路生成ステップ(S51,S52,S53,S54)と、を有する。出庫可能空間設定ステップ(S34)は、自車両が出庫を開始する際、予め記憶されている車路Saと駐車枠Sbの情報からなる走行可能空間に基づいて出庫可能空間Sを設定する。出庫経路生成ステップ(S51,S52,S53,S54)は、出庫可能空間Sが設定されると、駐車枠Sbの出庫開始位置PSから車路Saの範囲内に設定された目標出庫位置PEに至る出庫経路Rを生成する。
即ち、自車両が出庫を開始する際、車路Saと駐車枠Sbの情報からなる出庫可能空間Sを設定し、設定した出庫可能空間S内に生成される出庫経路Rに沿って出庫案内をする。これにより、様々な車路幅や駐車枠幅の駐車環境においても、自車両が出庫を開始する前に、実際の駐車環境に即した事前の出庫判定、及び、出庫経路の生成が可能である。このため、出庫可能空間Sの境界線との接触を回避する出庫経路Rを生成することで自律的な出庫にすることも可能であるし、出庫支援が可能なシーンを拡大することができる。この結果、ドライバは自車両をストレス無く駐車状態から出庫させることができることになる。
ちなみに、実施例1と比較例の出庫時駐車支援制御で、定量的な効果の差が出るシーンの一例について対比説明する。
自車両が出庫した後に駐車位置において死角となる車路の情報を取得しながら駐車支援制御を行うものを比較例とする。この比較例の場合、自車両が駐車枠の駐車幅W1の片方に寄って駐車しているとき、図13に示すように、駐車枠のx軸方向への出庫を開始し、自車両の右側面と駐車枠の境界線との干渉がない位置まで直進し、その後、円弧ルートを描くような出庫経路になる。この比較例の場合、自車両の前端によっても出庫可能空間の境界線との接触を回避するには、十分に広い車路幅W2が必要になる。
これに対し、実施例1の場合、比較例と同様に、自車両が駐車枠Sbの駐車幅W1の片方に寄って駐車しているとき、図14に示すように、自車両が出庫を開始するのに先行して出庫可能空間Sの設定に基づいて出庫経路Rを生成することができる。このため、駐車枠Sbから回答予備動作をして出庫を開始した後、駐車枠Sbと車路Saを円弧ルートで抜けるような出庫経路Rにすることができる。この実施例1の場合、比較例の車路幅W2よりも狭い車路幅W2’としても、自車両と出庫可能空間Sの境界線との接触を回避しながらの出庫が可能である。具体例としては、比較例での出庫時駐車支援制御の場合、出庫可能空間の境界線との接触を回避するには車路幅としてW2が必要である。一方、実施例1での出庫時駐車支援制御の場合、車路幅をW2’(<W2)としても出庫可能空間の境界線との接触が回避される。即ち、実施例1と比較例の出庫時駐車支援制御での定量的な効果の差として、図14のハッチング領域に示すように、実施例1の場合には、比較例よりも車路幅を約20%程度減少させた車路であっても接触を回避した出庫案内ができることになる。言い換えると、実施例1の場合には、比較例よりも出庫支援が可能なシーン(駐車環境)を拡大できることになる。
[駐車支援制御の他の特徴作用]
実施例1の駐車支援方法において、出庫可能空間設定ステップ(S34)は、駐車枠Sbへ自車両が入庫する際に取得した周辺環境の情報を記憶しておく(S31)。自車両が出庫を開始する際(S32)、自車両が入庫する際に記憶しておいた周辺環境の情報を読み出し(S33)、出庫可能空間Sを設定する。
例えば、予め記憶されている車路Saと駐車枠Sbの情報として、駐車場の地図情報などを用いることも可能である。しかし、この場合、駐車場の地図情報が、現実に自車両が駐車する駐車枠Sbの周辺環境情報と一致しないことがある。
これに対し、駐車枠Sbへ自車両が入庫する際に取得しておいた周辺環境の情報を用いて出庫可能空間Sを設定する。これにより、現実に自車両が駐車する駐車枠Sbの周辺環境情報との一致性が高くなり、自車両の出庫経路Rが生成される出庫可能空間Sの設定精度が向上する。
