Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2017066949A - 可変容量形ベーンポンプ - Google Patents

可変容量形ベーンポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP2017066949A
JP2017066949A JP2015192392A JP2015192392A JP2017066949A JP 2017066949 A JP2017066949 A JP 2017066949A JP 2015192392 A JP2015192392 A JP 2015192392A JP 2015192392 A JP2015192392 A JP 2015192392A JP 2017066949 A JP2017066949 A JP 2017066949A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam ring
pump
pressure chamber
fluid pressure
rotor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015192392A
Other languages
English (en)
Inventor
良晃 城戸
Yoshiaki Kido
良晃 城戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2015192392A priority Critical patent/JP2017066949A/ja
Publication of JP2017066949A publication Critical patent/JP2017066949A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)

Abstract

【課題】ポンプ室の内圧に起因したポンプハウジング等の変形を抑制し得る可変容量形ベーンポンプを提供する。【解決手段】ポンプ要素収容部1aを有するポンプハウジング1と、ポンプ要素収容部内に回転可能に設けられたロータ12と、ロータ外周部に出没自在に設けられた複数のベーン13と、ポンプ要素収容部内に偏心移動可能に設けられ、ロータ及びベーンと共に複数のポンプ室14を隔成するカムリング4と、を備えた可変容量形ベーンポンプにおいて、ポンプハウジングの内周面の第1吐出口17側の部位にカムリングを当接支持する平面状のカムリング支持面36を形成する一方、カムリングの外周面のカムリング支持面と対向する部位に平面状のカムリング側当接面37を形成した。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車の無段変速機やパワーステアリング装置の駆動源として用いられる可変容量形ベーンポンプに関する。
この種の従来の可変容量形ベーンポンプとしては、以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
この可変容量形ベーンポンプは、内部にポンプ要素収容部を有するポンプハウジングと、前記ポンプ要素収容部内に挿通配置された駆動軸と、前記ポンプ要素収容部内に設けられ、該駆動軸によって回転駆動されるロータと、該ロータの外周部に出没自在に設けられた複数のベーンと、該各ベーンの外周側に偏心揺動可能に設けられ、内周側に前記ロータ及びベーンと共に複数のポンプ室を形成するカムリングと、該カムリングの偏心制御に供される制御バルブと、を備えている。
前記各ポンプ室は、前記ロータの回転に伴って容積が増大する吸入領域において、内部に生じる負圧に基づき作動油を吸入し、その後、この吸入した作動油を、前記ロータの回転に伴って容積が減少する吐出領域において、内部に生じる正圧に基づきポンプ外部へ吐出するようになっている。また、前記各ポンプ室は、前記カムリングのロータに対する偏心量(以下、単に「偏心量」と呼ぶ)が増大するにつれて、吐出する作動油の油量(吐出量)が増大するように設定されている。
前記カムリングは、その吐出領域側の外周部に形成された円弧凹状のピボット溝と前記ポンプハウジングの吐出領域側の内周部に形成された円弧凹状の支持溝との間に挿通されたピボットピンを支点として揺動するようになっている。
特開2012−87777号公報
ところで、前記従来の可変容量形ベーンポンプにあっては、前述したように、吐出領域に位置するポンプ室に正圧が生じるようになっているが、この正圧は、同時に前記カムリングに前記ピボットピン方向への押圧力を生じさせてしまう。
このため、前記従来の可変容量形ベーンポンプを、例えば高圧大容量の作動油を要する大型車両に適用した場合には、前記吐出領域に位置するポンプ室の内圧が高圧となった際に、前記ピボットピンに対して狭い当接面積にて接触する前記ピボット溝や支持溝に応力集中が発生して、前記ポンプハウジングやカムリングが部分的に変形してしまうおそれがある。
本発明は、かかる技術的課題に鑑みて案出されたもので、ポンプ室の内圧に起因したポンプハウジング等の変形を抑制し得る可変容量形ベーンポンプを提供するものである。
本発明は、とりわけ、内部にポンプ要素収容部を有するポンプハウジングと、前記ポンプ要素収容部内に挿通され、前記ポンプハウジングに軸支される駆動軸と、前記ポンプ要素収容部内に設けられ、前記駆動軸によって回転駆動されると共に、円周方向に複数個のスロットを有するロータと、前記スロットに出没自在に設けられた複数のベーンと、前記ポンプ要素収容部内に移動可能に設けられ、内周側に前記ロータ及び前記ベーンと共に複数のポンプ室を形成する環状のカムリングと、前記ポンプハウジングに形成され、前記ロータの回転に伴い前記複数のポンプ室の容積が増大する吸入領域に開口する吸入口と、前記ポンプハウジングに形成され、前記ロータの回転に伴い前記複数のポンプ室の容積が減少する吐出領域に開口する吐出口と、前記ポンプハウジングの前記吐出口側の内周面に設けられ、前記カムリングの外周面と当接することで前記カムリングを支持すると共に、該カムリングの移動方向がほぼ直線的となるように平面状に形成されたカムリング支持面と、前記カムリングの前記カムリング支持面と対向する外周部に設けられ、該カムリング支持面と当接するように平面状に形成されたカムリング側当接面と、前記ポンプ要素収容部と前記カムリングの径方向間にそれぞれ隔成され、前記カムリングの偏心量が増大する側に前記カムリングが移動する場合において、容積が減少する側に設けられた第1流体圧室及び容積が増大する側に設けられた第2流体圧室と、該第2流体圧室の内部に設けられて、前記カムリングを前記第1流体圧室側に付勢する付勢部材と、前記第1流体圧室と前記第2流体圧室の両方の圧力を制御するか、あるいは前記第1流体圧室または前記第2流体圧室のいずれか一方の圧力を制御する制御バルブと、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、ポンプ室の内圧に起因したポンプハウジング等の変形を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る可変容量形ベーンポンプの横断面図である。 図1のA−A線断面図である。 同可変容量形ベーンポンプの機関低回転時における作動説明図である。 同可変容量形ベーンポンプの機関高回転時における作動説明図である。 第2実施形態に係る可変容量形ベーンポンプの横断面図である。 第3実施形態に係る可変容量形ベーンポンプの横断面図である。
