JP2017206145A - 車両用空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車室内の空気を循環させる運転時においても、車室内の二酸化炭素濃度の上昇を防止するとともに、車室内の空気の温度及び湿度を容易に目的の温度及び湿度とすることのできる車両用空気調和装置を提供する。【解決手段】車室内から空調ケース10内に流入させた空気中の二酸化炭素の少なくとも一部を除去する二酸化炭素分離ユニット50を備え、二酸化炭素分離ユニット50は、空調ケース10内における冷却用熱交換器30及び加熱用熱交換器40の空気流通方向上流側に設けられている。これにより、二酸化炭素濃度を低下させるとともに、目標の温度に調整された空気を車室内に供給することが可能となる。【選択図】図6
Description
本発明は、車両用空気調和装置に関するものである。
従来、この種の車両用空気調和装置としては、車室内に連通する空気吸入口及び空気吐出口を有する空調ケースと、車室内の空気を内気吸入口を介して空調ケース内に流入させ、空調ケース内を流通した空気を空気吐出口を介して車室内に供給する送風機と、空調ケース内を流通する空気を冷却する冷却用熱交換器と、空調ケース内を流通する空気を加熱する加熱用熱交換器と、を備えたものが知られている。
前記車両用空気調和装置では、車室内の空気を空調ケース内に流入させ、空調ケース内を流通する空気を冷却したり加熱したりして車室内に供給する、所謂、内気循環モードでの運転が可能である。
しかし、前記車両用空気調和装置では、内気循環モードを長時間継続すると、搭乗者の呼気によって車室内の空気中の二酸化炭素濃度が高くなる。車室内の空気中の二酸化炭素濃度が高い状態は、車室内の運転者の判断能力に悪影響を及ぼしたり、車室内の快適性が損なわれたりする原因となる。
そこで、車室内の空気を循環させる運転時において車室内の二酸化炭素濃度の上昇を抑制可能な車両用空気調和装置が考えられている。この車両用空気調和装置は、車両のピラーの内部を仕切る選択分離材を備え、ピラーの内部の一方の空間に車室内の空気を流通させ、他方の空間に車室外の空気を流通させるものである(例えば、特許文献1参照)。この車両用空気調和装置は、ピラーの内部を流通する車室内の空気中に含まれる二酸化炭素を、選択分離材を透過させて車室外の空気中に流入させ、二酸化炭素濃度を低下させた空気を車室内に戻している。
しかし、前記選択分離材を備えた車両用空気調和装置では、ピラーの内部において、車室内の空気中の二酸化炭素を、選択分離材を透過させて車室外の空気中に流入させる際に、車室内の空気と車室外の空気とが熱交換する。このため、この車両用空気調和装置では、車室内の空気中の二酸化炭素濃度の上昇を抑制することはできるが、車室外の空気の温度の影響を受けて車室内の空気の温度が変動し、車室内の温度及び湿度を目的の温度及び湿度とすることが困難である。
本発明の目的とするところは、車室内の空気を循環させる運転時においても、車室内の二酸化炭素濃度の上昇を防止するとともに、車室内の空気の温度及び湿度を容易に目的の温度及び湿度とすることのできる車両用空気調和装置を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために、車室内に連通する空気吸入口及び空気吐出口を有する空調ケースと、車室内の空気を内気吸入口を介して空調ケース内に流入させ、空調ケース内を流通した空気を空気吐出口を介して車室内に供給する送風機と、空調ケース内を流通する空気の冷却及び加熱の一方または両方が可能な熱交換部と、空調ケース内を流通する空気中の二酸化炭素の少なくとも一部を除去する二酸化炭素除去部と、を備え、二酸化炭素除去部は、空調ケース内における熱交換部の空気流通方向上流側に設けられている。
これにより、二酸化炭素を除去した後の空気が、熱交換部によって熱交換されることから、二酸化炭素濃度を低下させるとともに、目標の温度に調整された空気が車室内に供給される。
