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JP2016110710A - 圧着強度とインピーダンス性能を高めた同軸ケーブルコネクタ - Google Patents

圧着強度とインピーダンス性能を高めた同軸ケーブルコネクタ Download PDF

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JP2016110710A JP2014244217A JP2014244217A JP2016110710A JP 2016110710 A JP2016110710 A JP 2016110710A JP 2014244217 A JP2014244217 A JP 2014244217A JP 2014244217 A JP2014244217 A JP 2014244217A JP 2016110710 A JP2016110710 A JP 2016110710A
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Abstract

【課題】同軸ケーブルに対する圧着強度を高めることができるとともに、同軸ケーブルのインピーダンス調整を行うことができる同軸ケーブルコネクタを提供すること。【解決手段】端子と、端子を支持するハウジングと、ハウジングの少なくとも一部と同軸ケーブルの少なくとも一部を覆う外部導体シェルと、を備える。外部導体シェルは、同軸ケーブルと略直交する面内における同軸ケーブルとの接触面、及び/又は、前記同軸ケーブルの軸線方向に沿った接触面に、少なくとも1つの凹部と少なくとも1つの凸部を有する。【選択図】図11

Description

本発明は、同軸ケーブルコネクタであって、特に、同軸ケーブルに対する圧着強度とインピーダンス整合性を高めた同軸ケーブルコネクタに関する。
特許文献1にこの種の同軸ケーブルコネクタの一例が示されている。図14は、この特許文献1に開示された同軸ケーブルコネクタ110の分解斜視図である。
同軸ケーブルコネクタ110は、2分割可能な絶縁性のハウジング114と、絶縁性のハウジング114に設けられた導電性の端子116、更に、ハウジング114の少なくとも一部と同軸ケーブル220の少なくとも一部とを覆う外部導体シェル112を含む。外部導体シェル112は、相手コネクタの円筒シェルと接続される略円筒部120を有しており、該略円筒部120の内部には、ハウジング114の一部によって形成された同心状の絶縁性円筒部141が配置され、更に、絶縁性円筒部141の内部には、端子116の一部が設けられている。
外部導体シェル112のかしめ部130には、プレス加工によって凹部Gが形成されている。かしめ部130が絶縁体221に巻き付けられた際、絶縁体221の周囲を周回する凹部Gによって形成された溝内に絶縁体221の一部が侵入し、この結果、かしめ部130と絶縁体221との間に摩擦力が高まるようになっている。
特開2013−97914号公報
この従来構成によれば、外部導体シェルによる同軸ケーブルに対する圧着強度を高めることができ、同軸ケーブルの引っ張りに対する強度は高まることになるが凹部Gに進入する絶縁体221の量は然程多くなく摩擦力の高まりは十分ではない。
また、この場合には、凹部Gにより、同軸ケーブルの一部においてのみ凹部Gと芯線224との距離が離れた状態となり、この結果、凹部Gの部分においてのみインピーダンスが高くなる、つまり、全体としてのインピーダンスが乱れてしまう。
本発明はこのような従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、同軸ケーブルに対する圧着強度を高めることができるとともに、同軸ケーブルのインピーダンス調整を行うことができる同軸ケーブルコネクタを提供することを目的とする。
(1) 本発明の同軸ケーブルコネクタは、端子と、前記端子を支持するハウジングと、前記ハウジングの少なくとも一部と同軸ケーブルの少なくとも一部を覆う外部導体シェルと、を備え、前記外部導体シェルは、前記同軸ケーブルと略直交する面内における前記同軸ケーブルとの接触面、及び/又は、前記同軸ケーブルの軸線方向に沿った接触面に、少なくとも1つの凹部と少なくとも1つの凸部を有する。
この構成によれば、同軸ケーブルに対する圧着強度を高めることができるだけでなく、凹部と凸部との組により、同軸ケーブルのインピーダンス調整を行うことができる。
