以下に添付図面を参照して、この発明に係る火災報知システム、及び自動体外式除細動器の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、監視領域における火災を検知して警報を行う火災報知システムに関するものである。この火災報知システムの制御方式は任意であり、例えば、ポーリング/セレクティング方式によって感知器等の端末機器と受信機との相互間で応答制御を行う方式(いわゆるR型方式)と、受信機の回線毎に信号線が引き出され、この回線に接続された端末機器の接点の開閉に基づいて受信機が端末機器からの発報を受ける方式(いわゆるP型方式)とを含む。なお、実施の形態に係る火災報知システムの設置対象や適用対象は任意であり、例えば、集合住宅、オフィスビル、あるいは商業施設に適用することができる。以下、実施の形態1では、火災報知システムが、集合住宅(以下、単に「建物」と称する)に適用されたR型方式のシステムである場合について説明し、実施の形態2では、火災報知システムが、建物に適用されたP型方式のシステムである場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る火災報知システムについて説明する。この実施の形態1は、火災報知システムの制御方式をR型方式とした形態である。
(構成)
まず、実施の形態1に係る火災報知システムの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る火災報知システムの構成を示す概略図である。この図1に示すように、火災報知システム1は、感知器10と、複合報知装置20と、受信機80と、通報装置90とを備えて構成されている。また、感知器10は、建物の天井や壁に配置されていると共に、複合報知装置20及び受信機80は、建物の壁に配置されている。このうち、感知器10及び複合報知装置20は、法定の設置間隔を満たすように、各階毎に1台又は複数台が配置されている。また、受信機80及び通報装置90は、それぞれ建物に1台配置されており、例えば建物の管理人室に設置されている。
また、これら装置の接続形態については、以下に示す通りに設定されている。具体的には、各装置が共通の信号線で接続される方式(いわゆるR型方式)が採用されているので、感知器10、後述する発信機30、後述するAED40、後述する中継装置50、及び通報装置90の各々が、第1配線2を介して受信機80と接続されている。また、後述する表示装置60が、第2配線3を介して受信機80と接続されていると共に、後述する音響装置70が、第3配線4を介して受信機80と接続されている。このような接続により、感知器10、後述する発信機30、後述するAED40、後述する中継装置50、後述する表示装置60、後述する音響装置70、及び通報装置90の各々から受信機80に対して信号を出力することができると共に、受信機80から感知器10、後述する発信機30、後述するAED40、後述する中継装置50、後述する表示装置60、後述する音響装置70、及び通報装置90の各々に向けて電力を供給することができる(すなわち、第1配線2、第2配線3、及び第3配線4の各々は、信号線として機能すると共に、電源線としても機能する)。
(構成−感知器)
次に、感知器10の構成について説明する。感知器10は、火災を報知する火災信号、又は火災からの復旧を報知する火災復旧信号を送信する有線式の火災報知端末である。この感知器10は、センサ部、通信部、及び、制御部を備えて構成されている(いずれも図示省略)。なお、この感知器10は、例えば公知の有線式感知器等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
センサ部は、温度や煙濃度等を検知するための検知手段である。通信部は、第1配線2を介して受信機80との間で通信する通信手段である。制御部は、感知器10の各部を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成される(なお、後述する発信機30の制御部、後述するAED40の制御部48、後述する中継装置50の制御部53、後述する表示装置60の制御部63、後述する音響装置70の制御部73、後述する受信機80の制御部87、及び後述する通報装置90の制御部についても同様とする)。
(構成−複合報知装置)
次に、複合報知装置20の構成について説明する。図2は、複合報知装置20の正面図である。図3は、複合報知装置20の電気的構成を示したブロック図である。複合報知装置20は、火災を報知するための機器と人を治療するための機器とを組み合わせた装置である。図2、図3に示すように、この複合報知装置20は、建物内(すなわち監視領域内)に設けられた筐体21の内部において、発信機30と、AED40と、中継装置50と、表示装置60と、音響装置70とを一体に収容して構成されている。また、この複合報知装置20を構成する装置の接続形態については任意であるが、実施の形態1においては、中継装置50と、表示装置60及び音響装置70の各々とが、第4配線5を介して接続されていると共に、AED40と中継装置50とが、無線通信可能に接続されている。このような接続により、中継装置50と表示装置60及び音響装置70の各々との相互間で通信を行うことができると共に、AED40と中継装置50との相互間で通信を行うことができる。
(構成−複合報知装置−筐体)
筐体21は、複合報知装置20の基本構造体であり、発信機30と、AED40と、中継装置50と、表示装置60と、音響装置70とを外部から保護する保護手段である。この筐体21は、例えば金属材料等にて形成された略箱状体である。具体的には、この筐体21は、一側面(例えば、前面等)を開放した略箱形状のベース部22aであって、発信機30、AED40、中継装置50、表示装置60、及び音響装置70を収容するベース部22aと、このベース部22aの上方部分をその開放面側から略覆う上部正面パネル部22bと、このベース部22aの下方部分をその開放面側から略覆う下部正面パネル部22cとを備えて構成されており、上部正面パネル部22b及び下部正面パネル部22cはベース部22aに対して嵌合構造や固定具等にて固定されている(あるいは、上部正面パネル部22b及び下部正面パネル部22cはベース部22aに対して一体に形成されてもよい)。
ここで、このベース部22aにおいては、当該ベース部22aの上方において、発信機30、中継装置50、表示装置60、及び音響装置70の各々を構成する各部が固定されていると共に、当該ベース部22aの下方において、AED40を構成する各部が固定されている。また、発信機30、AED40、中継装置50、表示装置60、又は音響装置70に接続された第1配線2、第2配線3、及び第3配線4が、ベース部22aに形成された開口部(図示省略)を介して筐体21の外部に引き出されている。
また、上部正面パネル部22bには、後述する発信機30の非常ボタン31aを操作するための第1操作口23aと、後述する発信機30の復旧ボタン31bの一部を外部に露出するための第2操作口23bと、後述する音響装置70の非常ベル71から出力された音を、当該筐体21の外部に放出するための音響孔23cと、後述する表示装置60の表示灯61の光を外部に向けて導光するための導光孔23dとが形成されている。また、下部正面パネル部22cには、後述するAED40のAED本体部41を筐体21内から取り出すための開閉自在な扉部23eが設けられている。また、この扉部23eには、外部からAED本体部41を視認することができるように、透明な樹脂材料にて形成された扉窓部23fが設けられている。
(構成−複合報知装置−発信機)
次に、発信機30の構成について説明する。発信機30は、火災信号、火災復旧信号等を送信する有線式の火災報知端末である。図3に示すように、この発信機30は、操作部、通信部、確認表示灯、制御部、及び記憶部を備えて構成されている(いずれも図示省略)。なお、この発信機30は、例えば公知の有線式発信機等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
操作部は、発信機30に対する操作入力を受け付けるものであり、非常ボタン31aと、復旧ボタン31bとを備えている。このうち、非常ボタン31aは、火災信号の送信指示を受け付ける操作手段であり、第1操作口23aを介して筐体21の外部に露出されるように配置されている。また、復旧ボタン31bは、非常ボタン31aを介して火災信号の送信指示が受け付けられた場合に、機械的操作によって非常ボタン31aの状態を火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧させるボタンであり、第2操作口23bを介して筐体21の外部に露出されるように配置されている。
通信部は、受信機80との間で第1配線2を介して通信を行うための通信手段である。
確認表示灯は、非常ボタン31aが押された旨を表示するものである。この確認表示灯は、例えば、公知のLEDランプ、蛍光ランプ等を用いて構成されており、筐体21の内部において、筐体21の外部から当該確認表示灯を視認できる位置(例えば、筐体21の第1操作口23a近傍の位置等)に配置されている。
制御部は、発信機30の各部を制御する制御手段である。なお、この制御部によって実行される処理の詳細については後述する。
記憶部は、発信機30の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。この記憶部は、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる(なお、後述するAED40の記憶部49、後述する受信機80の記憶部88、及び後述する通報装置90の記憶部についても同様とする)。
(構成−複合報知装置−AED)
次に、AED40の構成について説明する。AED40は、上述した除細動を行う医療機器である。図3に示すように、このAED40は、AED本体部41の内部において、操作部42(少なくとも一部が露出)、検知部43、通信部44a、無線通信部44b、電源部45、表示部46a(少なくとも一部が露出)、音声入力部46b、音声出力部46c、撮像部47、制御部48、及び記憶部49を備えて構成されている。なお、このAED40は、例えば公知のAED等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
AED本体部41は、AED40の基本構造体であり、例えば、公知のAED40の本体部分(具体的には、心臓が正常に拍動できなくなった状態となった人に対して電気ショックを与えるための電極パッドや、当該人の健康状態を計測するための各種センサ(例えば心拍センサ、血圧センサ等)等)と同様に構成されている。また、このAED本体部41には、表示部46aの光を外部に向けて導光するための導光孔(図示省略)が設けられている。
操作部42は、AED40に対する操作入力を受け付ける操作手段であり、例えばスイッチやタッチパネル等の公知の操作手段を用いて構成されている(なお、後述する受信機80の操作部81、及び後述する通報装置90の操作部についても同様とする)。また、この操作部42は、通信停止ボタン42aを備えている。ここで、通信停止ボタン42aは、後述する状態情報を含む信号の通信停止の指示を受け付ける通信停止操作手段である。
検知部43は、AED40の状態を検知するための検知手段である。ここで、「AED40の状態」とは、ある時点におけるAED40の有り様を意味し、例えば、AED40の使用状態、AED40の故障状態、AED40の使用が必要とされている使用必要状態とを含む概念である。この検知部43は、上述した3つのAED40の状態のうち、AED40の故障状態を検知するものであり、例えば、AED40の異常(具体的には、電源異常や機能異常等)の有無を検知するための公知の電流センサを用いて構成されている。
通信部44aは、受信機80との間で第1配線2を介して通信を行うための通信手段である。
無線通信部44bは、図示しない無線アンテナを介して後述する中継装置50の無線通信部52との相互間で無線にて通信を行うための第2無線通信手段であって、後述する状態情報を含む信号を後述する中継装置50の無線通信部52を介して表示装置60又は音響装置70に送信する第2無線通信手段である。この無線通信部44bは、例えば、公知の移動体無線通信網を用いて通信を行う公知の通信手段等を用いて構成されている(なお、後述する中継装置50の無線通信部52についても同様とする)。なお、このAED40に対しては、AED40と中継装置50との相互間で通信可能にするために、これらAED40と中継装置50との相互間における通信を確立する処理(すなわち、ペアリング処理)が後述する火災報知処理及び後述する使用状態報知処理が行われる前に行われる。
