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JP2017177833A - 車両用空調装置 - Google Patents

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JP2017177833A
JP2017177833A JP2016063275A JP2016063275A JP2017177833A JP 2017177833 A JP2017177833 A JP 2017177833A JP 2016063275 A JP2016063275 A JP 2016063275A JP 2016063275 A JP2016063275 A JP 2016063275A JP 2017177833 A JP2017177833 A JP 2017177833A
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翔 江川
Sho Egawa
翔 江川
巨樹 日下
Masaki Kusaka
巨樹 日下
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Abstract

【課題】車両用空調装置において、前席側のみの空調を行う場合と前席側及び後席側の空調を行う場合のコアケーシングを共用化して製造コストを抑制しつつ、前席及び後席の空調を独立制御する。
【解決手段】前席側の空調を行うフロントケース12に対し、後席側の空調を行うためのリアケース60を着脱自在に設け、前記前席側及び後席側の空調を同時に行う際には、第1送風機42からの送風をフロントケース12内の前席用通路22へと流すことで温度調整のなされた空気を車室内の前席側へと送風すると同時に、リアケース60に設けられた第2送風機62からの送風を後席用通路73へと流通させることで温度調整のなされた空気を車室内の後席側へと送風する。一方、リアケース60を取り外してフロントケース12のみとすることで前席側のみの空調を可能としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載され、熱交換器によって温度調整のなされた空気を車室内へと送風して車室内の温度調整を行う車両用空調装置に関する。
本出願人は、送風機からの空気をフロントケース内へ取り込み、冷却手段であるエバポレータにより冷却された冷風と、加熱手段であるヒータコアにより加熱した温風とをエアミックスダンパを駆動させることで所望の混合比率に混合した後、例えば、前記フロントケースに設けられた複数の送風口から車室内へと送風可能な車両用空調装置を提案している(特許文献1参照)。
この車両用空調装置では、車両における前席側へ送風するための第1送風機と、後席側へ送風するための第2送風機とを有し、単一のフロントケース内に前席側へ送風するための前席用通路と、後席側へ送風するための後席用通路とを備えている。
また、特許文献2には、前席側と後席側とを独立して温度調整可能な車両用空調装置が開示されており、前記前席側へ送風するための前席用通路をケース本体に設け、後席用通路を備えた後席用ケースを前記ケース本体に対して着脱自在とし、前席側のみの空調を行う場合にはケース本体のみとし、後席側の空調も併せて行う場合には前記後席用ケースを装着して行っている。
特開2011−85381号公報 特開2005−67271号公報
上述したような車両用空調装置を搭載する車両では、同一車種において廉価グレードでは前席側のみの空調を行い、上級グレードでは前席側及び後席側の空調を独立制御していることがある。
このような場合、上述した特許文献1に係る車両用空調装置では、前席用と前席及び後席用とをそれぞれ別に作る必要が生じ、製造コストの増加を招くこととなる。
また、特許文献2の車両用空調装置では、前席側と後席側とを独立して温度調整可能であるが、前席側に送風するための送風機と後席側に送風するための送風機とをそれぞれ備えておらず共用としているため、前席側と後席側との送風量をそれぞれ独立制御することができないという問題がある。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、前席側のみの空調を行う場合と前席側及び後席側の空調を行う場合のコアケーシングを共用化して製造コストを抑制しつつ、前席側及び後席側の空調を独立制御することが可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、車室内における第1のエリアへ送風を行う空気流路と、冷却器及び加熱器が内部に配置されるコアケーシングと、コアケーシングに対して車両幅方向に設けられる第1送風機とを有した車両用空調装置において、
