JPH01157828A - 熱固定ポリエステル延伸成形容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、熱固定ポリエステル延伸成形容器に関し、よ
り詳細には、高温熱間充填または低温充填後加熱殺菌が
可能な熱固定ポリエステル延伸成形容器に関する。

（従来の技術） ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）の如き、熱可塑
性ポリエステルの二軸延伸ブロー成形容器は、優れた透
明性や表面光沢を有すると共に、びんに必要な耐衝撃性
、剛性、ガスバリヤ−性をも有しており、各種のびん詰
め容器として利用されている。

しかしながら、ポリエステル容器は耐熱性に劣るという
欠点があり、内容物を熱間充填する用途に対しては、熱
変形や容積の収縮変形を生じるため二軸延伸ブロー容器
を成形後に熱固定（ヒート・セット）すべく多くの提案
が既に行われている。

熱固定の方法には、特公昭６０−５６６０６号公報に見
られる通り、延伸ブロー成形により得られる成形品を成
形ブロー型から取出した後、熱固定用の金型内に保持し
て熱固定を行う方法や、特公昭５９−６２１６号公報に
見られる通り、ブロー成形型中で延伸ブロー成形と同時
に熱固定を行う方法が知られている。また、特開昭５７
−５３３２６号公報には、−次金型中で延伸ブロー成形
と同時に熱処理を行い、成形品を取出してこれを冷却す
ることなく、二次処理金型中でブロー成形する方法が記
載されている。

（発明が解決しようとする問題点） これらの熱固定法の内、単一の金型内で延伸ブロー成形
と同時に熱固定を行う方法は、装置コストが低く、操作
も簡便であるという利点があるが、単一の金型内で高温
での熱固定と成形体の取出しのための冷却とを行う必要
がある。このため、従来ワン・モールド熱固定法では、
延伸ブロー成形体の熱固定を比較的低温、例えば１３０
℃前後の温度で行い、熱固定後の成形体を十分に冷却し
た後、成形容器の取出しを行っている。

しかしながら、従来のワン・モールド熱固定法では、取
出された成形容器の器壁に残留歪があり、また熱固定の
温度も比較的低いことから、熱固定の効果（結晶化度）
も概して低く、得られる熱固定延伸成形容器の耐熱性や
寸法安定性においていまだ十分満足し得るものではなか
った。このため、この熱固定容器に内容物の熱間充填を
行うと、容器の最も重要な器壁胴部、特に容器の内容積
変化に追従するためのパネル部等に変形が生じるという
外観特性及び機能上の問題を生じる。

従って、本発明の目的は、高度の結晶化と同時に残留歪
の低減が行われていることによって、高い保形可能温度
を有する熱固定ポリエステル延伸容器を提供するにある
。

本発明の他の目的は、高温での熱間充填や低温充填後加
熱殺菌が可能である、耐熱性及び寸法安定性に優れた熱
固定ポリエステル延伸成形容器を提供するにある。

Ｃ問題点を解決するための手段） 本発明によれば、ポリエチレンテレフタレートの二軸延
伸ブロー成形及び熱固定で形成された容器において、該
容器の胴部が３４％以上の結晶化度を有するように熱固
定され、該容器は７５乃至１２０℃の保形可能温度を有
することを特徴とする高温熱間充填または低温充填後加
熱殺菌が可能な熱固定ポリエステル延伸成形容器が提供
される。

（作　用） 本発明の熱固定ポリエステル延伸成形容器は、その胴部
が３４％以上の結晶化度を有し、且つ７５乃至１２０°
Ｃの保形温度を有することが特徴である。すなわち、こ
の容器の胴部は３４％以上という高い結晶化度を有する
と共に、高結晶化度への熱固定に際して生じやすい内部
歪を除去乃至低減させたことにより、７５乃至１２０℃
という保形可能温度を達成したものである。本明細書に
おいて保形可能温度とは、文言通りの意味、即ち、容器
の外形が変形することなく維持される温度を意味する。

本発明の熱固定ポリエステル延伸成形容器は、ポリエチ
レンテレフタレートから成る有底プリフォームを、高温
、金型内で二軸延伸ブロー成形すると共に、得られる成
形体をこの金型内にて１３５℃以上の高温で熱固定し、
熱固定された成形体をその表面温度がポリエチレンテレ
フタレートのガラス転移点よりも高温でしかも実質上保
形可能な温度で金型より取出し、取出した成形体を放冷
雰囲気中でアニーリングして、成形体を自由収縮させる
ことにより製造される。

