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JP2016153613A - 燃料改質制御装置 - Google Patents

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JP2016153613A JP2015031533A JP2015031533A JP2016153613A JP 2016153613 A JP2016153613 A JP 2016153613A JP 2015031533 A JP2015031533 A JP 2015031533A JP 2015031533 A JP2015031533 A JP 2015031533A JP 2016153613 A JP2016153613 A JP 2016153613A
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陽介 中川
Yosuke Nakagawa
陽介 中川
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Abstract

【課題】リーンバーンエンジンにおいて燃費改善効果を十分に得ることができる燃料改質制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン10は、エンジンの排気管11と吸気管21とを接続するEGR配管32内に改質用燃料噴射弁35を備える。ECU40は、改質用燃料噴射弁35から噴射された燃料と排気とから生成される改質ガスを吸気管11内に供給する燃料改質制御を実施する。また、ECU40は、リーン燃焼領域でのエンジン運転中であるか否かを判定する。そして、リーン燃焼領域でのエンジン運転中であると判定された場合には燃料改質制御を実施せず、リーン燃焼領域でのエンジン運転中でないと判定された場合に燃料改質制御の実施を許容する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料改質制御装置に関し、詳しくはリーンバーンエンジンに適用される燃料改質制御装置に関する。
従来、排気中に燃料を噴射して排気と燃料とを反応させることで、例えば水素や一酸化炭素等の改質ガスを生成し、この生成した改質ガスを吸気系に供給して燃焼室で燃焼させる技術が知られている。こうした制御により燃焼エネルギを増加させ、燃費改善を図るようにしている。
例えば特許文献1には、改質ガスの生成時には、全気筒のうちの一部をリーン燃焼を行う気筒とし、残りをリッチ燃焼を行う気筒とするとともに、リッチ燃焼を行う気筒を改質ラインとすることが開示されている。これにより、リーン運転を行いつつ改質ガスを生成するようにしている。
特開2006−37817号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、一部の気筒の排気を用いて改質ガスの生成を行うため、燃料改質に必要な排気中の成分(例えばH2O)の確保が十分でなく、改質ガスの導入による燃費改善効果が十分に得られないことが考えられる。また、リーン運転領域においてリッチ燃焼気筒を設けたことによる燃費悪化も懸念される。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、リーンバーンエンジンにおいて燃費改善効果を十分に得ることができる燃料改質制御装置を提供することを一つの目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、エンジンの排気通路(11)と吸気通路(21)とを接続するガス通路(32)内に改質用の燃料を供給する燃料供給手段(35)を備えるリーンバーンエンジン(10)に適用され、前記燃料供給手段から噴射された燃料と前記ガス通路内の排気とから生成される改質ガスを前記吸気通路に供給する燃料改質制御を実施する燃料改質制御装置(40)に関する。請求項1に記載の発明は、リーン燃焼領域でのエンジン運転中であるか否かを判定する運転状態判定手段と、前記運転状態判定手段により前記リーン燃焼領域でのエンジン運転中であると判定された場合には前記燃料改質制御を実施せず、前記リーン燃焼領域でのエンジン運転中でないと判定された場合に前記燃料改質制御の実施を許容する改質制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成では、リーン燃焼領域では燃料改質制御を実施せず、リーン燃焼領域以外(ストイキ燃焼領域及びリッチ燃焼領域)で燃料改質制御を実施することから、改質ガスの生成に必要な燃料の無駄な消費を抑制することができる。また、エンジンの運転領域に応じて、燃料改質制御の実施を許容するか、それとも実施を禁止するかを切り替えることから、燃料改質制御を実施するためのエンジン燃焼態様の変更を行う必要がない。したがって、リーン燃焼領域では全気筒でリーン燃焼を実施することができ、リーンバーンエンジンによる燃費抑制の効果を十分に発揮することができる。つまり、上記構成によれば、リーン燃焼領域と燃料改質領域とを切り分けることで、それぞれの効果を十分に得ることができ、その結果、燃費改善効果を十分に得ることができる。
