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JP2016210089A - 薄肉化耐熱性ポリエステルボトルの製造方法 - Google Patents

薄肉化耐熱性ポリエステルボトルの製造方法 Download PDF

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秀人 門前
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祐一 宮崎
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Abstract

【課題】ボトルの容量にかかわらず、優れた耐熱性を有する薄肉化ポリエステルボトルを効率よく成形可能な二段ブロー成形法による製造方法を提供することである。
【解決手段】エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂から成るプリフォームを一次ブロー金型で延伸ブロー成形する一次ブロー成形工程、該一次ブロー成形工程で得られた一次ボトルを加熱収縮させる加熱収縮工程、該加熱収縮工程で得られた二次ボトルを二次ブロー金型で延伸ブロー成形する二次延ロー成形工程、から成る耐熱性ポリエステルボトルの製造方法において、前記一次ブロー成形工程における一次ブロー金型が、一次ボトルの底部のヒール部に対応する部分の温度が、一次ボトルの胴部に対応する部分の温度よりも低く、且つ、15〜100℃の範囲に調節されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、耐熱性ポリエステルボトルの製造方法に関するものであり、より詳細には、底部を含めて薄肉化された耐熱性ポリエステルボトルの底部形状を賦形性よく成形可能な二段ブロー成形による製造方法に関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)を延伸ブロー成形して成るポリエステルボトルは、透明性、ガスバリア性、軽量性、耐衝撃性、適度な剛性等の組合せを有し、液体内容物を収容させるための包装容器として広く使用されている。
内容物の保存性を高めるために、内容物を熱間充填し、或いは内容物を充填した後、加熱殺菌又は滅菌することは、ポリエステルボトルにおいても広く行われているが、ポリエステルボトルは耐熱性に劣り、内容物を熱間充填する際の熱変形や容積の収縮変形を生じるという欠点がある。
このような欠点を解消するために、従来より、二軸延伸ブロー成形後に熱固定(ヒートセット)を行うこと、或いは二段ブロー成形法を採用することによって、耐熱性を向上することが行われている(特許文献1及び2)。
かかる二段ブロー成形においては、加熱収縮工程において、熱収縮したボトルが、最終成形品と近いほど、安定的に耐熱性を有するボトルとなる。また、一次ボトルの肉厚が薄い部分が収縮しやすい傾向があるため、できるだけ一次ボトルの肉厚を最終成形品に近い肉厚にコントロールすることで、良好な二次ボトルの形状及びサイズをコントロールしていた。
ところで、生産コストの削減に伴う使用樹脂の低減の要請の観点、及び近年のポリエステルボトルのリサイクル率の高まりに伴うボトルの減容化の要請の観点から、各種用途及びサイズのポリエステルボトルにおいても更に薄肉化することが求められている。またポリエステルボトルの内容物やライフスタイルの多様化から、500ml未満の小型のポリエステルボトルの需要も多くなっている。
特開平9−118322号公報 特開2003−103610号公報
しかしながら、上述した容量が500ml未満の小型の薄肉化ポリエステルボトルを、充分な耐熱性を持たせるべく、二段ブロー成形によって成形する場合には、500ml以上の容量を有する薄肉化ポリエステルボトルと同様に、一次ボトルの局所的な収縮を起こさない肉厚を確保しながら、一次ボトルの形状や状態を適切にコントロールすることは困難である。特に、一次ボトルの胴部に連なる底部の側面部分及び底面の外周側部分(以下、これらを合わせて「ヒール部」という)の肉厚を、コントロールすることが難しい。その結果、一次ボトルの底部のヒール部が薄肉化されてしまうと、加熱収縮工程により、加熱収縮された二次ボトルのヒール部が内方に入り込み、テーパ状に形成されてしまう(図1(A))。その一方、使用樹脂量の少ない薄肉化ボトルの成形において一次ボトルの底部のヒール部を薄肉化しすぎないように厚肉化すると、底部に局所的な薄肉部分が生じるという問題が生じた。