本発明によれば、二酸化炭素濃度を低下させるとともに、目標の温度に調整された空気を車室内に供給することが可能となるので、車室内の空気を循環させる運転時においても、車室内の空気の二酸化炭素濃度の上昇を防止するとともに、車室内の温度及び湿度を確実に目的の温度及び湿度とすることが可能となる。
図1乃至図7は、本発明の一実施形態を示すものである。
本発明の車両用空気調和装置1は、車室内の空気を循環させる運転時において、車室内に供給する空気中に含まれる二酸化炭素の一部を分離して車室外に排出することで、車室内の二酸化炭素濃度の上昇を抑制することが可能なものである。
この車両用空気調和装置1は、図1に示すように、空調ケース10と、空調ケース10内に空気を流入させて車室内に供給するための送風機20と、車室内に供給する空気を冷却するための熱交換部としての冷却用熱交換器30と、車室内に供給する空気を加熱するための熱交換部としての加熱用熱交換器40と、車室内に供給する空気中に含まれる二酸化炭素濃度の一部を分離するための二酸化炭素除去部としての二酸化炭素分離ユニット50と、を備えている。
空調ケース10は、例えば、合成樹脂材料からなる箱状の部材からなり、車室の前部に設けられたインストルメントパネルの内部に配置されている。
空調ケース10には、車室外及び車室内の一方の空気のみを流入させたり両方の空気を同時に流入させたりすることが可能な室内空気流入手段としての機能を有するチャンバ11と、チャンバ11に流入した空気のうち、車室内に供給する空気が流通する第1空気流通路12と、車室外に排出される空気が流通可能な第2空気流通路13と、が設けられている。
チャンバ11には、車室内の空気を流入させるための空気吸入口としての内気吸入口11aと、車室外の空気を流入させるための第1外気吸入口11b及び第2外気吸入口11cと、が設けられている。
内気吸入口11aと第1外気吸入口11bは、互いに隣接した位置に配置されている。内気吸入口11aと第1外気吸入口11bとの間には、内気吸入口11a及び第1外気吸入口11bの一方を開放して他方を閉鎖することが可能な電動の第1吸入口切替ダンパ11dが設けられている。
第1吸入口切替ダンパ11dは、内気吸入口11aを閉鎖して第1外気吸入口11bを開放することで、車室外の空気のみをチャンバ11に流入させることが可能である。また、第1吸入口切替ダンパ11dは、第1外気吸入口11bを閉鎖して内気吸入口11aを開放することで、車室内の空気のみをチャンバ11に流入させることが可能である。さらに、第1吸入口切替ダンパ11dは、内気吸入口11aと第1外気吸入口11bとの間に位置させることで、内気吸入口11aと第1外気吸入口11bとをそれぞれ開放することが可能である。第1吸入口切替ダンパ11dは、内気吸入口11a及び第1外気吸入口11bのそれぞれの開口率に応じた割合で、車室外の空気及び車室内の空気をチャンバ11に流入させることが可能である。
第2外気吸入口11cは、第1外気吸入口11bに隣接した位置に配置されており、電動の第2吸入口切替ダンパ11eによって開閉される。
第2吸入口切替ダンパ11eは、チャンバ11の内側において第2外気吸入口11cを開閉する部材である。第2吸入口切替ダンパ11eは、第2外気吸入口11cを開放した状態において、チャンバ11内を仕切るようになっており、第2外気吸入口11cと第2空気流通路13とを連通する。第2吸入口切替ダンパ11eは、第2外気吸入口11cを開放することで、車室外の空気をチャンバ11に流入させることが可能である。
また、チャンバ11の内部には、第1空気流通路12及び第2空気流通路13への塵埃の侵入を防止するためのフィルタ11fが設けられている。
第1空気流通路12は、一端がチャンバ11に連通し、他端が空気吐出口12aを介して車室内に連通している。
