JP2016150760A - エアゾール製品 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、特許文献1−3のようにエアゾールバルブのハウジングに小型の容器を接続することにより定量室を大きくする手段が提案されている。
特許文献2には、ハウジング内の上定量空間域の下方に環状の下定量空間域を追加した定量バルブが開示されている。しかし、この定量バルブの上定量空間域は、上定量空間域からハウジング内環状通路、ステムを介して外部に連通しているのに対し、下定量空間領域は、下定量空間領域からハウジング内環状通路、ステムを介して外部に連通しており、ハウジング内環状通路の入口で合流している。つまり、下定量空間域の内容物は、上定量空間域には供給されないように構成されている。そのため、内容物を噴射することにより、上定量空間域および下定量空間域で内容物が減少し、それぞれの空間領域で前述したハウジングを大きくする場合と同じ現象が生じ、噴射操作中の噴射状態が不安定になり、内容物の原液がそれぞれに残るおそれがある。さらに、ハウジング内環状通路の入口において、チューブを囲む環状通路を流れる上定量空間域の内容物と下定量空間域の内容物とが合流するため、合流地点において流れが乱れ、ハウジング内環状通路内での液化ガスの過剰な気化が起こるおそれもある。
特許文献3には、ハウジングの下方に環状の付加定量室が追加されており、その付加定量室が内容物のハウジング内から外部に流れる通路の上流側にある定量バルブが開示されている。しかし、特許文献3の定量バルブは、付加定量室からハウジングに至る通路がステム延長用部材を囲む狭い環状通路となっているため、流路抵抗が大きく、ハウジング内への内容物の供給よりも、ハウジング内の内容物が排出される方が大きくなり、ハウジング内において液化ガスの過剰な気化が起こるおそれがある。なお、ハウジング内の内容物の排出を絞る場合、噴射量が小さくなり、所望の効果が得られにくい。一方、環状通路を広くする場合、ハウジングとの合流地点で流れが乱れ、それが抵抗となり、やはりハウジング内において液化ガスの過剰な気化が起こるおそれがある。
このようにいずれの特許文献の定量バルブも噴射操作中の噴射状態が安定しないという問題がある。
本発明のエアゾール製品であって、前記拡張室が容器内と連通する貫通孔を有しており、前記貫通孔に容器内から拡張室内への流体の流れを阻止し、拡張室から容器内への流体の流れを許す逆止弁が設けられているものが好ましい。
また、本発明のエアゾール製品であって、前記拡張室が伸縮可能であるものが好ましい。
ける内容物の噴射状態を安定させることができる。内容物が噴射されることにより拡張室では液化ガスの気化が進行するが、気化ガスは液体の内容物が噴射された後でないと噴射されない。なお、噴射後、拡張室内に残った気化ガスは、噴射操作終了後、容器内の内容物が拡張室内に導入される際に圧縮されて拡張室の上部に貯留されるため、次回噴射する内容物への影響は小さい。また、人体に直接噴射する用途または空間に噴射する用途のエアゾール製品の場合、拡張室の容積は、用途に応じた所望の効果が得られる程度としており、定量室の容積は使いすぎとならず、安全性が確保される程度としている。そのため、使用者は用途に応じて液化ガスによる優れた効果を得ることができ、かつ、内容物を安定に噴射できて使いすぎが防止でき、安全性が高い。
本発明のエアゾール製品であって、前記拡張室が伸縮可能である場合、ハウジング内の内容物が噴射され、ハウジングに内容物が供給されるに伴い拡張室は収縮するため、液化ガスの気化が抑制され、拡張室内は液体の内容物で常時満たされ、より長く噴射状態を安定させることができる。さらに、噴射操作終了後、拡張室内に液体の内容物を多く充填することができ、噴射毎の最大噴射量(定量室内に充填できる内容物の量)が安定する。
このエアゾール製品10は、エアゾールバルブ16のステム23に取り付けた噴射孔15aが設けられた押ボタン15等を用いて内容物Cを噴霧する。
