JP2018091941A - 無端ベルト、中間転写ベルト、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気特性、機械特性、クリーニング性、耐久性、及び転写性を兼ね備えた無端ベルトの提供。
【解決手段】ポリエーテルエーテルケトン及びフィラーを含み、前記フィラーが、カーボン及び金属酸化物を含み、100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下である無端ベルトである。
【選択図】なし
【解決手段】ポリエーテルエーテルケトン及びフィラーを含み、前記フィラーが、カーボン及び金属酸化物を含み、100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下である無端ベルトである。
【選択図】なし
Description
本発明は、無端ベルト、中間転写ベルト、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
従来から、物を搬送する手段として無端ベルトが使用されている。前記無端ベルトの一例として、電子写真方式の画像形成装置内部において用いられている中間転写部材がある。
前記中間転写部材は、電気抵抗の均一性、表面平滑性、機械特性(高屈曲、高弾性、高伸度)、及び高寸法精度(膜厚、周長)が要求される。更に、前記中間転写部材は、前記画像形成装置の広い領域に渡ってレイアウトされ、転写のために高電圧が印加されることから難燃性であることが求められており、UL94規格のVTM−1等が必達となっている。
前記中間転写部材は、電気抵抗の均一性、表面平滑性、機械特性(高屈曲、高弾性、高伸度)、及び高寸法精度(膜厚、周長)が要求される。更に、前記中間転写部材は、前記画像形成装置の広い領域に渡ってレイアウトされ、転写のために高電圧が印加されることから難燃性であることが求められており、UL94規格のVTM−1等が必達となっている。
これらの要求特性を満足できる材料として、難燃性熱可塑性樹脂を用いた中間転写部材が提案されている。例えば、難燃性熱可塑性樹脂の一種であるポリエーテルエーテルケトンと導電性フィラーを含む中間転写部材(例えば、特許文献1参照)が提案されている。前記提案の他にも、ポリマーアロイに導電性フィラーを偏在させた中間転写部材(例えば、特許文献2参照)、及び熱可塑性結晶性樹脂を含む中間転写部材などが挙げられる(例えば、特許文献3参照)。
本発明は、電気特性、機械特性、クリーニング性、耐久性、及び転写性を兼ね備えた無端ベルトを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の無端ベルトは、
ポリエーテルエーテルケトン及びフィラーを含み、
前記フィラーが、カーボン及び金属酸化物を含み、
100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下である。
ポリエーテルエーテルケトン及びフィラーを含み、
前記フィラーが、カーボン及び金属酸化物を含み、
100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下である。
本発明によると、電気特性、機械特性、クリーニング性、耐久性、及び転写性を兼ね備えた無端ベルトを提供することができる。
(無端ベルト)
本発明の無端ベルトは、ポリエーテルエーテルケトン(以下、「ポリエーテルエーテルケトン樹脂」、「PEEK」、「PEEK樹脂」とも称する)及びフィラーを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
本発明の無端ベルトは、ポリエーテルエーテルケトン(以下、「ポリエーテルエーテルケトン樹脂」、「PEEK」、「PEEK樹脂」とも称する)及びフィラーを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
従来から、ポリイミド樹脂を含有する耐熱性無端ベルトが提案されている。前記ポリイミド樹脂から前記耐熱性無端ベルトを製作する技術としては、例えば、以下の方法がある。ポリイミドワニスを金属で構成される円筒体の外周面にキャスト成形した後、このキャスト成形したポリイミドワニスを加熱してイミド化することによりポリイミド無端ベルトとする方法である。しかしながら、この技術には、材料コストが高いという問題とイミド化工程に時間がかかり、製造コストも高くなるという問題がある。更に、寸法規格が変更される度に新たな金型が必要になるので、金型が多数個必要となり、そのために、イニシャルコストが高くなるという問題があった。
中間転写部材は電子写真装置の中でも高価格の部品であり、コストダウンが強く要求されている。低コスト化するために、熱可塑性樹脂を用い、押し出し成形あるいはインフレーション成形工法で成形できれば、非常に安価に製造できる。
難燃性熱可塑性樹脂としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PVDF(ポリ塩化ビニリデン)等のフッ素系樹脂、ポリアリレート樹脂、PES(ポリエーテルサルフォン)樹脂、PS(ポリサルフォン)樹脂、PEI(ポリエーテルイミド)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、TPI(熱可塑性ポリイミド)、LCP(液晶ポリマー)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、TPE(熱可塑性エラストマー)等が研究・実用化されている。
難燃性熱可塑性樹脂としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PVDF(ポリ塩化ビニリデン)等のフッ素系樹脂、ポリアリレート樹脂、PES(ポリエーテルサルフォン)樹脂、PS(ポリサルフォン)樹脂、PEI(ポリエーテルイミド)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、TPI(熱可塑性ポリイミド)、LCP(液晶ポリマー)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、TPE(熱可塑性エラストマー)等が研究・実用化されている。
特許第5581740号公報では、ポリマーアロイにおいてその分散相内に導電性フィラーを偏在させることにより、従来困難であった中抵抗領域での抵抗率制御を可能にする提案がなされている。しかし、ポリマーアロイによる電気特性の調整を行うと抵抗率を出すのは容易であるが、以下の問題が発生する。
・抵抗値の周方向ばらつきが生じる
・粗さやグロスなどの表面性が悪化する
・不均一な分散状態に由来すると思われる局所的な異常放電が発生する
上記の問題の結果、クリーニング性や転写性を悪化させることがある。そのため、製品としての機能を得るために、トナーやブレードなどのハード面や、転写電界等のソフト面で吸収させなければならないという課題が残っていた。
そこで、本発明者らが、鋭意検討した結果、以下の条件を全て満たした無端ベルトが、トナー等の微粒子クリーニング性及び転写性が高まることを突き止めた。
・樹脂としてポリエーテルエーテルケトンを用いる
・フィラーとして、金属酸化物及びカーボンを用いる
・100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下
・抵抗値の周方向ばらつきが生じる
・粗さやグロスなどの表面性が悪化する
・不均一な分散状態に由来すると思われる局所的な異常放電が発生する
上記の問題の結果、クリーニング性や転写性を悪化させることがある。そのため、製品としての機能を得るために、トナーやブレードなどのハード面や、転写電界等のソフト面で吸収させなければならないという課題が残っていた。
そこで、本発明者らが、鋭意検討した結果、以下の条件を全て満たした無端ベルトが、トナー等の微粒子クリーニング性及び転写性が高まることを突き止めた。
・樹脂としてポリエーテルエーテルケトンを用いる
・フィラーとして、金属酸化物及びカーボンを用いる
・100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下
<ポリエーテルエーテルケトン>
前記ポリエーテルエーテルケトンは、前記無端ベルトの成形性を向上させ、機械特性を向上させるために含有される。
前記ポリエーテルエーテルケトンとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品を用いる場合、原料内にあらかじめ含まれている反応物や触媒、残渣などが存在しても良い。
前記市販品としては、例えば、ベスタキープL4000G(ダイセル・エボニック社製)、151G、450PF(以上、Victrex社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記PEEKとしては、異なる分子量の前記PEEKを2種類以上用いることが好ましい。異なる分子量の前記PEEKを2種類以上用いることにより、前記無端ベルトを製造する際に、前記無端ベルト材料の粘度を調節することが容易になる、前記無端ベルトの成形性、電気特性が向上する。
前記ポリエーテルエーテルケトンは、前記無端ベルトの成形性を向上させ、機械特性を向上させるために含有される。
前記ポリエーテルエーテルケトンとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品を用いる場合、原料内にあらかじめ含まれている反応物や触媒、残渣などが存在しても良い。
前記市販品としては、例えば、ベスタキープL4000G(ダイセル・エボニック社製)、151G、450PF(以上、Victrex社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記PEEKとしては、異なる分子量の前記PEEKを2種類以上用いることが好ましい。異なる分子量の前記PEEKを2種類以上用いることにより、前記無端ベルトを製造する際に、前記無端ベルト材料の粘度を調節することが容易になる、前記無端ベルトの成形性、電気特性が向上する。
<フィラー>
前記フィラーは、カーボン及び金属酸化物を含む。前記フィラーがカーボンのみであると、電圧依存性、及び抵抗偏差などの電気特性、並びに転写性が悪化する。前記フィラーが金属酸化物のみであると、表面抵抗率、耐久性、及び転写性が悪化する。
これまでにも、樹脂とフィラーとを含む無端ベルトは提案されている。前記フィラーとしては、カーボンブラックによる導電とイオン導電材による導電とを組み合わせることが多い。前記カーボンブラックと前記イオン導電材とを組合せたフィラーを含む樹脂組成物は、ハイブリッド導電性の樹脂組成物とも呼ばれる。一般に、前記ハイブリッド導電性の樹脂組成物を用いた無端ベルトにおいては、カーボンブラックの添加量に対するイオン導電剤の添加量の比を高めると、電圧依存性が良化するが環境依存性が悪化することが知られている。一方で、カーボンブラックの添加量に対するイオン導電剤の添加量の比を低めると、電圧依存性が悪化するが環境依存性が良化することが知られている。したがって、電圧依存性と環境依存性のトレードオフは原理的に避けることができない。これに加えて、抵抗率の位置ばらつき、及び抵抗率の異方性等の特性(以下、「抵抗偏差」と称する)も考慮すると、全ての面において優れた電気特性を持つ無端ベルトは非常に得難かった。従来の前記無端ベルトでは、どれか一つの電気特性を妥協せざるを得ないのが実情であり、特に抵抗値の周方向ばらつきがその妥協点となることが多かった。
このため、本発明では、イオン導電剤に代えて金属酸化物を用いることによって、電圧依存性、環境依存性、抵抗値の周方向ばらつき、抵抗率の異方性を解決した。ただし、イオン導電剤を添加したとしても、本発明の効果を損なわない限りにおいては、イオン導電剤の併用も可能である。
前記フィラーは、カーボン及び金属酸化物を含む。前記フィラーがカーボンのみであると、電圧依存性、及び抵抗偏差などの電気特性、並びに転写性が悪化する。前記フィラーが金属酸化物のみであると、表面抵抗率、耐久性、及び転写性が悪化する。
これまでにも、樹脂とフィラーとを含む無端ベルトは提案されている。前記フィラーとしては、カーボンブラックによる導電とイオン導電材による導電とを組み合わせることが多い。前記カーボンブラックと前記イオン導電材とを組合せたフィラーを含む樹脂組成物は、ハイブリッド導電性の樹脂組成物とも呼ばれる。一般に、前記ハイブリッド導電性の樹脂組成物を用いた無端ベルトにおいては、カーボンブラックの添加量に対するイオン導電剤の添加量の比を高めると、電圧依存性が良化するが環境依存性が悪化することが知られている。一方で、カーボンブラックの添加量に対するイオン導電剤の添加量の比を低めると、電圧依存性が悪化するが環境依存性が良化することが知られている。したがって、電圧依存性と環境依存性のトレードオフは原理的に避けることができない。これに加えて、抵抗率の位置ばらつき、及び抵抗率の異方性等の特性(以下、「抵抗偏差」と称する)も考慮すると、全ての面において優れた電気特性を持つ無端ベルトは非常に得難かった。従来の前記無端ベルトでは、どれか一つの電気特性を妥協せざるを得ないのが実情であり、特に抵抗値の周方向ばらつきがその妥協点となることが多かった。