第2空気流通路13は、一端がチャンバ11に連通し、他端が車室外に連通している。第2空気流通路13は、第2吸入口切替ダンパ11eによって第2外気吸入口11cを開放すると、一端が車室外に連通する。第2空気流通路13は、他端側が例えばゴム製のホース等、可撓性を有する管13aによって構成されている。第2空気流通路13の管13aの端部は、第1空気流通路12において生じた結露水を車室外に排出するための排水口12bに接続されている。即ち、第2空気流通路13の他端は、排水口12bを介して車室外に連通している。
送風機20は、第1空気流通路12の上流側に配置された第1羽根車21と、第2空気流通路13の上流側に配置された第2羽根車22と、第1羽根車21及び第2羽根車22を同時に駆動させるための電動モータ23とを有している。第1羽根車21及び第2羽根車22は、それぞれシロッコファン等の外周部に複数の翼を有する円筒状の部材である。
冷却用熱交換器30は、例えば、空気と冷媒とを熱交換するためのフィンとチューブとからなる熱交換器であり、冷凍サイクルの蒸発器として機能するものである。冷却用熱交換器30は、第1空気流通路12における、第1羽根車21の空気流通方向下流側に配置されている。
加熱用熱交換器40は、例えば、空気と水等の液体とを熱交換するためのフィンとチューブとからなる熱交換器であり、車両走行用のエンジンの冷却回路に接続されている。加熱用熱交換器40は、第1空気流通路12における、冷却用熱交換器30の空気流通方向下流側に配置されている。また、加熱用熱交換器40は、第1空気流通路12における空気流通方向と直交する方向の一方側に配置されている。第1空気流通路12における空気流通方向と直交する方向の他方側には、加熱用熱交換器40と熱交換しない空気が流通する空間が形成されている。
第1空気流通路12における冷却用熱交換器30と加熱用熱交換器40との間には、第1空気流通路12を流通する空気のうち、加熱用熱交換器40において熱交換される空気の割合を調整するためのエアミックスダンパ12cが設けられている。エアミックスダンパ12cは、一端部を中心に搖動自在に設けられた板状部材からなり、第1空気流通路12における、空気流通方向と直交する方向の一方側または他方側を閉塞することが可能である。エアミックスダンパ12cは、第1空気流通路12における、空気流通方向と直交する方向の一方側(加熱用熱交換器40の空気流通方向上流側)に位置すると、加熱用熱交換器40において熱交換する空気の割合が減少する。また、エアミックスダンパ12cは、第1空気流通路12における、空気流通方向と直交する方向の他方側に位置すると、加熱用熱交換器40において熱交換する空気の割合が増加する。
二酸化炭素分離ユニット50は、第1空気流通路12における冷却用熱交換器30の空気流通方向上流側に配置されている。二酸化炭素分離ユニット50は、図2に示すように、第1空気流通路12を流通する空気から一部の二酸化炭素を分離するための複数の二酸化炭素分離部材51と、複数の二酸化炭素分離部材51を支持するための支持ケース52と、を有している。
複数の二酸化炭素分離部材51は、例えば、高分子化合物等を管状に形成した部材からなり、外側を流通する空気と内側を流通する空気との間で、酸素及び二酸化炭素を濃度の高い空気側から濃度の低い空気側に透過させることが可能である。複数の二酸化炭素分離部材51は、酸素及び二酸化炭素を透過させることは可能であるが、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び粒子状物質等の物質の透過を遮断する。
支持ケース52は、第1空気流通路12を流通する空気が通過する空気通過部52aと、第2空気流通路13の一端に連通する空気流入部52bと、第2空気流通路13の他端に連通する空気流出部52cと、を有している。
空気流入部52bには、複数の二酸化炭素分離部材51の一端側が接続され、空気流出部52cには、複数の二酸化炭素分離部材51の他端側が接続されている。支持ケース52に支持された複数の二酸化炭素分離部材51は、空気通過部52aにおいて、第1空気流通路12を流通する空気流通方向と直交する方向に延びている。