以下、本発明に係る可変容量形ベーンポンプの各実施形態を図面に基づいて詳述する。
〔第1実施形態〕
本実施形態に係る可変容量形ベーンポンプ(以下、単に「ポンプ」と呼ぶ)は、図1及び図2に示すように、内部にポンプ要素収容部1aを有するポンプハウジング1と、前記ポンプ要素収容部1a内に挿通配置された駆動軸2と、前記ポンプ要素収容部1a内に前記駆動軸2と一体回転可能に設けられて作動油の吸入及び吐出動作(ポンプ動作)を行うポンプ要素3と、該ポンプ要素3の外周側に前記駆動軸2の軸心に対して偏心移動可能に設けられ、該駆動軸2の軸心に対する偏心量の変化に伴い、前記ポンプ要素3が吐出する作動油の吐出量や吐出圧を変動させる円環状のカムリング4と、該カムリング4の偏心量制御に供される制御バルブ5と、から主として構成されている。
前記ポンプハウジング1は、図1〜図3に示すように、有底円筒状に形成されたハウジング本体6と、該ハウジング本体6の開口部を閉塞するハウジングカバー7と、前記ハウジング本体6の内底部に配置された円盤状のプレッシャプレート8と、前記ハウジング本体6の内周面に嵌着固定された円環状のアダプタリング9と、を備えている。
前記ハウジング本体6とハウジングカバー7は、それぞれ外周部に形成された複数のボルト挿通孔6a,7aにボルト10が挿通螺着することで共締め固定されている。また、前記ハウジング本体6とハウジングカバー7は、軸方向のほぼ中央位置にそれぞれ軸受孔6b,7bが貫通形成されており、該各軸受孔6b,7bによって前記駆動軸2の両端部を回転自在に支持するようになっている。
前記アダプタリング9は、前記ハウジングカバー7とプレッシャプレート8とによって挟持固定されていると共に、内周面と外周面との間の肉厚部位に円柱状のピン孔9aが穿設されている。このピン孔9aには、前記ハウジング本体6に対するアダプタリング9の円周方向の位置決めをすると共に、該アダプタリング9の回動を規制する回転規制ピン11が挿通されている。
前記駆動軸2は、図外のエンジンからギヤ等を介して伝達された駆動力によって図1中の反時計方向(矢印方向)へ回転するようになっている。
前記ポンプ要素3は、図1〜図3に示すように、外周部の円周方向ほぼ等間隔位置に放射状に切欠形成された複数のスロット12aを有するロータ12と、前記各スロット12aにそれぞれ出没自在に設けられた複数の矩形板状のベーン13と、を備えている。
前記ロータ12は、前記駆動軸2の外周に一体回転可能にスプライン結合されている。また、前記ロータ12は、前記各スロット12aの内側基端部に吐出圧が導入される断面ほぼ円形状の背圧室12bが形成され、ポンプ稼働時において後述する第1,第2背圧ポート31a,31bを介して前記各背圧室12bに導入される吐出圧と自身の回転に伴う遠心力とに基づき前記各ベーン13を前記カムリング4の内周面方向(進出方向)へ押し出すようになっている。そして、前記ロータ12の外周面と、カムリング4の内周面及び隣り合う一対のベーン13,13とによって、前記ハウジングカバー7とプレッシャプレート8との間に複数のポンプ室14を隔成している。
前記各ポンプ室14は、前記ロータ12の回転に伴い内部容積が増減するように形成され、前記ポンプ要素収容部1aのうち、容積が漸次増大する領域である吸入領域において内部に負圧が発生する一方、容積が漸次減少する領域である吐出領域において内部に正圧が発生するようになっている。また、前記各ポンプ室14は、前記カムリング4の偏心量が増大するにしたがって、前記ロータ12の回転に伴う容積の変化量が増大するようになっている。
また、前記各ポンプ室14を構成する前記プレッシャプレート8のロータ12側の一端面8a及び前記ハウジングカバー7の内端面7cには、前記吸入領域に開口するほぼ円弧凹状の第1吸入口15及び第2吸入口16と、前記吐出領域に開口するほぼ円弧凹状の第1吐出口17及び第2吐出口18とが、それぞれ前記駆動軸2を挟んでほぼ対向するように切欠形成されている。
前記第1吸入口15は、前記プレッシャプレート8に穿設された吸入孔19と、前記ハウジング本体6の内底面に開口形成された第1吸入圧室20と、該第1吸入圧室20から前記ハウジング本体6の外径方向に延設された連通路21及び前記ハウジング本体6の外側面に開口形成された吸込口22とからなる第1吸入通路を介してオイルパン23(図3参照)に接続されている。一方、前記第2吸入口16も、前記ハウジングカバー7の内側面に開口形成された第2吸入圧室24と、該第2吸入圧室24と吸込口22とを連通する連通路25及び吸込口22とからなる第2吸入通路を介して同じくオイルパン23に接続されている。
前記第1吐出口17は、前記プレッシャプレート8に穿設された吐出孔26と、前記ハウジング本体6の内底面に開口形成された吐出圧室27とを介して吐出通路28の上流端に接続されている。この吐出通路28は、流路の途中に通路絞り部であるメータリングオリフィス29を有していると共に、下流端が図外の無段変速機やパワーステアリング装置等に接続されている。
かかる構成から、前記各ポンプ室14は、図3に示すように、前記オイルパン23内に貯留された作動油を、前記吸入領域において生じる負圧に基づき前記第1,第2吸入通路からなる吸入通路30を介して吸入し、その後、この吸入した作動油を、前記吐出領域において生じる正圧に基づき前記吐出孔26と、吐出圧室27及び吐出通路28を介して無段変速機やパワーステアリング装置等へ吐出(供給)するようになっている。
さらに、前記プレッシャプレート8のロータ12側の一端面8a及び前記ハウジングカバー7の内端面7cには、図1〜図3に示すように、ほぼ円環状に形成された第1,第2背圧ポート31a,31bが、それぞれ前記各背圧室12bに臨むように配設されている。これら背圧ポート31a,31bは、それぞれ図外の油通路を介して前記吐出圧室27と連通しており、該吐出圧室27から吐出圧が常時供給されるようになっている。
