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JP2017219475A - 歯車検査装置 - Google Patents

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JP2017219475A
JP2017219475A JP2016115409A JP2016115409A JP2017219475A JP 2017219475 A JP2017219475 A JP 2017219475A JP 2016115409 A JP2016115409 A JP 2016115409A JP 2016115409 A JP2016115409 A JP 2016115409A JP 2017219475 A JP2017219475 A JP 2017219475A
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穣 宮崎
Minoru Miyazaki
穣 宮崎
孝弘 野中
Takahiro Nonaka
孝弘 野中
圭介 野下
Keisuke Noshita
圭介 野下
篠原 健一
Kenichi Shinohara
健一 篠原
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Abstract

【課題】被測定ギアのガタつきに起因した検査精度の低下を抑制する。
【解決手段】歯車検査装置は、基台1と、基台に固定された支持軸2と、支持軸に回転可能に嵌合された被測定ギア3と、被測定ギアに対向方向から噛合される第1および第2マスターギア20,120と、第1および第2マスターギアをそれぞれ回転可能に支持すると共に、基台に対しスライド移動可能な第1および第2支持部材30,130と、第1および第2マスターギアを被測定ギアに押し付けるよう、第1および第2支持部材をそれぞれ対向方向に付勢する第1および第2付勢装置40,140とを備える。第1マスターギアは、被測定ギアの歯幅以上の歯幅を有し、第2マスターギアは、被測定ギアの歯幅より小さい歯幅を有する。第1付勢装置の付勢力は第2付勢装置の付勢力より大きくされる。
【選択図】図1

Description

本発明は歯車検査装置に関する。
かかる歯車検査装置として、検査対象の被測定ギアに対向方向から噛合される第1および第2マスターギアを備えた装置が公知である。
特開昭59−116524号公報
被測定ギアは、基台に固定された支持軸に回転可能に嵌合されている。また、第1マスターギアは第1付勢装置により被測定ギアに押し付けられ、第2マスターギアは第2付勢装置により被測定ギアに押し付けられる。
被測定ギアは支持軸に対し微小なクリアランス(遊び)を持って嵌合される。よって、両付勢装置の付勢力が同じであると、被測定ギアがその回転中に第1マスターギア側あるいは第2マスターギア側にガタつき、この影響で検査精度が低下する虞がある。
そこで本発明は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、被測定ギアのガタつきに起因した検査精度の低下を抑制することができる歯車検査装置を提供することにある。
本発明の一の態様によれば、
基台と、
前記基台に固定された支持軸と、
前記支持軸に回転可能に嵌合された被測定ギアと、
前記被測定ギアに対向方向から噛合される第1および第2マスターギアと、
前記第1および第2マスターギアをそれぞれ回転可能に支持すると共に、前記基台に対しスライド移動可能な第1および第2支持部材と、
前記第1および第2マスターギアを前記被測定ギアに押し付けるよう、前記第1および第2支持部材をそれぞれ対向方向に付勢する第1および第2付勢装置と、
を備え、
前記第1マスターギアは、前記被測定ギアの歯幅以上の歯幅を有し、前記第2マスターギアは、前記被測定ギアの歯幅より小さい歯幅を有し、
検査時に、前記第1付勢装置の付勢力は前記第2付勢装置の付勢力より大きくされる
ことを特徴とする歯車検査装置が提供される。
好ましくは、前記第1付勢装置は、第1流体圧シリンダと、前記第1流体圧シリンダおよび前記第1支持部材の間に介設された第1スプリングとを有し、