第2空気流通路13は、空気流入部52b、複数の二酸化炭素分離部材51及び空気流出部52cを含んでいる。二酸化炭素分離部材51の内周部は、第2空気流通路13における二酸化炭素が流入する部分である二酸化炭素流入部となる。また、第1空気流通路12と第2空気流通路13とは、支持ケース52の空気通過部52aにおいて直交している。
また、二酸化炭素分離ユニット50の空気流通方向上流側における、第1空気流通路12と第2空気流通路13とを仕切る仕切壁10aには、第1空気流通路12と第2空気流通路13とを互いに連通する連通手段としての連通孔10bが設けられている。連通孔10bには、連通孔10bを開閉するとともに、連通孔10bを開放した状態で第2空気流通路13における空気流入部52bに連通する流路を閉鎖するための流通規制部としての流路切替ダンパ10cが設けられている。
また、車両用空気調和装置1は、運転モードに応じて第1吸入口切替ダンパ11d、第2吸入口切替ダンパ11e及び流路切替ダンパ10cの動作を制御するためのコントローラ60を備えている。
コントローラ60は、CPU、ROM,RAMを有している。コントローラ60は、入力側に接続された装置からの入力信号を受信すると、CPUが、入力信号に基づいてROMに記憶されたプログラムを読み出すとともに、入力信号によって検出された状態をRAMに記憶したり、出力側に接続された装置に出力信号を送信したりする。
コントローラ60の入力側には、図3に示すように、搭乗者が車両用空気調和装置1の運転に関する操作を入力するための操作入力部61と、車室内の温度を検出するための温度センサ62と、車室内の二酸化炭素濃度を検出するための二酸化炭素濃度検出部としての二酸化炭素濃度センサ63と、が接続されている。また、コントローラ60の出力側には、第1吸入口切替ダンパ11d、第2吸入口切替ダンパ11e及び流路切替ダンパ10cが接続されている。
以上のように構成された車両用空気調和装置1では、空調ケース10内を流通する空気を、冷却用熱交換器30によって冷却して車室内に供給することで冷房運転を行い、加熱用熱交換器40によって加熱して車室内に供給することで暖房運転を行う。また、車両用空気調和装置1では、空調ケース10内を流通する空気を、冷却用熱交換器30によって冷却した後に加熱用熱交換器40によって加熱して車室内に供給することで除湿冷房運転または除湿暖房運転を行う。
また、車両用空気調和装置1では、冷房運転、暖房運転、除湿冷房運転及び除湿暖房運転において、外気導入モードと、内気循環モードと、二酸化炭素除去モードと、の切り替えが可能である。外気導入モードは、車室外の空気を空調ケース10内に流入させて車室内に供給するモードである。内気循環モードは、車室内の空気を空調ケース10内に流入させて車室内に供給するモードである。二酸化炭素除去モードは、車室内の空気を空調ケース10内に流入させるとともに、空調ケース10内に流入させた車室内の空気中に含まれる二酸化炭素の濃度を低減して車室内に供給するモードである。
外気導入モードでは、第1吸入口切替ダンパ11dによって内気吸入口11aを閉鎖して第1外気吸入口11bを開放し、第2吸入口切替ダンパ11eによって第2外気吸入口11cを開放し、流路切替ダンパ10cによって連通孔10bを開放して第2空気流通路13における空気流入部52bに連通する流路を閉鎖する。
これにより、チャンバ11には、図4に示すように、車室外の空気のみが流入する。第1外気吸入口11bを介してチャンバ11に流入した空気は、第1空気流通路12に流入する。また、第2外気吸入口11cを介してチャンバ11に流入した空気は、第2空気流通路13に流入する。第2空気流通路13に流入した空気は、二酸化炭素分離ユニット50の空気流入部52bに流入することなく、連通孔10bを介して第1空気流通路12に流入し、第1空気流通路12を流通して車室内に供給される。
