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JP2017162739A - 透明面状デバイス及び透明面状デバイスの製造方法 - Google Patents

透明面状デバイス及び透明面状デバイスの製造方法 Download PDF

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JP2017162739A JP2016047625A JP2016047625A JP2017162739A JP 2017162739 A JP2017162739 A JP 2017162739A JP 2016047625 A JP2016047625 A JP 2016047625A JP 2016047625 A JP2016047625 A JP 2016047625A JP 2017162739 A JP2017162739 A JP 2017162739A
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大屋 秀信
Hidenobu Oya
秀信 大屋
圭一郎 鈴木
Keiichiro Suzuki
圭一郎 鈴木
正好 山内
Masayoshi Yamauchi
正好 山内
小俣 猛憲
Takenori Omata
猛憲 小俣
直人 新妻
Naoto NIIZUMA
直人 新妻
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Abstract

【課題】透明基材の両面に透明導電膜を有し、一方の面がセンサー機能を有し他方の面が外部出力機能を有する透明面状デバイスの提供。【解決手段】透明基材1と、第1の導電性パターンを含んで透明基材1の表面に形成され、外部から受ける刺激によりセンサー信号を発生する機能を有する第1の透明導電膜11と、第2の導電性パターンを含んで透明基材1の裏面に形成され、通電信号を供給されて外部に刺激を与える機能を有する第2の透明導電膜12と、第1の透明導電膜11から入力されるセンサー信号を通電信号に変換して第2の透明導電膜12に供給する演算回路を含み、透明基材1上又は透明基材1外に配置された演算部20とを有する透明面状デバイス。【選択図】図1

Description

本発明は、透明面状デバイス及び透明面状デバイスの製造方法に関し、より詳しくは、透明基材の両面に透明導電膜を有し、一方の面がセンサー機能を有し他方の面が外部出力機能を有する透明面状デバイス及び透明面状デバイスの製造方法に関する。
特許文献1には、発熱体とセンサーとを組み合わせた暖房ガラス椅子が開示されている。この暖房ガラス椅子は、導電性を有する発熱ガラス板により腰掛け座部が形成されている。この暖房ガラス椅子では、発熱ガラス板の電極に温度センサー及び/又は人感センサーを接続し、この温度センサー及び/又は人感センサーの検出信号により、発熱ガラス板への通電を制御している。
特許文献2にも、発熱体とセンサーとを組み合わせた装置が開示されている。この装置は、光電センサーにより屋根上の積雪の有無を検出し、積雪が検出されたときには、屋根葺材の下に敷設した発熱体により屋根葺材を加温して融雪するようにした融雪装置である。
特許文献3には、相転移温度以上で透明状態から白濁状態に相転移する調光体を有する調光ガラスと、この調光ガラスの白濁の度合いを検出する白濁センサーと、白濁センサーにより検出される白濁の度合いに基づいて調光体を昇温する発熱体とを有する窓システムが開示されている。
特許第5419849号公報 特開2000−248693号公報 特許第4764967号公報
特許文献1〜3のような従来の技術において、センサーは、発熱体とは別体に配置されている。そのため、装置構成が大型化、複雑化し、小型化された装置内に組み込むような用途では、配置が困難である。
また、従来の技術において、センサーは、発熱体により熱を与えたい箇所全体の温度を直接検出するのではない。そのため、熱を与えたい箇所の温度が正確に検出できず、当該箇所に所望の熱を的確に与えることができない。
そこで本発明の課題は、透明基材の両面に透明導電膜を有し、一方の面がセンサー機能を有し他方の面が外部出力機能を有する透明面状デバイス及び透明面状デバイスの製造方法を提供することにある。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
透明基材と、
第1の導電性パターンを含んで前記透明基材の表面に形成され、外部から受ける刺激によりセンサー信号を発生する機能を有する第1の透明導電膜と、
第2の導電性パターンを含んで前記透明基材の裏面に形成され、通電信号を供給されて外部に刺激を与える機能を有する第2の透明導電膜と、
前記第1の透明導電膜から入力される前記センサー信号を前記通電信号に変換して前記第2の透明導電膜に供給する演算回路を含み、前記透明基材上又は前記透明基材外に配置された演算部と
を有することを特徴とする透明面状デバイス。
2.
前記透明基材の表面及び/又は裏面が複数の領域に分割されており、各領域ごとに独立して、前記第1の透明導電膜から前記演算回路への前記センサー信号の入力、及び/又は、前記演算回路から前記第2の透明導電膜への前記通電信号の供給が行われることを特徴とする前記1記載の透明面状デバイス。
3.
前記演算部は、前記透明導電膜が形成された領域から外れて、前記透明基材上に配置されていることを特徴とする前記1又は2記載の透明面状デバイス。
4.
前記第1の透明導電膜が発生するセンサー信号は、前記第1の導電性パターンの静電容量の変化に応じたものであることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の透明面状デバイス。
5.