このため、本発明では、イオン導電剤に代えて金属酸化物を用いることによって、電圧依存性、環境依存性、抵抗値の周方向ばらつき、抵抗率の異方性を解決した。ただし、イオン導電剤を添加したとしても、本発明の効果を損なわない限りにおいては、イオン導電剤の併用も可能である。
<<カーボン>>
前記カーボンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、非導電性の炭素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。
前記カーボンブラック(「CB」と称することもある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カーボンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、非導電性の炭素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。
前記カーボンブラック(「CB」と称することもある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カーボンのDBP吸油量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記カーボン100gに対し、220g以上が好ましく、300g以上がより好ましい。前記DBP吸油量が、前記カーボン100gに対し220g以上であることにより、前記フィラーのトータルの添加量を減らすことができるため、機械強度、及び成形性を向上させることができる。
前記DBP吸油量とは、ASTM(アメリカ標準試験法)D−2414−6TTによって測定されたもので、カーボン100gに吸収されたDBP(ジブチルフタレート)の量を示したものである。また、前記DBP吸油量は、JIS K6217に規定された方法に従って、ジブチルフタレートアブソープトメータを用いて以下のように測定することができる。測定装置(アブソープトメータ)のチャンバー内に測定試料であるカーボンを入れ、一定速度でDBPを加える。DBPを吸収するに従い、前記カーボンの粘度は上昇する。前記粘度が、所定値に達した時までに吸収したDBPの量に基づいて、前記DBP吸油量を算出する。前記粘度の検出は、トルクセンサーで行う。
なお、前記カーボンとしては、DBP吸油量が前記カーボン100gあたり、200g以上のカーボン(以下、「高DBP吸油量のカーボン」とも称する)単独で用いてもよく、DBP吸油量が前記カーボン100gあたり、200g未満のカーボン(以下、「低DBP吸油量のカーボン」とも称する)を併用してもよい。
前記低DBP吸油量のカーボンの含有量としては、前記高DBP吸油量のカーボンの100質量部に対して、36質量部以下であることが好ましい。
前記DBP吸油量とは、ASTM(アメリカ標準試験法)D−2414−6TTによって測定されたもので、カーボン100gに吸収されたDBP(ジブチルフタレート)の量を示したものである。また、前記DBP吸油量は、JIS K6217に規定された方法に従って、ジブチルフタレートアブソープトメータを用いて以下のように測定することができる。測定装置(アブソープトメータ)のチャンバー内に測定試料であるカーボンを入れ、一定速度でDBPを加える。DBPを吸収するに従い、前記カーボンの粘度は上昇する。前記粘度が、所定値に達した時までに吸収したDBPの量に基づいて、前記DBP吸油量を算出する。前記粘度の検出は、トルクセンサーで行う。
なお、前記カーボンとしては、DBP吸油量が前記カーボン100gあたり、200g以上のカーボン(以下、「高DBP吸油量のカーボン」とも称する)単独で用いてもよく、DBP吸油量が前記カーボン100gあたり、200g未満のカーボン(以下、「低DBP吸油量のカーボン」とも称する)を併用してもよい。
前記低DBP吸油量のカーボンの含有量としては、前記高DBP吸油量のカーボンの100質量部に対して、36質量部以下であることが好ましい。
前記カーボンは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記高DBP吸油量のカーボンブラックの市販品としては、例えば、EC600JD(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)、specialblack4、PrintexU(以上、Orion社)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記低DBP吸油量のカーボンブラックの市販品としては、デンカブラック(電気化学工業株式会社)、トーカブラック(東海カーボン株式会社)、VXC72R(Cabot社)、SB400、X15(以上、旭カーボン株式会社)、3400B(三菱化学株式会社)などが挙げられる。
<<金属酸化物>>
前記金属酸化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化バナジウム、酸化スカンジウムなどが挙げられる。また、前記金属酸化物には、窒化物、炭化物を含有、固溶させたものであってもよく、二種類以上の金属を含む複合酸化物でもよい。前記金属酸化物の結晶構造としては、アモルファスであってもよい。金属酸化物に被覆された、又は金属酸化物を被覆したものでもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、製造コストを抑えられる点から、酸化亜鉛が好ましい。
前記金属酸化物を無端ベルトに用いる際には、導電性を得るなどの理由で、前記金属酸化物結晶に対してアクセプター又はドナーとして作用する金属を更にドーピングすることが多い。ドーピングに用いる金属に導電性のない金属酸化物が含有されてもよい。前記ドーピングに用いる金属としては、例えば、B、Al、Ga、In、Tl、N、P、As、Sb、Bi、Sc、Y、Ti、Zr、Hfなどが挙げられる。
前記金属酸化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化バナジウム、酸化スカンジウムなどが挙げられる。また、前記金属酸化物には、窒化物、炭化物を含有、固溶させたものであってもよく、二種類以上の金属を含む複合酸化物でもよい。前記金属酸化物の結晶構造としては、アモルファスであってもよい。金属酸化物に被覆された、又は金属酸化物を被覆したものでもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、製造コストを抑えられる点から、酸化亜鉛が好ましい。
前記金属酸化物を無端ベルトに用いる際には、導電性を得るなどの理由で、前記金属酸化物結晶に対してアクセプター又はドナーとして作用する金属を更にドーピングすることが多い。ドーピングに用いる金属に導電性のない金属酸化物が含有されてもよい。前記ドーピングに用いる金属としては、例えば、B、Al、Ga、In、Tl、N、P、As、Sb、Bi、Sc、Y、Ti、Zr、Hfなどが挙げられる。
前記金属酸化物としては、適宜合成したものでも、市販品であってもよい。前記市販品としては、例えば、SP−2(三菱マテリアル電子化成株式会社)、pazetCK(ハクスイテック社)などが挙げられる。
前記フィラーの含有量としては、前記PEEK100質量部に対して、18質量部〜36質量部が好ましく、20質量部〜30質量部がより好ましい。前記含有量が、18質量部〜36質量部であると、表面粗さを適切にすること、及び機械強度を向上させることができる。
前記金属酸化物の含有質量としては、前記カーボンの含有質量以上であることが好ましい。前記金属酸化物の含有質量が、前記カーボンの含有質量以上であると、電気特性が向上する。
前記金属酸化物の含有質量としては、前記カーボンの含有質量以上であることが好ましい。前記金属酸化物の含有質量が、前記カーボンの含有質量以上であると、電気特性が向上する。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の特徴を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーンオイル等の潤滑剤;金属等の導電剤;タルク、カーボンナノチューブ、シリカ、ジルコニア等の非導電性酸化物;前記PEEK以外のポリマーアロイなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記その他の成分としては、本発明の特徴を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーンオイル等の潤滑剤;金属等の導電剤;タルク、カーボンナノチューブ、シリカ、ジルコニア等の非導電性酸化物;前記PEEK以外のポリマーアロイなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<無端ベルトの物性>
本発明の無端ベルトは、以下の特性、機械特性、電気特性を満たしていることが好ましい。
本発明の無端ベルトは、以下の特性、機械特性、電気特性を満たしていることが好ましい。
(1)特性
前記無端ベルトの示差走査熱量測定(DSC)の150℃〜200℃におけるピーク(以下、「結晶化吸熱ピーク」、「ΔH」とも称する)としては、10J/g未満が好ましく、5J/g未満がより好ましく、有意なピークが検出されない(0J/g)ことが更に好ましい。前記ΔHが前記数値範囲であると、通紙耐久を行った時のベルトの表面性の変化が大きくなったり、ベルトが破断したりする、という不具合を防止できる。
前記ΔHは、前記無端ベルトにおけるPEEKの結晶の割合、前記フィラーの分散の様子、前記無端ベルトを製造する際の熱履歴(熱のかけ方)などで調節することができる。
前記DSCは、例えば、ThermoPlusEVO2(株式会社リガク製)を用いてAlパンを使用し、10℃/minの測定によって大気雰囲気下で計測する。TG測定の際は、Ptパンを使用し、990℃までの測定を行う。
前記無端ベルトの示差走査熱量測定(DSC)の150℃〜200℃におけるピーク(以下、「結晶化吸熱ピーク」、「ΔH」とも称する)としては、10J/g未満が好ましく、5J/g未満がより好ましく、有意なピークが検出されない(0J/g)ことが更に好ましい。前記ΔHが前記数値範囲であると、通紙耐久を行った時のベルトの表面性の変化が大きくなったり、ベルトが破断したりする、という不具合を防止できる。
前記ΔHは、前記無端ベルトにおけるPEEKの結晶の割合、前記フィラーの分散の様子、前記無端ベルトを製造する際の熱履歴(熱のかけ方)などで調節することができる。
前記DSCは、例えば、ThermoPlusEVO2(株式会社リガク製)を用いてAlパンを使用し、10℃/minの測定によって大気雰囲気下で計測する。TG測定の際は、Ptパンを使用し、990℃までの測定を行う。
特許第4799214号公報では、特殊な結晶化度パターンを持つベルトが開示されている。しかし、前記ベルトでは、結晶化吸熱ピーク(ΔH)の高い箇所でのクリーニング性の経時低下や破断の問題が避けられない傾向にある。
本発明の無端ベルトのΔHは、前記無端ベルト全体の結晶化度の平均値として議論することができる。しかし、前記結晶化度の低い箇所では、クリーニング性が悪化する、機械的に破断するなどの傾向があるため、極端にΔHがばらつくベルトは好ましくない。ΔHのばらつきが抑えられない場合は、端部などの機能上重要でない箇所の結晶化度を下げるなどの工夫をすれば、10J/g程度の反応は残っていても問題ない。また、以上のようにΔHは結晶化度を指すために用いている指標でしかないため、結晶化度と対応しているならば、X線回折や引張試験等の機械特性や、比重、密度、硬さ等の特性での議論も同様に可能である。また、膜厚深さ方向でもΔHは異なるのが通常であるが、意図せず冷却機構側のΔHが高まった場合や、意図的に深さ方向のΔHに傾斜をつけたり、逆に均等化させた場合であっても、全体の平均値で議論することが重要である。
本発明の無端ベルトのΔHは、前記無端ベルト全体の結晶化度の平均値として議論することができる。しかし、前記結晶化度の低い箇所では、クリーニング性が悪化する、機械的に破断するなどの傾向があるため、極端にΔHがばらつくベルトは好ましくない。ΔHのばらつきが抑えられない場合は、端部などの機能上重要でない箇所の結晶化度を下げるなどの工夫をすれば、10J/g程度の反応は残っていても問題ない。また、以上のようにΔHは結晶化度を指すために用いている指標でしかないため、結晶化度と対応しているならば、X線回折や引張試験等の機械特性や、比重、密度、硬さ等の特性での議論も同様に可能である。また、膜厚深さ方向でもΔHは異なるのが通常であるが、意図せず冷却機構側のΔHが高まった場合や、意図的に深さ方向のΔHに傾斜をつけたり、逆に均等化させた場合であっても、全体の平均値で議論することが重要である。