前記第2付勢装置は、第2流体圧シリンダと、前記第2流体圧シリンダおよび前記第2支持部材の間に介設された第2スプリングとを有し、
検査時に、前記第1流体圧シリンダ内の圧力が前記第2流体圧シリンダ内の圧力より高くされる。
好ましくは、前記第1マスターギアは、前記被測定ギアの全歯幅に亘って噛合され、
前記第2マスターギアは、前記被測定ギアの歯幅中心部に噛合される。
本発明によれば、被測定ギアのガタつきに起因した検査精度の低下を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る歯車検査装置の正面図である。 歯車検査装置の平面図である。 検査時における歯車検査装置の要部を示す正面断面図である。 第1センサの出力波形の一例を示すグラフである。 図4の波形を変換した後の波形を示すグラフである。 第2センサの出力波形の一例を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る歯車検査装置の正面図であり、図2は同平面図である。
本装置においては、図1に示す正面視において、上下方向に延びる基準軸Oを基準とし、図の左側に向かう方向を左、図の右側に向かう方向を右とする。また図1に示す正面視において、図の紙面厚さ方向手前側に向かう方向を前、図の紙面厚さ方向奥側に向かう方向を後とする。
本装置は、車両用変速機の歯車を検査するために使用されるが、その用途は任意である。また本装置は概して、基準軸Oに対し左右対称かつ前後対称の構成とされている。
図1および図2に示すように、歯車検査装置は、基台1と、基台1に固定された支持軸2と、支持軸2に回転可能に嵌合された被測定ギア3とを備える。基台1は装置フレームをなすもので、図2に示す平面視において前後より左右の方が長い長方形状とされている。基台1は、複数のマウント部材4を介して架台5上に固定されている。
支持軸2は、所謂アーバーと称されるもので、支持軸固定部材6を介して基台1上に固定されている。支持軸2は、基準軸Oと同軸に、支持軸固定部材6から上方に突出されている。支持軸2は、被測定ギア3の種類に応じて交換可能となるよう、支持軸固定部材6に着脱可能に取り付けられる。
詳細には、図3に示すように、支持軸2の下端部に、下方に向かって縮径するテーパ軸部7が形成され、支持軸固定部材6に、テーパ軸部7がテーパ嵌合により固定されるテーパ穴部8が形成されている。テーパ軸部7がテーパ穴部8に着脱可能に嵌合されることで、支持軸2が支持軸固定部材6に、ひいては基台1に、着脱可能に固定される。支持軸2は、その上部に、被測定ギア3の中心穴3Bが嵌合される外周面2Bを有し、その高さ方向の中間部に、嵌合された被測定ギア3を下方から支持してその落下を防止するフランジ部9を有する。
被測定ギア3は、その外周部に形成された複数の歯3Aと、その内周部に形成された中心穴3Bとを有する。中心穴3Bが支持軸2の周りに上方から嵌合されることで、被測定ギア3は支持軸2に着脱可能かつ回転可能に嵌合される。被測定ギア3は、本実施形態ではヘリカルギアとされているが、その種類は任意である。また被測定ギア3は、その上面に、シンクロナイザリング(図示せず)が摺接されるためのテーパリングを一体に有していてもよい。
被測定ギア3を支持軸2に回転可能に嵌合させるため、被測定ギア3の中心穴3Bの内周面と、支持軸2の外周面2Bとの間には微小なクリアランス(遊び)が存在する。
図1および図2に示すように、歯車検査装置は、被測定ギア3に対向方向から噛合される第1マスターギア20および第2マスターギア120を備える。図は噛合前の初期位置にある各ギアを示す。
第1マスターギア20は、被測定ギア3の右側に配置され、図示する初期位置から左側に移動され、被測定ギア3の右側面部に右側から噛合される。第1マスターギア20の中心すなわち第1中心をC1で示す。第2マスターギア120は、被測定ギア3の左側に配置され、図示する初期位置から右側に移動され、被測定ギア3の左側面部に左側から噛合される。第2マスターギア120の中心すなわち第2中心をC2で示す。各ギアが噛合されたときの状態を図3に示す。
