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JP2018086907A - 鞍乗型車両 - Google Patents

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JP2018086907A JP2016230669A JP2016230669A JP2018086907A JP 2018086907 A JP2018086907 A JP 2018086907A JP 2016230669 A JP2016230669 A JP 2016230669A JP 2016230669 A JP2016230669 A JP 2016230669A JP 2018086907 A JP2018086907 A JP 2018086907A
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Yuki Murayama
友貴 村山
佐藤 勝利
Katsutoshi Sato
勝利 佐藤
三浦 秀樹
Hideki Miura
秀樹 三浦
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】悪路を高速で走行するときなどであっても、路面からのピッチング方向のエネルギーがライダーに伝わりにくく、タイヤが路面に接触している時間が長い鞍乗型車両を提供する。【解決手段】鞍乗型車両1は、左メインフレーム14Lと右メインフレーム14Rとに接続されたクロスフレーム18を備えている。クロスフレーム18の車幅方向の中央の断面18Kにおける図心18Pは、車両側面視において、左連結フレーム17Lの上輪郭線17nを後方に延長した上延長線17rと、左連結フレーム17Lの下輪郭線17qを後方に延長した下延長線17sと、左メインフレーム14Lの上輪郭線14pと、左メインフレーム14Lの下輪郭線14qとで囲まれる領域内に位置している。【選択図】図2

Description

本発明は鞍乗型車両に関する。
例えば図17に示すように、従来から、ヘッドパイプ101と、ヘッドパイプ101から後方に延びる左右のメインフレーム102と、メインフレーム102よりも下方に配置されかつヘッドパイプ101から後方に延びるダウンフレーム103と、それぞれ前端部がダウンフレーム103に接続されかつ後端部が左右のメインフレーム102に接続された左右の連結フレーム104と、左のメインフレーム102と右のメインフレーム102とに接続された車幅方向に延びるクロスフレーム105とを備えた自動二輪車が知られている。クロスフレーム105には、ブラケット106を介してリアクッションユニット(図示せず)の上端部が支持されている。なお、特許文献1には、このような構成に類似した構成を有する自動二輪車が記載されている。
国際公開第WO2008/059932号
上記のような自動二輪車において、例えば悪路を高速で走行するときの乗り心地を向上するために、路面からのピッチング方向へのエネルギーをできるだけライダーに伝えないこと、および、タイヤが路面に接触している時間をできるだけ長くすることが望まれる。
図17に示す上記自動二輪車では、クロスフレーム105は比較的低い位置に配置されている。そのため、リアクッションユニットの上端部の位置が低くなる傾向がある。ところで、最低地上高を確保するために、リアクッションユニットの下端部の位置を下げることについては限界がある。リアクッションユニットの上端部が低い場合、最低地上高を確保するため、リアクッションユニットを鉛直線から大きく傾いた姿勢で設置するか、もしくは、リアクッションユニットのストロークを制限しなければならない。その結果、後輪が路面から受ける上向きの力をリアクッションユニットによって直接的に吸収しにくい。したがって上記自動二輪車では、例えば悪路を高速で走行するときに、タイヤが路面に接触している時間を長くすることに関して、改善の余地があるものであった。
一方、図17に符号105Bで示すように、クロスフレーム105Bを比較的高い位置に配置した場合、ヘッドパイプ101とクロスフレーム105Bとの距離が短くなる。そのため、ヘッドパイプ101に前方から衝撃が加わったときに、メインフレーム102は左右に撓みにくい。よって、メインフレーム102が撓むことによる衝撃吸収効果が得られにくい。したがって、クロスフレーム105Bを高い位置に配置すると、例えば悪路を高速で走行するときに、路面からのピッチング方向のエネルギーがライダーに伝わりやすくなる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、悪路を高速で走行するときなどであっても、路面からのピッチング方向のエネルギーがライダーに伝わりにくく、タイヤが路面に接触している時間が長い鞍乗型車両を提供することである。
本発明に係る鞍乗型車両は、ヘッドパイプと、左メインフレームと、右メインフレームと、ダウンフレームと、左ロアフレームと、右ロアフレームと、左連結フレームと、右連結フレームと、クロスフレームと、リアクッションユニットと、を備えている。前記左メインフレームは、前記ヘッドパイプに接続された第1接続部と、前記第1接続部から後方に延びる第1前後延伸部と、前記第1前後延伸部の後端から下方に延びる第1上下延伸部とを含み、車両中心線の左方に配置されている。前記右メインフレームは、前記ヘッドパイプに接続された第2接続部と、前記第2接続部から後方に延びる第2前後延伸部と、前記第2前後延伸部の後端から下方に延びる第2上下延伸部とを含み、車両中心線の右方に配置されている。前記ダウンフレームは、前記ヘッドパイプのうち前記第1接続部および前記第2接続部よりも下方の部分に接続された第3接続部と、前記第3接続部から下方に延びる第3上下延伸部とを含んでいる。前記左ロアフレームは、前記ダウンフレームの前記第3上下延伸部の下端と前記左メインフレームの前記第1上下延伸部の下端とに接続されている。前記右ロアフレームは、前記ダウンフレームの前記第3上下延伸部の下端と前記右メインフレームの前記第2上下延伸部の下端とに接続されている。前記左連結フレームは、前端部が前記ダウンフレームに接続され、後端部が前記左メインフレームの前記第1前後延伸部に接続されている。前記右連結フレームは、前端部が前記ダウンフレームに接続され、後端部が前記右メインフレームの前記第2前後延伸部に接続されている。前記クロスフレームは、前記左メインフレームと前記右メインフレームとに接続されている。前記リアクッションユニットの上端部は、前記クロスフレームに揺動可能に支持されている。前記クロスフレームの車幅方向の中央の断面における図心は、車両側面視において、前記左連結フレームの上輪郭線を後方に延長した上延長線と、前記左連結フレームの下輪郭線を後方に延長した下延長線と、前記左メインフレームの上輪郭線と、前記左メインフレームの下輪郭線とで囲まれる領域内に位置し、かつ、前記右連結フレームの上輪郭線を後方に延長した上延長線と、前記右連結フレームの下輪郭線を後方に延長した下延長線と、前記右メインフレームの上輪郭線と、前記右メインフレームの下輪郭線とで囲まれる領域内に位置している。
