JP2017115762A - スクロール型圧縮機 - Google Patents
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Abstract
Description
これにより、背圧室内の圧力調整用に圧力センサや外部動力が不要となると共に複雑な電気配線も不要となり、その結果、構成を簡素化でき、背圧室内の圧力調整のためのコストを抑制することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るスクロール型圧縮機の概略断面図である。
本実施形態によるスクロール型圧縮機100は、例えば車両用空調装置の冷媒回路に組み込まれ、冷媒回路の低圧側から吸入した冷媒(流体)を圧縮して吐出するものであり、スクロールユニット1と、前記冷媒の吸入室H1及び吐出室H2を有するハウジング10と、スクロールユニット1を駆動させる駆動部としての電動モータ20と、電動モータ20の駆動制御用のインバータ30と、を備えている。尚、本実施形態においては、前記車両用空調装置の冷媒回路は、車室内の冷房だけでなく暖房についても冷媒との熱交換により実行可能に構成されたヒートポンプ式冷媒回路である。また、スクロール型圧縮機100は、いわゆるインバータ一体型の場合を一例に挙げて説明する。
尚、図示を省略するが、リアハウジング13には、吐出室H2内の圧縮冷媒から潤滑オイルを分離するための適宜の分離手段が設けられる。この分離手段により潤滑オイルが分離された冷媒(微量の潤滑オイルが残存する冷媒を含む)が吐出ポートP2を介して冷媒回路の高圧側に吐出される。一方、分離手段により分離された潤滑オイルは、後述する圧力供給通路L3へ導かれる。図1では、潤滑オイル混合前又は潤滑オイル分離後の冷媒の流れは斜線付き矢印で示され、潤滑オイルと混合された冷媒(混合流体)の流れは太線矢印で示され、冷媒から分離された潤滑オイルの流れは白抜き矢印で示されている。
図1及び図3に示すように、冷媒回路の低圧側からの冷媒は、吸入ポートP1を介して吸入室H1に導入され、その後、冷媒導入通路L1を介してスクロールユニット1の外端部付近の空間H4に導かれる。そして、空間H4内の冷媒は、両渦巻きラップ2b,3b間の密閉空間内に取り込まれ、この密閉空間内で圧縮される。圧縮された冷媒は、吐出通路L2及び一方弁17を経由して吐出室H2に吐出され、その後、吐出室H2から吐出ポートP2を介して冷媒回路の高圧側に吐出される。このようにして、吸入室H1を介して流入される冷媒を密閉空間内で圧縮し、この圧縮冷媒を吐出室H2を介して吐出するスクロールユニット1が構成される。
この背圧調整弁50は、吸入室内圧力Ps及び吐出室内圧力Pdをそれぞれ感知すると共に各感知圧力の変動に連動して作動し、背圧室内圧力Pmが前記各感知圧力に基づいて定まる所定圧力(以下において、「設定圧力」という)Pcに近づくように、弁開度を自律的に調整するものである。本実施形態では、背圧調整弁50は、図1に示すように、底壁部13bに駆動軸23の中心軸と直交する方向に延びるように形成される収容室13c内に収容される。この背圧調整弁50の構造及び背圧調整動作については後に詳述する。
本実施形態においては、背圧調整弁50は、圧力供給通路L3の一部を構成するように、圧力供給通路L3の途上に設けられる。したがって、吐出室H2内の圧縮冷媒から分離された潤滑オイルは、背圧調整弁50により適宜に減圧されて圧力供給通路L3を介して背圧室H3内に供給される。つまり、本実施形態では、背圧室H3の入口側(上流側)に接続される圧力供給通路L3の開度を背圧調整弁50により調整することにより、背圧室H3へ流入する潤滑オイル導入量を調整し、その結果、背圧室内圧力Pmを調整する。