また、内気循環モードでは、第1吸入口切替ダンパ11dによって内気吸入口11aを開放して第1外気吸入口11bを閉鎖し、第2吸入口切替ダンパ11eによって第2外気吸入口11cを閉鎖し、流路切替ダンパ10cによって連通孔10bを開放して第2空気流通路13における空気流入部52bに連通する流路を閉鎖する。
これにより、チャンバ11には、図5に示すように、車室内の空気のみが流入する。内気吸入口11aを介してチャンバ11に流入した空気は、第1空気流通路12及び第2空気流通路13のそれぞれに流入する。第2空気流通路13に流入した空気は、二酸化炭素分離ユニット50の空気流入部52bに流入することなく、連通孔10bを介して第1空気流通路12に流入し、第1空気流通路12を流通して車室内に供給される。
外気導入モード及び内気循環モードでは、第2空気流通路13に流入した全ての空気が、連通孔10bを介して第1空気流通路12に流入するため、二酸化炭素分離ユニット50の複数の二酸化炭素分離部材51の内側を空気が流通することはない。このため、二酸化炭素分離ユニット50では、第1空気流通路12を流通する空気中に含まれる二酸化炭素が分離されることはない。
二酸化炭素除去モードでは、第1吸入口切替ダンパ11dによって内気吸入口11aを開放して第1外気吸入口11bを閉鎖し、第2吸入口切替ダンパ11eによって第2外気吸入口11cを開放し、流路切替ダンパ10cによって連通孔10bを閉鎖して第2空気流通路13における空気流入部52bに連通する流路を開放する。
これにより、チャンバ11には、図6に示すように、内気吸入口11aを介して車室内の空気が流入し、第2外気吸入口11cを介して車室外の空気が流入する。内気吸入口11aを介してチャンバ11に流入した空気は、第1空気流通路12に流入する。第2外気吸入口11cを介してチャンバ11に流入した空気は、第2空気流通路13に流入する。第2空気流通路13に流入した空気は、二酸化炭素分離ユニット50の空気流入部52bに流入する。空気流入部52bに流入した空気は、複数の二酸化炭素分離部材51の内側を流通して空気流出部52cに流入し、排水口12bを介して車室外に排出される。
ここで、二酸化炭素分離ユニット50において、二酸化炭素分離部材51の外周面には車室内の空気が接触し、二酸化炭素分離部材51の内周面には車室外の空気が接触する。このため、二酸化炭素濃度の高い車室内の空気が流通する二酸化炭素分離部材51の外周側から二酸化炭素濃度の低い車室外の空気が流通する二酸化炭素分離部材51の内周側に向かって二酸化炭素が透過する。また、酸素濃度が高い車室外の空気が流通する二酸化炭素分離部材51の内周側から酸素濃度の低い車室にあの空気が流通する二酸化炭素分離部材51の外周側に向かって酸素が透過する。
また、コントローラ60は、車室内の温度、車室内の二酸化炭素濃度に基づいて、内気循環モードと二酸化炭素除去モードとを切り替える分離規制制御手段としてのモード切替処理を行う。この時のコントローラ60の動作を図7のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1)
ステップS1においてCPUは、車両用空気調和装置1が内気循環モードに設定されているか否かを判定する。内気循環モードに設定されていると判定した場合にはステップS2に処理を移し、内気循環モードに設定されていると判定しなかった場合にはモード切替処理を終了する。
ステップS1においてCPUは、車両用空気調和装置1が内気循環モードに設定されているか否かを判定する。内気循環モードに設定されていると判定した場合にはステップS2に処理を移し、内気循環モードに設定されていると判定しなかった場合にはモード切替処理を終了する。
(ステップS2)