上記鞍乗型車両によれば、クロスフレームの上記図心が上記領域内に位置しているので、リアクッションユニットの上端部の位置が比較的高い位置に保たれるとともに、ヘッドパイプとクロスフレームとの距離が確保される。そのため、リアクッションユニットを鉛直線から大きく傾いた姿勢で設置する必要がなく、後輪が路面から受ける上向きの力をリアクッションユニットにより直接的に吸収しやすい。また、ヘッドパイプに前方から衝撃が加わったときに、左メインフレームおよび右メインフレームが撓むことによる衝撃吸収効果が得られやすい。よって、悪路を高速で走行するときなどであっても、路面からのピッチング方向のエネルギーがライダーに伝わることを抑制できるとともに、タイヤが路面に接触している時間を長くすることができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記ヘッドパイプの中心軸線と前記クロスフレームの前記図心との距離をL1とし、車両側面視において前記左連結フレームの前記上延長線と前記左メインフレームの中心線とが交わる交点と前記ヘッドパイプの中心軸線との距離、または、車両側面視において前記右連結フレームの前記上延長線と前記右メインフレームの中心線とが交わる交点と前記ヘッドパイプの中心軸線との距離をL3としたときに、0.8×L1≦L3≦1.0×L1である。
上記態様によれば、左メインフレームと左連結フレームとの接続部分とヘッドパイプとの距離、または、右メインフレームと右連結フレームとの接続部分とヘッドパイプとの距離が比較的長い。よって、ヘッドパイプに前方から衝撃が加わったときに、左メインフレームおよび右メインフレームが撓むことによる衝撃吸収効果を十分に得ることができる。したがって、路面からのピッチング方向のエネルギーがライダーに伝わることを十分に抑制することができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記ヘッドパイプの中心軸線方向の寸法をL2とし、車両側面視において前記左連結フレームの前記上延長線と前記左メインフレームの中心線とが交わる交点と前記ヘッドパイプの中心軸線との距離、または、車両側面視において前記右連結フレームの前記上延長線と前記右メインフレームの中心線とが交わる交点と前記ヘッドパイプの中心軸線との距離をL3としたときに、L3≧2×L2である。
上記態様によれば、左メインフレームと左連結フレームとの接続部分とヘッドパイプとの距離、または、右メインフレームと右連結フレームとの接続部分とヘッドパイプとの距離が比較的長い。よって、ヘッドパイプに前方から衝撃が加わったときに、左メインフレームおよび右メインフレームが撓むことによる衝撃吸収効果を十分に得ることができる。したがって、路面からのピッチング方向のエネルギーがライダーに伝わることを十分に抑制することができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記左メインフレームおよび前記右メインフレームのそれぞれは、車両平面視において前記ヘッドパイプから後方に行くほど車幅方向の外方に向かう第1部分と、車両平面視において前記第1部分から後方に行くほど車幅方向の内方に向かう第2部分と、を有している。前記クロスフレームの少なくとも一部は、前記左メインフレームの前記第2部分および前記右メインフレームの前記第2部分に接続されている。
ヘッドパイプに前方から衝撃が加わったときに、第1部分は第2部分よりも撓みやすい。そのため、第1部分は第2部分よりも、撓むことによる衝撃吸収効果を発揮しやすい。上記態様によれば、クロスフレームは第2部分に接続されており、第1部分はクロスフレームに拘束されていない。よって、衝撃吸収効果を十分に得ることができるので、路面からのピッチング方向のエネルギーがライダーに伝わることを十分に抑制することができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記リアクッションユニットの前記上端部の揺動中心は、車両側面視において、前記左連結フレームの上輪郭線を後方に延長した上延長線と、前記左連結フレームの下輪郭線を後方に延長した下延長線との間の領域内に位置し、かつ、前記右連結フレームの上輪郭線を後方に延長した上延長線と、前記右連結フレームの下輪郭線を後方に延長した下延長線との間の領域内に位置している。
上記態様によれば、リアクッションユニットの上端部の位置が比較的高い。そのため、リアクッションユニットを鉛直線から大きく傾いた姿勢で設置する必要がなく、後輪が路面から受ける上向きの力をリアクッションユニットにより直接的に吸収しやすい。よって、タイヤが路面に接触している時間を長くすることができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記鞍乗型車両は、クランクケースと、前記クランクケースに接続されたシリンダボディと、前記シリンダボディに接続されたシリンダヘッドと、前記シリンダヘッドに接続されたシリンダヘッドカバーとを有し、前記左メインフレーム、前記右メインフレーム、および前記ダウンフレームに懸架されたエンジンユニットを備えている。車両側面視において、前記左連結フレームと前記シリンダヘッドカバーとは部分的に重なり、前記右連結フレームと前記シリンダヘッドカバーとは部分的に重なっている。
上記態様によれば、左連結フレームおよび右連結フレームは、シリンダヘッドカバーと部分的に重なるほど、比較的高い位置に配置されている。クロスフレームは前記図心が前記領域内に位置するように配置されているので、クロスフレームはリアクッションユニットの上端部が比較的高所に位置するような好適な位置に配置されている。
本発明の好ましい一態様によれば、前記鞍乗型車両は、前記クロスフレームに取り付けられ、前記クロスフレームから後方に延びるシートフレームを備えている。車両側面視において、前記シートフレームの前記クロスフレームに対する取付点は、前記左連結フレームの前記上延長線および前記右連結フレームの前記上延長線よりも上方に位置している。
上記態様によれば、後輪が路面から受ける上向きの力をリアクッションユニットにより直接的に吸収する効果と、ヘッドパイプに前方から衝撃が加わったときに左メインフレームおよび右メインフレームが撓むことによる衝撃吸収効果とを同時に得ながら、クロスフレームによってシートフレームを好適に支持することができる。
