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JP2016116023A - マルチバンド電力増幅器 - Google Patents

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謙治 向井
Kenji Mukai
謙治 向井
新庄 真太郎
Shintaro Shinjo
真太郎 新庄
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Abstract

【課題】高周波数帯増幅器のトランジスタサイズを小型化するマルチバンド電力増幅器を提供する。【解決手段】入力された高周波信号High Bandを増幅し、第1の高周波信号として出力する第1の増幅素子3cと、第1の増幅素子に入力される高周波信号の一部を、高周波信号より周波数の低い低周波信号に周波数変換する第1の周波数変換回路(分周器5c)と、低周波信号Low Bandを増幅する第2の増幅素子3aと、第2の増幅素子が増幅した低周波信号を、第1の高周波信号の周波数と等しい第2の高周波信号に周波数変換する第2の周波数変換回路(逓倍器6c)とを備える。第1の増幅素子が増幅した第1の高周波信号と、第2の周波数変換回路が周波数変換した第2の高周波信号とを電力合成し、合成した電力を出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、地上マイクロ波通信、移動体通信等に使用されるマルチバンド電力増幅器に関する。
従来技術として、例えば非特許文献1に示すマルチバンド電力増幅器が知られている。携帯端末は周波数帯ごとに携帯基地局と通信を行なう必要があるため、携帯端末に搭載されるマルチバンド電力増幅器では、周波数帯ごとに電力増幅器を設ける構成が用いられる。
非特許文献1のマルチバンド電力増幅器は、2つの周波数帯のRF信号を増幅する2つの増幅器から構成される。便宜上、2つの周波数帯のうち、周波数が高い周波数帯を高周波数帯とし、周波数が低い周波数帯を低周波数帯とする。また、高周波数帯のRF信号を増幅する増幅器を高周波数帯増幅器とし、低周波数帯のRF信号を増幅する増幅器を低周波数帯増幅器とする。各増幅器は整合回路及びトランジスタから構成される。
非特許文献1のマルチバンド電力増幅器において、高周波数帯増幅器と低周波数帯増幅器は独立に動作する。高周波数帯のRF信号は、高周波数帯増幅器に入力され、高周波数帯増幅器により増幅され、出力される。同様に、低周波数帯のRF信号は、低周波数帯増幅器に入力され、低周波数帯増幅器により増幅され、出力される。以上のように、非特許文献1のマルチバンド電力増幅器は、入力されるRF信号の周波数帯によって、RF信号を増幅する増幅器が異なる。
「ALT6725 HELP3ETM Dual-band Cellular & PCS LTE3.4 V Linear Power Amplifier Module」、ANADIGICS、[online]、[平成26年11月4日検索]、インターネット<URL:http://www.anadigics.com/sites/default/files/datasheets/ALT6725_Rev_1.0.pdf>
しかしながら、非特許文献1のマルチバンド電力増幅器は以下に示す課題がある。一般に、トランジスタなどの増幅素子の特性は、周波数に依存し、高周波数帯の特性よりも低周波数帯の特性が良いことが知られている。周波数が高くなるほど、トランジスタの特性は劣化するので、低周波数帯と高周波数帯で同じサイズのトランジスタを使用した場合、高周波数帯増幅器の出力電力は、低周波数帯増幅器に比べて劣化する。ゆえに、高周波数帯増幅器では、出力電力を改善するためにトランジスタサイズを変えなければならず、低周波数帯増幅器に比べてトランジスタサイズが大きくなるという課題があった。このため、高周波数帯増幅器のトランジスタサイズの大型化により、マルチバンド電力増幅器は、回路規模が大きくなるため、小型化や低コスト化が難しかった。
