JP2017217957A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、上述した従来の車両用空調装置の場合、何らかの原因によって補助暖房システム側の凝縮器の温度が急激に変化したときに、それに伴う冷却水の温度の変化に対して補助暖房システムによる温度の回復が遅れ、車室内に吹き出される送風空気の温度が急変して乗員の快適性が損なわれることがある。
即ち、この発明に係る車両用空調装置は、内燃機関(例えば、実施形態のエンジン4)と熱交換した冷却水を、室内に吹き出される空気を加熱するヒータコア(例えば、実施形態のヒータコア19)に流入させる冷却水通路(例えば、実施形態の冷却水通路23A)と、コンプレッサ(例えば、実施形態のコンプレッサ13)で圧縮された冷媒と冷却水との間で熱交換を行う凝縮器(例えば、実施形態のサブコンデンサ25)、暖房用膨張弁(例えば、実施形態の暖房用膨張弁26)、及び、蒸発器(例えば、実施形態のサブエバポレータ27)を持つ冷媒回路(例えば、実施形態の冷媒回路30)を有し、前記凝縮器を流れる冷媒の凝縮熱を取り出して前記冷却水通路を流れる冷却水を加熱する補助暖房システム(例えば、実施形態の補助暖房システム14)と、暖房運転時に、前記ヒータコアを流れる冷却水の温度を目標温度に近づけるように前記補助暖房システムを制御する制御装置(例えば、実施形態の制御装置21)と、を備えた車両用空調装置において、前記制御装置は、前記凝縮器を流れる冷媒の圧力情報と、前記コンプレッサの運転状態情報とに基づいて前記ヒータコアを流れる冷却水の温度を推定し、ここで推定した推定水温に基づいて前記補助暖房システムを制御することを特徴とする。
この場合、凝縮器周りでの外部への放熱に大きく影響する外気温度と車両の走行速度が加味されてヒータコアを流れる冷却水の温度を推定するため、外気温度や車両の運転状況に拘わらず、凝縮器側の温度変化に対して冷却水の温度を迅速、かつ正確に回復させることができる。
したがって、この発明を採用した場合には、凝縮器側の意図しない温度変化に伴って車室内に吹き出される送風温度が急変するのを防止し、乗員の快適性を高めることができる。
図1は、この実施形態に係る車両用空調装置10を採用した車両1を右前部上方側から見た図であり、図2は、車両用空調装置10の概略構成を示した図である。
この実施形態に係る車両1は、図1に示すように、車室2の前方にエンジンルーム3が配置され、エンジンルーム3内に、内燃機関4(以下、「エンジン4」と呼ぶ。)と、車両用空調装置10とが配置されている。車両用空調装置10は、車室内に吹き出される空気(以下、「空調空気」と呼ぶ。)の温度と湿度を調整するとともに、空調空気の吹き出し位置や風量、運転モード(冷房、暖房、除湿、換気等の運転モード)を切り換える空調ユニット11を備えている。
図2〜図4に示すように、車両用空調装置10は、暖房運転時に、供給側の冷却水通路23A内を流れる冷却水を加熱する補助暖房システム14を備えている。補助暖房システム14は、暖房運転時にエンジン4の燃焼熱によって暖められる冷却水の温度の不足分を補うために冷却水通路23A内の冷却水を加熱する。
コンプレッサ13は、暖房運転時には、サブエバポレータ27から冷媒を吸入し、その冷媒を高温高圧に圧縮してサブコンデンサ25に吐出する。
暖房用膨張弁26は、気液分離タンク29から流出する液冷媒を低圧に減圧して、低圧の気液二相状態を形成し、その低圧冷媒をサブエバポレータ27に吐出する。
こうして冷媒回路30を流れる冷媒の温度が上昇すると、コンプレッサ13の出口側の冷媒圧力が上昇し、コンプレッサ13の仕事量が増加する。
したがって、制御装置21による制御によって第1のバイパス弁31を開くことにより、コンプレッサ13の仕事量が増加するので、補助暖房システム14による供給側の冷却水通路23Aでの冷却水の加熱量を増加させ、もって空気吹出口15bから吹き出される空調空気の温度を上昇させることができる。
なお、空気吹出口15bから吹き出される空調空気の温度を上昇させる場合には、停止しているコンプレッサ13をオン作動させたり、コンプレッサ13がオン作動しているときにコンプレッサ13の冷媒吐出量を増大させるようにしても良い。
また、第2のバイパス弁32が開かれると、第2のバイパス弁32の開度に応じた流量の冷却水がエバポレータバイパス通路23B−bを通り、その分サブエバポレータ27側に流れる冷却水の流量が減少する。サブエバポレータ27側に流れる冷却水の流量が減少すると、サブエバポレータ27全体の気化熱が減少し、液冷媒からの気化する量が減少する。その結果、気化冷媒の量が減少するので、コンプレッサ13の仕事量が減少する。
したがって、制御装置21による制御によって第2のバイパス弁32を開くことにより、コンプレッサ13の仕事量が減少するので、補助暖房システム14による供給側の冷却水通路23Aでの冷却水の加熱量を減少させ、もって空気吹出口15bから吹き出される空調空気の温度を降下させることができる。
なお、空気吹出口15bから吹き出される空調空気の温度を降下させる場合、オン作動しているコンプレッサ13の冷媒吐出量を減少させたり、コンプレッサ13の作動を停止させるようにしても良い。