また、同軸ケーブルの軸線方向αに沿って凹部と前記凸部が交互に配列されることにより、同軸ケーブルに対する圧着強度を高めるとともに、インピーダンス調整が容易となる。
(2) 上記(1)に記載の同軸ケーブルコネクタにおいて、前記少なくとも1つの凹部と前記少なくとも1つの凸部は、前記面内において左右対称に設けられているのが好ましい。
凹部と凸部を左右対称に設けることにより、インピーダンスの調整を行い易くすることができる。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の同軸ケーブルコネクタにおいて、前記外部導体シェルは、前記同軸ケーブルが配置される配置面を挟んで対向する各側にそれぞれが配置された対を成すカシメ部を有しているのが好ましい。
インピーダンスはカシメ部によるかしめの力加減によって左右されるが、配置面85を挟んで対向する各側にそれぞれが配置された対を成すカシメ部によってかしめることにより、左右各側に対する力加減を調整し易くして、インピーダンスの調整を容易に行うことができるようになる。
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の同軸ケーブルコネクタにおいて、前記外部導体シェルは、一枚の板状金属から形成されていてもよい。
(5) 上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の同軸ケーブルコネクタにおいて、前記同軸ケーブルコネクタはライトアングル型コネクタであってもよい。
本発明によれば、外部導体シェルの圧着片に設けられた少なくとも1つの凹部と少なくとも1つの凸部から成る組により、同軸ケーブルに対する圧着強度を高めることができるとともに、同軸ケーブルのインピーダンス調整を行うことができる。
同軸ケーブルが結線された本発明の同軸ケーブルコネクタの底側平面図である。 本発明の同軸ケーブルコネクタの分解斜視図である。 ハウジングの底側斜視図である。 ハウジングの上側斜視図と、外部導体シェルの底側斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 同軸ケーブルコネクタの組み立て工程を説明する図である。 同軸ケーブルコネクタの組み立て工程を説明する図である。 同軸ケーブルコネクタの組み立て工程を説明する図である。 同軸ケーブルコネクタの組み立て工程を説明する図である。 図1のH−H線断面図である。 図1のE−E線断面図である。 図1のF−F線断面図である。 図1のG−G線断面図である。 従来の同軸ケーブルコネクタのコネクタ構造の概略断面図である。
添付図面を参照しつつ、本発明の好適な一つの実施形態について説明する。尚、ここでは、いわゆるライトアングル型コネクタを説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
図1は、同軸ケーブル10が結線された本発明の同軸ケーブルコネクタ1の底側平面図、図2は、この同軸ケーブルコネクタ1の分解斜視図を、それぞれ示す。同軸ケーブルコネクタ1は、図1のH−H中心軸線を挟んで左右対称形状を成し、主に、導電性の端子20と、端子20と一体成形された絶縁性のハウジング40と、ハウジング40の少なくとも一部と同軸ケーブル10の少なくとも一部を覆う外部導体シェル70を備える。尚、端子20とハウジング40は一体成形されているため、実際にはこれらを分解することはできないが、図2では、便宜上、これらを分離した状態を示している。同軸ケーブルコネクタ1の組立時には、端子20及びハウジング40や、同軸ケーブル10は、図示矢印「β」方向に沿って、同軸ケーブルコネクタ1の底側から上側に向かってこれらの順に外部導体シェル70に配置され、外部導体シェル70に固定されることになる。
同軸ケーブル10は、従来一般の同軸ケーブルと同じ構造、即ち、最外殻から中心に向かって、絶縁被覆11、外部導体12、絶縁体13、芯線14を有する。この構造はよく知られているため、詳細な説明をしない。
端子20は、同軸ケーブル10の軸線方向αに沿って所定の長さを有する。本体部26の中間付近には段部25が設けられており、この段部25によって、一体成形されたハウジング40において、端子20の後端側(24)を前端側(22)よりも同軸ケーブル10に接近させ、その一方で、端子20の前端側(22)を後端側(24)よりも外部導体シェル70の面78に近接するようになっている。端子20の後端側(24)には、同軸ケーブル10の芯線14と接触させる接続部24が設けられており、この接続部24には、同軸ケーブルコネクタ1の組み立て時に、同軸ケーブル10の芯線14が設置される。また、端子20の前端側(22)には、相手コネクタの中心端子(図示されていない)と接触させる接触部22が設けられている。接触部22は、相手コネクタとの接触側に向って立ち上げられた状態で設けられており、相手コネクタの中心端子を中心に挟み込むことができる2つの片から成る弾性変位部22’として形成されている。勿論、弾性接触部22’として形成されている必要はなく、例えば、単なる挿入孔として形成されていてもよい。