前記第1の透明導電膜が発生するセンサー信号は、前記第1の導電性パターンが受ける圧力の変化に応じたものであることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の透明面状デバイス。
6.
前記第1の透明導電膜が発生するセンサー信号は、前記第1の導電性パターンの温度の変化に応じたものであることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の透明面状デバイス。
7.
前記第1の透明導電膜が発生するセンサー信号は、前記第1の導電性パターンが受ける光の変化に応じたものであることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の透明面状デバイス。
8.
前記第2の透明導電膜が外部に与える刺激は、熱であることを特徴とする前記1〜7のいずれかに記載の透明面状デバイス。
9.
前記第2の透明導電膜が外部に与える刺激は、電界であることを特徴とする前記1〜7のいずれかに記載の透明面状デバイス。
10.
前記透明基材上に導電性材料を含むライン状液体を付与し、このライン状液体をコーヒーステイン現象を生起させて乾燥させて細線化したパターンを形成し、このパターンに対して電解メッキを施して前記導電性パターンを形成し、前記1〜9のいずれかに記載の透明面状デバイスを製造することを特徴とする透明面状デバイスの製造方法。
本発明によれば、透明基材の両面に透明導電膜を有し、一方の面がセンサー機能を有し他方の面が外部出力機能を有する透明面状デバイス及び透明面状デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明の透明面状デバイスの第1実施形態を概念的に説明する概略平面図 本発明の透明面状デバイスの第2実施形態を概念的に説明する概略平面図 透明基材の被メッキ面上に形成された導電性パターンの一例を概念的に示す平面図 ライン状液体から平行線パターンが形成される様子を概念的に説明する一部切り欠き斜視図 透明基材上に形成された平行線パターンの一例を示す一部切り欠き斜視図
以下に、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
〔透明面状デバイスの第1実施形態〕
図1は、本発明の透明面状デバイスの第1実施形態を概念的に説明する概略平面図である。
本発明の透明面状デバイスは、図1に示すように、透明基材1の両面に透明導電膜11,12を有し、一方の面(表面)1aがセンサー機能を有し、他方の面(裏面)1bが外部出力機能を有するものである。
透明基材1は、透明な板材として構成されている。透明基材1の厚さ、大きさ(面積)及び形状は特に限定されず、この透明面状デバイスの用途、目的に応じて適宜定められる。透明基材1を構成する材料は、透明な板材として構成できるものであれば特に限定されず、ガラス、合成樹脂材料、その他種々の透明材料を用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、ポリエステル、ポリアミド等により構成される樹脂フィルムなどを好ましく挙げることができる。透明基材1の透明の度合いは特に限定されず、その光透過率が数%〜数十%のいずれでもよく、その分光透過率もどのようなものでもよい。これら光透過率及び分光透過率は、この透明面状デバイスの用途、目的に応じて適宜定められる。
また、透明基材1は、単一材料の単層構造のものでもよいし、単一材料又は複数材料の積層構造のものでもよい。透明基材1を積層構造とする場合には、各層を貼り合わせて構成してもよいし、各層を他の層の上に順次形成してもよい。また、貼り合わせと層形成とを組み合わせてもよい。さらに、透明基材1は、単層構造又は積層構造の膜を折り曲げて重ね合わせ、貼り合わせることによって積層構造としてもよい。
この透明面状デバイスは、いわゆる窓ガラスに貼着して使用することができ、このような、ある空間を他の空間から仕切る仕切板(壁面)の一部としての使用は、この透明面状デバイスの好適な実施形態(使用形態)の一つである。なお、積層構造を有する窓ガラスにおいては、この透明面状デバイスを層間に挟み込んだ状態で一枚の窓ガラスとして構成してもよい。
第1の透明導電膜11及び第2の透明導電膜12は、それぞれ導電性パターンを含んで、透明基材1の表面1a及び透明基材1の裏面1bに形成されている。導電性パターンは、線幅20μm以下の導電性細線パターンから構成されている。導電性細線パターンは、線幅が20μm以下であることにより、肉眼では視認されず、透明基材1の透明度を阻害することがない。導電性細線パターンは、導電性細線を1方向に複数並列したストライプ状や、1方向に複数並列された導電性細線とこれらと異なる方向に複数並列された導電性細線とを交差させたメッシュ状(格子状)とすることが好ましい。このような導電性パターンの製造方法については後述する。
第1の透明導電膜11は、第1の導電性パターンを含んで透明基材1の表面1aに形成されている。第1の導電性パターンにおいては、外部から受ける刺激によりセンサー信号が発生する。外部から受ける刺激としては、種々のものが想定され、例えば、第1の導電性パターンへの人体の接近、接触等による静電容量の変化、圧力、電磁波、光、熱(温度の変化)、湿度の変化、空気中を飛来し又は第1の導電性パターンに接触した化学物質による化学反応(臭気の変化)などが想定される。第1の透明導電膜11は、これら外部から受ける刺激により、その刺激に応じたセンサー信号を発生する。すなわち、第1の透明導電膜11の第1の導電性パターンは、静電容量センサー、感圧センサー、電磁波センサー、光センサー、温度センサー、湿度センサー、臭気センサー、化学物質センサーなどのプローブ(アンテナ)となっている。