本発明によれば、悪路を高速で走行するときなどであっても、路面からのピッチング方向のエネルギーがライダーに伝わりにくく、タイヤが路面に接触している時間が長い鞍乗型車両を提供することができる。
一実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 自動二輪車の一部の側面図である。 自動二輪車の一部の平面図である。 車体フレームの平面図である。 左連結フレームおよび右連結フレームの斜視図である。 燃料タンクおよび車体フレームの一部の側面図である。 自動二輪車の一部を模式的に示す側面図である。 図6のH−H線断面図である。 メインフレーム、凸状部材、およびゴムブラケットの平面図である。 ゴムブラケットの斜視図である。 サイドカバー、ダクト部品、エアクリーナの一部、およびラジエタの分解斜視図である。 サイドカバーおよびダクト部品の図1のK−K線断面図である。 エアクリーナおよびダクト部品の側面図である。 エアクリーナおよびダクト部品の平面図である。 上ケースを取り外したときのエアクリーナおよびダクト部品の平面図である。 図15のM−M線断面図である。 従来の自動二輪車の車体フレームの側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の一形態について説明する。図1は、実施形態に係る自動二輪車1の側面図である。自動二輪車1は、ヘッドパイプ2を有する車体フレーム3と、エンジンユニット4と、ハンドル5と、前輪6と、後輪7と、ライダーが着座するシート8と、を備えている。
以下の説明では特に断らない限り、前、後、左、右、上、下とは、自動二輪車1が無負荷状態で水平面上に直立していると仮定したときに、ライダーから見た前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。なお、無負荷状態とは、自動二輪車1にライダーが乗車せず、かつ、燃料が充填されていない状態を言う。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表している。
また、特に断らない限り、前方とは、水平な前向きの方向に限らず、水平な前向きの方向に対して−45°〜+45°の範囲で傾いた方向が含まれる。同様に、後方には、水平な後向きの方向に限らず、水平な後向きの方向に対して−45°〜+45°の範囲で傾いた方向が含まれる。左方には、車幅方向の左向きの方向に限らず、当該方向に対して−45°〜+45°の範囲で傾いた方向が含まれる。右方には、車幅方向の右向きの方向に限らず、当該方向に対して−45°〜+45°の範囲で傾いた方向が含まれる。上方には、鉛直上向きの方向に限らず、鉛直上向きの方向に対して−45°〜+45°の範囲で傾いた方向が含まれる。下方には、鉛直下向きの方向に限らず、鉛直下向きの方向に対して−45°〜+45°の範囲で傾いた方向が含まれる。
また、特に断らない限り、物の前部とは、当該物の車両前後方向の中間よりも前方の部分を言う。物の後部とは、当該物のうち車両前後方向の中間よりも後方の部分を言う。
ヘッドパイプ2には、図示しないステアリング軸が左右に回転可能に支持されている。ハンドル5は、ステアリング軸の上部に固定されている。ステアリング軸の下部には、フロントフォーク9が固定されている。フロントフォーク9の下部には、タイヤ6aを有する前輪6が支持されている。前輪6の上方には、フロントフェンダ10が配置されている。車体フレーム3には、ピボット軸11によりリアアーム12が上下に揺動可能に支持されている。リアアーム12の後端部には、タイヤ7aを有する後輪7が支持されている。エンジンユニット4と後輪7とは、チェーン等の伝動部材13によって連結されている。
図2は自動二輪車1の一部の側面図であり、図3は自動二輪車1の一部の平面図である。車体フレーム3は、それぞれヘッドパイプ2から後方に延びる左メインフレーム14Lおよび右メインフレーム14Rを含んでいる。車体フレーム3は、ヘッドパイプ2から下方に延びるダウンフレーム15を含んでいる。左メインフレーム14Lは車両中心線CLの左方に配置され、右メインフレーム14Rは車両中心線CLの右方に配置されている。ダウンフレーム15は、左メインフレーム14Lおよび右メインフレーム14Rよりも下方に配置されている。
左メインフレーム14Lは、ヘッドパイプ2に接続された第1接続部14aと、第1接続部14aから後方に延びる第1前後延伸部14bと、第1前後延伸部14bの下端14cから下方に延びる第1上下延伸部14dとを含んでいる。図3に示すように、左メインフレーム14Lおよび右メインフレーム14Rは、左右対称の形状を有している。右メインフレーム14Rは、ヘッドパイプ2に接続された第2接続部14eと、第2接続部14eから後方に延びる第2前後延伸部14fと、第2前後延伸部14fの下端14gから下方に延びる第2上下延伸部14hとを含んでいる。図2に示すように車両側面視において、左メインフレーム14Lは上輪郭線14pおよび下輪郭線14qを有する。図示は省略するが、右メインフレーム14Rも同様の上輪郭線14pおよび下輪郭線14qを有している。車両側面視において、左メインフレーム14Lの上輪郭線14pと右メインフレーム14Rの上輪郭線14pとは重なっており、左メインフレーム14Lの下輪郭線14qと右メインフレーム14Rの下輪郭線14qとは重なっている。
図3に示すように、左メインフレーム14Lの第1前後延伸部14bは、ヘッドパイプ2から後方に行くほど車幅方向の外方(すなわち左方)に向かう第1部分14b1と、第1部分14b1から後方に行くほど車幅方向の内方(すなわち右方)に向かう第2部分14b2とを有している。右メインフレーム14Rの第2前後延伸部14fは、ヘッドパイプ2から後方に行くほど車幅方向の外方(すなわち右方)に向かう第1部分14f1と、第1部分14f1から後方に行くほど車幅方向の内方(すなわち左方)に向かう第2部分14f2とを有している。
図2に示すように、ダウンフレーム15は、ヘッドパイプ2に接続された第3接続部15aと、第3接続部15aから下方に延びる第3上下延伸部15bとを含んでいる。第3接続部15aは、第1接続部14aおよび第2接続部14eよりも下方に位置している。車両側面視において、水平線に対するダウンフレーム15の傾斜角度は、水平線に対する左メインフレーム14Lの第1前後延伸部14bの傾斜角度よりも大きく、かつ、水平線に対する右メインフレーム14Rの第2前後延伸部14fの傾斜角度よりも大きい。