ステップS1において車両用空気調和装置1が内気循環モードに設定されていると判定した場合に、ステップS2においてCPUは、車両用空気調和装置1が急速冷房運転または急速暖房運転を行っているか否かを判定する。急速冷房運転または急速暖房運転を行っていると判定した場合にはモード切替処理を終了し、急速冷房運転または急速暖房運転を行っていると判定しなかった場合にはステップS3に処理を移す。
ここで、急速冷房運転または急速暖房運転は、例えば、温度センサ62によって検出された車室内の温度と、搭乗者の操作入力部61の操作によって設定された車室内の目標温度と、の温度差が所定温度以上の場合に実行される。
ステップS1において車両用空気調和装置1が内気循環モードに設定されていると判定した場合に、ステップS2においてCPUは、車両用空気調和装置1が急速冷房運転または急速暖房運転を行っているか否かを判定する。急速冷房運転または急速暖房運転を行っていると判定した場合にはモード切替処理を終了し、急速冷房運転または急速暖房運転を行っていると判定しなかった場合にはステップS3に処理を移す。
ここで、急速冷房運転または急速暖房運転は、例えば、温度センサ62によって検出された車室内の温度と、搭乗者の操作入力部61の操作によって設定された車室内の目標温度と、の温度差が所定温度以上の場合に実行される。
(ステップS3)
ステップS2において車両用空気調和装置1が急速冷房運転または急速暖房運転を行っていると判定しなかった場合に、ステップS3においてCPUは、二酸化炭素濃度センサ63の検出した車室内の二酸化炭素の濃度Cが第1所定濃度C1(例えば、700ppm)以上であるか否かを判定する。車室内の二酸化炭素濃度Cが第1所定濃度C1以上であると判定した場合にはステップS4に処理を移し、車室内の二酸化炭素濃度Cが第1所定濃度C1以上であると判定しなかった場合にはモード切替処理を終了する。
ステップS2において車両用空気調和装置1が急速冷房運転または急速暖房運転を行っていると判定しなかった場合に、ステップS3においてCPUは、二酸化炭素濃度センサ63の検出した車室内の二酸化炭素の濃度Cが第1所定濃度C1(例えば、700ppm)以上であるか否かを判定する。車室内の二酸化炭素濃度Cが第1所定濃度C1以上であると判定した場合にはステップS4に処理を移し、車室内の二酸化炭素濃度Cが第1所定濃度C1以上であると判定しなかった場合にはモード切替処理を終了する。
(ステップS4)
ステップS3において車室内の二酸化炭素濃度Cが第1所定濃度C1以上であると判定した場合に、ステップS4においてCPUは、車両用空気調和装置1を二酸化炭素除去モードに設定してステップS5に処理を移す。
ステップS3において車室内の二酸化炭素濃度Cが第1所定濃度C1以上であると判定した場合に、ステップS4においてCPUは、車両用空気調和装置1を二酸化炭素除去モードに設定してステップS5に処理を移す。
(ステップS5)
ステップS5においてCPUは、二酸化炭素濃度センサ63の検出した車室内の二酸化炭素の濃度Cが第2所定濃度C2(例えば、400ppm、C1≧C2)以下であるか否かを判定する。車室内の二酸化炭素濃度Cが第2所定濃度C2以下であると判定した場合にはステップS6に処理を移し、車室内の二酸化炭素濃度Cが第2所定濃度C2以下であると判定しなかった場合にはステップS4に処理を移す。
ステップS5においてCPUは、二酸化炭素濃度センサ63の検出した車室内の二酸化炭素の濃度Cが第2所定濃度C2(例えば、400ppm、C1≧C2)以下であるか否かを判定する。車室内の二酸化炭素濃度Cが第2所定濃度C2以下であると判定した場合にはステップS6に処理を移し、車室内の二酸化炭素濃度Cが第2所定濃度C2以下であると判定しなかった場合にはステップS4に処理を移す。
(ステップS6)
ステップS5において車室内の二酸化炭素濃度Cが第2所定濃度C2以下であると判定した場合に、ステップS6においてCPUは、車両用空気調和装置1を内気循環モードに設定してモード切替処理を終了する。