この容器11は、たとえば、アルミニウムなどの金属円盤をインパクト加工および/または絞りしごき加工により有底筒状(胴部11a)にし、内面に合成樹脂コートを設け、ついで、その胴部11aの上端にネッキング加工を施して肩部11bを形成し、肩部11bの上端にカーリング加工を施してビード11cを形成して成形される。
しかし、容器11は、合成樹脂、ガラス等の他の材料で成形されてもよい。またその容
器11の形状は、流体である内容物Cを収容できるものであれば、特に限定されるものではない。
ハウジング22内の容積としては、0.5ml以下、特に0.3ml以下とするのが好ましい。0.5mlより大きい場合、噴射時においてハウジング22内の内容物が全部外部に排出される前に液化ガスが気化しやすくなり、噴射中に噴射状態が変化するおそれがある。そして、気化ガスが原液より優先的に排出されて、液化ガスの気化が終わるまで噴射が続き、結局は原液がハウジング内に残留するおそれが大きくなる。
ハウジング22の形状として、図1では円筒状としているが、拡張ユニット18を連結しやすく連通孔22dの出口を平面とするべく、矩形筒としたり、断面が円の一部を切り欠いた筒体としてもよい。
ステムラバー24は、ステム孔23a2を塞ぐリング状の弾性体である。ステムラバー24は、ラバー保持部22bとマウンティングカップ21のハウジング保持部21aの上底との間に固定される。
バネ25は、ハウジング22の底部22aとステム23の環状段部23cとの間に保持される。
弁体26は、環状の保持部と、その保持部の内縁から斜め下向きに突出した、あるいは、下面が下向きに凸となるように湾曲した環状のシール部とからなり、シール部の中心が中心穴26aとなっている。
弁固定部材27は、ハウジング22の弁取り付け部22eに挿入される筒状の弁支持部27aと、その下端を閉じ、その中央に貫通孔27b1が形成された底部27bと、その下面から下方に延びる筒状のチューブ保持部27cとからなっている。チューブ保持部27cには、容器11内の内容物Cをハウジング22に導くディップチューブ29が設けられる。弁体26の保持部がハウジング22の底部22aの下面と弁固定部材の弁支持部27aとの間に挟まれて弁体26は固定される。
このように構成されているため、ステム23が下降すると弁棒23bが弁ユニット17の弁体26の中心穴26aを塞ぎ、エアゾールバルブ16のハウジング22内と容器11内との間の通路を遮断する。
拡張室31の容積としては、用途に応じた所望の効果が得られる程度としている。詳しくは、充填される内容物の種類によって異なるが、人体に直接噴射する用途のエアゾール製品の場合、0.3〜3ml、特に0.5〜2mlとするのが好ましい。また空間に噴射する用途のエアゾール製品の場合、0.3〜5ml、特に0.5〜3mlとするのが好ましい。そして、拡張室31はハウジングの容積に対して2倍〜20倍とするのが好ましい。このとき、安定した噴射状態を維持することができ、定量室の容積が内容物Cの使いすぎとならず、安全性が確保される程度としている。
また、定量室(ハウジング22と拡張室31)による噴射時間は、内容物の濃度や噴射する空間の容積等によっても異なるが、内容物が人体に直接噴射する用途である場合、0.5〜5秒、特に1〜3秒、また、内容物が空間に噴射する用途である場合、1〜10秒、特に、2〜5秒噴射できれば、使用者による使用しているとの満足を得られることができる。
連結部32は、ハウジング22の連通孔22dに挿入される筒状の挿入部32aを備えたものであり、ハウジング22内と拡張室31内とを連通する連結部内通路32bが形成されている。
細管33は、連結部内通路32bから拡張室31の底部31aに延びている。この実施形態では、細管33は連結部32に一体に成形されている。ハウジング22から拡張室31への通路(連結部内通路32b、細管33の通路)の断面積は、ハウジング22から外部への通路(ステム孔)の断面積より大きくするのが好ましい。詳しくは、1.5〜20倍、特に2〜15倍とするのが好ましい。これにより噴射時、拡張室31からハウジング