第1の導電性パターンは、検出する刺激の種類に応じて、必要な素子や物質、構造を含んで作成されている。
第1の導電性パターンの静電容量の変化を検出したい場合には、例えば、いわゆる自己容量方式を用いることができる。すなわち、第1の導電性パターンに指が触れると第1の導電性パターンの浮遊容量が変化し、入力信号が変化するので、この変化に応じた信号がセンサー信号となる。
第1の導電性パターンが受ける圧力を検出したい場合には、圧力により電気抵抗が変化する感圧素子を第1の透明導電膜11に組み込む。この感圧素子は、指などで押される圧力を電気抵抗の変化に変換するので、この変化に応じた信号がセンサー信号となる。感圧素子としては、圧電素子(ピエゾ素子)、感圧導電性ゴムを用いたもの、静電容量型感圧素子などを用いることができる。
第1の導電性パターンの温度変化を検出したい場合には、感熱素子を第1の透明導電膜11に組み込む。この感熱素子としては、サーミスタ原理を用いたもの、熱膨張型バイメタルを用いたもの、IC温度センサーなどを用いることができる。この感熱素子の出力信号がセンサー信号となる。
第1の導電性パターンに入射する光の変化を検出したい場合には、受光素子を第1の透明導電膜11に組み込む。この受光素子としては、公知の種々のものを用いることができる。この受光素子を用いて、透過型又は拡散反射型の光センサーを構成することができ、この受光素子の出力信号がセンサー信号となる。
第1の透明導電膜11の第1の導電性パターンにおいて発生したセンサー信号は、透明基材1上に形成された透明配線13を経て、演算部20の演算回路に送られる。演算回路は、集積回路として構成されている。この演算回路は、送られたセンサー信号に基づく所定の演算を行い、このセンサー信号を通電信号に変換する。すなわち、第1の透明導電膜11の第1の導電性パターンと、演算部20の演算回路とにより、静電容量センサー、感圧センサー、電磁波センサー(受信機)、光センサー、温度センサー、湿度センサー、臭気センサー、化学物質センサーなど、種々のセンサー装置が構成される。これら第1の導電性パターン及び演算回路が構成するセンサー装置は、透明基材1の表面1aの状態を直接的に検知することができるセンサー装置となっている。
演算部20は、透明基材1上(透明基材1の側面部を含む)又は透明基材1の外に(透明基材1から離間して)配置することができる。演算部20を透明基材1上(表面又は裏面)に配置する場合においては、演算部20は、透明導電膜11,12が形成された領域から外れて配置することが好ましい。
例えば、この透明面状デバイスをいわゆる窓ガラスに貼着して使用した場合においては、第1の導電性パターン及び演算回路が構成する光センサーにより透明基材1の透過率の測定をしたり、あるいは、第1の導電性パターン及び演算回路が構成する温度及び湿度センサーにより環境情報を検出することにより、該窓ガラスの結露(曇り)の有無を検出することができる。同様にして、第1の導電性パターン及び演算回路が構成する臭気センサー又は化学物質センサーにより、該窓ガラスの内方(屋内)又は外方(屋外)の空気の汚染状況を検出することができる。
また、第1の導電性パターン及び演算回路により電磁波センサー(受信機)を構成した場合には、外部から飛来する種々の電磁波の検出のみならず、リモートコントロール信号などの意図的に発信された信号の検出も行うことができる。
なお、演算部20が動作するための電力及び第2の透明導電膜12に供給する電力は、図示しない電源から供給される。この電源は、演算部20内に組み込まれていてもよいし、演算部20とは別体に配置されていてもよい。電源を演算部20とは別体に配置する場合には、この電源は、透明基材1上(透明基材1の側面部を含む)又は透明基材1の外に(透明基材1から離間して)配置することができる。電源を透明基材1上(表面又は裏面)に配置する場合においては、電源は、透明導電膜11,12が形成された領域から外れて配置することが好ましい。
演算部20の演算回路は、第1の導電性パターンから送られたセンサー信号に基づく所定の演算を行い、このセンサー信号を通電信号に変換する。この通電信号は、第1の導電性パターン及び演算回路により構成されるセンサー装置による検出結果に基づくものとなっている。演算部20は、通電信号を第2の透明導電膜12に供給する。この通電信号は、透明基材1上に形成された透明配線14を経て、透明導電膜12に供給される。
第2の透明導電膜12は、第2の導電性パターンを含んで透明基材1の裏面1bに形成されている。第2の透明導電膜12においては、通電信号が第2の導電性パターンに供給される。第2の導電性パターンは、通電信号を供給されて、この通電信号に応じて外部に刺激を与える。外部へ与える刺激としては、種々のものが想定され、例えば、発熱、電界発生、磁界発生、電磁波発生、発光などが想定される。
さらに、一の刺激をトリガーにして、別の刺激を与えることもできる。例えば、発熱により、感温化合物を変化させることや、化合物を気化させること、形状を変化させること、変色させることなどが想定される。また、電界発生により液晶分子配列を変化させること、通電により屈折率を変化させることなども想定される。
第2の導電性パターンは、外部に与える刺激の種類に応じて、必要な素子や物質、構造を含んで作成されている。