熱固定温度は１３５℃以上であることが必要であり、１
４０乃至２３０℃の温度が好ましい。本明細書において
、熱固定温度とは、二軸延伸ブロー成形体が金型キャビ
ティ表面と接触して熱固定が行われることから、金型キ
ャビティの表面温度を言う。

熱固定によりもたらされる延伸成形容器壁（胴部の結晶
化度は、温度と時間の関数であり、高温では短時間の内
にポリエステルの結晶化度が向上し、比較的短時間の内
に熱固定の効果が発現される。本発明の容器の製造では
、１３５℃以上という高温で熱固定操作を行うことによ
り、二軸延伸ブローにより最も高度に二軸分子配向され
た胴部壁の結晶化度を３４％以上に高めることができる
。熱固定の時間は、温度によっても相違するが、一般に
２秒以上、特に３乃至１０秒の範囲である。熱固定操作
時には、熱効率の点で、ブロー成形に用いた加圧流体を
成形体内部に閉じ込めておくのがよい。

次いで熱固定された成形体を、その表面温度（外表面温
度）がポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）のガラス
転移点（Ｔｇ＝６９℃）よりも高温でしかも実質上保形
可能な温度、好適には７５乃至１２０℃の温度、最も好
適には８０乃至１１５℃の温度で金型より取出す、延伸
成形され且つ熱固定された成形体器壁には、内部歪が残
留しているが、熱固定後の成形体を、ＰＥＴのガラス転
移点（Ｔｇ）よりも高い温度で取出すことにより、器壁
中の（ＰＥＴ）分子鎖の運動が可能となることから、後
述するアニーリング処理により、内部残留歪みの除去乃
至は低減化が可能となる。

熱固定された成形体を取出す時の温度は、成形体の自由
収縮は生ずるが成形体の外形が実質上保存されるような
温度であることから、本発明の容器における保形可能温
度は、取出し時の温度とほぼ対応する。この取出し時の
温度は、未熱固定の成形体では低く、熱固定の程度が大
きくなれば高くなる。上記の製法では、二輪延伸成形体
を１３５℃以上という高温で熱固定するため、取出し温
度の上限値を１２０℃と高くすることが可能となり、こ
れに伴って保形可能温度も高くなる。

熱固定後の成形体を金型内から取出すための冷却は、高
温の金型キャビティ表面温度をあまり冷却しないように
、成形体内部に室温の流体或いは冷却された流体を循環
させることにより有利に行われる。一般に、この取出し
のための冷却は３乃至２０秒程度の時間で行うことが望
ましい。

最後に、取出した成形体を室温雰囲気中でアニーリング
して成形体を自由収縮させる。このアニーリングによる
成形体の自由収縮により、成形体器壁中の残留歪が緩和
され、容器の保形可能温度を取出し時の温度とほぼ対応
させることが可能となる。

成形体の自由収縮は、金型内容積（Ｖ　、　）に対する
容器外形体積（Ｖ２）の減少率（α）、即ち、 が、０．３乃至３．０％の範囲となるように行えば、残
留率はほぼ緩和されているということができる。容器外
形体積（Ｖ２）は、容器内容積をｖｌ、容器目付量をＷ
、容器壁密度なρとすると、式 ％式％ 本発明の容器においては、内容物の熱間充填や内容物充
填容器の加熱殺菌に際して、器壁の不斉変形（部分的な
変形）や全体的な収縮が防止され、熱固定ポリエステル
延伸成形容器のこの用途への応用が可能となる。

本発明に右いて、熱可塑性ポリエステルとしては、エチ
レンテレフタレート単位を主体とする熱可塑性ポリエス
テル、例えばＰＥＴやグリコール成分としてヘキサヒド
ロキシリレングリコール等の他のグリコール類の少量を
含有せしめ或いは二塩基酸成分としてイソフタル酸やヘ
キサヒドロテレフタル酸等の他の二塩基酸成分の少量を
含有せしめた所謂改質ＰＥＴ等が使用される。これらの
ポリエステルは、単独でも或いはナイロン類、ポリカー
ボネート或いはボリアリレート等の他の樹脂とのブレン
ド物の形でも使用し得る。用いるポリエステルは、当然
のことながら、フィルムを形成するに足る分子量を有す
るべきである。ポリエステルの固有粘度は０．７０乃至
１．２０ｄｌ／ｇの範囲内にあるがよい。

