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JP2017032043A - エンジンのコネクティングロッド - Google Patents

エンジンのコネクティングロッド Download PDF

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JP2017032043A
JP2017032043A JP2015151576A JP2015151576A JP2017032043A JP 2017032043 A JP2017032043 A JP 2017032043A JP 2015151576 A JP2015151576 A JP 2015151576A JP 2015151576 A JP2015151576 A JP 2015151576A JP 2017032043 A JP2017032043 A JP 2017032043A
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reinforcing
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longitudinal
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Takashi Nishihara
敬 西原
友希 塚本
Yuki Tsukamoto
友希 塚本
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    • F16C7/00Connecting-rods or like links pivoted at both ends; Construction of connecting-rod heads
    • F16C7/02Constructions of connecting-rods with constant length
    • F16C7/023Constructions of connecting-rods with constant length for piston engines, pumps or the like
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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Abstract

【課題】高剛性でありながら成形性が良く、軽量なエンジンのコネクティングロッドを提供することにある。【解決手段】本発明の実施形態は、クランクシャフトのクランクピンに回転自在に取り付けられる大端部23と、ピストンピンが挿通され、ピストンピンを回転自在に保持する小端部24と、両者を連結するように長手方向に延びる連結部25とを備えたエンジンのコネクディングロッド22において、前記連結部は、クランクシャフトの中心軸方向に直交する方向に幅広のプレート状に構成され、連結部25は両側縁部からそれぞれ四方に突出して大端部23から小端部24まで長手方向に延びる4つの縦方向補強部31をリブ状に備え、連結部25の中心軸の直交面による断面視において、大端部23および小端部24に連結される4つの縦方向補強部31の端点を結んで形成される矩形の四辺に対して、連結部側面部が窪むように凹部25a〜25dが構成されていることを特徴とするエンジンのコネクティングロッドである。【選択図】 図6

Description

本発明は、軽量かつ高剛性で成形性に優れたエンジンのコネクティングロッドに関する。
内燃機関(エンジン)のピストンとクランクシャフトとの連結にはコネクティングロッドが用いられる。コネクティングロッドは、小端部がピストンに、大端部がクランクシャフトの回転軸から偏心した部分にそれぞれ連結され、ピストンが受ける燃焼膨張力をクランクシャフトに伝達している。
従来のエンジンでは、コネクティングロッドの連結部に補強リブを設けて断面を略H形状に構成し、長手方向の負荷に対する曲げ方向の剛性を確保している。
特開2000−337347号公報
エンジンが高性能化して、より高回転・高出力運転が可能になると、ピストンは往復運動の繰返しが多くなり、コネクティングロッドの連結部には、長手方向に掛かる負担の繰返しに加え、捩れ方向の振動が発生し易くなる。この捩れ方向の振動を抑えるためには、コネクティングロッドは従来の補強リブ形状に別方向のリブを加えて、剛性を高める必要がある。