実施例1の駐車支援方法において、出庫経路生成ステップ(S51,S52,S53,S54)は、車路の向きを自車両の目標姿勢とし、車路の車路幅方向の中央位置を目標出庫位置の基準点として設定する。
即ち、目標姿勢は車路Saの向きに一致させた方が、目標位置に到達した後の走行に有利である。また、目標位置は、車路Saの両側境界線から等しく離れた位置である車路Saの中央位置がその後の走行に有利である。そして、車路幅・駐車枠幅ともに十分に広い駐車シーンのときには、目標姿勢や目標出庫位置PE1を補正することなく、自車両と出庫可能空間S1の境界線との接触を回避する出庫経路R1が生成される(図9)。
従って、十分に広い車路幅・駐車枠幅を有する駐車環境の場合、到達後の走行に有利な目標姿勢や目標出庫位置PE1を保ったままで出庫経路R1が生成される。
実施例1の駐車支援方法において、出庫経路生成ステップ(S52,S53,S54)は、車路Saの向きを自車両の目標姿勢とする。車路Saの車路幅方向の中央位置を目標出庫位置PEとして出庫経路を探索したとき、自車両と出庫可能空間Sの境界線との接触を回避できないと判定されると、目標出庫位置PEを、車路Saの中央位置から補正して出庫経路Rを生成する。
例えば、ある出庫経路を探索したとき、自車両と出庫可能空間の境界線との接触を回避できないと判定されると、目標姿勢や目標出庫位置を変えることなく、出庫経路を異ならせて探索する手法がある。しかし、狭い車路幅や狭い駐車枠幅の駐車環境のときは、複数回の出庫経路を探索が必要になったり、複数回の探索接触を行っても、接触を回避する出庫経路を生成できなかったりする場合がある。
これに対し、出庫可能空間Sの範囲内において、接触を回避する出庫経路Rを生成できない場合、出庫目標位置PEを補正することによって、接触を回避する出庫経路Rを生成する自由度が増大する。このため、狭い車路幅や狭い駐車枠幅の駐車環境であっても、少ない探索によって出庫経路Rが生成される。
実施例1の駐車支援方法において、出庫経路生成ステップ(S52:図6)は、出庫可能空間S2の車路幅に制限があるとき、目標出庫位置PE2を、車路Sa’の中央位置から車路幅方向の手前側位置へ移動補正する。
即ち、車路幅が狭い駐車環境のとき、目標出庫位置PE2として車路Sa’の中央を選択すると、自車両の前方と対面側の車路Sa’の境界線とが接触する。この接触を回避するためには、x軸方向の目標出庫位置PE2をマイナス方向に移動させることが、出庫経路R2を生成する上で有効である。
従って、車路幅が狭い駐車環境のとき、目標出庫位置PE2を補正することで、探索回数を少なくして出庫経路R2が生成される。
実施例1の駐車支援方法において、出庫経路生成ステップ(S53:図7)は、出庫可能空間S3の駐車枠幅に制限があるとき、目標出庫位置PE3を、車路Saの中央位置から車路幅方向の奥側位置へ移動補正する。
即ち、駐車枠幅が狭い駐車環境のとき、目標出庫位置PE3として車路Saの中央を選択すると、自車両の側面と駐車枠Sbの境界線とが接触する。この接触を回避するためには、x軸方向の目標出庫位置PE3をプラス方向に移動させることが、出庫経路R3を生成する上で有効である。
従って、駐車枠幅が狭い駐車環境のとき、目標出庫位置PE3を補正することで、探索回数を少なくして出庫経路R3が生成される。
実施例1の駐車支援方法において、庫経路生成ステップ(S54:図8)は、出庫可能空間S4の車路幅と駐車枠幅の両方に制限があるとき、目標出庫位置PE4を、車路Sa’の中央位置から車路幅方向と駐車枠幅方向へ移動補正する。そして、自車両が出庫する旋回方向とは逆方向への回頭予備動作を生成する。