底部のヒール部がテーパ状に形成された二次ボトルを用いて、二次ブロー成形を行うと、二次ブロー成形による加工量が大きいため、得られる最終成形品に成形歪が生じて、優れた耐熱性を付与することが困難になる。また、二次ブロー成形工程で底金型を上昇した後、割金型を閉じる際に噛み込みを生じてしまうという問題もある。
一方、局所的に薄肉化された部分を有する底部では、二次ブロー成形の際にバーストしたり、或いは成形できたとしても満足する機械的強度を有する薄肉化ポリエステルボトルを得ることができない。
従って本発明の目的は、ボトルの容量にかかわらず、優れた耐熱性を有する薄肉化ポリエステルボトルを効率よく成形可能な二段ブロー成形による製造方法を提供することである。
本発明によれば、熱可塑性ポリエステル樹脂から成るプリフォームを一次ブロー金型でブロー成形する一次ブロー成形工程、該一次ブロー成形工程で得られた一次ボトルを加熱収縮させる加熱収縮工程、該加熱収縮工程で得られた二次ボトルを二次ブロー金型でブロー成形する二次ブロー成形工程、から成る耐熱性ポリエステルボトルの製造方法において、前記一次ブロー成形工程における一次ブロー金型が、一次ボトルの底部のヒール部に対応する部分の温度が、少なくとも一次ボトルの胴部に対応する部分よりも低く、且つ、15〜100℃の範囲に調節されていることを特徴とする耐熱性ポリエステルボトルの製造方法が提供される。
本発明の耐熱性ポリエステルボトルの製造方法においては、前記一次ブロー金型の、一次ボトルの胴部に対応する部分の温度が100〜150℃であること、が好適である。
本発明によればまた、上記製造方法により製造された耐熱性ポリエステルボトルであって、底部の結晶化度が35〜45%である耐熱性ポリエステルボトルが提供される。
本発明の耐熱性ポリエステルボトルの製造方法においては、一次ブロー成形工程に用いる一次ブロー金型において、ヒール部に対応する部分の金型の温度を15〜100℃と低温に設定しておくことにより、一次ボトルのヒール部が熱固定されず結晶化度が上昇しない。その結果、加熱収縮工程で一次ボトルのヒール部を優先的に加熱収縮させることが可能になって、底部のヒール部の肉厚が薄くなっても、バランス良く収縮するためヒール部がテーパ状に形成されることを防止する。そのため、底部のヒール部を厚肉化することもないので、底部に局所的な薄肉部分が形成されてしまうことも有効に防止できる。
これにより、最終成形品の容量にかかわらず、加熱収縮工程において胴部及び胴部に連なる底部がストレートで且つ底面がフラットな底形状の二次ボトルを成形することができ、次いで行う二次ブロー成形工程において、成形加工量が少なく、成形歪の少ない、すなわち耐熱性に優れた薄肉化された最終成形品を成形することが可能になる。
また本発明の耐熱性ポリエステルボトルの製造方法によれば、二次ボトルの形状が最終成形品の形状に近似していることから、底金型を上昇した後、割金型を閉じた場合に生じる噛み込みの発生も有効に防止される。
本発明の製造方法により、製造されたポリエステルボトルは、成形歪が少なく、容量が500ml未満の小型のボトルにおいても、底部の密度法による結晶化度が胴部とほぼ同程度の35〜45%の範囲にあり、優れた耐熱性を備えている。しかも胴部のみならず底部においても充分に薄肉化されたポリエステルボトルでありながら、局所的な薄肉部がなく、優れた機械的強度を有している。
また底部に上げ底形状の可動底部を形成すること可能であり、底部に減圧吸収機能を付与することができる。
小型ボトルを成形する際の二次ボトルを概略的に示す図であり、(A)はヒール部がテーパ状になった従来の二次ボトル、(B)は本発明方法により得られる二次ボトルをそれぞれ示す。 本発明の耐熱性ポリエステルボトルの製造方法の各工程を説明するための図である。
一般に二段ブロー成形においては、一次ブロー成形工程において高延伸状態に薄肉化され、この薄肉化された一次ボトルを加熱収縮工程で加熱収縮させることによって、延伸による残留応力を緩和すると共に熱固定により耐熱性を高め、更に二次ブロー成形工程では延伸加工量を低減して成形歪の発生を抑制し、優れた耐熱性を確保することが可能となる。
本発明の耐熱性ボトルの製造方法においては、この二段ブロー成形における一次ブロー成形工程において、前記一次ブロー成形工程における一次ブロー金型が、一次ボトルの底部のヒール部に対応する部分の温度を胴部に対応する部分よりも低く、且つ、15〜100℃の範囲に調節することが重要な特徴である。