前記カムリング4は、鉄系金属の焼結材によって一体形成されている。また、前記カムリング4の内周面のうち、前記吸入領域と吐出領域のいずれにも属さない領域(以下、「ベーン閉じ込み領域X」と呼ぶ)に位置する部位にあっては、該ベーン閉じ込み領域Xに位置するベーン13のロータ12外周面からのベーン飛び出し量Wが前記ロータ12の回転によってほとんど変動しない定圧のカムプロファイル(輪郭形状)を有するように形成されている。
また、前記カムリング4は、その外周面と前記アダプタリング9の内周面との間に供給される油圧に基づき偏心移動するようになっている。
具体的に説明すると、前記カムリング4とアダプタリング9との径方向間には、図1及び図3に示すように、前記カムリング4の偏心移動がほぼ直線的となるように該カムリング4を案内するスライド機構32と、該スライド機構32に対して前記駆動軸2を挟んだほぼ反対側に配置されたシール機構33と、が設けられている。
そして、これらスライド機構32とシール機構33とを挟んだ前記カムリング4とアダプタリング9との径方向間には、前記カムリング4が偏心移動した場合に容積が減少する第1流体圧室34と、前記カムリング4が偏心移動した場合に容積が増大する第2流体圧室35と、が隔成され、これら第1,第2流体圧室34,35に油圧が供給されることで、前記カムリング4が偏心移動するようになっている。
前記スライド機構32は、前記アダプタリング9の内周面のうち前記第1吐出口17側の所定部位に設けられた平面状のカムリング支持面36と、前記カムリング4の外周面のカムリング支持面36と対向する部位に、該カムリング支持面36とほぼ平行となるように設けられた平面状のカムリング側当接面37と、を備えている。
前記カムリング支持面36は、吐出領域に位置するポンプ室14の内圧によってカムリング支持面36方向に押圧されるカムリング4を、前記カムリング側当接面37と当接することによって支持すると共に、図1に示す偏心方向Pへ移動するように案内するようになっている。
前記カムリング側当接面37は、偏心方向Pに沿った方向の長さが、前記カムリング支持面36の偏心方向Pに沿った方向の長さよりも短く形成され、前記カムリング4の偏心位置にかかわらず前記カムリング支持面36と常時摺接する。
また、前記カムリング側当接面37には、作動油の捕集に供される油溝である捕集溝38が設けられている。この捕集溝38は、前記カムリング側当接面37の駆動軸2の軸方向に沿って複数並設されていると共に、それぞれ偏心方向Pに沿って長溝状に延出形成されており、前記カムリング支持面36やカムリング側当接面37に付着した作動油を捕集して保持するようになっている。
なお、前記カムリング4は、前記カムリング側当接面37が前記カムリング支持面36に当接することによって、前記アダプタリング9内での回転が規制されるようになっている。
前記シール機構33は、前記アダプタリング9の内周面のうち前記第1吸入口15側の所定部位に設けられた平面部39と、該平面部39に設けられた一対の第1,第2シール溝40a,40bと、該各シール溝40a,40b内にそれぞれ収容される一対の第1,第2シール部材41a,41bと、前記カムリング4の外周面の平面部39と対向する部位に、該平面部39とほぼ平行となるように設けられた平面状のシール摺接面42と、を備えている。
前記平面部39は、前記カムリング4の偏心方向Pとほぼ平行、すなわち前記アダプタリング9のカムリング支持面36とほぼ平行となるように形成されている。
前記各シール溝40a,40bは、前記カムリング4の偏心方向P(前記駆動軸2の円周方向)に沿って互いに離間して配置され、それぞれ前記シール摺接面42に対して開口するように矩形凹状に形成されていると共に、前記駆動軸2の軸方向に沿って延出形成されている。
前記各シール部材41a,41bは、例えば合成樹脂材やゴム材等の弾性材料によって断面ほぼ矩形状に形成されると共に、前記駆動軸2の軸方向に沿って延出形成されており、前記各シール溝40a,40b内にそれぞれ収容された際に、前記カムリング4側の先端面が前記シール摺接面42に当接することでシール機能を発揮するようになっている。
前記シール摺接面42は、前記カムリング4の偏心位置にかかわらず、前記各シール部材41a,41bと常時当接するように形成され、前記第1流体圧室34と第2流体圧室35との間の液密性を確保するようになっている。
また、前記平面部39の両シール溝40a,40bの間には、円弧凹状の吸入圧導入溝43が設けられている。この吸入圧導入溝43は、前記駆動軸2の軸方向に沿って延出形成されていると共に、その軸方向端部の少なくともいずれか一方が、図外の油通路を介して前記吸入通路30に連通している。そして、吸入圧導入溝43と、第1,第2シール部材41a,41b及びシール摺接面42とによって隔成される空間内に吸入圧を常時導入するようになっている。
また、前記カムリング4とアダプタリング9との径方向間には、付勢部材であるカムスプリング44が設けられている。このカムスプリング44は、前記カムリング4の第2流体圧室35側の外周面に切欠形成されたスプリング収容溝45と、前記アダプタリング9のスプリング収容溝45と対向する内周面に切欠形成されたスプリング収容凹部46との間に介装され、前記カムリング4に対して偏心方向Pへのばね力(付勢力)を付与するように配設されている。そして、このばね力に基づき、前記カムリング4を偏心量が最大となる方向へ常時付勢するようになっている。
前記制御バルブ5は、図1及び図3に示すように、前記第1,第2流体圧室34,35の両方の内圧を調整することによって前記カムリング4の偏心制御を行う、いわゆる全圧式の制御バルブであって、前記ハウジング本体6に前記駆動軸2と直交するように穿設された制御バルブ収容孔51と、該制御バルブ収容孔51の内部に移動可能に設けられたスプール弁体52と、前記制御バルブ収容孔51の軸方向一端側に設けられ、前記スプール弁体52に軸方向他端側への付勢力を付与するソレノイド53と、前記制御バルブ収容孔51の軸方向の他端開口を閉塞するプラグ54と、該プラグ54と前記スプール弁体52との間に介装され、該スプール弁体52を軸方向一端側へ付勢するバルブスプリング55と、を備えている。
前記スプール弁体52は、前記ソレノイド53側の軸方向一端側に第1ランド部52aが形成されていると共に、前記プラグ54側の軸方向他端部に第2ランド部52bが形成されている。
そして、これら第1,第2ランド部52a,52bは、それぞれ外周面が前記制御バルブ収容孔51の内周面と微小なクリアランスをもって摺接して、該制御バルブ収容孔51の内部空間を第1〜第3圧力室56〜58に隔成するようになっている。