22内に供給される内容物中の液化ガスの気化を抑制し、安定した噴射を維持することができる。
原液としては、有効成分をエタノールなどのアルコールや灯油などの油性溶剤に配合した原液、有効成分を精製水などの水やアルコール水溶液などの水性溶剤に配合した原液等が挙げられる。
液化ガスは、原液を微細な霧にする、冷却効果を付与するなど、優れた効果が得られ、液化ガスとしては、液化石油ガス、ジメチルエーテル、ハイドロフルオロオレフィンおよびこれらの混合ガスなどが挙げられる。
前記内容物は、液化ガスを30〜95質量%と多く含有する製品、たとえば、殺虫剤、芳香剤、消臭剤、花粉除去剤などの空間用品、制汗剤、冷却剤、日焼け止め、ほてり止め、ボディスプレー、消炎鎮痛剤、水虫薬などの人体用品などに用いられる。
しかし、容器にバルブアッセンブリを固着する直前に、容器とバルブアッセンブリとの間から充填するアンダーカップ充填により液化ガスを充填してもよい。詳しくは、容器11に原液を充填し、バルブアッセンブリ12を容器11の上方に保持した状態で、容器11のビード11cと、マウンティングカップ21のカール部21bの間から液化ガスを充填する。その直後にバルブアッセンブリ12を下降させ、バルブアッセンブリ12を容器11に固定する。
ガスを含有しても、使用者にとっても安全である。
バルブアッセンブリ41は、エアゾールバルブ42と、エアゾールバルブ42のステム23を下降操作することによりエアゾールバルブ42のハウジング42a内と容器11内との間の通路を遮断する弁ユニット43と、ハウジング42aに連結される拡張ユニット44とを有する。
細管48は、上部に細管連結孔47cの環状段部47c1と係合できるようにフランジ部48aが形成されている。
しかし、容器51は、ガラス等の他の材料で成形されてもよい。またその形状は、流体である内容物Cを密閉できるものであれば、特に限定されるものではない。
拡張室56は、透光性を有する筒状の本体61と、その下端に取り付けられる逆止弁62とからなる。本体61の長さを適宜選択することにより容量(一回の噴射量)を調整することができる。
本体61には、拡張室の容量がわかるように外周に目盛が記載されている。これにより
外部より噴射量が確認できるように構成されている。また本体61は、下端が容器51の底部近辺まで延びており、後述する逆止弁62の貫通孔62cが内容物Cの液相と連通するように構成されている。ただし、気相と連通させてもよい。
逆止弁62は、本体61の下端に取り付けられる下端が閉じた筒状体62aと、その外周面に形成された環状凹部62bと、筒状体62aの内部と環状凹部62bとを連通する貫通孔62cと、環状凹部62bに装着されるリング状の弾性体62dとを備えている。このように構成されているため、逆止弁62は拡張室56から容器51への流体の流れを許し、容器51から拡張室56への流体の流れを阻止する。しかし、逆止弁の構造は、他の公知のものであってもよい。
このように拡張室71を伸縮容器とすることにより、噴射時、拡張室71から細管28を通ってハウジング22に内容物Cが供給されると、その容積分だけ拡張室71が収縮するため、拡張室71内での液化ガスの気化を抑制することができる。そして、噴射後、拡張室71内に内容物Cが充填されると共に、充填される分だけ拡張室71が拡大する。そのため、噴射後、拡張室71内に充填される内容物Cの充填量が実質的に拡張室71の満注量とすることができる。また、拡張室71内での気化を防止できるため、拡張室71の全量の内容物をハウジング22に供給した後、拡張室71からハウジング22へ気化ガスの供給を抑制することができ、噴射状態が一層安定する。さらに、プリーツ容器としているため、拡張室71は半径方向には伸縮するが、鉛直方向の長さは維持することができ、拡張室71の収縮に伴い、細管33を拡張室71の底部で塞ぐことがなく、拡張室71内の内容物を安定してハウジングに供給することができる。また、容器として図5に示す光透性の容器51を用いることにより、使用者に拡張室71の伸縮を目視で確認させることができる。