電源部45は、受信機80又は電池から供給された電力を、AED40の各部に供給する電源手段である。
表示部46aは、制御部48の制御に基づいて各種の情報を表示するものであって、画像を表示する画像表示手段である。この表示部46aは、例えば、公知のLEDランプや、公知の液晶ディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いて構成されている(なお、後述する受信機80の表示部83についても同様とする)。
音声入力部46bは、AED40の周囲の音声を入力し、当該入力した音声を電気信号(すなわち、音声信号)に変換して制御部48に出力する音声入力手段であり、公知のマイク等を用いて構成されている(なお、後述する受信機80の音声入力部84についても同様とする)。
音声出力部46cは、制御部48の制御に基づいて各種の情報を音声で出力する音声出力手段であり、例えば公知のスピーカ等を用いて構成されている。
撮像部47は、AED40の周囲の画像を撮像する撮像手段であり、例えばCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の公知の撮像素子、及びレンズやプリズム等の公知の光学系部品を用いて構成されている。なお、この撮像部47は、撮像した画像を電気信号(すなわち、画像信号)に変換し、当該変換した電気信号を制御部48に出力する。
制御部48は、AED40の各部を制御する制御手段であり、機能概念的に、判定部48aと、画像処理部48bと、通話処理部48cとを備えている。ここで、判定部48aは、AED40の状態を判定する判定手段である。また、画像処理部48bは、上述した3つのAED40の状態のうち、AED40の使用必要状態を検知するために、AED40の撮像部47にて撮像された画像を処理するための画像処理手段である。また、通話処理部48cは、AED40のユーザ(使用者)とAED40とは異なる他の装置のユーザ(実施の形態1では、受信機80の管理者等)との間で、音声によって行われる通話に関する処理を行う通話処理手段である。なお、上述した「検知部43」と、「判定部48a」と、「画像処理部48b」とは、特許請求の範囲における「判定手段」に対応する。また、この制御部48によって実行される処理の詳細については後述する。
記憶部49は、AED40の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。
(構成−複合報知装置−中継装置)
次に、中継装置50の構成について説明する。中継装置50は、AED40から無線送信された信号を受信機80を介して表示装置60又は音響装置70に中継する装置である。この中継装置50は、通信部51、無線通信部52、及び制御部53を備えて構成されている。
通信部51は、受信機80との間で第2配線3を介して通信を行うための通信手段である。
無線通信部52は、図示しない無線アンテナを介してAED40の無線通信部44bとの相互間で無線にて通信を行う第1無線通信手段である。
制御部53は、中継装置50の各部を制御する制御手段である。なお、この制御部53によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成−複合報知装置−表示装置)
次に、表示装置60の構成について説明する。表示装置60は、後述する火災情報を表示する火災情報出力装置である。この表示装置60は、表示灯61、通信部62、及び制御部63を備えて構成されている。
表示灯61は、後述する火災情報を表示する出力手段及び表示手段であり、例えば公知のLEDランプ、蛍光ランプ等を用いて構成される。
通信部62は、受信機80との間で第2配線3を介して通信を行うための通信手段である。
制御部63は、表示装置60の各部を制御する制御手段である。なお、この制御部63によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成−複合報知装置−音響装置)
次に、音響装置70の構成について説明する。音響装置70は、後述する火災情報を警報音で出力する火災情報出力装置である。この音響装置70は、非常ベル71、通信部72、及び制御部73を備えて構成されている。
非常ベル71は、後述する火災情報をベル音(すなわち、警報音)で出力する出力手段及び警報音出力手段であり、例えば、公知のベル等を用いて構成されている。
通信部72は、受信機80との間で第3配線4を介して通信を行うための通信手段である。
制御部73は、音響装置70の各部を制御する制御手段である。なお、この制御部73によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成−受信機)
次に、受信機80の構成について説明する。図4は、受信機80の電気的構成を示したブロック図である。受信機80は、感知器10、発信機30、中継装置50、表示装置60、音響装置70、又は通報装置90から受信された信号に基づいて所定処理を行うものである。図4に示すように、この受信機80は、操作部81、通信部82、表示部83、音声入力部84、音声出力部85、電力供給部86、制御部87、及び記憶部88を備えて構成されている。なお、この受信機80は、例えば公知の受信機等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
操作部81は、受信機80に対する操作入力を受け付ける操作手段である。
通信部82は、感知器10、発信機30、AED40、中継装置50、表示装置60、音響装置70、又は通報装置90との間で第1配線2、第2配線3、第3配線4のいずれか1つを介して通信を行うための通信手段である。
表示部83は、制御部87の制御に基づいて各種の情報を表示するものである。
音声入力部84は、受信機80の周囲の音声を入力し、当該入力した音声を電気信号に変換して制御部87に出力するものである。
音声出力部85は、制御部87の制御に基づいて各種の情報を音声で出力するものであり、例えばスピーカやブザー等の公知の音響機器を用いて構成されている。
電力供給部86は、第1配線2、第2配線3、第3配線4のいずれか1つを介して商用電源から供給された電力を受信機80の各部、感知器10、発信機30、AED40、中継装置50、表示装置60、音響装置70、及び通報装置90に供給するための電力供給手段である。
制御部87は、受信機80の各部を制御する制御手段であり、機能概念的に、通話処理部87aを備えている。ここで、通話処理部87aは、受信機80の管理者等とAED40のユーザ(使用者)との間で、音声によって行われる通話に関する処理を行う通話処理手段である。
記憶部88は、受信機80の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。
(構成−通報装置)
次に、通報装置90の構成について説明する。通報装置90は、受信機80から受信された場合に、所定信号(例えば、後述する火災情報又は後述する使用状態情報に関連する音声情報を含む信号等)を電話回線(図示省略)を介して外部装置(例えば、センタ装置や携帯電話等)に通報するためのものである。この通報装置90は、操作部、通信部、制御部、及び記憶部を備えて構成されている(いずれも図示省略)。なお、この通報装置90は、例えば公知の通報装置等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
操作部は、通報装置90に対する操作入力を受け付ける操作手段である。通信部は、火災報知システム1の外部に設置された外部装置の間で通信を行うための通信手段である。制御部は、通報装置90の各部を制御する制御手段である。記憶部は、通報装置90の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。
(処理)
次に、このように構成された火災報知システム1によって実行される処理について説明する。この火災報知システム1によって実行される処理は、火災報知処理と、使用状態報知処理と、故障状態報知処理と、使用必要状態報知処理とに大別される。以下、火災報知処理と、使用状態報知処理と、故障状態報知処理と、使用必要状態報知処理とのそれぞれについて説明する。
(処理−火災報知処理)
まず、火災報知処理について説明する。図5は、感知器10又は発信機30に関する火災報知処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。図6は、表示装置60又は音響装置70に関する火災報知処理のフローチャートである。火災報知処理は、火災の報知を行う処理である。この火災報知処理においては、概略的には、後述する火災情報を表示装置60の表示灯61又は音響装置70の非常ベル71に出力させる処理が行われる。また、この火災報知処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1においては、感知器10、発信機30、表示装置60、音響装置70、及び受信機80に電源が投入された後に起動されるものとして説明する。また、この火災報知処理の前提としては、以下に示す通りとなる(なお、使用状態報知処理の前提、故障状態報知処理の前提、及び使用必要状態報知処理の前提についても同様とする)。具体的には、通常時において発信機30の位置を案内するために、表示装置60の表示灯61が点灯表示されているので、この表示灯61が点灯表示されているものとする。また、通常時において発信機30の確認表示灯や音響装置70の非常ベル71は出力停止されているので、これら確認表示灯及び非常ベル71が出力停止されているものとする。
火災報知処理が起動されると、図5に示すように、SA1において、建物に設置された各感知器10(以下、「各感知器10」と称する)の制御部は、センサ部の検知結果に基づいて火災が検知された否かを判定する。また、建物に設置された各発信機30(以下、「各発信機30」と称する)の制御部は、非常ボタン31aを介して火災信号の送信指示が受け付けられたか否かを判定する。ここで、感知器10の判定については、例えば、建物で火災が発生した場合に、センサ部にて検知された温度(又は煙濃度)が閾値を上回ると、火災が検知されたと判定する。また、発信機30の判定については、例えば、建物で火災が発生した場合に、建物にいる人(例えば、住居者や訪問者等)によって非常ボタン31aが押圧されると、上記火災信号の送信指示が受け付けられたと判定する。各感知器10の制御部は、火災が検知されたと判定されるまで待機し、また各発信機30の制御部は、非常ボタン31aを介して火災信号の送信指示が受け付けられたと判定されるまで待機し(SA1、No)、そして、各感知器10の制御部が火災が検知されたと判定したり、各発信機30の制御部が非常ボタン31aの操作により火災信号の送信指示が受け付けられたと判定すると(SA1、Yes)、SA2に移行する。
SA2において、SA1にて火災が検知されたと判定された感知器10の制御部は、火災を報知する火災信号を通信部及び第1配線2、受信機80、及び第2配線3(又は第3配線4)を介して建物に設置された各表示装置60及び各音響装置70(以下、「各表示装置60」、「各音響装置70」と称する)に送信する。また、SA1にて非常ボタン31aを介して火災信号の送信指示が受け付けられたと判定された発信機30の制御部は、火災信号を通信部及び第1配線2、受信機80、及び第2配線3(又は第3配線4)を介して各表示装置60及び各音響装置70に送信すると共に、非常ボタン31aが押された旨を報知するために、確認表示灯を点灯表示させる。
次に、図6に示すように、SB1において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SA1にて火災が検知されたと判定された感知器10(又は、SA1にて非常ボタン31aを介して火災信号の送信指示が受け付けられたと判定された発信機30)から送信された火災信号を第1配線2、受信機80、第2配線3(又は第3配線4)、及び通信部62(又は通信部72)を介して受信したか否かを判定する。そして、各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、火災信号が受信されるまで待機し(SB1、No)、火災信号が受信された場合に(SB1、Yes)、SB2に移行する。
SB2において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、建物にいる人に対して火災を報知するために、表示灯61(又は非常ベル71)によって火災情報を出力させる。ここで、「火災情報」とは、火災の報知を示す情報である。また、この火災情報の出力については任意であるが、実施の形態1においては、表示灯61が通常時の表示と同様に点灯表示すると共に、非常ベル71が「ジリジリ」というベル音を連続的に出力する。
