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JP2017151174A - 画像形成装置およびカラーセンサ - Google Patents

画像形成装置およびカラーセンサ Download PDF

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JP2017151174A JP2016031457A JP2016031457A JP2017151174A JP 2017151174 A JP2017151174 A JP 2017151174A JP 2016031457 A JP2016031457 A JP 2016031457A JP 2016031457 A JP2016031457 A JP 2016031457A JP 2017151174 A JP2017151174 A JP 2017151174A
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Abstract

【課題】記録媒体に形成された測定用画像を高精度に測定すること。
【解決手段】画像形成装置100は記録媒体110の種類を示す情報を取得し、取得された種類を示す情報に応じてカラーセンサ170の蓄積時間を決定する。画像形成装置100が複数の色剤を用いて測定用画像を記録媒体110に形成すると、カラーセンサ170は決定された蓄積時間にわたって測定用画像からの反射光を蓄積することで測定用画像の分光反射率を測定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は画像形成装置およびカラーセンサに関する。
市場には様々な画像形成方式を採用した画像形成装置が普及しているが、画像形成方式が異なっても形成される画像の色は一致すること(カラーマッチング)が求められている。このようなカラーマッチングを実現するために、ICC(International Color Consortium)プロファイルと呼ばれる多次元LUT(ルックアップテーブル)が提案されている。ICCプロファイルにはイメージスキャナ等の入力機器用の入力ICCプロファイルとプリンタやディスプレイ等の出力機器用の出力ICCプロファイルがある。入力機器で取得された画像データは、一旦、入力ICCプロファイルにより機種に依存しない色空間(CIE L*a*b*色空間)のデータに変換される。CIEは国際照明委員の略称である。そのデータが出力機器に固有の出力ICCプロファイルで変換されて画像として出力される。したがって、ICCプロファイルを精度よく生成すれば、精度のよいカラーマッチングが実現される。
ICCプロファイルなどの変換テーブルを生成するためには、記録媒体上に形成された測定用画像をカラーセンサで読み取る必要がある(特許文献1)。測定用画像の画像濃度に応じてカラーセンサで必要となる蓄積時間(カメラの露光時間のようなもの)が異なるため、測定用画像の画像濃度に応じて蓄積時間を調整することが提案されている(特許文献2)。
特開2004−86013号公報 特開2007−121510号公報
特許文献2によれば、測定用画像の画像濃度に応じてカラーセンサの蓄積時間を調整することで、測定結果の飽和を抑制することが可能となる。しかし、発明者の研究によれば、このような測定結果の飽和は記録媒体の種類に依存して発生することがわかってきた。つまり、光沢紙など、表面の反射率の大きな記録媒体と反射率の小さな記録媒体とにそれぞれ同一の画像濃度の測定用画像を形成すると、表面の反射率の大きな記録媒体上の測定用画像の測定結果が飽和しやすい。そこで、本願発明は、記録媒体に形成された測定用画像を高精度に測定することを目的とする。
本発明によれば、たとえば、
記録媒体上に画像を形成する画像形成手段と、
前記記録媒体上に形成された測定用画像を測定する測定手段と、
前記画像形成手段に、前記記録媒体上に前記測定用画像を形成させ、前記測定手段に、前記記録媒体上の前記測定用画像を蓄積時間に基づいて測定させる制御手段と、
前記測定用画像が形成される前記記録媒体の種類を示す情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記情報に基づいて前記蓄積時間を決定する決定手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、記録媒体の種類に応じて蓄積時間を設定するので、記録媒体に形成された測定用画像を高精度に測定できる。
画像形成装置を示す概略断面図 カラーセンサの構成を示す図 カラーセンサの制御系を示すブロック図 画像処理に関する機能を示す図 分光反射率の測定法を示すフローチャート 蓄積パターンと測定回数を決定するためのテーブルを示す図 複数のパッチ画像が形成されたシートを示す図 パッチ画像と記録媒体からの反射光を説明する図 蓄積パターンと分光反射率との関係を示す図 パッチ画像の測定タイミングを示すタイミングチャート
以下に本発明にかかる実施例の一つが示される。本実施例は記録媒体(シート)の種類に応じてパッチ画像を測定する測定手段の蓄積時間を調整することを可能とする。その結果、高精度にパッチ画像の画像濃度を測定することも可能となる。さらに、このような測定結果を用いてICCプロファイル等の変換テーブルを作成すれば、カラーマッチングの精度も向上する。
<画像形成装置>
図1に示された画像形成装置100は電子写真方式のレーザビームプリンタである。しかし、画像形成方式は電子写真方式に限定されず、インクジェット方式、昇華方式、熱転写方式などであってもよい。なぜなら、本発明の特徴は蓄積時間を記録媒体の種類に応じて可変設定可能することにあるからである。画像形成装置100の筐体101には画像形成エンジンを構成するための各種の機械的な機構と電気的な機構とが含まれている。
