JP2017053960A - 液晶駆動装置、画像表示装置および液晶駆動プログラム - Google Patents
液晶駆動装置、画像表示装置および液晶駆動プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ディスクリネーションによる画質の低下を軽減する。【解決手段】液晶駆動装置303は、連続して入力される入力フレーム画像データのうち、第1の入力フレーム画像データに対して第1の出力フレーム画像データと第1の低階調フレーム画像データを生成し、第2の入力フレーム画像データに対して第2の出力フレーム画像データと第2の低階調フレーム画像データを生成し、これらフレーム画像データに基づいて順次、1フレーム期間内の複数のサブフレーム期間のそれぞれにおいて液晶素子の画素に対する第1及び第2の電圧の印加を制御することで該画素に階調を形成させる。第1及び第2の入力フレーム画像データにおける互いに対応する画素位置の画素データ同士が同じ階調を有する場合に、第1および第2の出力フレーム画像データにおける互いに対応する画素位置の画素データ同士が互いに異なる階調を有する。階調間の差は高い方の階調の20%以下とする。【選択図】図11
Description
本発明は、液晶素子をデジタル駆動方式で駆動する液晶駆動装置に関する。
液晶素子には、TN(Twisted Nematic)素子等の透過型液晶素子や、VAN(Vertical Alignment Nematic)素子等の反射型液晶素子がある。これらの液晶素子の駆動方式には、階調に応じて、液晶層に印加する電圧を変化させることで明るさを制御するアナログ駆動方式と、液晶層に印加する電圧を2値化して電圧印加時間を変化させることで明るさを制御するデジタル駆動方式とがある。このデジタル駆動方式には、1フレーム期間を時間軸上で複数のサブフレーム期間に分割し、サブフレームごとに画素に対する所定電圧の印加(オン)と非印加(オフ)を制御することで該画素に階調を表示させるサブフレーム駆動方式がある。
ここで、一般的なサブフレーム駆動方式について説明する。図15には、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間(ビット長)に分割する例を示している。各サブフレーム上に記載された数値は、そのサブフレームの1フレーム期間内での時間重みを示す。ここでは例として、64階調を表現する場合を示している。また、ここでの説明では、時間重み1+2+4+8+16の期間をAサブフレーム期間といい、時間重み32のサブフレーム期間をBサブフレーム期間という。さらに、上述した所定電圧をオンするサブフレーム期間をオン期間といい、所定電圧をオフするサブフレーム期間をオフ期間という。
図16には、図15に示したサブフレーム分割例に対応する全階調データを示す。縦軸は階調を、横軸は1フレーム期間を示す。また、図中の白いサブフレーム期間は画素が白表示状態となるオン期間を示し、黒いサブフレーム期間は画素が黒表示状態となるオフ期間を示す。この階調データによれば、液晶素子にて互いに隣接する2画素(以下、隣接画素という)に互いに隣接する2階調(以下、隣接階調という)、例えば32階調と33階調を表示させる場合は、Aサブフレーム期間を32階調ではオン期間、33階調ではオフ期間とする。また、Bサブフレーム期間を32階調ではオフ期間、33階調ではオン期間とする。
このように隣接画素にてオン期間とオフ期間が時間的に重なる、つまりは同じ期間で隣接画素の一方では所定電圧が印加され、他方では印加されていない状態が発生すると、いわゆるディスクリネーションが発生してオン期間側の画素の明るさが低下する。図17にはディスクリネーションによる明るさ低下のイメージを示している。上下方向は階調を示し、濃淡は表示の明るさを示している。ディスクリネーションが無い場合は滑らかな濃淡が表現されるが、隣接画素においてオン期間とオフ期間が重なる時間が長い隣接階調(ここでは32階調と33階調)ではディスクリネーションの影響により明るさが低下して暗線が現れる。
特許文献1には、1または複数の長いサブフレーム期間を、短いサブフレームの期間と等しい期間に分割することにより、複数の分割サブフレーム期間を生成する駆動回路が開示されている。また、特許文献1の駆動回路では、隣接画素に対応する階調データの各ビットの位相が異なる場合には、階調を維持した上で、一方の画素に対応する階調データのビット配列に対して、他方の画素に対応する階調データのビット配列に近づける補正を行う。これにより、長いサブフレーム期間を分割しない場合に比べれば、隣接画素においてオン期間とオフ期間とが重なるサブフレーム期間(以下、オン/オフ隣接期間という)を短くすることができる。
しかしながら、特許文献1にて開示された方法では、隣接画素でのオン/オフ隣接期間の最短時間が長いため、ディスクリネーションによる明るさの低下を無視することができない。また、隣接画素におけるオン/オフ隣接期間が長いため、液晶分子の応答速度に応じてディスクリネーションによる明るさの低下量が増大していく。
図18には、特許文献1にて開示された全階調データを示す。Aサブフレーム期間は時間重み1+2+4+8に相当し、Bサブフレーム期間はそれぞれ時間重み8に相当する複数の分割サブフレーム期間1SF(SFはサブフレーム)〜10SFに分割されている。1つの分割サブフレーム期間は0.69msである。この階調データでは、隣接画素におけるオン/オフ隣接期間の最短時間は2つの分割サブフレーム期間に相当する1.39msである。したがって、ディスクリネーションによる明るさの低下(つまりは暗線)が目立つ。
本発明は、ディスクリネーションによる暗線が目立つ等の画質の低下を軽減することができるようにした液晶駆動装置およびこれを用いた画像表示装置等を提供する。
本発明の一側面としての液晶駆動装置は、液晶素子を駆動する。該装置は、連続して入力される入力フレーム画像データのうち、第1の入力フレーム画像データに対して第1の出力フレーム画像データを生成するとともに該第1の出力フレーム画像データよりも階調が低い第1の低階調フレーム画像データを生成し、第2の入力フレーム画像データに対して第2の出力フレーム画像データを生成するとともに該第2の出力フレーム画像データよりも階調が低い第2の低階調フレーム画像データを生成するデータ生成手段と、第1の出力フレーム画像データ、第1の低階調フレーム画像データ、第2の出力フレーム画像データおよび第2の低階調フレーム画像データのそれぞれに基づいて、順次、1フレーム期間に含まれる複数のサブフレーム期間のそれぞれにおいて液晶素子の画素に対する第1の電圧の印加と第1の電圧より低い第2の電圧の印加を制御することで該画素に階調を形成させる駆動手段とを有する。そして、第1および第2の入力フレーム画像データにおける互いに対応する画素位置の画素データ同士が同じ階調を有する場合において、第1および第2の出力フレーム画像データにおける互いに対応する画素位置の画素データ同士が互いに異なる階調を有し、該階調間の差はこれらの階調のうち高い方の階調の20%以下であることを特徴とする。
なお、上記液晶駆動装置と液晶素子とを有する画像表示装置も、本発明の他の一側面を構成する。