本発明は上述の課題を鑑みてなされたもので、マルチバンド電力増幅器の小型化、低コスト化に寄与するものである。
本発明のマルチバンド電力増幅器は、入力された高周波信号を増幅し、第1の高周波信号として出力する第1の増幅素子と、第1の増幅素子に入力される高周波信号の一部を、高周波信号より周波数の低い低周波信号に周波数変換する第1の周波数変換回路と、低周波信号を増幅する第2の増幅素子と、第2の増幅素子が増幅した低周波信号を、第1の高周波信号の周波数と等しい第2の高周波信号に周波数変換する第2の周波数変換回路とを備え、第1の増幅素子が増幅した第1の高周波信号と、第2の周波数変換回路が周波数変換した第2の高周波信号とを電力合成し、合成した電力を出力する。
本発明によれば、高周波数帯増幅器のトランジスタサイズを小さくできる効果がある。これにより、マルチバンド電力増幅器の小型化、低コスト化を実現できる。
実施の形態1のマルチバンド電力増幅器の一構成例を示す図である。 実施の形態2のマルチバンド電力増幅器の一構成例を示す図である。 増幅素子7aの一構成例を示す図である。 実施の形態3のマルチバンド電力増幅器の一構成例を示す図である。
実施の形態1
近年、LTE(Long Term Evolution)に代表される携帯電話通信において、割当て周波数帯は、低周波数帯(0.7GHz〜0.915GHz)、中間周波数帯(1.5GHz〜2GHz)、高周波数帯(2.3GHz〜2.7GHz)に分けることができ、これらの周波数帯は、概ね逓倍の関係にある。
図1は、実施の形態1のマルチバンド電力増幅器の一構成例を示す図である。
本マルチバンド電力増幅器は、入力端子1a、1b、1c、出力端子2a、2b、2c、増幅素子3a、3b、3c、方向性結合器4b、4c、分周器5b、5c(第1の周波数変換回路の一例)、とする)、逓倍器6b、6c(第2の周波数変換回路の一例)を備える。ここで、a、b、cは各周波数帯に対応する符号であり、それぞれ、低周波数帯、中間周波数帯、高周波数帯に対応する。
入力端子1aは、低周波数帯のRF信号が入力される端子である。入力端子1bは、中間周波数帯のRF信号が入力される端子である。入力端子1cは、高周波数帯のRF信号が入力される端子である。
出力端子1aは、低周波数帯のRF信号が出力される端子である。出力端子1bは、中間周波数帯のRF信号が出力される端子である。出力端子1cは、高周波数帯のRF信号が出力される端子である。
増幅素子3aは、入力された低周波数帯のRF信号を増幅する増幅素子である。増幅素子3bは、入力された中間周波数帯のRF信号を増幅する増幅素子である。増幅素子3cは、入力された高周波数帯のRF信号を増幅する増幅素子である。増幅素子としては、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、バイポーラトランジスタ、HEMT(High Electron Mobility Transistor)などの半導体素子が用いられる。半導体素子及び整合回路を含んだ増幅器を増幅素子として用いても良い。また、増幅素子として多段増幅器を用いても良い。
方向性結合器4bは、中間周波数帯の入力RF信号の一部を分岐し、分周器5bに出力する方向性結合器である。方向性結合器4cは、高周波数帯の入力RF信号の一部を分岐し、分周器5cに出力する方向性結合器である。
分周器5bは、方向性結合器4bから入力された中間周波数帯のRF信号を低周波数帯のRF信号に周波数変換し、周波数変換したRF信号を増幅器3aに出力する分周器である。例えば、図1の分周器5bは、方向性結合器4bから入力されたRF信号の周波数を1/2倍の周波数に分周し、増幅器3aに出力する。
分周器5cは、方向性結合器4cから入力された高周波数帯のRF信号を低周波数帯のRF信号に周波数変換し、周波数変換したRF信号を増幅器3aに出力する分周器である。例えば、図1の分周器5cは、方向性結合器4cから入力されたRF信号の周波数を1/3倍の周波数に分周し、増幅器3aに出力する。なお、ここでは、分周器を用いたが、周波数を変換できる回路であれば、どのような回路を用いて良い。例えば、ミクサにより、周波数を変化させる構成にしても良い。