本実施形態では、放圧通路L4の途上には、背圧室出口側オリフィスOL1が設けられる。また、背圧室出口側オリフィスOL1が設けられる放圧通路L4は、図1に示すように、駆動軸23を貫通して形成され、駆動軸23の中心軸に沿うように延びている。また、背圧室出口側オリフィスOL1は、例えば、駆動軸23の吸入室H1側(図1では、支持部11b1側)端部に設けられる。背圧室H3内の潤滑オイルは、背圧室出口側オリフィスOL1により適宜に減圧されて吸入室H1に戻される。
前記車両用空調装置において、一般的に、冷房運転の際の吐出室内圧力Pdは暖房運転の際の吐出室内圧力Pdよりも若干低く、冷房運転の際の吸入室内圧力Psは暖房運転の際の吸入室内圧力Psより高くなる。そして、一般的に、前記圧縮反力は、吸入室内圧力Psが高いと増加するため、冷房運転の際の圧縮反力は暖房運転の際の圧縮反力より高くなる傾向にある。したがって、冷房運転の際の前記圧縮反力とバランスさせるための最適な背圧室内圧力Pm(設定圧力Pc)は、暖房運転の際の最適な背圧室内圧力Pm(設定圧力Pc)よりも高くなる傾向にある。
また、背圧調整弁50の外周部には、4つのOリング54a〜54dが配設される。これらOリング54a〜54dによって、収容室13cは、その底側(図1では左側、図4では上側)から順に、吸入室内圧力Psが作用する領域、吐出室内圧力Pdが作用する領域、背圧室内圧力Pmが作用する領域、吸入室内圧力Psが作用する領域に区画される。
そして、連通孔51a、Pd導入室H5、連通孔51b、第1感圧室H6及び連通孔51cを経由してなる通路が、圧力供給通路L3の一部を構成する。第2感圧室H7には、真空にされた内部に第1バネ56が配設されると共に吸入室H1(=H4)の圧力(吸入室内圧力Ps)を受圧するベローズ組立体57が備えられる。ベローズ組立体57は、受圧する力が第1バネ56による弾性力より小さくなる場合は伸びる方向に変形し、その逆の場合は縮まる方向に変形する。ベローズ組立体57の一端部を構成する支持部57aはエンドカバー55に固定される。また、ベローズ組立体57は、その他端部に連接部52cの端部(後述の他端部)を受容可能に形成された凹部を有し、該他端部が連接部52cの一端部に対して接離可能に構成される。
前記ロッド52aは、円柱状に形成され、その一端部がエンドハウジング53内に位置し、中央部が連通孔51eに挿通され、他端部が連通孔51bに挿通される。
前記弁体52bは、ロッド52aの他端部に適宜に固定されて第1感圧室(弁室)H6に配設される。この弁体52bの一端面が、第1感圧室H6を形成するバルブハウジング51の連通孔51b側壁面からなる弁座51gに、接離することにより、連通孔(弁孔)51bが開閉される。したがって、圧力供給通路L3は弁体52bにより開閉される。
前記連接部52cは、円柱状に形成されると共に挿通孔51fに挿通され、一端部が弁体52bに適宜に固定され他端部が第2感圧室H7に位置するように配置される。詳しくは、連接部52cは、弁体52bとベローズ組立体57との間に位置し、その他端部にベローズ組立体57が接離可能に連結し、一端部が弁体52bに固定される。
−Fa+Ps×(Sb−Sr)−Pm×(Sv−Sr)
+Pd×(Sv−Sa)+Ps×Sa+Fc±f=0 ・・・(1)