左メインフレーム14Lとダウンフレーム15とは、左連結フレーム17Lによって連結されている。ここでは、左連結フレーム17Lの前端部はダウンフレーム15に接続され、左連結フレーム17Lの後端部は左メインフレーム14Lの第1前後延伸部14bに接続されている。同様に、右メインフレーム14Rとダウンフレーム15とは、右連結フレーム17Rによって連結されている。右連結フレーム17Rの前端部はダウンフレーム15に接続され、右連結フレーム17Rの後端部は右メインフレーム14Rの第2前後延伸部14fに接続されている。左連結フレーム17Lの上下方向の寸法は、左メインフレーム14Lの上下方向の寸法よりも小さい。右連結フレーム17Rの上下方向の寸法は、右メインフレーム14Rの上下方向の寸法よりも小さい。左連結フレーム17Lは左メインフレーム14Lよりも細く、右連結フレーム17Rは右メインフレーム14Rよりも細い。
左連結フレーム17Lと右連結フレーム17Rとは、別体であってもよいが、一体物であってもよい。ここでは図5に示すように、左連結フレーム17Lおよび右連結フレーム17Rは、U字状の一本のパイプ17によって構成されている。パイプ17はダウンフレーム15に溶接されている。ここでは、パイプ17の左半部が左連結フレーム17Lを構成し、右半部が右連結フレーム17Rを構成している。
図4に示すように、左メインフレーム14Lの第1前後延伸部14bと右メインフレーム14Rの第2前後延伸部14fとは、クロスフレーム18によって接続されている。クロスフレーム18は車幅方向に延びている。クロスフレーム18の左端部は第1前後延伸部14bに接続され、右端部は第2前後延伸部14fに接続されている。ここでは、クロスフレーム18の左端部は、第1前後延伸部14bのうちの第2部分14b2に接続されている。クロスフレーム18の右端部は、第2前後延伸部14fのうちの第2部分14f2に接続されている。クロスフレーム18は、前後方向の寸法が上下方向の寸法よりも大きい形状に形成されている。ただし、クロスフレーム18の上記および配置は一例に過ぎず、特に限定されない。
図2の破線18Kは、クロスフレーム18の車幅方向の中央断面を表している。なお、本実施形態では、クロスフレーム18の車幅方向の中央の位置と、車両中心線CLの位置とは一致する。なお、車両中心線CLは、平面視においてヘッドパイプ2の中心軸線2cを通る車両前後方向に延びる線のことである。図2に示すように、クロスフレーム18の車幅方向の中央断面18Kの図心18Pは、車両側面視において、左連結フレーム17Lの上輪郭線17pを後方に延長した上延長線17rと、左連結フレーム17Lの下輪郭線17qを後方に延長した下延長線17sと、左メインフレーム14Lの上輪郭線14pと、左メインフレーム14Lの下輪郭線14qとで囲まれる領域内に位置している。また、図心18Pは、車両側面視において、右連結フレーム17Rの上輪郭線17pを後方に延長した上延長線17rと、右連結フレーム17Rの下輪郭線17qを後方に延長した下延長線17sと、右メインフレーム14Rの上輪郭線14pと、右メインフレーム14Rの下輪郭線14qとで囲まれる領域内に位置している。
本実施形態に係る自動二輪車1では、クロスフレーム18はヘッドパイプ2から比較的遠い位置に配置されている。クロスフレーム18とヘッドパイプ2との距離は特に限定されないが、ここでは、ヘッドパイプ2の中心軸線2cとクロスフレーム18の前記図心18Pとの距離L1は、ヘッドパイプ2の中心軸線方向の寸法L2の2倍以上である。L1はL2の2〜3倍であってもよい。
また、自動二輪車1では、左連結フレーム17Lと左メインフレーム14Lとが接続された部分、および、右連結フレーム17Rと右メインフレーム14Rとが接続された部分は、ヘッドパイプ2から比較的遠い位置に配置されている。ここでは、車両側面視において、左連結フレーム17Lの上延長線17rと左メインフレーム14Lの中心線14jとが交わる交点17nと、ヘッドパイプ2の中心軸線2cとの距離L3は、ヘッドパイプ2の中心軸線方向の寸法L2の2倍以上である。すなわち、L3≧2×L2である。同様に、車両側面視において、右連結フレーム17Rの上延長線17rと右メインフレーム14Rの中心線14jとが交わる交点17nと、ヘッドパイプ2の中心軸線2cとの距離L3は、ヘッドパイプ2の中心軸線方向の寸法L2の2倍以上である。すなわち、L3≧2×L2である。また、寸法L3は寸法L1に近い値に設定されている。ここでは、L3はL1の0.8倍〜1倍に設定されている。0.8×L1≦L3≦1.0×L1である。ただし、L1〜L3の上記関係は一例に過ぎず、特に限定される訳ではない。
車体フレーム3は、シート8を支持する左右の上シートフレーム19Aおよび19Cと、左右の下シートフレーム19Bおよび19D(図3参照)とを備えている。図3に示すように、左右の上シートフレーム19Aおよび19Cの前端部は、クロスフレーム18に接続されている。上シートフレーム19Aおよび19Cは、クロスフレーム18から後方に延びている。車両側面視において、上シートフレーム19Aおよび19Cのクロスフレーム18に対する取付点19aは、左連結フレーム17Lの上延長線17rおよび右連結フレーム17Rの上延長線17rよりも上方に位置している。ただし、取付点19aの位置は特に限定される訳ではない。左の下シートフレーム19Bの前端部は、左メインフレーム14Lの第1上下延伸部14dに接続されている。左の上シートフレーム19Aの後端部と左の下シートフレーム19Bの後端部とは、互いに接続されている。右の上シートフレーム19Cの前端部は、右メインフレーム14Rの第2上下延伸部14hに接続されている。右の上シートフレーム19Cの後端部と右の下シートフレーム19Dの後端部とは、互いに接続されている。
図3に示すように、左の上シートフレーム19Aと右の上シートフレーム19Cとには、リアクロスフレーム44と、リアクロスフレーム44の後方に位置するリアクロスフレーム45とが接続されている。
図2および図4に示すように、車体フレーム3は、ダウンフレーム15と左メインフレーム14Lの第1上下延伸部14dとを接続する左ロアフレーム16Lと、ダウンフレーム15と右メインフレーム14Rの第2上下延伸部14hとを接続する右ロアフレーム16Rとを備えている。左ロアフレーム16Lの前端部および右ロアフレーム16Rの前端部は、ダウンフレーム15の第3上下延伸部15bの下端部に接続されている。左ロアフレーム16Lの後端部は、第1上下延伸部14dの下端部に接続されている。右ロアフレーム16Rの後端部は、第2上下延伸部14hの下端部に接続されている。
