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JP2017019704A - 硬質脆性板の割断方法及び装置 - Google Patents

硬質脆性板の割断方法及び装置 Download PDF

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JP2017019704A
JP2017019704A JP2015140711A JP2015140711A JP2017019704A JP 2017019704 A JP2017019704 A JP 2017019704A JP 2015140711 A JP2015140711 A JP 2015140711A JP 2015140711 A JP2015140711 A JP 2015140711A JP 2017019704 A JP2017019704 A JP 2017019704A
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Takashi Miyamoto
高志 宮本
智尚 上野
Tomonao Ueno
智尚 上野
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Abstract

【課題】携帯端末のディスプレイ基板のような比較的薄いガラス板その他の熱可塑性硬質脆性板をマイクロクラックやカレットを発生させないで割断する方法及び装置を得る。【解決手段】テーブル1上に固定した熱可塑性硬質脆性板wの割断線に沿ってレーザビームBの照射点Pを移動し、レーザビームBの照射によって加熱されて表面側が軟化sした割断線上にスクライブカッタを押圧して移動させる。スクライブする直前にガラス板wの表面側を軟化sさせることにより、カッタをガラス板wに押圧したときに、ガラス板表面がマイクロクラックを生じることなく押し広げられてスクライブ溝が形成され、そのスクライブ溝の先端から延びる垂直クラックによってガラス板wが割断される。【選択図】図2