第2の導電性パターンが外部に与える刺激を熱としたい場合には、ジュール熱を利用することができる。第2の導電性パターンを、銀、銅、ニッケル、クロム、鉄などの金属、これらの合金、もしくは、これらの積層膜や、導電性カーボンにより形成すれば、通電によりジュール熱を発する。この熱は、防曇、融雪や、暖房、加熱などに利用できる。
なお、第2の導電性パターンが外部に熱を与えるようにした場合には、第1の透明導電膜11に感温機能を持たせれば、環境温度が一定温度以下のときに第2の透明導電膜12により加熱し、環境温度が一定温度以上のときに加熱を停止するという動作が実現でき、好ましい実施形態となる。
第2の導電性パターンが外部に与える刺激を電界とした場合には、この電界により、液晶化合物の分子配向状態を制御し、液晶化合物の屈折率を制御することができる。また、この特性を利用して、光透過率を変えることもできる。
このようにして、この透明面状デバイスにおいては、第1の導電性パターン及び演算回路により構成されるセンサー装置により検出した結果に基づいて、その検出がなされた箇所に対応する箇所の第2の導電性パターンに通電信号を供給する。ここで対応する箇所とは、典型的には透明基材1の表裏において透明基材1を挟んで対向する箇所であるが、必要に応じて対向しない箇所としてもよい。
例えば、この透明面状デバイスをいわゆる窓ガラスに貼着して使用した場合においては、第1の導電性パターン及び演算回路により構成されるセンサー装置により結露(曇り)が検出されたときに、第2の導電性パターンに通電信号を供給して発熱させ、結露(曇り)を除くことができる。
また、この透明面状デバイスをいわゆる窓ガラスに貼着して使用した場合において、第1の導電性パターン及び演算回路により構成されるセンサー装置によりリモートコントロール信号が検出(受信)されたときに、検出(受信)されたリモートコントロール信号に応じた通電信号を第2の導電性パターンに供給し、変色や透過率の変化を生じさせることができる。
〔透明面状デバイスの第2実施形態〕
図2は、本発明の透明面状デバイスの第2実施形態を概念的に説明する概略平面図であり、図1と同一符号の部位は同一構成の部位であるため、これらの説明は上記説明を援用し、ここでは省略する。
この透明面状デバイスは、図2に示すように、透明基材1の表面1a及び裏面1bを複数の領域15a,15b,15c,15dに分割し、各領域15a,15b,15c,15dごとに独立して、第1の透明導電膜11から演算回路へのセンサー信号の入力、及び、演算回路から第2の透明導電膜12への通電信号の供給を行うように構成することができる。透明基材1の表面1a及び裏面1bのいずれか一方のみを複数の領域15a,15b,15c,15dに分割してもよい。図2では領域の数を4としているが、領域の数は4に限定されず、いくつであってもよい。
表面1aの各領域15a,15b,15c,15dは、各領域15a,15b,15c,15dと表裏の位置関係にある裏面1bの領域に対応している。ただし、相対応されている領域は、表裏の位置関係にある領域同士に限定されず、目的や用途に応じて任意の対応付けを行うことができる。
この実施形態においては、外部から刺激を受けた領域の第1の透明導電膜11のみがセンサー信号を発生し、また、第1の透明導電膜11がセンサー信号を発生した領域に対応する領域の第2の透明導電膜12のみが通電信号を供給されて外部に刺激を与える。例えば、指が触れた領域の第1の透明導電膜11のみにおいて浮遊容量が変化してセンサー信号が発生し、この領域に対応する領域の第2の透明導電膜12のみが発熱する。
この透明面状デバイスにおいては、透明基材1の表面1a上において、領域ごとに種々の検出(静電容量、電磁波、光、温度等の検出)を行うことによる状態の把握をすることができる。また、この透明面状デバイスにおいては、透明基材1の裏面1b上において、領域ごとに種々の刺激を与えること(電磁波発生、発光、発熱、変色等)ができる。
なお、図2では各領域15a,15b,15c,15dを短冊状の並列された領域としているが、各領域は、それぞれを矩形状や円形として縦横に配列してもよい。特に位置精度を要する場合や、大面積の透明基材1での領域ごとに状態を把握し、領域ごとに刺激を与えるには、各領域は、縦横に配列することが好ましい。この場合には、各透明導電膜11,12の導電性パターンは、2方向の導電性細線群が互いに絶縁されて重ねて形成されたものとすれば、透明基材1上にXY座標を構成することができ、このXY座標における正確な位置の検出及び出力を行うことができる。
〔導電性パターンの作成方法〕
透明基材1上における第1及び第2の透明導電膜11,12の形成は、透明基材1上に導電性材料を含むライン状液体を付与し、このライン状液体をコーヒーステイン現象を生起させて乾燥させて細線化した細線パターンを形成し、この細線パターンに対して電解メッキを施して導電性パターンを形成することによって行うことができる。
図3は、透明基材の被メッキ面上に形成された導電性パターンの一例を概念的に示す平面図である。
図3において、1は絶縁性の透明基材であり、22は透明基材1上に部分的に設けられた導電部であり、71は被メッキ面である。
ここで、導電部22は、複数の導電性細線23の集合体からなる導電性パターンを構成している。この導電性パターンは、例えば、図3(a)に示すように、導電性細線23を1方向に複数並列したストライプ状や、図3(b)及び(c)に示すように、1方向に複数並列された導電性細線23と、これと交差する方向に複数並列された導電性細線23とを交差させたメッシュ状(格子状ともいう)の形態であることが好ましい。ここで、図3(a)及び(b)の例は、導電性細線23を透明基板1の長手方向に対して平行又は直交する方向に形成した場合を示しており、図3(c)の例は、導電性細線23を透明基板1の長手方向に対して傾斜する方向に形成した場合を示している。