図5に戻り、SA3において、SA2にて火災信号が送信された感知器10の制御部は、センサ部の検知結果に基づいて火災が検知されなくなったか否かを判定する。また、SA2にて火災信号が送信された発信機30の制御部は、非常ボタン31aが火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたか否かを判定する。ここで、感知器10の判定については、例えば、建物で発生した火災が消火された後に、当該建物内の温度(又は煙濃度)が閾値を下回ると、火災が検知されなくなったと判定する。また、発信機30の判定については、例えば、建物で発生した火災が消火された後に、建物にいる人又は受信機80の管理者によって復旧ボタン31bが押圧されると、非常ボタン31aが火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたと判定する。そして、この感知器10の制御部は、火災が検知されなくなったと判定されるまで待機すると共に、この発信機30の制御部は、非常ボタン31aが火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたと判定されるまで待機し(SA3、No)、火災が検知されなくなったと判定されたり、非常ボタン31aが火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたと判定されると(SA3、Yes)、SA4に移行する。
SA4において、SA3にて火災が検知されなくなったと判定された感知器10の制御部は、火災が消火されたことを報知する火災復旧信号を通信部及び第1配線2、受信機80、及び第2配線3(又は第3配線4)を介して各表示装置60及び各音響装置70に送信する。また、SA3にて非常ボタン31aが火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたと判定された発信機30の制御部は、火災復旧信号を通信部及び第1配線2、受信機80、及び第2配線3(又は第3配線4)を介して各表示装置60及び各音響装置70に送信すると共に、確認表示灯の出力状態を、発信機30が火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に戻すために、所定時間(例えば、60min等)経過後に確認表示灯の点灯表示を停止させる。その後、この感知器10の制御部(又は、この発信機30の制御部)は、SA1に移行し、以降同様に、SA1からSA4の処理を行う。
次に、図6に示すように、SB3において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SA3にて火災が検知されなくなったと判定された感知器10(又はSA3にて非常ボタン31aが復旧されたと判定された発信機30)から送信された火災復旧信号を第1配線2、受信機80、第2配線3(又は第3配線4)、及び通信部62(又は通信部72)を介して受信したか否かを判定する。そして、各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、火災復旧信号が受信されるまで待機し(SB3、No)、火災復旧信号が受信された場合に(SB3、Yes)、SB4に移行する。
SB4において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、表示灯61(又は非常ベル71)によって、火災情報の出力を停止させる。ここで、火災情報の出力の停止については任意であるが、実施の形態1においては、表示灯61が通常時の表示(すなわち、点灯表示)を行いながら、非常ベル71が出力停止する。また、各表示装置60及び各音響装置70が、複数の感知器10や発信機30から火災信号を受信した場合において、当該複数の感知器10や発信機30の一部のみから火災復旧信号を受信した場合には、各表示装置60の表示灯61及び各音響装置70の非常ベル71による火災情報の出力を継続し、当該複数の感知器10や発信機30の全部から火災復旧信号を受信した場合には、各表示装置60の表示灯61及び各音響装置70の非常ベル71による火災情報の出力を停止する。その後、各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SB1に移行し、以降同様に、SB1からSB4の処理を行う。
(処理−使用状態報知処理)
次に、使用状態報知処理について説明する。図7は、AED40に関する使用状態報知処理のフローチャートである。図8は、表示装置60又は音響装置70に関する使用状態報知処理のフローチャートである。使用状態報知処理は、AED40の使用状態を報知する処理である。この使用状態報知処理においては、概略的には、後述する使用状態情報を表示装置60の表示灯61又は音響装置70の非常ベル71に出力させる処理が行われる。また、この使用状態報知処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1においては、AED40の一部(具体的には、無線通信部44b及び制御部48等)、中継装置50、表示装置60、音響装置70、及び受信機80に電源が投入された後に起動され、上述した火災報知処理と並行して実行されるものとして説明する。
使用状態報知処理が起動されると、図7、図8に示すように、建物にいる人のうち、AED40の使用者以外の第三者に対して、後述する使用状態情報が表示装置60の表示灯61又は音響装置70の非常ベル71によって提示することができると共に、後述する使用状態情報の誤報を防止できるように、建物に設置された各AED40(以下、「各AED40」と称する)の制御部48は、SC1からSC3を行うと共に、各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SD1及びSD2の処理を行う。
まず、図7に示すように、SC1において各AED40の判定部48aは、当該AED40が使用状態であるか否かを判定する。このAED40が使用状態であるか否かの判定については任意であるが、実施の形態1においては、AED40(特に、AED本体部41)を起動させるための起動指示が操作部42を介して受け付けられたか否かに基づいて判定する。ここで、各AED40の判定部48aは、この起動指示が受け付けられた場合に、当該AED40が使用状態であると判定し、起動指示が受け付けられていない場合に、当該AED40が使用状態でないと判定する。そして、各AED40の判定部48aは、当該AED40が使用状態でないと判定された場合(SC1、No)、当該AED40が使用状態であると判定されるまで、SC1の処理を繰り返し、当該AED40が使用状態であると判定された場合(SC1、Yes)、SC2に移行する。
SC2において、SC1にて使用状態であると判定されたAED40の制御部48は、通信停止ボタン42aを介して後述する使用状態信号の通信停止指示が受け付けられたか否かを判定する。例えば、SC1の処理を行う直前、又はSC1にてAED40が使用状態であると判定されてから所定時間内(例えば、10sec以内等)に、この通信停止ボタン42aが操作されたか否かを判定し、SC1の処理直前又は所定時間内に通信停止ボタン42aが操作された場合には、後述する使用状態信号の通信停止指示が受け付けられたと判定し、SC1の処理直前又は所定時間内に通信停止ボタン42aが操作されなかった場合には、後述する使用状態信号の通信停止指示が受け付けられなかったと判定する。そして、このAED40の制御部48は、後述する使用状態信号の通信停止指示が受け付けられなかったと判定された場合(SC2、No)、SC3に移行する。一方、後述する使用状態信号の通信停止指示が受け付けられたと判定された場合(SC2、Yes)、表示装置60の表示灯61又は音響装置70の非常ベル71による後述する使用状態情報の出力を回避するために、SC1に移行することで、表示灯61又は非常ベル71による後述する使用状態信号の通信を停止させる。このような処理により、例えば、受信機80の管理者等がAED40の点検を行う場合に、後述する使用状態情報が表示装置60の表示灯61(又は音響装置70の非常ベル71)によって出力されることを回避できるため、AED40が使用されていないにも関わらず、後述する使用状態情報が誤って出力されることを防止できる。ここで、「点検」とは、AED40の異常の有無を検査することを意味する。
SC3において、SC1にて使用状態であると判定されたAED40の制御部48は、使用状態信号を生成し、当該生成した使用状態信号を無線通信部44b、中継装置50、第1配線2、受信機80、第2配線3(又は第3配線4)を介して各表示装置60及び各音響装置70に送信する。ここで、「使用状態信号」とは、AED40が使用状態である旨を示す状態情報(以下、「使用状態情報」と称す)を含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。また、この使用状態信号の送信については、具体的には、まず、AED40の制御部48が、使用状態信号を無線通信部44bを介して中継装置50に送信する。次に、中継装置50の制御部53が、AED40から送信された使用状態信号を無線通信部52を介して受信し、当該受信した使用状態信号を通信部51及び第1配線2を介して受信機80に送信する。次いで、受信機80の制御部87が、中継装置50から送信された使用状態信号を通信部82を介して受信し、当該受信した使用状態信号を通信部82及び第2配線3(又は第3配線4)を介して各表示装置60及び各音響装置70に送信する(なお、後述するSC5の不使用状態信号の送信についても同様とする)。
なお、SC3の処理を行う直前又は直後において、SC1にて使用状態であると判定されたAED40の使用者と受信機80の管理者等との対話によって、このAED40の使用者が受信機80の管理者等からAED40の使用についてのアドバイス等を受けることができるように、以下に示す処理が行われてもよい。例えば、このAED40の操作部42を介して所定操作が受け付けられた場合に、このAED40の通話処理部48cは、このAED40の使用者と受信機80の管理者等との間で、音声によって行われる通話に関する処理を行う。具体的には、このAED40の通話処理部48cは、音声入力部46bを介して入力された音声を含む音声信号や撮像部47にて撮像された画像を含む画像信号を無線通信部44b、中継装置50、及び第1配線2を介して受信機80に送信する。この場合において、受信機80の通話処理部87aは、AED40から中継装置50、第1配線2、及び通信部82を介して受信した音声信号に含まれる音声を音声出力部46cにより音声出力させたり、AED40から中継装置50、第1配線2、及び通信部82を介して受信した画像信号に含まれる画像を表示部83により表示させる。また、このAED40の通話処理部48cは、受信機80から送信された音声信号であって、受信機80の音声入力部84を介して入力された音声を含む音声信号やAED40の使用方法、救命方法等に関する画像を含む画像信号を第1配線2、中継装置50、及び無線通信部44bを介して受信した場合に、当該受信した音声信号に含まれる音声を音声出力部46cにより音声出力させたり、当該受信した画像信号に含まれる画像を表示部46aにより表示させる。このような処理により、AED40の使用者と受信機80の管理者等との対話を通じて、AED40の使用者が受信機80の管理者等からAED40の使用についてのアドバイス等を受けることができる。また、AED40の使用者と受信機80の管理者等との相互間で画像のやりとりを行うことができる。よって、例えば、受信機80の管理者等が、AED40から受信した画像に基づいて、AED40の周囲の状況等を正確に把握することが可能となる。また、AED40の使用者が、受信機80から受信した画像に基づいて、AED40の使用についてのアドバイス等を正確に把握することが可能となる。
次に、図8に示すように、SD1において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SC1にて使用状態であると判定されたAED40から送信された使用状態信号を中継装置50、第1配線2、受信機80、第2配線3(又は第3配線4)、及び通信部62(又は通信部72)を介して受信したか否かを判定する。そして、各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、使用状態信号が受信されるまで待機し(SD1、No)、使用状態信号が受信された場合に(SD1、Yes)、SD2に移行する。