逓倍器6bは、増幅器3aで増幅された低周波数帯のRF信号を中間周波数帯のRF信号に周波数変換し、周波数変換したRF信号を出力端子2bに出力する逓倍器である。例えば、図1の逓倍器6bは、増幅器3aから入力されたRF信号の周波数を2倍の周波数に逓倍し、出力端子2bに出力する。
逓倍器6cは、増幅器3aで増幅された低周波数帯のRF信号を高周波数帯のRF信号に周波数変換し、周波数変換したRF信号を出力端子2cに出力する逓倍器である。例えば、図1の逓倍器6cは、増幅器3aから入力されたRF信号の周波数を3倍の周波数に逓倍し、出力端子2bに出力する。
以下、実施の形態1のマルチバンド電力増幅器の動作について説明する。
まず、低周波数帯における動作について説明する。RF信号が入力端子1aに入力される。入力端子1aからRF信号が入力される場合、逓倍器6b、6cはオフ状態になる。増幅素子3aは入力されたRF信号を増幅し、出力端子2aに出力する。
次に、中間周波数帯における動作について説明する。中間周波数帯のRF信号が、入力端子1bに入力される。方向性結合4bは、入力端子1bに入力されたRF信号の一部を分周器5bに出力し、残りのRF信号を増幅素子3bに出力する。増幅素子3bは、方向性結合器5bが出力したRF信号を増幅し、増幅した信号を出力端子2bに出力する。
分周器5bは、方向性結合器4bから入力されたRF信号の周波数を1/2倍にし、つまり、低周波数帯のRF信号に変換し、増幅素子3aに出力する。増幅素子3aは、分周器5bから入力されたRF信号を増幅し、出力する。逓倍器6bは、増幅器3aが出力したRF信号の周波数を2倍にし、出力端子2bに出力する。このとき、逓倍器6bが出力したRF信号は、増幅素子3bが出力したRF信号と電力合成され、電力合成されたRF信号は、出力端子2bに出力される。
次に、高周波数帯における動作について説明する。高周波数帯のRF信号(高周波信号)が、入力端子1cに入力される。方向性結合4cは、入力端子1cに入力されたRF信号の一部を分周器5cに出力し、残りのRF信号を増幅素子3cに出力する。増幅素子3cは、方向性結合器5cが出力したRF信号を増幅し、増幅したRF信号(第1の高周波信号)を出力端子2cに出力する。
分周器5cは、方向性結合器4cから入力されたRF信号の周波数を1/3倍、つまり、低周波数帯のRF信号に変換し、増幅素子3aに出力する。増幅素子3aは、分周器5cから入力されたRF信号を増幅し、出力する。逓倍器6cは、増幅器3aが出力したRF信号の周波数を3倍にし、出力端子2cに出力する。このとき、逓倍器6cが出力したRF信号(第2の高周波信号)は、増幅素子3bが出力したRF信号(第1の高周波信号)と電力合成され、電力合成されたRF信号は、出力端子2bに出力される。
以上のように、実施の形態1によれば、高周波数帯のRF信号の一部を低周波数帯に変換し、高周波数帯の増幅素子3cより増幅特性の高い低周波数帯の増幅素子3aにより増幅し、その後、高周波数帯に変換し、高周波数帯の増幅素子3cが出力したRF信号と電力合成する。これにより、高周波数帯の出力電力に低周波数帯で増幅した出力電力を加えることができるので、高周波数帯の増幅素子3cだけでRF信号を増幅するよりも高出力化が図れる。そのため、高周波数帯の増幅素子3cのトランジスタサイズを、従来よりも小さくでき、マルチバンド電力増幅器の小型化が図れる効果がある。
また、実施の形態1によれば、高周波数帯のトランジスタサイズを小さくすることで、高周波数帯の利得を改善できる。これは、トランジスタの特性は、ゲート幅などのトランジスタサイズにも依存し、トランジスタサイズが小さいほど特性が高いためである。従来のマルチバンド電力増幅器では、高周波数帯増幅素子のトランジスタサイズが大きくなるため、特性が劣化し、高周波数帯の増幅素子の段数を増やす必要があった。しかし、実施の形態1のマルチバンド電力増幅器では、高周波数帯のトランジスタサイズを小さくできるので、増幅素子3cの段数を低減でき、マルチバンド電力増幅器の小型化が図れる。
