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JP2017180964A - 廃棄物処理炉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃棄物の種類や嵩密度が変動しても、廃棄物の水分率そして発熱量に対応した廃棄物処理炉の運転条件の制御を容易とする廃棄物処理炉装置を提供することを課題とする。【解決手段】廃棄物を焼却又はガス化する廃棄物処理炉の廃棄物投入口から下方に延びるシュート内に廃棄物の水分率と相関性を持つ廃棄物の特性値を測定する測定計の検出要素を設けた廃棄物処理炉装置1において、特性値の測定計に加え、測定計による特性値の測定値に基づき廃棄物の水分率を算定する水分率算定装置を備え、特性値の測定計は、静電容量測定計、マイクロ波強度測定計、赤外線強度測定計の三つの測定計のうち二つの測定計が選択され配設されており、これらの測定計の特性値の測定値を上記水分率算定装置へ送るようになっている。【選択図】図1

Description

本発明は廃棄物の性状としての水分率を計測しその計測値に応じて廃棄物を焼却又はガス化する廃棄物処理炉装置に関する。
近年、廃棄物焼却炉やガス化炉等の処理炉における廃棄物の焼却又はガス化処理によって発生する熱エネルギーの回収への関心が高まってきており、この熱エネルギーで駆動するボイラ発電設備が設置された廃棄物の処理炉が増加し、高い効率での熱回収を実現できる焼却又はガス化運転が要求されている。一方、廃棄物処理炉から大気中に放出される環境汚染物質の規制が厳しくなるに従い、ダイオキシン類や窒素酸化物など燃焼由来の有害物質の排出を低減する焼却又はガス化運転も必要とされている。
このように、廃棄物処理炉に高度な燃焼運転制御が望まれているため、自動燃焼制御装置によって上記の要求を満たす運転制御が行われている。自動燃焼制御装置では、処理炉が例えばストーカ式焼却炉の場合、操作量である給塵速度、燃焼火格子送り速度、燃焼空気量、及び冷却空気量などを制御することにより、蒸気発生量を安定化し、かつ排ガス中のダイオキシン類や窒素酸化物濃度を低く抑え、灰中の未燃成分を少なくする目的で、廃棄物を安定して燃焼するように運転されている。しかしながら、このような燃焼制御は、廃棄物の投入の時点で該廃棄物の性状を監視せずに、いずれも燃焼の結果発生する燃焼ガス温度、燃焼ガス中酸素濃度、燃焼ガス中一酸化炭素濃度等を監視する因子として検出して、各操作量の制御値へフィードバックする方法であり、そのため後追い型の制御となり、処理炉に投入する廃棄物の性状が変動した場合に必ずしも安定した運転制御が達成できないことがある。
廃棄物処理炉の焼却又はガス化運転の安定性を乱す大きな要因として、投入される廃棄物の性状が一定しないため廃棄物の発熱量が変動するという点がある。処理炉へ投入される廃棄物の性状は、廃棄物が収集される地域や、収集される時刻、または天候や、季節によって大きく異なることから、廃棄物の発熱量は大きく変動する。そこで、投入される廃棄物の性状を投入前に求めて、求めた廃棄物の性状により運転制御を行う廃棄物処理炉の制御方法が特許文献1で提案されている。廃棄物の性状のうち、上記発熱量を大きく左右する因子は廃棄物の水分率であり、特許文献1の技術では、廃棄物焼却炉へ廃棄物を供給するコンベアに、コンベア上の廃棄物の重量を計測する重量計測装置と、コンベア上の廃棄物の厚みを計測するレベル計測装置と、コンベア上の廃棄物の水分含有率を計測する赤外線水分計を備え、これらの計測値から廃棄物の性状としての水分率を推定し、その性状に応じた運転制御を行うことが記載されている。また、特許文献2では、廃棄物処理炉の投入口から燃焼室へ向け垂下するシュートに水分率計として静電容量計を配置し、一対の電極間での廃棄物の静電容量を計測することで廃棄物の水分率を得ることとしている。
赤外線水分計は、赤外線を測定対象物に照射しその対象物からの赤外線の反射を検出して水分率を求めている。水分は近赤外線の特定波長を吸収する性質があり、測定対象物に含まれる水分量が多くなれば、吸収される赤外線エネルギーも大きくなり、反射する赤外線エネルギー量が減少する。赤外線水分計はこのような現象を応用して、測定対象物の水分含有率を測定するものである。