薄肉に延伸された一次ボトルのヒール部が高温の一次ブロー金型に接触し熱固定された状態で加熱収縮工程に賦されると、ヒール部の折り畳みがうまくいかず、図1(A)に示すようにヒール部Xがテーパ状になってしまうが、ヒール部に対応する部分の金型温度を胴部に対応する金型よりも低く、且つ、15〜100℃と低くすることにより、金型接触に伴うヒール部の結晶化が抑制され、次いで行う加熱収縮工程において、熱固定された胴部やヒール部を除く底部よりもヒール部が優先的に収縮される。その結果、局所的な薄肉部を生じることなく、最終ボトルの形状(すなわち、二次ブロー成形金型の形状)に近似した、ストレートな胴部とフラットな底面が形成された二次ボトル(図1(B))が得られ、二次ブロー成形における成形加工量が低減され、成形歪が少なく優れた耐熱性を付与することが可能になる。また、ヒール部に対応する部分の金型温度が、胴部に対応する金型温度より高い、或いは、100℃よりも高いと、胴部と同じだけ結晶化されてしまい、優先的に収縮されないため、求める形状のボトルを得ることができない。一方、ヒール部に対応する部分の金型温度が15℃よりも低いと、金型が結露してしまうため、生産には適応できない。
本発明の耐熱性ポリエステルボトルの製造方法を添付図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の耐熱性ポリエステルボトルの製造工程を示す図であり、(A)はプリフォームを延伸温度にまで加熱する予備加熱工程を示す図であり、(B)は一次ブロー成形工程、(C)は加熱処理工程、(D)は二次ブロー成形工程をそれぞれ示す図である。
(予備加熱工程)
本発明に用いられるプリフォーム1は、図2(A)に示すように、口部2、胴部3及び底部4から成っており、口部2にはネジ等の蓋締結機構5及び容器保持のためのサポートリング6等が設けられている。このプリフォーム1は、耐熱性の見地から、口部2が熱結晶化されていることが好適である。
予備加熱工程においては、図2(A)に示すように、加熱手段7a,7bによってプリフォーム1を外側及び内側から加熱し、85〜135℃程度の延伸温度にまで加熱する。加熱手段7a,7bとしては、赤外線加熱、誘導加熱等のそれ自体公知の手段により行うことができ、プリフォームの外面及び内面の両方を加熱して厚さ方向の温度差を低減することが望ましいが、加熱手段7aのみにより、プリフォームの外面のみを加熱してもよい。
プリフォームは、底部が、胴部の肉厚に比して薄肉化されたプリフォームを用いることが好ましい。プリフォームの底部を胴部に比して薄肉にしておくことにより、一次ブロー成形工程で延伸棒及びプレス棒で底部を固定することにより厚肉になりがちな底部を薄肉化することが可能になる。
本発明に用いられるプリフォームには、延伸ブロー成形及び熱結晶化可能なプラスチック材料であれば、任意のものを使用することができるが、熱可塑性ポリエステル樹脂、特にエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂が有利に使用される。熱可塑性ポリエステル樹脂については後述する。
またプリフォームは熱可塑性ポリエステル樹脂の単層のものでもよいし、内外層が熱可塑性ポリエステル、中間層がガスバリア性、酸素吸収性等の機能性を有する樹脂又は樹脂組成物から成る公知の多層構造のものを使用できる。プリフォームへの成形は、従来公知の方法、例えば射出成形、圧縮成形等により行われる。
(一次ブロー成形工程)
本発明において、延伸温度に加熱されたプリフォーム1は、熱結晶化された口部2をコア金型10で固定し、口部2を除く、胴部3及び底部4が、一次ブロー金型内に挿入される。
図2(B)に示すように、一次ブロー金型は、大まかに言って割金型(キャビティ)11及び底金型12から成り、金型内に配置された延伸棒13及びプレス棒14でプリフォーム1の底部を挟み込み、高圧流体をプリフォーム1内に導入することによりプリフォームは延伸される。
一次ブロー成形における延伸倍率は、一般に、周方向に4.0〜5.5倍、縦方向に2.8〜3.5倍程度であることが望ましく、縦方向にも十分延伸されていることにより、周方向及び縦(高さ)方向にほぼ均等に配向でき、二軸延伸効果による機械的強度の向上を図ることができる。一次ブロー成形では、流体圧は15〜30kg/cm、ブロー時間は2〜5秒程度であることが好ましい。
延伸棒13による軸方向の延伸及び高圧流体による周方向の延伸された一次ボトル20は、一次ブロー金型表面に接触することにより熱固定されるが、本発明においては、前述したとおり、一次ボトル20のヒール部を熱固定しないことから、割金型(キャビティ)11は、胴部割金型11aとヒール部割金型11bから構成される。そして、ヒール部に対応する部分のヒール部割金型11bが、胴部に対応する部分の胴部割金型11aよりも低温となるように冷却水等によって冷却され、金型表面の温度が15〜100℃、特に60〜100℃に調節されている。一方、胴部に対応する部分の胴部割金型11aは、100℃〜150℃の温度に調節され、また底金型12は、胴部に対応する胴部割金型11aと同様に高温でもよいが、ヒール部に対応するヒール部割金型11bと同様に15〜100℃の温度に調節されていることが望ましい。一次ブロー成形工程における熱固定の時間は、2〜5秒の範囲内であることが好適である。
