JP2016199172A - ホーム柵 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば特許文献1には、ホーム柵のドア部をソレノイドで施錠・解錠する構成が開示されている。具体的には、ドア側の掛け金にL字形のフックを掛け、フックがソレノイドの駆動ロッドに連結されていてソレノイドに電力が供給されるとフックが掛け金から持ち上がって解錠する。また、停電等で電力が断たれるとフックが重力で落下して掛け金に架かって施錠される。
具体的には、フックの回転軸付近に凸部があり、この凸部を解錠方向に回転させるカムが設けられている。カムは、ばねにより解錠操作をしない限りは凸部方向へは回転しないようになっている。また、このカムには、凸部側と軸対称の反対側にホーム柵の上部に導かれるケーブルが接続されている。ホーム柵の上部でこのケーブルの端を引くと、フックの凸部が解錠方向に回転することでカムが回転して解錠する。ただし、停電が解けて再びソレノイドで施錠・解錠できるように復帰させるには、手動でフックを解錠方向へ追回転させ、フックの凸部とカムの凹部との係合を解く必要がある。
本発明は、新しい施錠機構及び手動解錠機構を備えたホーム柵を実現することを目的として考案されたものである。
図1は、本実施形態のホーム柵をホーム側から見た外観例を示す正面図であって、左右対称構造の2台のホーム柵2(2R、2L)を、互いのドア部4の先端(戸先)を突き合わせ可能に対向配置した例である。図1(1)は全閉状態を示し、図1(2)は全開状態をそれぞれ示している。
図2に示すように、ホーム柵2(2L)は、駅ホームの軌道側端部の上面に固定されている腰高のドア収納部6の内部に、ドア部4を横方向へスライド自在に支持するスライド機構8と、ドア部4を横方向へ移動させる駆動機構部10と、当該駆動機構部10を外部からの制御信号に応じて駆動制御する制御基板15と、非常時に手動操作部33を手動操作することで、全閉状態にあるドア部4を開方向へ移動可能とさせる手動操作機構部3と、を備える。すなわち、ホーム柵2(2L)は、いわゆる腰高タイプの引戸式ホーム柵に分類される。
本実施形態の索状体105は、環状の無端歯付ベルトで実現され、駆動プーリ103と従動プーリ104との間、すなわちドア部4の移動方向にループ状に張設される。索状体105が張設される位置は、図3に示すように、ドア部4やスライド機構8よりも軌道側となる。
作用部110は、ドア部4に固定された係合部120と係合することで駆動機構部10の正転/反転駆動に伴ってドア部4をその開閉方向へ連れ動かす。
本実施形態のカム部121は、駆動機構部10の駆動によるドア部4の移動時にローラ111を介して駆動力を受ける第1カム面122と、作用部110が従動プーリ104の周部に沿って移動する際のローラ111の移動経路に沿った第2カム面123と、を有する。
すると、図5に示すように、従動プーリ104及び索状体105も時計回りに回転を始める。この時、作用部110のローラ111は係合部120の第2カム面123に沿って転動しながら徐々に従動プーリ104の真上に近づいてゆく。この段階では、ローラ111が空回りすることで作用部110から係合部120へ力は伝えられない。駆動機構部10の駆動力はドア部4に伝わらずドア部4は動かない。
図8は、本実施形態における全開状態から全閉状態への動作中における従動プーリ104およびその周囲の状態遷移図である。
図8(1)に示すように、制御基板15は、外部装置からホーム柵2(2L)を閉じる所定の信号を受信すると、駆動プーリ103と従動プーリ104とが図2,図8で言うところの反時計回りに回転するようにモータ101を制御するドア閉動作制御を始める。すると、索状体105も反時計回りを始め、作用部110のローラ111は、係合部120の第1カム面122の戸尻側面から離れ、すぐに第1カム面122の戸先側面(第2カム面123の上端部に連なる位置)に当接する。これにより、駆動機構部10の駆動力がドア部4に伝達され、ドア部4は戸先方向へ移動を開始する。
手動操作機構部3は、手動操作により施錠ポジションに位置する作用部110を当該施錠ポジションから移動させる、つまり強制解錠させる機構部である。
手動操作機構部3は、解錠カム部31と、連係部32と、手動操作部33と、保持部34と、を有する。
誘導溝部314は、非作動時姿勢においては作用部110の施錠ポジションへの到達と施錠ポジションからの離脱とを許容する一方で、解錠カム部31が(軌道側から見て;図9に向かって)時計回り方向に揺動して作動する際には、作用部110と誘導溝部314とが係合して離脱の方向とは別方向(従動プーリ104の下側方向、従動プーリ104の反時計回り方向)へ作用部110を移動させる。
手動操作部33は、非常時にドア部4を手動で解錠操作するために把持する部位であって、ホーム側非常用ハッチ64又は軌道側非常用ハッチ65を開けることでホーム側或いは軌道側から操作可能になる(図3参照)。
図9に示すように、ホーム柵2が通常通り使用されている平常時では、非作動時ポジション用ノッチ323に有突起板ばね343の突起部が嵌合してプルロッド322及び手動操作部33を非作動時ポジションに保持している。すなわち、手動操作機構部3は非作動状態にあって、解錠カム部31は作用部110の施錠ポジションへの到達と施錠ポジションからの離脱とを許容する。従って、前述のような駆動機構部10によりドア部4の開閉及び施錠/解錠が行われる。