静電容量計は、静電容量の値と水分率との値の対応関係を保有している水分率算定器に接続されており、静電容量計で計測された計測値から上記対応関係に基づいて水分率を算定できるようになっている。
特開2000−283444 特開2010−216990
特許文献1に記載の技術では、コンベア上の廃棄物の重量とレベル(高さ)と水分率を計測し、廃棄物の性状を推定している。しかしながら、この技術では、廃棄物の水分率測定に赤外線水分計を用いて廃棄物表層部からの赤外線の反射を計測するため、廃棄物表層部の水分率しか計測できないという問題がある。したがって、表層部よりも下層の廃棄物の水分率が表層部と異なる場合には、不具合が生じることとなってしまう。
また、特許文献2にあっては、シュート内の廃棄物の水分を静電容量計で測定しているが、炉内へ投入される廃棄物の種類や嵩密度が大きく変動する場合、水分率を正確に測定できない懸念がある。そのため、廃棄物の発熱量の正確な把握が行えず、発熱量の変動に対して廃棄物処理炉の運転条件の変更調整が十分に行えず、廃棄物処理炉を安定して運転できない、という問題が生じる。
本発明は、かかる事情に鑑み、廃棄物処理炉へ投入供給される廃棄物の種類や嵩密度が変動しても、廃棄物の水分率を正確に測定し発熱量を正確に把握して、廃棄物の水分率そして発熱量に対応した廃棄物処理炉の運転条件の制御を容易とする廃棄物処理炉装置を提供することを課題とする。
上述の課題は本発明によれば、次のように構成される第一発明あるいは第二発明のいずれの廃棄物処理炉装置によっても解決される。
<第一発明>
廃棄物を焼却又はガス化する廃棄物処理炉の廃棄物投入口から下方に延びるシュート内に廃棄物の水分率と相関性を持つ廃棄物の特性値を測定する測定計の検出要素を設けた廃棄物処理炉装置において、
特性値の測定計に加え、該測定計による特性値の測定値に基づき廃棄物の水分率を算定する水分率算定装置を備え、
特性値の測定計は、静電容量測定計、マイクロ波強度測定計、赤外線強度測定計の三つの測定計のうち二つの測定計が選択され配設されており、これらの測定計の特性値の測定値を上記水分率算定装置へ送るようになっている、
ことを特徴とする廃棄物処理炉装置。
本発明において、静電容量測定計としては、接触型静電容量測定計、透過型静電容量測定水分計、そしてマイクロ波強度測定計としては接触型マイクロ波強度測定計、透過型マイクロ波強度測定計が挙げられる。
本発明では、廃棄物の種類により、好ましい特性値の測定計の測定値(静電容量値、マイクロ波強度、赤外線強度)を選択・採用し水分率算定する。例えば、水分率が比較的高い廃棄物では静電容量、プラスチックごみが多い廃棄物ではマイクロ波強度、そして家庭からの収集ごみが多い廃棄物では静電容量、産業廃棄物と一般廃棄物(家庭からの収集ごみが主)との混合物では静電容量を選択するようにすることが好ましい。
<第二発明>
廃棄物を焼却又はガス化する廃棄物処理炉の廃棄物投入口から下方に延びるシュート内に廃棄物の水分率と相関性を持つ廃棄物の特性値を測定する測定計の検出要素を設けた廃棄物処理炉装置において、
特性値の測定計に加え、該測定計による特性値の測定値に基づき廃棄物の水分率を算定する水分率算定装置を備え、
特性値の測定計は、測定計の検出要素と接触している廃棄物の特性値を測定する接触型測定計と、測定計の検出要素の間に存在している廃棄物を透過して特性値を測定する透過型測定計とが配設されており、これらの測定計の特性値の測定値を上記水分率算定装置へ送るようになっている、
ことを特徴とする廃棄物処理炉装置。
本発明において、接触型測定計としては接触型静電容量測定計、接触型マイクロ波強度測定計、そして透過型測定計としては透過型静電容量測定計、透過型マイクロ波強度測定計が挙げられる。
本発明では、廃棄物の嵩密度により接触型測定計と透過型測定計とから、好ましい型式の測定計の特性値の測定値を採用し水分率算定する。例えば、嵩密度の高い廃棄物には、接触型測定計又は透過型測定計、そして嵩密度の低い廃棄物には、接触型測定計が好適である。嵩密度の低い廃棄物では廃棄物の空隙が多く透過型測定計では正確に水分率に相関する特性値を測定できないからである。