(加熱収縮工程)
ヒール部を除いて熱固定された一次ボトル20は、一次ブロー金型から取り出され、加熱収縮工程に賦される(図2(C))。これにより一次ボトル20を熱収縮させ、結晶化を促進しながら残留ひずみを緩和して、次いで行う二次ブロー成形工程での配向結晶を進行させると共に、熱固定により耐熱性を向上させることが可能になる。更に最終成形品に近い形状にまで収縮させて、二次ブロー成形工程での延伸加工量を少なくして、耐熱性を高めることが可能になる。
コア金型21で固定された一次ボトル20は、遮蔽板23で熱から遮蔽された口部2を除いて、自転しながら胴部及び底部に対応する位置に設置された加熱手段22,22・・・によって加熱され、後述する二次ブロー金型よりも若干小さく、且つ二次ブロー金型の形状に近似した形状の二次ボトル30に収縮する。
一般に一次ボトルの加熱処理は、ボトル全体を収縮させるが、本発明においては、一次ボトル20の胴部が熱固定されているのに対して、ヒール部は熱固定されていない結晶化度の低い状態であることから、一次ボトル全体を加熱しても、ヒール部が優先的に収縮して適切に折りたたまれることから、胴部がストレートで底面がフラットな形状の二次ボトルとなるように加熱収縮させることができる。
加熱収縮工程においては、一次ボトル20の胴部の表面温度が120〜180℃となる温度で加熱することが望ましい。
(二次ブロー成形工程)
上述した加熱収縮工程により最終成形品よりも若干小さく且つ近似した形状に収縮された二次ボトル30は、図2(D)に示すように、二次ブロー金型内で延伸ブローされて最終成形品となる。二次ボトル30は、コア金型31によりその口部を支持されており、閉じた二次ブロー金型の割金型(キャビティ)32内に保持される。コア金型31の反対側には、最終容器の底形状を規定する底金型33も配置されている。二次ブロー成形工程においては、かかる二次ブロー金型内に保持された二次ボトル内に流体を吹き込むことにより延伸して配向結晶化させる。更に、二次ブロー金型の金型温度は、割金型(キャビティ)32で140℃〜170℃、底金型33で30℃〜120℃の温度に維持されており、配向結晶化されたボトルを熱固定することにより、耐熱性を向上させ、最終成形品を製造する。
二次ブロー成形工程において、用いる二次ブロー金型は、当然のことながら、二次ボトル30よりも大きく、自立性底形状を含めて最終成形品の寸法及び形状に合致するものである。
また二次ブロー成形においては、加熱収縮工程の加熱処理による結晶化で、弾性率が増加しているので、高い流体圧を用いて行うのがよく、一般に15〜45kg/cmの圧力を用いることが好ましい。
最終成形品は、成形後直ちに冷却が行われるようにしてもよいし、或いは最終成形品中に冷風等を流して冷却が行われるようにしてもよい。成形された最終成形品は、それ自体公知の取り出し機構(図示せず)により、開いた二次ブロー金型から外部に取り出される。
(熱可塑性ポリエステル樹脂)
本発明の製造方法に用いるプリフォームを構成する熱可塑性ポリエステル樹脂は、前述したとおり、従来より二軸延伸ブロー成形に用いられていたエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂から成る有底プリフォームを好適に使用することができる。
尚、エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂とは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を50モル%以上、特に80モル%以上の量で含有し、ジオール成分としてエチレングリコールを50モル%以上、特に80モル%以上の量で含有するポリエステルであり、残余の成分として、従来、ポリエステル樹脂に用いられている、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;の1種又は2種以上の組合せから成るジカルボン酸成分、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上から成るジオール成分を挙げることができる。
ポリエステル樹脂は、少なくともフィルムを形成するに足る分子量を有するべきであり、用途に応じて、射出グレード或いは押出グレードのものが使用される。その固有粘度(I.V.)は一般的に0.6乃至1.4dL/g、特に0.63乃至1.3dL/gの範囲にあるものが望ましい