また、本発明の他の一側面としての液晶駆動プログラムは、コンピュータに、入力画像に基づいて液晶素子を駆動させるコンピュータプログラムである。該プログラムは、コンピュータに、連続して入力される入力フレーム画像データのうち、第1の入力フレーム画像データに対して第1の出力フレーム画像データを生成させるとともに該第1の出力フレーム画像データよりも階調が低い第1の低階調フレーム画像データを生成させ、第2の入力フレーム画像データに対して第2の出力フレーム画像データを生成させるとともに該第2の出力フレーム画像データよりも階調が低い第2の低階調フレーム画像データを生成させる。また、コンピュータに、第1の出力フレーム画像データ、第1の低階調フレーム画像データ、第2の出力フレーム画像データおよび第2の低階調フレーム画像データのそれぞれに基づいて、順次、1フレーム期間に含まれる複数のサブフレーム期間のそれぞれにおいて液晶素子の画素に対する第1の電圧の印加と第1の電圧より低い第2の電圧の印加を制御することで該画素に階調を形成させる。そして、第1および第2の入力フレーム画像データにおける互いに対応する画素位置の画素データ同士が同じ階調を有する場合において、第1および第2の出力フレーム画像データにおける互いに対応する画素位置の画素データ同士が互いに異なる階調を有し、該階調間の差はこれらの階調のうち高い方の階調の20%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、第1および第2の出力フレーム画像データのそれぞれに基づいて液晶素子を駆動する際のディスクリネーションの発生位置をずらすことで、ディスクリネーションによる画質の低下を軽減することができる。しかも、第1および第2の低階調フレーム画像データによる液晶素子の駆動を挿入することで、動画の視認性を向上させることができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である画像表示装置としての液晶プロジェクタの光学構成を示している。なお、本実施例では液晶素子を用いた画像表示装置の例としてプロジェクタについて説明するが、画像表示装置には、直視型モニタ等、プロジェクタ以外の液晶素子を用いた画像表示装置も含まれる。
液晶ドライバ303は、液晶駆動装置に相当する。液晶ドライバ303は、不図示の外部機器からの入力映像信号(入力画像)を取得する映像入力部(画像取得手段)303aと、入力映像信号の階調(入力階調)に応じて後述する階調データに対応する画素駆動信号を生成する駆動回路部(駆動手段)303bとを有する。画素駆動信号は、レッド、グリーンおよびブルーの色ごとに生成され、それぞれの色用の画素駆動信号がレッド用液晶素子3R、グリーン用液晶素子3Gおよびブルー用液晶素子3Bに入力される。これにより、レッド用液晶素子3R、グリーン用液晶素子3Gおよびブルー用液晶素子3Bが互いに独立に駆動される。なお、レッド用液晶素子3R、グリーン用液晶素子3Gおよびブルー用液晶素子3Bは、垂直配向モードの反射型液晶素子である。
照明光学系301は、光源(放電ランプ等)からの白色光をその偏光方向を揃えてダイクロイックミラー305に入射させる。ダイクロイックミラー305は、マゼンタ光を反射してグリーン光を透過する。ダイクロイックミラー305により反射されたマゼンタ光はブルークロスカラー偏光子311に入射し、ここでブルー光にのみ半波長のリタデーションが与えられることで互いに偏光方向が直交するブルー光とレッド光が生成される。ブルー光とレッド光は偏光ビームスプリッタ310に入射し、ブルー光は偏光ビームスプリッタ310の偏光分離膜を透過してブルー用液晶素子3Bに導かれる。また、レッド色成分は偏光分離膜で反射されてレッド用液晶素子3Rに導かれる。
一方、ダイクロイックミラー305を透過したグリーン光は、光路長を補正するためのダミーガラス306を通過して偏光ビームスプリッタ307に入射し、その偏光分離膜で反射されてグリーン用液晶素子3Gに導かれる。
各液晶素子(3R,3G,3B)は、各画素の変調状態に応じて入射した光を変調するとともに反射する。レッド用液晶素子3Rにて変調されたレッド光は、偏光ビームスプリッタ310の偏光分離膜を透過してレッドクロスカラー偏光子312に入射し、ここで半波長のリタデーションが与えられる。そして、このレッド光は、偏光ビームスプリッタ308に入射し、その偏光分離膜で反射されて投影光学系304に向かう。
また、ブルー用液晶素子3Bによって変調されたブルー光は、偏光ビームスプリッタ310の偏光分離膜で反射され、レッドクロスカラー偏光子312をそのまま通過し、偏光ビームスプリッタ308に入射してその偏光分離膜で反射されて投影光学系304に向かう。グリーン用液晶素子3Gにより変調されたグリーン光は、偏光ビームスプリッタ307の偏光分離膜を透過し、光路長を補正するためのダミーガラス309を通過し、偏光ビームスプリッタ308に入射してその偏光分離膜を透過して投影光学系304に向かう。こうして投射光学系304には色合成されたレッド光、グリーン光およびブルー光が入射する。そして、色合成されたカラー光は、投影光学系304によってスクリーン等の被投射面313に拡大投射される。
なお、本実施例では、反射型液晶素子を用いる場合について説明するが、透過型液晶素子を用いてもよい。
図2には、反射型液晶素子(3R,3G,3B)の断面構造を示している。101はARコート膜、102はガラス基板、103は共通電極、104は配向膜、105は液晶層、106は配向膜、107は画素電極、108はSi基板である。
図1に示す液晶ドライバ303は、上述したサブフレーム駆動方式で各画素を駆動する。すなわち、1フレーム期間を時間軸上で複数のサブフレーム期間に分割し、階調データに応じてサブフレーム期間ごとに画素に対する所定電圧のオン(印加)とオフ(非印加)を制御することで該画素に階調を形成(表示)させる。1フレーム期間は、液晶素子に1フレーム画像が表示される期間である。本実施例では液晶素子を120Hzで駆動するものとして、1フレーム期間を8.33msとする。所定電圧のオンとオフは、第1の電圧(所定電圧)の印加と該第1の電圧より低い第2の電圧の印加と言い換えることもできる。
以下、液晶ドライバ303におけるサブフレーム期間の設定と階調データについて説明する。液晶ドライバ303をコンピュータにより構成し、コンピュータプログラムとしての液晶駆動プログラムに従って以下のサブフレーム期間の設定とサブフレーム期間ごとの所定電圧のオン/オフを制御するようにしてもよい。
図3には、本実施例における1フレーム期間の複数のサブフレーム期間(ビット長)への分割を示している。各サブフレーム上に記載された数値は、そのサブフレームの1フレーム期間内での時間重みを示す。本実施例では、96階調を表現する。また、ここでの説明では、時間重み1+2+4+8の期間をAサブフレーム期間(第1の期間)といい、Aサブフレーム期間にてバイナリ表現された階調を示すビットを下位ビットという。また、時間重み8の10個のサブフレーム期間をまとめてBサブフレーム期間(第2期間)といい、Bサブフレーム期間にてバイナリ表現された階調を示すビットを上位ビットという。時間重み1は0.087msに相当し、時間重み8は0.69msに相当する。
さらに、上述した所定電圧をオン(第1の電圧を印加)するサブフレーム期間をオン期間といい、所定電圧をオフする(第2の電圧を印加する)サブフレーム期間をオフ期間という。
図4には、図3に示したAサブフレーム期間の階調データを示す。縦軸は階調を、横軸は1フレーム期間を示す。Aサブフレーム期間では、16階調を表現する。図中の白いサブフレーム期間は画素が白表示状態となるように上述した所定電圧が印加されたオン期間を示し、黒いサブフレーム期間は画素が黒表示状態となるように所定電圧がオフされたオフ期間を示す。
図5には、本実施例におけるAおよびBサブフレーム期間(下位および上位ビット)の階調データを示している。この階調データは、全階調として96階調を表現するための階調データである。この階調データにおいて、1フレーム期間の時間中心にはAサブフレーム期間(下位ビット)が配置され、その前後にBサブフレーム期間(上位ビット)が1SF〜5SFと6SF〜10SFとに分割されて配置されている。つまり、Bサブフレーム期間が2つに分割され、それぞれのBサブフレーム期間に2つ以上のサブフレーム期間が含まれる。
この階調データによれば、液晶素子における互いに隣接する2画素である隣接画素に互いに隣接する2階調である隣接階調、例えば48階調と49階調を表示させる場合には、Aサブフレーム期間を48階調ではオン期間、49階調ではオフ期間とする。また、48階調では、Bサブフレーム期間のうち1SF,4SF,5SF,6SF,7SF,10SFをオフ期間とし、2SF,3SF,8SF,9SFをオン期間とする。一方、49階調では、Bサブフレーム期間のうち1SF,5SF,6SF,10SFをオフ期間とし、2SF,3SF,4SF,7SF,8SF,9SFをオン期間とする。そして、このような隣接階調を隣接画素に表示される際には、隣接画素においてオン期間とオフ期間とが重なるオン/オフ隣接期間が生ずる。具体的には、隣接画素に48階調と49階調を表示させる場合には、Bサブフレーム期間のうち4SFと7SFとがオン/オフ隣接期間となる。