エンジンの燃料改質制御システムの概略を示す構成図。 エンジン運転領域の一例を示す図。 燃料改質制御の処理手順を示すフローチャート。
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、内燃機関である車載多気筒のリーンバーンエンジンを対象に燃料改質制御システムを構築するものとしている。このエンジンでは、燃料としてガソリンやアルコール(例えばエタノールやメタノールなど)、あるいはガソリンとアルコールとの混合燃料が使用される。当該制御システムは、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として、エンジンの燃料噴射量の制御や点火時期の制御等を実施する。この燃料改質制御システムの全体概略構成を図1に示す。
図1に示すエンジン10において、吸気管11にはスロットルバルブ12が設けられている。スロットルバルブ12は、DCモータ等のスロットルアクチュエータ13によって開度調節される。スロットルバルブ12の開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ13に内蔵されたスロットル開度センサにより検出される。また、スロットルバルブ12の下流側にはサージタンク14が設けられている。サージタンク14には吸気マニホールド15が接続されており、吸気マニホールド15において、各気筒の吸気ポート近傍には、燃料を噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁16が取り付けられている。なお、燃料噴射弁16の取付位置は吸気ポート近傍に限らず、エンジン10の気筒に直接取り付けられていてもよい。
エンジン10の吸気ポートには吸気バルブ17が設けられ、排気ポートには排気バルブ18が設けられている。吸気バルブ17の開動作により空気と燃料との混合気が燃焼室19内に導入され、排気バルブ18の開動作により燃焼後の排ガスが燃焼室19内から排気管21に排出される。
エンジン10のシリンダヘッドには、気筒毎に点火プラグ26が取り付けられている。点火プラグ26には、点火コイル等よりなる点火装置(図示略)を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ26の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室19内に導入した混合気が着火され燃焼に供される。
排気管21には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する排気浄化装置として三元触媒22及びNOx触媒23が配置されている。三元触媒22は、理論空燃比近傍で排気中のHC,CO及びNOxの三成分を浄化する。NOx触媒23はNOx吸蔵還元型触媒であって、リーン空燃比での燃焼時には排気中のNOxを吸蔵し、リッチ空燃比での燃焼時には、吸蔵されているNOxをリッチ成分(CO,HCなど)と反応させて浄化する。三元触媒22の上流側及び下流側のそれぞれには空燃比センサ24,25が設けられている。空燃比センサ24,25としては、空燃比に比例した出力特性を有するA/Fセンサが設けられている。
エンジン10には、排気の一部をEGRガスとして吸気通路内に還流するEGR装置31が設けられている。EGR装置31は、吸気管11と排気管21とを接続するEGR配管32と、EGR配管32内を流れる排気(EGRガス)の還流量であるEGR量を調節する電磁駆動式のEGR弁33と、EGRガスを冷却する熱交換器としてのEGRクーラ34とを備えている。なお、EGRクーラ34を設けない構成としてもよい。
EGR配管32には更に、EGR配管32内のガス通路(EGR通路)に改質用の燃料を供給する燃料供給手段としての改質用燃料噴射弁35と、EGRガスと改質用燃料との反応(改質反応)を促進する燃料改質触媒36とが設けられている。改質用燃料噴射弁35には、燃料噴射弁16と共通の燃料タンク(図示略)内の燃料が燃料ポンプにより圧送されて供給される。本実施形態では、排気管21近傍に燃料改質触媒36が配置されており、これにより燃料改質触媒36が排熱回収する機能を備えたものとなっている。燃料改質触媒36の近傍には、触媒36の温度を検出する温度センサ37が設けられている。