前記第1圧力室56は、前記制御バルブ収容孔51の第1ランド部52aよりもソレノイド53側に形成されていると共に、第1スプール制御圧導入通路59を介して前記メータリングオリフィス29よりも上流側の前記吐出通路28と連通しており、内部に前記メータリングオリフィス29上流側の吐出圧が導入されるようになっている。なお、前記第1スプール制御圧導入通路59には、流路面積を絞ることによって作動油の脈動等を低減させるダンパオリフィス59aが設けられている。
前記第2圧力室57は、前記制御バルブ収容孔51の第2ランド部52bよりもプラグ54側に形成されていると共に、第2スプール制御圧導入通路60を介して前記メータリングオリフィス29よりも下流側の前記吐出通路28と連通しており、内部に前記メータリングオリフィス29下流側の吐出圧が導入されるようになっている。
前記第3圧力室58は、前記制御バルブ収容孔51の第1ランド部52aと第2ランド部52bとの間に設けられていると共に、図3に示すように、連通孔61を介して前記ポンプハウジング1の外部と連通しており、内部に大気圧が導入されるようになっている。
また、前記第1,第2ランド部52a,52bの外周面とオーバーラップする前記制御バルブ収容孔51の内周面の所定部位には、それぞれ円環状の第1,第2環状溝62,63が切欠形成されている。
前記第1ランド部52a側の第1環状溝62は、前記スプール弁体52の摺動位置に応じて前記第1圧力室56または第3圧力室58と適宜連通すると共に、その溝底に貫通形成された第1流体圧導入通路64と、該第1流体圧導入通路64と連通するように前記アダプタリング9に穿設された第1流体圧導入孔65とを介して前記第1流体圧室34に接続されている。
一方、前記第2ランド部52b側の第2環状溝63は、前記スプール弁体52の摺動位置に応じて前記第2圧力室57または第3圧力室58と適宜連通すると共に、その溝底に貫通形成された第2流体圧導入通路66と、該第2流体圧導入通路66と連通するように前記アダプタリング9に穿設された第2流体圧導入孔67とを介して前記第2流体圧室35に接続されている。
前記第1流体圧導入孔65は、前記第1流体圧室34と連通する側の開口端が、前記アダプタリング9の内周面のうちカムリング支持面36を避けた位置に配置される一方、前記第2流体圧導入孔67も、前記第2流体圧室35と連通する側の開口端が、前記アダプタリング9の内周面のうちカムリング支持面36を避けた位置に配置されている。
前記ソレノイド53は、車両の運転状況等に応じて駆動制御され、前記第1圧力室56の内部に伸縮自在に設けられたロッド53aを介して前記スプール弁体52の一端面を押圧することで、補助的に前記スプール弁体52の位置制御を行うようになっている。
〔本実施形態の作用効果〕
まず、エンジンの始動に伴い前記駆動軸2が回転すると、図3に示すように、前記カムリング4がカムスプリング44のばね力によって前記ロータ12に対して最大偏心した状態で該ロータ12が回転する。すると、前記カムリング4内でポンプ作動が行われ、前記第1,第2吸入口15,16から吸入された作動油が前記各ポンプ室14内の容積変化に伴って加圧された後に、前記第1吐出口17等を介して前記吐出通路28へ吐出される。そして、前記吐出通路28に吐出された作動油は、大部分が前記メータリングオリフィス29を通過して図外の無段変速機やパワーステアリング装置等へ供給されることとなる。
このとき、作動油の一部は、前記メータリングオリフィス29の上流側から前記第1圧力室56へ導入されると共に、前記メータリングオリフィス29の下流側から前記第2圧力室57へ導入される。そして、前記第1圧力室56内の作動油の流体圧と第2圧力室57内の作動油の流体圧との差圧(以下、「バルブ内差圧」と呼ぶ。)に基づき、前記制御バルブ5の位置制御及びこれに伴う吐出量の制御が行われることとなる。
具体的に説明すると、前記バルブ内差圧が所定値に到達するまでの間において、前記スプール弁体52は、図3に示すように、前記バルブスプリング55のばね力によって前記第1圧力室56側へ押し付けられた状態に維持される。
そうすると、前記第1流体圧室34は、前記第1圧力室56との接続が遮断され、前記第3圧力室58と連通することから、内部に大気圧が導入される一方、前記第2流体圧室35は、前記第2圧力室57と連通することにより、内部に吐出圧が導入される。
これにより、前記カムリング4が、前記第2流体圧室35に作用する吐出圧と前記カムスプリング44のばね力によって最大偏心位置に保持されることから、前記ポンプの吐出量が前記ロータ12の回転速度の上昇にほぼ比例して増加する。
次に、前記駆動軸2の回転速度が上昇し、吐出圧の増大に伴い前記メータリングオリフィス29前後の差圧が増大し、これに伴い前記バルブ内差圧が所定値以上になると、図4に示すように、該バルブ内差圧に応じて前記スプール弁体52が前記プラグ54側に所定量ストローク移動する。
そうすると、前記第2流体圧室35は、前記第2圧力室57との接続が遮断され、前記第3圧力室58と連通することから、内部に大気圧が導入される一方、前記第1流体圧室34には、前記第1圧力室56と連通することで吐出圧が導入される。
これにより、前記カムリング4が、第1流体圧室34に作用する吐出圧によって前記カムスプリング44のばね力に抗して偏心量が減少する方向、つまり前記第2流体圧室35側へスライド移動することから、前記ポンプの吐出量が減少することとなる。
そして、本実施形態では、前記カムリング4を支持するカムリング支持面36と、該カムリング支持面36に当接するカムリング側当接面37と、をそれぞれ平面状に形成すると共に、該両者36,37を互いに広域な面積をもって当接するようにした。
これにより、前記カムリング側当接面37を介して前記カムリング支持面36に対して作用する、吐出領域に位置するポンプ室14の内圧に基づく押圧力Qを、前記カムリング支持面36の広い面積で分散して受けることができるため、前記アダプタリング9に応力集中に基づく変形が生じるのを抑制できる。同様に、前記カムリング側当接面37も、前記押圧力Qの反力を広い面積で分散して受けることができるため、前記カムリング4の応力集中に基づく変形も抑制できる。
したがって、本実施形態によれば、前記吐出領域に位置するポンプ室14の内圧に基づくカムリング4やアダプタリング9の変形を抑制し、もってポンプの耐久性を向上することができる。
また、この耐久性の向上に伴い、前記ポンプがより高い吐出圧や吐出量にも対応できるようになることから、該ポンプを高圧大流量の作動油を要する大型車両に適用することも容易に行うことができる。