図3に示すように、クロスフレーム18には、リアクッションユニット60の上端部60aが支持されている。リアクッションユニット60の上端部60aは、クロスフレーム18の車幅方向の中央部分に揺動可能に支持されている。図2において、符号60bはリアクッションユニット60の上端部60aの揺動中心点を表している。符号60dはリアクッションユニット60の下端部を表している。揺動中心点60bは、車両側面視において、左連結フレーム17Lの上輪郭線17pを後方に延長した上延長線17rと、左連結フレーム17の下輪郭線17qを後方に延長した下延長線17sとの間に位置している。図示は省略するが、揺動中心点60bは、車両側面視において、右連結フレーム17Rの上輪郭線17pを後方に延長した上延長線17rと、右連結フレーム17Rの下輪郭線17qを後方に延長した下延長線17sとの間に位置している。本実施形態では揺動中心点60bは、車両側面視において左メインフレーム14Lおよび右メインフレーム14Rの上輪郭線14pよりも上方かつ後方に配置されているが、特に限定される訳ではない。
エンジンユニット4は、クランクケース20と、シリンダボディ21と、シリンダヘッド22と、シリンダヘッドカバー23とを有している。シリンダボディ21はクランクケース20の上に配置され、シリンダヘッド22はシリンダボディ21の上に配置され、シリンダヘッドカバー23はシリンダヘッド22の上に配置されている。図示は省略するが、クランクケース20の内部には、内燃機関のクランク軸が収容されている。シリンダボディ21の内部には、ピストンが摺動可能に収容されたシリンダが形成されている。シリンダヘッド22には、吸気ポートおよび排気ポートが形成されており、吸気カムおよび排気カムが収容されている。シリンダヘッドカバー23はシリンダヘッド22の上部に接続されている。
エンジンユニット4は車体フレーム3に懸架されている。エンジンユニット4の一部は、ブラケット24を介してダウンフレーム15に支持されている。エンジンユニット4の他の一部は、ブラケット25を介してロアフレーム16L,16Rに支持されている。エンジンユニット4の他の一部は、ブラケット26を介してメインフレーム14L,14Rに支持されている。
図2に示すように車両側面視において、左連結フレーム17Lとシリンダヘッドカバー23とは部分的に重なっている。同様に、車両側面視において、右連結フレーム17Rとシリンダヘッドカバー23とは部分的に重なっている。
エンジンユニット4の前記内燃機関は水冷式の内燃機関である。自動二輪車1はラジエタ27を備えている。ラジエタ27は、上記内燃機関の冷却水を放熱させる役割を果たす。ラジエタ27は、車体フレーム3に支持されている。ラジエタ27は、ダウンフレーム15に固定されている。ラジエタ27はエンジンユニット4の前方に配置されている。ラジエタ27は、ヘッドパイプ2よりも下方に配置されている。
図6に示すように、自動二輪車1は燃料タンク30を備えている。燃料タンク30には、エンジンユニット4の前記内燃機関に供給される燃料が貯留される。図7に示すように、燃料タンク30は、タンク本体30aと、タンク本体30aの上部の給油口30bに取り付けられた蓋30cとを有している。蓋30cの位置は特に限定されないが、ここではタンク本体30aの前部に配置されている。タンク本体30aは、左および右の側壁30dを含んでいる。なお、図7では燃料タンク30の形状を簡略化して図示している。
図8は図6のH−H線断面を表している。ただし、車幅方向の中央部分は省略している。図8に示すように、左右の側壁30dには、側方に延びる凸状部材31が設けられている。ここでは、凸状部材31は円筒状の部材によって形成されているが、その形状は何ら限定されない。凸状部材31はボルト等によって側壁30dに組み付けられていてもよいが、ここでは側壁30dと一体成形されている。凸状部材31および側壁30dは樹脂製であり、一体成形されている。図7に示すように、凸状部材31は側壁30dの前部に設けられている。凸状部材31は、車両側面視において蓋30cの真下の位置に配置されている。ただし、凸状部材31の位置は特に限定される訳ではない。
図9に示すように、左メインフレーム14Lおよび右メインフレーム14Rには、ゴムブラケット32が取り付けられている。ゴムブラケット32は、ボルト33により左メインフレーム14Lおよび右メインフレーム14Rに締結されている。ただし、ゴムブラケット32の取付構造は何ら限定されない。ゴムブラケット32は、左メインフレーム14Lおよび右メインフレーム14Rの車幅方向の内側の面に取り付けられている。図6に示すように車両側面視において、左メインフレーム14Lとゴムブラケット32とは重なっている。また、車両側面視において、右メインフレーム14Rとゴムブラケット32とは重なっている。図10に示すように、ゴムブラケット32は、上方に開いた凹状に形成されている。また、ゴムブラケット32は、車幅方向の内方が開放されている。
図8および図9に示すように、ゴムブラケット32は燃料タンク30の凸状部材31に係合するように構成されている。凸状部材31をゴムブラケット32に上方から下方に向けて押し込むと、凸状部材31はゴムブラケット32に嵌め込まれる。燃料タンク30を上方から押すだけで、凸状部材31をゴムブラケット32に嵌め込むことができる。これにより、燃料タンク30の前部は、凸状部材31およびゴムブラケット32を介して、メインフレーム14L,14Rに支持される。図10に示すように、ゴムブラケット32は、凸状部材31を支持する支持部32aと、支持部32aの上方に位置する前後一対の抜け止め部32bとを有している。前側の抜け止め部32bは上方に行くほど後方に膨らむように形成され、後側の抜け止め部32bは上方に行くほど前方に膨らむように形成されている。抜け止め部32bは、上方に行くほど互いの間隔が狭くなるように形成されている。そのため、凸状部材31は支持部32aに支持されると、ゴムブラケット32から抜けにくくなっている。
図7に示すように、燃料タンク30の車両前後方向の中間よりも後方の部分には、ブラケット45が固定されている。ブラケット45は燃料タンク30の被締結部の一例である。ブラケット45は、車体フレーム3にボルト46により締結されている。ここでは、ブラケット45は、ボルト46によりリアクロスフレーム44に締結されている。燃料タンク30の後端30rは、リアクロスフレーム44の前端44fよりも後方に位置している。車両平面視において、燃料タンク30の一部はリアクロスフレーム44と重なっている(図3参照)。
燃料タンク30の上方には、シート8が配置されている。シート8の少なくとも一部は、燃料タンク30に支持されている。シート8は、メインシート8Aと、メインシート8Aの前方に配置されたサブシート8Bとを有している。メインシート8Aの前端およびサブシート8Bの前端は、燃料タンク30の車両前後方向の中間位置よりも前方に位置している。サブシート8Bの前端8fは、シート8の前端となる。シート8の前端8fは、燃料タンク30の車両前後方向の中間位置よりも前方に位置している。シート8の前端8fは、燃料タンク30の前端30fよりも車両前後方向の前方に位置している。ただし、シート8の上記配置は一例であり、特に限定される訳ではない。