感光ドラム105は、静電潜像やトナー画像を担持する像担持体である。一次帯電器111は感光ドラム105の表面を一様に帯電させる。レーザスキャナ107は露光手段の一例であり、画像データに応じてレーザビームを出力する光源108と、レーザビームを感光ドラム105に導く反射ミラー109を有している。レーザスキャナ107にはレーザビームを主走査方向に走査するための回転多面鏡や共振ミラーなどの走査手段も設けられている。レーザビームによって感光ドラム105には静電潜像が形成される。現像器112はトナーなどの現像剤を用いて静電潜像を現像し、トナー画像を形成する。そして、感光ドラム105上のトナー画像は一次転写ローラ115によって中間転写体106上に転写される。多色画像が形成されるときには、Y(イエロー)ステーション120、M(マゼンタ)ステーション121、C(シアン)ステーション122、K(ブラック)ステーション123からそれぞれの色のトナー画像が中間転写体106上に順次転写される。各ステーションの構成は色剤(トナー色)を除いて基本的に共通であってもよい。これらのステーションは複数の色剤を用いてパッチ画像を記録媒体に形成する画像形成手段の一例である。二次転写ローラ114は、記録媒体の収納庫113から給紙されて搬送路を搬送されてきた記録媒体110に対して中間転写体106上のトナー画像を転写する。
定着機構は、記録媒体110に転写されたトナー画像を熱と圧力を加えて定着させる第一定着器150および第二定着器160を有している。第一定着器150は、記録媒体110に熱を加える定着ローラ151と、記録媒体110を定着ローラ151に圧接させる加圧ベルト152を有している。定着ローラ151と加圧ベルト152は回転することで記録媒体110を搬送しながら、トナー画像を記録媒体110に定着させる。第二定着器160は、第一定着器150よりも記録媒体110の搬送路の下流側に配置されている。第二定着器160は、第一定着器150により記録媒体110上に定着したトナー画像に対してグロスを付加したり、定着性を確保したりする観点から配置されている。第二定着器160も、第一定着器150と同様に定着ローラ161および加圧ローラ162を有している。記録媒体110の種類(表面性や厚み、坪量など)によっては第二定着器160を通す必要が無いものが存在する。搬送路130は、エネルギー消費量を低減する観点から第二定着器160を迂回して記録媒体110を搬送する搬送路である。搬送路を切り替えるためのフラッパ131によって記録媒体110は搬送路130へと誘導される。
両面画像形成が指示されているときや、パッチ画像をカラーセンサ170で測定することが指示されているときには、フラッパ132が記録媒体110を搬送路135へ誘導する。これらが指示されていないときは、フラッパ132が記録媒体110を排出搬送路139へ誘導する。シートセンサ137が記録媒体110の先端または後端を測定してから所定時間後に反転部136で記録媒体110がスイッチバックする。つまり、記録媒体110搬送方向が反転し、先端と後端とが入れ替わる。
パッチ画像を測定するカラーセンサ170は搬送路135に設けられている。カラーセンサ170は決定された蓄積時間にわたってパッチ画像からの反射光を蓄積することでパッチ画像の分光反射率を測定する測定手段として機能する。カラーセンサ170は記録媒体110の搬送方向において第二定着器160よりも下流側の搬送路に設けられれば十分である。そのため、カラーセンサ170は両面画像形成のために記録媒体110を再びステーションに搬送するための搬送路138に搬送されてもよい。このようにパッチ画像を形成された記録媒体110を搬送可能な搬送路であれば、カラーセンサ170はどの搬送路に設けられてもよい。カラーセンサ170は、記録媒体110が反転部136に向かうときにパッチ画像を読み取ってもよいし、記録媒体110が反転部136から戻ってきたときにパッチ画像を読み取ってもよい。反転部136から戻ってきた記録媒体110は、フラッパ133によって搬送路135に誘導されたり、搬送路138に誘導されたりする。また、反転部136から戻ってきた記録媒体110はさらにフラッパ134によって搬送路135から排出搬送路139へ誘導される。カラーセンサ170が定着機構から離れた位置に配置されている理由はサーモクロミズムの影響を低減するためである。つまり、記録媒体110の温度が十分に低下するのを待つために、カラーセンサ170と定着機構との間には所定の搬送距離が確保されている。なお、各搬送路には記録媒体110を搬送するための搬送ローラが設けられている。搬送ローラはモータなどにより駆動されて回転する。
操作パネル180は操作者により入力され指示などを受け付ける入力部と、ユーザに情報を表示する表示部とを有している。出力ICCプロファイルを作成するためのパッチ画像の測定指示も操作パネル180から入力される。また、操作パネル180は操作者によって入力される種類情報(収納庫113に収納されている記録媒体110の種類を示す情報)を受け付けてもよい。記録媒体110の種類としては、例えば、普通紙、光沢紙など、パッチ画像の分光反射率の測定結果に影響を及ぼす物理パラメータ(表面の反射率など)の違いに関連した種類である。記録媒体110の銘柄(製品名)なども表面の反射率を特定するのに役立つ情報であるため、記録媒体110の種類を示す種類情報として操作パネル180から入力されてもよい。なお、記録媒体110の反射率を測定する反射率測定部171が搬送路や収納庫113などに設けられる場合、操作パネル180を通じた種類情報の入力は省略されてもよい。反射率測定部171は、一般に、記録媒体110の表面に光を照射する発光素子と、表面からの反射光を受光する受光素子とを有している。
<カラーセンサ>