以上のように、本発明では、第一発明にあっても、第二発明にあっても、複数の方式の測定計の検出要素をシュートに設け、廃棄物の種類や性状によって測定計の選定を行って適切に水分率を測定できるようにしたので、正確に廃棄物の水分率を測定でき、廃棄物の発熱量を正確に把握できるため、廃棄物処理炉の良好な燃焼又はガス化制御が行え、ひいては安定した運転制御が可能となる。
本発明の一実施形態装置の概要構成図である。
図1は、廃棄物処理炉等としての火格子式廃棄物焼却炉1の構成を示す。本発明は、火格子式のみならず他の形式の廃棄物焼却炉にも、また廃棄物焼却炉に限定されず廃棄物ガス化溶融炉にも適用可能であり、以下、廃棄物焼却炉と廃棄物ガス化溶融炉の両者をあわせて、廃棄物処理炉と称することとする。
廃棄物焼却炉1は、火格子11の下方に接続して設けられた複数の空気供給系12から燃焼用空気を受け、上記火格子11の上方に形成される燃焼室13で火格子11上の廃棄物Pを焼却するようになっている。火格子11は右方に向けた送り速度で上記廃棄物Pを送っている。上記火格子11の左端上方位置には給塵装置14、例えばプッシャーがごみを火格子11上に送り出すように設けられている。該給塵装置14の上方にはシュート15が上方に延びており、その上端に投入口としてのホッパ16が設けられている。
上記空気供給系12での空気吹込み量、火格子11の送り速度、給塵装置14の送り出し速度は可変となっている。
本実施形態では、上記シュート15内の廃棄物Pの静電容量を計測する静電容量測定計20A、マイクロ波強度を計測するマイクロ波強度測定計20Bが設けられている。静電容量測定計20Aは、検出要素20A1(例えば、静電容量の測定のための電極)を有し、マイクロ波強度測定計20Bは、マイクロ波強度検出要素20B1を有していて、各検出要素20A1,20B1は上記シュート15の側壁の内面に取り付けられている。かくして、静電容量測定計20A、マイクロ波強度測定計20Bは、シュート15内の検出要素20A1,20B1近傍に存在する廃棄物Pの静電容量、マイクロ波強度を測定する。
上記静電容量測定計20A、マイクロ波強度測定計20Bは、水分率算定器21に接続されている。この水分率算定器21では、予め保有している廃棄物の静電容量の値と水分率の値との関係、マイクロ波強度の値と水分率の値との関係から、上記静電容量測定計20A、マイクロ波強度測定計20Bで計測された静電容量、マイクロ波強度の値から対応する水分率の値を算定できるようになっている。具体的には、水分率算定器21には、廃棄物の静電容量の値と水分率の値との関係、マイクロ波強度の値と水分率の値との関係を予め計測して明らかにした関係データベースが保持されており、静電容量測定計20A、マイクロ波強度測定計20Bから送られてきた廃棄物Pの静電容量、マイクロ波強度の測定値を、上記関係データベースにおける静電容量、マイクロ波強度と水分率との関係と照合して廃棄物の水分率を算定する。
本実施形態では、静電容量測定計20Aにより測定した廃棄物の静電容量測定値から算定した廃棄物の水分率と、マイクロ波強度測定計20Bにより測定した廃棄物のマイクロ波強度測定値から算定した廃棄物の水分率の二つの水分率のうち一つの水分率を選択し、発熱量の算定そして焼却炉の運転制御を行うが、いずれを選択するかは、廃棄物の種類や性状より適宜定められる。例えば、水分率が比較的高い廃棄物には静電容量式、プラスチックごみが多い廃棄物にはマイクロ波式、そして家庭からの収集ごみが多い廃棄物には静電容量式、産業廃棄物と一般廃棄物(家庭からの収集ごみが主)との混合物には静電容量式を選択すること等としてもよい。
また、本実施形態では、静電容量測定計とマイクロ強度測定計を設けることとしたが、静電容量測定計、マイクロ波強度測定計、赤外線強度測定計の三つの測定計のうち二つの測定計を選択して設けるようにしてもよい。
また、上述した静電容量測定計とマイクロ強度測定計を設けるという形態に代え、接触型測定計、透過式測定計を用いて、廃棄物の性状により、いずれかの測定値を用いて水分率を算定するという形態とすることもできる。その場合、接触型測定計としては接触型静電容量測定計、接触型マイクロ波強度測定計、そして透過型測定計としては透過型静電容量測定計、透過型マイクロ波強度測定計が挙げられる。かつ、廃棄物の嵩密度により好ましい型式の測定計の測定値(接触型又は透過型)を採用し水分率算定するのがよい。例えば、嵩密度の高い廃棄物には、接触型測定計又は透過型測定計、そして嵩密度の低い廃棄物には、接触型測定計が好適である。嵩密度の低い廃棄物では廃棄物の空隙が多く透過型測定計では正確に特性値を測定できないからである。