第1マスターギア20側と第2マスターギア120側とで、概ね、基準軸Oの位置を境とした左右対称の構成および動作がなされる。また基準軸O、第1中心C1および第2中心C2は、図2に示すように、左右方向に延びる同一直線上に位置される。
図1および図2に示すように、第1マスターギア20側に関し、第1マスターギア20を回転可能に支持する第1支持部材30が設けられる。第1支持部材30は、基台1の上面に設置された前後一対のガイドレール31,32に沿って、基台1に対し左右方向にスライド移動可能である。第1支持部材30には、第1マスターギア20を回転駆動する電気モータ等の駆動装置(図示せず)が設けられる。
歯車検査装置は、第1マスターギア20を被測定ギア3に押し付けるよう、第1支持部材30を左側に付勢する第1付勢装置40を有する。第1付勢装置40は、第1流体圧シリンダとしての第1エアシリンダ41と、第1エアシリンダ41および第1支持部材30の間に介設された第1スプリング42とを有する。
詳細には、基台1の右側面部から左右方向に進退可能な前後一対の支持アーム43,44が設けられる。支持アーム43,44の左右方向の位置は図示しない調節機構により調節可能であり、かつロック可能であり、検査時にはロックされている。これら支持アーム43,44を連結する連結板45が設けられ、この連結板45の中央部に第1エアシリンダ41が固定される。第1エアシリンダ41は左向きに設置され、伸長時に左側に動作するピストンロッド46を有する。他方、第1支持部材30の上面右端部にブラケット47が起立して設けられる。ピストンロッド46とブラケット47の間に第1スプリング42が配置される。第1スプリング42は、筒状かつ入れ子状のケーシング48内に収納されている。第1スプリング42はコイルスプリングからなり、その軸方向が左右方向に一致するよう配置されている。
第2マスターギア120側に関しても、第2マスターギア120を回転可能に支持する第2支持部材130と、第2マスターギア120を被測定ギア3に押し付けるよう第2支持部材130を右側に付勢する第2付勢装置140とが設けられる。これらの構成および動作は、第1マスターギア20側と左右が逆になること以外、ほぼ同じなので、対応部分の符号を100番台に変更して詳細な説明を割愛する。また名称に関して「第1」を適宜「第2」に置換する。
相違点に関し、第2支持部材130には、第2マスターギア120を回転駆動する駆動装置は設けられていない。第2マスターギア120は、噛合時に第1マスターギア20により回転駆動される被測定ギア3により、従動的に回転駆動される。第2流体圧シリンダとしての第2エアシリンダ141は右向きに設置されている。
第1マスターギア20側において、非接触センサからなる第1センサ50が図示しない支持装置を介して基台1に位置調節可能に固定されている。また第1支持部材30に、第1センサ50に対向配置された第1被検出体51が固定ブラケット52を介して固定されている。第1センサ50は、第1被検出体51との左右方向の距離L1を検出することにより、後述の如く、第1マスターギア20の挙動を検出する。
本実施形態の場合、固定ブラケット52が第1支持部材30の前面左端部に突出して設けられ、この固定ブラケット52に第1被検出体51が左向きに取り付けられている。第1センサ50は、その第1被検出体51に対向するよう、基台1の前端部の位置において右向きに設置されている。第1センサ50および第1被検出体51は、検査時の第1マスターギア20の挙動に伴って変化する両者間の左右方向の距離L1を検出できればよく、それら設置位置は任意である。従ってそれら設置位置は本実施形態のものに限定されない。
同様に、第2マスターギア120側においても、第1マスターギア20側とは左右対称に、非接触センサからなる第2センサ150および第2被検出体151が設けられている。第2マスターギア120側の対応部分の構成は、左右が逆になること以外、第1マスターギア20側とほぼ同じなので、対応部分の符号を100番台に変更して詳細な説明を割愛する。第2センサ150は、第2被検出体151との左右方向の距離L2を検出することにより、後述の如く、第2マスターギア120の挙動を検出する。