その際、作用部110が施錠ポジションに位置していた場合、誘導溝部314が作用部110のローラ111(図4参照)と係合して作用部110を揺動方向に強制的に移動させる。すなわち、作用部110の強制移動に伴って、当該作用部110と一体に連結されている索状体105は勿論、当該索状体105と噛み合う従動プーリ104もまた反時計回りに回転し、作用部110は施錠ポジションから従動プーリ104の下方側へ外され強制解錠される。これにより、ドア部4を手動で開け閉めすることができるようになる。
すなわち、ドア部4を全閉状態に戻して、プルロッド322及び手動操作部33を戸先側までスライドさせて非作動時ポジションに戻す。これにより、解錠カム部31は捻りばね312により復元力が作用して(軌道側から見て)反時計回りに回転して、図9の非作動時姿勢に復元する。この際、誘導溝部314が作用部110を押し上げて元の施錠ポジションに戻す。
すなわち、ドア部4を開閉させる駆動力で施錠/解錠を行うことができる。施錠のために別途電源や動力装置、その制御装置を装備する必要がなく、製造コストを低減し、それら施錠のための電装品の点検や整備に懸かる運用コストを低減することができる。また、施錠機構そのものが単体のホーム柵2(2L)内に内蔵されて内部のみで作動するため、施錠機構の可動部材等がドアの突端からはみ出すようなこともない。フルサイズであろうと腰高サイズであろうと如何なるタイプにも適用可能な機械式の施錠機構を備えた新たなホーム柵を実現することができる。
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記に限らず、適宜構成要素の追加・変更・省略を施すことができる。
3…手動操作機構部
31…解錠カム部
312…捻りばね
313…押し上げピン
314…誘導溝部
316…接続ピン
32…連係部
321…ワイヤー
322…プルロッド
323…非作動時ポジション用ノッチ
324…作動時ポジション用ノッチ
325…ワイヤー固定部
33…手動操作部
34…保持部
343…有突起板ばね
4…ドア部
6…ドア収納部
62…固定ピン
63…位置決めピン
64…ホーム側非常用ハッチ
65…軌道側非常用ハッチ
66…揺動軸
8…スライド機構
10…駆動機構部
101…モータ
103…駆動プーリ
104…従動プーリ
105…索状体
110…作用部
111…ローラ
112…アタッチメント
113…ロッド部
120…係合部
121…カム部
122…第1カム面
123…第2カム面
15…制御基板
Claims (7)
- 係合部を有するドア部と、
前記係合部に係合する作用部を開閉方向に移動させることで前記ドア部を開閉動作させる駆動機構部であって、全閉状態となった時に前記ドア部の開方向への外力を前記係合部および前記作用部を介して支持可能な位置である所定の施錠ポジションに前記作用部を移動させる前記駆動機構部と、
手動操作部を手動操作することで、前記施錠ポジションに位置する前記作用部を当該施錠ポジションから移動させる手動操作機構部と、
を備え、非常時に前記手動操作部を手動操作することで、全閉状態にある前記ドア部を開方向へ移動可能とさせるホーム柵。 - 前記手動操作機構部は、非作動時には前記作用部の前記施錠ポジションへの到達と前記施錠ポジションからの離脱とを許容し、作動時に前記作用部と係合して前記離脱の方向とは別方向へ前記作用部を移動させる解錠カム部を有する、
請求項1に記載のホーム柵。 - 前記手動操作機構部は、
前記手動操作部の手動操作力を前記解錠カム部へ伝達する連係部と、
前記手動操作部を、非作動時に位置する所定の非作動時ポジションと作動時に位置する所定の作動時ポジションとにそれぞれの場合に保持する保持部と、
を有する、請求項2に記載のホーム柵。 - 前記手動操作機構部は、
前記手動操作部が前記非作動時ポジション及び前記作動時ポジションの何れにも位置せず、且つ、前記手動操作部に手動操作力が加わっていない場合に、前記解錠カム部を非作動時の姿勢へ復元させる力を付与する復元力付与部、
を有する、請求項3に記載のホーム柵。 - 前記駆動機構部および前記手動操作機構部を内蔵し、前記手動操作部をホーム側から操作可能とするホーム側非常用ハッチと、前記手動操作部を軌道側から操作可能とする軌道側非常用ハッチとを有するドア収納部、
を更に備えた請求項1〜4の何れか一項に記載のホーム柵。 - 前記手動操作部は、軌道側に露出した位置に配置されている、
請求項1〜4の何れか一項に記載のホーム柵。 - 前記駆動機構部は、前記ドア部の移動方向に張設された環状の索状体と、前記索状体を正転/反転駆動させる駆動プーリとを有し、
前記作用部は、前記索状体の所定部位であって全閉状態において前記索状体が掛けられた戸先側の第1プーリに達する部位に設けられており、
全閉状態において前記ドア部に対して開方向への外力が働いた場合に、当該外力が前記係合部及び前記作用部を通じて前記第1プーリに支持されることで前記ドア部の開方向への移動が阻止される、請求項1〜6の何れか一項に記載のホーム柵。
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