Description

この発明は、携帯端末のディスプレイに用いるガラス板その他の薄い熱可塑性硬質脆性板を割断(割って切断)するのに特に好適な割断方法及び装置に関するものである。
ガラス板の切断は、通常、スクライブとブレークの2工程によって行われている。スクライブは、鋭利な周縁を備えたローラや尖針などからなるスクライブカッタ(以下、単に「カッタ」と言う。)を割断線に沿って走行させてガラス板の面に直交する方向のクラック(垂直クラック)を生成させる工程である。ブレークは、スクライブされた割断線に局部的な応力を与えることによって垂直クラックを成長させてガラス板を分断する工程である。
図4は、レーザビームの熱応力によってブレークする割断装置の一例を示した図である。図4において、wは割断しようとするガラス板、aはガラス板wの割断線、1はガラス板wを固定するテーブル、21は図示しない不動部材に装架された案内桁、2は案内桁21に沿って走行する移動台、dはガラス板wの割断時における移動台2の移動方向、4は付勢シリンダ26を介して移動台2に装着されたカッタ、3は移動台2に装着されたレーザ発振器、Qはカッタ4の押圧点、Pはレーザ発振器3から照射されるレーザビームBの照射点である。レーザビームの照射点Pは、カッタの押圧点Qのガラス板切断時における移動方向後方に位置している。
図4の装置では、移動台2を図の矢印方向dに移動させることによって、テーブル1に固定されたガラス板wの割断線aに沿ってカッタ4及びレーザ発振器3が移動し、カッタ4がスクライブした直後にレーザビームBによって局部的な熱応力が付与されてガラス板wが切断されてゆく。
図5は、スクライブされたガラス板を模式的に示した拡大断面図である。ガラス板wの表面(カッタ4が押圧される側の面)に割断線aに沿うV形断面のスクライブ溝gが形成され、その底端からガラス板の裏面に向かって垂直クラックcが発生している。
一方、ガラス板wの表面側には、カッタ4によって割断線aを境にして両側に押し広げる力が作用する関係上、スクライブ溝gの壁面に水平クラックやマイクロクラックと呼ばれる小さなクラックmが発生し、これに伴ってカレット(欠けて飛散する微細なガラス粒)が発生する。
マイクロクラックmは、割断した後のガラス板の搬送時や後工程時に、ガラス板に作用する外力によって成長して、ガラス板を破損させる原因となる。また、ディスプレイ用のガラス基板などでは、飛散したカレットがガラス基板面に付着し、剥がれなくなって、ガラス板上に形成した回路のパターン不良や積層される偏光板の貼り付け不良に起因する不良基板が発生する。
ガラス板を切断する他の方法として、本願出願人は、ガラス板を真空吸着するテーブル上にガラス板の割断線に沿う突条を設けて、ガラス板をテーブル1上に吸着したときにその割断線に沿って曲げ応力が付与されるようにし、その状態でカッタを割断線に沿って走行させるという、ブレーク工程を省略した割断方法を提案している(特許文献1)。また、スクライブを不要にした切断方法として、割断線に沿ってレーザビームを照射する工程のみによってガラス板を切断する方法も実用されている。
特開2003−261345号公報
携帯端末のディスプレイに使用されるガラス基板は、小型化と軽量化のために薄肉化が強く要望されている。例えば、スマートフォンのディスプレイに使用されるガラス板は、従来、0.3mmや0.2mmの2枚重ねであったものが、0.15mmの2枚重ねになってきており、更に0.1mmにしたいという要望がある。このような薄いガラス板は、割断後に割断縁の研削を行うことは困難である。また、携帯端末は、価格競争が激しいことから、製造コストの低減も重要課題である。
携帯端末のディスプレイ用の厚さ0.15mm程度のガラス基板をスクライブ−ブレーク方式で割断し、割断縁の研削を行わないで後工程を行うと、後工程中における基板の破損(割れ)が増加する。また、飛散したカレットがガラス基板に付着することによる不良品発生も多くなる。
スクライブを行わないでレーザビームのみでガラス板を切断する方法によれば、マイクロクラックが発生しないので、上記のような後工程における割れやカレットの付着による不良基板の発生は防止できる。しかし、レーザビームのみでの切断は、熱応力による切断の為、熱伝達率の影響が大きく、特にガラス板が薄い場合には熱の拡散が早いために応力差が出にくく、ガラス板の材質や厚さによる条件設定が難しい。
更に、レーザのみで切断する場合には、細くて強力なレーザが必要なので、強力で高価なレーザ発振器を用いなければならず、切断に要する装置コスト及びランニングコストが増大するという問題がある。また、カッタによるスクライブとレーザによるブレークで割断する方法では、スクライブ時に生じたマイクロクラックがブレーク後も残るので、上記の問題を解決することはできない。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、比較的薄いガラス板をマイクロクラックやカレットを発生させないで切断することができる割断方法及び装置を得ることを課題としている。