SD2において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、表示灯61(又は非常ベル71)によって、SD1にて受信された使用状態信号に含まれる使用状態情報を出力させる。この使用状態情報の出力については任意であるが、例えば、使用状態情報を火災情報と識別可能に出力できるように、表示灯61が火災情報の表示とは異なる時間間隔又は表示色等で表示したり、非常ベル71が火災情報の出力とは異なる時間間隔又は音色等で出力することで、使用状態情報を火災情報とは異なる態様で出力する。この実施の形態1においては、表示灯61による火災情報の表示が点灯表示である場合に、表示灯61による使用状態情報の表示として、所定の時間間隔(例えば、3sec間隔等)で点滅表示する。また、非常ベル71による火災情報の出力が「ジリジリ」というベル音を連続的に出力する場合に、非常ベル71による使用状態情報の出力として、「ジリジリ」というベル音を所定の時間間隔(例えば、3sec間隔等)で断続的に出力する。
以上のような処理により、AED40が無線通信部52から離れた場所で使用された場合でも、当該AED40から送信された状態情報を含む信号を無線通信部52を介して表示装置60又は音響装置70が受信でき、建物にいる人に対して状態情報を提示することが可能となる。これにより、建物にいる人が、AED40の状態を把握でき、従来技術に比べてAED40の状態に応じた必要な措置を迅速に取ることが可能となる。特に、使用状態報知処理においては、建物にいる人に対して使用状態情報を提示することができる。これにより、建物にいる人が、AED40が使用状態であることを把握できることから、心臓が正常に拍動できなくなった状態となった人に対して救命活動を行うために、AED40が使用されている場合に、このAED40の使用者が、当該使用者以外の第三者からの救命活動のサポートを迅速に受けやすくなる。また、表示装置60の表示灯61又は音響装置70の非常ベル71によって、火災情報及び状態情報を出力させるので、例えば、火災情報のみを出力する出力手段と、状態情報のみを出力する出力手段とをそれぞれに設けた場合に比べて、設置スペースを小さくすることができ、設置スペースのコンパクト化を図ることが可能となる。また、建物にいる人に対して状態情報を表示装置60の表示灯61に表示して提示でき、建物にいる人に対して使用状態情報を容易且つ確実に伝えることが可能となる。また、建物にいる人に対して状態情報を音響装置70の非常ベル71に出力して聴覚を通じて提示できる。よって、建物にいる人が、表示装置60の表示灯61を視認することができない位置にいる場合、又は、表示装置60の表示灯61を視認することができるものの、表示灯61に表示される情報を視認することが難しい場合であっても、状態情報を迅速に伝えることが可能となる。
なお、上述したように、この使用状態報知処理は、火災報知処理と並行して実行されることから、例えば、火災報知処理のSB2が実行されている場合において、SD1にて使用状態信号が受信された場合に、SD2が実行される。すなわち、火災情報の出力と使用状態情報の出力とが重複することが想定される。このような場合には、例えば、建物にいる人に対して火災情報及び使用状態情報の両方を提示できるように、各表示装置60の制御部63が、表示灯61によって、火災情報と使用状態情報とを所定時間毎(例えば、20sec毎等)に交互に表示させると共に、各音響装置70の制御部73が、非常ベル71によって、火災情報と使用状態情報とを所定時間毎に交互に出力させてもよい(なお、後述する故障状態報知処理の故障状態情報の出力、及び後述する使用必要状態報知処理の使用状態情報の出力についても同様とする)。あるいは、火災報知の確実性や信頼性の観点から、火災情報の出力を優先させるために、火災報知処理のSB3にて火災復旧信号が受信されるまで、各表示装置60の制御部63が、表示灯61によって、火災情報のみを表示させると共に、各音響装置70の制御部73が、非常ベル71によって、火災情報のみを出力させてもよい(なお、後述する故障状態報知処理の故障状態情報の出力、及び後述する使用必要状態報知処理の使用状態情報の出力についても同様とする)。
次に、図7、図8に示すように、各表示装置60又は各音響装置70の出力状態を、AED40が使用される前の状態に戻すために、SC3にて使用状態信号が送信されたAED40の制御部48は、SC4及びSC5の処理を行うと共に、各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SD3及びSD4の処理を行う。
まず、図7に示すように、SC4において、SC3にて使用状態信号が送信されたAED40の判定部48aは、このAED40が不使用状態であるか否かを判定する。ここで、このAED40が不使用状態であるか否かの判定については任意であるが、実施の形態1においては、SC1にてこのAED40が使用状態であると判定されてから所定時間(例えば、60min等)を超えたか否か、及び、SC1にてこのAED40が使用状態であると判定されてから、このAED40(特に、AED本体部41)の駆動を停止させるための停止指示が操作部42を介して受け付けられたか否かに基づいて判定する。このように所定時間の経過を考慮した判定を行う理由としては、単に停止指示が受け付けられたか否かのみに基づいて、このAED40が不使用状態であるか否かが判定されると、このAED40の駆動を一旦停止した後にこのAED40を再び駆動させた場合でも、このAED40が不使用状態であると判定されるので、このような事態を回避するためである。具体的には、このAED40の判定部48aは、SC1にてこのAED40が使用状態であると判定されてから所定時間を超え、且つ、SC1にてこのAED40が使用状態であると判定されてから、停止指示が受け付けられた場合に、このAED40が不使用状態であると判定する。一方、SC1にてこのAED40が使用状態であると判定されてから所定時間を超えておらず、又は、SC1にてこのAED40が使用状態であると判定されてから、停止指示が受け付けられていない場合に、このAED40が不使用状態でないと判定する。そして、このAED40の判定部48aは、このAED40が不使用状態でないと判定された場合(SC4、No)、このAED40が不使用状態であると判定されるまでSC4の処理を繰り返し、このAED40が不使用状態であると判定された場合(SC4、Yes)、SC5に移行する。
SC5において、SC4にて不使用状態であると判定されたAED40の制御部48は、不使用状態信号を生成し、当該生成した不使用状態信号を無線通信部44b、中継装置50、第1配線2、受信機80、第2配線3(又は第3配線4)を介して各表示装置60及び各音響装置70に送信する。ここで、「不使用状態信号」とは、AED40が不使用状態である旨を示す不使用状態情報を含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。その後、このAED40の制御部48は、SC1に移行し、以降同様に、SC1からSC5の処理を行う。
次に、図8に示すように、SD3において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SC4にて不使用状態であると判定されたAED40から送信された不使用状態信号を中継装置50、第1配線2、受信機80、第2配線3(又は第3配線4)、及び通信部62(又は通信部72)を介して受信したか否かを判定する。そして、各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、不使用状態信号が受信されるまで待機し(SD3、No)、不使用状態信号が受信された場合に(SD3、Yes)、SD4に移行する。
SD4において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、表示灯61(又は非常ベル71)によって、使用状態情報の出力を停止させる。ここで、使用状態情報の出力の停止については任意であるが、実施の形態1においては、表示灯61が通常時の表示(すなわち、点灯表示)を行いながら、非常ベル71が出力停止する(なお、後述する故障状態報知処理における故障状態情報の出力の停止、後述する使用必要状態報知処理における使用必要状態情報の出力の停止についても同様とする)。また、各表示装置60及び各音響装置70が、複数のAED40から使用状態信号を受信した場合において、当該複数のAED40の一部のみから不使用状態信号を受信した場合には、各表示装置60の表示灯61及び各音響装置70の非常ベル71による使用状態情報の出力を継続し、当該複数のAED40の全部から不使用状態信号を受信した場合には、各表示装置60の表示灯61及び各音響装置70の非常ベル71による使用状態情報の出力を停止する。その後、各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SD1に移行し、以降同様に、SD1からSD4の処理を行う。
(処理−故障状態報知処理)
次に、故障状態報知処理について説明する。図9は、AED40に関する故障状態報知処理のフローチャートである。図10は、表示装置60又は音響装置70に関する故障状態報知処理のフローチャートである。故障状態報知処理は、AED40が故障状態であることを報知する処理である。また、この故障状態報知処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1では、AED40の一部(具体的には、検知部43、無線通信部44b、及び制御部48)、中継装置50、表示装置60、及び音響装置70に電源が投入された後に起動され、上述した火災報知処理、及び使用状態報知処理と並行して実行されるものとして説明する。
故障状態報知処理が起動されると、図9、図10に示すように、建物にいる人に対して、後述する故障状態情報が表示装置60の表示灯61又は音響装置70の非常ベル71によって提示することができるように、各AED40の制御部48は、SE1及びSE2を行うと共に、各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SF1及びSF2の処理を行う。
まず、図9に示すように、SE1において各AED40の判定部48aは、当該AED40が故障状態であるか否かを判定する。このAED40が故障状態であるか否かの判定については任意であるが、実施の形態1においては、検知部43の検知結果(例えば、検知部43にて検知された電流値であって、AED40を構成する各構成要素の電流値等)に基づいて、AED40に異常(例えば、電源異常や機能異常等)が生じているか否かに基づいて判定する。ここで、各AED40の判定部48aは、検知部43による検知結果の一部が基準値を満たしていないことで、当該AED40に異常が生じている場合に、当該AED40が故障状態であると判定する。一方、検知部43による検知結果の全部が基準値を満たすことで、当該AED40に異常が生じていない場合に、当該AED40が故障状態でないと判定する。そして、各AED40の判定部48aは、当該AED40が故障状態でないと判定された場合(SE1、No)、当該AED40が故障状態であると判定されるまで、SE1の処理を繰り返し、当該AED40が故障状態であると判定された場合(SE1、Yes)、SE2に移行する。
SE2において、SE1にて故障状態であると判定されたAED40の制御部48は、故障状態信号を生成し、当該生成した故障状態信号を無線通信部44b、中継装置50、及び第4配線5を介して、当該AED40が収容された筐体21に収容されている表示装置60及び音響装置70に送信する。ここで、「故障状態信号」とは、AED40が故障状態である旨を示す状態情報(以下、「故障状態情報」と称す)を含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。また、この故障状態信号の送信については、具体的には、まず、このAED40の制御部48が、故障状態信号を無線通信部44bを介して中継装置50に送信する。次いで、中継装置50の制御部53が、AED40から故障状態信号を無線通信部52を介して受信し、当該受信した故障状態信号を通信部51及び第4配線5を介して当該AED40が収容された筐体21に収容されている表示装置60及び音響装置70に送信する(なお、後述する故障状態復旧信号の送信、後述する使用必要状態信号の送信、及び後述する使用不要状態信号の送信についても同様とする)。
次に、図10に示すように、SF1において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SE1にて故障状態であると判定されたAED40から送信された故障状態信号を中継装置50、第4配線5、及び通信部62(又は通信部72)を介して受信したか否かを判定する。そして、各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、上記故障状態信号が受信されるまで待機し(SF1、No)、上記故障状態信号が受信された場合に(SF1、Yes)、SF2に移行する。