さらに、本実施形態では、前記カムリング4とアダプタリング9の径方向間における前記第1流体圧室34と第2流体圧室35との間を、前記第1シール部材41aと第2シール部材41bとからなる二重シール構造によってシールするようにしたことから、前記両流体圧室34,35間においてシール機能を十分に発揮することができる。
また、本実施形態では、前記カムリング4の制御方式を全圧式としたことから、前記カムリング4の偏心制御に際して該カムリング4に高い付勢力が作用するようになっている。これにより、前記カムリング4が、たとえ前記アダプタリング9やプレッシャプレート8等に対して固着した場合であっても、高い付勢力に基づき前記カムリング4を偏心方向Pに沿って移動させることが可能となる。
なお、この構成は、本発明を作動油内にコンタミが生じやすく、該コンタミが詰まることによる前記カムリング4とプレッシャプレート8との間の固着が懸念されるCVT用のポンプに適用する場合において、特に有用となる。
さらに、本実施形態では、前記全圧式のポンプにおいて、前記両流体圧室34,35間を隔成する前記第1,第2シール部材41a,41bの間に吸入圧を導入する吸入圧導入溝43を設けた。
これにより、前記第1,第2流体圧室34,35のいずれに吐出圧が導入される場合であっても、前記各シール溝40a,40b内に収容された各シール部材41a,41bが、前記吸入圧導入溝43内の吸入圧に基づき該吸入圧導入溝43側に引き寄せられた状態に維持されることから、前記第1,第2流体圧室34,35の内圧の変動に係る各シール部材41a,41bの暴れを抑制することができる。この結果、前記各シール部材41a,41bによる前記第1,第2流体圧室34,35間のシール性の向上や、該各シール部材41a,41bの耐久性の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、前記シール摺接面42を平面状に形成したことから、該シール摺接面42と前記各シール部材41a,41bの先端面との当接性が向上するため、前記第1,第2流体圧室34,35間の液密性がさらに向上する。
特に、本実施形態では、前記シール摺接面42を、前記カムリング4の摺動位置に依らず前記各シール部材41a,41bと常時当接するようにしたことから、前記第1,第2流体圧室34,35間の液密性をより一層向上できる。
また、本実施形態では、前記カムリング支持面36とシール摺接面42とを互いに平行となるように形成したことから、前記カムリング4の偏心移動に伴って前記シール摺接面42が前記各シール部材41a,41bに対して接近したり、離間したりすることがない。これにより、前記各シール部材41a,41bのカムリング4の径方向への移動が抑制されることから、前記各シール部材41a,41bの耐久性を向上させることができる。
さらに、前記各シール部材41a,41bをカムリング4の径方向への移動を考慮して該カムリング4の径方向へ長尺に形成するといった必要がないことから、これに伴い前記各シール部材41a,41bを収容する各シール溝40a,40bの溝深さを深く形成する必要も同様になくなる。これにより、前記アダプタリング9のシール機構33を構成する箇所の肉厚を確保できることから、該アダプタリング9の耐久性をより一層向上できる。
また、本実施形態では、前記各流体圧導入孔65,67のそれぞれ対応する流体圧室34,35と連通する側の開口端を、前記アダプタリング9内周面のカムリング支持面36を避けた位置に配置したことから、該カムリング支持面36が前記カムリング4の偏心移動に際して前記各流体圧導入孔65,67を塞いでしまうといった問題が生じない。これにより、前記第1,第2流体圧室34,35内にそれぞれ適切に油圧が導入されることから、前記カムリング4の偏心制御の精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、前記カムリング側当接面37に、作動油を捕集する捕集溝38を設けたことから、前記カムリング支持面36にカムリング側当接面37が当接している場合において両者36,37間に作動油が供給される。これにより、前記カムリング支持面36とカムリング側当接面37との間のスムーズな摺動性が確保されると共に、該両者36,37間に焼き付きが生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、前記捕集溝38を、前記第1,第2流体圧室34,35を連通しないように設けたことから、前記捕集溝38を介しての各流体圧室34,35の作動油の漏出が抑制されるため、前記カムリング4の偏心制御の精度がより一層向上する。
ところで、ベーンタイプの可変容量形ポンプでは、カムリング内周面のベーン閉じ込み領域におけるカムプロファイルを、所定の勾配を有する曲線状とすることによって、閉じ込み領域に位置するポンプ室の内圧を吐出領域に達する前に予め所望の圧力状態に調整するといった方法が一般に行われている。
しかしながら、特許文献1に記載された可変容量形ベーンポンプのような、ポンプハウジングとカムリングとの間に介装された揺動支点ピンを支点としてカムリングが揺動するタイプの可変容量形ベーンポンプにあっては、揺動に際して前記カムプロファイルの勾配が変動してしまうため、特定の偏心状態において所望のカムプロファイルが得られたとしても、それ以外の偏心状態においては所望のカムプロファイルを得ることができない。
これに対して、本実施形態のポンプは、前記カムリング4の偏心移動をほぼ直線的としたことから、移動に応じてカムリング4の内周面が離間もしくは接近することはあっても、そのカムプロファイルの勾配が変化することはない。このため、本実施形態によれば、前記カムリング4の偏心状態に依らずに一貫したカムプロファイルを得ることが可能となる。
なお、本実施形態のポンプは、前述したように、前記ベーン飛び出し量Wが一定となるカムプロファイルに設定されている。これにより、前記ベーン閉じ込み領域Xに位置するポンプ室14の内圧は、前記駆動軸2の回動に伴って吐出領域に差し掛かるまで常に一定に保たれるようになっている。
また、本実施形態では、前記ピン孔9aを前記アダプタリング9の内周面と外周面との間の肉厚部位に設けると共に、このピン孔9aに回転規制ピン11を挿通して前記ハウジング本体6に対するアダプタリング9の円周方向の位置決めをするようにしたことから、前記回転規制ピン11が前記カムリング4のスライド移動を妨げることがない。
〔第2実施形態〕
図5は本発明の第2実施形態を示し、基本構成は第1実施形態と同様であるが、カムリング4の偏心制御を、第1,第2流体圧室34,35の両方の油圧制御に基づき行う全圧式から、第1流体圧室34の油圧のみを制御することにより行う、いわゆる低圧式に変更したものである。