ここで、本実施例の階調データを図18に示した従来(特許文献1)の階調データと比較する。図18の階調データではAサブレーム期間の後にBサブフレーム期間が1まとまりで継続しているが、図5に示す本実施例の階調データではAサブレーム期間の前後にBサブフレーム期間が分割して配置されている。例えば48階調と49階調に注目すると、図18ではBサブフレーム期間のうち5SFと6SFがオン/オフ隣接期間になっており、時間重みとして16のオン/オフ隣接期間が継続している。このことは、他の隣接階調である16階調と17階調、32階調と33階調、64階調と65階調、80階調と81階調等についても同じである。これに対して、図5に示す本実施例では、上記のいずれの隣接階調においても、Bサブフレーム期間においてオン/オフ隣接期間が継続するのは時間重みとてして8の1サブフレーム期間(=0.69ms)となっている。そして、この1サブフレーム期間であるオン/オフ隣接期間がAサブレーム期間を挟んで互いに離れて複数(2つ)存在する。
次に、本実施例のようにオン/オフ隣接期間が分散配置されることにより得られる効果について説明する。
まず、図6に示すようにマトリックス状に配置された画素が、全白表示状態から1画素ラインごとに白と黒が交互に表示される白黒表示状態に切り替わるときと、全黒表示状態から白黒表示状態に切り替わるときの液晶の応答特性について説明する。図6に示す4×4個の画素は、8μmの画素ピッチでマトリクス状に配置されている。全白表示状態では図6中のA画素ラインの画素およびB画素ラインの画素のいずれもが白を表示する。白黒表示状態では、A画素ラインの画素が白表示状態から黒表示状態に切り替わり、B画素ラインの画素が白表示状態のまま維持される。
図7には、液晶の応答特性を示している。横軸は画素の位置を、縦軸は各画素における明るさ(ただし、白を1としたときの比率)を示している。横軸の0〜8μmは図6に示したA画素ラインの画素を、8μm〜16μmはB画素ラインの画素を示している。複数の曲線は、全白表示状態から白黒表示状態への切り替え時点を0msとしたときの経過時間(0.3ms,0.6ms,1.0ms,1.3ms)ごとの明るさを示す。
上述したようにA画素ラインの画素が白表示状態から黒表示状態に切り替わるが、液晶におけるプレチルト角度の向きの関係からA画素ラインの画素はディスクリネーションの影響を受けずに比較的均一に明るさが変化していく(暗くなっていく)。一方、B画素ラインの画素では、全白表示状態ではディスクリネーションは発生していない。しかし、白黒表示状態になった後からディスクリネーションの影響を受けて時間の経過とともに徐々に明るさ曲線がいびつな形になり、特に12μm〜16μm付近で暗くなる(暗線が現れる)。
一般に、入力階調に対する液晶素子の駆動階調を決めるガンマ曲線(ガンマ特性)はディスクリネーションが発生しない液晶素子全面に同じ階調を表示させながらその階調を変化させた場合の応答特性を前提として作成される。このため、そのようなガンマ曲線を用いて液晶素子を駆動すると、白黒表示状態にてディスクリネーションが発生し、そのガンマ曲線に応じた本来の明るさよりも低い明るさしか得ることができない。
図8には、液晶素子を全白表示状態から白黒表示状態に切り替えたときのディスクリネーションの有無による明るさの変化を示している。横軸は切り替え時点からの経過時間を、縦軸はAおよびB画素ラインの画素のトータルな明るさの積分値(以下、単に明るさという)の変化を示す。明るさは、全白表示状態を1としたときの比率で示している。ディスクリネーションが発生する(「ディスクリネーション有り」の)場合には、A画素ラインの画素の明るさは図7の1〜6μm付近に示す応答特性に近い特性で変化し、B画素ラインの画素の明るさは全域100%の明るさで白が表示された状態となる。そして、この後の時間経過に伴い、ディスクリネーションが発生した場合の明るさの低下量はディスクリネーションが発生しない(「ディスクリネーション無し」の)場合の明るさの低下量に比べて大きくなっていく。
一方、全黒表示状態から白黒表示に切り替えるときには、図6に示したA画素ラインの画素よびB画素ラインの画素がともに黒表示状態から、A画素ラインの画素を黒表示状態としたままB画素ラインの画素を白表示状態とする。図9には、このときの液晶の応答特性を示している。横軸は画素の位置を、縦軸は各画素における明るさ(ただし、白を1としたときの比率)を示している。横軸の0〜8μmは図6に示したA画素ラインの画素を、8μm〜16μmはB画素ラインの画素を示している。複数の曲線は、全黒表示状態から白黒表示状態への切り替え時点を0msとしたときの経過時間(0.3ms,0.6ms,1.0ms,1.3ms)ごとの明るさを示す。
上述したようにB画素ラインの画素が黒表示状態から白表示状態に切り替わるが、B画素ラインの画素では、白表示状態になった後からディスクリネーションの影響を受けて時間の経過とともに徐々に明るさ曲線がいびつな形になる。そして、特に12μm〜16μm付近で暗くなる(暗線が現れる)。また、時間経過に伴って明るさ曲線のいびつな形が顕著になっていく。
先にも説明したように、一般に入力階調に対する液晶素子の駆動階調を決めるガンマ曲線(ガンマ特性)はディスクリネーションが発生しない液晶素子全面に同じ階調を表示させながらその階調を変化させた場合の応答特性を前提として作成される。このため、そのようなガンマ曲線を用いて液晶素子を駆動すると、白黒表示状態にてディスクリネーションが発生し、そのガンマ曲線に応じた本来の明るさよりも低い明るさしか得ることができない。
図10には、液晶素子を全黒表示状態から白黒表示状態に切り替えたときのディスクリネーションの有無による明るさの変化を示している。横軸は切り替え時点からの経過時間を、縦軸はAおよびB画素ラインの画素のトータルな明るさの積分値(以下、単に明るさいい、全白表示状態を1としたときの比率で示す)を示す。ディスクリネーションが発生しない(「ディスクリネーション無し」の)場合の明るさとしては、A画素ラインの画素は常に黒表示状態であり、B画素ラインの画素が黒表示状態から白表示状態に切り替わっていくときの明るさの変化を示している。一方、ディスクリネーションが発生する(「ディスクリネーション有り」の)場合は、図9に示したA画素ラインの画素とB画素ラインの画素の明るさの和の積分値の変化を示している。
図10において、ディスクリネーションが発生する場合は、ディスクリネーションが発生しない場合に比べて、時間経過に伴う明るさの増加量が少ない。すなわち、全黒表示状態から白黒表示状態に切り替わった後にディスクリネーションが発生する時間が長いほど、ディスクリネーションが発生しない場合に対してより暗くなる。
次に、図18に示した従来の階調データによってA画素ラインの画素に48階調を表示させ、B画素ラインの画素に49階調を表示させる場合について説明する。この階調データを用いる場合にディスクリネーションが発生する期間は、A画素ラインの画素が黒表示状態でB画素ラインの画素が白表示状態というディスクリネーション発生表示状態となるBサブフレーム期間における5SFと6SFである。5SFの前の4SFはA画素ラインの画素およびB画素ライン画素のいずれも白表示状態であり、ディスクリネーションは発生しない期間である。
次に、図18に示した従来の階調データによってA画素ラインの画素に48階調を表示させ、B画素ラインの画素に49階調を表示させる場合について説明する。この階調データを用いる場合にディスクリネーションが発生する期間は、A画素ラインの画素が黒表示状態でB画素ラインの画素が白表示状態というディスクリネーション発生表示状態となるBサブフレーム期間における5SFと6SFである。5SFの前の4SFはA画素ラインの画素およびB画素ライン画素のいずれも白表示状態であり、ディスクリネーションは発生しない期間である。