コアケーシングには、冷却器及び/又は加熱器の下方側に開口した第1開口部を有し、
コアケーシングの空気流路とは独立し、車室内における第2のエリアへの送風を行う空気流路を有した拡張ケーシングを備え、
拡張ケーシングは、車両前方側に設けられる第2送風機と、
上方側に開口し第1開口部と連結可能な第2開口部と、
を有し、
第1開口部は、第1開口部を閉塞する蓋部材又は拡張ケーシングのいずれか一方が選択的に装着可能に形成され、
コアケーシングに対して拡張ケーシングを取り付ける際、冷却器及び/又は加熱器が、第1開口部及び第2開口部を通じてコアケーシング及び拡張ケーシング内の空気流路に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、第1送風機が設けられ車室内における第1のエリアに送風可能な空気流路を有したコアケーシングを備え、冷却器及び/又は加熱器の下方側に開口した第1開口部には、コアケーシングの空気流路とは独立し車室内における第2のエリアへの送風を行う空気流路を有した拡張ケーシングが第2開口部を介して連結可能に設けられる。そして、コアケーシングに対して拡張ケーシングを取り付ける際、冷却器及び/又は加熱器を第1開口部及び第2開口部を通じてコアケーシング及び拡張ケーシング内の空気流路に配置する。
従って、第1送風機を有し第1のエリアに送風可能なコアケーシングに対し、第2送風機を有し第2のエリアに送風可能な拡張ケーシングを連結可能とすることで、第1及び第2のエリアに同時に送風可能な車両用空調装置を容易に構成することができ、前席側のみの空調を行う場合と前席側及び後席側の空調を行う場合とでコアケーシングを共用化することで製造コストを抑制しつつ、前席側及び後席側の空調を独立制御することが可能となる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、第1送風機を有し車室内における第1のエリアに送風可能な空気流路を有したコアケーシングを備え、冷却器及び/又は加熱器の下方側に開口した第1開口部には、コアケーシングの空気流路とは独立し車室内における第2のエリアへの送風を行う空気流路を有した拡張ケーシングが第2開口部を介して連結可能に設けられる。
そして、コアケーシングに対して拡張ケーシングを取り付ける際、冷却器及び/又は加熱器を第1開口部及び第2開口部を通じてコアケーシング及び拡張ケーシング内の空気流路に配置することで、第1及び第2のエリアへ同時に送風して空調することが可能な車両用空調装置を容易に構成することができる。その結果、前席側のみの空調を行う場合と前席側及び後席側の空調を行う場合とでコアケーシングを共用化することで製造コストを抑制しつつ、前席側及び後席側の空調を独立制御することができる。
図1Aは、本発明の実施の形態に係る車両用空調装置の全体断面図であり、図1Bは、図1Aの車両用空調装置の正面図である。 図1Aのフロントケースに対してリアケースを装着することで前席側及び後席側の空調を行う車両用空調装置を示す全体断面図であり、図2Bは、図2Aの車両用空調装置の正面図である。
本発明に係る車両用空調装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係る車両用空調装置を示す。なお、以下の説明では、図1に示される車両用空調装置の右側(矢印A方向)を車両の前方側とし、左側(矢印B方向)を該車両の後方側として説明する。
この車両用空調装置10は、車両の前席側(第1のエリア)への空調を行う際に用いられ、図1A及び図1Bに示されるように、空気の各通路を構成するフロントケース(コアケーシング)12と、前記フロントケース12の側部に連結され、外気・内気を取り込む送風機ユニット14と、前記フロントケース12の内部に配設され前記空気を冷却するエバポレータ16と、該空気を加熱するヒータコア18と、前記各通路内を流通する空気の流れを切り換えるダンパ機構20とを含む。
フロントケース12は、例えば、樹脂製材料で略対称形状の分割ケースから構成され、前記分割ケースは車両の幅方向(図1B中、矢印C方向)に分割可能に設けられると共に、その内部に車室内の前席側への送風を行う前席用通路(空気流路)22(図1A参照)を有している。
また、フロントケース12の上方には、乗員の顔付近に送風を行うベント送風口24と、該ベント送風口24と隣接し車両のフロントウィンドウ付近へ送風を行うデフロスタ送風口26とが開口している。一方、フロントケース12の後方側(矢印B方向)には側面に開口し乗員の足元付近に送風を行うヒート送風口28が形成される。