燃料タンク30の前方にはエアクリーナ40が配置されている。燃料タンク30はエアクリーナ40の近くに配置されている。燃料タンク30とエアクリーナ40との車両前後方向の最小間隔G1は、ゴムブラケット32の車両前後方向の寸法T1よりも小さい。燃料タンク30の後方にはバッテリー47が配置されている。燃料タンク30はバッテリー47の近くに配置されている。燃料タンク30とバッテリー47との車両前後方向の最小間隔G2は、ゴムブラケット32の車両前後方向の寸法T1よりも小さい。
エアクリーナ40は、ヘッドパイプ2の後方に配置されている。エアクリーナ40は、上ケース41と、上ケース41の下方に配置された下ケース42と、上ケース41と下ケース42との間に設けられたエレメント43とを有している。エアクリーナ40は、上ケース41に導入された空気がエレメント43を通過することによって浄化され、浄化された空気が下ケース42に供給されるように構成されている。下ケース42の下部には、図示しないスロットルボディ等が設けられた吸気管49が接続されている。吸気管49は、エアクリーナ40とエンジンユニット4の内燃機関とを接続している。
図1に示すように、自動二輪車1は左および右のサイドカバー50を備えている。左、右のサイドカバー50は、それぞれ車両中心線CLの左方、右方に配置されている。左のサイドカバー50と右のサイドカバー50とは、車両中心線CLを含む鉛直面に対して左右対称に配置されていてもよく、左右非対称に配置されていてもよい。左のサイドカバー50と右のサイドカバー50とは、車両中心線CLを含む鉛直面に対して左右対称の形状を有していてもよく、左右非対称の形状を有していてもよい。例えば、左のサイドカバー50と右のサイドカバー50とは、表側の部分(言い換えると、車幅方向の外側の部分)が左右対称の形状を有し、裏側の部分(言い換えると、車幅方向の内側の部分)が左右非対称の形状を有していてもよい。左のサイドカバー50と右のサイドカバー50とは、少なくとも後述するダクト形成部50dについて左右対称の形状を有していてもよい。以下では、左のサイドカバー50について説明し、右のサイドカバー50の説明は省略する。
サイドカバー50は複数の部品からなっていてもよいが、本実施形態では図11に示すように、一体となって他の部材に組み付けられる大型のカバーである。サイドカバー50は単一の部品であり、一体成形されている。図1に示すように、サイドカバー50の一部は、エンジンユニット4のシリンダヘッドカバー23よりも下方に配置されている。サイドカバー50の一部は、エンジンユニット4のシリンダヘッド22よりも下方に配置されている。サイドカバー50は、ラジエタ27の車幅方向の外方に配置されたラジエタカバー部50aと、燃料タンク30の車幅方向の外方に配置されたタンクカバー部50bと、吸気管49の少なくとも一部の車幅方向の外方に配置された後方部50cとを有している。また、サイドカバー50は、タンクカバー部50bの前方に位置するダクト形成部50dを有している。ダクト形成部50dは、ラジエタカバー部50aおよび後方部50cよりも上方に位置している。
サイドカバー50の材料は特に限定されないが、ここでは樹脂製である。また、サイドカバー50の製造方法は特に限定されないが、ここでは射出成形によって製造されている。サイドカバー50は射出成形品である。
図11に示すように、エアクリーナ40の下ケース42には、下ケース42から車両前後方向の前方に延びるダクト部品51が一体的に形成されている。ダクト部品51は、左右に一対設けられている。下ケース42およびダクト部品51は樹脂製であり、一体成形されている。
図12は、サイドカバー50およびダクト部品51の図1のK−K線断面図である。ダクト部品51はサイドカバー50のダクト形成部50dに組み付けられることにより、エアクリーナ40における上ケース41とエレメント43との間の内部空間に連通するダクト52を区画する。
図14および図15に示すように、ダクト部品51は、車両前後方向に延びる上縁51aと、車両前後方向に延びかつ上縁51aの下方に位置する下縁51bと、上縁51aと下縁51bとの間に位置しかつ車幅方向の内方に凹んだ内壁51cとを有している。図12に示すように、サイドカバー50のダクト形成部50dは、上側の断面C字状部分90aと下側の断面C字状部分90bとを含んでいる。断面C字状部分90a、90bには、それぞれ溝91a、91bが形成されている。ダクト部品51の上縁51aは溝91aに嵌め込まれ、下縁51bは溝91bに嵌め込まれている。なお、符号92はシール材である。ダクト部品51の上部51dとダクト形成部50dの上部50d1とは上下に重なっている。また、ダクト部品51の下部51eとダクト形成部50dの下部50d2とは上下に重なっている。ダクト部品51の下縁51bは上縁51aよりも車幅方向の外方に位置している。
ダクト52の前端には、前方または車幅方向の内方に開いた空気導入口52iが形成されている(図11参照)。空気導入口52iは、サイドカバー50のダクト形成部50dとダクト部品51とによって仕切られている。この空気導入口52iからダクト52内に空気が導入される。図13は、エアクリーナ40およびダクト部品51の側面図である。図13に示すように、ダクト52の後端には空気導出口52oが形成されている。空気導出口52oは、エアクリーナ40の上ケース41とエレメント43との間の内部空間に向けて開口している。なお、図中の矢印AFは空気の流れを表している。
図14は、エアクリーナ40の一部およびダクト部品51の平面図である。図15は、上ケース41を取り外したときのエアクリーナ40の一部およびダクト部品51の平面図である。図16は図15のM−M線断面図である。図16に示すように、下ケース42には、ホルダ53がボルト54により締結されている。エレメント43はホルダ53の上に配置され、エレメント43の上にホルダ55が配置されている。図15に示すように、ホルダ53およびホルダ55は、複数の線状部材57を有している。ホルダ53およびホルダ55は格子状に形成されている。線状部材57の間に、空気が通過する通気口58が形成されている。ホルダ55の一部はホルダ53の中央部に差し込まれている(図16参照)。また、ホルダ55は板材56により下方に押しつけられている。このようにして、ホルダ55とホルダ53とが組み付けられ、エレメント43がホルダ55とホルダ53との間に挟まれている(図16参照)。これにより、エレメント43は上ケース41と下ケース42との間に保持されている。