なお、前記無端ベルトに含有される成分をより詳細に分析する際には、元素分析としてエネルギー分散型X線分析(EDS)を用いる。前記EDSとしては、例えば、JEM2100M(JEOL製)に付帯の設備が挙げられる。更に、必要に応じて、X線回折(XRD)、誘導結合プラズマ(ICP)を用いた分析などを用いてもよい。
前記無端ベルトのグロスとしては、光沢度10〜150が好ましく、50〜100がより好ましい。なお、前記グロスの値は、クリーニング性と関係している。前記グロスの値が高いと、クリーニング性が良好である。前記グロスの値が、10〜150であれば、以下の不具合を防止することができる。
・画像形成装置のクリーニング性が低下する不具合
・トナー検知センサーの精度が低下するという不具合
・クリーニングブレードがめくれる、又は異音がするなどの現象が起き、クリーニング性が低下するという不具合
なお、クリーニングブレードがめくれる、又は異音がする現象は、前記グロスの値が150を超えたときに発生しやすい。
前記グロスの値は、導電剤フィラーの添加量や、前記無端ベルトにおけるPEEK樹脂の含有量を変化させることで、調節することができる。
前記グロスは、例えば、光沢度計(PG−1、日本電色株式会社製)による20°光沢の測定により、測定することができる。なお、前記クリーニング性とは、微粒子を掻き取ることに優れている性質のことを指す。
・画像形成装置のクリーニング性が低下する不具合
・トナー検知センサーの精度が低下するという不具合
・クリーニングブレードがめくれる、又は異音がするなどの現象が起き、クリーニング性が低下するという不具合
なお、クリーニングブレードがめくれる、又は異音がする現象は、前記グロスの値が150を超えたときに発生しやすい。
前記グロスの値は、導電剤フィラーの添加量や、前記無端ベルトにおけるPEEK樹脂の含有量を変化させることで、調節することができる。
前記グロスは、例えば、光沢度計(PG−1、日本電色株式会社製)による20°光沢の測定により、測定することができる。なお、前記クリーニング性とは、微粒子を掻き取ることに優れている性質のことを指す。
前記無端ベルトには、ジフェニルスルホンが含有される場合がある。前記ジフェニルスルホンは、PEEKの製造の際に用いられる物質である。
前記無端ベルトにおけるジフェニルスルホンの含有量としては、350ppm以下が好ましく、250ppm以下、200ppm以下、150ppm以下、100ppm以下、50ppm以下、30ppm以下の順でより好ましく、5ppm以下が最も好ましい。前記含有量が、350ppm以下であると、以下の不具合を防止できる。
・異常放電等の画質低下を招く不具合
・成形時にガス発生し、成形品の品質を損なう不具合
・ブリードアウトのリスクが増加し、クリーニング性が悪化する不具合
前記ジフェニルスルホンの含有量は、前記無端ベルトの製造において、混練時の温度及び時間、又は成形時の温度及び時間を調節することで調節することができる。
前記ジフェニルスルホンの含有量は、例えば、ガスクロマトグラフィー(G−3000、株式会社日立製作所製)などにより測定することができる。
前記無端ベルトにおけるジフェニルスルホンの含有量としては、350ppm以下が好ましく、250ppm以下、200ppm以下、150ppm以下、100ppm以下、50ppm以下、30ppm以下の順でより好ましく、5ppm以下が最も好ましい。前記含有量が、350ppm以下であると、以下の不具合を防止できる。
・異常放電等の画質低下を招く不具合
・成形時にガス発生し、成形品の品質を損なう不具合
・ブリードアウトのリスクが増加し、クリーニング性が悪化する不具合
前記ジフェニルスルホンの含有量は、前記無端ベルトの製造において、混練時の温度及び時間、又は成形時の温度及び時間を調節することで調節することができる。
前記ジフェニルスルホンの含有量は、例えば、ガスクロマトグラフィー(G−3000、株式会社日立製作所製)などにより測定することができる。
(2)機械特性
前記無端ベルトの曲率R5.0でのMIT試験による耐折性としては、100万回以上が好ましく、120万回以上がより好ましく、150万回以上が更に好ましく、200万回以上が特に好ましい。
前記MIT試験は、MIT−DA(東洋精機株式会社製)を用いて、幅15mmの試験片にて加重500g下の押出方向で測定した値を用いる。
前記無端ベルトの曲率R5.0でのMIT試験による耐折性としては、100万回以上が好ましく、120万回以上がより好ましく、150万回以上が更に好ましく、200万回以上が特に好ましい。
前記MIT試験は、MIT−DA(東洋精機株式会社製)を用いて、幅15mmの試験片にて加重500g下の押出方向で測定した値を用いる。
前記無端ベルトの平均厚みとしては、40μm〜250μmが好ましく、50μm〜100μmがより好ましい。
前記無端ベルトの平均厚みは、例えば、ミツトヨ製マイクロメーターを用いて周方向を10mmピッチで測定することにより求めることができる。
前記無端ベルトの平均厚みは、例えば、ミツトヨ製マイクロメーターを用いて周方向を10mmピッチで測定することにより求めることができる。
前記無端ベルトの表面粗さ(以下、「Rz」と略記する場合がある)としては、0.2μm〜1μmが好ましく、0.2μm〜0.7μmがより好ましく、0.2μm〜0.5μmが更に好ましく、0.2μm〜0.4μmが特に好ましく、0.3μm〜0.4μmが最も好ましい。
前記表面粗さは、例えば、研磨、塗工などにより調整することができる。前記表面粗さが、前記数値範囲内であると、以下の不具合を防止できる。
・ブレード等で微粒子(例えば、トナー)を掻き取りきれない不具合
・ブレードが強いトルクを受け振動したり、めくれてしまったりする不具合
前記表面粗さは、例えば、レーザー顕微鏡(LEXT OLS4100、オリンパス社製)を用いて、表面形状の3D合成を行い、λc=800μm、λs=2.5μm、λf=なしの条件で算出を行うことで、測定できる。
前記表面粗さは、例えば、研磨、塗工などにより調整することができる。前記表面粗さが、前記数値範囲内であると、以下の不具合を防止できる。
・ブレード等で微粒子(例えば、トナー)を掻き取りきれない不具合
・ブレードが強いトルクを受け振動したり、めくれてしまったりする不具合
前記表面粗さは、例えば、レーザー顕微鏡(LEXT OLS4100、オリンパス社製)を用いて、表面形状の3D合成を行い、λc=800μm、λs=2.5μm、λf=なしの条件で算出を行うことで、測定できる。
(3)電気特性
前記無端ベルトの100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性(以下、「表面抵抗率の電圧依存性」と略記する)としては、2桁以下であり、1桁以下が好ましい。前記表面抵抗率の電圧依存性が、2桁を超えると、転写性の低下という不具合が生じる。この転写性の低下は、特に、高転写電界下において起こりやすい。なお、前記無端ベルトを画像形成装置内の中間転写部材として使用した際に、装置内では500Vの電圧がかかることがあるため、前記表面抵抗率の電圧依存性は、100V〜500V間で測定する。
また、印加電圧100Vでの表面抵抗率の常用対数値と、印加電圧500Vでの表面抵抗率の常用対数値との差を「100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性」という。
表面抵抗率の電圧依存性が2桁以下であるということは、例えば、表面抵抗率(500V)が1×1011Ω/□であれば、そのときの表面抵抗率(100V)が1×1012Ω/□以下にあるという意味である。
前記無端ベルトの100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性(以下、「表面抵抗率の電圧依存性」と略記する)としては、2桁以下であり、1桁以下が好ましい。前記表面抵抗率の電圧依存性が、2桁を超えると、転写性の低下という不具合が生じる。この転写性の低下は、特に、高転写電界下において起こりやすい。なお、前記無端ベルトを画像形成装置内の中間転写部材として使用した際に、装置内では500Vの電圧がかかることがあるため、前記表面抵抗率の電圧依存性は、100V〜500V間で測定する。
また、印加電圧100Vでの表面抵抗率の常用対数値と、印加電圧500Vでの表面抵抗率の常用対数値との差を「100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性」という。
表面抵抗率の電圧依存性が2桁以下であるということは、例えば、表面抵抗率(500V)が1×1011Ω/□であれば、そのときの表面抵抗率(100V)が1×1012Ω/□以下にあるという意味である。
前記表面抵抗率の電圧依存性は、例えば、以下の方法により測定することができる。初めに、無端ベルト裏側の表面抵抗率を、ハイレスタUP MCP−HT450型(株式会社三菱化学アナリテック製)のURSプローブを用いて、100V、10s印加した後の値を測定する(100Vにおける表面抵抗率)。次に、前記無端ベルトの裏側の表面抵抗率を、ハイレスタUP MCP−HT450型(株式会社三菱化学アナリテック製)のURSプローブを用いて、500V、10s印加した後の値を測定する(500Vにおける表面抵抗率)。前記100Vにおける表面抵抗率の常用対数値と、前記500Vにおける表面抵抗率の常用対数値との差を算出する。
500Vの電圧を印加した時の前記無端ベルトの表面抵抗率としては、1×108Ω/□〜1×1013Ω/□が好ましく、109Ω/□〜1012Ω/□がより好ましく、1010Ω/□〜1011Ω/□が更に好ましい。前記表面抵抗率が、前記数値範囲であると、以下の不具合防止することができる。
・トナーへの転写電界の不足
・異常放電の発生
・転写性の低下又は異常画像の増加
前記無端ベルトの表面抵抗率は、裏側の表面抵抗率を指す。
前記表面抵抗率は、例えば、研磨、塗工により調整することができる。
前記表面抵抗率は、例えば、ハイレスタUP MCP−HT450型(株式会社三菱化学アナリテック製)のURSプローブを用いて、500V、10s印加後に測定することができる。測定点数としては、例えば、周方向に約20点〜60点、軸方向に2点〜3点を計測し、その平均値、又は最大値−最小値の差を値とする。ただし、抵抗値のばらつき方により、測定点数は適宜選択することができる。なお、一度測定した箇所はしばらくの間正確に測定することはできないため、時間を置いてから測定する。また、前記転写性とは、微粒子を媒体に転写することに優れている性質のことを指す。
なお、前記無端ベルトを成形してから時間が経つにつれて前記表面抵抗率がドリフトすることがある。その場合、最終的には、前記数値範囲に収まるようにすることが好ましいが、成形直後の前記表面抵抗率のみが前記数値範囲に収まっていれば問題はない。
・トナーへの転写電界の不足
・異常放電の発生
・転写性の低下又は異常画像の増加
前記無端ベルトの表面抵抗率は、裏側の表面抵抗率を指す。
前記表面抵抗率は、例えば、研磨、塗工により調整することができる。
前記表面抵抗率は、例えば、ハイレスタUP MCP−HT450型(株式会社三菱化学アナリテック製)のURSプローブを用いて、500V、10s印加後に測定することができる。測定点数としては、例えば、周方向に約20点〜60点、軸方向に2点〜3点を計測し、その平均値、又は最大値−最小値の差を値とする。ただし、抵抗値のばらつき方により、測定点数は適宜選択することができる。なお、一度測定した箇所はしばらくの間正確に測定することはできないため、時間を置いてから測定する。また、前記転写性とは、微粒子を媒体に転写することに優れている性質のことを指す。
なお、前記無端ベルトを成形してから時間が経つにつれて前記表面抵抗率がドリフトすることがある。その場合、最終的には、前記数値範囲に収まるようにすることが好ましいが、成形直後の前記表面抵抗率のみが前記数値範囲に収まっていれば問題はない。
前記無端ベルトの表面抵抗率は、通常、裏側の値を言う。前記裏側とは、前記無端ベルトの内部を指す。前記無端ベルトを画像形成装置に用いた場合、トナーが乗らない側が、裏側となる。
前記無端ベルトの表面抵抗率としては、裏側の値より表側の値の方が高いことが好ましく、同じであることがより好ましい。
前記無端ベルトの表面抵抗率としては、裏側の値より表側の値の方が高いことが好ましく、同じであることがより好ましい。
前記無端ベルトの1V及び1kHzでのインピーダンスとしては、10kΩ〜10MΩが好ましく、100kΩ〜1MΩがより好ましい。前記インピーダンスが、前記数値範囲を満たすと、以下の不具合を防止できる。
・転写電圧を高めた時の転写性が低下する不具合
・転写電界が弱い時の転写性が低下する不具合
前記インピーダンスは、例えば、研磨、塗工により調整することができる。
前記インピーダンスは、例えば、以下の装置及び機材を用いて測定することができる。測定装置としてIM3536(日置電機株式会社製)を用いて、1Vにて測定する。この際に、プローブはL2000、電極はφ30の金属を使用し、膜厚方向に挟むようにして使用する。
・転写電圧を高めた時の転写性が低下する不具合
・転写電界が弱い時の転写性が低下する不具合