なお、中間波数帯の増幅素子3bのトランジスタサイズに対しても、高周波数帯の増幅素子3cと同様の原理で、トランジスタサイズの小型化が図れる。また、本実施の形態では、3経路のマルチバンド電力増幅器を例にとり説明したが、N経路(Nは2以上の整数)マルチバンド電力増幅器でも同等の効果を有する。
また、ここでは、周波数変換回路として分周器、逓倍器を用いたが、ミクサを用いて周波数変換を行なっても良い。分周器、逓倍器を用いた場合、ミクサで周波数変換する際に必要なローカル信号源が不要という利点がある。
また、高周波数帯もしくは中間周波数帯と、低周波数帯との周波数関係が整数倍の場合について説明したが、整数以外の自然数であっても良い。整数の場合は、トランジスタの高調波成分を利用できるので、分周器、逓倍器を作りやすいという利点がある。
なお、実施の形態1のマルチバンド電力増幅器は、中間周波数帯もしくは高周波数帯のRF信号を2つのRF信号に分けて、1つのRF信号は中間周波数帯もしくは高周波数帯の増幅素子で増幅し、もう1つのRF信号は低周波数帯のRF信号に変換して、低周波数帯の増幅素子で増幅している。2つのRF信号の割合は、任意に決定できるが、一般的に分周器、逓倍器の出力電力は小さく、入力信号が大きいと飽和する可能性があるので、分周器、逓倍器の入力信号は小さい方が好ましい。したがって、低周波数帯増幅素子の入力信号は、中間周波数帯もしくは高周波数帯の増幅素子の入力信号よりも小さいことが好ましい。
実施の形態2.
実施の形態2では、低周波数帯の増幅素子として、出力電力を切り替える増幅素子を用いることにより、中間周波数帯または高周波数帯の出力電力を切り替えることができる実施の形態を説明する。
図2は、実施の形態2のマルチバンド電力増幅器の一構成例を示す図である。
図2中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示し、説明を省略する。実施の形態1の構成と比較して、実施の形態2のマルチバンド電力増幅器は、増幅素子3aの代わりに、増幅素子7aを備えている点が異なる。
増幅素子7aは、出力電力を切り替えることができる増幅素子である。増幅素子7aは、入力信号の電力範囲に応じて、出力電力範囲(出力モード)を切り替える。
図3は、増幅素子7aの一構成例を示す図である。
増幅素子7aは、入力端子7a−1、出力端子7a−2、初段増幅素子7a−3、スイッチ7a−4、最終段増幅素子7a−5、スイッチ7a−6、バイパス回路7a−7を備える。
増幅素子7aは、スイッチ7a−4及びスイッチ7a−6によって、信号経路を切り替えることによって、出力電力を切りかえる構成である。初段増幅素子7a−3のトランジスタサイズは、最終段7a−5のトランジスタサイズと異なり、出力電力も異なる。
バイパス回路7a−7は、最終段増幅素子7a−5をバイパスする回路である。例えば、バイパス回路7a−7は、伝送線路もしくは整合回路で構成される。また、バイパス回路7−7は、整合回路及びトランジスタから構成されるようにしても良い。
増幅素子7の動作について説明する。RF信号は入力端子7a−1に入力される。初段増幅素子7a−3は、入力されるRF信号を増幅し、スイッチ7a−4に出力する。
増幅素子7aに対して、高い出力電力が求められる場合(高出力モード)、スイッチ7a−4は、初段増幅素子7a−3が出力したRF信号を最終段増幅素子7a−5に出力する。一方で、増幅素子7aに対して、低い出力電力が求められる場合(低出力モード)、スイッチ7a−4は、初段増幅素子7a−3が出力したRF信号をバイパス回路7a−7に出力する。
ここから、増幅素子7aの動作を高出力モードの場合と低出力モードの場合に分けて説明する。