図3は、端子20と一体成形されたハウジング40の底側斜視図、図4は、その表側斜視図である。図4には、更に、外部導体シェル70の底側斜視図が、図2のものとは角度を変えて示されている。また、図5は、図1のA−A線断面図である。
ハウジング40は、主に、本体部46と、本体部46の先端側に設けた円筒部42、更に、本体部46の後端側に設けたケーブル固定部(41、50等)を備える。
これらの各部は、樹脂モールドによって端子20と一体成形されている。但し、端子20の一部は、この一体成形後も外部に露出したままである。端子20の露出部には、接続部24は勿論、接触部22の底側の一部の接触部22の弾性変位部22’とその周辺部や、接触部22の上面側の一部、即ち、端子20の厚さ方向において端子20の接触部22とは反対の側(上面側)に位置付けられた、外部導体シェル70との対面側の一部が含まれる。尚、接触部22の上面側の一部も露出しているのは、一体成形時における特有の問題によるものである。即ち、一体成形時における樹脂の流れに対抗して端子20の振れを確実に抑制するには、端子20の一部を金型によって押える必要があるが、このとき、本来的に露出させる必要のある底側の弾性変位部22’とともに、弾性変位部22’の上面側を金型で押えるのが効果的である。しかしながら、金型で押えた部分は、結果的に樹脂の貫通孔48による露出部27として残ることになり、よって、端子20の露出部27には、端子の厚さ方向において、端子20の接触部22とは反対の側に位置付けたものが含まれることになる。
本体部46は、全体として略立方形状を有するが、その上面に相手コネクタの接近側に向って突出した突出部47を有している。この突出部47は、外部導体シェル70の略円筒部72の不連続部分73を補足する部分として使用できる。
本体部先端側の円筒部42は、上面部45から相手コネクタとの接触側に向って突出しており、その中心に、端子20の接触部22が配置されている。相手コネクタとの嵌合時には、円筒部42は相手コネクタの円筒シェルの内部に挿入され、これと同時に、円筒部42の中心に配置された接触部22に円筒シェルの中心に配置された中心端子(図示されていない)が挿入、接触される。円筒部42の上面部45から先側及び左右側方に向かって延びた3本の突起44は、ハウジング40を外部導体シェル70に位置決めするために利用することができる。
本体部後端側のケーブル固定部(41、50等)には、同軸ケーブル10の芯線14を設置する設置面41が設けられている。端子20とハウジング40との一体成形後も、端子20の接続部24は、この設置面41から露出した状態とされる。尚、設置面41は略平坦であるが、接続部24を設置面41から突出或いは窪んだ状態としてもよい。これによって、端子20と芯線14との接触を確実にすることができる。図示の例では、窪み部43としてある。
芯線14を固定するため、ケーブル固定部(41、50等)に、対を成す圧着片50A、50Bが設けられている。これら対の圧着片50A、50Bは、それぞれ、設置面41を挟んで対向する各側において一辺53のみにおいて支持され、各支持部53A、53Bを中心として、芯線14が設置される設置面41に向かって折り曲げることができるようになっている。
外部導体シェル70は、一枚の板状金属を打ち抜き、折り曲げることによって形成される。外部導体シェル70には、主に、ハウジング40や同軸ケーブル10が配置される配置面85と、この配置面85の先端側に設けられた略円筒部72と、更に、複数のカシメ部80、83、84とを含む。略円筒部72は、相手コネクタとの嵌合時に、相手コネクタの円筒シェル(図示されていない)と接続される部分である。配置面85の先端側は、全体として、スコップ形状を成し、さじ部を構成する一部である立ち上げ部74によって略円筒部72を包囲して、略円筒部72の強度を強化した構造となっている。