図2に示したカラーセンサ170は記録媒体110上に形成されたパッチ画像209を測定(測色)するセンサである。白色LED201は、記録媒体110上のパッチ画像209に光を照射する光源である。LEDは発光ダイオードの略称である。レンズ206はパッチ画像で反射した光を回折格子202に集光する光学部品である。回折格子202は、波長依存性を有し、トナー画像から反射した光を波長ごとに分光する光学部品である。ラインセンサ203はn個のCMOSセンサを有し、回折格子202により波長ごとに分解された光を、あらかじめ設定された蓄積時間だけ蓄積する。CMOSは相補型の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタの略称である。各CMOSセンサは画素と呼ばれてもよい。各画素は受光した光の強度値に相当する信号を演算部204に出力する。演算部204は、各画素の光強度値から分光演算を実行し、分光反射率R(λ)を決定する。たとえば、波長λは400nmから700nmまでの範囲の値をとる。後述するように、本実施例では蓄積時間が記録媒体の種類に応じて可変である。そのため、演算部204は、測定に使用された蓄積時間と基準となる蓄積時間との比でもって測定値を除算することで、測定値を正規化してもよい。たとえば、使用された蓄積時間が基準値の2倍であれば、測定値は2で除算される。使用された蓄積時間が基準値の4倍であれば、測定値は4で除算される。メモリ205は分光演算に必要となるデータなどを記憶する記憶装置である。記録媒体110は矢印Fが示す搬送方向に搬送される。
図3に示した制御回路はパッチ画像の測定に関与するユニットを有している。CPU301はROM等の記憶装置に記憶された制御プログラムを実行することでカラーセンサ170を制御する。このようなCPU301の機能の一部またはすべてはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)やASIC(特定用途集積回路)によって実装されてもよい。たとえば、CPU301は、白色LED201の光量を設定したり、ラインセンサ203の蓄積時間を決定したり、ラインセンサ203におけるパッチ画像の測定回数を決定したりする。たとえば、CPU301は、判別部302による記録媒体110の判別結果に基づき蓄積時間を決定し、決定した蓄積時間を時間設定部207に設定する。ラインセンサ203は時間設定部207に保持されている蓄積時間にわたりパッチ画像からの反射光の蓄積を実行する。また、ラインセンサ203は、回数設定部208に保持されている測定回数だけ、一つのパッチ画像からの反射光を測定する。なお、蓄積時間は、一回の測定あたりの蓄積時間である。時間設定部207や回数設定部208はレジスタなどの記憶素子であってもよい。CPU301は、ラインセンサ203の測定結果に対する演算を演算部204に指示したり、演算部204またはメモリ205から演算結果を取得したりする。なお、測定回数の管理をCPU301が実行する場合、回数設定部208省略されてもよい。同様に、時間設定部207もCPU301に設けられていてもよい。演算部204やメモリ205もCPU301に内蔵されていてもよい。CPU301は、カラーセンサ170に内蔵されていてもよいし、画像形成装置100を制御するコントローラに内蔵されていてもよい。後者の場合、CPU301は、シートセンサ137の測定結果に基づき、記録媒体110を搬送するためのモータなどを制御してもよい。
図4はCPU301が実現する画像処理機能などを示している。これらの機能には、イメージスキャナやホストコンピュータから入力されたユーザデータ(画像データ)に対してカラーマッチング処理を行って画像形成を実行する機能と、出力プロファイル406の作成に関与する機能とが含まれる。出力プロファイル406は、たとえば、画像形成装置100用の出力ICCプロファイルである。本実施例は、カラーセンサ170の制御に特徴があり、カラーマッチングやプロファイル作成に関する機能としては公知の技術を含むいかなる技術が採用されてもよい。図4において破線で示した矢印はユーザデータに基づく画像形成におけるデータの流れを示し、実線の矢印は出力プロファイル406の作成におけるデータの流れを示している。CMM400はカラーマネージメントモジュールであり、ICCプロファイル等の変換テーブルを用いてカラーマッチング処理を実行する。CMM400は入力変換部401と出力変換部405とを有している。
ユーザデータに基づき記録媒体110に画像が形成されるときは、RGB形式やCMYK形式の画像データが入力変換部401に入力される。入力変換部401は、入力機器に対応した入力プロファイル402、403を保持している。入力プロファイル402は、たとえば、画像形成装置100に接続されたイメージスキャナ(画像読取装置)用の入力ICCプロファイルである。入力プロファイル403は、たとえば、カラーセンサ170用の入力ICCプロファイルである。入力変換部401は、入力プロファイル402を用いてユーザデータを、機種無依存の色空間のデータに変換し、CMM400へ出力する。また、入力変換部401は、入力プロファイル403を用いて、カラーセンサ170の測定結果(測色結果)を、機種無依存の色空間のデータに変換し、プロファイル作成部412に出力する。なお、カラーセンサ170の測定結果(例:分光反射率R(λ)はLab演算部411でLab空間の画像データに変換される。プロファイル作成部412は公知の手法を用いて出力プロファイル406を作成し、出力変換部405に格納する。出力変換部405は、出力プロファイル406を用いて、入力変換部401から出力された画像データを変換し、各ステーションに出力する。
センサ制御部421は、白色LED201の点灯・消灯や光量を制御する。時間決定部422は、パッチ画像の画像濃度や記録媒体110の種類に応じて蓄積時間を決定し、時間設定部207に格納する。時間設定部207は時間決定部422に含まれていてもよい。回数決定部423は、パッチ画像の画像濃度や記録媒体110の種類に応じて測定回数を決定し、回数設定部208に格納する。回数設定部208は回数決定部423に含まれていてもよい。パッチ生成部424は、パッチ画像の画像データを生成する生成回路や、または画像データを予め記憶する記憶装置を有している。
<Lab演算>