但し、Saはロッド52aの断面積、Sbはベローズ組立体57のベローズ有効面積、Srは連接部52cの断面積、Svは弁体52bの圧力受圧方向の断面積である。また、Faは第1バネ56の付勢力、Fcは第2バネ58の付勢力、fは連接部52cの摺動部位等の摩擦力である。上記式(1)において、弁体52bを開弁方向(図4では下方向)に移動させる力を正(プラス)方向とする。上記式(1)において、−Fa+Ps×(Sb−Sr)の 部分、−Pm×(Sv−Sr)の部分、+Pd×(Sv−Sa)の部分、+Ps×Saの部分、+Fcの部分、±fの部分は、それぞれ、背圧調整弁50についての、ベローズ組立体57の動作特性、Pmの影響、Pdの影響、ロッド52aの一端部(図4では上端部)を介して作用する弁背圧の影響、第2バネ58の付勢力の影響、摩擦力の影響をそれぞれ示す。尚、本実施形態では、貫通孔53aを介して吸入室内圧力Psが弁背圧としてロッド52aの一端部に作用させる場合を一例に挙げて説明するが、弁背圧はこれに限らず、吐出室内圧力Pdを作用させてもよい。また、弁背圧は作用させなくてもよい。
Pm−Ps=(Sv−Sa)/(Sv−Sr)×Pd
+(Sb+Sa−Sv)/(Sv−Sr)×Ps
+(Fc−Fa±f)/(Sv−Sr) ・・・(2)
また、上記各パラメータは、Sv>Sr、Sv>Sa、Sb+Sa>Sv、Fc>Fa±fの関係を満足している。
感圧ユニット60は、背圧室内圧力PmがPdとPsの各感知圧力に基づいて定まる設定圧力Pcより大きくなると、ベローズ組立体57を伸長させることにより弁体52bを閉弁方向に移動させて圧力供給通路L3の弁体52bによる開度(弁開度)を小さくし、その結果、背圧室内圧力Pmを低下させて背圧室内圧力Pmが設定圧力Pcに近づくように、前記弁開度を自律的に調整(制御)する。また、感圧ユニット60は、背圧室内圧力Pmが設定圧力Pcより小さくなると、ベローズ組立体57を収縮させることにより弁体52bを開弁方向に移動させて弁開度を大きくし、その結果、背圧室内圧力Pmを上昇させて背圧室内圧力Pmが設定圧力Pcに近づくように、弁開度を自律的に調整する。
言い換えると、感圧ユニット60は、吸入室内圧力Ps及び吐出室内圧力Pdをそれぞれ感知すると共に、各感知圧力の変動に連動し弁体52bを作動させ、背圧室内圧力Pmが各感知圧力Pd,Psに基づいて定まる設定圧力Pcより大きい場合に、弁体52bを閉弁方向に移動させ、背圧室内圧力Pmが設定圧力Pcより小さい場合に、弁体52bを開弁方向に移動させ、その結果、背圧室内圧力Pmが設定圧力Pcに近づくように、弁開度を自律的に調整する。また、前述したように、Fc>Fa±fの関係を満足しているため、例えば、スクロール型圧縮機100の起動時において、弁体52bは第2バネ58の付勢力Fcによりロッド52aを介して開方向に移動され、弁開度は最大となる。したがって、起動時において、背圧室内圧力Pmを確実に上昇させて、適切な背圧を確保することができる。尚、本実施形態において、弁ユニット52とベローズ組立体57とからなる感圧ユニット60が本発明に係る「弁開度調整機構」に相当する。
これにより、背圧室H3内の圧力調整用に圧力センサや外部動力が不要となると共に複雑な電気配線も不要となり、その結果、構成を簡素化でき、背圧室内の圧力調整のためのコストを抑制することができる。このようにして、簡素な構成で且つ低コストで背圧室内の圧力調整を実行可能なスクロール型圧縮機100を提供することができる。
