〔実施形態1〕
(欠陥検査装置1の構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る欠陥検査装置1の構成を表す図である。欠陥検査装置1は、照射部3と、第2偏光部4とを有する。欠陥検査をする際、検査対象である被検査物2は、照射部3と、第2偏光部4との間に配置される。
被検査物2は、透明又は半透明の物体である。被検査物2は板状であってもよいし、凹凸を含む立体的な形状を有する物体であってもよい。本実施形態では、被検査物2の一例として、曲面を有する立体的形状(円筒形状)であるバルーンカテーテルであるものとする。
バルーンカテーテルの作製時に検出すべき代表的な欠陥として、いわゆるフィッシュアイと呼ばれる欠陥が存在する。バルーンカテーテルは、熱を加えつつ樹脂から構成される筒状部材を膨らませることでバルーンを作製する。フィッシュアイは、このバルーンを作製する工程において、当該バルーンに形成される、バルーンの中心に核を持つ深い欠陥である。
バルーンカテーテルのうち、フィッシュアイが形成されている部分は構造が脆弱である。このため、フィッシュアイは、欠陥検査工程において、検出すべき欠陥である。バルーンカテーテルは、種々の大きさのものが使用されているが、一例として、バルーンの外径は1mm〜30mm程度である。また、バルーンに形成されるフィッシュアイも種々の大きさのものが存在するが、一例として、0.02〜0.1mm2程度である。
照射部3は、第1偏光部7と、光源部60とを備えている。光源部60は、被検査物2の欠陥検査のため、被検査物2に、ドットマトリクス状又はスリット状であって拡散光が抑制された光Aを照射する。光源部60は、面光源である面発光照射部5と、面発光照射部5の出射面側に配置されたマスク6とを有する。
なお、面発光照射部5と、マスク6と、第1偏光部7とは接触していてもよいし、離間していてもよい。
面発光照射部5は、マスク6との距離が近いことが好ましい。面発光照射部5から出射された光Aであって被検査物2を透過する光量を多くし、検査しやすくするためである。
第1偏光部7は、マスク6の表面側(照射部3が配置されている側とは反対側)に配置されている。換言すると、第1偏光部7は、光源部60の出射面側に対向配置されている。
第2偏光部4と、照射部3とは互いに平行であってもよく、一方が他方に対し傾斜するように配置されていてもよい。第2偏光部4と、照射部3とが互いに平行である場合には、光量のロスを少なくすることができる。
第1偏光部7と、第2偏光部4とは一対の偏光板である。第1偏光部7と、第2偏光部4とは、間に被検査物2が配置できる程度に空間を設けて離間している。第1偏光部7と、第2偏光部4とは、それぞれ、透過光を直線方向に偏光(直線偏光)してもよいし、円方向に偏光(円偏光)してもよい。本実施形態では、第1偏光部7と、第2偏光部4とは、偏光軸が直交する、いわゆるクロスニコルの関係になるように、互いに平行に配置された偏光板である。なお、第1偏光部7と第2偏光部4との配置は、クロスニコルの関係に限定されるものではなく、第1偏光部7の偏光軸と、第2偏光部4の偏光軸とが平行となるように配置されていてもよい。
マスク6は、マトリクス状に配置された複数の開口部6aを有する。マスク6は、面発光照射部5から出射された面状の光を、マトリクス状に配置された複数の開口部6aを透過させることで拡散光を抑制する。図1においては、開口部6aは円形状であり、行方向(横方向)及び列方向(縦方向)に整列して配置されている。なお、マスク6の開口部6aは、スリット状に設けられていてもよい。
面発光照射部5は、面状に光を出射する構成であればよい。一例として、面発光照射部5として、液晶ディスプレイに使用されているバックライトを用いることができる。面発光照射部5の構成の例としては、一又は複数の光源の出射面に拡散板の裏面(主面)を対向配置することで拡散板の表面(主面)から面状に光を出射させる構成や、拡散板の側面に一又は複数の光源の出射面を対向配置することで拡散板の表面(主面)から面状に光を出射させる構成等を挙げることができる。
(欠陥検査装置が有する照射部の構成例)
図2は、欠陥検査装置1の照射部3の一例である液晶ディスプレイ30の構成を表す斜視図である。図3は液晶ディスプレイ30のバックライト10の構成を表す断面図である。図1に示す照射部3として、液晶ディスプレイ30を用いてもよい。
液晶ディスプレイ30は、バックライト10と、液晶パネル20と、偏光板35・36とを有する。さらに、液晶ディスプレイ30は、図示しない、駆動回路、電源回路、接続コネクタ、ケース等を有する。バックライト10及び液晶パネル20は光源部60(図1参照)と対応し、バックライト10は面発光照射部5(図1参照)と対応し、液晶パネル20はマスク6(図1参照)と対応し、偏光板35は第1偏光部7(図1参照)と対応する。
バックライト10は面状光源である。バックライト10は、順に積層された、ケース11と、導光板12と、拡散板13と、レンズフィルム14とを備え、さらに、導光板12の側面に対向して配置された蛍光管15を備えている。本実施形態においてバックライト10は、いわゆるサイドライト方式の照射装置である。
図3に示すように、蛍光管15は、導光板12の一方の側面に対向して配置されている。導光板12は、蛍光管15が配置されている側の側面から、逆側の側面にかけて次第に厚さが薄くなる形状である。導光板12の表面(主面)に、拡散板13と、レンズフィルム14とが順に積層されている。なお、導光板12の裏面(主面)と対向するように反射板を配置してもよい。
導光板12は、蛍光管15からの光を液晶パネル20の裏面全面に行き渡させる。レンズフィルム14は、光を集光するフィルムである。
蛍光管15から出射した光は、導光板12の裏面にて全反射するか、反射板により反射し、導光板12の表面から面状に出射する。導光板12の表面から出射した光は、拡散板13と、レンズフィルム14とを順に透過することで、バックライト10から面状の光が出射される。
なお、バックライト10は、光源として蛍光管15を用いているが、これに限らず、LED、又は、その他の光源を用いてもよい。
液晶パネル20は、TFTアレイ基板31と、液晶層24と、液晶層24を介してTFTアレイ基板31に対向して配置されている対向基板32とを有している。
TFTアレイ基板31は、ガラス基板21と、ガラス基板21に積層されているTFTアレイ22と、TFTアレイ22及びガラス基板21に積層されている配向膜23とを有している。なお、図示しないが、ガラス基板21上には、各画素毎に配置されている透明電極である画素電極や、各種配線等も配置されている。TFTアレイ22は、複数のTFT素子からなる。複数のTFT素子は各画素毎に配置され、各画素の駆動を切り替えるスイッチング素子として機能する。
対向基板32は、ガラス基板28と、ガラス基板28に積層されているフィルタ層27と、フィルタ層27に積層されている共通電極26と、共通電極26に積層されている配向膜25とを有している。