その他、本システムには、冷却水温を検出する冷却水温センサ38や、エンジン10の所定クランク角毎に矩形状のクランク角信号を出力するクランク角度センサ39などが設けられている。
ECU40は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)41を主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、都度のエンジン運転状態に応じて、エンジン10の各種制御を実施する。すなわち、ECU40のマイコン41は、前述した各種センサなどから各々検出信号を入力するとともに、入力した検出信号に基づいて燃料噴射量や点火時期等を演算し、燃料噴射弁16や点火装置の駆動を制御する。
本システムにおいて、エンジン10はリーンバーンエンジンであり、具体的には図2に示すように、低中回転・低中負荷の運転領域Aを、理論空燃比よりも燃料希薄側(λ>1)で空燃比を制御するリーン燃焼領域としている。また、高回転・高負荷の運転領域Cを、理論空燃比よりも燃料過多側(λ<1)で空燃比を制御するリッチ燃焼領域とし、領域Aと領域Cとの間の領域Bを、理論空燃比(λ=1)で制御するストイキ燃焼領域としている。ECU40は、図2のマップに従い、都度のエンジン回転速度やエンジン負荷、吸気温、エンジン水温等に応じた目標空燃比を設定し、設定した目標空燃比になるように燃料噴射制御及び点火制御を実施する。なお、エンジン10の各気筒における燃焼の態様は全ての気筒で同じにしており、例えばリーン燃焼領域では全気筒について目標空燃比をλ>1で制御し、リッチ燃焼領域では全気筒について目標空燃比をλ<1で制御している。
また、ECU40は、所定の改質実行条件が成立した場合には、EGR弁33を開弁して排気の一部を還流させた状態で、改質用燃料噴射弁35により改質用の燃料を噴射する燃料改質制御を実施する。この燃料改質制御では、EGR通路内に供給された改質用燃料と、EGRガス中の水蒸気等とを触媒上で反応させることにより、水素や一酸化炭素等といった、燃焼性が高い改質ガスを生成させる。そして、その生成した改質ガスを吸気管11に供給する。
ここで、リーン燃焼中に燃料改質を実施すると、EGRガス中の酸素による改質用燃料の酸化反応が生じるため、十分な量の改質ガスを生成させるには、酸化反応で消費される燃料を余分に供給する必要がある。そのため、リーン燃焼中では、燃料改質の実施によって燃費が悪化することが懸念される。特にリーンバーンエンジンではリーン燃焼の機会が多く、燃料改質を実施するタイミングを考慮せずに燃料改質を実施すると、燃料改質制御に伴う燃費悪化がより現れやすくなる。また、燃料改質を実施することを目的として一部の気筒又は全気筒においてエンジン燃焼態様を変更してしまうと、リーンバーンエンジンによる燃費抑制の効果を十分に発揮することができない。
そこで本実施形態では、エンジン10をリーン燃料領域、ストイキ燃焼領域及びリッチ燃焼領域のいずれの燃焼領域で運転しているかに応じて、燃料改質制御を実施するか否かを切り替えることとしている。具体的には、リーン燃焼領域でのエンジン運転中である場合には燃料改質制御を実施せず、リーン燃焼領域でのエンジン運転中でない場合には燃料改質制御の実施を許容する。
次に、本実施形態の燃料改質制御について図3のフローチャートを用いて説明する。この処理は、ECU40のマイコンにより実行される。
図3において、ステップS101では、リーン実行条件が成立しているか否かを判定する。リーン実行条件は、エンジン10の運転領域をリーン燃焼領域とするか否かを判定するための条件である。本実施形態では、エンジン回転速度やエンジン負荷、吸気温、エンジン水温等に基づき予め定めたマップ等を用いて、リーン実行条件が成立しているか否かを判定する。
リーン実行条件が成立している場合には、ステップS101で肯定判定されてステップS102へ進む。ステップS102では、リーン燃焼領域でのエンジン運転中か否かを判定する(運転状態判定手段)。今現在のエンジン運転領域がリーン燃焼領域でない場合、つまりストイキ燃焼領域か又はリッチ燃焼領域でのエンジン運転中であるか、あるいはリーン実行条件が成立していない場合には、ステップS103へ進み、改質実行条件が成立しているか否かを判定する。