しかし、むやみに補強リブを追加すると、コネクティングロッドの重量が増加して、往復質量の慣性力が大きくなり、出力低下や燃費悪化、振動増加を招き、レスポンス低下を生じさせる課題があった。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、高剛性でありながら成形性が良く、軽量なエンジンのコネクティングロッドを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、コネクティングロッド連結部に設けられるリブ形状の補強部の、配置を工夫することで、コネクティングロッドの重量を抑えつつ、曲げ方向と捩り方向の剛性をともに向上させたエンジンのコネクティングロッドを提供することにある。
本発明は、上述した課題を解決するために、クランクシャフトのクランクピンに回転自在に取り付けられる大端部と、ピストンピンが挿通され、ピストンピンを回転自在に保持する小端部と、両者を連結するように長手方向に延びる連結部とを備えたエンジンのコネクディングロッドにおいて、前記連結部は、クランクシャフトの中心軸方向に直交する方向に幅広のプレート状に構成され、前記連結部は両側縁部から四方に突出して前記大端部から小端部まで延びる4つの縦方向補強部をリブ状に備え、前記連結部の中心軸の直交面による断面視において、前記大端部および小端部に連結される前記縦方向補強部の4つの端点を結ぶ仮想線によって形成される矩形の四辺に対して、連結部側面部が窪むように凹部が構成されていることを特徴とするエンジンのコネクティングロッドである。
本発明に係るエンジンのコネクティングロッドは、連結部側面部のリブ形状補強部の配置を工夫することで、高剛性でありながら軽量で成形性の優れたエンジンのコネクティングロッドを提供することができる。
また、本発明に係るエンジンのコネクティングロッドは、連結部側面部に設けられるリブ形状補強部の配置を工夫するだけで、コネクティングロッドの重量を抑えつつ、曲げ方向と捩り方向の双方の剛性を向上させることができ、高回転で高出力運転のエンジンに好適に適用することができる。
自動二輪車の車体フレームに搭載されるエンジンを示す側面図。 図1のA−A線に沿う縦断面図。 図2のB−B線に沿う側断面図。 図2のC−C線に沿う平断面図。 本発明の実施形態を示すエンジンのコネクティングロッドとクランクシャフトの組立状態を示す斜視図。 本発明の実施形態に係る組立式コネクティングロッドを示す正面図。 図6に示すコネクティングロッドの中心軸方向のD−D線に沿う縦断面図。 図6に示すコネクティングロッドのH−H断面を示す平断面図。 (A)〜(F)は、図6に示すコネクティングロッドのE−E断面,F−F断面,G−G断面,H−H断面,I−I断面およびJ−J断面をそれぞれ示す平断面図。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、自動二輪車の車体フレームに搭載されるエンジン10を示す側面図である。内燃機関であるエンジン10は、クランクケース11上にシリンダアッセンブリ12が設置されて構成される。シリンダアッセンブリ12は、シリンダブロック13、シリンダヘッド14およびヘッドカバー15を順次積層して一体的に組み立てられる。なお、符号16は潤滑油を貯溜するオイルパンである。
エンジン10は、図2ないし図4に示すように4サイクル多気筒エンジン、例えば並列4気筒エンジンである。エンジン10のシリンダ17内を往復運動するピストン20は、クランクケース11内に納められたクランクシャフト21の偏心位置にコネクティングロッド22が連結される。
エンジン10の高性能化、高回転化に伴い、ピストン20やコネクティングロッド22には、軽量化が求められ、ピストン20は高強度、耐熱性に優れたアルミ合金製の鍛造ピストンや鋳造ピストンが用いられる。ピストン20は、ピストンピン20aによりコネクティングロッド22に連結される。
4サイクルエンジン10のコネクティングロッド22には一体式と組立式の2種類の形態がある。一体式のコネクティングロッドは、単気筒やV型2気筒エンジンに主に採用され、組立式コネクティングロッド22は、図5および図6に示すように、多気筒エンジンに多く採用される。
ピストン20のピストンピン20aに連結されるコネクティングロッド22には燃焼による圧縮荷重とともに、排気行程には往復するピストン20の質量の慣性力による引張荷重が、エンジン10の運転により繰返し作用する。コネクティングロッド22の材質には、高強度部材であるクロムモリブデン合金鋼や、炭素鋼などが用いられる。また、エンジン10の高回転化に伴い軽量化が求められ、チタン合金や炭素繊維を用いたものもある。