Lab演算自体はISO13655規格で規定されており、既知であるが、念のため説明する。Lab演算部411は、予め等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)と標準光分光分布SD50(λ)を用意しておく。等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)は日本工業規格であるJIS Z8701に規定されている。同様に、標準光分光分布SD50(λ)は、JIS Z8720で規定されており、補助標準イルミナントD50とも呼ばれている。これらは事前に求められ、ROMなどのメモリに記憶されていてもよい。Lab演算部411は、R(λ)にx(λ)とSD50(λ)を乗算して積を求める。また、Lab演算部411は、R(λ)にy(λ)とSD50(λ)を乗算して積を求める。さらに、Lab演算部411は、R(λ)にz(λ)とSD50(λ)を乗算して積を求める。さらに、Lab演算部411はこれらの積のそれぞれについて積分する(Σ{R(λ)・x(λ)・SD50(λ)}、Σ{R(λ)・y(λ)・SD50(λ)}、Σ{R(λ)・z(λ)・SD50(λ)})。さらに、Lab演算部411は、等色関数y(λ)と標準光分光分布SD50(λ)との積についても波長積分する(Σ{y(λ)・SD50(λ)})。次に、Lab演算部411は、以下の式にしたがってX,Y,Zを算出する。
X=100・(Σ{y(λ)・SD50(λ)})/Σ{R(λ)・x(λ)・SD50(λ)}
Y=100・(Σ{y(λ)・SD50(λ)})/Σ{R(λ)・y(λ)・SD50(λ)}
Z=100・(Σ{y(λ)・SD50(λ)})/Σ{R(λ)・z(λ)・SD50(λ)}
最後にLab演算部411は、以下の式にしたがってL*,a*,b*を算出する。
L*=116×(Y/Yn)^(1/3)−16
a*=500{(X/Xn)^(1/3)−(Y/Yn)^(1/3)}
b*=200{(Y/Yn)^(1/3)−(Z/Zn)^(1/3)}
ここで、Xn、Yn、Znは標準光三刺激値である。たとえば、Y/Yn>0.008856であれば、次式が満たされる。
(X/Xn)^(1/3)=7.78(X/Xn)^(1/3)+16/116
(Y/Yn)^(1/3)=7.78(Y/Yn)^(1/3)+16/116
(Z/Zn)^(1/3)=7.78(Z/Zn)^(1/3)+16/116
このようにしてLab演算部411は、カラーセンサ170により測定された分光反射率R(λ)をL*,a*,b*に変換する。
<フローチャート>
図5を用いてCPU301が実行するパッチ画像209の測定処理について説明する。操作パネル180を通じて測定処理の実行がユーザによって指示されると、CPU301は以下の各ステップを実行する。
S501でCPU301はパッチ画像209が形成される記録媒体の種類を判別する。たとえば、CPU301は、判別部302から記録媒体の種類の判別結果を取得する。判別部302は収納庫113や搬送路に設けられた反射率測定部171の測定結果(例:受光素子から出力される信号強度)を用いて記録媒体110の種類を判別する。なお、CPU301または判別部302は、操作パネル180から入力される種類情報を受け付け、受け付けた種類情報に基づき記録媒体110の種類を判別してもよい。このようCPU301や操作パネル180は操作者により入力される記録媒体の種類を示す情報を取得する取得手段として機能する。たとえば、CPU301は、記録媒体110の種類を光沢紙または普通紙であると特定する。光沢紙と普通紙とでは表面の反射率が異なるため、種類の違いはパッチ画像の分光反射率の測定結果に影響を及ぼす。したがって、記録媒体110の種類に応じてカラーセンサ170の蓄積時間を制御するために、種類情報が必要となる。このように、CPU301や判別部302は記録媒体の種類を示す情報を取得する取得手段の一例である。
S502、S503でCPU301(時間決定部422、回数決定部423)は、記録媒体110の種類に応じて蓄積時間と測定回数を決定する。このように、CPU301や時間決定部422は取得された種類を示す情報に応じて蓄積時間を決定する決定手段として機能する。たとえば、種類情報(銘柄、坪量、表面性、反射率など)と蓄積時間(蓄積パターン)とが対応付けられているテーブルを参照することで、記録媒体110の種類に応じて蓄積時間が決定されてもよい。同様に、種類情報(銘柄、坪量、表面性、反射率など)と測定回数とが対応付けられてテーブルを参照することで、記録媒体110の種類に応じて測定回数が決定されてもよい。なお、蓄積時間と測定回数はさらにパッチ画像209の画像濃度も考慮して決定されてもよい。
図6は、記録媒体の種類とパッチ画像との組み合わせに応じて蓄積時間と測定回数を決定するために利用可能なテーブルの一例を示している。図7は記録媒体110上に形成された複数のパッチ画像の一例を示している。パッチ画像209−1ないしパッチ画像209−5は異なる画像信号に基づいて形成された測定用画像である。パッチ画像209−1ないしパッチ画像209−5は、複数の色(イエロー、マゼンタ、シアン)のトナーを用いて形成される。図6において、テーブルAは、光沢紙用の蓄積時間と測定回数を決定するために利用されるテーブルである。テーブルBは、普通紙用の蓄積時間と測定回数を決定するために利用されるテーブルである。テーブルA、BはCPU301からアクセス可能な記憶装置に記憶されている。テーブルA,Bには蓄積パターンに対応して蓄積時間が設定されている。このように蓄積時間はアナログ値ではなく、アナログ値を導き出すことが可能なインデックスにより識別されてもよい。CPU301は記録媒体110の種類に応じてテーブルを選択し、選択されたテーブルを参照して各パッチ画像の蓄積時間と測定回数とを決定してもよい。なお、テーブルA,Bに登録されている蓄積時間と測定回数は、あらかじめ実験を行って決められている。CPU301や時間決定部422は、複数のパッチ画像のそれぞれの光学濃度と記録媒体の種類を示す情報との組み合わせに応じてパッチ画像ごとに蓄積時間を決定する。同様に、CPU301や回数決定部423は、複数のパッチ画像のそれぞれの光学濃度と記録媒体の種類を示す情報との組み合わせに応じてパッチ画像ごとに測定回数を決定する。蓄積パターンと蓄積時間との関係は後述する。