改質実行条件について本実施形態では、燃料改質触媒36の触媒温度が所定の活性温度(例えば600℃)以上であること、及びEGRガス導入を実行するための条件(EGR実行条件)が成立していること、を含む。触媒温度は、温度センサ37の検出値を用いる。EGR実行条件の成否は、エンジン運転状態(例えば、エンジン回転速度、エンジン負荷及びエンジン水温等)に基づいて判定する。改質実行条件が成立している場合にはステップS104へ進み、燃料改質制御を実行する。具体的には、EGR弁33を開弁した状態で、改質用燃料噴射弁35により改質用燃料を噴射する。改質用燃料の噴射量は、エンジン運転状態(例えば、エンジン回転速度やエンジン負荷等)及びEGR量に基づき、予め定めたマップ等を用いて算出する。改質実行条件が不成立の場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS102でリーン燃焼領域でのエンジン運転中であると判定されると、ステップS105へ進む。ステップS105では、燃料改質触媒36の再生実行条件が成立しているか否かを判定する。
ここで、燃料改質触媒36では、改質用燃料噴射弁35から噴射された改質用燃料により炭素析出が生じ、これに伴い触媒36に付着した炭素成分によって触媒性能が低下することが起きる。本実施形態では、リーン燃焼中では排気中に残存している酸素の量が多い点に着目し、リーン燃焼領域でのエンジン運転中には、EGRガス中の酸素を利用して、燃料改質触媒36に付着した炭素成分を除去する炭素パージ制御(触媒再生制御)を実行することとしている。つまり、触媒再生制御では、改質用燃料噴射弁35による燃料噴射を実施せずに、燃料改質触媒36に酸素を供給する。これにより、燃料改質触媒36に付着した炭素成分を燃焼除去することとしている。
再生実行条件は、燃料改質触媒36の劣化状態を判定するための条件である。具体的には、燃料改質制御の実行中において、(1)燃料改質触媒36の下流側における水素ガス量が判定値以下であること、(2)燃料改質触媒36の上流側に対する下流側の圧力上昇率が判定値以下であること、(3)エンジン10の燃焼状態が所定の不安定状態であること、等が挙げられる。本実施形態では、燃料改質制御の実行中において上記(1)〜(3)の少なくともいずれかが成立している場合に、燃料改質触媒36が劣化した状態であると判定し、再生実行フラグF1をセットする。ステップS105の処理では、再生実行フラグF1を読み込み、該フラグF1がセットされている場合に再生実行条件が成立しているものと判定する。
再生実行条件が成立している場合にはステップS106へ進み、触媒再生制御を実行する。ここではEGR導入を行う。触媒再生制御では、EGR量(EGR開度)を、燃料改質触媒36に付着した炭素成分を燃焼除去するのに必要な所定の再生用目標値に設定する。また、触媒再生のためのEGR導入時間について、燃料改質触媒36の触媒温度に応じて可変に設定する。このとき、触媒温度が高いほど炭素成分が燃焼しやすい点を考慮して、触媒温度が高いほどEGR導入時間を短い時間に設定する。また、触媒再生制御の実行時における目標空燃比について、炭素成分の燃焼除去のためのEGR導入量を加味してリーン度合いを緩和する。これにより燃焼安定性を図る。
なお、本実施形態では、再生実行条件が成立している場合には、EGR実行条件が成立しているか否かに関わらず、触媒温度に基づき設定したEGR導入時間だけEGR量を再生用目標値で制御する。EGR実行条件が成立している場合には、EGR導入時間が経過した後、エンジン運転状態に基づきEGR量を設定する通常のEGR制御に移行する。
再生実行条件が成立していない場合には、ステップS105で否定判定されてステップS107へ進み、燃料改質触媒36の触媒温度を上昇させるための所定の昇温実行条件が成立しているか否かを判定する(昇温判定手段)。本実施形態では、触媒温度が、活性温度に基づき定めた所定の低温判定値よりも低いこと、燃料改質制御の未実施期間が所定時間以上であること、等を含む。これらのうちの少なくとも1つの条件が成立している場合に昇温実行条件が成立しているものと判定する。
昇温実行条件が成立していなければ、ステップS107で否定判定されてそのまま本処理を終了する。一方、昇温実行条件が成立している場合には、ステップS108へ進み、触媒36を昇温させるための制御(昇温制御)を実行する。本実施形態では、改質用燃料噴射弁35からの燃料噴射を実施せずにEGR導入を行う。昇温制御では、EGR量(EGR開度)を、燃料改質触媒36を活性温度以上にするために必要な所定の昇温用目標値に設定する。また、触媒昇温のためのEGR導入時間について、燃料改質触媒36の触媒温度に応じて可変に設定する。このとき、触媒温度が高いほどEGR導入時間を短い時間に設定する。また、目標空燃比について、燃焼安定性を維持するべくリーン度合いを緩和する。なお、昇温制御におけるEGR量及びEGR導入時間については、触媒再生制御と同じにしてもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。