図1に示すように、第1センサ50および第2センサ150の出力信号は信号処理機60に送られ、信号処理機60は後述の如く各種処理を行う。
図3に示すように、被測定ギア3の歯3Aの歯幅はt0であり、第1マスターギア20の歯20Aの歯幅はt1であり、第2マスターギア120の歯120Aの歯幅はt2である。t0≦t1であり、本実施形態ではt0<t1とされている。噛合時、第1マスターギア20は、被測定ギア3の歯3Aの全幅に亘って(つまり全歯幅に亘って)噛合される。また、t2<t0(つまりt2<t1)であり、好ましくはt2≦(1/2)×t0である。噛合時、第2マスターギア120は、被測定ギア3の歯3Aの幅中心部(つまり歯幅中心部)にのみ噛合され、幅両端部には噛合されない。
このように、第1マスターギア20の歯幅t1は被測定ギア3の歯幅t0より大きくされ、第1マスターギア20は被測定ギア3の全歯幅に亘って噛合される。打痕が被測定ギア3の歯幅両端部にのみ発生し易いことから、第1マスターギア20は主に第1の検査項目たる打痕の有無を検査するために使用される。他方、第2マスターギア120の歯幅t2は被測定ギア3の歯幅t0より小さくされ、第2マスターギア120は被測定ギア3の歯幅中心部にのみ噛合される。これにより第2マスターギア120の挙動が打痕の影響を受け難くなり、第2マスターギア120は主に第2および第3の検査項目たるサイズおよび偏心の良否を検査するために使用される。
第1マスターギア20および第2マスターギア120は、高精度に仕上げられており、互いに同一径かつ同歯数であるが、被測定ギア3よりは大径かつ多歯数とされている。また第1マスターギア20および第2マスターギア120は、被測定ギア3に合わせてヘリカルギアとされている。第1マスターギア20および第2マスターギア120は、被測定ギア3の種類に対応したものに交換可能である。なお各ギアの歯数はここで述べたものに限定されない。
次に、本実施形態の歯車検査装置を用いた歯車検査方法を説明する。
まず図1および図2に示したような初期位置から、支持アーム43,44を動かして、第1支持部材30を左に、第2支持部材130を右にそれぞれスライド移動させ、第1マスターギア20および第2マスターギア120を被測定ギア3に対向方向から(すなわち右側および左側から)概ね噛合させる初期噛合状態にする。このとき、被検出体51,151がセンサ50,150にぶつからぬよう、センサ50,150の位置を予め外しておくことは勿論である。そしてこのときの位置に支持アーム43,44をロックする。
次に、第1エアシリンダ41および第2エアシリンダ141に図示しない空圧源から空圧を供給する。すると、両エアシリンダが伸長方向に動作し、第1マスターギア20および第2マスターギア120を被測定ギア3に対向方向から押し付けるようになる。
すなわち、第1エアシリンダ41に空圧が供給されると、ピストンロッド46が左側に伸長動作し、第1スプリング42が圧縮され、第1支持部材30が僅かに左側にスライド移動される。これにより、第1支持部材30に支持された第1マスターギア20が、右側から被測定ギア3に押し付けられるようになる。
他方、第2エアシリンダ141に空圧が供給されると、ピストンロッド146が右側に伸長動作し、第2スプリング142が圧縮され、第2支持部材130が僅かに右側にスライド移動される。これにより、第2支持部材130に支持された第2マスターギア120が、左側から被測定ギア3に押し付けられるようになる。そして両マスターギア20,120が被測定ギア3を挟む格好となる。
このとき、留意すべきことに、第1エアシリンダ41内の圧力が第2エアシリンダ141内の圧力より高くされる。これにより図3に示すように、第1マスターギア20を被測定ギア3に押し付けようとする第1付勢装置40の付勢力F1が、第2マスターギア120を被測定ギア3に押し付けようとする第2付勢装置140の付勢力F2より大きくされる。すると、これら付勢力の差により、被測定ギア3は支持軸2に対し、両者のクリアランス分だけ左側に偏心移動され、被測定ギア3の中心穴3Bの右側内周面が支持軸2の外周面2Bに当接し、その左側内周面は支持軸2の外周面2Bから離れた状態(これを片当たり状態という)となる。詳しくは、被測定ギア3の中心C0は、半径クリアランス分だけ基準軸Oから左側に偏心され、中心穴3Bの左側内周面と支持軸2の外周面2Bとの間には、直径クリアランス分の隙間70ができる(図は誇張して描かれている)。ここで半径クリアランスとは、被測定ギア3を支持軸2に同軸に配置したときにできる半径方向のクリアランスであり、直径クリアランスとは、直径方向全体でできるクリアランスであり、半径クリアランスの2倍である。