液晶層24は、ネマティック液晶であり、層の厚さは、一例として5μm程度である。層の厚さを保つため、液晶層24内にはスペーサが分散されている。
配向膜23・25は、液晶分子を均一に配向させるための高分子膜である。配向膜23・25は、液晶層24を介して対向配置されている。
図4は、フィルタ層27の構成を表す断面図である。フィルタ層27は、マスク6に対応する。
図4に示すように、フィルタ層27は、カラーフィルタ層27RGBと、格子状のブラックマトリクス27BMとを有する。カラーフィルタ層27RGBは、赤色光を透過する赤色カラーフィルタと、緑色光を透過する緑色カラーフィルタと、青色光を透過する青色カラーフィルタとを有する。各画素毎に、赤色カラーフィルタと、緑色カラーフィルタと、青色カラーフィルタとのうち何れかが配置されている。なお、欠陥検査装置1は、カラーフィルタ層27RGBを省略した構成としてもよい。
ブラックマトリクス27BMは、カラーフィルタ層27RGB以外を透過する光を遮光する。ブラックマトリクス27BMによって区画されている領域内は透過部27DOTである。透過部27DOTはドットマトリクス状にガラス基板28上に配置されている。透過部27DOTは、マスク6の開口部6aに対応する。
共通電極26は、カラーフィルタ層27RGB及びブラックマトリクス27BMに積層されており、対向基板32のうち、画素形成領域の全面に設けられている。共通電極26は、TFTアレイ基板31に設けられている画素電極と一対の電極である。共通電極26と、画素電極との間の電位差によって、液晶分子の向きが制御される。これにより、各画素の透過率が制御される。共通電極26は透明電極であり、例えば、ITOからなる。
図2に示すように、偏光板35は、ガラス基板28のうち、フィルタ層27が積層されている面とは逆側の面に接着されている。偏光板35は、第1偏光部7と対応する。
また、偏光板36は、TFTアレイ基板31におけるガラス基板21のうち、TFTアレイ22が積層されている面とは逆側の面に設けられている。偏光板36の偏光軸は、偏光板35と一対で液晶パネル20をディスプレイとして機能させることができる方向であればよい。
偏光板36は、液晶パネル20を、後述の実施形態13・14に記載したような、各画素毎に点灯制御して画像表示させるディスプレイとして機能させる際に、偏光板35と一対として必要となる偏光板である。このため、液晶パネル20を単に光源として使用するだけの場合(つまり、液晶パネル20に画像を表示させない場合)は、偏光板36を省略してもよい。
透過部27DOTのドットピッチ(間隔)は、被検査物2のサイズ等に応じて、適宜、設定すればよい。
液晶パネル20として、例えば、23インチ、画素数が1920(横:水平方向)×1080(縦:垂直方向)、96ppi、ドットピッチ(透過部27DOTの間隔)が0.2646mm程度の一般的にテレビ用として用いられている液晶パネルを用いることができる。
このように、液晶パネル20によりマスク6を構成することで、より安価に欠陥検査装置1を得ることができる。
透過部27DOTのドットピッチは、一般的に用いられている液晶パネルの画素ピッチと同様である。
(マスクパターンの変形例)
図5は、ドットマトリクス状に配置されたマスクパターンの変形例を表す図であり、(a)は、行方向(横方向)及び列方向(縦方向)に整列した開口部6aを有するマスク6の構成を表す図であり、(b)は開口部6Aaが互い違いに配置されたマスク6Aの構成を表す図であり、(c)は四角形状の開口部6Baがドットマトリクス状に配置されたマスク6Bの構成を表す図であり、(d)は六角形状の開口部6Caがドットマトリクス状に配置されたマスク6Cの構成を表す図であり、(e)は三角形状の開口部6Daがドットマトリクス状に配置されたマスク6Dの構成を表す図であり、(f)はスリット状の開口部を有するマスク又は偏光板である場合のマスク6Eの構成を表す図である。
マスク6は、面発光照射部5の出射面から出射された面状の光を、複数のドットマトリクス状の光へ変換できればよく、例えば、図5の(a)〜(e)に示すように、開口部の形状や配置は適宜変更すればよい。なお、図5の(a)〜(e)に示す開口部の形状や配置は一例であり、図5の(a)〜(e)に示す形状や配置に限定されるものではない。さらに、マスク6は、図5の(f)に示すように、開口部が設けられたマスクに限らず、スリット状の開口部を有するマスク、又は直線偏光を透過する偏光板であってもよい。
図5の(a)に示すように、マスク6は、円形状であって、ドットマトリクス状に、行方向(横方向)及び列方向(縦方向)に整列した開口部6aが設けられている。
図5の(b)に示すように、マスク6Aは、円形状であって、互い違いに配置された開口部6Aaが設けられている。
なお、ドットマトリクス状に配置された開口部は、円形状以外にも、楕円形状等、種々の形状を取り得る。
また、ドットマトリクス状に配置された開口部は、多角形であってもよい。
図5の(c)に示すように、マスク6Bは、四角形状であって、ドットマトリクス状に、行方向(横方向)及び列方向(縦方向)に整列した開口部6Baが設けられている。
図5の(d)に示すように、マスク6Cは、六角形状であって、ドットマトリクス状に配置された開口部6Baが設けられている。
図5の(e)に示すように、マスク6Dは、三角形状であって、ドットマトリクス状に、行方向(横方向)及び列方向(縦方向)に整列した開口部6Daが設けられている。なお、ドットマトリクス状に配置された開口部は、五角形状、又は、七角形状以上の多角形であってもよい。
図5の(f)に示すように、マスク(第3偏光部)6Eは、スリット状の開口部を有するマスク、又は、透過光を直線方向に偏光(直線偏光)する偏光板である。なお、マスク6Eを用いた欠陥検査装置は、図23を用いて実施形態12にて後述する。
(欠陥検査装置1の変形例)
図6は本発明の実施形態1の変形例に係る欠陥検査装置1Aの構成を表す図である。
図1に示した欠陥検査装置1においては、面発光照射部5の出射面とマスク6とは離間している例を表した。しかし、図6に示す欠陥検査装置1Aが有する照射部3Aのように、面発光照射部5の出射面とマスク6の裏面とは接触していてもよい。
(欠陥検査装置1・1Aによる作用効果)
このように、欠陥検査装置1・1Aは、ドットマトリクス状に光Aを出射する光源部60・60Aと、光源部60・60Aから出射された光Aを第1方向へ偏光する第1偏光部7と、第2偏光部4とを備えている。そして、第1偏光部7と第2偏光部4との間には、被検査物2を挿入するための空間が設けられており、第2偏光部4は、第1方向へ偏光された光を第2方向へ偏光する。
また、本実施形態に係る欠陥検査方法は、ドットマトリクス状に光を出射する出射ステップと、第1偏光部7を用いて、上記出射ステップにて出射された出射光を第1方向へ偏光する第1偏光ステップと、上記第1偏光部7との間に空間を設けて配置された第2偏光部4を用いて、上記第1偏光ステップにて第1方向へ偏光された光を、第2方向へ偏光する第2偏光ステップとを含み、上記第2偏光ステップにおいて、上記第1偏光部7と第2偏光部4との間に設けられた空間に被検査物2を挿入する。