図4によく示されているように、ハウジング40は、外部導体シェル70との対向面45に外部導体シェル70に向って隆起した隆起部49を有する。この隆起部49は、例えば、全体として十字形状を有し、端子20の一部の露出部27を露出させる貫通孔48を交点とした、所定幅を有する2本の直線部分から成っており、特に、一方の直線部分は、同軸ケーブル10の軸線方向αに沿って端子20の前端側から段部25の長さ以上に長く延びている。このハウジング40の隆起部49に対応して、外部導体シェル70には、ハウジング40の面45と対向する面78に、ハウジング40と対向する側とは反対側に向かって窪んだ十字状の窪み部79が設けられている。隆起部49は、この窪み部79に収容可能であるこれら隆起部49と窪み部79を設けたことにより、外部導体シェル70にハウジング40を配置した際、端子20とハウジング40の一体成形時に生じた貫通孔48による端子20の露出部27を外部導体シェル70から引き離し、露出部27と外部導体シェル70との間の絶縁距離を大きくすることができる。従って、簡易な構造で端子20と外部導体シェル70を確実に絶縁し、しかも、コネクタを低背化させることができる。また、隆起部49と窪み部79を設けたことにより、ハウジング40を外部導体シェル70に配置する際、窪み部79に隆起部49を嵌め込むようにして、ハウジング40を外部導体シェル70の所定位置に容易に位置決めすることができる。尚、隆起部49や窪み部79の形状は十字に限らず、例えば、三角形状や四角形状等でもよい。また、隆起部49に対して窪み部79の窪みの程度を大きくてもよい。更に、隆起部49は、図4に示した実施形態のように、貫通孔48の縁の周囲を完全に覆っている必要はなく、貫通孔48の縁付近には隆起部49を設けずに、縁から離れた部分にのみ隆起部を設けてもよい。要は、隆起部49と窪み部79を利用して、露出部27を外部導体シェル70から引き離すことができれば足り、従って、例えば、十字部分が不連続に形成されていてもよい。特に、外部導体シェル70は板状金属から形成されているため、窪み部79は打ち出し加工によって簡単に形成することができ、製造コストを安価に抑えることができる。また、窪み部79は、外部導体シェル70の強度の補強にも役立つ。
略円筒部72は、折曲部72’にて折曲可能な状態で配置面85に連結されている。外部導体シェル70の所定位置にハウジング40が配置された後、略円筒部72は、配置面85に向かって折り曲げられる。尚、図1乃至図5は全て、略円筒部72が折り曲げられた後の状態を示している。略円筒部72が折り曲げられたとき、略円筒部72の切り欠き71と、ハウジング40と対面している外部導体シェル70の面78との間に、円筒部42の表部45から延びる左右の突起44がそれぞれ挟み込まれ、これにより、外部導体シェル70にハウジング40を簡単に固定することができる。同様に前方の突起44‘が係合する突起を外部導体シェル70の折曲部72’の内面に設けられている。
カシメ部は、配置面85を挟んで対向する各側にそれぞれが配置された対を成すカシメ部として形成されている。ここでは同軸ケーブル10の軸線方向αに沿って計3組、即ち、前側カシメ部80、中間カシメ部83、後側カシメ部84が設けられている。前側カシメ部80A、80Bは、主に、対を成す圧着片50A、50Bを外部からかしめるためのもの、中間カシメ部83A、Bは、主に、外部導体12をかしめためのもの、後側カシメ部84A、Bは、主に、絶縁被覆11をかしめるためのものである。
図6乃至図9を参照して、同軸ケーブルコネクタ1の組み立て工程を説明する。尚、図8と図9は、共に、組立完了後の状態を示したものであるが、図8では、便宜上、前側カシメ部80の一部を取り除いて、圧着片50A、50Bの状態を示している。
図6に示すように外部導体シェル70にハウジング40を取り付けた後、図7に示すように、同軸ケーブル10を、ハウジング40や外部導体シェル70に位置付ける。このとき、同軸ケーブル10の芯線14は、ハウジング40の設置面41に設置され、また、同軸ケーブル10の外部導体12は、中間カシメ部83の対応位置に、更に、同軸ケーブル10の絶縁被覆11は、後側カシメ部84の対応位置に、それぞれ配置される。
次いで、図8、図9に示すように、前側カシメ部80A、80B、中間カシメ部83、後側カシメ部84を、それぞれ、ハウジング40や同軸ケーブル10に対してかしめる。このとき、各圧着片50A、50Bは、前側カシメ部80A、80Bとの接触を通じて設置面41に向かって折り曲げられ、この結果、同軸ケーブル10の芯線14は、圧着片50A、50Bと設置面41との間に挟み込まれ、そこに固定される。この構成によれば、同軸ケーブル10の芯線14の保持、固定を、前側カシメ部80A、80Bのかしめ作業と同時に行うことができるため、作業を簡易化することができる。尚、同軸ケーブル10の絶縁体13については、対の圧着片50A、50Bが折り曲げられたときに対の圧着片50A、50Bの張出部56、57によって覆われるようになっているだけで、カシメ部は特に存在しない。