より詳細に述べると、本実施形態において、第1スプリング42と第2スプリング142は同一のコイルスプリングからなり、同一の特性(サイズおよびばね定数)を有する。また第1エアシリンダ41と第2エアシリンダ141も同一のエアシリンダからなる。しかしながら、前述のように第1エアシリンダ41の内圧を第2エアシリンダ141の内圧より高くすると、第1スプリング42を第2スプリング142より大きく圧縮させ、付勢力F1を付勢力F2より大きくすることができる。
検査は、こうした付勢力の差を生じさせた状態のまま、つまり中心穴3Bの右側内周面のみを支持軸2に当接させた状態のまま、行う。
このように両マスターギアの押し付けが完了したら、第1センサ50および第1被検出体51間の距離L1と、第2センサ150および第2被検出体151間の距離L2とがそれぞれ所定距離となるよう、第1センサ50および第2センサ150の位置を調節して固定する。
次に、駆動装置を作動させて第1マスターギア20を回転させる。これにより、被測定ギア3が回転し、これに噛合する第2マスターギア120も回転する。被測定ギア3の回転中、被測定ギア3は、上述の如き、中心穴3Bの右側内周面のみが支持軸2に当接した状態に維持される。被測定ギア3の回転中に、第1センサ50および第2センサ150による距離L1,L2の検出が連続的に行われ、対応する各信号が信号処理機60に送られ、記憶される。
被測定ギア3は、比較的低速で少なくとも1回転させられる。駆動装置には、第1マスターギア20の回転位相を検出する位相センサ(例えばロータリエンコーダ)が装備されており、この回転位相と、第1マスターギア20および被測定ギア3のギヤ比とから、被測定ギア3の回転位相が検出される。位相センサの出力信号も信号処理機60に送られ、信号処理機60は、距離L1,L2に関するデータを被測定ギア3の回転位相と関連付けて記憶する。こうすることで、打痕がある位相位置や偏心方向等を正確に検出することが可能である。なお、被測定ギア3の回転位相を直接検出してもよい。
検査に際しては、まず予め、打痕および偏心が無くサイズ(具体的には外径)が基準値の正常な被測定ギア、すなわち基準被測定ギアが支持軸2に取り付けられ、この基準被測定ギアに関する測定、すなわち基準データの取得が、第1センサ50、第2センサ150および信号処理機60を用いて行われる。そしてこの後、基準被測定ギアが、検査対象の被測定ギア3と交換され、実質的な検査が行われる。検査時に取得された実測データが、基準データと比較され、その結果に基づき三つの検査項目、すなわち打痕、サイズおよび偏心の良否について判定がなされる。
被測定ギア3に打痕があるとき、多くの場合、打痕は被測定ギア3の歯幅両端部にのみ発生する。第1マスターギア20は、被測定ギア3の歯幅両端部にも噛合しているので、被測定ギア3の打痕位置に第1マスターギア20が噛み合うと、第1マスターギア20は打痕に倣って左右方向に移動する。これに伴い、距離L1が変化し、このことを示す第1センサ50の出力信号から、被測定ギア3に打痕があることを検出できる。
なお打痕は、例えば、搬送中等に被測定ギア3に何等かの物体がぶつかったことにより生じるもので、これによってできた窪みと、窪みに隣接した突起とを有する。また、被測定ギア3の加工時にバリが突出形成されることもあり、ここではこうしたバリも打痕に含めるものとする。
他方、第2マスターギア120は、被測定ギア3の歯幅両端部に噛合してないので、多くの場合、打痕の影響を受けずに回転する。その一方で、被測定ギア3のサイズが基準被測定ギアのサイズと異なるとき、そのサイズ差に応じて距離L2が変化する。例えば、前者が後者より大きいとき、前者のときの距離L2は後者のときの距離L2より大きくなる。また、被測定ギア3に偏心があるとき、その偏心量に応じて、距離L2の変化の仕方が変化する。よって、第2センサ150の出力信号から、被測定ギア3にサイズおよび偏心の少なくとも一方の異常があることを検出できる。