これによると、被検査物2に含まれる欠陥を検査する場合、作業者、または、ロボットにより、第1偏光部7と第2偏光部4との間の空間に被検査物2が配置される。
そして、面発光照射部5から出射された面状の光Aは、マスク6にドットマトリクス状に設けられた開口部6aを通過することで、第1偏光部7及び第2偏光部4に対して略垂直となる方向に光軸が延伸することで拡散光が抑制された光となる。そして、開口部6aを通過した光、すなわち、光源部60・60Aから出射された光Aは、第1偏光部7、被検査物2、及び、第2偏光部4を、この順に透過し、作業者9が目視する。
なお、本実施形態に係る欠陥検査装置1・1Aにおいては、第2偏光部4を透過した光4を撮像する撮像部等は設けられておらず、被検査物2に含まれる欠陥の検査は、作業者9が目視確認により行うものとする。
また、被検査物2の配置方向は特に限定されるものではないが、本実施形態では、被検査物2は、被検査物2の延伸方向が、第1偏光部7が偏光する第1方向と直角となるように配置されている。
ここで、被検査物2に欠陥が含まれていると、当該欠陥箇所は、他の箇所と比べて、透過した光の光量が異なったり、又は、偏光状態が異なったりする。このため、作業者9は、光源部60・60Aから出射し、第1偏光部7、被検査物2、及び、第2偏光部4を透過した光Aの光量及び偏光状態を確認することで、被検査物2に含まれる欠陥を検査することができる。
さらに、光源部60・60Aは、ドットマトリクス状の光Aを出射するため、光源部60・60Aから出射される光Aは拡散光が抑制された光となる。このように、欠陥検査装置1・1Aによると、拡散光が抑制された光である光Aが被検査物2に照射されるため、マスクを通さない偏光を含む面状の光(拡散光)が被検査物2に照射される場合と比べて、光Aが、第1偏光部7、被検査物2、及び、第2偏光部4それぞれを透過する際に拡散してしまうことを抑制することができる。このため、マスクを通さない偏光を含む面状の光(拡散光)を被検査物2に照射する場合と比べて、被検査物2のうち、被検査物2に含まれる欠陥箇所と、それ以外の箇所との光量差を大きくすることができる。この結果、被検査物2に含まれる欠陥を容易に検出することができる。このため、作業者の欠陥検出能力に依存せず、安定して欠陥を検出することができる。
ここで、一般的に、偏光を含まない面状の拡散光を被検査物2に直接照射することで被検査物2に含まれる欠陥の有無を検出する場合、被検査物2が、平面からなる板状の場合と比べて、立体的形状、特に、曲面を有する立体的形状の場合の方が、欠陥の検出をし難い。これは、平面のみからなる形状と比べて、曲面を有する形状の場合、当該曲面と光の成す角によって、すなわち、被検査物2を見る角度によって、欠陥の見え方が極端に変化するためである。
しかし、欠陥検査装置1・1Aは、上述のように、第1偏光部7及び第2偏光部4を備えることに加え、さらに、被検査物2に対しドットマトリクス状の光Aを照射する光源部60・60Aを備えている。このため、被検査物2が、曲面を有する立体的形状であるバルーンカテーテルであっても、バルーンカテーテルに含まれる欠陥部分と、それ以外の部分との光量差(コントラスト)を大きくすることができる。このため、バルーンカテーテルにおいて、いわゆるフィッシュアイ等、発見し難い欠陥であっても容易に発見することができる。このため、偏光を含まない面状の拡散光をバルーンカテーテルに直接照射する照射装置を有する一般的な欠陥検査装置と比べて、欠陥がないバルーンカテーテルを容易に得ることができる。
また、バルーンカテーテルには、表面に、バルーン作製工程にて、欠陥ではない程度の微細な凹凸が形成される場合がある。偏光を含まない面状の平行光をバルーンカテーテルに直接照射する一般的な欠陥検査装置の場合、この欠陥ではない程度の微細な凹凸と、フィッシュアイ等、検出すべき欠陥との光量差が小さく、両者の区別がつかない場合がある。
一方、欠陥検査装置1・1Aは、上述のように、第1偏光部7及び第2偏光部4を備えることに加え、さらに、被検査物2に対しドットマトリクス状の光Aを照射する光源部60を備えている。このため、被検査物2に含まれる異物と、それ以外の箇所との光量差が大きいため、当該異物が、欠陥ではない程度の微細な凹凸であるか、フィッシュアイ等、検出すべき欠陥であるかを、偏光の強さを比較することで容易に判定することができる。
なお、光Aではなく、偏光を含まない光をバルーンカテーテルに斜めに照射し、その反射光を見ることでも、バルーンカテーテルを見る角度によっては、バルーンカテーテルに含まれるフィッシュアイ等の欠陥を確認することができる場合がある。しかし、偏光を含まない光をバルーンカテーテルに斜めに照射した場合、バルーンカテーテルを見る角度が少しでも変わると見えなくなる。
一方、偏光を含む拡散光を抑制した光をバルーンカテーテルに照射し透過させた場合、バルーンカテーテルを見る角度が多少変わっても、フィッシュアイ等の欠陥の見え方は大きく変わらず、発見しやすい。このように、偏光を含む拡散光を抑制した光をバルーンカテーテルに照射し透過させた方が、検査時の角度依存性が少ない。このため、被検査物2の位置や向きの変更をせず、または、最小限の変更ですむため、効率よく欠陥を検査することができる。
また、第1偏光部7の偏光軸と、第2偏光部4の偏光軸との互いの角度を変更することで、被検査物2における目視確認できなかった欠陥が、目視確認できるようになる場合がある。
例えば、第1偏光部7を透過することで偏光する方向である第1方向と、第2偏光部4を透過することで偏光する方向である第2方向とが成す角は、0度以上90度以下となるように、第1偏光部7と、第2偏光部4との相対位置が変更されてもよい。
このように、第1方向と上記第2方向とが成す角を種々の方向へ変更することで、被検査物2において種々の位置に含まれる欠陥を検査することができる。
なお、第1偏光部7と、第2偏光部4との相対位置の変更は、作業者が行ってもよいし、欠陥検査装置1・1Aに、第1偏光部7と、第2偏光部4とを、互いの相対位置を変更可能に支持する偏光部支持部を設けてもよい。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図7は、本発明の実施形態2に係る欠陥検査装置1Bの構成を表す図である。欠陥検査装置1Bは、欠陥検査装置1(図1参照)が有していた照射部3に換えて照射部3Bを有している。照射部3Bは、照射部3が有していた光源部60に換えて、複数の点光源5Aaがドットマトリクス状に配置された光源部5Aを有している。
一例として、点光源5Aaは、例えば、白色のLEDからなる。なお、点光源5Aaは、LEDに限定されず、蛍光灯等、他の点光源であってもよい。また、発光色も白色に限定されず、赤色、青色、緑色、又は、これらの組み合わせにより得られる任意の色としてもよい。