即ち、車路幅と駐車枠幅が共に狭い駐車環境のときは、目標出庫位置PE4として車路Sa’の中央を選択すると、自車両の側面と駐車枠Sbの境界線との接触、自車両の前面と車路Saの境界線との接触などが回避できない。さらに、目標出庫位置PE4を移動補正するだけでは、接触を回避する出庫経路を生成できない場合がある。このため、目標出庫位置PE4を補正すると共に回頭予備動作を加えることが、出庫経路R4を生成する上で有効である。
従って、車路幅と駐車枠幅が共に狭い駐車環境のとき、目標出庫位置PE4を補正すると共に回頭予備動作を加えることで、探索回数を少なくして出庫経路R4が生成される。
次に、効果を説明する。
実施例1における駐車支援方法及び駐車支援装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) 駐車枠から自車両が出庫する際に出庫を支援する駐車支援方法において、出庫可能空間設定ステップ(S34)と、出庫経路生成ステップ(S51,S52,S53,S54)と、を有する。
出庫可能空間設定ステップ(S34)は、自車両が出庫を開始する際、予め記憶されている車路Saと駐車枠Sbの情報からなる走行可能空間に基づいて出庫可能空間Sを設定する。
出庫経路生成ステップ(S51,S52,S53,S54)は、出庫可能空間Sが設定されると、駐車枠Sbの出庫開始位置PSから車路Saの範囲内に設定された目標出庫位置PEに至る出庫経路Rを生成する。(図4)。
このため、自車両が出庫を開始する際、記憶情報に基づいて車路Saを含む出庫可能空間Sを設定することで、出庫支援が可能なシーンを拡大する駐車支援方法を提供することができる。
(2) 出庫可能空間設定ステップ(S34)は、駐車枠Sbへ自車両が入庫する際に取得した周辺環境の情報を記憶しておく(S31)。自車両が出庫を開始する際(S32)、自車両が入庫する際に記憶しておいた周辺環境の情報を読み出し(S33)、出庫可能空間Sを設定する(図4)。
このため、(1)の効果に加え、現実に自車両が駐車する駐車枠Sbの周辺環境情報との一致性が高くなり、自車両の出庫経路Rが生成される出庫可能空間Sの設定精度を向上させることができる。
(3) 出庫経路生成ステップ(S51,S52,S53,S54)は、車路Saの向きを自車両の目標姿勢とし、車路Saの車路幅方向の中央位置を目標出庫位置PE1の基準点として設定する(図5)。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、十分に広い車路幅・駐車枠幅を有する駐車環境の場合、到達後の走行に有利な目標姿勢や目標出庫位置PE1を保ったままで、出庫経路R1を生成することができる。
(4) 出庫経路生成ステップ(S52,S53,S54)は、車路Saの向きを自車両の目標姿勢とする。車路Saの車路幅方向の中央位置を目標出庫位置PEとして出庫経路を探索したとき、自車両と出庫可能空間Sの境界線との接触を回避できないと判定されると、目標出庫位置PEを、車路Saの中央位置から補正して出庫経路Rを生成する(図6〜8)。
このため、(3)の効果に加え、狭い車路幅や狭い駐車枠幅の駐車環境であっても、少ない探索によって出庫経路Rを生成することができる。
(5) 出庫経路生成ステップ(S52)は、出庫可能空間S2の車路幅に制限があるとき、目標出庫位置PE2を、車路Sa’の中央位置から車路幅方向の手前側位置へ移動補正する(図6)。
このため、(4)の効果に加え、車路幅が狭い駐車環境のとき、目標出庫位置PE2を補正することで、探索回数を少なくして出庫経路R2を生成することができる。
(6) 出庫経路生成ステップ(S53)は、出庫可能空間S3の駐車枠幅に制限があるとき、目標出庫位置PE3を、車路Saの中央位置から車路幅方向の奥側位置へ移動補正する(図7)。
このため、(4)の効果に加え、駐車枠幅が狭い駐車環境のとき、目標出庫位置PE3を補正することで、探索回数を少なくして出庫経路R3を生成することができる。