SF2において、SF1にて故障状態信号が受信された表示装置60の制御部63(又は音響装置70の制御部73)は、表示灯61(又は非常ベル71)によって、上記故障状態信号に含まれる故障状態情報を出力させる。この故障状態情報の出力については任意であるが、実施の形態1においては、表示灯61による火災情報の表示が点灯表示であり、表示灯61による使用状態情報の表示が3sec間隔で点滅表示である場合に、表示灯61による故障状態情報の表示として、10sec間隔で点滅表示する。また、非常ベル71による火災情報の出力が「ジリジリ」というベル音を連続的に出力し、非常ベル71による使用状態情報の出力が「ジリジリ」というベル音を3sec間隔で断続的に出力する場合に、非常ベル71による故障状態情報の出力として、「ジリジリ」というベル音を10sec間隔で断続的に出力する。
以上のような処理により、建物にいる人に対して、故障状態情報を提示することができる。これにより、建物にいる人が、AED40が故障状態であることを把握でき、AED40の点検や修理等を迅速に行うことが可能となる。
次に、図9、図10に示すように、SF2において故障状態情報が出力された表示装置60又は音響装置70の出力状態を、AED40に異常が生じる前の状態に戻すために、SE2にて故障状態信号が送信されたAED40の制御部48は、SE3及びSE4の処理を行うと共に、SF2において故障状態情報が出力された表示装置60又は音響装置70は、SF3及びSF4の処理を行う。
まず、図9に示すように、SE3において、SE2にて故障状態信号が送信されたAED40の判定部48aは、当該AED40が故障状態から正常状態に復旧したか否かに基づいて判定する。このAED40が復旧したか否かの判定については任意であるが、実施の形態1においては、検知部43の検知結果に基づいて、AED40に異常が生じているか否かに基づいて判定する。ここで、このAED40の判定部48aは、検知部43による検知結果の一部が基準値を満たしていないことで、当該AED40に異常が生じている場合に、当該AED40が復旧していないと判定する。一方、検知部43による検知結果の全部が基準値を満たすことで、当該AED40に異常が生じていない場合に、当該AED40が復旧したと判定する。そして、このAED40の判定部48aは、当該AED40が復旧していないと判定された場合(SE3、No)、当該AED40が復旧したと判定されるまで、SE3の処理を繰り返し、当該AED40が復旧したと判定された場合(SE3、Yes)、SE4に移行する。
SE4において、SE3にてAED40が復旧したと判定されたAED40の制御部48は、故障復旧信号を生成し、当該生成した故障復旧信号を無線通信部44b、中継装置50、及び第4配線5を介して、当該AED40が収容された筐体21に収容されている表示装置60及び音響装置70に送信する。ここで、「故障状態復旧信号」とは、AED40が故障状態から正常状態に復旧した旨を示す故障状態復旧情報を含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。その後、このAED40の制御部48は、SE1に移行し、以降同様に、SE1からSE4の処理を行う。
次に、図10に示すように、SF1において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SE3にてAED40が復旧したと判定されたAED40から送信された故障状態復旧信号を中継装置50、第4配線5、及び通信部62(又は通信部72)を介して受信したか否かを判定する。そして、この表示装置60の制御部63(又はこの音響装置70の制御部73)は、上記故障状態復旧信号が受信されるまで待機し(SF3、No)、上記故障状態復旧信号が受信された場合に(SF3、Yes)、SF4に移行する。
SF4において、SF3にて故障状態復旧信号が受信された表示装置60の制御部63(又は音響装置70の制御部73)は、表示灯61(又は非常ベル71)によって、故障状態情報の出力を停止させる。その後、この表示装置60の制御部63(又はこの音響装置70の制御部73)は、SF1に移行し、以降同様に、SF1からSF4の処理を行う。
(処理−使用必要状態報知処理)
次に、使用必要状態報知処理について説明する。図11は、AED40に関する使用必要状態報知処理のフローチャートである。図12は、表示装置60又は音響装置70に関する使用必要状態報知処理のフローチャートである。使用必要状態報知処理は、AED40が使用必要状態であることを報知する処理である。また、この使用必要状態報知処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1では、AED40の一部(具体的には、無線通信部44b、撮像部47、及び制御部48)、中継装置50、表示装置60、及び音響装置70に電源が投入された後に起動され、上述した火災報知処理、使用状態報知処理、及び故障状態報知処理と並行して実行されるものとして説明する。
使用必要状態報知処理が起動されると、図11、図12に示すように、建物にいる人に対して、後述する使用必要状態情報が表示装置60の表示灯61又は音響装置70の非常ベル71によって提示することができるように、各AED40の制御部48は、SG1からSG4を行うと共に、各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SH1及びSH2の処理を行う。
まず、図11に示すように、SG1において各AED40の制御部48は、所定のタイミング(例えば、30min毎等)で撮像部47にて撮像された画像を当該撮像部47から取得した否かを判定する。そして、各AED40の制御部48は、上記画像が取得されるまで待機し(SG1、No)、上記画像が取得された場合に(SG1、Yes)、SG2に移行する。
SG2において、SG1にて画像が取得されたAED40の画像処理部48bは、公知の画像処理手法を用いて、当該画像を処理する。この画像の画像処理については任意であるが、例えば、この画像から所定の輪郭を有する形状を抽出し、当該抽出した形状と、記憶部49にあらかじめ記憶された人の姿勢を特定するデータとのマッチングを行うことにより、この画像に含まれる人の姿勢を特定する(なお、後述するSG6における画像の画像処理についても同様とする)。
SG3において、SG1にて画像が取得されたAED40の判定部48aは、当該AED40が使用必要状態であるか否かを判定する。このAED40が使用必要状態であるか否かの判定については任意であるが、実施の形態1においては、SG2にて処理された画像に、地面に倒れている人の輪郭を有する形状が存在する否かに基づいて判定する。ここで、このAED40の判定部48aは、SG2にて処理された画像に、地面に倒れている人の輪郭を有する形状が存在する場合に、当該AED40が使用必要状態であると判定する。一方、SG2にて処理された画像に、地面に倒れている人の輪郭を有する形状が存在しない場合に、当該AED40が使用必要状態でないと判定する。そして、このAED40の判定部48aは、このAED40が使用必要状態でないと判定された場合(SG3、No)、SG1に移行し、SG3にてこのAED40が使用必要状態であると判定されるまで、SG1からSG3の処理を繰り返す。一方、このAED40が使用必要状態であると判定された場合(SG3、Yes)、SG4に移行する。
SG4において、SG3にて使用必要状態であると判定されたAED40の制御部48は、使用必要状態信号を生成し、当該生成した使用必要状態信号を無線通信部44b、中継装置50、及び第4配線5を介して、当該AED40が収容された筐体21に収容されている表示装置60及び音響装置70に送信する。ここで、「使用必要状態信号」とは、AED40が使用必要状態である旨を示す状態情報(以下、「使用必要状態情報」と称す)を含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。
次に、図12に示すように、SH1において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SG3にて使用必要状態であると判定されたAED40から送信された使用必要状態信号を中継装置50、第4配線5、及び通信部62(又は通信部72)を介して受信したか否かを判定する。そして、各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、上記使用必要状態信号が受信されるまで待機し(SH1、No)、上記使用必要状態信号が受信された場合に(SH1、Yes)、SH2に移行する。
SH2において、SH1にて使用必要状態信号が受信された表示装置60の制御部63(又は音響装置70の制御部73)は、表示灯61(又は非常ベル71)によって、上記使用必要状態信号に含まれる使用必要状態情報を出力させる。また、この故障状態情報の出力については任意であるが、実施の形態1においては、表示灯61による火災情報の表示が点灯表示であり、表示灯61による使用状態情報の表示が3sec間隔で点滅表示であり、表示灯61による故障状態情報の表示が10sec間隔で点滅表示である場合に、表示灯61による使用必要状態情報の表示として、6sec間隔で点滅表示する。また、非常ベル71による火災情報の出力が「ジリジリ」というベル音を連続的に出力し、非常ベル71による使用状態情報の出力が「ジリジリ」というベル音を3sec間隔で断続的に出力し、非常ベル71による故障状態情報の出力が「ジリジリ」というベル音を10sec間隔で断続的に出力する場合に、非常ベル71による使用必要状態情報の出力として、「ジリジリ」というベル音を6sec間隔で断続的に出力する。
以上のような処理により、建物にいる人に対して、使用必要状態情報を提示することができる。これにより、建物にいる人が、AED40が使用必要状態であることを把握でき、AED40の使用を迅速に開始することが可能となる。
次に、図11、図12に示すように、SH2において使用必要状態情報が出力された表示装置60又は音響装置70の出力状態を、SG2にて処理された画像に、地面に倒れている人の輪郭を有する形状が存在する前の状態に戻すために、SG4にて使用必要状態信号が送信されたAED40の制御部48は、SG5からSG8の処理を行うと共に、SH2において使用必要状態情報が出力された表示装置60又は音響装置70は、SH3及びSH4の処理を行う。
まず、図11に示すように、SG5において、SG4にて使用必要状態信号が送信されたAED40の制御部48は、所定のタイミングで撮像部47にて撮像された画像を当該撮像部47から取得した否かを判定する。そして、このAED40の制御部48は、上記画像が取得されるまで待機し(SG5、No)、上記画像が取得された場合に(SG5、Yes)、SG6に移行する。
SG6において、SG5にて画像が取得されたAED40の画像処理部48bは、公知の画像処理手法を用いて、当該画像を処理する。
SG7において、SG5にて画像が取得されたAED40の判定部48aは、当該AED40が使用不要状態であるか否かを判定する。このAED40が使用不要状態であるか否かの判定については任意であるが、実施の形態1においては、SG6にて処理された画像に、地面に倒れている人の輪郭を有する形状が存在する否かに基づいて判定する。ここで、このAED40の判定部48aは、SG6にて処理された画像に、地面に倒れている人の輪郭を有する形状が存在する場合に、当該AED40が使用不要状態でないと判定する。一方、SG6にて処理された画像に、地面に倒れている人の輪郭を有する形状が存在しない場合に、当該AED40が使用不要状態であると判定する。そして、このAED40の判定部48aは、このAED40が使用不要状態でないと判定された場合(SG7、No)、SG5に移行し、SG7にてこのAED40が使用不要状態であると判定されるまで、SG5からSG7の処理を繰り返す。一方、このAED40が使用不要状態であると判定された場合(SG7、Yes)、SG8に移行する。
SG8において、SG7にて使用不要状態であると判定されたAED40の制御部48は、使用不要状態信号を生成し、当該生成した使用不要状態信号を無線通信部44b、中継装置50、及び第4配線5を介して、当該AED40が収容された筐体21に収容されている表示装置60及び音響装置70に送信する。ここで、「使用不要状態信号」とは、AED40が使用不要状態である旨を示す使用不要状態情報を含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。その後、このAED40の制御部48は、SG1に移行し、以降同様に、SG1からSG8の処理を行う。