このように、欠陥検査装置1Bが有する光源部5Aは、ドットマトリクス状に配置された複数の点光源5Aaを有している。これにより、ドットマトリクス状に開口部が設けられているマスクが無くても、光源部5Aは、ドットマトリクス状に光Aを出射し、拡散光を抑制した光を得ることができる。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1、2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図8は、本発明の実施形態3に係る欠陥検査装置1Cの構成を表す図である。欠陥検査装置1Cは、欠陥検査装置1B(図7参照)が有していた照射部3Bに換えて照射部3Cを有している。照射部3Cは、照射部3Bにさらに、拡散板8とマスク6とを加えた構成である。
照射部3Cは、光源部60Cと、第1偏光部7とを備えている。光源部60Cは、ドットマトリクス状に配置された複数の点光源5Aaと、点光源5Aaの出射面を覆って配置された拡散板8と、拡散板8の出射面(点光源5Aaとの対向面とは逆側面)側に配置されたマスク6とを備えている。マスク6には、ドットマトリクス状に開口部6aが設けられている。
欠陥検査装置1Cによると、点光源5Aaから出射した光Aは、拡散板8に入射すると、拡散板8の出射面から拡散して出射する。そして、拡散板8の出射面から出射した光Aはマスク6にドットマトリクス状に設けられた開口部6aを通過することで、第1偏光部7及び第2偏光部4に対して略垂直となる方向に光軸が延伸する。これにより光Aは拡散光が抑制される。そして、開口部6aを通過した光、すなわち、光源部60Cから出射された光Aは、第1偏光部7、被検査物2、及び、第2偏光部4を、この順に透過し、作業者9が目視する。
欠陥検査装置1Cの光源部60Cの構成によれば、例えば、点光源5Aaとして、比較的入手し易い直径5mm程度の一般的な点光源(LED)を用いても、ドットマトリクス状の光Aを得ることができる。そのため、比較的容易かつ低コストに光源部60Cを構成することができる。このように、光源部60Cの構成によっても、拡散光が抑制された光Aを得ることができる。
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4について、図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜3にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図9は、本発明の実施形態4に係る欠陥検査装置1Aの構成を表す図である。欠陥検査装置1Aは、図6に示した欠陥検査装置1Aと同様の構成である。
被検査物2に目視確認し難い欠陥が含まれている場合、被検査物2の向きを種々に変更することで、目視確認できなかった欠陥が、目視確認できるようになる場合がある。この場合、作業者は、被検査物2の欠陥検査装置1に対する相対的な向きや位置を変更する。
図9に示す例では、第1偏光部7の偏光軸(第1方向への偏光)と、被検査物2の延伸方向(つまり、被検査物2の長手方向)とが成す角がθとなるように、作業者は、被検査物2の向きを変更する。θは0度以上90度以下である。または、θは0度以上45度以下であってもよい。
このように、被検査物2に対する光Aの照射角度を種々に変更することで、被検査物2に含まれる種々の深さ位置に形成された欠陥を発見することができる。特に被検査物2が配向を持つ場合に有効である。
また、欠陥検査装置1Aに、被検査物2を、向きや位置を変更可能に支持する被検査物支持部を設けてもよい。
〔実施形態5〕
本発明の実施形態5について、図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜4にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図10は、本発明の実施形態5に係る欠陥検査装置1Dの構成を表す図である。欠陥検査装置1Dは、図6に示した欠陥検査装置1Aの構成に加え、撮像部40を備えている点で、欠陥検査装置1Aと相違する。
撮像部40は、レンズ部41とカメラ部42とを備えている。撮像部40は、第1偏光部7及び第2偏光部4を介して、光源部60Aとは逆側、すなわち、第2偏光部4の上方に配置されている。撮像部40は、レンズ部41を光源部60A側に向けて配置されている。カメラ部42は、レンズ部41を通過した光を電気信号に変換する撮像素子を含んでいる。さらに、カメラ部42は、撮像素子から出力される電気信号から撮影画像を画像生成部、当該画像生成部が生成した撮影画像に欠陥が含まれているか否かを判定する欠陥判定部とを含む。なお、画像生成部、欠陥判定部等は、カメラ部42の外部に設けてもよい。
撮像部40は、光源部60Aから出射した光Aであって、第1偏光部7、被検査物2、及び、第2偏光部4を透過した光を撮像する電子機器である。そして、撮像部40は、画像処理により、撮像した画像に、欠陥が含まれているか否かの判定を行う。これにより、作業者が目視で被検査物2の欠陥の有無を検査する場合と比べて、容易に欠陥の有無や種類の判別の自動化を行うことができる。
また、マスク6によって拡散光が抑制された偏光を含む光Aを被検査物2に照射した場合、マスク6が無い場合と比べて、被検査物2に含まれる欠陥箇所と、それ以外の箇所との光量差(コントラスト)を大きくとることができる。
ここで、人は薄い濃淡を認識することで欠陥の有無を判定することができるが、画像処理の場合、ある程度コントラストが高くないと、欠陥の有無を判定することができない。すなわち、薄い濃淡でも欠陥の有無を判定できる作業者による目視確認とは異なり、撮像部40により欠陥の有無を判定する場合、コントラストが低いと、安定して欠陥の有無の判定をすることができない。
このため、コントラストが高いことは、撮像部40を用いて正確に欠陥検査を行うために重要である。
なお、撮像部40は、図6に示した欠陥検査装置1A、図7に示した欠陥検査装置1B、図8に示した欠陥検査装置1C、及び、図9に示した欠陥検査装置1Aのそれぞれに配置してもよい。
また、欠陥検査装置1Dは、撮像部40内、又は、撮像部40とは別に、撮像部40による撮像画像から、欠陥の有無や欠陥の大きさを判定する判定部を備えていてもよい。これにより、容易に欠陥の有無や種類の判別の自動化を行うことができる。
〔実施形態6〕
本発明の実施形態6について、図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜5にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図11は、本発明の実施形態6に係る欠陥検査装置1Eの構成を表す図である。欠陥検査装置1Eは、図10に示した欠陥検査装置1Dの構成のうち、光源部60Aに換えて、光源部60Eを備えている点で、欠陥検査装置1Dと相違する。
光源部60Eは、面発光照射部5Eと、面発光照射部5Eの出射面側に配置されたマスク6とを備えている。
面発光照射部5Eは、面状の光を出射する光源である。さらに、面発光照射部5Eは、独立して点灯及び消灯の制御が可能な、複数の発光領域60Ea〜60Ecを備えている。