(最終成形品)
本発明の製造方法により得られた耐熱性ポリエステルボトルは、二次ブロー成形工程における二次ブロー金型形状に近似した二次ボトル30を用いて二次ブロー成形していることから成形加工歪が少ないと共に、一次ブロー成形工程で熱固定を行っていない一次ボトルの底部のヒール部でも、加熱収縮工程にて熱収縮され結晶化が促進され、二次ブロー成形工程にて熱固定されているため、最終成形品の底部は、胴部と同程度の35〜45%の範囲の結晶化度を有しており、優れた耐熱性を有している。
また本発明の製造方法により得られた耐熱性ポリエステルボトルは、ボトルサイズによって肉厚は適宜設定されるが、肉厚が薄くとも、結晶化度が高く耐熱性が高いため、従来よりも最終形状の胴部、底部のヒール部の肉厚を薄肉化することができる。
本発明を次の実験例にて説明する。
実験に用いたポリエステル容器の成形方法、測定方法は次の通りである。
(ポリエステル容器)
ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と表記する)にて射出成形したプリフォーム(PF)を加熱し(予備加熱工程)、一次ブロー成形工程、加熱収縮工程、二次ブロー成形工程からなる二段ブロー成形機にてPETボトルを成形した。成形したPETボトルは280mlボトルである。成形条件は以下の通りである。
・PF加熱温度:100℃
・1次ブロー金型温度
(1) キャビティ(胴部):125℃ キャビティ(ヒール部):80℃ 底金型:8
0℃
(2) キャビティ:125℃ 底金型:80℃
・一次ボトル加熱温度:130℃
・2次ブロー金型温度
キャビティ(胴部):155℃ 底金型:100℃
一次ブロー金型温度を上記(1)と(2)の各条件で、PETボトルを作成したが、ボトルが280mlと小容量であったため、(2)の条件では、ヒール部肉厚コントロールが難しく、薄肉化して二次ボトルのヒール部がテーバー形状となってしまった。(1)の条件で成形したボトルは、ヒール部側面がストレートで且つヒール部底面がフラットな底形状の二次ボトルを成形できた。
(耐熱性評価)
成形したPETボトルに91℃に加熱された水を充填密封した。そのまま冷却してPETボトルの変形の有無を確認し、変形がある場合を耐熱性がないと判断した。
上記(1)の条件で成形した最終成形品のPETボトルは、耐熱性評価でボトルの変形がなかったが、上記(2)の条件で成形した最終成形品のPETボトルでは、耐熱性評価でボトルの変形が発生した。
(結晶化度測定)
上記耐熱性評価で変形が生じなかった条件(1)で成形したPETボトルA、Bから3mm×5mmの切片をそれぞれ切り出し、密度勾配管を使用して結晶化度(%)を測定した。
表1に示すように、条件(1)で成形したPETボトルA、Bはいずれもヒール部の結晶化度が胴部と同等となり、耐熱性を十分有したボトルを成形することが可能であることが確認できた。
本発明のポリエステルボトルの製造方法は、軽量化及び小型化が要求される耐熱性ポリエステルボトルの製造に好適に利用することができる。
1 プリフォーム、2 首部、3 胴部、4 底部、7 加熱手段、11 割金型(キャビティ)、12 底金型、13 延伸棒、20 一次ボトル、22 加熱手段、30 二次ボトル、32 割金型(キャビティ)、33 底金型。

Claims (3)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂から成るプリフォームを一次ブロー金型でブロー成形する一次ブロー成形工程、該一次ブロー成形工程で得られた一次ボトルを熱収縮させる加熱収縮工程、該加熱収縮工程で得られた二次ボトルを二次ブロー金型でブロー成形する二次ブロー成形工程、から成る耐熱性ポリエステルボトルの製造方法において、前記一次ブロー成形工程における一次ブロー金型が、一次ボトルの底部のヒール部に対応する部分の温度が一次ボトルの胴部に対応する部分の温度よりも低く、且つ、15〜100℃の範囲に調節されていることを特徴とする耐熱性ポリエステルボトルの製造方法。
  2. 前記一次ブロー金型の、一次ボトルの胴部に対応する部分の温度が100〜150℃である請求項1記載の耐熱性ポリエステルボトルの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法で製造された耐熱性ポリエステルボトルであって、底部の結晶化度が35〜45%である耐熱性ポリエステルボトル。
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