5SFから6SFまでの液晶の応答特性は図8における「ディスクリネーション有り」に相当する特性となる。4SFでは全白表示状態であるため明るさは100%出力されており、5SFの開始時から6SFの終了時までの1.39msの間にディスクリネーションが発生するため、5SFの開始時が図8における0msに相当し、6SFの終了時が1.39msに相当する。このとき、明るさは、ディスクリネーションが発生しない場合の0.5に対して0.27まで低下する。前述したように全面同一階調を前提として作成されるガンマ特性を基準とすると、ディスクリネーションが発生する5SFから6SFまでに比率において54%(=0.27/0.5)と暗くなる。
一方、本実施例において、図5に示した階調データによってA画素ラインの画素(第2の画素)に48階調を表示させ、B画素ラインの画素(第1の画素)に49階調を表示させる場合について説明する。この階調データを用いる場合にディスクリネーションが発生する期間は、A画素ラインの画素とB画素ラインの画素が上記ディスクリネーション発生表示状態となるBサブフレーム期間における4SFと7SFである。4SFの前の3SFはA画素ラインの画素およびB画素ラインの画素がともに白表示状態であり、ディスクリネーションは発生しない期間である。
4SFでの液晶の応答特性は、図8における「ディスクリネーション有り」に相当する特性となる。3SFでは全白表示状態であるため明るさは100%出力されており、4SFの0.69msの間にディスクリネーションが発生するため、4SFの開始時が図8の0msに相当し、4SFの終了時が0.69msに相当する。このとき、明るさは、ディスクリネーションが発生しない場合の0.7に対して0.65までしか低下しない。
また、もう1つのディスクリネーションが発生するサブフレーム期間である7SFでの液晶の応答特性は、図10における「ディスクリネーション有り」に相当する特性となる。6SFでは全黒表示状態であるため明るさは0%であり、7SFの0.69msの間にディスクリネーションが発生するため、7SFの開始時が図10の0msに相当し、7SFの終了時が0.69msに相当する。このとき、明るさは、ディスクリネーションが発生しない場合の0.25に対して0.18までしか低下しない。
そして、4SFと7SFでディスクリネーションが発生しない場合の明るさの和は0.95(=0.70+0.25)となるのに対して、ディスクリネーションが発生する場合の明るさの和は0.83(=0.65+0.18)となる。全面同一階調を前提として作成されるガンマ特性を基準とすると、ディスクリネーション発生表示状態では比率で87%(=0.83/0.95)までしか暗くならない。すなわち、本実施例によれば、明るさの低下を抑制することができる。
次に、他の隣接階調を表示する場合について説明する。まず図18に示した従来の階調データによって図6に示したA画素ラインの画素に16階調を表示させ、B画素ラインの画素に17階調を表示させる場合について説明する。この階調データを用いる場合にディスクリネーションが発生する期間は、A画素ラインの画素が黒表示状態でB画素ラインの画素が白表示状態というディスクリネーション発生表示状態となるBサブフレーム期間における1SFと2SFである。
1SFから2SFまでの液晶の応答特性は、図10における「ディスクリネーション有り」に相当する特性となる。1SFの開始時から2SFの終了時までの1.39msの間にディスクリネーションが発生する。このため、1SFの開始時が図10における0msに相当し、2SFの終了時が1.39msに相当する。このとき、明るさは、ディスクリネーションが発生しない場合の0.5に対して0.27まで低下する。実施例1で述べたように全面同一階調を前提として作成されるガンマ特性を基準とすると、ディスクリネーションが発生する1SFから2SFまでに比率で54%(=0.27/0.5)と暗くなる。
一方、本実施例において、図5に示した階調データによってA画素ラインの画素(第2の画素)に16階調を表示させ、B画素ラインの画素(第1の画素)に17階調を表示させる場合について説明する。この階調データを用いる場合にディスクリネーションが発生する期間は、A画素ラインの画素とB画素ラインの画素が上記ディスクリネーション発生表示状態となるBサブフレーム期間における3SFと8SFである。3SFの前の2SFではA画素ラインの画素およびB画素ラインの画素のいずれも黒表示状態であり、ディスクリネーションは発生しない期間である。3SFでの液晶の応答特性は、図10における「ディスクリネーション有り」に相当する特性となる。2SFでは全黒表示状態であるため明るさは0%であり、3SFの0.69msの間にディスクリネーションが発生するため、3SFの開始時が図10の0msに相当し、3SFの終了時が0.69msに相当する。このとき、明るさは、ディスクリネーションが発生しない場合の0.25に対して0.18までしか低下しない。
また、もう1つのディスクリネーションが発生するサブフレーム期間である8SFでの液晶の応答特性も図10における「ディスクリネーション有り」に相当する特性となる。7SFでは全黒表示状態であるため明るさは0%であり、8SFの0.69msの間にディスクリネーションが発生するため、8SFの開始時が図10の0msに相当し、8SFの終了時が0.69msに相当する。このとき、明るさは、ディスクリネーションが発生しない場合の0.25に対して0.18までしか低下しない。
そして、3SFと8SFでディスクリネーションが発生しない場合の明るさの和は0.50(=0.25+0.25)となるのに対して、ディスクリネーションが発生する場合の明るさの和は0.36(=0.18+0.18)となる。全面同一階調を前提として作成されるガンマ特性を基準とすると、ディスクリネーション発生表示状態では比率で72%(=0.36/0.50)までしか暗くならない。すなわち、本実施例によれば、明るさの低下を抑制することができる。
このように、本実施例では、隣接階調を表示する際にディスクリネーション発生表示状態となるオン/オフ隣接期間を1フレーム期間内で複数互いに離して(分散させて)設けることで1つの連続したオン/オフ隣接期間を短くしている。すなわち、ディスクリネーションによる明るさ低下が大きくなる前に隣接画素でのディスクリネーション発生表示状態を他の表示状態に移行させる。これにより、ディスクリネーションを原因とした明るさ低下を抑制して暗線が目立たないようにすることができ、良好な画質の画像を表示することができる。
以上説明した液晶素子の駆動方法(以下、第1の駆動方法という)によってディスクリネーションの発生を抑制することが可能である。しかし、よりディスクリネーションによる暗線を目立たなくするために、本実施例では以下のような駆動方法(以下、第2の駆動方法という)も併せ用いる。
図11には、液晶ドライバ303の内部構成を示す。スケーラ400は、図1に示した映像入力部303aに相当し、DVIやHDMI(登録商標)等の不図示のレシーバーICを介して入力映像信号を取り込む。スケーラ400は、そのスケーリング機能により入力映像信号をダウンコンバートまたはアップコンバートして所定の画像フォーマットの入力画像データを出力する。入力画像データは、連続する複数の入力フレーム画像データにより構成されている。
駆動回路部303bはスケーラ400からの入力フレーム画像データを順次受け取り、液晶素子3(図1に示した3つの液晶素子3R,3G,3B)のそれぞれの各画素を駆動する、すなわち各画素に階調を表示させるための画素駆動信号を生成する。駆動回路部303bは、倍速回路411、ゲイン回路412、VTγ回路413、色ムラ回路414およびPWM回路415を含む。
倍速回路411は、各入力フレーム画像データをフレームメモリ420に書き込み、1つの入力フレーム画像データに対して複数のフレーム画像データを生成する。本実施例では、入力周波数が60Hzである場合に、120Hzに相当する周期で2つのフレーム画像データを生成する。以下の説明において、これら2つのフレーム画像データのうち一方をODD(奇数)入力フレームデータといい、他方をEVEN(偶数)入力フレームデータという。これらODDおよびEVEN入力フレームデータは、入力フレーム画像データと同じ画像データである。