導電性パターンを導電性細線23により構成するには、導電性材料からなる線幅20μm以下の細線に電解メッキを施すことが好ましい。
透明基板1上に、電解メッキの被メッキ部となる線幅20μm以下の細線パターンを導電性材料から形成する方法は、格別限定されないが、例えば、透明基板1上に付与された導電性材料を含むライン状液体を乾燥させる際に、コーヒーステイン現象を生起させて細線化する方法を好ましく挙げることができる。
図4は、ライン状液体から平行線パターンが形成される様子を概念的に説明する一部切り欠き斜視図である。
図4(a)に示すように、透明基板1上に、導電性材料を含むライン状液体24を付与する。透明基板1上へのライン状液体24の付与は、液滴吐出装置(不図示)を用いて行うことができる。具体的には、液滴吐出装置を透明基板1に対して相対移動させながら、液滴吐出装置から導電性材料を含む液滴を複数吐出し、吐出された液滴が基材上で合一させることで、導電性材料を含むライン状液体24を形成することができる。ライン状液体24は、長さ方向に複数の液滴を合一させたものということができる。液滴吐出装置は、例えば、インクジェット記録装置が備えるインクジェットヘッドにより構成することができる。また、ライン状液体24は、長さ方向に複数の液滴を合一させるとともに、幅方向にも複数の液滴を合一させて、その形成幅を大としたものであってもよい。
図4(b)に示すように、導電性材料を含むライン状液体24を蒸発させ、乾燥させる際に、コーヒーステイン現象を利用して、ライン状液体24の長さ方向に沿う両方の縁25a、25bに導電性材料を選択的に堆積させる。
コーヒーステイン現象を促進させるように、ライン状液体24を乾燥させる際の条件設定を行うことは好ましいことである。すなわち、透明基板1上に配置されたライン状液体24の乾燥は中央部と比べ縁25a、25bにおいて速く、ライン状液体24の縁25a、25bに導電性材料の局所的な堆積が起こる。このように堆積した導電性材料により、ライン状液体24の縁25a、25bが固定化された状態となり、それ以降の乾燥に伴うライン状液体24の幅方向の収縮が抑制される。
ライン状液体24の液体は、縁25a、25bでの蒸発により失った分の液体を補うように中央部から縁に向かう流動を形成する。この流動によって、更なる導電性材料が縁25a、25bに運ばれて堆積する。この流動は、乾燥に伴うライン状液体24の接触線の固定化と、ライン状液体24の中央部と縁25a、25bとの蒸発量の差に起因する。そのため、この流動を促進させるように、導電性材料の濃度、ライン状液体24と透明基板1との接触角、ライン状液体24の液量、透明基板1の加熱温度、ライン状液体24の配置密度、又は温度、湿度、気圧の環境因子等の条件を設定することが好ましい。
その結果、図4(c)に示すように、透明基板1上に、導電性材料を含む細線23a、23bが形成される。これら細線23a、23bは、ライン状液体24の両方の縁25a、25bに対応する位置に形成される。すなわち、1本のライン状液体24から、互いに平行な1組2本の細線23a、23bが形成される。以下の説明では、1組2本の細線23a、23bを、平行線パターン27という場合がある。
以上のようにして形成された細線23a、23bには、電解メッキを施す前に、焼成処理を施すことも好ましいことである。
例えば図3(b)及び(c)に示したように、被メッキ面71の導電部22を、互いに交差する導電性細線により形成する場合は、まず、第1の方向に沿って第1のライン状液体を形成し、これを乾燥させて第1の方向に沿う第1の平行線パターン27を形成し、次いで、第1の平行線パターン27を跨ぐように、第1の方向に対して交差する第2の方向に沿って第2のライン状液体を形成し、これを乾燥させて第2の方向に沿う第2の平行線パターン27を形成する方法を好ましく用いることができる。
平行線パターン27が形成される透明基板1は、格別限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、ポリエステル、ポリアミド等により構成される樹脂フィルムなどを好ましく挙げることができる。
ライン状液体24の形成のために液滴吐出装置から基材に吐出される液体には、導電性材料または導電性材料前駆体を含有させることができる。導電性材料前駆体は、適宜処理を施すことによって導電性材料に変化させることができるものを指す。
導電性材料としては、例えば、導電性微粒子、導電性ポリマー等を好ましく例示できる。
導電性微粒子としては、格別限定されないが、Au、Pt、Ag、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Mo、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Ga、In等の微粒子を好ましく例示でき、中でも、Au、Ag、Cuのような金属微粒子を用いると、電気抵抗が小さく、かつ腐食に強い回路パターンを形成することができるので、より好ましい。コスト及び安定性の観点から、Agを含む金属微粒子が最も好ましい。これらの金属微粒子の平均粒子径は、好ましくは1〜100nmの範囲、より好ましくは3〜50nmの範囲とされる。