また、フロントケース12の下方には、エバポレータ16の下端部に臨むように第1挿通口(第1開口部)30が形成され、該第1挿通口30には有底状のドレンパン(蓋部材)32が装着され閉塞されている。このドレンパン32は、第1挿通口30に対して着脱自在に設けられ、その底部から下方に向かって突出したドレンポート34を有している。そして、エバポレータ16に付着した凝縮水がドレンパン32へと落下することでドレンポート34から外部へと排出される。
さらに、フロントケース12の下方には、ヒータコア18の下端部に臨む位置に第2挿通口(第1開口部)36が形成され、該第2挿通口36にカバー部材(蓋部材)38が装着されることで閉塞される。なお、カバー部材38は、第2挿通口36に対して着脱自在に設けられる。
送風機ユニット14は、図1Bに示されるように、フロントケース12に対して車両幅方向(矢印C方向)となる側方に設けられ、ケーシング40と、該ケーシング40の下部に収納される第1送風機42とからなり、前記ケーシング40の上部には外気・内気を導入するための外気導入口(図示せず)及び内気導入口44が開口している。
そして、ケーシング40は、側方に接続された連結ダクト46を介してフロントケース12と接続され、第1送風機42の駆動作用下に外気導入口及び内気導入口44のいずれか一方からケーシング40内へと取り込まれた空気が前記連結ダクト46を通じてフロントケース12へと供給される。
エバポレータ16は、図1Aに示されるように、複数のチューブ(図示せず)に冷媒が循環され、前記チューブの間を通過する空気との間で熱交換がなされることで冷風が前席用通路22において下流側へと供給される。ヒータコア18は、エバポレータ16の下流側に設けられ、図示しない内燃機関からの温水が内部を循環することで、通過する空気との間で熱交換を行い前席用通路22において下流側に温風が供給される。
ダンパ機構20は、エバポレータ16とヒータコア18との間に設けられるエアミックスダンパ48と、ベント送風口24及びデフロスタ送風口26の送風状態を切り替えるベントダンパ50と、前席用通路22からヒート送風口28への送風状態を調整するヒートダンパ52とを有する。
エアミックスダンパ48は、例えば、湾曲したプレート状に形成され、フロントケース12の幅方向に沿って設けられ、その両側部が前記フロントケース12の内壁面に設けられたガイド手段に沿って案内自在に設けられる。そして、エアミックスダンパ48の内壁面に形成されたラックギア54にフロントケース12に軸支されたシャフト56のピニオンギア58が噛合される。そして、エアミックスダンパ48は、図示しないアクチュエータの駆動作用下にシャフト56が回転することでガイド手段に沿ってスライドし、エバポレータ16とヒータコア18との間を通じて前記ヒータコア18側へと流れる空気の送風量を調整する。
ベントダンパ50は、その軸部がベント送風口24とデフロスタ送風口26との間に支持され、該軸部から延在したドア部を有している。そして、ベントダンパ50は、図示しないアクチュエータの駆動作用下に軸部を介して回動することで、ベント送風口24又はデフロスタ送風口26のいずれか一方が閉塞される。
ヒートダンパ52は、例えば、軸部を中心として断面円弧状に形成された遮蔽壁を有し、前記軸部を中心として回動することでフロントケース12のヒート送風口28を開閉する。
次に、車両の前席側と同時に後席側(第2のエリア)への空調を行う際にフロントケース12に対して装着されるリアケース(拡張ケーシング)60について図2A及び図2Bを参照しながら説明する。
このリアケース60は、例えば、フロントケース12と同様に樹脂製材料から形成され、フロントケース12の車両前方側から車両後方側へと下部を回り込むように着脱自在に設けられる。
リアケース60は、例えば、車両前方側(矢印A方向)に形成され第2送風機62の収納されるスクロール部64と、該スクロール部64の下流側に形成された第1通路部66と、該第1通路部66の下流側に形成されエバポレータ16aの一部が収納される収納部68と、前記収納部68の下流側に形成されヒータコア18aの一部が設けられる第2通路部70と、前記第2通路部70の下流側に開口し車室内の後席側へと送風する後席用送風部72とを含む。
なお、スクロール部64の送風通路74、第1及び第2通路部66、70、収納部68及び後席用送風部72が、車室内の後席側へと送風を行う後席用通路73となる。