ゲイン回路412は、倍速回路411からのODD入力フレームデータおよびEVEN入力フレームデータに対してゲインをかける(ゲイン係数を乗じる)。これにより、それぞれ出力フレーム画像データとしてのODD出力フレームデータとEVEN出力フレームデータとを生成する。ゲイン回路412は、ODD入力フレームデータとEVEN入力フレームデータにかけるゲインを互いに異ならせることができる。倍速回路411とゲイン回路412は、画像データ生成手段を構成する。
ここで、ODDおよびEVEN入力フレームデータのうち一方にかけるゲイン(第3のゲイン)を0にすることで、液晶素子3の全画素に黒を表示させる(全画素に同一階調である黒階調を形成させる)全黒フレーム画像データを生成することができる。これにより、いわゆる黒挿入を行うことができ、動画の視認性を向上させることができる。ただし、黒挿入を行うとフレーム周期での明暗変化がフリッカとして目立つおそれがある。このため、ODDおよびEVEN入力フレームデータのうち一方にかける第3のゲインを0ではないが、後述する第1および第2のゲインのうち高い方のゲインの50%以下の低いゲインとする。これにより、フリッカを抑制しつつ、動画の視認性を向上させることができる。このようにODDおよびEVEN入力フレームデータのうち一方に0ではない低いゲインをかけて明るいフレーム画像と暗いフレーム画像を交互に表示する駆動方法を明暗駆動という。
以下の説明において、ODDおよびEVEN出力フレームデータのうちODDまたはEVEN入力フレームデータに第3のゲイン(0または低いゲイン)がかけられた結果得られる方を低階調フレーム画像データという。一方、ODDまたはEVEN入力フレームデータに後述する第1または第2のゲインがかけられた結果得られる方を出力フレーム画像データという。
このようにして、倍速回路411は、連続して入力される入力フレーム画像データのうち第1の入力フレーム画像データに対してODDおよびEVEN入力フレームデータを生成する。そして、ゲイン回路412は、これらODDおよびEVEN入力フレームデータのうち一方に第1のゲインをかけ、他方に第3のゲインをかける。これにより、出力フレーム画像データとしての第1の出力フレーム画像データと低階調フレーム画像データとしての第1の低階調フレーム画像データとを生成する。また、倍速回路411は、連続して入力される入力フレーム画像データのうち第1の入力フレーム画像データに連続する第2の入力フレーム画像データに対してODDおよびEVEN入力フレームデータを生成する。そして、ゲイン回路412は、これらODDおよびEVEN入力フレームデータのうち一方に第2のゲインをかけ、他方に第3のゲインをかける。これにより、出力フレーム画像データとしての第2の出力フレーム画像データと、低階調フレーム画像データとしての第2の低階調フレーム画像データとを生成する。
これ以降に倍速回路411に連続して入力される入力フレーム画像データも、第1および第2の入力フレーム画像データという。つまり、倍速回路411には、第1および第2の入力フレーム画像データが交互に繰り返し入力される。この結果、ゲイン回路412は、第1の出力フレーム画像データと第1の低階調フレーム画像データ、および第2の出力フレーム画像データと第2の低階調フレーム画像データを交互に繰り返し生成する。
VTγ回路413は、ゲイン回路412からの各出力フレーム画像データに対して(必要に応じて各低階調フレーム画像データに対しても)、液晶素子3の液晶の応答特性によって変化する階調特性に応じて必要な光学特性が得られるようにγ補正を行う。
色ムラ回路414は、VTγ回路413からのγ補正後の各出力フレーム画像データに対して(必要に応じて各低階調フレーム画像データに対しても)、液晶パネル3を含むプロジェクタの光学系において発生する色ムラの補正を行う。
PWM回路(駆動手段)415は、色ムラ補正回路115からの各出力フレーム画像データおよび各低階調フレーム画像データに基づいて、液晶素子3を前述したサブフレーム駆動方式で駆動する。
次に、ゲイン回路412の動作について具体的に説明する。例えば、液晶素子3における隣接画素に互いに隣接する48階調と49階調を表示させる場合について説明する。また、ここではEVEN入力フレームデータに第3のゲインである0がかけられることで前述した黒挿入を行う場合について説明する。ゲイン回路412に順次入力されるODD入力フレームデータにおいて上記隣接画素に対応する2つの隣接画素位置(つまりは第1および第2の入力フレーム画像データ間において互い対応する隣接画素位置)の画素データは48と49の階調を有する。以下の説明において、各フレーム画像データにおける上記隣接画素位置の画素データを、隣接画素データという。
ゲイン回路412は、倍速回路411で第1の入力フレーム画像データに対して生成されたODD入力フレームデータに第1のゲインをかけて第1の出力フレーム画像データを生成する。また、ゲイン回路412は、倍速回路411で第2の入力フレーム画像データに対して生成されたODD入力フレームデータに、第1のゲインとは異なる第2のゲインをかけて第2の出力フレーム画像を生成する。ここで、第1および第2の入力フレーム画像データ間において互いに対応する画素位置の画素データ同士は同じ階調を有するものとする。
図12(A)には、N番目とN+2番目のフレームにおいて、第1の入力フレーム画像データに対して生成されたODD入力フレームデータにかける第1のゲインを1.0倍(100%)として第1の出力フレーム画像データ(1st)を生成した例を示している。この例では、N+1番目とN+3番目のフレームにおいて、第2の入力フレーム画像データに対して生成されたODD入力フレームデータにかける第2のゲインを0.9倍(90%)として第2の出力フレーム画像データ(2nd)を生成している。これにより、ゲイン回路412から出力される第1の出力フレーム画像データ(1st)での隣接画素データの階調は48と49となり、第2の出力フレーム画像データ(2nd)での隣接画素データの階調は43と44となる(小数点以下は四捨五入)。第1の出力フレーム画像データ(1st)と第2の出力フレーム画像データ(2nd)との間には、全黒フレーム画像データ(図には3rdとして示す)が挿入されている。
このようにして、液晶素子3は、第1の出力フレーム画像データ、全黒フレーム画像データ(第1の低階調フレーム画像データ)、第2の出力フレーム画像データおよび全黒フレーム画像データ(第2の低階調フレーム画像データ)に基づいて順次駆動される。すなわち、液晶素子3の隣接画素は、Nフレームで48階調と49階調を、N+1フレームで0階調と0階調を、N+1フレームで43階調と44階調を、N+2フレームで0階調と0階調を表示し、以後のフレームではこの順で循環的にこれらの階調を表示する。
なお、ゲイン回路412は、繰り返し入力される第1および第2の入力フレーム画像データ(つまりはODD入力フレームデータ)に対して、第1および第2のゲインの和が同じになるように第1および第2の出力フレーム画像データの生成を繰り返す。ここにいう第1および第2のゲインの和は、100%+90%=190%である。
図13(A)には、ODD入力フレームデータに互いに異なるゲインがかけられずに生成された第1および第2の出力フレーム画像データと全黒フレーム画像データとにより液晶素子3を順次駆動した場合の表示画像(プロジェクタによる投射画像)を示す。図には、第1の出力フレーム画像データにより液晶素子3を駆動したときの表示画像を1stフレームとし、第2の出力フレーム画像データにより液晶素子3を駆動したときの表示画像を2ndフレームとして示している。また、全黒フレーム画像データにより液晶素子3を駆動したときの表示画像を3rdフレームして示している。図13(C)には、本来表示されるべき表示画像を示している。