高出力モードの場合、最終段増幅素子7a−5は、スイッチ7a−4が出力したRF信号を増幅し、スイッチ7a−6に出力する。スイッチ7a−6は、最終段増幅素子7a−5と接続されており、最終段増幅素子7a−5が出力したRF信号を、出力端子7a−2に出力する。
低出力モードの場合、スイッチ7a−4は、初段増幅素子7a−3が出力したRF信号をバイパス回路7a−7に出力するので、最終段増幅素子7a−5にRF信号は入力されず、増幅されない。バイパス回路7a−7は、スイッチ7a−4が出力したRF信号を、スイッチ7a−6に出力する。スイッチ7a−6は、バイパス回路7a−7と接続されており、バイパス回路7a−7が出力したRF信号を、出力端子7a−2に出力する。
以上のように、増幅素子7aは、RF信号がバイパス回路7a−7の経路を通るか、最終段増幅素子7a−5の経路を通るかを、スイッチ7a−4及び7a−6により切り替えることによって、増幅素子7aの出力電力を切り替えることができる。増幅素子7aは、バイパス回路7−7にRF信号を通過させることで、RF信号の増幅回数(増幅段数)も変えているので、利得も変化させることができる。なお、増幅素子7aは、MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)で構成してもよいし、ディスクリート部品で構成しても良い。増幅素子7aは、最終段増幅素子7a−5をバイパスし、出力電力を切り替える回路であれば、どのような構成の回路であっても良い。
次に、増幅素子7aを用いたマルチバンド電力増幅器の動作について説明する。低周波数帯のRF信号に対する増幅動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。ただし、出力電力を切り替え可能な増幅素子7aを用いているので、低周波数帯のRF信号に対して出力モードの切り替えができる点が実施の形態1と異なる。
中間周波数帯のRF信号に対する増幅動作について説明する。増幅素子7aにRF信号が入力されるまでの動作は、実施の形態1と同様である。増幅素子7aは、分周器5bが出力したRF信号を増幅し、逓倍器6bに出力する。このとき、増幅素子7aは、中間周波数帯のRF信号に求められる出力電力に応じて、利得、出力電力を切り替えて、逓倍器6bに出力する。
逓倍器6bは、増幅器7aが出力したRF信号の周波数を2倍にし、出力端子2bに出力する。このとき、逓倍器6bが出力したRF信号は、増幅素子3bが出力したRF信号と電力合成され、電力合成されたRF信号は、出力端子2bに出力される。
次に、高周波数帯のRF信号に対する増幅動作について説明する。増幅素子7aにRF信号が入力されるまでの動作は、実施の形態1と同様である。増幅素子7aは、分周器5cが出力したRF信号を増幅し、逓倍器6cに出力する。このとき、増幅素子7aは、高周波数帯のRF信号に求められる出力電力に応じて、利得、出力電力を切り替えて、逓倍器6cに出力する。
逓倍器6cは、増幅器7aが出力したRF信号の周波数を3倍にし、出力端子2cに出力する。このとき、逓倍器6cが出力したRF信号は、増幅素子3cが出力したRF信号と電力合成され、電力合成されたRF信号は、出力端子2cに出力される。
以上のように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を奏する。加えて、高周波数帯のRF信号の一部を周波数変換後に増幅する低周波数帯の増幅素子に、出力電力が切り替え可能な増幅素子を用いたので、高周波数帯の増幅素子に出力電力が切り替え可能な増幅素子を用いなくても、高周波数帯のRF信号に対しても出力電力の切り替えが可能であるという効果を奏する。これにより、各周波数帯に出力モードを切り替える増幅素子を設ける必要がなくなり、出力モードを切り替えられるマルチバンド電力増幅器の小型化、低コストを実現できる。
なお、ここでは、高周波数帯の動作を主に説明したが、中間周波数帯の動作も同様である。また、本実施の形態では、3経路のマルチバンド電力増幅器を例にとり説明したが、N経路(Nは2以上の整数)マルチバンド電力増幅器でも同等の効果を有する。
実施の形態3.