スクロール部64は、その中央部に第2送風機62が収納され、該第2送風機62は、その軸線が車両の幅方向(矢印C方向)に沿うように設けられると共に、第2送風機62の外周側を取り巻くように螺旋状の送風通路74が形成される。この送風通路74は第2送風機62の下方から時計回りに形成され、通路断面積が徐々に大きくなりながら車両前方側(矢印A方向)に向かって延在している。この送風通路74の下方に開口した端部にはノーズ部76が形成され第1通路部66に対して接続されている。
第1通路部66は、ノーズ部76から下方且つ車両後方(矢印B方向)に向かって斜め方向に延在し、下流側において略水平方向に延在し下方に向かって拡がった収納部68に接続される。
収納部68には、フロントケース12に臨む上部に開口した第3挿通口(第2開口部)78が形成され、該第3挿通口78が前記フロントケース12の第1挿通口30に臨み連通するように配置される。
この第3挿通口78の縁部には、フロントケース12側に向かって突出した第1爪部80が形成され、この第1爪部80が第1挿通口30の外側に係合されることで前記第3挿通口78と第1挿通口30とが互いに連通した状態で固定される。なお、第1挿通口30と第3挿通口78とは略同一面積で開口している。
また、第3挿通口78の縁部には、内側に向かって突出した第1仕切壁82が形成される。
そして、フロントケース12に収納されたエバポレータ16aの下部が、第1挿通口30及び第3挿通口78を介して収納部68の内部へと挿入され、該収納部68の下部に設けられた第1保持部84によって下端部が保持される。このエバポレータ16aは、前席側への空調のみを行うためにフロントケース12内に設けられていたエバポレータ16に対し、前席側及び後席側への空調を同時に行うために容量の大きなものが用いられ、フロントケース12とリアケース60とに跨るように配置される。
換言すれば、エバポレータ16aは、その上部側がフロントケース12内において前席用通路22に臨んで前席側の空調に用いられ、下部側がリアケース60内で後席用通路73に臨んで後席側の空調に用いられる。
また、第3挿通口78に挿通されるエバポレータ16aの側面には第1仕切壁82が近接するように設けられ、前席用通路22と後席用通路73とを仕切っている。
一方、収納部68の底部は、下方に向かって断面矩形状に膨出し、その底部には下方に向かって突出し内部と連通したドレンポート86が形成される。そして、エバポレータ16aに付着した凝縮水が収納部68の底部へと落下し、ドレンポート86を通じて外部へと排出される。
第2通路部70は、エバポレータ16aの下流側に形成され、上方に開口した第4挿通口(第2開口部)88を通じてヒータコア18aの下部が挿通されると共に、前記第4挿通口88に臨むように形成された第2保持部90によって前記ヒータコア18aの下端部が保持される。また、ヒータコア18aは、前席側への空調のみを行うためにフロントケース12内に設けられていたヒータコア18に対し、前席側及び後席側への空調を同時に行うために容量の大きなものが用いられ、フロントケース12とリアケース60とに跨るように配置される。
換言すれば、ヒータコア18aは、その上部側がフロントケース12内において前席用通路22に臨み前席側の空調に用いられ、下部側がリアケース60内で後席用通路73に臨み後席側の空調に用いられる。
この第4挿通口88の縁部には、フロントケース12側に向かって突出した第2爪部92と、内側に向かって突出した第2仕切壁94とを有し、前記第2爪部92が第2挿通口36の外側に係合されることで前記第4挿通口88と第2挿通口36とが互いに連通した状態で固定される。第2仕切壁94は、第4挿通口88に挿通されるヒータコア18aの側面に近接するように設けられ、前席用通路22と後席用通路73とを仕切っている。
また、第2通路部70は、ヒータコア18aの配置される温風通路96と、該ヒータコア18aの下側を迂回するバイパス通路98とを有し、前記温風通路96と前記バイパス通路98との分岐部位には第1切替ダンパ100が設けられる。
そして、図示しないアクチュエータの駆動作用下に第1切替ダンパ100を回動させることで、ヒータコア18aの下流側において温風通路96及びバイパス通路98のいずれか一方が連通状態となるように切り替えられる。
この第2通路部70は、ヒータコア18aの下流側において温風通路96とバイパス通路98とが合流し後席用送風部72と連通している。
後席用送風部72は、車両後方(矢印B方向)に向かって水平方向に開口し、上方に形成され車室内において後席における乗員の顏付近へ送風する後席用ベント送風口102と、該後席用ベント送風口102の下方に形成され後席における乗員の足元付近へ送風する後席用ヒート送風口104とからなり、前記後席用ベント送風口102と前記後席用ヒート送風口104との間には第2切替ダンパ106が設けられる。