発光領域(光源部)60Ea・60Ecは、面発光照射部5Eのうち両端の領域である。発光領域60Ebは、発光領域60Eaと、発光領域60Ecとに挟まれた中央部分の領域である。
撮像部40のレンズ部41へ垂直に入射する光の軸を撮像軸Zとすると、発光領域60Ebから出射した光は、第1偏光部7、被検査物2、及び、第2偏光部4を透過し、撮像軸Zに沿って、略垂直にレンズ部41へ入射する。
一方、発光領域60Ea(または、発光領域60Ec)から出射した光Bは、第1偏光部7、被検査物2、及び、第2偏光部4を透過し、撮像軸Zとは非平行に進行し、レンズ部41へ入射する。すなわち、発光領域60Ea・60Ecは、撮像軸Zからずらして、平行光を、第1偏光部7、被検査物2、及び、第2偏光部4を透過させて、撮像部40へ入射させるための領域である。
このように、発光領域60Ea・60Ecは、出射する光Bの光軸が、第1偏光部7及び第2偏光部4に対し斜めになるように配置されている。
換言すると、複数の発光領域60Ea・60Ecは、それぞれから出射する光Bの光軸が互いに傾斜するように配置されている。
このため、欠陥検査装置1Eによると、被検査物2に対し、種々の方向から光Bを照射することができる。これにより、被検査物2において種々の位置に含まれる欠陥を検査することができる。
また、被検査物2表面の凹凸をより鮮明にすることができるため、欠陥を容易に発見することができる。
なお、欠陥検査装置1Eは、撮像部40を省略した構成とし、被検査物2の欠陥を作業者9が目視確認する構成であってもよい。
〔実施形態7〕
本発明の実施形態7について、図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜6にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図12は、本発明の実施形態7に係る欠陥検査装置1Fの構成を表す図である。欠陥検査装置1Fは、図10に示した欠陥検査装置1Dの構成に加え、さらに、照射部3Fを備えている点で欠陥検査装置1Dと相違する。すなわち、欠陥検査装置1Fは複数の照射部3A・3Fを備えている。
照射部3Fは、光源部60Aと、光源部60Aの出射面側に対向配置された第1偏光部7とを備えている。
照射部3Aは、光源部60A、第1偏光部7、及び、第2偏光部4が平行となるように配置されている。これにより、光源部60Aの中央部分から出射した光Aは、第1偏光部7、被検査物2、及び、第2偏光部4を透過し、レンズ部41へ略垂直に入射する。
一方、照射部3Fは、第2偏光部4に対し、光源部60A及び第1偏光部7が傾斜するように配置されている。これにより、照射部3Fの光源部60Aから出射した光Fは、第1偏光部7、被検査物2、及び、第2偏光部4を透過し、レンズ部41に対し、略垂直よりも小さい角度で入射する。
このように、欠陥検査装置1Fは、照射部3Aの光源部60Aと、照射部3Fの光源部60Aとを備えている。そして、照射部3Aの光源部60Aと、照射部3Fの光源部60Aとは、それぞれからから出射する光A・Fの光軸が互いに傾斜するように配置されている。
このため、欠陥検査装置1Fによると、被検査物2に対し、種々の方向から光を照射することができる。これにより、被検査物2において種々の位置に含まれる欠陥を検査することができる。
なお、欠陥検査装置1Fは、撮像部40を省略した構成とし、被検査物2の欠陥を作業者9が目視確認する構成であってもよい。
また、欠陥検査装置1Fは、照射部3Fを2つ以上有していてもよい。すなわち、図12において、照射部3Aよりも紙面奥側に配置された照射部3Fとは別に、例えば、さらに、照射部3Aよりも紙面手前側にも照射部3Fが配置されていてもよい。この場合、紙面手前側の照射部3Fの光源部60Aと、照射部3Aの光源部60Aとは、それぞれからから出射する光F・光Aの光軸が互いに傾斜するように配置される。
〔実施形態8〕
本発明の実施形態8について、図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜7にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図13は、本発明の実施形態8に係る欠陥検査装置1Gの構成を表す図である。欠陥検査装置1Gは、図12に示した欠陥検査装置1Fの構成のうち、照射部3Fに換えて、面発光照射部5Gを備えている点で欠陥検査装置1Fと相違する。面発光照射部5Gは、ドットマトリクス状又はスリット状の光を出射しない光源であり、面状に光Gを出射する。
照射部3Aは、光源部60A、第1偏光部7、及び、第2偏光部4が平行となるように配置されている。これにより、光源部60Aの中央部分から出射した光Aは、第1偏光部7、被検査物2、及び、第2偏光部4を透過し、レンズ部41へ略垂直に入射する。
一方、面発光照射部5Gは、第2偏光部4に対し、出射面が傾斜するように配置されている。これにより、面発光照射部5Gから出射した光Gは、被検査物2、及び、第2偏光部4を透過し、レンズ部41に対し、略垂直よりも小さい角度で入射する。
このように、欠陥検査装置1Gは、照射部3Aの光源部60Aと、面発光照射部5Gとを備えている。そして、照射部3Aの光源部60Aと、面発光照射部5Gとは、それぞれからから出射する光A・Gの光軸が互いに傾斜するように配置されている。
このため、欠陥検査装置1Gによると、被検査物2に対し、種々の方向から光を照射することができる。これにより、被検査物2において種々の位置に含まれる欠陥を検査することができる。
なお、欠陥検査装置1Gは、撮像部40を省略した構成とし、被検査物2の欠陥を作業者9が目視確認する構成であってもよい。
また、欠陥検査装置1Gは、面発光照射部5Gを2つ以上有していてもよい。すなわち、図13において、照射部3Aよりも紙面奥側に配置された面発光照射部5Gとは別に、例えば、さらに、照射部3Aよりも紙面手前側にも面発光照射部5Gが配置されていてもよい。この場合、紙面手前側の面発光照射部5Gと、照射部3Aの光源部60Aとは、それぞれからから出射する光G・光Aの光軸が互いに傾斜するように配置される。
〔実施形態9〕
本発明の実施形態9について、図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜8にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図14は、本発明の実施形態9に係る欠陥検査装置1Hの構成を表す図である。欠陥検査装置1Hは、図10に示した欠陥検査装置1Dの構成に加え、さらに、波長変換フィルタ50を備えている点で欠陥検査装置1Dと相違する。
波長変換フィルタ50は、第1偏光部7と、第2偏光部4との間に配置されている。波長変換フィルタ50は、光源部60Aから出射された光Aを、異なる波長に変換し透過するフィルタである。被検査物2は、波長変換フィルタ50と、第2偏光部4との間に配置される。