前記インピーダンスは、例えば、研磨、塗工により調整することができる。
前記インピーダンスは、例えば、以下の装置及び機材を用いて測定することができる。測定装置としてIM3536(日置電機株式会社製)を用いて、1Vにて測定する。この際に、プローブはL2000、電極はφ30の金属を使用し、膜厚方向に挟むようにして使用する。
本発明の無端ベルトの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、シームレスベルトであることが好ましい。
<無端ベルトの製造方法>
本発明の無端ベルトの製造方法は、溶融混練工程と、押出成形工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の無端ベルトの製造方法は、溶融混練工程と、押出成形工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
特許第4563665号公報では、PEEKに対し5質量部〜40質量部の導電性フィラーを添加し、溶融し、溶融状態のフィルムを60℃〜120℃の温度に制御した冷却ロール又は冷却マンドレルにより冷却固化することなどにより半導電性フィルムを得ることが開示されている。しかし、この発明ではフィルムの結晶化度が低いとクリーニング性や画質の経時寿命が短くなってしまう課題があった。
特定の導電剤配合の系においては、溶融状態のフィルムは以下のような冷却温度により冷却すること又は何も接触させないで結晶化を促すことが好ましい。前記冷却温度としては、120℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましく、160℃以上が更に好ましく、190℃以上が特に好ましく、220℃以上が最も好ましく、250℃±5℃に制御した冷却機構等に接触させることが好ましい。前記結晶化の方法により、機械特性と電気特性のバランスが取りやすいばかりか、クリーニング性の経時耐久性が増すことがわかっている。ただし、冷却機構が複数ある場合はこの限りではない。例えば、以下の2つの条件を満たせば、60℃などの低温冷却装置も導入が可能である。
・第一冷却ロールが60℃、第二冷却ロールが200℃、第三冷却ロールが60℃という構成にする
・過剰なΔHが検出されないような低速の成形条件などを採用する
最適な結晶化度は、ユーザーに求められるフィルムの特性及びフィラーの種類、添加量、及び膜厚等の条件からある幅を持って変化し得るものである。そのため、その都度最適なΔHとそれを実現する成形条件の範囲を模索する必要があり、それ自体が重要な技術である。ローラ、ブレード等のクリーニング機構を有した一般的な電子写真用又は搬送用のシームレスベルトであれば、ΔHは10J/g以下、好ましくは5J/g以下、さらに好ましくは有意なピークが観測されない状態に調整することが好ましい。また、ΔHは、ベルトの位置によりばらつくことが通常であり、この場合は、ベルト全体のΔHの平均値で代表させて考えて良い。ベルトの一部のΔHが10J/gを上回ったとしても直ちに問題とはならない。
特定の導電剤配合の系においては、溶融状態のフィルムは以下のような冷却温度により冷却すること又は何も接触させないで結晶化を促すことが好ましい。前記冷却温度としては、120℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましく、160℃以上が更に好ましく、190℃以上が特に好ましく、220℃以上が最も好ましく、250℃±5℃に制御した冷却機構等に接触させることが好ましい。前記結晶化の方法により、機械特性と電気特性のバランスが取りやすいばかりか、クリーニング性の経時耐久性が増すことがわかっている。ただし、冷却機構が複数ある場合はこの限りではない。例えば、以下の2つの条件を満たせば、60℃などの低温冷却装置も導入が可能である。
・第一冷却ロールが60℃、第二冷却ロールが200℃、第三冷却ロールが60℃という構成にする
・過剰なΔHが検出されないような低速の成形条件などを採用する
最適な結晶化度は、ユーザーに求められるフィルムの特性及びフィラーの種類、添加量、及び膜厚等の条件からある幅を持って変化し得るものである。そのため、その都度最適なΔHとそれを実現する成形条件の範囲を模索する必要があり、それ自体が重要な技術である。ローラ、ブレード等のクリーニング機構を有した一般的な電子写真用又は搬送用のシームレスベルトであれば、ΔHは10J/g以下、好ましくは5J/g以下、さらに好ましくは有意なピークが観測されない状態に調整することが好ましい。また、ΔHは、ベルトの位置によりばらつくことが通常であり、この場合は、ベルト全体のΔHの平均値で代表させて考えて良い。ベルトの一部のΔHが10J/gを上回ったとしても直ちに問題とはならない。
<<溶融混練工程>>
前記溶融混練工程は、前記PEEK樹脂、前記フィラー、前記金属酸化物及び前記その他の成分を溶融混練して溶融混練物を得る工程である。前記溶融混練物としては、ペレット状が好ましい。
前記溶融混練工程は、混練機を用いることが好ましい。前記混練機としては、材料を混合及び分散する目的を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1軸、2軸、ニーダー、粉体混合、手撹拌、バンバリーなどが挙げられる。
前記溶融混練時の温度としては、300℃〜400℃が好ましい。
前記溶融混練工程は、前記PEEK樹脂、前記フィラー、前記金属酸化物及び前記その他の成分を溶融混練して溶融混練物を得る工程である。前記溶融混練物としては、ペレット状が好ましい。
前記溶融混練工程は、混練機を用いることが好ましい。前記混練機としては、材料を混合及び分散する目的を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1軸、2軸、ニーダー、粉体混合、手撹拌、バンバリーなどが挙げられる。
前記溶融混練時の温度としては、300℃〜400℃が好ましい。
<<押出成形工程>>
前記押出成形工程は、前記溶融混練物を押し出し成形する工程であり、押出成形手段により行われる。
前記押出成形工程において、前記ペレットを、環状ダイス等を用いて、押出成形を行い、所望の寸法を有する無端ベルトを製造することができる。
前記押出成形手段としては、通常、環状ダイスを用いてシームレスな筒状フィルムを押出成形するのが最も効率的であるが、Tダイ成形、射出成形、ブロー成形、ロールコート等の塗布方式、インフレーション成形等の各種成形工法を適応してもよい。
成形温度、及び金型温度としては、材料の融点を下回っていても本発明の効果を得る上での問題とはならない。
前記押出成形工程は、前記溶融混練物を押し出し成形する工程であり、押出成形手段により行われる。
前記押出成形工程において、前記ペレットを、環状ダイス等を用いて、押出成形を行い、所望の寸法を有する無端ベルトを製造することができる。
前記押出成形手段としては、通常、環状ダイスを用いてシームレスな筒状フィルムを押出成形するのが最も効率的であるが、Tダイ成形、射出成形、ブロー成形、ロールコート等の塗布方式、インフレーション成形等の各種成形工法を適応してもよい。
成形温度、及び金型温度としては、材料の融点を下回っていても本発明の効果を得る上での問題とはならない。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、切断工程、洗浄工程、乾燥工程などが挙げられる。
本発明の無端ベルトは、電気的、力学的に物体を効率的に吸着、脱離そして搬送し得るための、直接的あるいは中間的な転写体、媒体として、高い耐久性を備えながら用いられることができ、少なくとも電子写真装置を代表とする画像形成装置における紙搬送ベルトや中間転写ベルトとしての利用は好適である。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、現像手段、中間転写体、及び転写手段を有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有する。
前記現像手段としては、像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する手段である。
前記中間転写体としては、前記トナー像を一次転写し、前記トナー像を媒体に二次転写する部材である。
前記転写手段としては、前記一次転写された前記トナー像を媒体に二次転写する手段である。
前記中間転写体(「中間転写ベルト」とも称する)は、本発明の前記無端ベルトからなる。
この場合、前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなるものが好ましい。
本発明の画像形成装置は、現像手段、中間転写体、及び転写手段を有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有する。
前記現像手段としては、像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する手段である。
前記中間転写体としては、前記トナー像を一次転写し、前記トナー像を媒体に二次転写する部材である。
前記転写手段としては、前記一次転写された前記トナー像を媒体に二次転写する手段である。
前記中間転写体(「中間転写ベルト」とも称する)は、本発明の前記無端ベルトからなる。
この場合、前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなるものが好ましい。
本発明の画像形成方法は、現像工程、一次転写工程、及び二次転写工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記現像工程は、像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する工程である。
前記一次転写工程は、前記現像工程において現像された前記トナー像を中間転写体上に転写する工程である。
前記二次転写工程は、前記中間転写体上に一次転写された前記トナー像を媒体に二次転写する工程である。
前記中間転写体(「中間転写ベルト」とも称する)は、本発明の前記無端ベルトからなる。
前記現像工程は、像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する工程である。
前記一次転写工程は、前記現像工程において現像された前記トナー像を中間転写体上に転写する工程である。
前記二次転写工程は、前記中間転写体上に一次転写された前記トナー像を媒体に二次転写する工程である。
前記中間転写体(「中間転写ベルト」とも称する)は、本発明の前記無端ベルトからなる。
前記画像形成装置に装備されるベルト構成部に用いられる無端ベルト(以下、「シームレスベルト」とも称する)について、要部模式図を参照しながら、以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であって本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明に係る製造方法により得られるシームレスベルトをベルト部材として装備する画像形成装置を説明するための要部模式図である。
図1に示すベルト部材を含む中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などにより構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、二次転写ユニット600の二次転写電荷付与手段である二次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
図1に示すベルト部材を含む中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などにより構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、二次転写ユニット600の二次転写電荷付与手段である二次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
また、位置検知用マークが中間転写ベルト501の外周面又は内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト501の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブレード504の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト501の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ514は、中間転写ベルト501が架け渡されている一次転写バイアスローラ507とベルト駆動ローラ508との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト501は、一次転写電荷付与手段である一次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、二次転写対向ローラ510、クリーニング対向ローラ511、及びフィードバック電流検知ローラ512に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、一次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。一次転写バイアスローラ507には、定電流又は定電圧制御された一次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流又は電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト501は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、矢印方向に駆動される。