図11に示すように、サイドカバー50とダクト部品51とラジエタ27とは、ボルト71によって組み付けられている。また、サイドカバー50の下部とラジエタ27の下部とは、ボルト72によって組み付けられている。サイドカバー50と車体フレーム3(図11では図示せず)とは、ボルト75によって組み付けられている。ボルト71、72、および75は側方から締結されている。サイドカバー50の一部と下ケース42の一部とは、上下に重なりかつボルト73によって締結されている。サイドカバー50のタンクカバー部50bと燃料タンク30(図11では図示せず)とは、ボルト74によって締結されている。ボルト73およびボルト74は、上方から締結されている。なお、ボルト71〜75は締結具の一例であるが、締結具はボルトに限定されない。締結具としてネジ、ビスなどを用いることも可能である。
以上のように、本実施形態に係る自動二輪車1によれば、図2に示すように車両側面視において、クロスフレーム18の図心18Pは、左連結フレーム17Lの上輪郭線17pを後方に延長した上延長線17rと、左連結フレーム17Lの下輪郭線17qを後方に延長した下延長線17sと、左メインフレーム14Lの上輪郭線14pと、左メインフレーム14Lの下輪郭線14qとで囲まれる領域内に位置する。また、図心18Pは、右連結フレーム17Rの上輪郭線17pを後方に延長した上延長線17rと、右連結フレーム17Rの下輪郭線17qを後方に延長した下延長線17sと、右メインフレーム14Rの上輪郭線14pと、右メインフレーム14Rの下輪郭線14qとで囲まれる領域内に位置する。クロスフレーム18がこのように配置されていることにより、リアクッションユニット60の上端部60aの位置が比較的高い位置に保たれるとともに、ヘッドパイプ2とクロスフレーム18との距離が確保される。そのため、リアクッションユニット60を鉛直線から大きく傾いた姿勢で設置する必要がなく、後輪7が路面から受ける上向きの力をリアクッションユニット60により直接的に吸収しやすい。また、ヘッドパイプ2に前方から衝撃が加わったときに、左メインフレーム14Lおよび右メインフレーム14Rが左右に撓むことによる衝撃吸収効果が得られやすい。よって、悪路を高速で走行するときなどであっても、路面からのピッチング方向のエネルギーがライダーに伝わることを抑制できるとともに、タイヤ6a,7aが路面に接触している時間を長くすることができる。
本実施形態では、車両側面視において左連結フレーム17Lの上延長線17rと左メインフレーム14Lの中心線14jとが交わる交点17nと、ヘッドパイプ2の中心軸線2cとの距離L3は、ヘッドパイプ2の中心軸線2cとクロスフレーム18の図心18Pとの距離L1の0.8倍〜1.0倍である。また、車両側面視において右連結フレーム17Rの上延長線17rと右メインフレーム14Rの中心線14jとが交わる交点17nと、ヘッドパイプ2の中心軸線2cとの距離L3は、L1の0.8倍〜1.0倍である。また、本実施形態によれば、L3はL2の2倍以上である。このように本実施形態に係る自動二輪車1によれば、左メインフレーム14Lと左連結フレーム17Lとの接続部分とヘッドパイプ2との距離が比較的長い。また、右メインフレーム14Rと右連結フレーム17Rとの接続部分とヘッドパイプ2との距離が比較的長い。そのため、ヘッドパイプ2に前方から衝撃が加わったときに、左メインフレーム14Lおよび右メインフレーム14Rが撓むことによる衝撃吸収効果を十分に得ることができる。したがって、路面からのピッチング方向のエネルギーがライダーに伝わることを十分に抑制することができる。
ところで、左メインフレーム14Lおよび右メインフレーム14Rは、車両平面視においてヘッドパイプ2から後方に行くほど車幅方向の外方に向かう第1部分14b1,14f1と、車両平面視において第1部分14b1,14f1から後方に行くほど車幅方向の内方に向かう第2部分14b2,14f2とを有している。ヘッドパイプ2に前方から衝撃が加わったときに、第1部分14b1,14f1は第2部分14b2,14f2よりも撓みやすい。そのため、第1部分14b1,14f1は第2部分14b2,14f2よりも、撓むことによる衝撃吸収効果を発揮しやすい。本実施形態に係る自動二輪車1によれば、クロスフレーム18は第2部分14b2,14f2に接続されており、第1部分14b1,14f1はクロスフレーム18に拘束されていない。よって、衝撃吸収効果を十分に得ることができるので、路面からのピッチング方向のエネルギーがライダーに伝わることを十分に抑制することができる。
本実施形態に係る自動二輪車1によれば、リアクッションユニット60の上端部60aの揺動中心60bは、車両側面視において、左連結フレーム17Lの上輪郭線17pを後方に延長した上延長線17rと、左連結フレーム17Lの下輪郭線17qを後方に延長した下延長線17sとの間の領域内に位置する。また、上記揺動中心60bは、車両側面視において、右連結フレーム17Rの上輪郭線17pを後方に延長した上延長線17rと、右連結フレーム17Rの下輪郭線17qを後方に延長した下延長線17sとの間の領域内に位置する。このように本実施形態に係る自動二輪車1によれば、リアクッションユニット60の上端部60aの位置が比較的高い。そのため、リアクッションユニット60を鉛直線から大きく傾いた姿勢で設置する必要がなく、後輪7が路面から受ける上向きの力をリアクッションユニット60により直接的に吸収しやすい。よって、タイヤ7aが路面に接触している時間を長くすることができる。
本実施形態に係る自動二輪車1では、左連結フレーム17Lおよび右連結フレーム17Rは、シリンダヘッドカバー23と部分的に重なるほど、比較的高い位置に配置されている。クロスフレーム18は前記図心18Pが前記領域内に位置するように配置されているので、クロスフレーム18は、リアクッションユニット60の上端部60aが比較的高所に位置するような好適な位置に配置されている。
本実施形態に係る自動二輪車1によれば、車両側面視において、シートフレーム19Aの取付点19aは、左連結フレーム17Lの上延長線17rおよび右連結フレーム17Rの上延長線17rよりも上方に位置している。このような配置により、後輪7が路面から受ける上向きの力をリアクッションユニット60により直接的に吸収する効果と、ヘッドパイプ2に前方から衝撃が加わったときに左メインフレーム14Lおよび右メインフレーム14Rが撓むことによる衝撃吸収効果とを同時に得ながら、クロスフレーム18によってシートフレーム19Aを好適に支持することができる。
なお、本実施形態では、メインフレーム18の車幅方向の中央の断面18Kにおける図心を前記図心18Pとした。しかし、メインフレーム18の車幅方向の中央の位置が車両中心線CLからずれている場合、メインフレーム18の車幅方向の中央の断面18Kにおける図心に代えて、メインフレーム18のうち車両中心線CLを含む鉛直断面における図心を前記図心18Pと見なしてもよい。そのように見なした図心18Pについて前述の位置関係が成立する自動二輪車であってもよい。