図13(A)において、第1および第2の出力フレーム画像データはともに上端から下端までの間に0〜64階調を有している。図の最も右側には、1stおよび2ndフレーム(および3rdフレーム)を連続して観察する観察者によって視認される画像を示している。第1および第2の出力フレーム画像データにおいて互いに対応する全ての画素位置の画素データ同士はそれぞれ同じ階調を有するので、1stフレームと2ndフレームは同じ画像となる。この結果、1stおよび2ndフレームのいずれにも、16−17階調、32−33階調および48−49階調等の位置にディスクリネーションによる暗線が現れている。なお、図では分かり易くするために暗線を濃く示しているが、実際には前述した第1の駆動方法で液晶素子3を駆動しているので、薄く暗線が現れているにすぎない。しかし、観察者は暗線として視認可能である。
図13(B)には、ODD入力フレームデータに互いに異なるゲイン(100%と90%)がかけられて生成された第1および第2の出力フレーム画像データと全黒フレーム画像データにより液晶素子3を順次駆動した場合の1st、2ndおよび3rdフレームを示す。第1の出力フレーム画像データは、ゲイン100%に対応する0〜64階調を上端から下端までの間に有する。これに対して、第2の出力フレーム画像データは、ゲイン90%に対応する0〜58階調を上端から下端までの間に有する。これにより、1stフレーム上でのディスクリネーションによる暗線の位置と2ndフレーム上での暗線の位置とが互いに異なる(ずれる)ことになる。例えば、1stフレーム上での暗線の位置(48−49階調の位置)aと、2ndフレーム上での暗線の位置bとがずれる。したがって、図の最も右側に示す観察者によって視認される画像においては、1stフレームと2ndフレームが平均化されることにより暗線は約1/2の濃さとなる。この結果、第1の駆動方法で液晶素子3を駆動するだけの場合よりも暗線をより目立ちにくくすることができる。
図14(A),(B)には、具体的な表示画像の例を示している。図14(C)には、本来表示されるべき表示画像を示している。図14(A)は、ゲイン回路412でODD入力フレームデータに互いに異なるゲインがかけられずに生成された第1および第2の出力フレーム画像データにより液晶素子3を順次駆動した場合の1stフレームと2ndフレームを示す。また、図の最も左側には、観察者により視認される画像を示している。1stフレームと2ndフレームにおけるディスクリネーションによる暗線の位置が同じであるので、視認画像においても暗線がある程度目立つ。
一方、図14(B)には、ゲイン回路412でODD入力フレームデータに互いに異なるゲイン(100%と90%)がかけられて生成された第1および第2の出力フレーム画像データにより液晶素子3を順次駆動した場合の1stフレームと2ndフレームを示す。外側の最も明るい階調は、1stフレームでの64に対して、2ndフレームでは58となっている。1stフレーム上でのディスクリネーションによる暗線の位置と2ndフレーム上での暗線の位置とは互いにずれている。このため、図の最も左側に示す視認画像では、1stフレームと2ndフレームとが平均化されることで、暗線はほぼ目立たなくなっている。
以上説明したように、第2の駆動方法では、第1および第2の入力フレーム画像データにおける互いに対応する画素位置の画素データ同士が同じ階調を有するものとする。このとき、第1および第2の出力フレーム画像データを互いに対応する画素位置の画素データ同士が互いに異なる階調を有するように生成し、該第1および第2の出力フレーム画像データにより液晶素子3を駆動する。これにより、表示される1stおよび2ndフレームでの暗線の位置を互いにずらして、視認画像にて暗線を目立たなくすることができる。しかも、第1および第2の出力フレーム画像データによる液晶素子3の駆動の間に、第1および第2の低階調フレーム画像データによる駆動を挿入する。これにより、動画の視認性を向上させることもできる。
なお、第2の入力フレーム画像データに第1の入力フレーム画像データに対して動きのある領域が含まれる場合があり、この場合は、第1および第2の入力フレーム画像データにおける全ての互いに対応する画素位置の画素データ同士が同じ階調を有するとは限らない。しかし、この場合でも、第1および第2の入力フレーム画像データ間において静止している領域における互いに対応する画素位置の画素データ同士が同じ階調を有すれば、その領域に対して第2の駆動方法を適用することができる。
ここで、第1および第2の出力フレーム画像データにおいて互いに対応する画素位置の画素データ同士の階調間の差は、これらの階調のうち高い方の階調の20%以下となるようにすることが望ましい。言い換えれば、第1および第2の出力フレーム画像データの生成のために用いられた第1および第2のゲイン間の差は、これら第1および第2のゲインのうち高い方のゲインの20%以下であることが望ましい。階調間の差または第1および第2のゲイン間の差がここにいう20%を上回ると、1stフレームと2ndフレームでの明暗変化がフリッカとして目立つため好ましくない。また、上記階調間の差はこれらの階調のうち高い方の階調の1%以上とすることが望ましい。言い換えれば、第1および第2のゲイン間の差は、これら第1および第2のゲインのうち高い方のゲインの1%以上とすることが望ましい。1%未満では、1stおよび2ndフレームでの暗線の位置がほとんどずれず、暗線を十分に目立たなくする効果が得られないためである。
上記実施例では、60Hzで入力される入力フレーム画像データに対して120Hzに相当する周期で2つのフレーム画像データが生成される場合について説明したが、240Hzに相当する周期で4つのフレーム画像データを生成してもよい。この場合、ODD入力フレームデータとEVEN入力フレームデータが2組生成される。そして、例えば図12(B)に示すように、1組目のODD入力フレームデータと2組目のODD入力フレームデータにそれぞれゲイン100%とゲイン90%をかけて第1の出力フレーム画像データ(1st)と第2の出力フレーム画像データ(2nd)を生成する。また、1組目のEVEN入力フレームデータと2組目のEVEN入力フレームデータにそれぞれゲイン0をかけて低階調(全黒)フレーム画像データ(3rd)を生成する。この場合でも、図13(B)や図14(B)と同等の効果が得られる。
また、連続する入力フレーム画像データのそれぞれに対する1組目のODD入力フレームデータと2組目のODD入力フレームデータにかけるゲインは必ずしも一定である必要はない。例えば、Nフレームでの1組目のODD入力フレームデータと2組目のODD入力フレームデータにそれぞれ100%と90%のゲインをかける。そして、N+1フレームでの1組目のODD入力フレームデータと2組目のODD入力フレームデータにそれぞれ97.5%と92.5%のゲインをかけてもよい。これにより、互いに暗線の位置がずれた4つのフレームが平均化されることにより暗線は約1/4の濃さとなるため、より暗線を目立ちにくくすることができる。
なお、この場合も、ゲイン回路412は、繰り返し入力される第1および第2の入力フレーム画像データ(つまりはODD入力フレームデータ)に対して、第1および第2のゲインの和が同じになるように第1および第2の出力フレーム画像データの生成を繰り返す。すなわち、
Nフレームにおける第1および第2のゲインの和
=100%(1st)+90%(2nd)=190%
N+1フレームにおける第1および第2のゲインの和
=97.5%(1st)+92.5%(2nd)=190%
となるように各ゲインを設定する。
Nフレームにおける第1および第2のゲインの和
=100%(1st)+90%(2nd)=190%
N+1フレームにおける第1および第2のゲインの和
=97.5%(1st)+92.5%(2nd)=190%
となるように各ゲインを設定する。
また、ここまで黒挿入を行う場合について説明してきたが、明暗駆動を行う場合でも同様の効果が得られる。明暗駆動を行う場合は、明るいフレームについては上述した黒挿入を行う場合の第1および第2の出力フレーム画像データを生成するためのゲインと同じゲインを設定すればよい。また、暗いフレームについては、上述した低い階調を一定としてもよいし、フレームごとに変更してもよい。