S504でCPU301は各ステーションを制御して記録媒体110上にパッチ画像を形成する。たとえば、CPU301は、パッチ生成部424にパッチ画像の画像データを生成させ、画像データを各ステーションに出力する。各ステーションは画像データにしたがってパッチ画像を形成する。
S505でCPU301(センサ制御部421)はカラーセンサ170の白色LED201を点灯する。S506でCPU301はパッチ画像を測定した回数をカウントするためのカウンタのカウント値Nまたは変数を0に初期化する。S507でCPU301はパッチ画像がカラーセンサ170の測定領域に到達したかどうかを判定する。記録媒体110の先端位置からパッチ画像209−1までの距離は既知である。また、記録媒体110の搬送速度も既知である。したがって、反転部136で搬送方向が反転されて戻ってきた記録媒体110の先端がシートセンサ137に測定された時間から所定時間後にパッチ画像209−1がカラーセンサ170の測定領域に到達する。この所定時間は、シートセンサ137の測定位置とカラーセンサ170の測定位置との間の距離、記録媒体110の先端位置からパッチ画像209−1までの距離、および、搬送速度から算出される。したがって、CPU301は、反転部136から戻ってきた記録媒体110の先端がシートセンサ137に測定されるとタイマーをスタートさせ、タイマーのカウント値が所定時間になると、パッチ画像がカラーセンサ170の測定領域に到達したと判定する。パッチ画像209−2ないしパッチ画像209−5についても同様にタイマーを用いてカラーセンサ170の測定領域に到達したかどうかが判定される。これには、パッチ画像209−1ないしパッチ画像209−5の各パッチ幅と間隔とが既知であることが利用される。パッチ画像209がカラーセンサ170に到達すると、CPU301はS508に進む。
S508でCPU301はカラーセンサ170を制御してパッチ画像を測定する。なお、カラーセンサ170はS502で決定された蓄積設定(蓄積時間と測定回数)を用いてパッチ画像209を測定する。図6が示すように、パッチ画像209ごとに蓄積設定は異なりうる。S509でCPU301はカウント値Nを1つインクリメントする。S510でCPU301は一つのパッチ画像209に対して測定処理を実行した回数を示すカウント値Nが、記録媒体110の種類に応じて決定された測定回数Mに到達したかどうかを判定する。カウント値Nが規定の測定回数Mに到達していなければ、CPU301はS508に戻り、次の測定を実行する。一方、カウント値Nが規定の測定回数Mに到達していれば、CPU301はS511に進む。
S511でCPU301はカラーセンサ170により取得されたパッチ画像209の測定結果を平均化する。たとえば、CPU301は記録媒体110の種類に対応した測定回数でもって測定結果の平均値を算出する。平均化は演算部204で実行されてもよい。この場合、演算部204は回数設定部208から測定回数を読み出し、測定結果の積算値を測定回数で除算することで平均化処理を実行する。なお、パッチ画像ごとに設定された測定回数が使用される。S512でCPU301は平均化された測定結果に基づき分光反射率R(λ)を演算する。分光反射率R(λ)演算部204にて実行されてもよい。ここで、CPU301や演算部204は蓄積時間に応じて分光反射率R(λ)を正規化する。たとえば、蓄積パターン0の蓄積時間が基準値であり、蓄積パターン1の蓄積時間は基準値の2倍に設定されており、蓄積パターン2の蓄積時間は基準値の4倍に設定されており、蓄積パターン3の蓄積時間は基準値の8倍に設定されていると仮定する。蓄積パターン1が選択されると、CPU301は分光反射率R(λ)を2で除算する。蓄積パターン2が選択されると、CPU301は分光反射率R(λ)を4で除算する。蓄積パターン3が選択されると、CPU301は分光反射率R(λ)を4で除算する。これにより正規化が実行されてもよい。
S513で記録媒体110に形成されたすべてのパッチ画像209の測定が完了したかどうかを判定する。たとえば、パッチ画像209が5個であれば、これらのすべてについて分光反射率R(λ)の演算が完了したかどうかが判定される。まだ、測定の完了していないパッチ画像209が存在すれば、CPU301はS506に戻り、次のパッチ画像209について測定処理を実行する。一方、すべてのパッチ画像209の測定が完了していれば、CPU301はS514に進む。S514でCPU301はカラーセンサ170の白色LED201を消灯する。その後、CPU301はパッチ画像209から求められた分光反射率R(λ)を用いて出力プロファイルを生成または更新する。
<パッチ画像>
画像形成装置100のステーションはそれぞれ光学濃度の異なる複数のパッチ画像209−1ないしパッチ画像209−5を記録媒体110に形成する。図7によれば、パッチ画像209−1ないしパッチ画像209−5が記録媒体110の搬送方向に沿って並んで配置されている。したがって、記録媒体110を搬送することで、パッチ画像209−1ないしパッチ画像209−5が順番にカラーセンサ170により測定される。本実施例において、たとえば、記録媒体110の搬送速度は300mm/sであり、記録媒体110の搬送方向におけるパッチ画像209の大きさ(パッチ幅)は21mmである。複数のパッチ画像が形成された記録媒体110はテストチャートと呼ばれてもよい。
<蓄積時間>
図6に示したテーブルA,Bから明らかなように、本実施例では記録媒体110の種類に応じた蓄積時間と測定回数がカラーセンサ170に設定される。上述したように、カラーセンサ170でパッチ画像209の分光反射率を測定する際、白色LED201がパッチ画像209に光を照射し、ラインセンサ203がパッチ画像209からの反射光を受光する。なお、反射光は回折格子202で波長に応じて分光されている。