このベルト部材である中間転写ベルト501は、通常、半導体、又は絶縁体で、単層又は多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
このベルト部材である中間転写ベルト501は、通常、半導体、又は絶縁体で、単層又は多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
二次転写手段である二次転写バイアスローラ605は、二次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。二次転写バイアスローラ605は、二次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501との間に被記録媒体である転写紙Pを挟持するように配設されており、定電流制御される二次転写電源802によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ610は、二次転写バイアスローラ605と二次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙Pを送り込む。また、二次転写バイアスローラ605には、クリーニング手段であるクリーニングブレード608が当接している。該クリーニングブレード608は、二次転写バイアスローラ605の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム200は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム200上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行われる。中間転写ベルト501はベルト駆動ローラ508によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト501の回転に伴って、一次転写バイアスローラ507に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の一次転写が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト501上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、前記Bkトナー像形成は次のように行われる。
図1において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。前記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザー光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器231Kの現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
図1において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。前記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザー光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器231Kの現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム200上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト501のベルト外周面に一次転写される。この一次転写後の感光体ドラム200の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて、感光体クリーニング装置201で清掃される。この感光体ドラム200側では、Bk画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるC画像データの読み取りが始まり、そのC画像データによるレーザー光書き込みによって、感光体ドラム200の表面にC静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット230の回転動作が行われ、C現像機231Cが現像位置にセットされ、C静電潜像がCトナーで現像される。以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像機231Kの場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のM現像機231Mを現像位置に移動させる。これもやはり次のY静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、M及びYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので説明は省略する。
このようにして感光体ドラム200上に順次形成されたBk、C、M、及びYのトナー像は、中間転写ベルト501上の同一面に順次位置合わせされて一次転写される。これにより、中間転写ベルト501上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、前記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pが転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ610のニップで待機している。
そして、二次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と二次転写バイアスローラ605によりニップが形成された二次転写部に、前記中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
そして、二次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と二次転写バイアスローラ605によりニップが形成された二次転写部に、前記中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
このようにして、転写紙Pが二次転写部を通過すると、二次転写電源802によって二次転写バイアスローラ605に印加された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙P上に一括転写(二次転写)される。この転写紙Pは、転写紙ガイド板601に沿って搬送されて、二次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ606との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置210により定着装置270に向けて送られる。そして、この転写紙Pは、定着装置270の定着ローラ271、272のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置270は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、前記ベルト転写後の感光体ドラム200の表面は、感光体クリーニング装置201でクリーニングされ、前記除電ランプ202で均一に除電される。また、転写紙Pにトナー像を二次転写した後の中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード504によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード504は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード504の前記中間転写ベルト501の移動方向上流側には、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材502が設けられている。このトナーシール部材502は、前記残留トナーのクリーニング時に前記ベルトクリーニングブレード504から落下した落下トナーを受け止めて、前記落下トナーが前記転写紙Pの搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材502は、前記クリーニング部材離接機構によって、前記ベルトクリーニングブレード504とともに、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト501のベルト外周面には、前記潤滑剤塗布ブラシ505により削り取られた潤滑剤506が塗布される。該潤滑剤506は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ505に接触するように配設されている。また、中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留電荷は、中間転写ベルト501のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、前記潤滑剤塗布ブラシ505及び前記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、前記中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム200への画像形成は、1枚目の4色目(Y)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト501は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の前記ベルトクリーニングブレード504でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が一次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、前記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット230の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード504を中間転写ベルト501に接触させたままの状態にしてコピー動作を行う。
前記実施形態では、感光体ドラムを一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明は、例えば、図2の要部模式図に一構成例を示すような、複数の感光体ドラムをシームレスベルトからなる一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。