そして、図示しないアクチュエータの駆動作用下に第2切替ダンパ106を回動させることで、第2通路部70の下流側において後席用ベント送風口102及び後席用ヒート送風口104のいずれか一方が連通状態となるように切り替えられる。
そして、リアケース60は、図2Aに示されるように、スクロール部64がフロントケース12におけるデフロスタ送風口26の車両前方(矢印A方向)となるように配置され、後席用送風部72がヒータコア18aに対して車両後方(矢印B方向)となるように配置された状態で、リアケース60が図示しない締結ボルトによってフロントケース12に対して固定される。これにより、前席側及び後席側へそれぞれ独立して送風が可能な車両用空調装置108が構成される。
本発明の実施の形態に係る車両用空調装置10、108は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
最初に、図1A及び図1Bに示されるように、フロントケース12に対してリアケース60を装着せず、車両用空調装置10によって車両における前席側の空調のみを行う場合について説明する。
先ず、図示しないコントローラからの制御信号に基づき、送風機ユニット14の第1送風機42が回転駆動することでケーシング40の内部へと空気が吸い込まれ、連結ダクト46を通じてフロントケース12内へと前記空気が導入される。
この空気は前席用通路22に沿って流れエバポレータ16を通過することで冷却された後、例えば、前席における乗員の顏付近へ送風する場合には、エアミックスダンパ48によってヒータコア18側への流通を遮断することで、該ヒータコア18を通過することなく直接ベント送風口24から車室内へと送風される。一方、前席における乗員の足元付近へ送風を行う場合には、エアミックスダンパ48の上方への移動によって冷風をヒータコア18側へと流通させることで、加熱された温風がヒートダンパ52によって開放されたヒート送風口28を通じて車室内へと送風される。
次に、前席側の空調を行うフロントケース12に対し、後席側の空調を行うためにリアケース60を取り付けて前席用及び後席用の車両用空調装置108とする場合について説明する。なお、第2送風機62は予めリアケース60のスクロール部64に取り付けられた状態とする。
先ず、図1Aの前席用の車両用空調装置10のフロントケース12からドレンパン32及びカバー部材38を下方へと取り外すことで第1及び第2挿通口30、36を開放すると共に、エバポレータ16及びヒータコア18を後席側の空調も可能な大型のエバポレータ16a及びヒータコア18aへと交換する。これにより、エバポレータ16a及びヒータコア18aの下部が第1及び第2挿通口30、36を通じてフロントケース12の下方へと突出した状態となる。
次に、スクロール部64が車両前方側(矢印A方向)、後席用送風部72が車両用後方側(矢印B方向)となるようにフロントケース12の下方からリアケース60を接近させ、その第3挿通口78を通じて収納部68内にエバポレータ16aの下部を挿入すると共に、ヒータコア18aの下部を第4挿通口88を通じて第2通路部70の内部へと挿入する。そして、リアケース60における第1及び第2爪部80、92をそれぞれ第1及び第2挿通口30、36へと係合させることで、前記第1挿通口30と第3挿通口78とが連通し、前記第2挿通口36と第4挿通口88とが連通した状態で互いに接続される。
最後に、フロントケース12に対して車両前方側、下方及び車両後方側を取り囲むようにリアケース60が配置された状態で、図2A及び図2Bに示されるように、該リアケース60を前記フロントケース12に対して図示しない複数の締結ボルトによって固定する。なお、後席用送風部72を図示しないダクトと接続されることで車室内の後席側と連通する。これにより、前席側及び後席側の空調が可能な車両用空調装置108が構成される。
次に、このようにフロントケース12にリアケース60が装着された車両用空調装置108によって前席側及び後席側の空調を行う場合について説明する。なお、後席側の空調と同時に行われる前席側の空調については上述した説明と略同様であるため、ここでは後席側の空調についてのみ説明する。
先ず、図示しないコントローラからの制御信号に基づき、第2送風機62が回転駆動することでスクロール部64の内部へと空気が吸い込まれ、該スクロール部64に沿って旋回しながらノーズ部76を通じて第1通路部66へと前記空気が流通される。この空気は、第1通路部66から収納部68内のエバポレータ16aを通過することで冷却された後、第2通路部70へと流れる。