図8(A)が示すようにパッチ画像209の画像濃度が濃い場合、記録媒体110の下地(表面)からの反射光の大部分はパッチ画像209で遮られる。したがて、ラインセンサ203での受光量ではパッチ画像209からの反射光が支配的となる。一方、図8(B)が示すようにパッチ画像209の画像濃度が薄い場合、記録媒体110からの反射光はパッチ画像209で遮られにくくなる。そのため、ラインセンサ203での受光量はパッチ画像209からの反射光量と記録媒体110からの反射光量とが合算されたものとなる。
また、光沢紙や普通紙など、種類の異なる記録媒体110に同一濃度のパッチ画像209を形成した場合にも、記録媒体110の種類に依存してラインセンサ203で受光量が異なってしまう。この現象はパッチ画像209の画像濃度が薄い場合により顕著となる。一般的に普通紙と比較して光沢紙のような反射率の高い記録媒体110では、受光量が多くなる。
図9(A)は普通紙に形成された所定濃度のパッチ画像209について波長と受光量との関係(分光反射率)を示している。図9(B)は光沢紙に形成された所定濃度のパッチ画像209について波長と受光量との関係を示している。所定濃度のパッチ画像209として、ここでは図6、図7に示したパッチ画像209−5が採用されている。蓄積パターン0の蓄積時間は2msである。蓄積パターン1の蓄積時間は4msである。蓄積パターン2の蓄積時間は8msである。蓄積パターン3の蓄積時間は16msである。図9(A),図9(B)が示すように蓄積時間が長くなると、ラインセンサ203での受光量(測定光量)も多くなる。また、図9(A),図9(B)が示すように同一画像濃度のパッチ画像を同一蓄積時間で測定したとしても、記録媒体110の種類に依存してラインセンサ203での測定光量が異なる。図9(A)が示すように、普通紙では、蓄積パターン0〜3において400nmから700nmまでの全波長域においてパッチ画像209−5からの反射光の測定光量が飽和することはない。電気的なノイズの影響を考えると、測定光量が多くなるように蓄積パターンを設定したほうが、暗ノイズつまり不要信号に対する有効信号比(S/N)が高くなる。つまり測色精度が高くなる。そのため、普通紙においてはパッチ画像209−5の測定には蓄積パターン3が採用される。一方、図9(B)が示すように、光沢紙では、蓄積パターン3において600nmから670nmの波長域でパッチ画像209−5の測定光量が飽和している。これはパッチ画像209−5からの反射光量にパッチ画像209−5の下部にある記録媒体110からの反射光量が重畳されるためである。このように測定光量が飽和した状態のまま、パッチ画像209−5の濃度演算を行うと正しい測定結果が得られない。そのため、記録媒体110の種類に応じて測定光量が飽和しないような蓄積パターンが設定される。図9(B)によれば、光沢紙においてパッチ画像209−5に適切な蓄積パターンは蓄積パターン2である。このように記録媒体110の種類とパッチ画像209の画像濃度との組み合わせに応じて蓄積時間が設定される。この設定はシミュレーションや実験により実行される。
<測定回数>
図10はカラーセンサ170の測定領域をパッチ画像209が通過する通過時間と各蓄積パターンの測定タイミングを示している。実施例において記録媒体110の搬送速度は300mm/sであり、パッチ幅は21mmである。したがって、カラーセンサ170の測定領域をパッチ画像209が通過するのに要する時間(通過時間)は70msとなる。一方、蓄積パターン0、1、2、3における蓄積時間はそれぞれ2ms、4ms、8ms、16msである。そのため、測定回数が1回だとそれぞれの蓄積パターンにおいてパッチ画像209の一部しか測定されず、ノイズなどの影響を低減できない。ノイズ低減の観点から、それぞれの蓄積パターンにおいて可能な限り、搬送方向におけるパッチ画像209の全域が測定されるべきであろう。よって、図10に示すように蓄積パターン0のときは測定回数が32回に設定される。測定時間は蓄積時間と測定回数を乗算することで得られる積である(2ms×32回=64ms)。蓄積パターン1のときは測定回数が16回に設定される。蓄積パターン2のときは測定回数が8回に設定される。蓄積パターン3のときは測定回数が4回に設定される。これにより、パッチ画像209の通過時間70ms対して測定時間64msに相当するパッチ画像209の領域が測定される。つまり、パッチ画像209の全域がほぼ測定される。通過時間70msに対して測定領域が64msに相当する領域に設定されている理由は、パッチ画像209を形成した記録媒体110の搬送速度のムラなどの影響を緩和するためのマージンが必要だからである。つまり、このようなマージンを持たせることで、パッチ画像209以外の部分、つまり記録媒体110の下地を測定してしまうことが減るであろう。
<まとめ>
本実施例によれば、CPU301は記録媒体の種類を示す情報を取得し、取得された種類を示す情報に応じて蓄積時間を決定する。各ステーションが複数の色剤を用いてパッチ画像を記録媒体上に形成すると、カラーセンサ170は決定された蓄積時間にわたってパッチ画像からの反射光を蓄積することでパッチ画像の分光反射率を測定する。このように、本実施例では記録媒体の種類に依存して蓄積時間や測定回数が決定ないしは設定されるようになる。その結果、カラーセンサ170における受光量の飽和が発生しにくくなり、測色精度が向上しよう。つまり、記録媒体に形成された測定用画像を高精度に測定することが可能となる。本実施例では記録媒体の種類として普通紙と光沢紙を例示したが、これは一例に過ぎない。パッチ画像の測定結果(分光反射率)に影響を及ぼすような表面特性の違いを識別可能な種類情報であれば採用可能である。