中間カシメ部83が外部導体12に対してかしめられたとき、外部導体シェル70は、中間カシメ部83と外部導体12との接触を通じて、外部導体12と電気的に接続される。この結果、同軸ケーブルコネクタ1と相手コネクタとの嵌合時には、外部導体シェル70の略円筒部72と相手コネクタの円筒シェルとの接続を通じて、同軸ケーブル10の外部導体12と相手コネクタの円筒シェルとが電気的に接続される。同様の方法で、後側カシメ部84は絶縁被覆11に対してかしめられるが、勿論、ここでは電気的な接続は生じない。尚、図7等から明らかなように、同軸ケーブルコネクタ1の組み立て後においても、略円筒部72は、略円筒部72の円筒方向(図2の矢印「β」方向)において、同軸ケーブル10と重なりを有することはないため、外部導体シェル70とハウジング40の対面方向において寸法が大きくなることはなく、従って、コネクタの低背化を図ることができる。
次いで、図10乃至図13をも参照して、中間カシメ部83と後側カシメ部84の構成について、更に詳細に説明する。ここで図10は、図1のH−H線断面図を、図11は、図1のE−E線断面図を、図12は、図1のF−F線断面図を、図13は、図1のG−G線断面図を、それぞれ示す。尚、図10乃至図13は、特に、中間カシメ部83における断面を示すものであるが、図1乃至図9やその説明から明らかなように、後側カシメ部84については、これと同様に考えることができる。
上に説明したように、中間カシメ部83は、同軸ケーブル10の特に外部導体12を、また、後側カシメ部84は、同軸ケーブル10の特に絶縁被覆11を、それぞれかしめるように構成されている。本構成では、これら中間カシメ部83や後側カシメ部84の同軸ケーブル10に対する圧着強度を高めるため、これらのカシメ部83、84に、打ち出しによって形成した凸部と凹部を設けている。図10にはαの方向に凸部83aと凹部83bが配置面85を挟んで設けられている。また、図11乃至13には中間カシメ部83には、同軸ケーブル10と略直交する面内における同軸ケーブル10との接触面に、少なくとも1つの前記面内に延びる凸部83aと少なくとも1つの同方向に延びる凹部83bを設け、同様に、後側カシメ部84には、同軸ケーブル10と略直交する面内における同軸ケーブル10との接触面に、同様な少なくとも1つの凸部84aと少なくとも1つの凹部84bを設けている。例えば、中間カシメ部83については、図11の断面内における同軸ケーブル10との接触面には、外部導体シェル70の配置面85に位置付けられた凸部83aと、これと左右対称に位置する2つの凹部83bが設けられており、図12の断面内における同軸ケーブル10との接触面には、外部導体シェル70の配置面85に位置付けられた凹部83bと、これと左右対称に位置する2つの凸部83aが設けられており、図13の断面内における同軸ケーブル10との接触面には、図11の断面内と同様に、外部導体シェル70の配置面85に位置付けられた凸部83aと、これと左右対称に位置する2つの凹部83bが設けられている。配置面85の凸部83aと凹部83bの方はほぼ等しい長さで形成され、各カシメ部の配置面以外の部分では凸部83aと凹部83bの長さは凹部83bの方が長く形成されている。尚、板厚方向において凸部83aの反対側に現れている窪み83a’は、凸部83aを形成することによって生じた打ち出し痕である。これらの凸部及び凹部を設けたことにより、同軸ケーブル10に対して中間カシメ部83や後側カシメ部84をかしめた際、同軸ケーブル10と接触するこれらの凸部及び凹部によって、同軸ケーブル10に湾曲の高低差が得られことになり、この結果、同軸ケーブル10に対する圧着強度、特に、同軸ケーブル10の軸線方向αにおける圧着強度を高めることができるようになっている。
凸部及び凹部はこのように、同軸ケーブル10に対する圧着強度を高めるといった優れた効果を発揮するが、その一方で、同軸ケーブル10の湾曲の度合いによってはインピーダンスの乱れを生じさせてしまう。インピーダンスの乱れは、一般に、同軸ケーブル10と略直交する面内における、外部導体12と芯線14との径方向における距離が変化することによって発生するが、本発明では、同軸ケーブル10と略直交する面内に、凹部と凸部を組で設けることにより、この変化を相殺可能としてある。