すなわち、本実施形態に係るポンプは、第3圧力室58が、その内部に前記吸入部と連通する図外の連通路を介して吸入圧が常時供給されるように変更されている。また、第2環状溝63が廃止されると共に、第2流体圧導入通路66が、スプール弁体52の摺動位置に依らず前記第3圧力室58と常時連通するようになっている。かかる構成から、前記第2流体圧室35の内部には、常時吸入圧が導入されるようになっている。
なお、本実施形態では、前記第1流体圧室34の内圧が前記第2流体圧室35の内圧よりも常に高圧となり、前記平面部39上にシール部材の暴れを抑制する吸入圧導入溝43を設ける必要がないことから、該吸入圧導入溝43が廃止されている。また、前記シール機構33による前記平面部39とシール摺接面42との間のシールも、前記第1,第2シール部材41a,41bによる二重シール構造から、前記第1シール部材41aのみによるシール構造に変更され、前記平面部39から第2シール溝40b及び第2シール部材41bが廃止されている。
したがって、本実施形態によれば、前記第1流体圧室34内の油圧とカムスプリング44のばね力との相対差に基づき、前記カムリング4の偏心制御が行われることとなるが、この場合においても、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施形態では、前記第2流体圧室35の内部に常時吸入圧が導入され、吐出圧が作用しないことから、該吐出圧が前記第2流体圧室35を介してポンプ外部へ漏出するといった問題が生じ得ない。これにより、ポンプ効率の低下を抑制することができる。
〔第3実施形態〕
図6は本発明の第3実施形態を示し、基本構成は第2実施形態と同様であるが、
カムリング支持面36を、後述する仮想線Lに対して傾斜状に形成したものである。
すなわち、本実施形態のカムリング支持面36は、前記ロータ12の回転方向における前記第1吸入口15の終端15eと前記第1吐出口17の始端17sの中間点を第1中間点M1とし、前記吐出口17の終端17eと前記吸入口15の始端15sの中間点を第2中間点M2とした場合において、前記第1中間点M1と第2中間点M2を通る仮想線L(図6の二点鎖線を参照)との距離Dが第1中間点M1側から第2中間点M2側に向かって徐々に小さくなるように傾斜状に形成されている。
また、これに伴い、前記カムリング支持面36と対向する前記カムリング4のカムリング側当接面37も、前記カムリング支持面36とほぼ平行となるように傾斜状に形成され、これによって前記カムリング4の移動方向が、前記カムリング支持面36の傾斜方向とほぼ平行な偏心方向P2に規制されるようになっている。
さらに、前記シール機構33を構成する平面部39及びシール摺接面42も、前記カムリング支持面36とほぼ平行となるように傾斜状に形成され、また、前記カムスプリング44も、そのばね力が前記カムリング支持面36の傾斜方向、すなわち前記カムリング4の偏心方向P2に沿って発揮されるように配設されている。
低圧式のポンプは、前記第2流体圧室35内に吸入圧が導入されることにより、該第2流体圧室35からの作動油の漏出が抑制されるといった利点があるものの、前記カムリング4を前記第1流体圧室34側に付勢する力が前記カムスプリング44のばね力のみとなることから、前記カムリング4を偏心移動させる際の付勢力不足が懸念される。
しかしながら、本実施形態では、前記カムリング支持面36に前述したような傾斜を設けたことから、前記押圧力Qの偏心方向P2成分である分力QP2を、前記カムリング4の偏心方向P2への付勢力として利用することができる。これにより、前記カムリング4の制御方式が低圧式の場合であっても、該カムリング4の偏心制御を問題なく行うことができる。
また、本実施形態では、前記カムスプリング44を、そのばね力が前記カムリング支持面36の傾斜方向に沿って発揮されるように配設したことから、前記カムスプリング44に曲げ荷重が発生せず、前記カムリング4に対して設計値通りのばね力を付与することができる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成を変更することも可能である。
例えば、前記各実施形態では、前記シール機構33を構成する各要素のうち、前記平面部39及び第1,第2シール溝40a,40bが前記アダプタリング9側に設けられる一方、前記シール摺接面42が前記カムリング4側に設けられるものとして説明したが、これら各要素の配設箇所を入れ替えることも可能である。
また、前記各実施形態では、前記捕集溝38をカムリング側当接面37に設けるものとして説明したが、この捕集溝38を前記カムリング支持面36に設けることもできる。この場合、前記捕集溝38を前記カムリング側当接面37と常時当接する範囲に限定して設けることにより、前記捕集溝38を介する前記第1,第2流体圧室34,35間の作動油の意図しない流動を抑制することができる。
さらに、前記各実施形態では、前記カムリング4のベーン閉じ込み領域Xに位置する内周面を、定圧のカムプロファイルを有するように形成するものとして説明したが、該領域に位置するポンプ室14が予め若干の圧縮(予圧縮)状態となるような、すなわち前記ロータ12の回転によって前記ベーン13のベーン飛び出し量Wが漸減するようなカムプロファイルに形成することも可能である。この場合、前記各ポンプ室14がベーン閉じ込み領域Xから吐出領域へと移行する際の圧力差が低減されることから、該圧力差に基づき発生する脈圧に伴う振動や騒音の抑制を図ることができる。
前記実施形態から把握される技術的思想について以下に説明する。
〔請求項a〕
請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記制御バルブは、前記第1流体圧室と前記第2流体圧室の両方の圧力を制御するように形成されていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
〔請求項b〕
請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記カムリングは、外周面に前記第1シール部材及び前記第2シール部材と摺接するシール摺接面を備え、
該シール摺接面は、平面状に形成されていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
〔請求項c〕
請求項bに記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記シール摺接面は、前記カムリングの偏心位置に依らず前記第1シール部材及び前記第2シール部材と常時摺接することを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
〔請求項d〕