ステップS5において車室内の二酸化炭素濃度Cが第2所定濃度C2以下であると判定した場合に、ステップS6においてCPUは、車両用空気調和装置1を内気循環モードに設定してモード切替処理を終了する。
このように、本実施形態の車両用空気調和装置によれば、車室内から空調ケース10内に流入させた空気中の二酸化炭素の少なくとも一部を除去する二酸化炭素分離ユニット50を備え、二酸化炭素分離ユニット50は、空調ケース10内における冷却用熱交換器30及び加熱用熱交換器40の空気流通方向上流側に設けられている。
これにより、二酸化炭素濃度を低下させるとともに、目標の温度に調整された空気を車室内に供給することが可能となるので、車室内の空気を循環させる運転時においても、車室内の空気の二酸化炭素濃度の上昇を防止するとともに、車室内の温度及び湿度を確実に目的の温度及び湿度とすることが可能となる。
また、二酸化炭素分離ユニット50は、空調ケース10内を流通する空気から少なくとも一部の二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離部材51を有し、二酸化炭素分離部材51によって分離された二酸化炭素は、車室外に排出される。
これにより、空調ケース10内を流通する空気から分離した二酸化炭素を、空調ケース10内に貯留することなく車室外に排出することで、車両用空気調和装置1のメンテナンスに係る作業工数を低減することが可能となる。
また、空調ケース10は、内気吸入口11aから流入して空気吐出口12aから吐出される空気が流通する第1空気流通路12と、車室外から流入して車室外に排出される空気が流通する第2空気流通路13と、を有し、二酸化炭素分離部材51によって分離された二酸化炭素は、第2空気流通路13を流通する空気と共に車室外に排出される。
これにより、分離された二酸化炭素を流通させるための専用の第2空気流通路13を空調ケース10に形成したので、分離された二酸化炭素を確実に車室外に排出することが可能となる。
また、第2空気流通路13における、二酸化炭素分離部材51が位置する部分の空気の流通を規制する流路切替ダンパ10cが設けられている。
これにより、第1空気流通路12を流通する空気からの二酸化炭素の分離を停止することが可能となるので、車室内の空気中の二酸化炭素の除去が不要な場合に、車室内の冷房または暖房の負荷となり得る二酸化炭素の分離を停止して、車両用空気調和装置1の運転効率を向上させることが可能となる。
また、第2空気流通路13に車室内の空気を流入させるとともに、第2空気流通路13における二酸化炭素分離部材51が位置する部分の空気流通方向上流側を、第1空気流通路12に連通することが可能である。
これにより、内気循環モードにおいて、空調ケース10内に流通する空気の流量を大きくすることが可能となるので、急速冷房運転や急速暖房運転の際に、車室内の温度を速やかに目的の温度とすることが可能となる。
また、二酸化炭素濃度センサ63の検出結果に基づいて二酸化炭素分離部材51おける空気の流通と空気の流通の規制とを切り替えることが可能である。
これにより、車室内の空気中の二酸化炭素の除去が必要な場合にのみ、二酸化炭素除去モードを実行することが可能となるので、車両用空気調和装置1の運転効率をより向上させることが可能となる。
尚、前記実施形態では、二酸化炭素除去部として、二酸化炭素分離部材51を有する二酸化炭素分離ユニット50を示したが、第1空気流通路12を流通する空気中の二酸化炭素の少なくとも一部を除去可能なものであれば、二酸化炭素分離ユニット50に限られない。例えば、ゼオライト等の多孔質構造の吸着材に二酸化炭素を吸着させるものや、アルカリ性溶液に二酸化炭素を吸収させるもので、二酸化炭素除去部を構成してもよい。この場合においても、二酸化炭素の少なくとも一部を除去した後の空気を冷却または加熱することで、車室内の空気の二酸化炭素濃度の上昇を防止するとともに、車室内の温度及び湿度を確実に目的の温度及び湿度とすることが可能となる。