コネクティングロッド22は、図5および図6に示すように、クランクシャフト21のクランクピン21aに回転自在に取り付けられる大端部23と、ピストン20のピストンピン20aに挿通され、ピストンピン20aに回転自在に保持される小端部24と、大端部23および小端部24の両者を一体に連結するように延びる連結部25とを備えて構成される。コネクティングロッド連結部25は、クランクシャフト21の軸方向幅が狭く、その軸方向に直交する方向に幅広のプレート状(板状)あるいは横断面矩形のロッド状に構成される。コネクティングロッド連結部25の幅広側面部は表裏側面部を構成している。なお、図5において、符号26はエンジン出力取出ギアとしてのプライマリドライブギアである。
クランクシャフト21は、コネクティングロッド22とともにピストン20の往復運動を回転運動に変換する役割を有する。クランクシャフト21は、回転の中心軸となるクランクジャーナル部27と、コネクティングロッド22を取り付けるクランクウェブ22aのクランクピン部28と、回転時にピストン20やコネクティングロッド22との重量差による振動を低減するバランスウエイト29とから構成される。
一方、コネクティングロッド22は、その連結部25に、図6および図7、図8に示すように、幅広の表裏側面部から四方に突出して、コネクティングロッド大端部23から小端部24まで連結部表裏両縁部側を長手方向に延びる4つの縦方向補強部(縦リブ)31が備えられる。コネクティングロッド連結部25の縦方向補強部31は、図6に示すように連結部幅方向両側の両側縁部に設けられる一方、図7に示すように連結部25中心軸方向に沿う図6のD−D線の縦断面視において、(連結部幅方向に直交する)連結部厚さ方向両側、すなわち表裏両側に突出して設けられ、大端部23および小端部24に連接(結合)される。
コネクティングロッド22は、図8に示すように、連結部25中心軸の直交面による図6のH−H線の断面視において、連結部25の両側縁部から四方に突出した縦方向補強部31の4つの端点P,Q,R,Sを結ぶ仮想線によって形成される矩形の四辺に対して4つの側面部が窪むように複数の凹部25a,25eが形成される。
コネクティングロッド22の縦方向補強部31は、プレート状のコネクティングロッド連結部25の(長手方向の中心軸から幅方向に離間した)両側縁部(両脇部)に対向して設けられ、コネクティングロッド連結部25は、対をなすリブ状の縦方向補強部31間を窪ませて凹部が形成されるので、連結部25の重量を抑えつつ軽量化しても、曲げ方向の剛性を向上させることができる。ロッド25の表裏両側の側面部にそれぞれ設けた例を示したが、表裏側面部のいずれか一方に設けるだけでもよい。
加えて、コネクティングロッド22は、4つの縦方向補強部31の端点P,Q,R,S(図8)を結ぶ矩形の各辺部を窪ませる凹部25a,25eが一体に成形され、各凹部は夫々が外側方向に開口しているので、鋳造や鍛造、もしくは鋳造後の鍛造での型抜き性に優れ、種々の加工で生産することができ、生産性の高い製造法を選択して生産することができる。
また、コネクティングロッド連結部25の表裏側面部には、図6および図9に示すように、連結部25の中心軸方向(長手方向)に対して斜め方向に延びる斜め方向補強部(斜めリブ)32が一体に設けられる。斜め方向に延びるリブ状斜め方向補強部32をコネクティングロッド連結部25の表裏側面部にそれぞれ設けることで、連結部25は捩り方向の剛性を向上させることができる。
斜め方向補強部32の両端部は、コネクティングロッド連結部25の両側縁部の縦方向補強部31に連結され、一体化される。斜め方向補強部32を対向する縦方向補強部31に連結してコネクティングロッド連結部25の表裏側面部を格子状補強構造にそれぞれ構成することで、コネクティングロッド22は曲げ方向と捩り方向との剛性を双方とも高めることができる。
その際、鍛造や鋳造あるいは鋳造後に鍛造で加工されるコネクティングロッド22は、連結部25表裏側面部に縦方向補強部31と斜め方向補強部32とをそれぞれリブ状に配置し、連結部表裏側面部に複数ずつの凹部、例えば6個ずつの凹部25a〜25dと幅広の両側縁部側側面の凹部25eとが形成される。この様に各凹部25a〜25dおよび25eを構成することで、コネクティングロッド22は、連結部表裏側面部および幅広の両側縁部側側面部が肉抜き構造とされ、軽量化を図ることができる。上述の様に、コネクティングロッド22は軽量構造でも機械的・物理的強度を向上させることができ、耐座屈性に優れ、エンジンの高回転化、高出力化に適した軽量なコネクティングロッド22を提供することができる。