上記水分率算定器21は制御装置22に接続されており、この制御装置22は、上記シュート15内の廃棄物Pについて水分率算定器21より受けた水分率の値から、予め保持している対応関係にもとづき、正確な廃棄物の発熱量を推定し、それに応じて安定的な廃棄物の焼却が行われるように、予め保持している制御フローに基づき、空気供給系12、火格子11、給塵装置14へ指令信号を送り、空気供給系12での空気吹込み量、火格子11の送り速度、給塵装置14の送り出し速度等の各操作量を制御するようになっている。
このように本実施形態では、上記シュート15内の廃棄物P、すなわち燃焼室13へ送入される直前の廃棄物Pについて算定された水分率に基づいて、各操作量を制御するようになっているので、廃棄物焼却炉の運転条件を最適に制御できる。
廃棄物焼却炉1に供給された廃棄物Pは次の要領で処理される。
廃棄物Pはホッパ16へ投入される。該廃棄物Pは、シュート15の下部に設置された給塵装置14(プッシャー)により火格子11上に押し出される。火格子11上の廃棄物Pは火格子11下の空気供給系12から吹き込まれる燃焼用空気により燃焼される。
ホッパ16から垂下して設けられたシュート15の側壁の内面に検出要素20A1が設けられ、検出要素20A1近傍の廃棄物Pの静電容量を静電容量測定計20Aにより計測する。水分率算定器21では測定された静電容量測定値に基づき水分率が算定される。また、シュート15の側壁の内面に検出要素20B1が設けられ、検出要素20B1近傍の廃棄物Pのマイクロ波強度をマイクロ波強度測定計20Bにより計測する。水分率算定器21では測定されたマイクロ波強度測定値に基づき水分率が算定される。水分率算定器21では、算定された静電容量測定値に基づく水分率とマイクロ波強度測定値に基づく水分率のいずれかを廃棄物の種類や性状により選択し、適切な水分率の値として、制御装置22に送信する。
制御装置22では、水分率算定器21から送られてきた水分率の値から、予め保持している対応関係に基づき、正確な廃棄物の発熱量を推定し、それに応じて予め保持している制御フローに基づき、安定的な廃棄物の焼却処理が行われる+ように指令信号を発する。この指令信号によって給塵装置14の送り速度、火格子11の送り速度、火格子11の下方の空気供給系12から吹き込まれる燃焼用空気の吹込み量等の操作量が調整される結果、廃棄物の燃焼状態が制御される。
1 廃棄物焼却炉
20A 静電容量測定計
20B マイクロ波強度測定計
20A1,20B1 検出要素
21 水分率算定装置

Claims (2)

  1. 廃棄物を焼却又はガス化する廃棄物処理炉の廃棄物投入口から下方に延びるシュート内に廃棄物の水分率と相関性を持つ廃棄物の特性値を測定する測定計の検出要素を設けた廃棄物処理炉装置において、
    特性値の測定計に加え、該測定計による特性値の測定値に基づき廃棄物の水分率を算定する水分率算定装置を備え、
    特性値の測定計は、静電容量測定計、マイクロ波強度測定計、赤外線強度測定計の三つの測定計のうち二つの測定計が選択され配設されており、これらの測定計の特性値の測定値を上記水分率算定装置へ送るようになっている、
    ことを特徴とする廃棄物処理炉装置。
  2. 廃棄物を焼却又はガス化する廃棄物処理炉の廃棄物投入口から下方に延びるシュート内に廃棄物の水分率と相関性を持つ廃棄物の特性値を測定する測定計の検出要素を設けた廃棄物処理炉装置において、
    特性値の測定計に加え、該測定計による特性値の測定値に基づき廃棄物の水分率を算定する水分率算定装置を備え、
    特性値の測定計は、測定計の検出要素と接触している廃棄物の特性値を測定する接触型測定計と、測定計の検出要素の間に存在している廃棄物を透過して特性値を測定する透過型測定計とが配設されており、これらの測定計の特性値の測定値を上記水分率算定装置へ送るようになっている、
    ことを特徴とする廃棄物処理炉装置。
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