図2は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21Bk、21Y、21M、及び21Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図2は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21Bk、21Y、21M、及び21Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図2において、プリンタ本体10は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部12、画像形成部13、給紙部14、から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(Bk)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びシアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部12に送信する。画像書込部12は、例えば、レーザー光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザー走査光学系であり、前記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部13の各色毎に設けられた像担持体(感光体)21BK、21M、21Y、及び21Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部13は黒(Bk)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、及びシアン(C)用の各像担持体である感光体21Bk、21M、21Y、21Cを備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体21Bk、21M、21Y、及び21Cの周囲には、帯電装置、前記書込部12からのレーザー光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置20Bk、20M、20Y、20C、一次転写手段としての一次転写バイアスローラ23Bk、23M、23Y、23C、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、前記現像装置20Bk、20M、20Y、20Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト22は、各感光体21Bk、21M、21Y、21Cと、各一次転写バイアスローラ23Bk、23M、23Y、23Cとの間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙Pは、給紙部14から給紙された後、レジストローラ16を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト50に担持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50とが接触するところで、前記中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が、二次転写手段としての二次転写バイアスローラ60により二次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、この定着装置15により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、前記二次転写時に転写されずに前記中間転写ベルト22上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング部材25によって中間転写ベルト22から除去される。このベルトクリーニング部材25の下流側には、潤滑剤塗布装置27が配設されている。この潤滑剤塗布装置27は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト22に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。前記導電性ブラシは、中間転写ベルト22に常時接触して、中間転写ベルト22に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト22のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、「部」は、特に断りのない限り「質量部」を表す。
(実施例1)
PEEK1(ベスタキープL4000G、ダイセル・エボニック社製)100質量部、カーボンブラック1(EC600JD、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、DBP給油量:500g/100g)7質量部、及び金属酸化物1(リンドープ酸化スズ、SP−2、三菱マテリアル電子化成株式会社製)15質量部をホッパーに送り、二軸混練機(KZW06、テクノベル社製)を用いて360℃の温度、200rpmの回転数で、溶融混練押出を行った。押し出された樹脂組成物は、冷却水に通した後、ペレタイザー(TSM−125、株式会社タナカ製、毎時100kg)により、ペレット状の樹脂組成物とした。次いで、前記樹脂組成物を、単軸溶融混練機(GT−32、プラスチック工学研究所製)にて直径250mmの円筒状金型を用い、押出成型により円筒状フィルム1を作製した。なお、円筒状フィルム1を作製する際には、溶融混練及び金型の温度は300℃〜400℃の範囲で適宜調整しながら行った。円筒状フィルム1の厚みは60μmであった。厚みは、ミツトヨ製マイクロメーターを用いて周方向を10mmピッチで測定した(以下、厚みの測定は全て実施例1と同様である)。
PEEK1(ベスタキープL4000G、ダイセル・エボニック社製)100質量部、カーボンブラック1(EC600JD、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、DBP給油量:500g/100g)7質量部、及び金属酸化物1(リンドープ酸化スズ、SP−2、三菱マテリアル電子化成株式会社製)15質量部をホッパーに送り、二軸混練機(KZW06、テクノベル社製)を用いて360℃の温度、200rpmの回転数で、溶融混練押出を行った。押し出された樹脂組成物は、冷却水に通した後、ペレタイザー(TSM−125、株式会社タナカ製、毎時100kg)により、ペレット状の樹脂組成物とした。次いで、前記樹脂組成物を、単軸溶融混練機(GT−32、プラスチック工学研究所製)にて直径250mmの円筒状金型を用い、押出成型により円筒状フィルム1を作製した。なお、円筒状フィルム1を作製する際には、溶融混練及び金型の温度は300℃〜400℃の範囲で適宜調整しながら行った。円筒状フィルム1の厚みは60μmであった。厚みは、ミツトヨ製マイクロメーターを用いて周方向を10mmピッチで測定した(以下、厚みの測定は全て実施例1と同様である)。
(実施例2)
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム2を作製した。
・PEEK2(151G、Victrex社)100質量部
・ポリエーテルイミド(PEI、Ultem1000、sabic社製)3.1質量部
・カーボンブラック2(specialblack4、Orion社製、DBP給油量230g/100g)13質量部
・金属酸化物1(リンドープ酸化スズ、SP−2、三菱マテリアル電子化成株式会社製)15質量部
なお、円筒状フィルム2の厚みは60μmであった。
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム2を作製した。
・PEEK2(151G、Victrex社)100質量部
・ポリエーテルイミド(PEI、Ultem1000、sabic社製)3.1質量部
・カーボンブラック2(specialblack4、Orion社製、DBP給油量230g/100g)13質量部
・金属酸化物1(リンドープ酸化スズ、SP−2、三菱マテリアル電子化成株式会社製)15質量部
なお、円筒状フィルム2の厚みは60μmであった。
(実施例3)
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム3を作製した。
・PEEK3(450PF、Victrex社)30質量部
・PEEK4(150PF、Victrex社)70質量部
・カーボンブラック3(PrintexU、Orion社製、DBP給油量350g/100g)10質量部
・金属酸化物2(アルミニウムドープ酸化亜鉛、pazetCK、ハクスイテック社製)15質量部
なお、円筒状フィルム3の厚みは60μmであった。
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム3を作製した。
・PEEK3(450PF、Victrex社)30質量部
・PEEK4(150PF、Victrex社)70質量部
・カーボンブラック3(PrintexU、Orion社製、DBP給油量350g/100g)10質量部
・金属酸化物2(アルミニウムドープ酸化亜鉛、pazetCK、ハクスイテック社製)15質量部
なお、円筒状フィルム3の厚みは60μmであった。
(実施例4)
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム4を作製した。
・PEEK1(ベスタキープL4000G、ダイセル・エボニック社製)100質量部
・カーボンブラック4(デンカブラック、電気化学工業株式会社製、DBP給油量:160g/100g)7質量部
・金属酸化物1(リンドープ酸化スズ、SP−2、三菱マテリアル電子化成株式会社製)10質量部
なお、円筒状フィルム4の厚みは60μmであった。
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム4を作製した。
・PEEK1(ベスタキープL4000G、ダイセル・エボニック社製)100質量部
・カーボンブラック4(デンカブラック、電気化学工業株式会社製、DBP給油量:160g/100g)7質量部
・金属酸化物1(リンドープ酸化スズ、SP−2、三菱マテリアル電子化成株式会社製)10質量部
なお、円筒状フィルム4の厚みは60μmであった。
(実施例5)
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム5を作製した。
・PEEK2(151G、Victrex社)100質量部
・カーボンブラック2(specialblack4、Orion社製、DBP給油量230g/100g)13質量部
・金属酸化物2(アルミニウムドープ酸化亜鉛、pazetCK、ハクスイテック社製)15質量部
なお、円筒状フィルム5の厚みは60μmであった。
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム5を作製した。
・PEEK2(151G、Victrex社)100質量部
・カーボンブラック2(specialblack4、Orion社製、DBP給油量230g/100g)13質量部
・金属酸化物2(アルミニウムドープ酸化亜鉛、pazetCK、ハクスイテック社製)15質量部
なお、円筒状フィルム5の厚みは60μmであった。
(実施例6)
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム6を作製した。
・PEEK3(450PF、Victrex社)100質量部
・カーボンブラック1(EC600JD、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、DBP給油量500g/100g)7質量部
・金属酸化物2(アルミニウムドープ酸化亜鉛、pazetCK、ハクスイテック社製)15質量部
なお、円筒状フィルム6の厚みは60μmであった。
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム6を作製した。
・PEEK3(450PF、Victrex社)100質量部
・カーボンブラック1(EC600JD、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、DBP給油量500g/100g)7質量部
・金属酸化物2(アルミニウムドープ酸化亜鉛、pazetCK、ハクスイテック社製)15質量部
なお、円筒状フィルム6の厚みは60μmであった。
(比較例1)
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム7を作製した。
・ポリマーアロイ(90質量部のPEEK1と、10質量部の熱可塑性ポリイミド(TPI、オーラムPD450、三井化学株式会社製)とを混合させて使用)
・カーボンブラック2(specialblack4、Orion社製、DBP給油量:230g/100g)13質量部
・金属酸化物1(リンドープ酸化スズ、SP−2、三菱マテリアル電子化成株式会社製)15質量部
なお、円筒状フィルム7の厚みは70μmであった。
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム7を作製した。
・ポリマーアロイ(90質量部のPEEK1と、10質量部の熱可塑性ポリイミド(TPI、オーラムPD450、三井化学株式会社製)とを混合させて使用)
・カーボンブラック2(specialblack4、Orion社製、DBP給油量:230g/100g)13質量部
・金属酸化物1(リンドープ酸化スズ、SP−2、三菱マテリアル電子化成株式会社製)15質量部
なお、円筒状フィルム7の厚みは70μmであった。
(比較例2)
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム8を作製した。
・PEEK2(151G、Victrex社製)100質量部
・金属酸化物2(アルミニウムドープ酸化亜鉛、pazetCK、ハクスイテック社製)35質量部
なお、円筒状フィルム8の厚みは80μmであった。
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム8を作製した。