CPU301(時間決定部422)は、測定用画像であるパッチ画像が第1の記録媒体に形成される場合には、蓄積時間を第1蓄積時間に決定してもよい。また、CPU301(時間決定部422)は、パッチ画像が第2の記録媒体に形成される場合には、蓄積時間を第1蓄積時間より長い第2蓄積時間に決定してもよい。なお、第1の記録媒体から反射される光の強度は、第2の記録媒体から反射される光の強度よりも高い。第1の記録媒体から反射される光の強度は、第2の記録媒体から反射される光の強度よりも高い場合に、第1の記録媒体は第2の記録媒体よりも測定結果の飽和が発生しやすい。したがって、第1蓄積時間より第2蓄積時間を長する(つまり、第1蓄積時間を第2蓄積時間よりも短くする)ことで飽和が発生しにくくなる。
CPU301や判別部302は操作パネル180などを通じて操作者により入力される種類を示す情報を受け付けることで、当該情報を取得してもよい。また、CPU301や判別部302は、反射率測定部171などを用いて種類を示す情報を取得してもよい。反射率測定部171は、記録媒体に光を照射する発光素子と、記録媒体からの反射光を受光する受光素子とを備えている。CPU301や判別部302は、受光素子から出力される信号強度に基づいて記録媒体の種類を判別してもよい。
CPU301は、複数のパッチ画像のそれぞれの光学濃度(画像濃度)と取得された種類を示す情報との組み合わせに応じて各パッチ画像ごとに蓄積時間を決定してもよい。パッチ画像の光学濃度に依存して、測定結果を飽和させるような記録媒体の種類は異なるからである。図6を用いて説明したように、光学濃度と記録媒体の種類との組み合わせに応じた蓄積時間を登録したテーブルがメモリ205などの記憶装置に保持されていてもよい。この場合、CPU301はテーブルを参照することで、複数のパッチ画像のそれぞれの光学濃度と取得された種類を示す情報との組み合わせに対応する各パッチ画像ごとの蓄積時間を決定できるようになる。
CPU301は、複数のパッチ画像のそれぞれの光学濃度と取得手段により取得された種類を示す情報との組み合わせに応じて一つのパッチ画像に対して測定手段が測定を行う測定回数を決定ないしは設定する決定手段(設定手段)として機能してもよい。より多くの測定結果を収集してその平均値を求めることで、測定結果に含まれるノイズが低減される。図10に示したように、各パッチ画像の搬送方向の長さが一定であれば、蓄積時間の違いに応じて測定可能な測定回数は変化する。したがって、蓄積時間が短いパッチ画像では測定回数を多くすることで、ノイズを低減しやすくなろう。なお、CPU301や演算部204は、測定回数を用いて測定手段の測定結果の平均値を決定する平均化手段として機能する。
図10に関して説明したように、カラーセンサ170がパッチ画像を測定し、かつ、パッチ画像の周辺を誤測定しないようにするために、パッチ画像のサイズにマージンが付与されてもよい。つまり、記録媒体110の搬送方向におけるパッチ画像の長さ(例:21mm)を記録媒体110の搬送速度(例:300mm/s)で除算するとパッチ画像の通過時間(例:70ms)が得られる。この通過時間と比較し、パッチ画像の蓄積時間と測定回数との積である測定時間(例:64ms)は短くなる。このような条件が満たされるように、パッチ生成部424はパッチ画像の画像データを生成してもよい。
蓄積時間は値であってもよいが、蓄積パターン0ないし3のように、インデックスにより識別されてもよい。これにより蓄積時間を表すビット数を削減することが可能となる。CPU301や演算部204は、測定手段に使用された蓄積時間と予め基準値として定められた基準蓄積時間との比で、測定結果である分光反射率を除算する演算手段として機能してもよい。蓄積時間はパッチ画像と記録媒体の種類との組み合わせに応じて異なるため、蓄積時間の違いに応じて測定結果は正規化される必要があろう。したがって、使用された蓄積時間と基準蓄積時間(例:蓄積パターン0の蓄積時間が2ms)との比で測定結果が除算されてもよい。
上述したように、カラーセンサ170により測定された分光反射率を用いてプロファイル作成部412は、カラーマッチングのための変換テーブルを作成する作成手段として機能してもよい。本実施例では、カラーセンサ170により測定された分光反射率の精度が向上するため、変換テーブルの精度も向上し、その結果としてカラーマッチングの精度も向上しよう。
図1を用いて説明したように、搬送路に設けられている搬送ローラやそれを駆動するモータは記録媒体を搬送する搬送手段として機能する。カラーセンサ170は、搬送手段により搬送されている記録媒体に形成されているパッチ画像から分光反射率を測定する。これにより、パッチ画像内の複数個所から分光反射率を測定することが可能となり、ノイズの影響が低減されよう。
図1を用いて説明したように、カラーセンサ170は、定着機構を通過してきた記録媒体を搬送する搬送路に設けられている。この搬送路は、一面目に画像が形成された記録媒体の二面目に画像を形成させるために記録媒体の搬送方向を反転させて、再び当該記録媒体を画像形成手段に給紙するための搬送路であってもよい。パッチ画像を記録媒体に定着させた直後は記録媒体が熱を持っており、いわゆるサーモクロミズム現象によってカラーセンサ170の測定結果に誤差をもたらす。したがって、定着機構から離れた位置にカラーセンサ170が設けることで、搬送時間が長くなり、記録媒体の温度を十分に低下させることが可能となろう。
なお、カラーセンサ170にCPU301が含まれてもよいし、上述したCPU301の機能が演算部204に実装されてもよい。つまり、取得手段、決定手段および測定手段が設けられたカラーセンサ170が提供されてもよい。
上記の実施例ではICCプロファイルが一例として採用された。しかし、変換テーブルは、アドビ社が提唱したCRD(カラーレンダリングディレクトリ)やPhotoshop(登録商標)が備える色分解テーブル、EFI社が提唱したCMYKシミュレーションなどであってもあってもよい。
100…画像形成装置、170…カラーセンサ、301…CPU、422…時間決定部

Claims (16)

  1. 記録媒体上に画像を形成する画像形成手段と、