また、導電性微粒子として、カーボン微粒子を用いることも好ましい。カーボン微粒子としては、グラファイト微粒子、カーボンナノチューブ、フラーレン等を好ましく例示できる。
導電性ポリマーとしては、格別限定されないが、π共役系導電性高分子を好ましく挙げることができる。
π共役系導電性高分子としては、特に限定されず、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリアズレン類、ポリイソチアナフテン類、ポリチアジル類等の鎖状導電性ポリマーを利用することができる。中でも、高い導電性が得られる点で、ポリチオフェン類やポリアニリン類が好ましい。
導電性ポリマーは、より好ましくは、上述したπ共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んでいるものである。こうした導電性ポリマーは、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と、ポリアニオンの存在下で化学酸化重合することによって容易に製造できる。
ポリアニオンは、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体であって、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるものである。
このポリアニオンは、π共役系導電性高分子を溶媒に可溶化させる可溶化高分子である。また、ポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性と耐熱性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよいが、中でも、製造の容易さ及び安定性の観点からは、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシル基、スルホン基等が好ましい。さらに、官能基のπ共役系導電性高分子へのドープ効果の観点より、スルホン基、一置換硫酸エステル基、カルボキシル基がより好ましい。
ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
また、化合物内にF(フッ素原子)を有するポリアニオンであってもよい。具体的には、パーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Dupont社製)、カルボン酸基を含有するパーフルオロ型ビニルエーテルからなるフレミオン(旭硝子社製)等を挙げることができる。
これらのうち、スルホン酸を有する化合物であると、インクジェット印刷方式を用いた際にインク射出安定性が特に良好であり、かつ高い導電性が得られることから、より好ましい。
さらに、これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリアニオンは、導電性に優れるという効果を奏する。
ポリアニオンの重合度は、モノマー単位が10〜100000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10000個の範囲がより好ましい。
導電性ポリマーは市販の材料も好ましく利用できる。例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる導電性ポリマー(PEDOT/PSSと略す)が、H.C.Starck社からCLEVIOSシリーズとして、Aldrich社からPEDOT−PSS483095、560598として、Nagase Chemtex社からDenatronシリーズとして市販されている。また、ポリアニリンが、日産化学社からORMECONシリーズとして市販されている。
ライン状液体を形成する際に用いる、導電性材料を含有させる液体としては、水や、有機溶剤等の1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機溶剤は、格別限定されないが、例えば、1,2−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコールなどのアルコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類等を例示できる。
また、導電性材料を含有させる液体には、界面活性剤など種々の添加剤を含有させてもよい。
界面活性剤を用いることで、例えば、インクジェット法などの液滴吐出法を用いてライン状液体を形成するような場合などに、表面張力等を調整して吐出の安定化を図ること等が可能になる。界面活性剤としては、格別限定されないが、シリコン系界面活性剤等を用いることができる。シリコン系界面活性剤とはジメチルポリシロキサンの側鎖または末端をポリエーテル変性したものであり、例えば、信越化学工業製のKF−351A、KF−642やビッグケミー製のBYK347、BYK348などが市販されている。界面活性剤の添加量は、ライン状液体2を形成する液体の全量に対して、1重量%以下であることが好ましい。
液滴吐出装置から基材に吐出される液体における導電性材料の濃度範囲は、例えば、0.01〔wt%〕以上1.0〔wt%〕以下の範囲に調整されることが好ましい。これにより、細線の形成を安定化できる。
図5は、透明基材上に形成された平行線パターンの一例を示す一部切り欠き斜視図であり、断面は、平行線パターンの形成方向に対して直交する方向で切断した縦断面に対応する。