・PEEK2(151G、Victrex社製)100質量部
・金属酸化物2(アルミニウムドープ酸化亜鉛、pazetCK、ハクスイテック社製)35質量部
なお、円筒状フィルム8の厚みは80μmであった。
(比較例3)
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム9を作製した。
・PEEK3(450PF、Victrex社製)100質量部
・カーボンブラック4(デンカブラック、電気化学工業株式会社製、DBP給油量:160g/100g)18質量部
なお、円筒状フィルム9の厚みは60μmであった。
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム9を作製した。
・PEEK3(450PF、Victrex社製)100質量部
・カーボンブラック4(デンカブラック、電気化学工業株式会社製、DBP給油量:160g/100g)18質量部
なお、円筒状フィルム9の厚みは60μmであった。
(比較例4)
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム10を作製した。
・PEEK4(150PF、Victrex社製)100質量部
・カーボンブラック3(PrintexU、Orion社製、DBP給油量:350g/100g)10質量部
・金属酸化物1(リンドープ酸化スズ、SP−2、三菱マテリアル電子化成株式会社製)5質量部
なお、円筒状フィルム10の厚みは55μmであった。
実施例1において、組成を次のように変更した以外は、実施例1と同様に円筒状フィルム10を作製した。
・PEEK4(150PF、Victrex社製)100質量部
・カーボンブラック3(PrintexU、Orion社製、DBP給油量:350g/100g)10質量部
・金属酸化物1(リンドープ酸化スズ、SP−2、三菱マテリアル電子化成株式会社製)5質量部
なお、円筒状フィルム10の厚みは55μmであった。
得られた円筒状のフィルム1〜10をそれぞれ幅300mmにカットし、さらに全周にバフ研磨を施し中間転写ベルト1〜10を得た。得られた中間転写ベルトについて、下記の評価を行った。評価結果は、表1に示した。
<500Vにおける表面抵抗率及び表面抵抗率の電圧依存性>
500Vにおける表面抵抗率及び表面抵抗率の電圧依存性は、中間転写ベルト1〜10の裏側について測定した値である。
前記表面抵抗率の電圧依存性は、以下の方法により測定した。初めに、無端ベルト裏側の表面抵抗率を、ハイレスタUP MCP−HT450型(株式会社三菱化学アナリテック製)のURSプローブを用いて、100V、10s印加した後の値を測定した(100Vにおける表面抵抗率)。次に、前記無端ベルトの裏側の表面抵抗率を、ハイレスタUP MCP−HT450型(株式会社三菱化学アナリテック製)のURSプローブを用いて、500V、10s印加した後の値を測定した(500Vにおける表面抵抗率)。前記100Vにおける表面抵抗率の常用対数値と、前記500Vにおける表面抵抗率の常用対数値との差を算出し、表面抵抗率の電圧依存性とした。
表面抵抗率の電圧依存性、及び表面抵抗率の測定点数は、周方向に約20〜60点、軸方向に2〜3点を計測し、その平均値を測定結果とした。
500Vにおける表面抵抗率及び表面抵抗率の電圧依存性は、中間転写ベルト1〜10の裏側について測定した値である。
前記表面抵抗率の電圧依存性は、以下の方法により測定した。初めに、無端ベルト裏側の表面抵抗率を、ハイレスタUP MCP−HT450型(株式会社三菱化学アナリテック製)のURSプローブを用いて、100V、10s印加した後の値を測定した(100Vにおける表面抵抗率)。次に、前記無端ベルトの裏側の表面抵抗率を、ハイレスタUP MCP−HT450型(株式会社三菱化学アナリテック製)のURSプローブを用いて、500V、10s印加した後の値を測定した(500Vにおける表面抵抗率)。前記100Vにおける表面抵抗率の常用対数値と、前記500Vにおける表面抵抗率の常用対数値との差を算出し、表面抵抗率の電圧依存性とした。
表面抵抗率の電圧依存性、及び表面抵抗率の測定点数は、周方向に約20〜60点、軸方向に2〜3点を計測し、その平均値を測定結果とした。
<結晶化吸熱ピーク(ΔH)>
ΔHは、DSCを用いて測定した。
DSCは、ThermoPlusEVO2(株式会社リガク製)を用いて、Alパンを使用し、10℃/minの測定によって大気雰囲気下で計測し、結晶化吸熱ピークを測定した。測定結果から、下記評価基準に基づき、「ΔH」を評価した。
−評価基準−
◎:ΔHが、5J/g未満
○:ΔHが、5J/g以上40J/g未満
×:ΔHが、40J/g以上
ΔHは、DSCを用いて測定した。
DSCは、ThermoPlusEVO2(株式会社リガク製)を用いて、Alパンを使用し、10℃/minの測定によって大気雰囲気下で計測し、結晶化吸熱ピークを測定した。測定結果から、下記評価基準に基づき、「ΔH」を評価した。
−評価基準−
◎:ΔHが、5J/g未満
○:ΔHが、5J/g以上40J/g未満
×:ΔHが、40J/g以上
<インピーダンス>
前記インピーダンスは、IM3536(日置電機株式会社)を用いて1V及び1kHzにて測定した。プローブはL2000、電極はφ30mmの金属電極を使用し、膜厚方向に挟むようにして使用した。
前記インピーダンスは、IM3536(日置電機株式会社)を用いて1V及び1kHzにて測定した。プローブはL2000、電極はφ30mmの金属電極を使用し、膜厚方向に挟むようにして使用した。
<ジフェニルスルホン含有量>
前記ジフェニルスルホンの含有量は、ガスクロマトグラフィー(G−3000、株式会社日立製作所製)により測定した。
前記ジフェニルスルホンの含有量は、ガスクロマトグラフィー(G−3000、株式会社日立製作所製)により測定した。
<耐折性(MIT試験)>
MIT試験は、中間転写ベルトを幅15mmにカットした試験片を作製し、東洋精機製「MIT−DA」を用いて、加重500g下の押出方向で測定した。
MIT試験は、中間転写ベルトを幅15mmにカットした試験片を作製し、東洋精機製「MIT−DA」を用いて、加重500g下の押出方向で測定した。
<表面粗さ>
前記表面粗さは、レーザー顕微鏡(LEXT OLS4100、オリンパス社製)を用いて、表面形状の3D合成を行い、λc=800μm、λs=2.5μm、λf=なしの条件で算出を行い、表面粗さの測定を行った。
前記表面粗さは、レーザー顕微鏡(LEXT OLS4100、オリンパス社製)を用いて、表面形状の3D合成を行い、λc=800μm、λs=2.5μm、λf=なしの条件で算出を行い、表面粗さの測定を行った。
<光沢度(グロス性)>
前記光沢度は、光沢計(PG−1、日本電色株式会社製)による20°光沢の測定により求めた。測定結果から、下記評価基準に基づき、「光沢度」を評価した。なお、評価基準の数値は、光沢度の値(グロスの値)を示している。
−評価基準−
◎:50以上(150以下)
○:10以上(150以下)
×:10未満
前記光沢度は、光沢計(PG−1、日本電色株式会社製)による20°光沢の測定により求めた。測定結果から、下記評価基準に基づき、「光沢度」を評価した。なお、評価基準の数値は、光沢度の値(グロスの値)を示している。
−評価基準−
◎:50以上(150以下)
○:10以上(150以下)
×:10未満
<成形性>
得られた中間転写ベルトを目視により確認し、ガス発生した痕跡である円状痕(シルバー)の有無、及び粘性の不足や金型温度の不足に起因したベルト上の荒れ(ウロコ・メルトストラクチャー)の有無により、下記の評価基準により成形性を評価した。
−評価基準−
◎:シルバー、及びウロコがない
○:深さ1um以上のシルバー、及びウロコがない
×:深さ1um以上のシルバー、又はウロコがある
得られた中間転写ベルトを目視により確認し、ガス発生した痕跡である円状痕(シルバー)の有無、及び粘性の不足や金型温度の不足に起因したベルト上の荒れ(ウロコ・メルトストラクチャー)の有無により、下記の評価基準により成形性を評価した。
−評価基準−
◎:シルバー、及びウロコがない
○:深さ1um以上のシルバー、及びウロコがない
×:深さ1um以上のシルバー、又はウロコがある
<実機耐久試験(耐久性、転写性、クリーニング性)>
得られた中間転写ベルトを、画像形成装置(RICOH、MP C6502、株式会社リコー製)に搭載し、表面コートしている厚紙(PODグロスコート紙、王子製紙株式会社製、平均厚み128μm)をA4サイズ縦出力、ブラックハーフトーン画像の1万枚通紙を行った。
耐久性については、1万枚通紙後の中間転写ベルトのクラックの有無を、4倍ルーペで目視評価し、以下の評価基準に基づき、耐久性を評価した。
−評価基準(耐久性)−
◎:クラックの発生がない
○:クラックが発生したが、製品としては問題ない
×:クラックが発生し、製品として問題がある
得られた中間転写ベルトを、画像形成装置(RICOH、MP C6502、株式会社リコー製)に搭載し、表面コートしている厚紙(PODグロスコート紙、王子製紙株式会社製、平均厚み128μm)をA4サイズ縦出力、ブラックハーフトーン画像の1万枚通紙を行った。
耐久性については、1万枚通紙後の中間転写ベルトのクラックの有無を、4倍ルーペで目視評価し、以下の評価基準に基づき、耐久性を評価した。
−評価基準(耐久性)−
◎:クラックの発生がない
○:クラックが発生したが、製品としては問題ない
×:クラックが発生し、製品として問題がある
転写性については、1枚目の画像と、1万枚目の画像との画像濃度を目視で観察し、以下の評価基準に基づき、転写性を評価した。
−評価基準(転写性)−
◎:1枚目の画像と1万枚目の画像とが、同程度の画像濃度である
○:1万枚目の画像がわずかに薄いが、問題がない
×:1万枚目の画像が薄く、実施用不可能
−評価基準(転写性)−
◎:1枚目の画像と1万枚目の画像とが、同程度の画像濃度である
○:1万枚目の画像がわずかに薄いが、問題がない
×:1万枚目の画像が薄く、実施用不可能
クリーニング性については、1万枚目の画像との画像を目視で観察し、以下の評価基準に基づき、耐久性を評価した。転写ベルト上のクリーニング
−評価基準(クリーニング性)−
◎:1万枚目の画像には汚れがない
○:1万枚目の画像にわずかに汚れがあるが、問題がない
×:1万枚目の画像に汚れがある
−評価基準(クリーニング性)−
◎:1万枚目の画像には汚れがない
○:1万枚目の画像にわずかに汚れがあるが、問題がない
×:1万枚目の画像に汚れがある
以上から、本発明は電気的、力学的に物体を効率的に吸着、脱離そして搬送し得るための、直接的あるいは中間的な転写体、媒体として、高い耐久性を備えながら用いられることができる。このため、電子写真装置を代表とする画像形成装置における紙搬送ベルトや中間転写ベルトとして好適に利用することができる。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> ポリエーテルエーテルケトン及びフィラーを含み、
前記フィラーが、カーボン及び金属酸化物を含み、
100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下であることを特徴とする無端ベルトである。
<2> 前記金属酸化物の含有質量が、前記カーボンの含有質量以上である前記<1>に記載の無端ベルトである。
<3> 示差走査熱量測定(DSC)において、150℃〜200℃における結晶化吸熱ピークが、10J/g未満である前記<1>から<2>のいずれかに記載の無端ベルトである。
<4> 1V及び1kHzにおけるインピーダンスが、10kΩ〜10MΩである前記<1>から<3>のいずれかに記載の無端ベルトである。
<5> 前記カーボンのDBP吸油量が、前記カーボン100gに対し220g以上である前記<1>から<4>のいずれかに記載の無端ベルトである。
<6> ジフェニルスルホンの含有量が、350ppm以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の無端ベルトである。
<7> 前記ポリエーテルエーテルケトンが、異なる分子量のポリエーテルエーテルケトンを2種類以上含む前記<1>から<6>のいずれかに記載の無端ベルトである。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の無端ベルトからなることを特徴とする中間転写ベルトである。
<9> 像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像が一次転写される中間転写体と、
前記中間転写体上に一次転写された前記トナー像を媒体に二次転写する転写手段と、を有し、
前記中間転写体が、ポリエーテルエーテルケトン及びフィラーを含み、前記フィラーが、カーボン及び金属酸化物を含み、前記中間転写体の100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下、であることを特徴とする画像形成装置である。
<10> 前記中間転写体の示差走査熱量測定(DSC)において、150℃〜200℃における結晶化吸熱ピークが、10J/g未満である前記<9>に記載の画像形成装置である。