実施の形態3では、インピーダンス検出回路を用いて、高周波数帯もしくは中間周波数帯の増幅素子から出力端子側を見たインピーダンス(以下、負荷インピーダンスという)を検出し、負荷インピーダンスに応じて、低周波数帯の増幅素子の増幅動作を制御することにより、負荷インピーダンスの変化による出力電力の低下を防止できる実施の形態について説明する。
図4は、実施の形態3のマルチバンド電力増幅器の一構成例を示す図を示す。
図4中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示し、説明を省略する。実施の形態1の構成と比べて、実施の形態3のマルチバンド電力増幅器は、低周波数帯の増幅素子3aの代わりに増幅素子9aを備え、中間周波数帯の増幅素子3bの出力側にインピーダンス検出回路8bを、高周波数帯の増幅素子3cの出力側にインピーダンス検出回路8cを備え、インピーダンス検出回路8bもしくはインピーダンス検出回路8cからの制御信号により、増幅素子9aを動作させるようにした点が異なる。
インピーダンス検出回路8bは、中間周波数帯の増幅素子3bの負荷インピーダンスを検出し、検出した負荷インピーダンスに応じて制御信号を増幅素子9aに送信する回路である。移動体通信では、出力端子2a、2b、2cにアンテナが接続され、負荷インピーダンスはアンテナインピーダンスに依存する。アンテナインピーダンスは、その環境により時間的に変化するため、マルチバンド電力増幅器の負荷インピーダンスは常に設定値、例えば、50ohmになっているわけではない。インピーダンス検出回路8bは、増幅素子3bの負荷インピーダンスが50ohmのときに比べて増幅素子3bの出力電力を下げるインピーダンスになった場合に、増幅素子9aを動作させる制御信号を、増幅素子9aに送る。
インピーダンス検出回路8cは、高周波数帯の増幅素子3cの負荷インピーダンスを検出し、検出した負荷インピーダンスに応じて、制御信号を増幅素子9aに送信する回路である。インピーダンス検出回路8cは、増幅素子3cの負荷インピーダンスが50ohmのときに比べて増幅素子3cの出力電力を下げるインピーダンスになった場合に、増幅素子9aを動作させる制御信号を、増幅素子9aに送る。
増幅素子9aは、低周波数帯のRF信号を増幅する増幅素子であり、インピーダンス検出回路8bもしくは8cからの制御信号により動作が制御される増幅素子である。増幅素子9aは、入力端子1aに低周波数帯のRF信号が入力されると、そのRF信号を増幅し、出力する。また、増幅素子9aは、インピーダンス検出回路8bもしくは8cから制御信号が送られると、増幅器として動作する。
例えば、増幅素子9aの制御は、増幅素子9a内のバイアス回路にスイッチを設け、制御信号によりスイッチのONとOFFを切り替えることで行なう。もしくは、RF信号が入力される経路にスイッチを設け、制御信号によりスイッチのONとOFFを切り替えるようにしても良い。OFFのときは、RF信号が増幅素子9a内のトランジスタにRF信号が入力されず、ONのときにRF信号が入力されることにより、増幅素子9aの増幅動作は制御される。以上のように、増幅素子9aは、制御信号により増幅器として動作するか、しないかを切り替えることができれば、どのような構成であっても良い。
次に、実施の形態3のマルチバンド電力増幅器の動作について説明する。低周波数帯のRF信号が入力された場合の動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
中間周波数帯のRF信号が入力された場合の動作について説明する。