次に、図12に示すように、SH3において、SH2にて使用必要状態情報が出力された表示装置60の制御部63(又は音響装置70の制御部73)は、SG7にて使用不要状態であると判定されたAED40から送信された使用不要状態信号を中継装置50、第4配線5、及び通信部62(又は通信部72)を介して受信したか否かを判定する。そして、この表示装置60の制御部63(又はこの音響装置70の制御部73)は、上記使用不要状態信号が受信されるまで待機し(SH3、No)、上記使用不要状態信号が受信された場合に(SH3、Yes)、SH4に移行する。
SH4において、SH1にて使用必要状態信号が受信された表示装置60の制御部63(又は音響装置70の制御部73)は、表示灯61(又は非常ベル71)によって、使用必要状態情報の出力を停止させる。その後、この表示装置60の制御部63(又はこの音響装置70の制御部73)は、SH1に移行し、以降同様に、SH1からSH4の処理を行う。
(効果)
このように実施の形態1によれば、AED40が、判定部48a等の判定結果に基づいて、当該AED40の状態を示す状態情報を含む信号を無線通信部52に無線にて通信する無線通信部44bを備え、表示装置60又は音響装置70が、無線通信部44bから送信された状態情報を含む信号が無線通信部52を介して受信された場合に、当該状態情報を表示灯61又は非常ベル71に出力させるので、AED40が無線通信部52から離れた場所で使用された場合でも、当該AED40から送信された状態情報を含む信号を無線通信部52を介して表示装置60又は音響装置70が受信でき、建物にいる人に対して状態情報を提示することが可能となる。これにより、建物にいる人が、AED40の状態を把握でき、従来技術に比べてAED40の状態に応じた必要な措置を迅速に取ることが可能となる。また、表示装置60の表示灯61又は音響装置70の非常ベル71によって、火災情報及び状態情報を出力させるので、例えば、火災情報のみを出力する出力手段と、状態情報のみを出力する出力手段とをそれぞれに設けた場合に比べて、設置スペースを小さくすることができ、設置スペースのコンパクト化を図ることが可能となる。
また、無線通信部44bが、判定部48aによってAED40が使用状態であると判定された場合に、当該AED40が使用状態信号を無線通信部52に無線にて通信するので、建物にいる人に対して使用状態情報を提示することができる。これにより、建物にいる人が、AED40が使用状態であることを把握できることから、心臓が正常に拍動できなくなった状態となった人に対して救命活動を行うために、AED40が使用されている場合に、このAED40の使用者が、当該使用者以外の第三者からの救命活動のサポートを迅速に受けやすくなる。
また、無線通信部44bが、検知部43及び判定部48aによってAED40が故障状態であると判定された場合に、故障状態信号を無線通信部52に無線にて通信するので、建物にいる人に対してAED40が故障状態情報を提示することができる。これにより、建物にいる人が、AED40が故障状態であることを把握でき、AED40の点検や修理等を迅速に行うことが可能となる。
また、無線通信部44bが、判定部48a及び画像処理部48bによってAED40が使用必要状態であると判定された場合に、使用必要状態信号を無線通信部52に無線にて通信するので、建物にいる人に対してAED40が使用必要状態情報を提示することができる。これにより、建物にいる人が、AED40が使用必要状態であることを把握でき、AED40の使用を迅速に開始することが可能となる。
また、表示装置60が、無線通信部44bから送信された状態情報を含む信号が無線通信部52を介して受信された場合に、当該状態情報を表示灯61に表示させるので、建物にいる人に対して状態情報を表示灯61に表示して提示でき、建物にいる人に対して状態情報を容易且つ確実に伝えることが可能となる。
また、音響装置70が、無線通信部44bから送信された状態情報を含む信号が無線通信部52を介して受信された場合に、当該状態情報を非常ベル71に出力させるので、建物にいる人に対して聴覚を通じて状態情報を提示できる。よって、建物にいる人が、表示装置60の表示灯61を視認することができない位置にいる場合、又は、表示装置60の表示灯61を視認することができるものの、表示灯61に表示される情報を視認することが難しい場合であっても、状態情報を迅速に伝えることが可能となる。
また、無線通信部44bが、通信停止ボタン42aを介して状態情報を含む信号の通信停止の指示が受け付けられた場合に、当該状態情報を含む信号の通信を停止するので、火災報知システム1の管理者等がAED40の点検を行う場合に、状態情報が表示装置60の表示灯61(又は音響装置70の非常ベル71)によって出力されることを回避できるため、AED40が使用されていないにも関わらず、状態情報が誤って出力されることを防止できる。
また、AED40が、音声を入力する音声入力部46bと、音声を出力する音声出力部46cと、当該AED40の使用者と受信機80の管理者等との間で、音声によって行われる通話に関する処理を行う通話処理部48cと、を備えているので、AED40の使用者と受信機80の管理者等との対話を通じて、AED40の使用者が受信機80の管理者等からAED40の使用についてのアドバイス等を受けることができる。
また、AED40の通話処理部48cは、撮像部47にて撮像された画像を含む信号を無線通信部44bを介して受信機80に通信し、受信機80から送信された画像を含む信号が無線通信部44bを介して受信された場合に、当該画像を表示部46aに表示させるので、AED40の使用者と受信機80の管理者等との相互間で画像のやりとりを行うことができる。よって、例えば、受信機80の管理者等が、AED40から受信した画像に基づいて、AED40の周囲の状況等を正確に把握することが可能となる。また、AED40の使用者が、受信機80から受信した画像に基づいて、AED40の使用についてのアドバイス等を正確に把握することが可能となる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る火災報知システムについて説明する。この実施の形態2は、火災報知システムの制御方式をP型方式とした形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
最初に、実施の形態2に係る火災報知システムの構成を説明する。図13は、実施の形態2に係る火災報知システムの構成を示す概略図である。図14は、複合報知装置の電気的構成を示したブロック図である。図13、図14に示すように、火災報知システム101は、感知器10と、複合報知装置20と、受信機80と、通報装置90とを備えて構成されている。
また、これら装置の接続形態については、以下に示す通りに設定されている。具体的には、受信機80と感知器10、発信機30、及びAED40の各々との相互間の接続については、火災信号等を共通の信号として通信する方式(いわゆるP型方式)が採用されているので、建物の各階毎に設置された少なくとも1つ以上の感知器10、発信機30、及びAED40が第1配線2を介して受信機80と接続されている。ここで、第1配線2の構成については、具体的には、3本の信号線を含んで構成されており、より具体的には、第1配線2はL線(図示省略)、C線(図示省略)、A線(図示省略)を含んで構成されている。なお、第1配線2におけるL線とC線との間、及びA線とC線との間には、受信機80から所定の電圧が印加されている。また、これらL線及びC線の終端、及びA線及びC線の終端の各々には、図示しない終端器(例えば抵抗器)が接続されている。そして、受信機80は、電気的にこれら終端器の接続の有無を判断することで(例えば、L線から終端器を介してC線に流れる電流が所定範囲にあるか否かを判断することで)、L線及びC線(又はA線及びC線)が断線(又は短絡)しているか否かを判定する。
また、感知器10及び発信機30以外の装置と受信機80との相互間の接続については、表示装置60が、第2配線3を介して受信機80と接続されていると共に、音響装置70が、第3配線4を介して受信機80と接続されている。また、中継装置50が、第5配線6を介して受信機80と接続されていると共に、通報装置90が、第6配線7を介して受信機80と接続されている。
(構成−複合報知装置)
次に、複合報知装置20の構成について説明する。図14に示すように、複合報知装置20は、筐体21の内部において、発信機30と、AED40と、中継装置50と、表示装置60と、音響装置70とを一体に収容して構成されている。
(構成−複合報知装置−中継装置)
中継装置50は、通信部51、無線通信部52、及び制御部53を備えて構成されている。このうち、通信部51は、受信機80との間で第5配線6を介して通信を行うものである。
(構成−受信機)
次に、受信機80の構成について説明する。図15は、受信機80の電気的構成を示したブロック図である。図15に示すように、受信機80は、操作部81、通信部82、表示部83、音声入力部84、音声出力部85、電力供給部86、制御部87、及び記憶部88を備えて構成されている。このうち、通信部82は、L−C入力部82aと、A−C入力部82bとを備えて構成されている。ここで、L−C入力部82aは、第1配線2のL線及びC線を介して、感知器10又は発信機30から送信された信号を受信機80に入力するL−C入力手段である。A−C入力部82bは、第1配線2のA線及びC線を介して、発信機30から送信された信号を受信機80に入力するA−C入力手段である。
(処理)
次に、このように構成された火災報知システム101によって実行される火災報知処理、使用状態報知処理、故障状態報知処理、及び使用必要状態報知処理について説明する。なお、故障状態報知処理及び使用必要状態報知処理については、上述した実施の形態1に係る故障状態報知処理及び使用必要状態報知処理と同様であるので、その処理の説明を省略する。
(処理−火災報知処理)
まず、火災報知処理について説明する。図16は、感知器10又は発信機30に関する火災報知処理のフローチャートである。図17は、表示装置60又は音響装置70に関する火災報知処理のフローチャートである。実施の形態2に係る火災報知処理については、図16のSA2、SA4、図17のSB1、SB3の処理の内容を除いて、図5、図6に示す実施の形態1に係る火災報知処理の各処理と同様であるので、その説明を省略する。
図16に示すように、SA1の処理後、SA2において、SA1にて火災が検知されたと判定された感知器10の制御部は、火災信号を通信部及び第1配線2、受信機80、及び第2配線3(又は第3配線4)を介して各表示装置60及び各音響装置70に送信する。また、SA1にて非常ボタン31aを介して火災信号の送信指示が受け付けられたと判定された発信機30の制御部は、火災信号を通信部及び第1配線2、受信機80、及び第2配線3(又は第3配線4)を介して各表示装置60及び各音響装置70に送信すると共に、確認表示灯を点灯表示させる。
ここで、感知器10における火災信号の送信については任意であるが、具体的には、まず、感知器10の制御部が、火災信号を通信部及び第1配線2を介して受信機80に送信し、具体的には、通常時において、第1配線2のA線、L線、及びC線が断線している場合に、これらL線及びC線のみを導通するように接続することにより、火災信号を送信する。次に、受信機80の制御部87が、感知器10から送信された火災信号を第1配線2及びL−C入力部82aを介して受信し、当該受信した火災信号を通信部82、第2配線3(又は第3配線4)を介して各表示装置60及び各音響装置70に送信する。
また、発信機30における火災信号の送信及び確認表示灯の表示については任意であるが、具体的には、発信機30の制御部が、火災信号を通信部及び第1配線2を介して受信機80に送信し、より具体的には、通常時において、第1配線2のA線、L線、及びC線が断線している場合に、これらL線、及びC線を導通するように接続することにより、火災信号を送信する。また、このA線を導通するように接続することにより、確認表示灯を点灯表示させる。次に、受信機80の制御部87が、発信機30から送信された火災信号を第1配線2、L−C入力部82a及びA−C入力部82bを介して受信し、当該受信した火災信号を通信部82、第2配線3(又は第3配線4)を介して各表示装置60及び各音響装置70に送信する。
なお、上述したSA2における第1配線2のA線、L線、及びC線の接続状態については、SA2にて火災信号が送信された感知器10(又は発信機30)の制御部がSA4に移行するまで継続される(すなわち、SA4に移行するまで火災信号は継続して送信される)。
次に、図17に示すように、SB1において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SA1にて火災が検知されたと判定された感知器10(又は、SA1にて非常ボタン31aを介して火災信号の送信指示が受け付けられたと判定された発信機30)から送信された火災信号を第1配線2、受信機80、第2配線3(又は第3配線4)、及び通信部62(又は通信部72)を介して受信したか否かを判定する。