(7) 出庫経路生成ステップ(S54)は、出庫可能空間S4の車路幅と駐車枠幅の両方に制限があるとき、目標出庫位置PE4を、車路Saの中央位置から車路幅方向と駐車枠幅方向へ移動補正する。自車両が出庫する旋回方向とは逆方向への回頭予備動作を生成する(図8)。
このため、(4)の効果に加え、車路幅と駐車枠幅が共に狭い駐車環境のとき、目標出庫位置PE4を補正すると共に回頭予備動作を加えることで、探索回数を少なくして出庫経路R4を生成することができる。
(8) 駐車枠から自車両が出庫する際に出庫を支援する駐車支援コントローラ(駐車支援演算用ECU27)を備える。
この駐車支援装置において、駐車支援コントローラ(駐車支援演算用ECU27)は、出庫可能空間設定部272と、出庫経路生成部273と、を有する。
出庫可能空間設定部272は、自車両が出庫を開始する際、予め記憶されている車路Saと駐車枠Sbの情報からなる走行可能空間に基づいて出庫可能空間Sを設定する。
出庫経路生成部273は、出庫可能空間Sが設定されると、駐車枠Sbの出庫開始位置PSから車路Saの範囲内に設定された目標出庫位置PEに至る出庫経路Rを生成する(図2)。
このため、自車両が出庫を開始する際、記憶情報に基づいて車路Sbを含む出庫可能空間Sを設定することで、出庫支援が可能なシーンを拡大する駐車支援装置を提供することができる。
以上、本発明の駐車支援方法及び駐車支援装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、出庫可能空間設定部272として、駐車枠Sbへ自車両が入庫する際に空間認識センサ21により取得した周辺環境の情報を記憶しておく(S31)。そして、自車両が出庫を開始する際(S32)、自車両が入庫する際に記憶しておいた周辺環境の情報を読み出し(S33)、出庫可能空間Sを設定する(S34)例を示した。しかし、出庫可能空間設定部としては、事前の周囲環境の情報を、駐車場地図データベースの駐車場地図情報により取得するものであっても良い。さらに、駐車場地図情報と周辺環境のセンサ取得情報とを併用し、例えば、駐車場地図情報を優先し、駐車場地図情報を取得できないときにセンサ取得による周辺環境の情報を用いるような例としても良い。さらに、周辺環境のセンサ取得情報を優先し、周辺環境の情報を取得できないときに駐車場地図情報を用いるような例としても良い。
実施例1では、出庫経路生成部273(S52,S53,S54)として、車路Saの向きを自車両の目標姿勢とし、車路Saの車路幅方向の中央位置を目標出庫位置PEとして出庫経路を探索する。そして、探索した出庫経路では自車両と出庫可能空間Sの境界線との接触を回避できないと判定されると、目標出庫位置PEを、車路Saの中央位置から補正して出庫経路Rを生成する例を示した。しかし、出庫経路生成部としては、探索した出庫経路では自車両と出庫可能空間の境界線との接触を回避できないと判定されると、駐車時の出庫開始位置を、接触を回避する出庫経路が生成できる出庫開始位置に移動補正する例であっても良い。出庫開始位置の移動補正のために、切返し動作を加えることになる。
実施例1では、本発明の駐車支援方法及び駐車支援装置を、駐車支援システムを搭載した運転支援車両に適用する例を示した。しかし、本発明の駐車支援方法及び駐車支援装置は、駐車支援システムを含む様々なシステムを搭載した半自動運転車両や自動運転車両に対しても適用することができる。要するに、駐車枠から自車両が出庫する際に出庫を支援する駐車支援機能を備えた車両であれば適用できる。
21 空間認識センサ
22 出庫開始スイッチ
23 駐車場地図データベース
24 車輪速センサ
25 操舵角センサ
26 センサ情報処理部
27 駐車支援演算用ECU(駐車支援コントローラ)