中間周波数帯のRF信号が入力端子1bに入力されると、そのRF信号は、方向性結合器4bにより、増幅素子3bの入力RF信号(RF信号A1)と分周器5bの入力RF信号(RF信号B1)に分かれる。分周器5bは、RF信号B1を1/2倍に分周し、増幅器9aに出力する。しかし、このとき、インピーダンス検出回路8bは、まだ制御信号を増幅素子9aに送信していないので、増幅素子9aは、増幅器として動作せず、RF信号B1は増幅されない。
増幅素子3bは、RF信号A1を増幅し、インピーダンス検出回路8bに出力する。
インピーダンス検出回路8bは、増幅されたRF信号を出力端子2bに出力するとともに、増幅素子3bの負荷インピーダンスを検出する。検出した負荷インピーダンスが、50ohmのときのマルチバンド電力増幅器の出力電力より、出力電力を低下させるインピーダンスである場合、インピーダンス検出回路8bは、増幅素子9aを動作させる制御信号を、増幅素子9aに対して送る。
制御信号を受けた増幅素子9aは、増幅器として動作する。
増幅素子9aが増幅器として動作するとき、RF信号B1について説明する。方向性結合器4bにより、取り出されたRF信号B1は、分周器5bに入力される。分周器5bは、RF信号B1の周波数を1/2倍に分周し、増幅素子9aに出力する。
増幅素子9aは、増幅器として動作しているので、分周されたRF信号B1を増幅し、出力する。
逓倍器6bは、増幅素子9aが出力したRF信号B1の周波数を、2倍に逓倍し、増幅素子3bの出力端子に出力する。
逓倍器6bが出力したRF信号B1は、増幅素子3bにより増幅されたRF信号A1と電力合成され、インピーダンス検出回路8bに入力される。インピーダンス検出回路8bは、電力合成されたRF信号を出力端子2bに出力する。
次に、高周波数帯のRF信号が入力された場合の動作について説明する。
高周波数帯のRF信号が入力端子1cに入力されると、そのRF信号は、方向性結合器4cにより、増幅素子3cの入力RF信号(RF信号A2)と分周器5cの入力RF信号(RF信号B2)に分かれる。分周器5cは、RF信号B2を1/2倍に分周し、増幅器9aに出力する。しかし、このとき、インピーダンス検出回路8cは、まだ制御信号を増幅素子9aに送信していないので、増幅素子9aは、増幅器として動作せず、RF信号B2は増幅されない。
増幅素子3cは、RF信号A2を増幅し、インピーダンス検出回路8cに出力する。
インピーダンス検出回路8cは、増幅されたRF信号を出力端子2cに出力するとともに、増幅素子3cの負荷インピーダンスを検出する。検出した負荷インピーダンスが、50ohmのときのマルチバンド電力増幅器の出力電力より、出力電力を低下させるインピーダンスである場合、インピーダンス検出回路8cは、増幅素子9aを動作させる制御信号を、増幅素子9aに対して送る。
制御信号を受けた増幅素子9aは、増幅器として動作する。
増幅素子9aが増幅器として動作するとき、RF信号B2について説明する。方向性結合器4cにより、取り出されたRF信号B2は、分周器5cに入力される。分周器5cは、RF信号B2の周波数を1/3倍に分周し、増幅素子9aに出力する。
増幅素子9aは、増幅器として動作しているので、分周されたRF信号B2を増幅し、出力する。
逓倍器6cは、増幅素子9aが出力したRF信号B2の周波数を、3倍に逓倍し、増幅素子3cの出力端子に出力する。
逓倍器6cが出力したRF信号B2は、増幅素子3cにより増幅されたRF信号A2と電力合成され、インピーダンス検出回路8cに入力される。インピーダンス検出回路8cは、電力合成されたRF信号を出力端子2cに出力する。
以上のように構成した実施の形態2のマルチバンド電力増幅器であっても、実施の形態1と同様の効果を奏する。加えて、インピーダンス検出回路8cにより、増幅素子3cに対する負荷インピーダンスを検出し、検出した負荷インピーダンスに応じて、増幅素子9aを動作させるようにしたので、高周波数帯の増幅素子3cのトランジスタサイズを大きくしなくても、負荷インピーダンスの変化による出力電力の低下を補償できる効果を奏する。これにより、マルチバンド電力増幅器の小型化、低コスト化を実現できる。