リーン燃焼領域では燃料改質制御を実施せず、リーン燃焼領域以外(ストイキ燃焼領域及びリッチ燃焼領域)で燃料改質制御を実施する構成とした。こうした構成によれば、リーン燃焼領域では燃料改質を実施しないため、改質ガスの生成に必要な燃料の無駄な消費を抑制することができる。また、エンジン10の運転領域に応じて、燃料改質制御の実施を許容するか、それとも実施を禁止するかを切り替えることから、燃料改質制御を実施するためのエンジン燃焼態様の変更を行う必要がない。したがって、リーン燃焼領域では全気筒でリーン燃焼を実施することができ、リーンバーンエンジンによる燃費抑制の効果を十分に発揮することができる。このように、リーン燃焼領域と燃料改質領域とを切り分けることで、それぞれの効果を十分に得ることができ、その結果、燃費改善効果を十分に得ることができる。
リーン燃焼領域でのエンジン運転中に、燃料改質触媒36に付着した炭素成分を除去する炭素パージ制御(再生制御)を実施する構成とした。燃料改質触媒36では、触媒性能を維持するために該触媒36に付着した炭素成分を除去する制御が必要であるが、こうした構成によれば、燃料改質の実施領域(ストイキ燃焼領域及びリッチ燃焼領域)と、再生制御の実施領域(リーン燃焼領域)とを切り分けることができる。その結果、燃料改質制御の実施の機会と、再生制御の実施の機会とをそれぞれ十分に確保することができる。
触媒再生制御として具体的には、改質用燃料噴射弁35による改質用燃料の噴射を実施せずに燃料改質触媒36に酸素を供給する構成とした。リーン燃焼領域でのエンジン運転中は排気に含まれる酸素の量が多く、こうした酸素過多の排気を燃料改質触媒36に供給することにより、改質用燃料を噴射しなくても触媒性能を維持することができる。特に本実施形態では、リーン燃焼中に再生制御を実施することから、EGR開度の調整といった比較的簡単な制御によって燃料改質触媒36に酸素を供給することができ、炭素成分を燃焼除去できる点で好適である。
燃料改質触媒36の触媒温度を上昇させるための条件(昇温実行条件)が成立したか否かを判定し、昇温実行条件が成立したと判定された場合には、改質用燃料噴射弁35による燃料噴射を実施せずに燃料改質触媒36に排気を供給する構成とした。こうした構成によれば、エンジン運転領域が燃料改質の実施領域(ストイキ燃焼領域及びリッチ燃焼領域)において改質実行条件が成立しやすくなり、燃料改質制御を実施したいときに該制御を速やかに実施することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、触媒再生制御のEGR量について、再生用目標値で一定値に制御する構成としたが、可変値としてもよい。例えば、触媒温度が低いほど炭素成分が燃焼されにくい点を考慮し、触媒温度が低いほどEGR量を多くする構成としてもよい。
・触媒再生制御では、触媒温度に応じてEGR導入時間を可変に設定したが、触媒温度に関わらず一定時間としてもよい。
・燃料改質触媒36の近傍に温度センサ37を設け、該センサ37により触媒温度を検出する構成としたが、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度、エンジン負荷等)に基づいて、演算により触媒温度を推定する構成としてもよい。
・上記実施形態において、リーン実行条件が成立した時点で燃料改質制御を実施しない構成としてもよい。すなわち、図3においてステップS101で肯定判定された場合、ステップS102の判定処理を実行せずにステップS103へ進む構成としてもよい。
・燃料改質触媒36の触媒温度が所定の再生実行温度以上であることを条件に触媒再生制御を実施する構成としてもよい。触媒温度が低すぎる場合、燃料改質触媒36に酸素を供給しても炭素成分が燃焼されにくく、炭素成分を十分に除去できないことが考えられる。この点を考慮して上記構成とすることにより、燃料改質触媒36の再生を効率よく実施できない状況においてEGRガスの無駄な供給を回避することができる。
・上記実施形態では、燃料改質触媒36の再生制御として、燃料改質触媒36に酸素を供給することにより、触媒36に付着した炭素成分を除去する構成とした。再生制御については、改質用燃料の供給なしで炭素成分を除去できればよく、例えば触媒36にヒータ等の加熱手段を設け、該加熱手段により炭素成分を除去する構成としてもよい。