例えば、後席における乗員の顔付近へ送風を行う場合には、第1切替ダンパ100によって開放されたバイパス通路98を通じて後席用ベント送風口102から車室内へと送風される。
一方、後席における乗員の足元付近へ送風を行う場合には、第1切替ダンパ100によって温風通路96を開放することで空気がヒータコア18aを通過して加熱された後、第2切替ダンパ106によって開放された後席用ヒート送風口104を通じて車室内へと送風される。
このような場合、リアケース60における第3及び第4挿通口78、88には、その縁部からエバポレータ16a及びヒータコア18aの側面に向かって第1及び第2仕切壁82、94が突出しているため、前記リアケース60内を流れる空気がフロントケース12側(前席用通路22側)へと流入してしまうことが防止され、反対に、前記フロントケース12内を流れる前席側へと空気が前記リアケース60側(後席用通路73側)へと流入してしまうことが防止される。
以上のように、本実施の形態では、車室内の前席側のみの空調を行う前席用の車両用空調装置10を構成するフロントケース12に対して、後席側への送風を行うリアケース60を装着することで、前記フロントケース12を共用して前席側及び後席側の空調をそれぞれ独立して制御可能な前席用及び後席用の車両用空調装置108を構成することができる。その結果、前席用の車両用空調装置と、前席側及び後席側の空調を同時に行う車両用空調装置とを全く別の構成としてそれぞれ製造する場合と比較し、前記車両用空調装置10、108における製造コストの大幅な低減を図ることが可能となる。
すなわち、同一車種において前席のみの空調を行う廉価グレードと、前席側及び後席側の空調を独立制御する上級グレードとを設定している場合でも、それぞれ別の車両用空調装置を準備する必要がなく、同一のフロントケース12を利用して2種類に車両用空調装置10、108を設定できるためコストダウンを図ることが可能となる。
また、前席側の空調を行うための第1送風機42と、後席側の空調を行うための第2送風機62とを別に設けているため、前記前席側と前記後席側とをそれぞれ独立して空調制御することができる。
さらに、後席側への送風を行う第2送風機62を、後席用通路73が形成されるリアケース60における車両前方側(矢印A方向)に配置することで、車両前方から車両後方側へと空気を円滑に送風することができるため、前記空気の圧力損失を低下させることができると共に、騒音源となる第2送風機62を車両用後方側(矢印B方向)となる車室内の乗員から遠ざけることができるため快適性を損なうことがなく好適である。
なお、本発明に係る車両用空調装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10、108…車両用空調装置 12…フロントケース
14…送風機ユニット 16、16a…エバポレータ
18、18a…ヒータコア 20…ダンパ機構
22…前席用通路 30…第1挿通口
32…ドレンパン 36…第2挿通口
38…カバー部材 42…第1送風機
60…リアケース 62…第2送風機
64…スクロール部 66…第1通路部
68…収納部 70…第2通路部
72…後席用送風部 73…後席用通路
78…第3挿通口 88…第4挿通口
100…第1切替ダンパ 102…後席用ベント送風口
104…後席用ヒート送風口 106…第2切替ダンパ

Claims (1)

  1. 車室内における第1のエリアへ送風を行う空気流路と、冷却器及び加熱器が内部に配置されるコアケーシングと、該コアケーシングに対して車両幅方向に設けられる第1送風機とを有した車両用空調装置において、
    前記コアケーシングには、前記冷却器及び/又は前記加熱器の下方側に開口した第1開口部を有し、
    前記コアケーシングの空気流路とは独立し、前記車室内における第2のエリアへの送風を行う空気流路を有した拡張ケーシングを備え、
    前記拡張ケーシングは、車両前方側に設けられる第2送風機と、
    上方側に開口し前記第1開口部と連結可能な第2開口部と、
    を有し、
    前記第1開口部は、該第1開口部を閉塞する蓋部材と前記拡張ケーシングのいずれか一方が選択的に装着可能に形成され、
    前記コアケーシングに対して前記拡張ケーシングを取り付ける際、前記冷却器及び/又は前記加熱器が、前記第1開口部及び前記第2開口部を通じて前記コアケーシング及び前記拡張ケーシング内の空気流路に配置されることを特徴とする車両用空調装置。
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