前記実施形態では、鞍乗型車両の一例として自動二輪車について説明した。しかし、鞍乗型車両は自動二輪車に限定される訳ではない。三輪車両、不整地走行車両(ATV)などの他の鞍乗型車両であってもよい。
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではない。ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/又は図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、実施形態がここに記載されている。ここに記載した実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ、改良及び/又は変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。
1 自動二輪車
2 ヘッドパイプ
14L 左メインフレーム
14R 右メインフレーム
15 ダウンフレーム
16L 左ロアフレーム
16R 右ロアフレーム
17L 左連結フレーム
17R 右連結フレーム
18 クロスフレーム
60 リアクッションユニット

Claims (7)

  1. ヘッドパイプと、
    前記ヘッドパイプに接続された第1接続部と、前記第1接続部から後方に延びる第1前後延伸部と、前記第1前後延伸部の後端から下方に延びる第1上下延伸部とを含み、車両中心線の左方に配置された左メインフレームと、
    前記ヘッドパイプに接続された第2接続部と、前記第2接続部から後方に延びる第2前後延伸部と、前記第2前後延伸部の後端から下方に延びる第2上下延伸部とを含み、車両中心線の右方に配置された右メインフレームと、
    前記ヘッドパイプのうち前記第1接続部および前記第2接続部よりも下方の部分に接続された第3接続部と、前記第3接続部から下方に延びる第3上下延伸部とを含んだダウンフレームと、
    前記ダウンフレームの前記第3上下延伸部の下端と前記左メインフレームの前記第1上下延伸部の下端とに接続された左ロアフレームと、
    前記ダウンフレームの前記第3上下延伸部の下端と前記右メインフレームの前記第2上下延伸部の下端とに接続された右ロアフレームと、
    前端部が前記ダウンフレームに接続され、後端部が前記左メインフレームの前記第1前後延伸部に接続された左連結フレームと、
    前端部が前記ダウンフレームに接続され、後端部が前記右メインフレームの前記第2前後延伸部に接続された右連結フレームと、
    前記左メインフレームと前記右メインフレームとに接続されたクロスフレームと、
    上端部が前記クロスフレームに揺動可能に支持されたリアクッションユニットと、を備え、
    前記クロスフレームの車幅方向の中央の断面における図心は、車両側面視において、前記左連結フレームの上輪郭線を後方に延長した上延長線と、前記左連結フレームの下輪郭線を後方に延長した下延長線と、前記左メインフレームの上輪郭線と、前記左メインフレームの下輪郭線とで囲まれる領域内に位置し、かつ、前記右連結フレームの上輪郭線を後方に延長した上延長線と、前記右連結フレームの下輪郭線を後方に延長した下延長線と、前記右メインフレームの上輪郭線と、前記右メインフレームの下輪郭線とで囲まれる領域内に位置している、鞍乗型車両。
  2. 前記ヘッドパイプの中心軸線と前記クロスフレームの前記図心との距離をL1とし、
    車両側面視において前記左連結フレームの前記上延長線と前記左メインフレームの中心線とが交わる交点と前記ヘッドパイプの中心軸線との距離、または、車両側面視において前記右連結フレームの前記上延長線と前記右メインフレームの中心線とが交わる交点と前記ヘッドパイプの中心軸線との距離をL3としたときに、
    0.8×L1≦L3≦1.0×L1
    である、請求項1に記載の鞍乗型車両。
  3. 前記ヘッドパイプの中心軸線方向の寸法をL2とし、
    車両側面視において前記左連結フレームの前記上延長線と前記左メインフレームの中心線とが交わる交点と前記ヘッドパイプの中心軸線との距離、または、車両側面視において前記右連結フレームの前記上延長線と前記右メインフレームの中心線とが交わる交点と前記ヘッドパイプの中心軸線との距離をL3としたときに、
    L3≧2×L2
    である、請求項1または2に記載の鞍乗型車両。
  4. 前記左メインフレームおよび前記右メインフレームのそれぞれは、車両平面視において前記ヘッドパイプから後方に行くほど車幅方向の外方に向かう第1部分と、車両平面視において前記第1部分から後方に行くほど車幅方向の内方に向かう第2部分と、を有し、
    前記クロスフレームの少なくとも一部は、前記左メインフレームの前記第2部分および前記右メインフレームの前記第2部分に接続されている、請求項1〜3のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
  5. 前記リアクッションユニットの前記上端部の揺動中心は、車両側面視において、前記左連結フレームの上輪郭線を後方に延長した上延長線と、前記左連結フレームの下輪郭線を後方に延長した下延長線との間の領域内に位置し、かつ、前記右連結フレームの上輪郭線を後方に延長した上延長線と、前記右連結フレームの下輪郭線を後方に延長した下延長線との間の領域内に位置している、請求項1〜4のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
  6. クランクケースと、前記クランクケースに接続されたシリンダボディと、前記シリンダボディに接続されたシリンダヘッドと、前記シリンダヘッドに接続されたシリンダヘッドカバーと、を有し、前記左メインフレーム、前記右メインフレーム、および前記ダウンフレームに懸架されたエンジンユニットを備え、
    車両側面視において、前記左連結フレームと前記シリンダヘッドカバーとは部分的に重なり、前記右連結フレームと前記シリンダヘッドカバーとは部分的に重なっている、請求項1〜5のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
  7. 前記クロスフレームに取り付けられ、前記クロスフレームから後方に延びるシートフレームを備え、
    車両側面視において、前記シートフレームの前記クロスフレームに対する取付点は、前記左連結フレームの前記上延長線および前記右連結フレームの前記上延長線よりも上方に位置している、請求項1〜6のいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
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