<11> 前記中間転写体の1V及び1kHzにおけるインピーダンスが、10kΩ〜10MΩである前記<9>から<10>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<12> 前記カーボンのDBP吸油量が、前記カーボン100gに対し220g以上である前記<9>から<11>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<13> 前記ポリエーテルエーテルケトンが、異なる分子量のポリエーテルエーテルケトンを2種類以上含む前記<9>から<12>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<14> フルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなる前記<9>から<13>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<15> 像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を中間転写体上に転写する一次転写工程と、
前記中間転写体上に一次転写された前記トナー像を媒体に二次転写する二次転写工程と、を含み、
前記中間転写体が、ポリエーテルエーテルケトン及びフィラーを含み、前記フィラーが、カーボン及び金属酸化物を含み、前記中間転写体の100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下、であることを特徴とする画像形成方法である。
<16> 前記中間転写体の示差走査熱量測定(DSC)において、150℃〜200℃における結晶化吸熱ピークが、10J/g未満である前記<15>に記載の画像形成方法である。
<17> 前記中間転写体の1V及び1kHzにおけるインピーダンスが、10kΩ〜10MΩである前記<15>から<16>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<18> 前記カーボンのDBP吸油量が、前記カーボン100gに対し220g以上である前記<15>から<17>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<19> 前記ポリエーテルエーテルケトンが、異なる分子量のポリエーテルエーテルケトンを2種類以上含む前記<15>から<18>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<20> フルカラー画像形成方法であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなる前記<15>から<19>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<1> ポリエーテルエーテルケトン及びフィラーを含み、
前記フィラーが、カーボン及び金属酸化物を含み、
100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下であることを特徴とする無端ベルトである。
<2> 前記金属酸化物の含有質量が、前記カーボンの含有質量以上である前記<1>に記載の無端ベルトである。
<3> 示差走査熱量測定(DSC)において、150℃〜200℃における結晶化吸熱ピークが、10J/g未満である前記<1>から<2>のいずれかに記載の無端ベルトである。
<4> 1V及び1kHzにおけるインピーダンスが、10kΩ〜10MΩである前記<1>から<3>のいずれかに記載の無端ベルトである。
<5> 前記カーボンのDBP吸油量が、前記カーボン100gに対し220g以上である前記<1>から<4>のいずれかに記載の無端ベルトである。
<6> ジフェニルスルホンの含有量が、350ppm以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の無端ベルトである。
<7> 前記ポリエーテルエーテルケトンが、異なる分子量のポリエーテルエーテルケトンを2種類以上含む前記<1>から<6>のいずれかに記載の無端ベルトである。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の無端ベルトからなることを特徴とする中間転写ベルトである。
<9> 像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像が一次転写される中間転写体と、
前記中間転写体上に一次転写された前記トナー像を媒体に二次転写する転写手段と、を有し、
前記中間転写体が、ポリエーテルエーテルケトン及びフィラーを含み、前記フィラーが、カーボン及び金属酸化物を含み、前記中間転写体の100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下、であることを特徴とする画像形成装置である。
<10> 前記中間転写体の示差走査熱量測定(DSC)において、150℃〜200℃における結晶化吸熱ピークが、10J/g未満である前記<9>に記載の画像形成装置である。
<11> 前記中間転写体の1V及び1kHzにおけるインピーダンスが、10kΩ〜10MΩである前記<9>から<10>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<12> 前記カーボンのDBP吸油量が、前記カーボン100gに対し220g以上である前記<9>から<11>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<13> 前記ポリエーテルエーテルケトンが、異なる分子量のポリエーテルエーテルケトンを2種類以上含む前記<9>から<12>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<14> フルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなる前記<9>から<13>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<15> 像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を中間転写体上に転写する一次転写工程と、
前記中間転写体上に一次転写された前記トナー像を媒体に二次転写する二次転写工程と、を含み、
前記中間転写体が、ポリエーテルエーテルケトン及びフィラーを含み、前記フィラーが、カーボン及び金属酸化物を含み、前記中間転写体の100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下、であることを特徴とする画像形成方法である。
<16> 前記中間転写体の示差走査熱量測定(DSC)において、150℃〜200℃における結晶化吸熱ピークが、10J/g未満である前記<15>に記載の画像形成方法である。
<17> 前記中間転写体の1V及び1kHzにおけるインピーダンスが、10kΩ〜10MΩである前記<15>から<16>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<18> 前記カーボンのDBP吸油量が、前記カーボン100gに対し220g以上である前記<15>から<17>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<19> 前記ポリエーテルエーテルケトンが、異なる分子量のポリエーテルエーテルケトンを2種類以上含む前記<15>から<18>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<20> フルカラー画像形成方法であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなる前記<15>から<19>のいずれかに記載の画像形成方法である。
前記<1>から<7>のいずれかに記載の無端ベルト、前記<8>に記載の中間転写ベルト、前記<9>から<14>のいずれかに記載の画像形成装置、及び前記<15>から<20>に記載の画像形成方法は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
10 プリンタ本体
501 中間転写ベルト
10 プリンタ本体
Claims (20)
- ポリエーテルエーテルケトン及びフィラーを含み、
前記フィラーが、カーボン及び金属酸化物を含み、
100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下であることを特徴とする無端ベルト。 - 前記金属酸化物の含有質量が、前記カーボンの含有質量以上である請求項1に記載の無端ベルト。
- 示差走査熱量測定(DSC)において、150℃〜200℃における結晶化吸熱ピークが、10J/g未満である請求項1から2のいずれかに記載の無端ベルト。
- 1V及び1kHzにおけるインピーダンスが、10kΩ〜10MΩである請求項1から3のいずれかに記載の無端ベルト。
- 前記カーボンのDBP吸油量が、前記カーボン100gに対し220g以上である請求項1から4のいずれかに記載の無端ベルト。
- ジフェニルスルホンの含有量が、350ppm以下である請求項1から5のいずれかに記載の無端ベルト。
- 前記ポリエーテルエーテルケトンが、異なる分子量のポリエーテルエーテルケトンを2種類以上含む請求項1から6のいずれかに記載の無端ベルト。
- 請求項1から7のいずれかに記載の無端ベルトからなることを特徴とする中間転写ベルト。
- 像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像が一次転写される中間転写体と、
前記中間転写体上に一次転写された前記トナー像を媒体に二次転写する転写手段と、を有し、
前記中間転写体が、ポリエーテルエーテルケトン及びフィラーを含み、前記フィラーが、カーボン及び金属酸化物を含み、前記中間転写体の100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下、であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記中間転写体の示差走査熱量測定(DSC)において、150℃〜200℃における結晶化吸熱ピークが、10J/g未満である請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体の1V及び1kHzにおけるインピーダンスが、10kΩ〜10MΩである請求項9から10のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記カーボンのDBP吸油量が、前記カーボン100gに対し220g以上である請求項9から11のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記ポリエーテルエーテルケトンが、異なる分子量のポリエーテルエーテルケトンを2種類以上含む請求項9から12のいずれかに記載の画像形成装置。
- フルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなる請求項9から13のいずれかに記載の画像形成装置。
- 像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を中間転写体上に転写する一次転写工程と、
前記中間転写体上に一次転写された前記トナー像を媒体に二次転写する二次転写工程と、を含み、
前記中間転写体が、ポリエーテルエーテルケトン及びフィラーを含み、前記フィラーが、カーボン及び金属酸化物を含み、前記中間転写体の100V〜500Vにおける表面抵抗率の電圧依存性が、2桁以下、であることを特徴とする画像形成方法。 - 前記中間転写体の示差走査熱量測定(DSC)において、150℃〜200℃における結晶化吸熱ピークが、10J/g未満である請求項15に記載の画像形成方法。
- 前記中間転写体の1V及び1kHzにおけるインピーダンスが、10kΩ〜10MΩである請求項15から16のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記カーボンのDBP吸油量が、前記カーボン100gに対し220g以上である請求項15から17のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記ポリエーテルエーテルケトンが、異なる分子量のポリエーテルエーテルケトンを2種類以上含む請求項15から18のいずれかに記載の画像形成方法。
- フルカラー画像形成方法であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなる請求項15から19のいずれかに記載の画像形成方法。
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