実施の形態3の構成は、広範囲の負荷インピーダンス条件で規定の出力電力を満たさなければならないシステム、例えば携帯電話のシステムで特に有効である。そのようなシステムの場合、出力電力が最も低くなる負荷インピーダンス条件に合わせて、増幅素子3b及び3cのトランジスタサイズを決める必要がある。しかし、本構成を用いることによって、出力電力を低下させる負荷インピーダンスのときに増幅素子9aを動作させ、増幅素子3b及び3cの出力電力の低下を補うので、出力電力が最も低くなる負荷インピーダンス条件に合わせて、増幅素子3b及び3cのトランジスタサイズを決定する必要がなくなる。これにより、従来の構成に比べてトランジスタサイズを低減できる。
なお、ここでは、高周波数帯の動作を主に説明したが、中間周波数帯の動作も同様である。また、本実施の形態では、3経路のマルチバンド電力増幅器を例にとり説明したが、N経路(Nは2以上の整数)マルチバンド電力増幅器でも同等の効果を有する。
1a 1b 1c 入力端子、2a 2b 2c 出力端子、3a 3b 3c 増幅素子、4b 4c 方向性結合器、5b 5c 分周器、6b 6c 逓倍器、7a 増幅素子、7a−1 入力端子、7a−2 出力端子、7a−3 初段増幅素子、7a−4 7a−6 スイッチ、7a−5 最終段増幅素子、7a−7 バイパス回路 8b 8c インピーダンス検出回路、9a 増幅素子。

Claims (7)

  1. 入力された高周波信号を増幅し、第1の高周波信号として出力する第1の増幅素子と、
    前記第1の増幅素子に入力される前記高周波信号の一部を、前記高周波信号より周波数の低い低周波信号に周波数変換する第1の周波数変換回路と、
    前記低周波信号を増幅する第2の増幅素子と、
    前記第2の増幅素子が増幅した前記低周波信号を、前記第1の高周波信号の周波数と等しい第2の高周波信号に周波数変換する第2の周波数変換回路と
    を備え、
    前記第1の増幅素子が増幅した前記第1の高周波信号と、前記第2の周波数変換回路が周波数変換した前記第2の高周波信号とを電力合成し、合成した電力を出力するマルチバンド電力増幅器。
  2. 前記第1の周波数変換回路は分周器である請求項1に記載のマルチバンド電力増幅器。
  3. 前記第2の周波数変換回路は逓倍器である請求項1または請求項2に記載のマルチバンド電力増幅器。
  4. 前記高周波信号と前記低周波信号との周波数関係が整数倍である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のマルチバンド電力増幅器。
  5. 前記第2の増幅素子が、出力電力を切り替える増幅器である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のマルチバンド電力増幅器。
  6. 前記第1の増幅素子の負荷インピーダンスを検出し、検出した前記負荷インピーダンスに応じて、前記第2の増幅素子の増幅動作を制御するインピーダンス検出回路を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマルチバンド電力増幅器。
  7. 前記インピーダンス検出回路は、検出した前記負荷インピーダンスが設定値と異なる場合に、前記第2の増幅素子を増幅動作させる請求項6記載のマルチバンド電力増幅器。
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