また、コネクティングロッド22は、連結部25に形成されるリブ状の斜め方向補強部32が、図6および図9に示すように、連結部側面部上で2本が交差(クロス)する略X字状に形成される。コネクティングロッド連結部25は、表裏側面部の2本ずつの斜め方向補強部32がクロスするように交差させて配置したので、捩りの正逆方向に対して2本ずつの斜め方向補強部32が協同して剛性をより高めることができる。
コネクティングロッド22の大端部23は、ホルダとしての半割り状のベアリングキャップ35が固定ボス部のビックエンド23aから分割可能に構成される。コネクティングロッド22の大端部23は、大端ベアリング34を密着させながらホルダであるベアリングキャップ35を、コネクティングロッド本体37のビックエンド23aに固定ボルト(コネクティングロッドボルト)36により締め付けて一体的に構成される。コネクティングロッド本体37は連結部25を固定ボス部のビックエンド23aと一体に構成される。
このように、大端部23は、コネクティングロッド本体37(図7)の固定ボス部(ビックエンド23a)からホルダのベアリングキャップ35が分割可能に構成され、ベアリングキャップ35は、コネクティングロッド本体37のビックエンド23aに固定ボルト36で着脱自在に締結され、組立式コネクティングロッドが構成される。なお、図8および図9において、符号38は固定ボルトのコネクティングロッドボルト36にねじ結合されるナットである。
また、コネクティングロッド22は、図6に示すように、コネクティングロッド連結部25の縦方向補強部31が、連結部25から大端部23のビックエンド(固定ボス部)23aの側部まで延び、ビックエンド23aに一体に結合されている。さらに斜め方向補強部32は、縦方向補強部31とビッグエンド23aとを連結している。この連結構造により、コネクティングロッド22の機械的・物理的強度を高めることができる。
コネクティングロッド22は、リブ状の縦方向補強部31および斜め方向補強部32が大端部23のビックエンド(固定ボス部)23aまで延びて一体に構成されるとともに、反対側の縦方向補強部31は小端部24側で斜め方向補強部32の端部を一体に結合して小端部24に一体に連結される。したがって、コネクティングロッド22は、大端部23と連結部25と小端部24とが結合された一体構造に構成され、コネクティングロッド22は、連結部25が座屈や曲げ、捩りに耐えることができ、高剛性で軽量構造の組立式コネクティングロッドを提供することができる。
また、コネクティングロッド連結部25は、クランクシャフト21の中心軸に直交する方向に幅広なプレート状あるいは横断面矩形のロッド状に構成されており、連結部25の幅広の両側縁部に長手方向に延びるリブ状縦方向補強部31が形成される。縦方向補強部31は、連結部25から大端部23のビックエンド(固定ボス部)23aまで拡開するように延び、ビックエンド23aの側部に一体に結合される。
コネクティングロッド連結部25の縦方向補強部31は、図6および図8(E)に示すように、コネクティングロッドボルト(固定ボルト)36の中心線延長上を超えて、外側まで拡開して延び、大端部23のビックエンド(固定ボス部)23aの側部に連結される。リブ状の縦方向補強部31を大端部23のビックエンド(固定ボス部)23aまで拡開させつつ延長することで、コネクティングロッド大端部23に掛かる荷重を面荷重として受け、軽減させることができる。
さらに、図7に示すように、コネクティングロッド連結部25は、連結部中心軸方向に沿う縦断面視において、縦方向補強部31が大端部23および小端部24にそれぞれ連結され、コネクティングロッド連結部25の表裏側面部が窪むように凹部を形成し、肉抜き構造とすることで、連結部25の重量を抑えつつ、曲げ方向の剛性を向上させることができる。
加えて、コネクティングロッド連結部25は、幅広の表裏側面部の両端縁部に対向して長手方向に延びる縦方向補強部31同士を斜め方向補強部32で連結される。リブ状の縦方向補強部31と斜め方向補強部32とによりリブ状補強部が格子状に構成される。コネクティングロッド連結部25には、表裏側面部上でそれぞれ形成される縦方向補強部31と斜め方向補強部32とにより複数ずつの凹部、例えば6個ずつの凹部25a〜25dがそれぞれ形成される。縦方向補強部31と斜め方向補強部32の間を窪ませて複数の凹部を形成することで、コネクティングロッド22は軽量構造に構成することができ、エンジン10の高回転化・高出力化に適したコネクティングロッド22を提供できる。
コネクティングロッド連結部25には、表裏側面部の両側縁部に沿って長手方向に延びるリブ状の縦方向補強部31同士を繋ぐように、斜め方向補強部32を配置することで、曲げ方向と捩り方向の剛性をともに高めることができる。