図16に戻り、SA3の処理後、SA4において、SA3にて火災が検知されなくなったと判定された感知器10の制御部(又は、SA3にて非常ボタン31aが火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたと判定された発信機30の制御部)は、SA2の感知器10(又は発信機30)の火災信号の送信を行っている状態から当該火災信号の送信を行う前の状態に復旧させる、すなわち、通信部による火災信号の送信を停止させる(なお、発信機30の場合には、確認表示灯の表示も停止させる)。ここで、感知器10における火災信号の送信停止については任意であるが、実施の形態2においては、火災信号を送信する場合において、第1配線2のL線及びC線のみが導通するように接続される場合には、通常時の接続状態となるように、これらL線及びC線を断線することにより、火災信号の送信を停止する。また、発信機30における火災信号の送信停止及び確認表示灯の表示停止については任意であるが、実施の形態2においては、火災信号を送信し、且つ確認表示灯を点灯表示する場合において、第1配線2のA線、L線、及びC線が導通するように接続される場合には、通常時の接続状態となるように、これらA線、L線、及びC線を断線することにより、火災信号の送信を停止すると共に、確認表示灯の点灯表示を停止する。
次に、図17に示すように、SB3において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SA3にて火災が検知されなくなったと判定された感知器10(又は、SA3にて非常ボタン31aが火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたと判定された発信機30)から送信されている火災信号を第1配線2、受信機80、第2配線3(又は第3配線4)、及び通信部62(又は通信部72)を介して継続して受信しているか否かを判定する。そして、各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、火災信号を継続して受信していると判定された場合(SB3、Yes)、火災信号を継続して受信していないと判定されるまでSB3の処理を繰り返し、火災信号を継続して受信していないと判定された場合(SB3、No)、SB4に移行する。
(処理−使用状態報知処理)
次に、使用状態報知処理について説明する。実施の形態2に係る使用状態報知処理については、図7のSC3及びSC5、図8のSD1及びSD3の処理の内容を除いて、実施の形態1に係る使用状態報知処理の各処理と同様であるので、フローチャートの図示及び説明を省略する。
SC2の処理後、SC3において、SC1にて使用状態であると判定されたAED40の制御部48は、使用状態信号を無線通信部44b、中継装置50、第5配線6、受信機80、第2配線3(又は第3配線4)を介して各表示装置60及び各音響装置70に送信する。なお、SC3の処理を行う直前又は直後において、このAED40の使用者と受信機80の管理者等との間で、音声によって行われる通話に関する処理が行われる場合には、AED40における受信機80との通信は、無線通信部44b、中継装置50、及び第5配線6を介して行われる。
次いで、SD1において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SC1にて使用状態であると判定されたAED40から送信された使用状態信号を中継装置50、第5配線6、受信機80、第2配線3(又は第3配線4)、及び通信部62(又は通信部72)を介して受信したか否かを判定する。
また、SC5において、SC4にて不使用状態であると判定されたAED40の制御部48は、不使用状態信号を無線通信部44b、中継装置50、第5配線6、受信機80、第2配線3(又は第3配線4)を介して各表示装置60及び各音響装置70に送信する。
次いで、SD3において各表示装置60の制御部63(又は各音響装置70の制御部73)は、SC4にて不使用状態であると判定されたAED40から送信された不使用状態信号を中継装置50、第5配線6、受信機80、第2配線3(又は第3配線4)、及び通信部62(又は通信部72)を介して受信したか否かを判定する。
(効果)
このように実施の形態2によれば、火災報知システム101の制御方式がP型方式である場合でも、AED40が、判定部48a等の判定結果に基づいて、当該AED40の状態を示す状態情報を含む信号を無線通信部52に無線にて通信する無線通信部44bを備え、表示装置60又は音響装置70が、無線通信部44bから送信された状態情報を含む信号が無線通信部52を介して受信された場合に、当該状態情報を表示灯61又は非常ベル71に出力させるので、AED40が無線通信部52から離れた場所で使用された場合でも、当該AED40から送信された状態情報を含む信号を無線通信部52を介して表示装置60又は音響装置70が受信でき、建物にいる人に対して状態情報を提示することが可能となる。これにより、建物にいる人が、AED40の状態を把握でき、従来技術に比べてAED40の状態に応じた必要な措置を迅速に取ることが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。例えば、従来のシステムよりも建物にいる人に対してAED40の状態を報知することができない場合であっても、従来のシステムと同程度に、AED40の状態を報知することが従来のシステムとは異なる本願発明のシステムによって達成できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、AED40、中継装置50、表示装置60、音響装置70、受信機80をそれぞれ複数の装置に分散して構成したり、AED40、中継装置50、表示装置60、音響装置70、受信機80の一方の機能の一部を他方に持たせたりしてもよい。また、各部を分散する場合において、これら各部の相互間の連携は、有線と無線のいずれか一方又は両方により行うことができる。
(実施の形態の相互関係について)
複数の実施の形態が記載されている場合において、これら複数の実施の形態の相互間においては、その構成や処理の一部を相互に入れ替えたり、一方の構成や処理を他方に適用したりしてもよい。
(形状、数値、構造、時系列について)
各実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(火災情報出力装置について)
上記実施の形態1、2では、火災情報出力装置は、表示装置60や音響装置70であると説明したが、これに限られず、例えば、感知器10等であってもよい。ここで、感知器10の状態情報の出力については、具体的には、感知器10が、図示しない無線アンテナを介してAED40との相互間で無線にて通信を行う無線通信部(第1無線通信手段)と、火災情報を表示する表示部(表示手段)とを備え、感知器10の制御部が、AED40から状態情報を含む状態信号をこの無線通信部を介して受信した場合に、当該状態信号に含まれる状態情報をこの表示部に表示させる。
(複合報知装置について)
上記実施の形態1、2では、複合報知装置20は、筐体21の内部において、発信機30と、AED40と、中継装置50と、表示装置60と、音響装置70とを一体に収容して構成されていると説明したが、これに限られない。例えば、これらの装置に加えて、他の機器や設備(例えば消火栓等)を一体に収容して構成されてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、複合報知装置20は、表示装置60と、音響装置70とを備えていると説明したが、これに限られず、例えば、表示装置60又は音響装置70のいずれか一方のみを備えてもよい。
(AEDについて)
上記実施の形態1、2では、AED40の使用者と受信機80の管理者等とが対話できるように、AED40が、音声入力部46b、音声出力部46c、及び通話処理部48cを備えていると説明したが、これに限られず、例えば、音声入力部46b、音声出力部46c、及び通話処理部48cを省略してもよい。
また、上記実施の形態1、2では、AED40の使用者と受信機80の管理者等とが対話できるように、AED40における受信機80との通信は、無線通信部44b、中継装置50、及び第4配線5(又は第5配線6)を介して行われると説明したが、これに限られない。例えば、AED40の使用者と、消防局に設置されているセンタ装置の管理者等とが対話できるように、AED40におけるセンタ装置との通信は、無線通信部44b、中継装置50、第4配線5(又は第5配線6)、受信機80、及び外部通信網を介して行われてもよい。
(音響装置について)
上記実施の形態1、2では、音響装置70は、非常ベル71を備えていると説明したが、これに限られない。例えば、様々な音色で火災情報又は状態情報を出力できるように、公知のブザーや公知のスピーカを備えてもよい。ここで、ブザーやスピーカによる火災情報及び状態情報の出力については任意であるが、例えば、火災情報の出力として、「火災が発生しました」等の定型メッセージを出力し、状態情報(ここでは、使用状態情報)の出力として、「AEDが使用されています」等の定型メッセージを出力してもよい。
(火災報知処理について)
上記実施の形態1、2では、SB2における火災情報の出力において、表示装置60の表示灯61によって点灯表示させると共に、音響装置70の非常ベル71によってベル音を連続的に出力させると説明したが、これに限られない。例えば、表示灯61による使用状態情報の表示とは異なる時間間隔(例えば、1sec間隔等)で、表示灯61が点滅表示すると共に、非常ベル71による火災情報の出力とは異なる時間間隔(例えば、1sec間隔等)で、非常ベル71が「ジリジリ」というベル音を断続的に出力してもよい。
(使用状態報知処理について)
上記実施の形態1では、SC3において、SC1にて使用状態であると判定されたAED40の制御部48が、使用状態信号を無線通信部44b、中継装置50、第1配線2、受信機80、第2配線3(又は第3配線4)を介して各表示装置60及び各音響装置70に送信すると説明したが、これに限られない。例えば、このAED40が収容された筐体21に収容されている表示装置60及び音響装置70のみに使用状態情報を出力させるために、AED40の制御部48が、使用状態信号を無線通信部44b、中継装置50、及び第4配線5を介して上述した表示装置60及び上記音響装置70のみに送信してもよい。この場合には、SC6において、SC5にて不使用状態であると判定されたAED40の制御部48が、不使用状態信号を無線通信部44b、中継装置50、及び第4配線5を介して上述した表示装置60及び音響装置70のみに送信する。このような処理により、SC1にて使用状態であると判定されたAED40が収容されている筐体21に収容された表示装置60の表示灯61又は音響装置70の非常ベル71のみにより使用状態情報を出力させることができるので、建物にいる人が、建物に設置された複数のAED40の中から、使用状態にあるAED40を容易且つ正確に認識することが可能となる。
また、上記実施の形態1、2では、SD2、SF2、SH2において、表示装置60の制御部63が、表示灯61によって所定の時間間隔で点滅表示させると説明したが、これに限られない。例えば、表示灯61によって、火災情報と状態情報とを異なる表示色で表示できるように、表示灯61が、赤色のLEDランプと、白色のLEDランプと、黄色のLEDランプと、緑色のLEDランプとを備える。そして、表示装置60の制御部63が、火災情報を赤色のLEDランプによって出力させ、使用状態情報を白色のLEDランプによって出力させ、故障状態情報を黄色のLEDランプによって出力させ、使用必要状態情報を緑色のLEDランプによって出力させてもよい。
(故障状態報知処理について)