例えば、図11、図13に示すように、配置面85に凸部83aを設けたことにより、同軸ケーブル10の外部導体12が径方向にて中心側に押し込まれ、外部導体12と芯線14との距離が小さくなっている場合には、インピーダンスは低くなる傾向があるが、本構成では、配置面85の凸部83aに対応して、配置面85を挟んで対向する各側に対の凹部83bを左右対称に設けることにより、同軸ケーブル10の外部導体12を径方向にて中心側から外側に拡がる方向に拡散させ、外部導体12と芯線14との距離を大きくして、これらの部分では、インピーダンスが高くなるようにしている。このように、同軸ケーブル10と略直交する面内において、凸部83aと凹部83bを設けたことにより、「低」傾向のインピーダンスと「高」傾向のインピーダンスとが互いに打ち消し合う関係を形成することにより、圧着強度を維持しつつ、インピーダンスの劣化を少なくするものとしている。
図10に示すように、凹部と凸部を同軸ケーブル10の軸線方向αに沿って交互に配列して、上記の相殺関係を形成してもよい。例えば、中間カシメ部83については、軸線方向αに沿って3組の凹部及び凸部の組が、また、後側カシメ部84については2組の凹部及び凸部の組が、それぞれ設けられている。このように軸線方向αに沿って複数の組を交互に配列することにより、同軸ケーブルに対する圧着強度を更に高めるとともに、インピーダンスの調整を更に容易なものとすることができる。
尚、インピーダンスはカシメ部によるかしめの力加減によって左右されるが、本構成では、外部導体シェル70が、同軸ケーブル10が配置される配置面85を挟んで対向する各側にそれぞれが配置された対を成すカシメ部83A、B、84A、Bを有するものとなっていることから、これら対を成すカシメ部によってかしめることにより、左右各側に対する力加減を調整し易くして、インピーダンスの調整を容易に行うことができる。
勿論、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。従って、本発明の請求項の範囲には、当業者が通常行う種々の変形例が含まれる。例えば、同軸ケーブル10と略直交する面内における凹部と凸部の数や軸線方向αにおける組の数は限定されるものではない。また、端子20とハウジング40は必ずしも一体成形する必要はなく、ハウジング40に端子20が設けられていれば足りる。
圧着強度を高める、及び、インピーダンスの調整を行うといった一般的な効果を有するため、同軸ケーブルコネクタに幅広く用いることができる。
1 同軸ケーブルコネクタ
10 同軸ケーブル
11 絶縁被膜
12 外部導体
13 絶縁体
14 芯線
20 端子
24 露出部(接続部)
40 ハウジング
41 設置面
42 円筒部
46 本体部
48 露出部(穴)
49 隆起部
50 圧着片
70 外部導体シェル
72 略円筒部
80A、80B 前側カシメ部
83 中間カシメ部
83a 凸部
83b 凹部
84 後側カシメ部
84a 凸部
84b 凹部
85 配置面

Claims (5)

  1. 端子と、
    前記端子を支持するハウジングと、
    前記ハウジングの少なくとも一部と同軸ケーブルの少なくとも一部を覆う外部導体シェルと、を備え、
    前記外部導体シェルは、前記同軸ケーブルと略直交する面内における前記同軸ケーブルとの接触面、及び/又は、前記同軸ケーブルの軸線方向に沿った接触面に、少なくとも1つの凹部と少なくとも1つの凸部を有することを特徴とする同軸ケーブルコネクタ。
  2. 前記同軸ケーブルと略直交する面内における前記同軸ケーブルとの接触面に設けられる前記少なくとも1つの凹部と前記少なくとも1つの凸部は、前記面内において左右対称に設けられている請求項1に記載の同軸ケーブルコネクタ。
  3. 前記外部導体シェルは、前記同軸ケーブルが配置される配置面を挟んで対向する各側にそれぞれが配置された対を成すカシメ部を有している請求項1又は2に記載の同軸ケーブルコネクタ。
  4. 前記外部導体シェルは、一枚の板状金属から形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の同軸ケーブルコネクタ。
  5. 前記同軸ケーブルコネクタはライトアングル型コネクタである請求項1乃至4のいずれかに記載の同軸ケーブルコネクタ。
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