いずれにしても、エンジン10のコネクティングロッド22には、燃焼による圧縮荷重とともに、排気行程には往復質量の慣性力による引張荷重が、エンジンの運転により繰返し作用する。この引張荷重は、回転速度の二乗およびピストンアッセンブリの質量とコネクティングロッドの往復質量に比例し、所定回転以上の高速では圧縮荷重により大きくなることが知られている。このため、エンジン10の高出力・高回転化には、ピストン20、コネクティングロッド22、クランクシャフト21の軽量化と高強度化が求められる。コネクティングロッド22には軽量化とともに耐座屈性を改善し、曲げや捩りに対する剛性力の向上が求められる。
このコネクティングロッド22は、プレート状(板状)あるいは横断面矩形のロッド状の連結部25の表裏側面部上で、両側縁部に大端部23から小端部24まで長手方向に延びるリブ状の縦方向補強部31を一体に配置し、斜め方向補強部32は、両端部が両側縁部(両脇部)の縦方向補強部31に連結されて補強構造とされ、曲げ方向および捩り方向の剛性が高められる。しかも、コネクティングロッド連結部25の表裏側面部には、リブ状の縦方向補強部31と斜め方向補強部32で囲まれた空間に複数ずつの凹部凹部25a〜25d,25eがそれぞれ形成され、連結部25の表裏側面部に形成される凹部は肉抜き構造に構成され、軽量化が図られる。
このため、コネクティングロッド連結部25は、プレート状(板状)あるいは横断面矩形のロッド状であっても、表裏側面部上の両側縁部に長手方向に沿う縦方向補強部31がリブ状に形成され、斜め方向補強部32は、両側縁部の縦方向補強部31に両端部が連結されるので、軽量構造であっても、曲げ方向と捩り方向の剛性をともに高めることができ、エンジン10の高回転化と高出力化に適したコネクティングロッドを提供できる。高出力エンジンほど圧縮比が高くなるので、コネクティングロッド22は軽量化と高剛性化が求められる。
また、斜め方向補強部32は、コネクティングロッド連結部25の表裏側面部上で2本が交差する略X字状に構成されるので、正逆方向それぞれの捩りに対しても斜め方向補強部32が協同して、より剛性を高めることができる。斜め方向補強部32は、両側縁部(両脇部)の縦方向補強部31に両端部がそれぞれ一体に連結され、格子状構造に構成することで、コネクティングロッド22はより高剛性を得ることができる。
さらに、コネクティングロッド連結部25の縦方向補強部31と斜め方向補強部32は、リブ状突起が同じ方向に突出して開口しているので、コネクティングロッド22を鍛造や鋳造で成形する際、型抜き性を良好に保持することができ、成形性が良好となる。
[実施形態の効果]
本実施形態においては、コネクティングロッド連結部25表裏側面部の両側縁部に大端部23から小端部24まで長手方向に延びる縦方向補強部31をリブ状に設けたので、コネクティングロッド22の曲げ方向の剛性を向上させることができる。縦方向補強部31はコネクティングロッド連結部25の表裏側面部(幅広側面部)にそれぞれ設けたので、コネクティングロッド22の曲げ方向の剛性を一層向上させることができる。
本実施形態では、コネクティングロッド連結部25の表裏側面部上に、コネクティングロッド22の中心軸方向に対して斜め方向に延びる斜め方向補強部32をリブ状に設けたので、連結部25の捩り方向の剛性を向上させることができる。
斜め方向補強部32は、両側縁部の縦方向補強部31に両端部が連結され、結合されるので、曲げ方向と捩り方向の剛性をともに向上させることができる。
斜め方向補強部32は、コネクティングロッド連結部25の表裏側面部上で2本ずつが略X字状に交差するように形成して、格子状構造に構成されるので、捩りの正逆方向それぞれに対して2本ずつの斜め方向補強部32が協同して剛性を高めることができる。
また、本実施形態では、コネクティングロッド連結部25の表裏側面部にリブ状に形成される縦方向補強部31と斜め方向補強部32で囲まれる空間は、肉抜き構造の凹部に構成されるので、コネクティングロッド22の軽量化を図ることができ、高回転化および高出力化に適したコネクティングロッド22を提供できる。
コネクティングロッド連結部25の表裏側面部上に、縦方向補強部31と斜め方向補強部32で形成される複数の凹部は、リブ状突起がそれぞれ外側方向に開口して構成されるので、鍛造や鋳造の成形時の型抜きが良好となって、生産性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、コネクティングロッド連結部25の縦方向補強部31および斜め方向補強部32が大端部23の固定ボス部(ビックエンド23a)側面まで延びて連結される。加えて、縦方向補強部31は大端部23側に向って拡開し、固定ボルトの中心線延長上を跨ぐように拡開して外側に延びてビックエンド23aの側部に連結されるので、コネクティングロッド大端部23に掛かる荷重を面荷重として受け、軽減させることができる。