また、上記実施例では、第1および第2の入力フレーム画像データに対してそれぞれ第1および第2のゲインをかけて第1および第2の出力フレーム画像データを生成する場合について説明した。しかし、第1の入力フレーム画像データに対して第1のオフセットを与えて第1の出力フレーム画像データを生成するとともに、第2の入力フレーム画像データに対して第2のオフセットを与えて第2の出力フレーム画像データを生成してもよい。この場合は、第1および第2のゲインの差を高い方のゲインの1%以上20%以下とするのと同様の理由により、第1および第2のオフセットの差が第1および第2の出力フレーム画像データにて設定可能な最大階調値の1%以上20%以下とすることが望ましい。また、第1および第2のゲインの和と同様に、繰り返し入力される第1および第2の入力フレーム画像データに対して、第1および第2のオフセットの和が同じになるように第1および第2の出力フレーム画像データの生成を繰り返すことが望ましい。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
303 液晶ドライバ
3G,3R,3B 反射型液晶素子
1SF〜10SF サブフレーム期間
411 倍速回路
412 ゲイン回路
3G,3R,3B 反射型液晶素子
1SF〜10SF サブフレーム期間
411 倍速回路
412 ゲイン回路
本発明の一側面としての液晶駆動装置は、液晶素子を駆動する。該装置は、連続して入力される入力フレーム画像データのうち、第1の入力フレーム画像データに対して第1の出力フレーム画像データを生成するとともに該第1の出力フレーム画像データよりも階調が低い第1の低階調フレーム画像データを生成し、第2の入力フレーム画像データに対して第2の出力フレーム画像データを生成するとともに該第2の出力フレーム画像データよりも階調が低い第2の低階調フレーム画像データを生成するデータ生成手段と、第1の出力フレーム画像データ、第1の低階調フレーム画像データ、第2の出力フレーム画像データおよび第2の低階調フレーム画像データのそれぞれに基づいて、順次、1フレーム期間に含まれる複数のサブフレーム期間のそれぞれにおいて液晶素子の画素に対する第1の電圧の印加と第1の電圧より低い第2の電圧の印加を制御することで該画素に階調を形成させる駆動手段とを有する。そして、第1および第2の出力フレーム画像データにおける互いに対応する画素位置の画素データ同士が互いに異なる階調を有し、該階調間の差はこれらの階調のうち高い方の階調の20%以下であることを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての液晶駆動プログラムは、コンピュータに、入力画像に基づいて液晶素子を駆動させるコンピュータプログラムである。該プログラムは、コンピュータに、連続して入力される入力フレーム画像データのうち、第1の入力フレーム画像データに対して第1の出力フレーム画像データを生成させるとともに該第1の出力フレーム画像データよりも階調が低い第1の低階調フレーム画像データを生成させ、第2の入力フレーム画像データに対して第2の出力フレーム画像データを生成させるとともに該第2の出力フレーム画像データよりも階調が低い第2の低階調フレーム画像データを生成させる。また、コンピュータに、第1の出力フレーム画像データ、第1の低階調フレーム画像データ、第2の出力フレーム画像データおよび第2の低階調フレーム画像データのそれぞれに基づいて、順次、1フレーム期間に含まれる複数のサブフレーム期間のそれぞれにおいて液晶素子の画素に対する第1の電圧の印加と第1の電圧より低い第2の電圧の印加を制御することで該画素に階調を形成させる。そして、第1および第2の出力フレーム画像データにおける互いに対応する画素位置の画素データ同士が互いに異なる階調を有し、該階調間の差はこれらの階調のうち高い方の階調の20%以下であることを特徴とする。
本発明の一側面としての液晶駆動装置は、液晶素子を駆動する。該装置は、連続して入力される入力フレーム画像データのうち、第1の入力フレーム画像データに対して第1の出力フレーム画像データを生成するとともに該第1の出力フレーム画像データよりも階調が低い第1の低階調フレーム画像データを生成し、第2の入力フレーム画像データに対して第2の出力フレーム画像データを生成するとともに該第2の出力フレーム画像データよりも階調が低い第2の低階調フレーム画像データを生成する画像データ生成手段と、第1の出力フレーム画像データ、第1の低階調フレーム画像データ、第2の出力フレーム画像データおよび第2の低階調フレーム画像データのそれぞれに基づいて、順次、1フレーム期間に含まれる複数のサブフレーム期間のそれぞれにおいて液晶素子の画素に対する第1の電圧の印加と第1の電圧より低い第2の電圧の印加を制御することで該画素に階調を形成させる駆動手段とを有する。そして、画像データ生成手段は、第1の入力フレーム画像データに対して第1のゲインをかけて第1の出力フレーム画像データを生成するとともに、第2の入力フレーム画像データに対して第2のゲインをかけて第2の出力フレーム画像データを生成し、第1のゲインと第2のゲインとの差が、これら第1および第2のゲインのうち高い方のゲインの20%以下であることを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての液晶駆動プログラムは、コンピュータに、入力画像に基づいて液晶素子を駆動させるコンピュータプログラムである。該プログラムは、コンピュータに、連続して入力される入力フレーム画像データのうち、第1の入力フレーム画像データに対して第1の出力フレーム画像データを生成させるとともに該第1の出力フレーム画像データよりも階調が低い第1の低階調フレーム画像データを生成させ、第2の入力フレーム画像データに対して第2の出力フレーム画像データを生成させるとともに該第2の出力フレーム画像データよりも階調が低い第2の低階調フレーム画像データを生成させる。また、コンピュータに、第1の出力フレーム画像データ、第1の低階調フレーム画像データ、第2の出力フレーム画像データおよび第2の低階調フレーム画像データのそれぞれに基づいて、順次、1フレーム期間に含まれる複数のサブフレーム期間のそれぞれにおいて液晶素子の画素に対する第1の電圧の印加と第1の電圧より低い第2の電圧の印加を制御することで該画素に階調を形成させる。そして、画像データを生成させる段階は、第1の入力フレーム画像データに対して第1のゲインをかけて第1の出力フレーム画像データを生成するとともに、第2の入力フレーム画像データに対して第2のゲインをかけて第2の出力フレーム画像データを生成し、第1のゲインと第2のゲインとの差が、これら第1および第2のゲインのうち高い方のゲインの20%以下であることを特徴とする。
図10には、液晶素子を全黒表示状態から白黒表示状態に切り替えたときのディスクリネーションの有無による明るさの変化を示している。横軸は切り替え時点からの経過時間を、縦軸はAおよびB画素ラインの画素のトータルな明るさの積分値(以下、単に明るさといい、全白表示状態を1としたときの比率で示す)を示す。ディスクリネーションが発生しない(「ディスクリネーション無し」の)場合の明るさとしては、A画素ラインの画素は常に黒表示状態であり、B画素ラインの画素が黒表示状態から白表示状態に切り替わっていくときの明るさの変化を示している。一方、ディスクリネーションが発生する(「ディスクリネーション有り」の)場合は、図9に示したA画素ラインの画素とB画素ラインの画素の明るさの和の積分値の変化を示している。
PWM回路(駆動手段)415は、色ムラ補正回路414からの各出力フレーム画像データおよび各低階調フレーム画像データに基づいて、液晶素子3を前述したサブフレーム駆動方式で駆動する。
このようにして、液晶素子3は、第1の出力フレーム画像データ、全黒フレーム画像データ(第1の低階調フレーム画像データ)、第2の出力フレーム画像データおよび全黒フレーム画像データ(第2の低階調フレーム画像データ)に基づいて順次駆動される。すなわち、液晶素子3の隣接画素は、Nフレームで48階調と49階調を表示した後に0階調と0階調を表示し、N+1フレームで43階調と44階調を表示した後に0階調と0階調を表示し、以後のフレームではこの順で循環的にこれらの階調を表示する。