請求項bに記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記シール摺接面は、前記カムリング支持面と平行となるように形成されていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
〔請求項e〕
請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記ポンプハウジングは、前記制御バルブから前記第1流体圧室及び前記第2流体圧室に圧力を導入する第1圧力導入孔及び第2圧力導入孔を有し、
前記第1圧力導入孔及び第2圧力導入孔の前記ポンプ要素収容部に臨む開口端は、それぞれ前記カムリング支持面を避けるように配置されていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
〔請求項f〕
請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記カムリング支持面または前記カムリング側当接面に油溝が形成されていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
〔請求項g〕
請求項fに記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記油溝は、前記第1流体圧室と前記第2流体圧室とを連通しないように設けられていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
〔請求項h〕
請求項2に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記付勢機構は、前記カムリング支持面の傾斜方向に沿って付勢力を発揮するように配置されていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
〔請求項i〕
請求項2に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記カムリングの前記吸入領域と前記吐出領域のいずれにも属さないベーン閉じ込み領域における内周面は、前記ベーンの前記ロータからの飛び出し量が前記ロータの回転によって変動しない定圧のカムプロファイルを有するように形成されていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
〔請求項j〕
請求項2に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記カムリングの前記吸入領域と前記吐出領域のいずれにも属さないベーン閉じ込み領域における内周面は、前記ベーンの前記ロータからの飛び出し量が前記ロータの回転によって漸減する予圧縮のカムプロファイルを有することを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
〔請求項k〕
請求項2に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、
前記ポンプハウジングは、前記ポンプ要素収容部の周壁を構成する環状のアダプタリングと、該アダプタリングを収容するハウジング本体と、を備え、
前記アダプタリングは、該アダプタリングの外周面と内周面との間に穿設されたピン孔に挿通される回転規制ピンによって、前記ハウジング本体に対して回転が規制された状態で収容されることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
1…ポンプハウジング
1a…ポンプ要素収容部
2…駆動軸
4…カムリング
5…制御バルブ
12…ロータ
12a…スロット
13…ベーン
15…第1吸入口(吸入口)
16…第2吸入口(吸入口)
17…第1吐出口(吐出口)
18…第2吐出口(吐出口)
33…シール機構
34…第1流体圧室
35…第2流体圧室
36…カムリング支持面
37…カムリング側当接面
41a…第1シール部材
41b…第2シール部材
44…カムスプリング(付勢部材)

Claims (2)

  1. 内部にポンプ要素収容部を有するポンプハウジングと、
    前記ポンプ要素収容部内に挿通され、前記ポンプハウジングに軸支される駆動軸と、
    前記ポンプ要素収容部内に設けられ、前記駆動軸によって回転駆動されると共に、円周方向に複数個のスロットを有するロータと、
    前記スロットに出没自在に設けられた複数のベーンと、
    前記ポンプ要素収容部内に移動可能に設けられ、内周側に前記ロータ及び前記ベーンと共に複数のポンプ室を形成する環状のカムリングと、
    前記ポンプハウジングに形成され、前記ロータの回転に伴い前記複数のポンプ室の容積が増大する吸入領域に開口する吸入口と、
    前記ポンプハウジングに形成され、前記ロータの回転に伴い前記複数のポンプ室の容積が減少する吐出領域に開口する吐出口と、
    前記ポンプハウジングの前記吐出口側の内周面に設けられ、前記カムリングの外周面と当接することで前記カムリングを支持すると共に、該カムリングの移動方向がほぼ直線的となるように平面状に形成されたカムリング支持面と、
    前記カムリングの前記カムリング支持面と対向する外周部に設けられ、該カムリング支持面と当接するように平面状に形成されたカムリング側当接面と、
    前記ポンプハウジングと前記カムリングの間における前記吸入口側に配置された第1シール部材及び第2シール部材を有するシール機構と、
    該シール機構によって前記ポンプ要素収容部と前記カムリングの径方向間にそれぞれ隔成され、前記カムリングの偏心量が増大する側に前記カムリングが移動する場合において、容積が減少する側に設けられた第1流体圧室及び容積が増大する側に設けられた第2流体圧室と、
    該第2流体圧室の内部に設けられて、前記カムリングを前記第1流体圧室側に付勢する付勢部材と、
    前記第1流体圧室と前記第2流体圧室の両方の圧力を制御するか、あるいは前記第1流体圧室または前記第2流体圧室のいずれか一方の圧力を制御する制御バルブと、
    を備えたことを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
  2. 内部にポンプ要素収容部を有するポンプハウジングと、
    前記ポンプ要素収容部内に挿通され、前記ポンプハウジングに軸支される駆動軸と、
    前記ポンプ要素収容部内に設けられ、前記駆動軸によって回転駆動されると共に、円周方向に複数個のスロットを有するロータと、
    前記スロットに出没自在に設けられた複数のベーンと、