なお、拡張室として、図7のエアゾール製品80に示すような軸方向に伸縮する容器81(例えば、胴部に水平の折り目が形成されたジャバラ容器)、あるいは、全方向に伸縮する弾性容器(例えば、胴部が収縮する方向に付勢された容器(風船)、あるいは、胴部が拡張する方向に付勢された容器)を用いてもよい。その場合、細管82として、拡張室の軸方向の収縮と共に変形する柔らかいチューブ、(例えば、ポリエチレンなどの合成樹脂のチューブ)を用いることにより細管82の開口が塞がれるのを防止でき、拡張室71内の内容物Cを安定してハウジング22に供給することができる。なお、全方向に伸縮する弾性容器の場合は、下部側面に開口を有するチューブを用いてもよい。
10 エアゾール製品
11 容器
11a 胴部
11b 肩部
11c ビード
12 バルブアッセンブリ
15 押ボタン
15a 噴射孔
16 エアゾールバルブ
17 弁ユニット
18 拡張ユニット
20 シール材
21 マウンティングカップ
21a ハウジング保持部
21b カール部
21c 天板部
21d ステム挿通孔
21e 内側下端
22 ハウジング
22a 底部
22b ラバー保持部
22c 中心孔
22d 連通孔
22e 弁取り付け部
23 ステム
23a ステム本体
23a1 ステム内通路
23a2 ステム孔
23b 弁棒
23c 環状段部
24 ステムラバー
25 バネ
26 弁体
26a 中心穴
27 弁固定部材
27a 弁支持部
27b 底部
27b1 貫通孔
27c チューブ保持部
28 チューブ
29 ディップチューブ
31 拡張室
31a 底部
31b 貫通孔
31c 弾性体
32 連結部
32a 挿入部
32b 連結部内通路
33 細管
40 エアゾール製品
41 バルブアッセンブリ
42 エアゾールバルブ
42a ハウジング
42b 天板
43 弁ユニット
44 拡張ユニット
46 拡張室
46a 底部
46b 内壁
46c 外壁
46c1 環状段部
46c2 接続部
46d 貫通筒
46e 貫通孔
46f 弾性体
47 連結部
47a 凹み部
47b 外端
47c 細管連結穴
47c1 環状段部
48 細管
48a フランジ部
50 エアゾール製品
51 容器
51a 胴部
51b 肩部
51c 首部
51d フランジ部
52 バルブアッセンブリ
55 拡張ユニット
56 拡張室
57 連結部
58 細管
61 本体
62 逆止弁
62a 筒状体
62b 環状凹部
62c 貫通孔
62d 弾性体
70 エアゾール製品
71 拡張室
71a 折り目
80 エアゾール製品
81 容器
82 細管
Claims (3)
- 耐圧性を有する容器と、
前記容器の開口部に取り付けられるバルブアッセンブリと、
前記容器に収容される液化ガスを含む内容物とを備えたエアゾール製品であって、
前記バルブアッセンブリは、エアゾールバルブと、前記エアゾールバルブのステムを下降操作することにより前記エアゾールバルブのハウジング内と容器内との間の通路を遮断する弁ユニットと、前記ハウジングに連結される拡張ユニットとを有し、
前記拡張ユニットは、前記内容物を貯留する拡張室と、前記ハウジングと前記拡張室とを連通する連結部と、前記連結部から前記拡張室の底部に延びる筒状の細管とを有している、
エアゾール製品。 - 前記拡張室が容器内と連通する貫通孔を有しており、
前記貫通孔に容器内から拡張室内への流体の流れを阻止し、拡張室から容器内への流体の流れを許す逆止弁が設けられている、
請求項1記載のエアゾール製品。 - 前記拡張室が伸縮可能である、
請求項1記載のエアゾール製品。
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