図14(A),(B)には、具体的な表示画像の例を示している。図14(C)には、本来表示されるべき表示画像を示している。図14(A)は、ゲイン回路412でODD入力フレームデータに互いに異なるゲインがかけられずに生成された第1および第2の出力フレーム画像データにより液晶素子3を順次駆動した場合の1stフレームと2ndフレームを示す。また、図の最も右側には、観察者により視認される画像を示している。1stフレームと2ndフレームにおけるディスクリネーションによる暗線の位置が同じであるので、視認画像においても暗線がある程度目立つ。
Claims (13)
- 液晶素子を駆動する液晶駆動装置であって、
連続して入力される入力フレーム画像データのうち、第1の入力フレーム画像データに対して第1の出力フレーム画像データを生成するとともに該第1の出力フレーム画像データよりも階調が低い第1の低階調フレーム画像データを生成し、第2の入力フレーム画像データに対して第2の出力フレーム画像データを生成するとともに該第2の出力フレーム画像データよりも階調が低い第2の低階調フレーム画像データを生成するデータ生成手段と、
前記第1の出力フレーム画像データ、前記第1の低階調フレーム画像データ、前記第2の出力フレーム画像データおよび前記第2の低階調フレーム画像データのそれぞれに基づいて、順次、1フレーム期間に含まれる複数のサブフレーム期間のそれぞれにおいて前記液晶素子の画素に対する第1の電圧の印加と第1の電圧より低い第2の電圧の印加を制御することで該画素に階調を形成させる駆動手段とを有し、
前記第1および第2の入力フレーム画像データにおける互いに対応する画素位置の画素データ同士が同じ階調を有する場合において、前記第1および第2の出力フレーム画像データにおける互いに対応する画素位置の画素データ同士が互いに異なる階調を有し、該階調間の差はこれらの階調のうち高い方の階調の20%以下であることを特徴とする液晶駆動装置。 - 前記画像データ生成手段は、前記第1の入力フレーム画像データに対して第1のゲインをかけて前記第1の出力フレーム画像データを生成するとともに、前記第2の入力フレーム画像データに対して第2のゲインをかけて前記第2の出力フレーム画像データを生成し、
前記第1のゲインと前記第2のゲインとの差が、これら第1および第2のゲインのうち高い方のゲインの20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の液晶駆動装置。 - 前記第1および第2のゲインの差が、前記高い方のゲインの1%以上であることを特徴とする請求項2に記載の液晶駆動装置。
- 前記画像データ生成手段は、前記第1および第2の入力フレーム画像データが繰り返し入力される場合に、前記第1および第2のゲインの和が同じになるように前記第1および第2の出力フレーム画像データの生成を繰り返すことを特徴とする請求項2または3に記載の液晶駆動装置。
- 前記画像データ生成手段は、前記第1の入力フレーム画像データに対して第1のオフセットを与えて前記第1の出力フレーム画像データを生成するとともに、前記第2の入力フレーム画像データに対して第2のオフセットを与えて前記第2の出力フレーム画像データを生成し、
前記第1のオフセットと前記第2のオフセットとの差が、前記第1および第2の出力フレーム画像データにおいて設定可能な最大階調値の20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の液晶駆動装置。 - 前記第1および第2のオフセットの差が、前記第1および第2の出力フレーム画像データにおいて設定可能な最大階調値の1%以上であることを特徴とする請求項5に記載の液晶駆動装置。
- 前記画像データ生成手段は、前記第1および第2の入力フレーム画像データが繰り返し入力される場合に、前記第1および第2のオフセットの和が同じになるように前記第1および第2の出力フレーム画像データの生成を繰り返すことを特徴とする請求項5または6に記載の液晶駆動装置。
- 前記画素に対して前記第1の電圧が印加される前記サブフレーム期間をオン期間とし、前記第2の電圧が印加される前記サブフレーム期間をオフ期間とし、前記複数の画素において互いに隣接する2つの画素のうち第1の画素に対して前記オン期間となり、第2の画素に対して前記オフ期間となる前記サブフレーム期間をオン/オフ隣接期間とするとき、
前記画像データ生成手段は、前記第1および第2の出力フレーム画像データのうち一方の出力フレーム画像データに基づいて前記液晶素子が駆動されたときに前記第1および第2の画素に対して前記オン/オフ隣接期間が生じる場合に他方の出力フレーム画像データに基づいて前記液晶素子が駆動されたときに前記第1および第2の画素に対して前記オン/オフ隣接期間が生じないように、前記第1および第2の出力フレーム画像データに前記階調間の差を与えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の液晶駆動装置。 - 前記画像データ生成手段は、前記第1の出力フレーム画像データに基づいて前記液晶素子が駆動されたときに前記液晶素子においてディスクリネーションが発生する位置と前記第2の出力フレーム画像データに基づいて前記液晶素子が駆動されたときに前記ディスクリネーションが発生する位置とが互いに異なるように、前記第1および第2の出力フレーム画像データに前記階調間の差を与えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の液晶駆動装置。
- 前記第1および第2の低階調フレーム画像データは、前記液晶素子の全画素に同じ階調を形成させる画像データであることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の液晶駆動装置。
- 前記画像データ生成手段は、前記第1および第2の入力フレーム画像データに第3のゲインをかけて前記第1および第2の低階調フレーム画像データを生成し、
前記第3のゲインは、前記高い方のゲインのうち50%以下であることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の液晶駆動装置。 - 液晶素子と、
請求項1から11のいずれか一項に記載の液晶駆動装置とを有することを特徴とする画像表示装置。 - コンピュータに、液晶素子を駆動させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
連続して入力される入力フレーム画像データのうち、第1の入力フレーム画像データに対して第1の出力フレーム画像データを生成させるとともに該第1の出力フレーム画像データよりも階調が低い第1の低階調フレーム画像データを生成させ、第2の入力フレーム画像データに対して第2の出力フレーム画像データを生成させるとともに該第2の出力フレーム画像データよりも階調が低い第2の低階調フレーム画像データを生成させ、
前記第1の出力フレーム画像データ、前記第1の低階調フレーム画像データ、前記第2の出力フレーム画像データおよび前記第2の低階調フレーム画像データのそれぞれに基づいて、順次、1フレーム期間に含まれる複数のサブフレーム期間のそれぞれにおいて前記液晶素子の画素に対する第1の電圧の印加と第1の電圧より低い第2の電圧の印加を制御することで該画素に階調を形成させ、
前記第1および第2の入力フレーム画像データにおける互いに対応する画素位置の画素データ同士が同じ階調を有する場合において、前記第1および第2の出力フレーム画像データにおける互いに対応する画素位置の画素データ同士が互いに異なる階調を有し、該階調間の差はこれらの階調のうち高い方の階調の20%以下であることを特徴とする液晶駆動プログラム。
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