1本のライン状液体から生成される平行線パターン27の1組2本の細線23a、23bは、必ずしも互いに完全に独立した島状である必要はない。図示したように、2本の細線23a、23bは、該細線23a、23b間に亘って、該細線23a、23bの高さよりも低い高さで形成された薄膜部28によって接続された連続体として形成されることも好ましいことである。
平行線パターン27の細線23a、23bの線幅W1、W2は、各々10μm以下であることが好ましい。10μm以下であれば、通常視認できないレベルとなるので、透明性を向上する観点からより好ましい。各細線23a、23bの安定性も考慮すると、各細線23a、23bの線幅W1、W2は、各々2μm以上10μm以下の範囲であることが好ましい。
なお、細線23a、23bの幅W1、W2とは、該細線23a、23b間において導電性材料の厚みが最薄となる最薄部分の高さをZとし、さらに該Zからの細線23a、23bの突出高さをY1、Y2としたときに、Y1、Y2の半分の高さにおける細線23a、23bの幅として定義される。例えば、平行線パターン27が上述した薄膜部28を有する場合は、該薄膜部28における最薄部分の高さをZとすることができる。なお、各細線23a、23b間における導電性材料の最薄部分の高さが0であるときは、細線23a、23bの線幅W1、W2は、透明基板1表面からの細線23a、23bの高さH1、H2の半分の高さにおける細線23a、23bの幅とすることができる。
平行線パターン27を構成する細線23a、23bの線幅W1、W2は、上述した通り極めて細いものであるため、断面積を確保して低抵抗化を図る観点で、透明基板1の表面からの細線23a、23bの高さH1、H2は高い方が望ましい。具体的には、細線23a、23bの高さH1、H2は、50nm以上5μm以下の範囲であることが好ましい。
さらに、平行線パターン27の安定性を向上する観点から、H1/W1比、H2/W2比は、各々0.01以上1以下の範囲であることが好ましい。
また、平行線パターン27の細線化をさらに向上する観点から、細線23a、23b間において導電性材料の厚みが最薄となる最薄部分の高さZ、具体的には薄膜部28の最薄部分の高さZが10nm以下の範囲であることが好ましい。最も好ましいのは、透明性と安定性のバランスの両立を図るために、0<Z≦10nmの範囲で、薄膜部28を備えることである。
さらに、平行線パターン27のさらなる細線化向上のために、H1/Z比、H2/Z比は、各々5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、20以上であることが特に好ましい。
細線23a、23bの配置間隔Iの範囲は、格別限定されず、ライン状液体24の形成幅の設定により適宜設定することができる。例えば、配置間隔Iを、例えば、50μm以上、100μm以上、200μm以上、300μm以上、400μm以上、さらには500μm以上という大きい値に設定することも好ましい。透明導電膜等を形成する場合などにおいては、配置間隔Iは、例えば、100μm以上〜1000μm以下の範囲とすることが好ましく、100μm以上〜500μm以下の範囲とすることがさらに好ましい。
なお、細線23a、23bの配置間隔Iとは、細線23a、23bの各最大突出部間の距離とする。
さらにまた、細線23aと細線23bとに同様の形状(同程度の断面積)を付与することが好ましく、具体的には、細線23aと細線23bの高さH1とH2とを実質的に等しい値とすることが好ましい。これと同様に、細線23aと細線23bの線幅W1とW2とについても実質的に等しい値とすることが好ましい。
細線23a、23bは、必ずしも平行である必要性はなく、少なくとも細線方向のある長さJに亘って、細線23a、23bが結合していなければ良い。好ましくは、少なくとも細線方向のある長さJに亘って、細線23a、23bが実質的に平行であることである。
細線23a、23bの細線方向の長さJは、細線23a、23bの配置間隔Iの5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがより好ましい。長さJ及び配置間隔Iは、ライン状液体24の形成長さ及び形成幅に対応して設定することができる。
ライン状液体24の形成始点と終点(細線方向のある長さJに亘った始点と終点)では、細線23a、23bが接続し、連続体として形成されてもよい。
また、細線23a、23bは、その線幅W1、W2がほぼ等しく、且つ、線幅W1、W2が2本線間距離(配置間隔I)に比して、十分に細いものであることが好ましい。
さらに、1本のライン状液体24から生成される平行線パターン27を構成する細線23aと細線23bとは、同時に形成されたものであることが好ましい。
平行線パターン27は、各細線23a、23bが、下記(ア)〜(ウ)の条件を全て満たすことが特に好ましい。これにより、パターンが視認されにくくなり、透明性を向上できると共に、細線が安定化され、パターンの抵抗値を低下できる効果に優れる。
(ア)各細線23a、23bの高さをH1、H2とし、該各細線間における最薄部分の高さをZとしたときに、5≦H1/Z、且つ5≦H2/Zであること。
(イ)各細線23a、23bの幅をW1、W2としたときに、W1≦10μm、且つW2≦10μmであること。
(ウ)各細線23a、23bの高さをH1、H2としたときに、50nm<H1<5μm、且つ50nm<H2<5μmであること。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
〔実施例1〕