光源部60Aから出射したドットマトリクス状の光Aは、第1偏光部7を透過すると、次に、波長変換フィルタ50を透過することで、波長変換フィルタ50を透過する前とは異なる特定の波長成分を有する光Aへ変換される。そして、波長変換フィルタ50を透過した光Aは、被検査物2、及び、第2偏光部4を透過し、レンズ部41へ入射する。
被検査物2に含まれる欠陥は、透過する光の波長によって見え方が異なる場合がある。
そこで、上述のように、欠陥検査装置1Hによると、波長変換フィルタ50によって波長が変換された光Aを被検査物2に照射することで、被検査物2において種々の位置に含まれる欠陥を検査したり、見えなかった欠陥を見やすくしたりすることができる。
なお、欠陥検査装置1Hは、撮像部40を省略した構成とし、被検査物2の欠陥を作業者9が目視確認する構成であってもよい。
〔実施形態10〕
本発明の実施形態10について、図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜9にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図15は、本発明の実施形態10に係る欠陥検査装置1Iの構成を表す図である。欠陥検査装置1Iは、図14に示した欠陥検査装置1Hの構成のうち、波長変換フィルタ50の位置が異なる点で欠陥検査装置1Hと相違する。
欠陥検査装置1Iでは、波長変換フィルタ50は、第1偏光部7と、第2偏光部4との間ではなく、第2偏光部4と撮像部40との間に配置されている。被検査物2は、第1偏光部7、第2偏光部4との間に配置される。
光源部60Aから出射したドットマトリクス状の光Aは、第1偏光部7、被検査物2、及び第2偏光部4を透過すると、次に、波長変換フィルタ50を透過することで、波長変換フィルタ50を透過する前とは異なる特定の波長成分を有する光Aへ変換される。そして、波長変換フィルタ50を透過した光Aはレンズ部41へ入射する。
被検査物2に含まれる欠陥は、透過する光の波長によって見え方が異なる場合がある。
欠陥検査装置1Iによると、被検査物2を透過した光Aを波長変換フィルタ50によって波長を変換することで、被検査物2において種々の位置に含まれる欠陥を検査したり、見えなかった欠陥を見やすくしたりすることができる。
なお、欠陥検査装置1Iは、撮像部40を省略した構成とし、被検査物2の欠陥を作業者9が目視確認する構成であってもよい。
〔実施形態11〕
本発明の実施形態11について、図16に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜10にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図16は、本発明の実施形態11に係る欠陥検査装置1Jの構成を表す図である。欠陥検査装置1Jは、図13に示した欠陥検査装置1Gの構成のうち、面発光照射部5Gに換えて、反射部65を備えている点で欠陥検査装置1Gと相違する。反射部65は板状の反射板である。反射部65は第2偏光部4の下方であって、被検査物2の側方または上方に位置する。反射部65は反射面を第1偏光部7及び第2偏光部4に対して傾斜させて配置されている。
光源部60Aから出射された光Aは、第1偏光部7、被検査物2、及び、第2偏光部4を透過し、撮像部40へ入射する。
光源部60Aから出射された他の光J1は、第1偏光部7を透過し、反射部65で反射し、被検査物2の表面で反射する。そして、光J1は、被検査物2の表面で反射すると、第2偏光部4を透過し、撮像部40へ入射する。
このように、欠陥検査装置1Jは、照射部3Aの光源部60Aと、反射部65とを備えている。そして、反射部65は、光源部60Aとは重ならないように、反射面が傾斜して配置されている。
このため、欠陥検査装置1Jによると、被検査物2に対し、種々の方向から光を照射することができる。これにより、被検査物2において種々の位置に含まれる欠陥を検査することができる。
なお、欠陥検査装置1Jは、撮像部40を省略した構成とし、被検査物2の欠陥を作業者9が目視確認する構成であってもよい。
また、反射部65は、板状の反射板に限定されず、光J1が反射部65へ入射する方向に窪んだ曲面の反射面を有する反射板であってもよい。これにより、反射部65は、例えば、入射した光J1を反射すると共に集光して被検査物2の表面に照射するようになっていてもよい。
また、欠陥検査装置1Jは、反射部65を2つ以上有していてもよい。すなわち、図16において、照射部3Aよりも紙面奥側に配置された反射部65とは別に、例えば、さらに、照射部3Aよりも紙面手前側にも反射部65が配置されていてもよい。この場合、紙面手前側の反射部65は反射面を第1偏光部7及び第2偏光部4に対して傾斜させて配置される。
〔実施形態12〕
本発明の実施形態12について、図23に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜11にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図23は、本発明の実施形態12に係る欠陥検査装置1Kの構成を表す図である。欠陥検査装置1Kは、欠陥検査装置1(図1参照)が有していた光源部60に換えて、光源部60Kを有している。
光源部60Kは、被検査物2の欠陥検査のため、被検査物2に、スリット状であって拡散光が抑制された光Aを照射する。光源部60Kは、面光源である面発光照射部5と、面発光照射部5の出射面側に配置されたマスク6Eとを有する。
マスク6Eはスリット状に開口部が設けられたマスクである。マスク6Eは、スリットの延伸方向が第1偏光部7の偏光軸と平行となるように配置されている。または、マスク6Eは偏光板であってもよい。マスク6Eが偏光板により構成されている場合、マスク6Eは、偏光軸が第1偏光部7の偏光軸と平行となるように配置される。
欠陥装置1Kによると、面発光照射部5から出射した光Aは、マスク6Eを透過することで、第1偏光部7の偏光軸と平行な方向に光軸が延伸する。これにより、光Aは拡散光が抑制される。そして、マスク6Eを透過した光、すなわち、光源部60Kから出射された光Aは、第1偏光部7、被検査物2、及び、第2偏光部4を、この順に透過し、作業者9が目視する。このように、光源部60Kの構成によっても、拡散光が抑制された光Aを得ることができる。
なお、欠陥検査装置1Kは、撮像部40及び上記判定部を備えていてもよい。
〔実施形態13〕
本発明の実施形態13について、図24に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜12にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図24は、本発明の実施形態13に係る欠陥検査装置1Lの構成を表す図である。欠陥検査装置1Lは、欠陥検査装置1D(図10参照)が有していた照射部3Aに換えて、照射部3Lを有している。照射部3Lは、光源部60Aと、第1偏光部7に加え、遮光部71を備えている。