延伸ブロー成形に使用する有底プリフォームは、それ自
体公知の任意の手法、例えば射出成形法、バイブ押出成
形法等の製造される。前者の方法では、溶融ポリエステ
ルを射出し、最終容器に対応する口頚部を備えた有底プ
リフォームを非晶質の状態で製造する。後者の方法はエ
チレン−ビニルアルコール共重合体等のガスバリヤ−性
中間樹脂層を備えた有底プリフォームの製造に有利な方
法であり、押出された非晶質パイプを切断し、一端部に
圧縮成形で口頚部を形成されると共に。

他端部を閉じて有底プリフォームとする。高温下での蓋
との係合、密封状態を良好に維持するために、容器口頚
部となる部分のみを予め熱結晶化させておくことができ
る。勿論、この熱結晶化は以後の任意の段階で行うこと
もできる。

このプリフォームの二軸延伸ブロー成形は、割金型（キ
ャビティ型）及びコア金型を使用して、それ自体公知の
条件で行われ、例えば延伸温度、一般に９０乃至１３０
℃、特に１００乃至１２０℃の温度に予備加熱されたプ
リフォームに対して、延伸棒によりプリフォームを軸方
向に引張延伸すると共に、流体吹込みにより周方向に膨
張延伸される。軸方向の延伸倍率は、１．５乃至３．５
倍、特に２乃至３倍とし、周方向の延伸倍率は胴部で２
乃至５倍、特に３乃至４．５倍とするのがよい。

本発明による優れた効果を次の例で説明する。

（実施例） 実施例１ 固有粘度ＩＶが０．７８ｄｌ／ｇ、ガラス転移温度Ｔｇ
６９℃（密度ｄ　１．３３５ｇ／ｃｍ３）のポリエチレ
ンテレフタレートを射出成形し、高さ１６２ｍｍ、胴部
径３０ｍｍ、胴部平均肉厚４ｍｍ、そして首部肉厚１．
５ｍｍの有底パリソン（プリフォーム）を成形し、口部
のみ熱風（２４０℃）により熱処理を行い結晶化させた
。

このプリフォームを延伸温度９７℃〜９８°Ｃに加熱し
、このプリフォームをキャビティ表面温度が１２５℃、
１４０℃及び１６０℃に加熱された内容積１５５０ｍｌ
のキャビティを有するブロー金型内で二軸延伸ブローし
てボトルを成形すると共に、該ブロー金型内に４秒間保
持して熱固定を行った後、ボトル表面温度が６５℃、７
５℃、９５℃、１１０℃及び１３０℃になった時点で金
型よりボトルを取出し、このボトルを室温雰囲気（約２
０℃）中でアニーリングして収縮させた。

ブロー金型のキャビティ表面温度とブロー金型内容積に
対するボトル外形体積の減少率及びボトル胴部の結晶化
度との関係を表１に示す。

表　　１ 結晶化度Ｘ（％）は得られたボトルの胴部の密度を測定
し次式によって求めた。

ただし、ｄは２５℃における密度、ｄ。

＝１．３３５　ｇ／ｃｍ”　、　ｄ　ｃ　＝１．４５５
　ｇ／ｃｍ３得られたボトルを高温での熱間充填法及び
低温（室温）充填後殺菌法にて評価し、その結果を表２
に示す。

表２の結果から、本発明によって成形されたボトル、即
ちＮｏ、４．５．６及び９のボトルは、金型からの取出
し時の変形も少なく、且つ高温熱間充填法及び低温充填
後殺菌法により殺菌を施しても変形が少なく、良好な外
観を示したが、本発明の範囲外のものは変形を生じ良好
な外観を示さなかった。

（発明の効果） 本発明によれば、熱固定ポリエステル延伸固定容器の胴
部の結晶化度を３４％以上、容器の保形可能温度を７５
乃至１２０℃としたことにより、内容物の高温熱間充填
または低温充填後加熱殺菌が器壁の不斉変形や熱収縮を
生じることなしに可能になった。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸ブロー成
   形及び熱固定で形成された容器において、該容器の胴部
   が３４％以上の結晶化度を有するように熱固定され、該
   容器は７５乃至１２０℃の保形可能温度を有することを
   特徴とする高温熱間充填または低温充填後加熱殺菌が可
   能な熱固定ポリエステル延伸成形容器。