ここで、暖房運転の際の設定圧力Pcは冷房運転の際の設定圧力Pcよりも低いため、暖房運転の際のPm−Ps間の差圧ΔPmsは冷房運転の際の差圧ΔPmsより小さくなる傾向にある。この差圧ΔPmsが小さいと、背圧室出口側オリフィスOL1を流れる潤滑オイルの流量は減少する。また、暖房運転においては、吸入冷媒が湿り蒸気になるため、潤滑オイルが冷媒により洗い流され易くなる傾向にある。したがって、本実施形態では、背圧室出口側オリフィスOL1の絞り径は、差圧ΔPmsが比較的に低くなる暖房運転において、各摺動部位において適切な潤滑を実現できるように、暖房運転基準で適切に設定される。この場合、冷房運転では潤滑オイルの流量が過剰になるが、この過剰分による圧縮機の体積効率の低下は無視できるほど小さい。
スクロール型圧縮機100は、図5及び図6に示すように、冷媒導入通路L1、吐出通路L2、圧力供給通路L3、放圧通路L4及びPs感知用通路L5に加えて、更に、Pd感知用通路L6を備える。但し、L3、L4及びL5の構成が第1実施形態と異なる。尚、図5では図の簡略化のためPs感知用通路L5は図示を省略されている。
背圧調整弁50の外周部のOリング54a〜54dによって、収容室13cは、その底側から順に、吸入室内圧力Psが作用する領域、吐出室内圧力Pdが作用する領域、吸入室内圧力Psが作用する領域、背圧室内圧力Pmが作用する領域に区画される。第1感圧室H6は、挿通孔51fを介して第2感圧室H7と連通すると共に連通孔51cを介して吸入室H1側(詳しくは空間H4側)の第1放圧通路L41により吸入室H1(=空間H4)と連通する。第2感圧室H7は、連通孔51dを介して第1放圧通路L41により吸入室H1(=空間H4)と連通する。
まず、背圧調整弁50において、スクロールユニット1の圧縮動作中に弁体52bに作用する力の釣り合い式は、下記の式(3)で表される。
Fa+Pm×(Sv−Sb)−Ps×(Sv−Sr)
−Pd×(Sr−Sa)−Ps×Sa−Fc±f=0 ・・・(3)
上記式(3)において、弁体52bを開弁方向(図7では上方向)に移動させる力を正(プラス)方向とする。上記式(3)において、Fa+Pm×(Sv−Sb)の 部分、−Ps×(Sv−Sr)の部分、−Pd×(Sr−Sa)の部分、−Ps×Saの部分、−Fcの部分、±fの部分は、それぞれ、背圧調整弁50についての、ベローズ組立体57の動作特性、Psの影響、Pdの影響、弁背圧の影響、第2バネ58の付勢力の影響、摩擦力の影響をそれぞれ示す。尚、本実施形態では、貫通孔53aを介して吸入室内圧力Psを弁背圧として作用させる場合を一例に挙げて説明するが、弁背圧はこれに限らず、吐出室内圧力Pdを作用させてもよい。また、弁背圧は作用させなくてもよい。
Pm−Ps=(Sr−Sa)/(Sv−Sb)×Pd
+(Sb+Sa−Sr)/(Sv−Sb)×Ps
+(Fc−Fa±f)/(Sv−Sb) ・・・(4)
また、上記各パラメータは、Sv>Sb、Sr>Sa、Sb+Sa>Sr、Fc>Fa±fの関係を満足している。
感圧ユニット60は、背圧室内圧力PmがPdとPsの各感知圧力に基づいて定まる設定圧力Pcより大きくなると、ベローズ組立体57を伸長させることにより弁体52bを開弁方向に移動させて放圧通路L4(詳しくは第1放圧通路L41)の開度(弁開度)を大きくし、その結果、背圧室内圧力Pmを低下させて背圧室内圧力Pmが設定圧力Pcに近づくように、前記弁開度を自律的に調整(制御)する。また、感圧ユニット60は、背圧室内圧力Pmが設定圧力Pcより小さくなると、ベローズ組立体57を収縮させることにより弁体52bを閉弁方向に移動させて弁開度を小さくし、その結果、背圧室内圧力Pmを上昇させて背圧室内圧力Pmが設定圧力Pcに近づくように、弁開度を自律的に調整する。