本実施形態に係るエンジン10のコネクティングロッド22においては、連結部25の補強部31のリブ形状および配置を工夫することで、曲げ方向と捩り方向の剛性をともに高めることができ、高剛性でありながら軽量なコネクティングロッドを提供することができる。
本発明の実施形態では、自動二輪車の並列多気筒エンジンについて説明したが、自動二輪車以外、3・4輪車両や船外機や雪上車両等のエンジンであってもよく、4サイクルエンジンに代えて2サイクルエンジンを用いてもよい。また、エンジンは単気筒エンジンでも、多気筒エンジンでもよく、多気筒エンジンはV型エンジンでも、水平対向エンジンでも、スクエア4エンジンでもよく、エンジンの種類は問わない。
また、エンジンのコネクティングロッドは組立式コネクティングロッドを用いた例を示したが、組立式に代えて一体式コネクティングロッドを用いてもよい。
以上、本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、3輪の車両や4輪の車両に適用することができ、様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…エンジン、11…クランクケース、12…シリンダアッセンブリ、13…シリンダブロック、14…シリンダヘッド、15…ヘッドカバー、16…オイルパン、17…シリンダ、20…ピストン、20a…ピストンピン、21…クランクシャフト、21a…クランクピン、22…コネクティングロッド、23…大端部、23a…ビックエンド(固定ボス部)、24…小端部、25…連結部、25a〜25d,25e…凹部、26…プライマリドライブギア、27…クランクジャーナル部、28…クランクピン、29…バランスウエイト、31…縦方向補強部(縦リブ)、32…斜め方向補強部(斜めリブ)、34…大端ベアリング、35…ベアリングキャップ(ホルダ)、36…コネクティングロッドボルト(固定ボルト)、37…コネクティングロッド本体、38…ナット。

Claims (7)

  1. クランクシャフトのクランクピンに回転自在に取り付けられる大端部と、ピストンピンが挿通され、ピストンピンを回転自在に保持する小端部と、両者を連結するように長手方向に延びる連結部とを備えたエンジンのコネクディングロッドにおいて、
    前記連結部は、クランクシャフトの中心軸方向に直交する方向に幅広のプレート状に構成され、
    前記連結部は両側縁部からそれぞれ四方に突出して前記大端部から小端部まで長手方向に延びる4つの縦方向補強部をリブ状に備え、 前記連結部の中心軸の直交面による断面視において、前記大端部および小端部に連結される前記縦方向補強部の4つの端点を結ぶ仮想線によって形成される矩形の四辺に対して、連結部側面部が窪むように凹部が構成されていることを特徴とするエンジンのコネクティングロッド。
  2. 前記連結部は、長手方向に対し交差して延びる斜め方向補強部をリブ状に備えた請求項1に記載のエンジンのコネクティングロッド。
  3. 前記斜め方向補強部は、前記連結部の両側縁部の縦方向補強部に両端部が連結される請求項2に記載のエンジンのコネクティングロッド。
  4. 前記斜め方向補強部は、連結部側面部上で2本がX字形状に交差するように構成された請求項2または3に記載のエンジンのコネクティングロッド。
  5. 前記斜め方向補強部は、連結部側面部上で2本がX字形状に交差するように構成され、
    前記連結部は連結部側面部上で縦方向補強部と斜め方向補強部とにより格子状補強構造に構成された請求項3に記載のエンジンのコネクティングロッド。
  6. 前記縦方向補強部は、前記連結部から大端部に延びるように拡開して前記大端部の側部に連結される請求項1に記載のエンジンのコネクティングロッド。
  7. 前記大端部は着脱可能なホルダによって分割形成される一方、着脱可能なホルダをその固定ボス部に固定ボルトで締結して一体的に構成され、
    前記縦方向補強部および斜め方向補強部はホルダの固定ボス部の側部まで延びて連結され、
    前記縦方向補強部は、前記固定ボルトの中心線延長上の外側まで拡開して延び、前記ホルダの固定ボス部の側部に連結された請求項6に記載のエンジンのコネクティングロッド。
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