上記実施の形態1では、SE2(又はSE4)において、AED40の制御部48が、故障状態信号(又は故障状態復旧信号)を無線通信部44b、中継装置50、及び第4配線5を介して、当該AED40が収容された筐体21に収容されている表示装置60及び音響装置70に送信すると説明したが、これに限られない。例えば、故障状態信号(又は故障状態復旧信号)を通信部44a、第1配線2、受信機80、及び第2配線3(又は第3配線4)を介して上述した表示装置60及び音響装置70のみに送信してもよい。具体的には、まず、AED40の制御部48が、故障状態信号(又は故障状態復旧信号)に記憶部49に格納されたAED40を一意に識別する識別情報を付加したものを通信部44a及び第1配線2を介して受信機80に送信する。次に、受信機80の制御部87が、AED40から送信された故障状態信号(又は故障状態復旧信号)を第1配線2及び通信部82を介して受信する。次いで、受信機80の制御部87が、受信した故障状態信号(又は故障状態復旧信号)に付加された識別情報に基づいて、AED40の近傍に設置されている上述した表示装置60(又は音響装置70)を特定し、故障状態信号(又は故障状態復旧信号)を通信部82及び第2配線3(又は第3配線4)を介して当該特定された表示装置60(又は音響装置70)のみに送信する(なお、実施の形態1に係る使用必要状態報知処理の使用必要状態信号(又は使用不要状態信号)の送信についても同様とする)。これにより、第4配線5を用いることなく、故障状態信号(又は故障状態復旧信号)を上述した表示装置60(又は音響装置70)のみに送信でき、上述した表示装置60(又は音響装置70)のみに、故障状態情報を出力させたり、又は故障状態情報の出力を停止させたりすることができる。なお、この場合には、第4配線5を省略することができる。
(付記)
上述した課題を解決し、目的を達成するために、付記1の火災報知システムは、監視領域における火災を検知して警報を行う火災報知システムであって、火災の報知を示す火災情報を出力手段により出力する火災情報出力装置と、除細動を行う自動体外式除細動器と、前記自動体外式除細動器との間で無線通信を行う第1無線通信手段と、を備え、前記自動体外式除細動器は、当該自動体外式除細動器の状態を判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて、当該自動体外式除細動器の状態を示す状態情報を含む信号を前記第1無線通信手段に無線にて通信する第2無線通信手段と、を備え、前記火災情報出力装置は、前記第2無線通信手段から送信された前記状態情報を含む信号が前記第1無線通信手段を介して受信された場合に、当該状態情報を前記出力手段に出力させる。
付記2の火災報知システムは、付記1に記載の火災報知システムにおいて、前記自動体外式除細動器の状態として、当該自動体外式除細動器の使用状態を含み、前記自動体外式除細動器の前記第2無線通信手段は、前記判定手段によって前記自動体外式除細動器が使用状態であると判定された場合に、当該自動体外式除細動器が使用状態である旨を示す前記状態情報を含む信号を前記第1無線通信手段に無線にて通信する。
付記3の火災報知システムは、付記1又は2に記載の火災報知システムにおいて、前記自動体外式除細動器の状態として、当該自動体外式除細動器の故障状態を含み、前記自動体外式除細動器の前記第2無線通信手段は、前記判定手段によって前記自動体外式除細動器が故障状態であると判定された場合に、当該自動体外式除細動器が故障状態である旨を示す前記状態情報を含む信号を前記第1無線通信手段に無線にて通信する。
付記4の火災報知システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の火災報知システムにおいて、前記自動体外式除細動器の状態として、当該自動体外式除細動器の使用を必要とする使用必要状態を含み、前記自動体外式除細動器の前記第2無線通信手段は、前記判定手段によって前記自動体外式除細動器が使用必要状態であると判定された場合に、当該自動体外式除細動器が使用必要状態である旨を示す前記状態情報を含む信号を前記第1無線通信手段に無線にて通信する。
付記5の火災報知システムは、付記1から4のいずれか一項に記載の火災報知システムにおいて、前記火災情報出力装置として、前記火災情報を表示手段により表示する表示装置を備え、前記表示装置は、前記第2無線通信手段から送信された前記状態情報を含む信号が前記第1無線通信手段を介して受信された場合に、当該状態情報を前記表示手段に表示させる。
付記6の火災報知システムは、付記1から5のいずれか一項に記載の火災報知システムにおいて、前記火災情報出力装置として、前記火災情報を警報音出力手段により警報音で出力する音響装置を備え、前記音響装置は、前記第2無線通信手段から送信された前記状態情報を含む信号が前記第1無線通信手段を介して受信された場合に、当該状態情報を前記警報音出力手段に出力させる。
付記7の火災報知システムは、付記1から6のいずれか一項に記載の火災報知システムにおいて、前記自動体外式除細動器は、前記状態情報を含む信号の通信停止の指示を受け付ける通信停止操作手段を備え、前記自動体外式除細動器の前記第2無線通信手段は、前記通信停止操作手段を介して前記状態情報を含む信号の通信停止の指示が受け付けられた場合に、当該状態情報を含む信号の通信を停止する。
付記8の火災報知システムは、付記1から7のいずれか一項に記載の火災報知システムにおいて、前記自動体外式除細動器は、当該自動体外式除細動器とは異なる他の装置と相互に通話可能に接続されたものであって、音声を入力する音声入力手段と、音声を出力する音声出力手段と、当該自動体外式除細動器のユーザと前記他の装置のユーザとの間で、音声によって行われる通話に関する処理を行う通話処理手段と、を備えた。
付記9の火災報知システムは、付記1から8のいずれか一項に記載の火災報知システムにおいて、前記自動体外式除細動器は、前記他の装置と相互に通信可能に接続されたものであって、当該自動体外式除細動器の周囲の画像を撮像する撮像手段、又は、画像を表示する画像表示手段を備え、前記自動体外式除細動器の前記通話処理手段は、前記撮像手段にて撮像された画像を含む信号を前記第2無線通信手段を介して前記他の装置に通信し、又は、前記他の装置から送信された画像を含む信号が前記第2無線通信手段を介して受信された場合に、当該画像を前記画像表示手段に表示させる。
付記10の自動体外式除細動器は、除細動を行う自動体外式除細動器であって、当該自動体外式除細動器の状態を判定する判定手段と、第1無線通信手段との間で無線通信を行う第2無線通信手段であり、前記判定手段の判定結果に基づいて、当該自動体外式除細動器の状態を示す状態情報を含む信号を、前記第1無線通信手段を介して火災の報知を示す火災情報を出力する火災情報出力装置に送信する第2無線通信手段と、を備えた。
(付記の効果)
付記1に記載の火災報知システムによれば、自動体外式除細動器が、判定手段の判定結果に基づいて、当該自動体外式除細動器の状態を示す状態情報を含む信号を第1無線通信手段に無線にて通信する第2無線通信手段と、を備え、火災情報出力装置が、第2無線通信手段から送信された状態情報を含む信号が第1無線通信手段を介して受信された場合に、当該状態情報を出力手段に出力させるので、自動体外式除細動器が第1無線通信手段から離れた場所で使用された場合でも、当該自動体外式除細動器から送信された状態情報を含む信号を第1無線通信手段を介して火災情報出力装置が受信でき、監視領域にいる人に対して状態情報を提示することが可能となる。これにより、監視領域にいる人が、自動体外式除細動器の状態を把握でき、従来技術に比べて自動体外式除細動器の状態に応じた必要な措置を迅速に取ることが可能となる。また、火災情報出力装置の出力手段によって、火災情報及び状態情報を出力させるので、例えば、火災情報のみを出力する出力手段と、状態情報のみを出力する出力手段とをそれぞれに設けた場合に比べて、設置スペースを小さくすることができ、設置スペースのコンパクト化を図ることが可能となる。
付記2に記載の火災報知システムによれば、第2無線通信手段が、判定手段によって自動体外式除細動器が使用状態であると判定された場合に、当該自動体外式除細動器が使用状態である旨を示す状態情報を含む信号を第1無線通信手段に無線にて通信するので、監視領域にいる人に対して自動体外式除細動器が使用状態である旨を示す状態情報を提示することができる。これにより、監視領域にいる人が、自動体外式除細動器が使用状態であることを把握できることから、心臓が正常に拍動できなくなった状態となった人に対して救命活動を行うために、自動体外式除細動器が使用されている場合に、この自動体外式除細動器の使用者が、当該使用者以外の第三者からの救命活動のサポートを迅速に受けやすくなる。
付記3に記載の火災報知システムによれば、第2無線通信手段が、判定手段によって自動体外式除細動器が故障状態であると判定された場合に、当該自動体外式除細動器が故障状態である旨を示す状態情報を含む信号を第1無線通信手段に無線にて通信するので、監視領域にいる人に対して自動体外式除細動器が故障状態である旨を示す状態情報を提示することができる。これにより、監視領域にいる人が、自動体外式除細動器が故障状態であることを把握でき、自動体外式除細動器の点検や修理等を迅速に行うことが可能となる。
付記4に記載の火災報知システムによれば、第2無線通信手段が、判定手段によって自動体外式除細動器が使用必要状態であると判定された場合に、当該自動体外式除細動器が使用必要状態である旨を示す状態情報を含む信号を第1無線通信手段に無線にて通信するので、監視領域にいる人に対して自動体外式除細動器が使用必要状態である旨を示す状態情報を提示することができる。これにより、監視領域にいる人が、自動体外式除細動器が使用必要状態であることを把握でき、自動体外式除細動器の使用を迅速に開始することが可能となる。
付記5に記載の火災報知システムによれば、表示装置が、第2無線通信手段から送信された状態情報を含む信号が第1無線通信手段を介して受信された場合に、当該状態情報を表示手段に表示させるので、監視領域にいる人に対して状態情報を表示手段に表示して提示でき、監視領域にいる人に対して状態情報を容易且つ確実に伝えることが可能となる。
付記6に記載の火災報知システムによれば、音響装置が、第2無線通信手段から送信された状態情報を含む信号が第1無線通信手段を介して受信された場合に、当該状態情報を警報音出力手段に出力させるので、監視領域にいる人に対して聴覚を通じて状態情報を提示できる。よって、監視領域にいる人が、出力手段を視認することができない位置にいる場合、又は、出力手段を視認することができるものの、出力手段に表示される情報を視認することが難しい場合であっても、状態情報を迅速に伝えることが可能となる。
付記7に記載の火災報知システムによれば、自動体外式除細動器の第2無線通信手段が、通信停止操作手段を介して状態情報を含む信号の通信停止の指示が受け付けられた場合に、当該状態情報を含む信号の通信を停止するので、火災報知システムの管理者等が自動体外式除細動器の点検を行う場合に、状態情報が火災情報出力装置の出力手段によって出力されることを回避できるため、自動体外式除細動器が使用されていないにも関わらず、状態情報が誤って出力されることを防止できる。
付記8に記載の火災報知システムによれば、自動体外式除細動器が、音声を入力する音声入力手段と、音声を出力する音声出力手段と、当該自動体外式除細動器のユーザと他の装置のユーザとの間で、音声によって行われる通話に関する処理を行う通話処理手段と、を備えているので、自動体外式除細動器のユーザと他の装置のユーザとの対話を通じて、自動体外式除細動器のユーザが他の装置のユーザから自動体外式除細動器の使用についてのアドバイス等を受けることができる。
付記9に記載の火災報知システムによれば、自動体外式除細動器の通話処理手段は、撮像手段にて撮像された画像を含む信号を第2無線通信手段を介して他の装置に通信し、又は、他の装置から送信された画像を含む信号が第2無線通信手段を介して受信された場合に、当該画像を画像表示手段に表示させるので、自動体外式除細動器のユーザと他の装置のユーザとの相互間で画像のやりとりを行うことができる。よって、例えば、他の装置のユーザが、自動体外式除細動器から受信した画像に基づいて、自動体外式除細動器の周囲の状況等を正確に把握することが可能となる。あるいは、自動体外式除細動器のユーザが、他の装置から受信した画像に基づいて、自動体外式除細動器の使用についてのアドバイス等を正確に把握することが可能となる。
付記10に記載の自動体外式除細動器によれば、第1無線通信手段との間で無線通信を行う第2無線通信手段であり、判定手段の判定結果に基づいて、当該自動体外式除細動器の状態を示す状態情報を含む信号を、第1無線通信手段を介して火災の報知を示す火災情報を出力する火災情報出力装置に送信する第2無線通信手段を備えたので、自動体外式除細動器が第1無線通信手段から離れた場所で使用された場合でも、状態情報を含む信号を第1無線通信手段を介して火災情報出力装置に送信できることから、監視領域にいる人に対して状態情報を提示することが可能となる。これにより、監視領域にいる人が、自動体外式除細動器の状態を把握でき、従来技術に比べて自動体外式除細動器の状態に応じた必要な措置を迅速に取ることが可能となる。また、火災情報出力装置の出力手段によって、火災情報及び状態情報を出力させるので、例えば、火災情報のみを出力する出力手段と、状態情報のみを出力する出力手段とをそれぞれに設けた場合に比べて、設置スペースを小さくすることができ、設置スペースのコンパクト化を図ることが可能となる。