271 駐車時走行可能空間記憶部
272 出庫可能空間設定部
273 出庫経路生成部
274 出庫開始位置設定ブロック
275 目標庫位置設定ブロック
276 出庫経路生成ブロック
277 目標出庫位置補正ブロック
278 制御指令算出部
28 車両制御用ECU
29 画像処理部
210 アクチュエータ
211 表示モニタ
S 出庫可能空間
Sa 車路
Sb 駐車枠
R 出庫経路
PS 出庫開始位置
PE 目標出庫位置

Claims (8)

  1. 駐車枠から自車両が出庫する際に出庫を支援する駐車支援方法において、
    自車両が出庫を開始する際、予め記憶されている車路と駐車枠の情報からなる走行可能空間に基づいて出庫可能空間を設定する出庫可能空間設定ステップと、
    前記出庫可能空間が設定されると、前記駐車枠の出庫開始位置から前記車路の範囲内に設定された目標出庫位置に至る出庫経路を生成する出庫経路生成ステップと、
    を有することを特徴とする駐車支援方法。
  2. 請求項1に記載された駐車支援方法において、
    前記出庫可能空間設定ステップは、前記駐車枠へ自車両が入庫する際に取得した周辺環境の情報を記憶しておき、自車両が出庫を開始する際、自車両が入庫する際に記憶しておいた周辺環境の情報を読み出し、前記出庫可能空間を設定する
    ことを特徴とする駐車支援方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された駐車支援方法において、
    前記出庫経路生成ステップは、前記車路の向きを自車両の目標姿勢とし、前記車路の車路幅方向の中央位置を目標出庫位置の基準点として設定する
    ことを特徴とする駐車支援方法。
  4. 請求項3に記載された駐車支援方法において、
    前記出庫経路生成ステップは、前記車路の向きを自車両の目標姿勢とし、前記車路の車路幅方向の中央位置を目標出庫位置として出庫経路を探索したとき、自車両と前記出庫可能空間の境界線との接触を回避できないと判定されると、前記目標出庫位置を、前記車路の中央位置から補正して出庫経路を生成する
    ことを特徴とする駐車支援方法。
  5. 請求項4に記載された駐車支援方法において、
    前記出庫経路生成ステップは、前記出庫可能空間の車路幅に制限があるとき、前記目標出庫位置を、前記車路の中央位置から車路幅方向の手前側位置へ移動補正する
    ことを特徴とする駐車支援方法。
  6. 請求項4に記載された駐車支援方法において、
    前記出庫経路生成ステップは、前記出庫可能空間の駐車枠幅に制限があるとき、前記目標出庫位置を、前記車路の中央位置から車路幅方向の奥側位置へ移動補正する
    ことを特徴とする駐車支援方法。
  7. 請求項4に記載された駐車支援方法において、
    前記出庫経路生成ステップは、前記出庫可能空間の車路幅と駐車枠幅の両方に制限があるとき、前記目標出庫位置を、前記車路の中央位置から車路幅方向と駐車枠幅方向に補正し、かつ、自車両が出庫する旋回方向とは逆方向への回頭予備動作を生成する
    ことを特徴とする駐車支援方法。
  8. 駐車枠から自車両が出庫する際に出庫を支援する駐車支援コントローラを備える駐車支援装置において、
    前記駐車支援コントローラは、
    自車両が出庫を開始する際、予め記憶されている車路と駐車枠の情報からなる走行可能空間に基づいて出庫可能空間を設定する出庫可能空間設定部と、
    前記出庫可能空間が設定されると、前記駐車枠の出庫開始位置から前記車路の範囲内に設定された目標出庫位置に至る出庫経路を生成する出庫経路生成部と、
    を有することを特徴とする駐車支援装置。
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