遮光部71は、第1偏光部7上であって被検査物2の下方に配置されている。遮光部71は、光源部60Aからの出射光を遮光する部材により構成されている。遮光部71は環状を有しており、中心部近傍に開口部を有している。これにより、遮光部71は、光源部60Aから出射した光Aの一部を遮光すると共に、遮光部71の開口部からは光Aを透過する。そして、当該光Aは、被検査物2、及び、第2偏光部4をこの順に透過し、撮像部40へ入射する。
遮光部71の開口部の大きさを変更することで、第1偏光部7を透過した光Aの偏光の強さを調整することができる。
これにより、被検査物2に含まれる欠陥の有無や欠陥の大きさなどを判定し易くすることができる。
照射部3Lとして、図2に示した液晶ディスプレイ30を用いる場合、遮光部71は部材として第1偏光部7上に配置するのではなく、液晶パネル20(図2参照)の各画素の点灯を制御することで、液晶パネル20に画像として表示させてもよい。これにより、遮光部71や遮光部71の開口部の大きさを細かく、また、速やかに変更することができるため、欠陥検査の利便性を向上させることができる。
なお、欠陥検査装置1Lは、撮像部40を省略した構成とし、被検査物2の欠陥を作業者9が目視確認する構成であってもよい。
〔実施形態14〕
本発明の実施形態14について、図25に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜13にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図25は、本発明の実施形態14に係る欠陥検査装置1Mの構成を表す図である。欠陥検査装置1Mは、欠陥検査装置1L(図24参照)が有していた照射部3Lに換えて照射部3Mを有している。照射部3Mは、遮光部71に換えて遮光部72を有している。
遮光部72は、第1偏光部7上であって被検査物2の下方に配置されている。遮光部72は、光源部60Aからの出射光を遮光する部材により構成されている。遮光部72は、遮光部71のような環状ではなく、中心部近傍に開口部を有していない。これにより、遮光部72は、光源部60Aから出射した光Aの一部を遮光する。遮光部72は遮光部71よりも多くの光Aを遮光する。遮光部72により遮光されなかった光Aは、被検査物2、及び、第2偏光部4をこの順に透過し、撮像部40へ入射する。
遮光部72により、光源部60Aからの出射光であって第1偏光部7を透過した光Aの一部が遮光されることで遮光された部分は被検査物2に対して間接光が照射される状態となる。つまり、欠陥検査装置1Mによると、非遮光部からの偏光を照射した状態と、遮光部からの間接光を照射した状態という2つの状態を同時に撮像することができる。また、撮像範囲全体を遮光することにより、撮像部40への入射光の全てを偏光から間接光へ切替えることもできる。
これにより、被検査物2に含まれる欠陥の有無や欠陥の大きさなどを判定し易くすることができる。
照射部3Mとして、図2に示した液晶ディスプレイ30を用いる場合、遮光部72は部材として第1偏光部7上に配置するのではなく、液晶パネル20(図2参照)の各画素の点灯を制御することで、液晶パネル20に画像として表示させてもよい。これにより、遮光部72の大きさを細かく、また、速やかに変更することができるため、欠陥検査の利便性を向上させることができる。
なお、欠陥検査装置1Mは、撮像部40を省略した構成とし、被検査物2の欠陥を作業者9が目視確認する構成であってもよい。
〔実施形態15〕
本発明の実施形態15について、図26に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜14にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図26は、本発明の実施形態15に係る欠陥検査装置1Nの構成を表す図である。欠陥検査装置1Nは、欠陥検査装置1M(図25参照)が有していた照射部3Mに換えて照射部3Nを有している。照射部3Nは、遮光部72に換えて遮光部73を有している。
遮光部73は、第1偏光部7上であって被検査物2の下方に配置されている。遮光部73は、スリット状の開口部を有する。一例として、遮光部73は、被検査物2の長手方向と平行に延伸している。遮光部73のスリット状の開口部も被検査物2の長手方向と平行に延伸している。このように、遮光部73は、スリット状の開口部が、被検査物2の長手方向と平行に延伸しているため、被検査物2の長手方向を一度に広範囲に撮影することができる。被検査物2の撮影範囲が狭い場合は、遮光部71(図24参照)を用いればよいし、被検査物2の撮影範囲が広い場合は、遮光部73を用いればよい。被検査物2を撮影範囲によって、種々の遮光部を用いることで、効率よく被検査物2の欠陥検査を行うことができる。
照射部3Nとして、図2に示した液晶ディスプレイ30を用いる場合、遮光部73は部材として第1偏光部7上に配置するのではなく、液晶パネル20(図2参照)の各画素の点灯を制御することで、液晶パネル20に画像として表示させてもよい。これにより、遮光部73の大きさを細かく、また、速やかに変更することができるため、欠陥検査の利便性を向上させることができる。
なお、欠陥検査装置1Nは、撮像部40を省略した構成とし、被検査物2の欠陥を作業者9が目視確認する構成であってもよい。
〔実施形態16〕
本発明の実施形態16について、図27に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜15にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図27は、本発明の実施形態16に係る欠陥検査装置1Oの構成を表す図である。欠陥検査装置1Oは、欠陥検査装置1D(図10参照)が有していた照射部3Aを、第2偏光部4に対し傾斜させた構成である。
欠陥検査装置1Oによると、照射部3Aから、被検査物2に対し斜め方向から光が照射される。これにより、被検査物2の陰影(被検査物表面2の凹凸)をはっきりさせることができる。そのため、被検査物2に含まれる欠陥を容易に発見することができる。
なお、本実施の形態では、第1偏光部7も第2偏光部4に対し傾斜するように配置されているが、第1偏光部7と第2偏光部4とは互いに平行に配置され、光源部60Aが第1偏光部7及び第2偏光部4に対し傾斜するように配置されていてもよい。
また、欠陥検査装置1Oは、撮像部40を省略した構成とし、被検査物2の欠陥を作業者9が目視確認する構成であってもよい。
〔実施形態17〕
本発明の実施形態17について説明する。上述した欠陥検査装置1・1A〜1Oは、バルーンカテーテルにおけるフィッシュアイ等を発見するための外観検査以外にも、他の検査に用いることができる。以下、幾つか例を挙げる。
(チューブ溶着検査への応用例)
バルーンカテーテルは、製造工程において、バルーンとチューブとを溶着したり、チューブ同士を溶着したりすることで作製される。欠陥検査装置1・1A〜1Oを用いて、このバルーンとチューブとの溶着部における溶着前後の溶着状態、または、チューブ同士の溶着部における溶着前後の溶着状態を確認する、または、溶着状態の変化をリアルタイムで確認することができる。このバルーンとチューブとの溶着部、または、バルーンとチューブとの溶着部には応力が発生するため、偏光により、溶着の範囲を確認することができる。