・上記実施形態では、排気管21において三元触媒22の下流側であってNOx触媒23の上流側の位置と、吸気管11とを接続するようにEGR配管32が配置されたシステムに適用したが、EGR配管32の配置は特に制限されない。例えば、排気管21において三元触媒22の上流側と吸気管11とを接続するようにEGR配管32が配置されたシステムに適用してもよいし、あるいはNOx触媒23の下流側と吸気管11とを接続するようにEGR配管32が配置されたシステムに適用してもよい。また、吸気管11におけるEGR配管32の取り付け位置も特に制限されず、サージタンク14の下流側にEGR配管32が取り付けられたシステムに適用してもよい。
・上記実施形態では、改質用燃料噴射弁35及び燃料改質触媒36がEGR配管32に配置されたシステムに適用したが、改質用燃料噴射弁35及び燃料改質触媒36がEGR配管32とは異なる配管(例えば燃料改質専用の配管)に配置されたシステムに適用してもよい。あるいは、EGR配管32に改質用燃料噴射弁35のみを配置して燃料改質触媒36を省略したシステムに本発明を適用してもよい。この場合には、高温のEGRガス中に改質用の燃料を噴射することで燃料の改質が行われる。
・燃料改質触媒36の再生制御において、燃料改質触媒36に酸素を供給する方法はEGRガスを供給する態様に限定されない。例えば、燃料改質触媒36に酸素を供給する機構が別途設けられていてもよい。
・上記実施形態では、NOx触媒23が排気通路に配置されたリーンバーンエンジンに適用する場合について説明したが、NOx触媒23が配置されていないリーンバーンエンジンに適用する構成としてもよい。
・排気管21近傍に燃料改質触媒36を配置することで燃料改質触媒36に排熱回収機能を持たせたシステムに適用したが、燃料改質触媒36が排熱回収機能を有さないシステムに適用してもよい。
・上記実施形態では、燃料としてガソリン、アルコール、あるいはガソリンとアルコールとの混合燃料を使用する場合について説明したが、燃料の種類は特に限定されず、例えば軽油、気体燃料(例えばCNG燃料)を用いる構成に本発明を適用してもよい。
10…エンジン、11…吸気管、16…燃料噴射弁、21…排気管、23…NOx触媒、31…EGR装置、32…EGR配管、33…EGR弁、35…改質用燃料噴射弁(燃料供給手段)、36…燃料改質触媒、40…ECU(燃料改質制御装置、運転状態判定手段、改質制御手段、パージ制御手段、昇温判定手段、給気制御手段)。

Claims (5)

  1. エンジンの排気通路(11)と吸気通路(21)とを接続するガス通路(32)内に改質用の燃料を供給する燃料供給手段(35)を備えるリーンバーンエンジン(10)に適用され、前記燃料供給手段から噴射された燃料と前記ガス通路内の排気とから生成される改質ガスを前記吸気通路に供給する燃料改質制御を実施する燃料改質制御装置(40)であって、
    リーン燃焼領域でのエンジン運転中であるか否かを判定する運転状態判定手段と、
    前記運転状態判定手段により前記リーン燃焼領域でのエンジン運転中であると判定された場合には前記燃料改質制御を実施せず、前記リーン燃焼領域でのエンジン運転中でないと判定された場合に前記燃料改質制御の実施を許容する改質制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料改質制御装置。
  2. 前記改質用の燃料と前記ガス通路内の排気との改質反応を促進する燃料改質触媒(36)が前記ガス通路に配置されており、
    前記運転状態判定手段により前記リーン燃焼領域でのエンジン運転中であると判定された場合に、前記燃料改質触媒に付着した炭素成分を除去する炭素パージ制御を実施するパージ制御手段を備える請求項1に記載の燃料改質制御装置。
  3. 前記パージ制御手段は、前記炭素パージ制御として、前記燃料供給手段による燃料供給を実施せずに前記燃料改質触媒に酸素を供給する制御を実施する請求項2に記載の燃料改質制御装置。
  4. 前記パージ制御手段は、前記ガス通路を介して排気の一部を吸気に還流させるEGR制御により前記燃料改質触媒に酸素を供給する請求項3に記載の燃料改質制御装置。
  5. 前記改質用の燃料と前記ガス通路内の排気との改質反応を促進する燃料改質触媒(36)が前記ガス通路に配置されており、
    前記燃料改質触媒の触媒温度を上昇させる所定の昇温実行条件が成立したか否かを判定する昇温判定手段と、
    前記昇温判定手段により前記昇温実行条件が成立したと判定された場合に、前記燃料供給手段による燃料供給を実施せずに前記燃料改質触媒に排気を供給する給気制御手段と、を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料改質制御装置。
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