言い換えると、第2実施形態では、感圧ユニット60は、各感知圧力Pd,Psの変動に連動し弁体52bを作動させ、背圧室内圧力Pmが各感知圧力Pd,Psに基づいて定まる設定圧力Pcより大きい場合に、弁体52bを開弁方向に移動させ、背圧室内圧力Pmが設定圧力Pcより小さい場合に、弁体52bを閉弁方向に移動させ、その結果、背圧室内圧力Pmが設定圧力Pcに近づくように、弁開度を自律的に調整する。また、Fc>Fa±fの関係を満足しているため、例えば、スクロール型圧縮機100の起動時において、弁体52bは第2バネ58の付勢力Fcによりロッド52aを介して閉方向に移動されて弁開度が全閉又は最小となるため、背圧室内圧力Pmを確実に上昇させて、適切な背圧を確保することができる。
ここで、暖房運転の際の設定圧力Pcは冷房運転の際の設定圧力Pcよりも低いため、一般的に、暖房運転の際のPd−Pm間の差圧ΔPdmは冷房運転の際の差圧ΔPdmより大きくなる傾向にあり、暖房運転の際のPm−Ps間の差圧ΔPmsは冷房運転の際の差圧ΔPmsより小さくなる傾向にある。差圧ΔPdmが大きいと、背圧室入口側オリフィスOL2を介して背圧室H3に導入される潤滑オイルの流量は増大し、差圧ΔPmsが小さいと、背圧室H3から背圧室出口側オリフィスOL1を介して導出される潤滑オイルの流量は減少する。つまり、暖房運転の際には、背圧室H3へ潤滑オイルを導入し易いが、背圧室H3から背圧室出口側オリフィスOL1を介して潤滑オイルを吸入室H1に戻しきれない場合もある。この場合は、その背圧室出口側オリフィスOL1で戻しきれない潤滑オイル分を背圧調整弁50により吸入室H1に連通している空間H4に戻すことができる。また、冷房運転の際には、背圧室H3へ潤滑オイルを導入し難いが、背圧室H3から背圧室出口側オリフィスOL1を介して潤滑オイルを吸入室H1に戻し易い傾向にある。したがって、第2実施形態では、冷房運転では、背圧室H3から背圧室入口側オリフィスOL2側への潤滑オイルの逆流を防止し、暖房運転では、差圧ΔPmsが比較的に低くなる条件下においても、背圧室出口側オリフィスOL1を介して十分な潤滑オイルを吸入室H1に戻すことができるよう構成する。具体的には、背圧室出口側オリフィスOL1の絞り径については、差圧ΔPmsが比較的に低くなる暖房運転において、吸入室H1における摺動部位において適切な潤滑を実現できるように、暖房運転基準で適切に設定されている。一方、背圧室入口側オリフィスOL2の絞り径については、冷房運転の際の潤滑オイルの逆流を防止するために、冷房運転の際に背圧室入口側オリフィスOL2を流れる潤滑オイルの流量が背圧室出口側オリフィスOL1を流れる潤滑オイルの流量と同程度になるように設定されている。
第2実施形態では、図5及び図6に示すように、背圧調整弁50は、放圧通路L4(詳しくは第1放圧通路L41)に設ける場合を一例にして説明した。本変形例2では、第1放圧通路L41に代わって、吐出室H2と吸入室H1との間を連通するためのバイパス通路L7を設ける構成とし、背圧調整弁50は、このバイパス通路L7の途上に設けられる。そして、感圧ユニット60は、各感知圧力Pd,Psの変動に連動し弁体52bを作動させ、背圧室内圧力Pmが各感知圧力Pd,Psに基づいて定まる設定圧力Pcより大きい場合に、弁体52bを開弁方向に移動させ、背圧室内圧力Pmが設定圧力Pcより小さい場合に、弁体52bを閉弁方向に移動させ、その結果、背圧室内圧力Pmが設定圧力Pcに近づくように、弁開度を自律的に調整する。
Claims (9)
- 流体の吸入室及び吐出室を有するハウジングと、