図28は、欠陥検査装置1D(図10)において、撮像部40により、被検査物2であるバルーンカテーテルの溶着部及び未溶着部を撮像した画像である。図28において「溶着部」と示す領域は、溶着されたことで当該「溶着部」以外の領域とは異なり偏光ムラがとなっている。一方、「未溶着部」と示す領域は偏光ムラは見えず、チューブの内側に挿入されたチューブが見える。このように、「溶着部」と、「未溶着部」とでは偏光が明らかに変わっているため、溶着部および未溶着部それぞれの範囲や溶着状態を容易に確認することができる。
(チューブ引張り試験への応用例)
欠陥検査装置1・1A〜1Oは、バルーンカテーテルのチューブを引張った結果を検査するチューブ引張り試験による欠陥検査に用いることもできる。欠陥検査装置1・1A〜1Oを用いて、チューブ引張り試験において試験前後の応力状態を確認する、または、応力状態をリアルタイムで確認する。チューブが引張られることで延伸した部分は他に比べて応力の違いがでるため、偏光により確認することができる。
(膜厚ムラの欠陥検出への応用例)
欠陥検査装置1・1A〜1Oは、バルーンカテーテルの膜厚ムラの結果検査に用いることもできる。膜厚ムラとはバルーンカテーテルにおいて膜厚の変化がある箇所である。膜厚によって偏光の状態や偏光色が変化するため、これにより膜厚ムラ有無や程度を検査することができる。
〔実施例1〕
偏光を含むドットマトリクス状の光を照射する光源部と、偏光を含まない面状の光を照射する光源部とでの欠陥の見え方の違いを確認する実験を行った。
図17は、偏光を含まない面状の拡散光を照射する光源部から、被検査物2に光を照射したときの撮像画像を表す図である。
図18は、偏光を含まない面状の平行光を出射する光源部から、被検査物2に光を照射したときの撮像画像を表す図である。
なお、図17〜図19に示す「マーキング」は、欠陥の位置を特定するために被検査物2の欠陥の近傍に記した油性ペンによるマーキングである。
図17及び図18において、被検査物2は共にバルーンカテーテルである。また、図17及び図18において、第1偏光部7及び第2偏光部4は用いていない。
図17に示すように、面状に拡散光を出射する光源部から被検査物2に光を偏光することなく照射すると、被検査物2に照射された光は拡散し、画像全体が明るい。このため、被検査物2において、欠陥が存在しているか否かの判定は困難である。
一方、図18に示すように、面状に平行光を出射する光源部から、被検査物2に平行光を偏光することなく照射すると、光の拡散は図17より抑えられている。これにより、被検査物2において、欠陥の箇所の光量差は、図17よりも大きい。このため、図18は、図17と比べては欠陥箇所の判定がし易いといえる。しかし、図18では、欠陥ではない程度の微小な凹凸も多数見える。このため、図18に示す撮像画像においても、検出する必要がない程度の凹凸と、フィッシュアイ等、検出すべき欠陥との区別がつかない。
図19は、第1偏光部7と第2偏光部4とで被検査物2を挟み、かつ、ドットマトリクス状に光を出射する光源部から、拡散光が抑制された光を被検査物2に照射したときの撮像画像を表す図である。つまり、図19は、欠陥検査装置1D(図10)の構成による撮像部40により撮像した画像である。
図19でも、被検査物2はバルーンカテーテルである。図19に示すように、欠陥箇所と、それ以外の箇所との光量差を適度に得ることができているため、被検査物2にフィッシュアイが形成されていることを、容易に見つけることができる。
このように、第1偏光部7と第2偏光部4とで被検査物2を挟み、かつ、ドットマトリクス状に光を出射する光源部から、平行光ではなく適度に拡散光を抑えた光を被検査物2に照射すると、被検査物2にフィッシュアイが形成されていることを、容易に見つけることができることが分かった。
〔実施例2〕
バルーンカテーテルの製造工程での欠陥検査工程では、バルーンカテーテルに含まれる欠陥の有無だけではなく、欠陥の大きさの判別のし易さも指標となる。欠陥検査装置1D(図10)、欠陥検査装置1L(図24)、欠陥検査装置1M(図25)を用いて、バルーンカテーテルに含まれる欠陥の大きさの判別のし易さの評価を行った。なお、図20〜図22に示す「マーキング」は、欠陥の位置を特定するために被検査物2の欠陥の近傍に記した油性ペンによるマーキングである。図20〜図22において、被検査物2は共にバルーンカテーテルである。
図20は、図19を得た欠陥検査装置と同様に、第1偏光部7と第2偏光部4とで被検査物2を挟み、かつ、ドットマトリクス状に光を出射する光源部から、拡散光が抑制された光を被検査物2に照射したときの撮像画像を表す図である。つまり、図20は、欠陥検査装置1D(図10)の構成による撮像部40により被検査物2を撮像した撮像画像である。
図20に示すように、欠陥検査装置1Dによると、欠陥の有無は容易に判定できる撮像画像を撮像部40により撮像することができた。しかし、欠陥検査装置1Dによると、被検査物2を透過した光Aの偏光が若干強く、欠陥の輪郭が分かり難くい。このため、欠陥検査装置1Dによると、欠陥の大きさ判定がし難い。
図21は、欠陥検査装置1M(図25)の構成による撮像部40により被検査物2を撮像した遮光された部分の撮像画像である。
図21に示すように、欠陥検査装置1Mによると、遮光された部分は被検査物2に対して間接光のみが照射された状態となるため、欠陥の輪郭ははっきりしている。このため、欠陥の大きさを明確に判定することができる。しかし、欠陥検査装置1Mによると、欠陥周辺の、欠陥ではない凹凸も表れているため、欠陥検査装置1Dでの撮像画像(図20)と比べては欠陥の有無の判定がし難い。なお、撮像部40による撮像画面の一部を遮光することで1つの画面に図20の撮像画像と、図21の撮像画像とを撮像することもできる。
図22は、欠陥検査装置1L(図24)の構成による撮像部40により被検査物2を撮像した撮像画像である。
図24に示すように、欠陥検査装置1Lによると、偏光の強さを調整することができる。このため、欠陥の輪郭をはっきりさせつつ、欠陥以外の凹凸が表れないように、偏光の強度を調整することができる。このため、欠陥の有無と、欠陥の大きさとを明確に判定することができる。つまり、欠陥検査装置1Lにより撮像した撮像画像(図22)は、図20に示した撮像画像における欠陥の有無の判別のし易さと、図21に示した撮像画像における欠陥の大きさの判別のし易さとの両方のメリットを有する撮像画像を得ることができた。
また、欠陥検査装置1L(図24)ではなく、欠陥検査装置1N(図26)の構成による撮像部40により被検査物2を撮像した場合も、図22に示した撮影画像のように、欠陥の有無の判別のし易さと、欠陥の大きさの判別のし易さとの両方のメリットを有する撮像画像を得ることができると考えられる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。