    前記記録媒体上に形成された測定用画像を測定する測定手段と、
    前記画像形成手段に、前記記録媒体上に前記測定用画像を形成させ、前記測定手段に、前記記録媒体上の前記測定用画像を蓄積時間に基づいて測定させる制御手段と、
    前記測定用画像が形成される前記記録媒体の種類を示す情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記情報に基づいて前記蓄積時間を決定する決定手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記決定手段は、前記測定用画像が第1の記録媒体に形成される場合には、前記蓄積時間を第1蓄積時間に決定し、
    前記決定手段は、前記測定用画像が第2の記録媒体に形成される場合には、前記蓄積時間を前記第1蓄積時間より長い第2蓄積時間に決定し、
    前記第1の記録媒体から反射される光の強度は、前記第2の記録媒体から反射される光の強度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記取得手段は、操作者により入力される前記種類を示す情報を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記取得手段は、前記記録媒体に光を照射する発光素子と、前記記録媒体からの反射光を受光する受光素子とを備え、前記受光素子から出力される信号強度に基づいて前記記録媒体の種類を判別する判別手段であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  5. 前記画像形成手段は、それぞれ光学濃度の異なる複数の測定用画像を前記記録媒体に形成するように構成されており、
    前記決定手段は、さらに、前記複数の測定用画像のそれぞれの光学濃度と前記取得手段により取得された種類を示す情報との組み合わせに応じて各測定用画像ごとに前記蓄積時間を決定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 光学濃度と記録媒体の種類との組み合わせに応じた蓄積時間を登録したテーブルをさらに有し、
    前記決定手段は、前記テーブルを参照することで、前記複数の測定用画像のそれぞれの光学濃度と前記取得手段により取得された種類を示す情報との組み合わせに対応する各測定用画像ごとの前記蓄積時間を決定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記複数の測定用画像のそれぞれの光学濃度と前記取得手段により取得された種類を示す情報との組み合わせに応じて一つの測定用画像に対して前記測定手段が測定を行う測定回数を設定する設定手段をさらに有し、
    前記測定手段は、前記設定手段により設定された測定回数に応じて各測定用画像の測定を実行することを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
  8. 前記記録媒体の搬送方向における前記測定用画像の長さを前記記録媒体の搬送速度で除算して得られる前記測定用画像の通過時間と比較し、前記測定用画像の前記蓄積時間と前記測定回数との積は小さいことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記測定回数を用いて前記測定手段の測定結果の平均値を決定する平均化手段をさらに有することを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
  10. 前記蓄積時間はインデックスにより識別されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  11. 前記測定手段に使用された蓄積時間と予め基準値として定められた基準蓄積時間との比で前記測定手段により測定された測定結果である分光反射率を除算する演算手段をさらに有することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  12. 前記測定手段により測定された分光反射率を用いてカラーマッチングのための変換テーブルを作成する作成手段をさらに有することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  13. 前記記録媒体を搬送する搬送手段をさらに有し、
    前記測定手段は、前記搬送手段により搬送されている前記記録媒体に形成されている前記測定用画像から分光反射率を測定することを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  14. 前記画像形成手段は、トナーにより形成された測定用画像を前記記録媒体に定着させる定着手段を有し、
    前記測定手段は、前記定着手段を通過してきた前記記録媒体を搬送する搬送路に設けられていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  15. 前記搬送路は、一面目に画像が形成された記録媒体の二面目に画像を形成させるために前記記録媒体の搬送方向を反転させて、再び当該記録媒体を前記画像形成手段に給紙するための搬送路であることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 記録媒体の種類を示す情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された種類を示す情報に応じて蓄積時間を決定する決定手段と、
    複数の色剤を用いて前記記録媒体に形成された測定用画像からの反射光を、前記決定手段により決定された蓄積時間にわたって蓄積することで前記測定用画像の分光反射率を測定する測定手段と
    を有することを特徴とするカラーセンサ。
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