本発明の透明面状デバイスを以下のように作成した。図1に示すように、第1の透明導電膜11の導電性パターンとして、金属細線からなる矩形パターン(チャネル)を平行に複数配したものを作成し、自己容量型静電容量センサーを構成した。矩形パターンは、線幅7μmの金属細線が線間200μmで配置された格子形状とした。
IC(演算部20)により第1の透明導電膜11の各矩形パターン(各チャネル)の浮遊容量を随時計測させておき、矩形パターンに指が触れることによる静電容量の変化をセンサー信号として認識させる。
第2の透明導電膜12の導電性パターンも、金属細線からなる矩形パターン(チャネル)を平行に複数配したものとした。この矩形パターンも、線幅7μmの金属細線が線間200μmで配置された格子形状とした。各チャネルの端子間抵抗値は15Ωであった。
この透明面状デバイスにおいては、第1の透明導電膜11が構成する自己容量型静電容量センサーが、ある矩形パターン(チャネル)において指の接触による静電容量の変化を検出したときに、IC(演算部20)が第2の透明導電膜12への通電信号の供給を行い、第2の透明導電膜12の対応する矩形パターン(チャネル)からジュール熱が発生した。
〔実施例2〕
本発明の透明面状デバイスを以下のように作成した。図2に示すように、第1の透明導電膜11の導電性パターンの一部によりIC温度センサーを構成した。このIC温度センサーは、一定の温度(例えば10°C)を下回ると、センサー信号を発するようになっている。
IC(演算部20)により、第1の透明導電膜11のIC温度センサーからのセンサー信号の発信を随時監視させておく。
この透明面状デバイスにおいては、第1の透明導電膜11のIC温度センサーがセンサー信号を発すると、IC(演算部20)が第2の透明導電膜12への通電信号の供給を行い、第2の透明導電膜12の導電性パターンからジュール熱が発生した。このジュール熱により、透明基材1の加温、結露の除去が実行された。
また、第1の透明導電膜11のIC温度センサーは、一定の温度(例えば30°C)を上回ると、センサー信号を停止(又は停止信号を発信)するようになっている。第1の透明導電膜11のIC温度センサーがセンサー信号を停止(又は停止信号を発信)すると、IC(演算部20)が第2の透明導電膜12への通電信号の供給を停止し、第2の透明導電膜12の導電性パターンからのジュール熱の発生が停止した。
1:透明基材
1a:表面
1b:裏面
11:第1の透明導電膜
12:第2の透明導電膜
20:演算部

Claims (10)

  1. 透明基材と、
    第1の導電性パターンを含んで前記透明基材の表面に形成され、外部から受ける刺激によりセンサー信号を発生する機能を有する第1の透明導電膜と、
    第2の導電性パターンを含んで前記透明基材の裏面に形成され、通電信号を供給されて外部に刺激を与える機能を有する第2の透明導電膜と、
    前記第1の透明導電膜から入力される前記センサー信号を前記通電信号に変換して前記第2の透明導電膜に供給する演算回路を含み、前記透明基材上又は前記透明基材外に配置された演算部と
    を有することを特徴とする透明面状デバイス。
  2. 前記透明基材の表面及び/又は裏面が複数の領域に分割されており、各領域ごとに独立して、前記第1の透明導電膜から前記演算回路への前記センサー信号の入力、及び/又は、前記演算回路から前記第2の透明導電膜への前記通電信号の供給が行われることを特徴とする請求項1記載の透明面状デバイス。
  3. 前記演算部は、前記透明導電膜が形成された領域から外れて、前記透明基材上に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の透明面状デバイス。
  4. 前記第1の透明導電膜が発生するセンサー信号は、前記第1の導電性パターンの静電容量の変化に応じたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明面状デバイス。
  5. 前記第1の透明導電膜が発生するセンサー信号は、前記第1の導電性パターンが受ける圧力の変化に応じたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明面状デバイス。
  6. 前記第1の透明導電膜が発生するセンサー信号は、前記第1の導電性パターンの温度の変化に応じたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明面状デバイス。
  7. 前記第1の透明導電膜が発生するセンサー信号は、前記第1の導電性パターンが受ける光の変化に応じたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明面状デバイス。
  8. 前記第2の透明導電膜が外部に与える刺激は、熱であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の透明面状デバイス。
  9. 前記第2の透明導電膜が外部に与える刺激は、電界であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の透明面状デバイス。
  10. 前記透明基材上に導電性材料を含むライン状液体を付与し、このライン状液体をコーヒーステイン現象を生起させて乾燥させて細線化した細線パターンを形成し、この細線パターンに対して電解メッキを施して前記導電性パターンを形成し、請求項1〜9のいずれかに記載の透明面状デバイスを製造することを特徴とする透明面状デバイスの製造方法。
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