第1マスターギア20も、サイズ違いおよび偏心の影響を受けて第2マスターギア120と同様に左右方向に移動するが、第1マスターギア20は打痕の影響も受けるため、第1マスターギア20のみによってはサイズ違いおよび偏心を正確に把握することが困難である。よって本実施形態では、第1マスターギア20は打痕の有無のみを検出し、第2マスターギア120はサイズ違いおよび偏心の有無のみを検出するよう使用される。これにより、互いの影響を排除して両者を正確に検出できる。
図4は、第1マスターギア20に対応した第1センサ50の出力波形の一例を示す。横軸θは被測定ギア3の回転位相である。ここで検査された被測定ギア3は、打痕、サイズおよび偏心のいずれにも異常があるものとする。第1センサ50の出力波形は、偏心に起因したサインカーブ状の基本波形aと、その所々で発生する、打痕に起因したピーク波形bとを有する。この出力波形のままではピーク波形bの大きさcを正確に求めることが困難なので、当該出力波形は、信号処理機60でフィルタ処理され、図5に示すような平滑波形に変換される。図示例のようにピーク波形bの大きさcが許容値dを上回った場合、被測定ギア3は打痕異常有りと判定され、そうでなければ被測定ギア3は打痕異常無しと判定される。
図6は、第2マスターギア120に対応した第2センサ150の出力波形の一例を示す。第2センサ150の出力波形は、上述の基本波形aと同様のサインカーブ状の基本波形a’を有するが、こちらは打痕の影響を受けないので、基本波形aよりもサイズおよび偏心について被測定ギア3のものを正確に反映している。また第2センサ150の出力波形は、打痕に起因したピーク波形bを有しない。基本波形a’の最大値と最小値の差eが、被測定ギア3の偏心の大きさに相関する値である。差eが所定の許容値を上回った場合、被測定ギア3は偏心異常有りと判定され、そうでなければ被測定ギア3は偏心異常無しと判定される。また、基本波形a’の最大値と最小値の間の中間値fが、被測定ギア3のサイズの大きさを表している。中間値fと、基準被測定ギアで測定したときの中間値との差の絶対値が、所定の許容値を上回った場合、被測定ギア3はサイズ異常有りと判定され、そうでなければ被測定ギア3はサイズ異常無しと判定される。
こうして一つの被測定ギア3の検査が終了したら、別の被測定ギア3に交換され、この別の被測定ギア3に対し同様の検査が行われる。
さて、本実施形態によれば、図3に示したように、第1付勢装置40の付勢力F1が第2付勢装置140の付勢力F2より大きくされ、被測定ギア3の中心穴3Bの右側内周面のみが支持軸2に当接した片当たり状態で、被測定ギア3の検査が行われる。これは、基準被測定ギアの測定時も同様である。従って、検査時に、被測定ギア3および支持軸2間のクリアランスの影響を排除し、支持軸2に対する被測定ギア3のガタつきを抑制ないし防止することができる。そしてガタつきに起因した検査精度の低下を抑制することができる。言い換えれば、ガタつきに起因して、第1センサ50および第2センサ150により検出される距離L1,L2が任意に変化すること、ひいてはこれに起因して上述の大きさc、差eおよび中間値fが、実際の被測定ギア3に対応した値からずれることを抑制できる。また、基準被測定ギアの測定も同様の片当たり状態で行うので、測定時の基準データと比較した検査を精度良く行うことができる。
また本実施形態では、被測定ギア3の全歯幅に噛合する第1マスターギア20に、より大きな付勢力F1を加えるので、被測定ギア3の歯幅方向に均等に付勢力F1を加えられ、中心穴3Bの右側内周面の歯幅方向全体を支持軸2に安定して当接させることができる。よって、付勢力の差を持たせたことによる被測定ギア3の傾きを抑制することができる。これも、ガタつきの排除、ひいてはガタつきに起因した検査精度の低下抑制に有利である。