この発明の熱可塑性硬質脆性板の割断方法は、テーブル1上に固定した熱可塑性硬質脆性板wの所望の割断線aに沿ってレーザビームBの照射点Pを移動し、レーザビームBの照射によって加熱されて表面側が軟化sした割断線a上にスクライブカッタ4を押圧して移動させるという工程を備えている。この発明の割断は、ガラス板wに垂直クラックcを発生させるスクライブ工程を備えているが、スクライブする直前にレーザビームBを照射してガラス板wの表面側を軟化sさせることを特徴とする。
スクライブする直前に、ガラス板wの表面側を軟化sさせることにより、カッタ4をガラス板wに押圧したときに、ガラス板表面がマイクロクラックを生じることなく押し広げられてスクライブ溝gが形成され、そのスクライブ溝gの先端から延びる垂直クラックcによってガラス板wが割断される。
カッタ4に先行するレーザビームBの強度によって軟化sする領域の深さを調整することができ、マイクロクラックを生じさせることなく、所望深さのスクライブ溝gを形成できる。通常のローラーカッターでのスクライブでは、垂直クラックが0.3〜0.4mmまで入るので、厚さ0.15mmの基板のような薄いガラス板であれば、スクライブ時に垂直クラックcをガラス板wの裏面にまで到達させてブレーク工程を必要としないブレークレス割断を実現できる。また、特許文献1で開示されているようなガラス板wの切断部分に曲げ応力を付与した状態でスクライブすることにより、より厚いガラス板のブレークレス割断を行うことができる。
なお、この発明は、ブレークレスで割断することを特徴とするものではなく、スクライブ時にカッタが押し付けられるガラス板の表面側にマイクロクラックが発生するのを防止して、カレットの付着などによる不良品の発生を軽減しようとするものである。従って、例えば比較的厚いガラス板を割断する場合などには、カッタ4に先行するレーザビームBによってガラス板の表面側を軟化させ、次にカッタ4でスクライブを行い、更にスクライブ後にレーザによる熱衝撃でブレークするという割断も可能である。
垂直クラックc及び当該垂直クラックを成長させたガラス板の裏面側の割断面には、マイクロクラックは発生しない。この発明の方法では、スクライブ溝gが刻設されるガラス板の表面側を軟化sして、スクライブ時におけるガラス板表面側のマイクロクラック及びカレットの発生を防止している。従って、この発明の方法によって割断されたガラス板の割断面には、マイクロクラックやカレットの発生がなく、割断後のガラス板の破損やカレットの付着による不良品の発生を防止することができる。
上記のように、この発明の方法による熱可塑性硬質脆性板の割断によれば、スクライブ時に発生するマイクロクラックを抑えることができ、スクライブ時のカレットの発生も抑制できるので、マイクロクラックや欠けのない鏡面の割断面が得られ、割断後のガラス板の破損やカレットの付着による不良品の発生を大幅に低減できる。
特に携帯端末のディスプレイ基板となるような薄いガラス板の割断においては、ブレークレスで割断することができ、またレーザビームのみで切断する方法やスクライブ後にレーザビームでブレークする方法に比べて、低出力のレーザ発振器の使用が可能で、切断時のレーザビームの条件設定も簡単なので、基板の製造コストを低減することができる。
実施例の割断装置の一例を示す斜視図 表面が軟化されたガラス板の模式的な部分断面図 表面を軟化してスクライブしたガラス板の模式的な部分断面図 従来の割断装置の一例を示す斜視図 従来方法でスクライブされたガラス板の模式的な拡大断面図
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。この発明の割断装置が、図4で示した従来装置と異なる点は、割断時の移動台2の移動方向dに対するレーザビームの照射点Pとカッタ4の押圧点Qの前後関係が逆になっている点である。すなわち、この発明の装置では、スクライブカッタ4による垂直クラックの生成に先行してレーザビームBによるガラス板wの加熱が行われる。
ガラス板wのスクライブ時には、移動台2の移動により、レーザビームの照射点Pがスクライブカッタ4の押圧点Qに先行して割断線aに沿って移動し、ガラス板wの表面側を軟化sさせる。そして、軟化sしているガラス板の表面にスクライブカッタ4が押圧されて移動することにより、スクライブ溝gが形成され、スクライブ溝gの先端から軟化していないガラス板の裏面側の部分に垂直クラックc(図3参照)が生成される。