    前記ポンプ要素収容部内に移動可能に設けられ、内周側に前記ロータ及び前記ベーンと共に複数のポンプ室を形成する環状のカムリングと、
    前記ポンプハウジングに形成され、前記ロータの回転に伴い前記複数のポンプ室の容積が増大する吸入領域に開口する吸入口と、
    前記ポンプハウジングに形成され、前記ロータの回転に伴い前記複数のポンプ室の容積が減少する吐出領域に開口する吐出口と、
    前記ポンプハウジングの前記吐出口側の内周面に設けられ、前記カムリングの外周面と当接することで前記カムリングを支持すると共に、該カムリングの移動方向がほぼ直線的となるように平面状に形成されてかつ、
    前記ロータの回転方向における前記吸入口の終端と前記吐出口の始端の中間点を第1中間点とし、前記吐出口の終端と前記吸入口の始端の中間点を第2中間点とした場合において、前記第1中間点と前記第2中間点を通る仮想線との距離が前記第1中間点側から前記第2中間点側に向かって徐々に小さくなるように傾斜状に形成されたカムリング支持面と、
    前記カムリングの前記カムリング支持面と対向する外周部に設けられ、該カムリング支持面と当接するように平面状に形成されたカムリング側当接面と、
    前記ポンプ要素収容部と前記カムリングの径方向間にそれぞれ形成され、前記カムリングの偏心量が増大する側に前記カムリングが移動する場合において、容積が減少する側に設けられた第1流体圧室及び容積が増大する側に設けられた第2流体圧室と、
    該第2流体圧室の内部に設けられて、前記カムリングを前記第1流体圧室側に付勢する付勢部材と、
    前記第1流体圧室の圧力を制御する制御バルブと、
    を備えたことを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
JP2015192392A 2015-09-30 2015-09-30 可変容量形ベーンポンプ Pending JP2017066949A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015192392A JP2017066949A (ja) 2015-09-30 2015-09-30 可変容量形ベーンポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015192392A JP2017066949A (ja) 2015-09-30 2015-09-30 可変容量形ベーンポンプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017066949A true JP2017066949A (ja) 2017-04-06

Family

ID=58492062

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015192392A Pending JP2017066949A (ja) 2015-09-30 2015-09-30 可変容量形ベーンポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017066949A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109406225A (zh) * 2018-12-12 2019-03-01 青岛海颐天仪器有限公司 用于大气中烟气及颗粒物采集的真空采样泵

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109406225A (zh) * 2018-12-12 2019-03-01 青岛海颐天仪器有限公司 用于大气中烟气及颗粒物采集的真空采样泵
CN109406225B (zh) * 2018-12-12 2024-04-26 青岛海颐天仪器有限公司 用于大气中烟气及颗粒物采集的真空采样泵

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5116546B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP5216397B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP5690238B2 (ja) 可変容量形オイルポンプ
US20170314555A1 (en) Variable capacity vane pump
JP2008111360A (ja) 可変容量型ポンプ
US20150252802A1 (en) Variable displacement vane pump
JP5583494B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP6375212B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP5396364B2 (ja) 可変容量形ベーンポンプ
JP5887243B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
US11578719B2 (en) Pulsation phenomenon suppression mechanism of pump device
US8690557B2 (en) Variable displacement vane pump
JP2016121608A (ja) 可変容量ポンプ
JP2017066949A (ja) 可変容量形ベーンポンプ
JP2014173588A (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP4929471B2 (ja) 可変容量ベーンポンプ
JP2016156367A (ja) 可変容量形ベーンポンプ
JP2012007513A (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JPH07119648A (ja) 可変容量形ベーンポンプ
JP3796073B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP5162233B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP2008274778A (ja) 可変容量型ポンプ
JP5555071B2 (ja) ベーンポンプ
JP2010001810A (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP2009121350A (ja) ベーンポンプ