また、前記実施形態では、熱交換部として、車室内に供給する空気を冷却するための冷却用熱交換器30と、車室内に供給する空気を加熱するための加熱用熱交換器40と、を備えたものを示したが、これに限られるものではない。熱交換部としては、車室内に供給する空気の冷却及び加熱の一方のみを行うものであってもよい。
また、前記実施形態では、車室内の空気の二酸化炭素濃度を二酸化炭素濃度センサ63によって検出し、二酸化炭素濃度センサ63の検出結果に基づいて内気循環モードと二酸化炭素除去モードとを切り替えるようにしたものを示したが、これに限られるものではない。例えば、車両用空気調和装置1の内気循環モードでの運転時間を計測し、内気循環モードの継続時間が所定時間を経過した場合に内気循環モードから二酸化炭素除去モードに切り替えるようにしてもよい。また、内気循環モードでの運転時間を計測してモードを切り替える場合に、人感センサ等によって車室内の搭乗者の人数を検出し、搭乗者の人数に応じて、運転モードを切り替える時間を変更してもよい。
1…車両用空気調和装置、10…空調ケース、10a…仕切壁、10b…連通孔、10c…流路切替ダンパ、11a…内気吸入口、12…第1空気流通路、12a…空気吐出口、13…第2空気流通路、20…送風機、30…冷却用熱交換器、40…加熱用熱交換器、50…二酸化炭素分離ユニット、51…二酸化炭素分離部材、60…コントローラ、63…二酸化炭素濃度センサ。
Claims (7)
- 車室内に連通する空気吸入口及び空気吐出口を有する空調ケースと、
車室内の空気を空気吸入口を介して空調ケース内に流入させ、空調ケース内を流通した空気を空気吐出口を介して車室内に供給する送風機と、
空調ケース内を流通する空気の冷却及び加熱の一方または両方が可能な熱交換部と、
空調ケース内を流通する空気中の二酸化炭素の少なくとも一部を除去する二酸化炭素除去部と、を備え、
二酸化炭素除去部は、空調ケース内における熱交換部の空気流通方向上流側に設けられている
車両用空気調和装置。 - 二酸化炭素除去部は、空調ケース内を流通する空気から少なくとも一部の二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離部材を有し、
二酸化炭素分離部材によって分離された二酸化炭素は、車室外に排出される
請求項1に記載の車両用空気調和装置。 - 空調ケースは、空気吸入口から流入して空気吐出口から吐出される空気が流通する第1空気流通路と、車室外から流入して車室外に排出される空気が流通する第2空気流通路と、を有し、
二酸化炭素分離部材によって分離された二酸化炭素は、第2空気流通路を流通する空気と共に車室外に排出される
請求項2に記載の車両用空気調和装置。 - 第2空気流通路は、二酸化炭素分離部材によって分離された二酸化炭素が流入する二酸化炭素流入部と、二酸化炭素流入部における空気の流通を規制する流通規制部と、を有している
請求項3に記載の車両用空気調和装置。 - 第2空気流通路に車室内の空気を流入させる室内空気流入手段と、
第2空気流通路における二酸化炭素流入部の空気流通方向上流側を、第1空気流通路に連通する連通手段と、を備えた
請求項4に記載の車両用空気調和装置。 - 車室内の二酸化炭素濃度を検出する二酸化炭素濃度検出部と、
二酸化炭素濃度検出部の検出結果に基づいて流通規制部による二酸化炭素流入部における空気の流通と空気の流通の規制とを切り替える分離規制制御手段と、を備えた
請求項4または5に記載の車両用空気調和装置。 - 二酸化炭素分離部材は、二酸化炭素濃度の異なる空気の間に配置することで二酸化炭素濃度の高い空気から低い空気に向かって二酸化炭素を透過させる部材である
請求項2乃至6のいずれかに記載の車両用空気調和装置。
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