この発明の割断装置の一例を示す図1において、wは割断しようとするガラス板、aはガラス板wの割断線、1はガラス板wを固定するテーブル、21は図示しない不動部材に装架された案内桁、2は送りモータ22で正逆回転する送りねじ23に螺合して案内桁21に沿って走行する移動台、dはガラス板wのスクライブ時における移動台2の移動方向、24は移動台2に設けた昇降モータ、25は移動台2に設けた鉛直方向のガイドに案内されて昇降モータ24で昇降する昇降台、3は昇降台25に装着されたカッタ、26はカッタ4に押圧力を付与する付勢シリンダ、3は焦点調整用の高さ調整器27を介して移動台2に装着されたレーザ発振器、Qはカッタ4の押圧点、Pはレーザ発振器3から照射されるレーザビームBの照射点、5は割断線aの直下の位置でテーブル1に貼着された薄い細幅の帯材(テーブル上の突条。例えば細幅の粘着テープ。)である。レーザビームの照射点Pは、カッタの押圧点Qのガラス板スクライブ時における移動方向前方に位置している。
テーブル1の上面には、真空源に連通された多数の吸着孔(図示されていない。)が設けられており、テーブル1上に載置されたガラス板wは、吸着孔に作用する負圧で吸着されて固定される。割断線aを帯材5の真上に位置させてガラス板wが吸着されると、図2、3に誇張して示すように、帯材5が貼付された部分でガラス板が上凸に屈曲して、ガラス板の当該部分に上面側に引張応力、下面側に圧縮応力が付与される。
この状態で、必要であればテーブル1を移動してガラス板wの割断線aをレーザビームの照射点P及びスクライブカッタの押圧点Qの移動軌跡上に位置決めし、レーザビームBを照射しかつシリンダ26でカッタ4をガラス板wに押圧しながら移動台2をスクライブ時の移動方向dに移動させる。すると、割断線上のレーザビームの照射点P部分が加熱されて軟化sし(図2)、その軟化sした部分にスクライブカッタ4が押圧されて、スクライブ溝gが形成され、その先端に垂直クラックcが発生し(図3)、この部分に作用している上方が引張側となる曲げ応力により、垂直クラックcの成長が助長されてガラス板wの裏面にまで達し、ガラス板wが割断される。この作用により、ガラス板wは移動台2の移動に伴って連続的に切断されてゆく。
上記の例は、テーブル1上に貼着した帯材5でガラス板wの割断線a部分に曲げ応力を付与した状態で割断する例を示したが、前述したように、ガラス板wの厚さが薄いときは、割断線aの部分に曲げ応力を付与することなく、ブレークレス割断が可能である。また、帯材5を用いてもブレークレス割断ができないような厚いガラス板に対しては、スクライブした後、昇降台25を上昇してカッタ4をガラス板wから離間させた状態でレーザビームBを照射しながら移動台2を復帰移動させることにより、レーザーによる熱応力でブレークを行って割断することもできる。
また、レーザーとして、エネルギー変換効率が高く、高出力化でき、光軸ずれがなく、ビーム品質に優れるとされるファイバレーザを用いるのも有効である。ファイバーレーザーを用いれば、出力ファイバーの先端とカッタとの間隔をより狭くすることが可能で、出力ファイバーの先端の位置を移動台の移動方向にネジなどで調整可能な構造とすることで、ガラス板の材質や板厚に応じてレーザービームの照射点Pとカッタの押圧点Qの間隔を調整可能にすることも比較的容易である。
1 テーブル
3 レーザ発振器
4 スクライブカッタ
a 割断線
B レーザビーム
c 垂直クラック
g スクライブ溝
P 照射点
s 軟化
w ガラス板

Claims (3)

  1. テーブル上に固定した硬質脆性板の所望の割断線に沿ってレーザビームの照射点を移動し、当該照射によって加熱されて表面側が軟化した前記割断線上にスクライブカッタを移動させることを特徴とする、硬質脆性板の割断方法。
  2. テーブルの前記割断線の下になる部分に突条を設けて、テーブル上に固定した硬質脆性板に上記割断線を稜部とする上凸の撓みを生じさせた状態で、前記レーザビームの照射点の移動及びスクライブカッタの押圧点の移動を行う、請求項1記載の硬質脆性板の割断方法。
  3. 割断しようとする硬質脆性板を負圧空気で吸引固定するテーブルと、このテーブルの上方でテーブル面と平行に移動する移動台と、この移動台に搭載されてレーザビームを前記テーブル上の硬質脆性板に向けて照射するレーザ発振器及び当該硬質脆性板に向けて付勢されたスクライブカッタとを備え、前記移動台は、スクライブ時に前記レーザビームの照射点がスクライブカッタの押圧点に先行して移動する方向に移動する、硬質脆性板の割断装置。
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