第2マスターギア120を、被測定ギア3の歯幅中心部にのみ噛合させるので、前述の如く打痕影響を無くすことに加え、支持軸2に対する被測定ギア3の傾きを抑制するのにも有利であり、これも検査精度の低下抑制につながる。
なお、既述したように、両付勢力F1,F2が同じであると、被測定ギア3がその回転中に任意に右側あるいは左側にガタつき、この影響で検査精度が低下する虞がある。本実施形態はこうした検査精度の低下を抑制し得る。
以上、本発明の実施形態を詳細に述べたが、本発明は以下に述べるような他の実施形態も可能である。
(1)例えば、第1エアシリンダ41および第2エアシリンダ141を省略し、第1スプリング42および第2スプリング142のみで第1付勢装置40および第2付勢装置140を構成することも可能である。この場合、第1マスターギア20への付勢力F1を第2マスターギア120への付勢力F2より大きくするため、次のようにすることが考えられる。例えば、第1スプリング42のばね定数を第2スプリング142のばね定数より大きくし、両者の圧縮量を等しくすることが考えられる。あるいは、両スプリングを同一品としつつ、第1スプリング42の圧縮量を第2スプリング142の圧縮量より大きくすることが考えられる。このように、第1付勢装置40および第2付勢装置140の構成ならびに両付勢力の差の付け方は任意の態様が可能である。第1スプリング42および第2スプリング142を省略し、第1エアシリンダ41および第2エアシリンダ141のみで第1付勢装置40および第2付勢装置140を構成してもよい。第1エアシリンダ41および第2エアシリンダ141を油圧シリンダ等の他の流体圧シリンダまたは電動アクチュエータで置換してもよい。
(2)第1マスターギア20の歯幅t1は被測定ギア3の歯幅t0と等しくてもよい。この場合も、第1マスターギア20を、被測定ギア3の全歯幅に亘って噛合させるのが好ましい。
(3)上述の三つの検査項目(打痕、サイズ、偏心)以外の検査項目の検査に本装置を使用してもよい。
前述の各実施形態の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 基台
2 支持軸
3 被測定ギア
20 第1マスターギア
30 第1支持部材
40 第1付勢装置
120 第2マスターギア
130 第2支持部材
140 第2付勢装置
t0 被測定ギアの歯幅
t1 第1マスターギアの歯幅
t2 第2マスターギアの歯幅
F1,F2 付勢力

Claims (3)

  1. 基台と、
    前記基台に固定された支持軸と、
    前記支持軸に回転可能に嵌合された被測定ギアと、
    前記被測定ギアに対向方向から噛合される第1および第2マスターギアと、
    前記第1および第2マスターギアをそれぞれ回転可能に支持すると共に、前記基台に対しスライド移動可能な第1および第2支持部材と、
    前記第1および第2マスターギアを前記被測定ギアに押し付けるよう、前記第1および第2支持部材をそれぞれ対向方向に付勢する第1および第2付勢装置と、
    を備え、
    前記第1マスターギアは、前記被測定ギアの歯幅以上の歯幅を有し、前記第2マスターギアは、前記被測定ギアの歯幅より小さい歯幅を有し、
    検査時に、前記第1付勢装置の付勢力は前記第2付勢装置の付勢力より大きくされる
    ことを特徴とする歯車検査装置。
  2. 前記第1付勢装置は、第1流体圧シリンダと、前記第1流体圧シリンダおよび前記第1支持部材の間に介設された第1スプリングとを有し、
    前記第2付勢装置は、第2流体圧シリンダと、前記第2流体圧シリンダおよび前記第2支持部材の間に介設された第2スプリングとを有し、
    検査時に、前記第1流体圧シリンダ内の圧力が前記第2流体圧シリンダ内の圧力より高くされる
    ことを特徴とする請求項1に記載の歯車検査装置。
  3. 前記第1マスターギアは、前記被測定ギアの全歯幅に亘って噛合され、
    前記第2マスターギアは、前記被測定ギアの歯幅中心部に噛合される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の歯車検査装置。
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