互いに噛み合わされる固定スクロール及び可動スクロールを有し、前記可動スクロールが前記固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動されることにより、両スクロール間の密閉空間の容積を徐々に減少させ、前記吸入室を介して流入される流体を前記密閉空間内で圧縮し、この圧縮流体を前記吐出室を介して吐出するスクロールユニットと、
前記可動スクロールの前記固定スクロールとは反対側の端面と前記ハウジングとの間に形成される背圧室と、
前記背圧室内の圧力調整用の背圧調整弁と、
を備え、前記可動スクロールを背圧室内圧力により固定スクロール側に向けて押圧するスクロール型圧縮機において、
前記背圧調整弁は、吸入室内圧力及び吐出室内圧力をそれぞれ感知すると共に各感知圧力の変動に連動して作動し、前記背圧室内圧力が前記各感知圧力に基づいて定まる所定圧力に近づくように、弁開度を自律的に調整する弁開度調整機構を含む、スクロール型圧縮機。 - 前記背圧調整弁は、前記吐出室と前記背圧室との間を連通する圧力供給通路の途上に設けられ、
前記弁開度調整機構は、前記圧力供給通路を開閉する弁体を有し、前記背圧室内圧力が前記所定圧力より大きい場合に、前記弁体を閉弁方向に移動させ、前記背圧室内圧力が前記所定圧力より小さい場合に、前記弁体を開弁方向に移動させる、請求項1に記載のスクロール型圧縮機。 - 前記背圧調整弁は、前記背圧室と前記吸入室との間を連通する放圧通路の途上に設けられ、
前記弁開度調整機構は、前記放圧通路を開閉する弁体を有し、前記背圧室内圧力が前記所定圧力より大きい場合に、前記弁体を開弁方向に移動させ、前記背圧室内圧力が前記所定圧力より小さい場合に、前記弁体を閉弁方向に移動させる、請求項1に記載のスクロール型圧縮機。 - 前記背圧調整弁は、前記吐出室と前記吸入室との間を連通するためのバイパス通路の途上に設けられ、
前記弁開度調整機構は、前記バイパス通路を開閉する弁体を有し、前記背圧室内圧力が前記所定圧力より大きい場合に、前記弁体を開弁方向に移動させ、前記背圧室内圧力が前記所定圧力より小さい場合に、前記弁体を閉弁方向に移動させる、請求項1に記載のスクロール型圧縮機。 - 前記背圧室と前記吸入室との間を連通する放圧通路の途上に設けられる背圧室出口側オリフィスを更に含む、請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
- 前記吐出室と前記背圧室との間を連通する圧力供給通路の途上に設けられる背圧室入口側オリフィスを更に含む、請求項3に記載のスクロール型圧縮機。
- 前記吐出室と前記背圧室との間を連通する圧力供給通路の途上に設けられる背圧室入口側オリフィスと、前記背圧室と前記吸入室との間を連通する放圧通路の途上に設けられる背圧室出口側オリフィスとを更に含み、
前記バイパス通路は、前記圧力供給通路における前記背圧室入口側オリフィスと前記背圧室との間の所定部位から分岐して前記吸入室に接続されている、請求項4に記載のスクロール型圧縮機。 - 前記放圧通路は並列して二つ設けられ、その一方に前記背圧調整弁が設けられる構成とし、
他方の前記放圧通路の途上に設けられる背圧室出口側オリフィスを更に含む、請求項6に記載のスクロール型圧縮機。 - 前記背圧室出口側オリフィスが設けられる前記放圧通路は、前記可動スクロールを駆動させる駆動部の駆動軸を貫通して形成され、
前記背圧室出口側オリフィスは、前記駆動軸の吸入室側端部に設けられる、請求項5,7及び8のいずれか一つに記載のスクロール型圧縮機。
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