また、コンプレッサ13には、コンプレッサ13のオン・オフ状態や回転速度等のコンプレッサ13の運転状態を検出して、その信号を制御装置21に出力する運転状態検出部35が設けられている。なお、コンプレッサ13が容量可変形のコンプレッサである場合には、運転状態検出部35は、コンプレッサ13の現在の容量を検出して、その信号も制御装置21に出力する。
(a)コンプレッサ13のオン・オフ制御。
(b)コンプレッサ13の冷媒吐出量の増減制御。
(c)第1のバイパス弁31や第2のバイパス弁32の開閉制御。
暖房運転時におけるヒータコア19の温度制御は、基本は水温センサ33によって検出される温度が目標温度と合致するように、(a)〜(c)のいずれか、若しくは、(a)〜(c)の任意の組み合わせによって実行されるが、補助暖房システム14のサブコンデンサ25側の意図しない急激な温度変化に起因して冷却水温の急激な変化が生じる状況においては、制御装置21は、以下のようにしてヒータコア19の温度変化を修正する(回復させる)。
Pdx=Psub+A*Ncomp+B・・・(1)
T=f(Pdx)+C*Tamb+D*Vcar・・・(2)
また、図3,図4において、逆止弁46は、主冷媒回路20のエバポレータ17とコンプレッサ13の間に介装されている。
(暖房運転時)
暖房運転時には、図3に示すように、ラジエータ5側の冷却水通路42が切換弁44によって閉じられ、ヒータコア19側の冷却水通路23Bが切換弁45によって開かれる。この状態において、エンジン4が始動してウォーターポンプ24が作動すると、エンジン4を冷却した冷却水が供給側の冷却水通路23Aを通ってヒータコア19に供給され、ヒータコア19を通過した冷却水がエンジン4に戻される。
こうして冷却水によって加熱されたヒータコア19は、図2に示す空調ユニット11の通風ダクト15内において空調空気と熱交換される。この結果、通風ダクト15の空気吹出口15bからは暖房風が吹き出される。
なお、暖房運転時における冷却水の温度制御は前述のようにして行われる。
冷房運転時には、図4に示すように、ヒータコア19側の冷却水通路23Bが切換弁45によって閉じられ、ラジエータ5側の冷却水通路42が切換弁44によって開かれる。この状態において、エンジン4が始動してウェーターポンプ43が作動すると、エンジン4を冷却した冷却水が冷却水通路42を通ってラジエータ5に送られ、ラジエータ5で外気と熱交換された後にエンジン4に戻される。これにより、エンジン4の燃焼熱がラジエータ5を通して外気に放出され、その結果、エンジン4の過熱が抑制される。
このとき、エバポレータ17は、図2に示す空調ユニット11の通風ダクト15内において空調空気と熱交換される。この結果、通風ダクト15の空気吹出口15bからは冷房風が吹き出される。
したがって、この実施形態に係る車両用空調装置10を採用した場合には、サブコンデンサ25側の意図しない温度変化に伴って空調空気の温度が急変するのを防止することができる。よって、乗員の快適性を高めることができる。
このグラフに示すように、温度変化に対する検出特性の緩慢な水温センサ33を用いた場合に比較し、上述の推定温度を用いた場合には、ヒータコア19を流れる実際の冷却水の温度に近い値を得ることができる。
このグラフに示すように、サブコンデンサ25側に意図しない温度の急激な変化があるときに、上述の推定温度を用いて補助暖房システム14を制御するようにした場合には、空調空気の急激な変動を抑制することができる。
したがって、この実施形態に係る車両用空調装置10を採用した場合には、外気温度や車両の運転速度に拘わらず、サブコンデンサ25側の温度変化に対して冷却水の温度を迅速、かつ正確に回復させることができる。
10…車両用空調装置
13…コンプレッサ
14…補助暖房システム
19…ヒータコア
21…制御装置
23A…冷却水通路
25…サブコンデンサ(凝縮器)
26…暖房用膨張弁
27…サブエバポレータ(蒸発器)
30…補助暖房用の冷媒回路(冷媒回路)
Claims (2)
- 内燃機関と熱交換した冷却水を、室内に吹き出される空気を加熱するヒータコアに流入させる冷却水通路と、
コンプレッサで圧縮された冷媒と冷却水との間で熱交換を行う凝縮器、暖房用膨張弁、及び、蒸発器を持つ冷媒回路を有し、前記凝縮器を流れる冷媒の凝縮熱を取り出して前記冷却水通路を流れる冷却水を加熱する補助暖房システムと、
暖房運転時に、前記ヒータコアを流れる冷却水の温度を目標温度に近づけるように前記補助暖房システムを制御する制御装置と、を備えた車両用空調装置において、
前記制御装置は、前記凝縮器を流れる冷媒の圧力情報と、前記コンプレッサの運転状態情報とに基づいて前記ヒータコアを流れる冷却水の温度を推定し、ここで推定した推定水温に基づいて前記補助暖房システムを制御することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記制御装置は、前記凝縮器を流れる冷媒の圧力情報と、前記コンプレッサの運転状態情報とに加え、車両の外気温度に関する温度情報と、車両の走行速度に関する車速情報とに基づいて前記ヒータコアを流れる冷却水の温度を推定し、ここで推定した推定水温に基づいて前記補助暖房システムを制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
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