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JP2016148689A - 太陽光反射用パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、酸素、水蒸気、あるいは有害ガスに対する高い耐腐食性を有する太陽光反射用パネルを提供することである。【解決手段】本発明の太陽光反射用パネルは、基材上に、少なくとも金属反射層を含む太陽光反射層を有する太陽光反射用パネルであって、全ての側面部と、上面端部及び下面端部の少なくとも一方とを含む領域が、被覆用樹脂材料により形成された連続した構造で被覆されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光反射用パネルに関し、更に詳しくは、端部に封止部材を有し、耐久性(耐腐食性)が改良された太陽光反射用パネルに関する。
発展途上国の急激な経済成長に伴い、全世界的にエネルギー需要が増大し、かつては無尽蔵と考えられていた石油、天然ガス等の化石燃料の枯渇が現実味を帯びてきている。
このような状況を踏まえ、化石燃料の代替エネルギーとして、供給が最も安定しており、かつ豊富な自然エネルギーとして、太陽エネルギーが注目されており、現在、その太陽エネルギーを活用するための様々な検討がなされている。特に、世界のサンベルト地帯と言われている赤道近くには、広大な砂漠が広がっており、ここに降りそそぐ太陽エネルギーは正に無尽蔵と言える。また、米国南西部に広がる砂漠のわずか数%の面積における太陽エネルギーを活用すれば、実に7,000GWものエネルギーを得ることが可能であると考えられている。また、アラビア半島、北アフリカの砂漠のわずか数%の面積に照射される太陽エネルギーを活用すれば、全人類は必要とする全エネルギーを賄うことができるとも考えられている。
このように、太陽エネルギーは非常に有力な代替エネルギーであるものの、これを実際に活用する段階では、(1)太陽エネルギー自身のエネルギー密度が低いこと、並びに(2)太陽エネルギーの貯蔵及び移送が困難であること等が、問題となると考えられる。
上記問題のうち、(1)の太陽エネルギーのエネルギー密度が低いという問題に関しては、巨大な集光装置を用いて太陽光を集めることによって解決することが可能とされている。
この集光装置は、太陽光による紫外線や、設置する環境における熱、風雨、砂嵐等に晒されるため、従来、ガラス製ミラーを具備した太陽光反射用パネルが用いられてきた。しかし、ガラス製ミラーは環境に対する耐久性は高いが、輸送時に破損しやすいこと、ミラーを設置する架台の強度を持たせるため、集光装置の建設費がかさむといった問題を抱えている。
上記問題を解決するために、ガラス製ミラーを、樹脂製反射シートに置き換える方法の検討がなされている(例えば、特許文献1参照。)。また、樹脂製ミラーに高い耐傷性及び耐候性を付与するため、樹脂製ミラーにハードコート層を付与させる方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、樹脂製ミラーの反射層に銀等の金属を用いると、1.反射面または反射面と相対する面の樹脂層を介して、あるいは2.端部の反射層と外部との界面を介して、樹脂製ミラー内に酸素、水蒸気、あるいは硫化水素等が透過し、反射層を腐食してしまうといった問題が生じ、適用は困難であった。
反射面又は反射面と相対する面の樹脂層を介しての反射層に対する腐食に関しては、反射層よりも光源側に、バリアー層として無機酸化物層を設ける方法(例えば、特許文献3参照)により、ある程度の対応は可能とされている。
しかしながら、ガラス製ミラーや樹脂製ミラーにおいては、その端部から反射層への酸素、水蒸気、あるいは硫化水素等の浸入による反射層の腐食に関しては、一般的には、封止テープ等により保護する等の対策は講じられているが、長期間、厳しい環境での使用に際しては充分とは言い難いのが現状である。
特開2005−59382号公報 国際公開第2011/096309A号 特許第3311172号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、酸素、水蒸気、あるいは有害ガスに対する高い耐腐食性を有する太陽光反射用パネルを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を進めた結果、基材上に、少なくとも金属反射層を含む太陽光反射層を有する太陽光反射用パネルであって、太陽光反射用パネルの全での側面部と、上面端部及び下面端部の少なくとも一方とを含む領域を、被覆用樹脂材料により、繋ぎ目を有することなく、一体化した連続封止構造で被覆されていることを特徴とする太陽光反射用パネルにより、酸素、水蒸気、あるいは有害ガスの太陽光反射用パネルの浸入を防止することにより、高い耐腐食性を備えた太陽光反射用パネルを提供することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
1.基材上に、少なくとも金属反射層を含む太陽光反射層を有する太陽光反射用パネルであって、
全ての側面部と、上面端部及び下面端部の少なくとも一方とを含む領域が、被覆用樹脂材料により形成された連続した構造で被覆されていることを特徴とする太陽光反射用パネル。
2.前記被覆用樹脂材料が、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする第1項に記載の太陽光反射用パネル。
3.太陽光入射面側の最表面に、メタロキサン骨格を有するポリマーを含有するハードコート層を有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の太陽光反射用パネル。
本発明の上記手段により、太陽光反射用パネルの構成部材を連続した封止構造で封止し、外部環境からの影響を遮断することにより、高い耐腐食性を備えた太陽光反射用パネルを得ることができる。
本発明で規定する構成により、上記問題を解決することができるのは、以下の理由によるものと推測している。
従来採用されているテープによる封止法、あるいは複数回の塗布により、側面部への封止材の付与と、上下部への封止材の付与を個別に行い、封止構造に繋ぎ目を有する封止法では、折り曲げや厳しい外部環境の影響により、テープ接着面や複数回で形成した封止部の繋ぎ目に応力が集中し、それに伴いテープの剥離や、封止材の繋ぎ部で隙間が生じ、封止性能の低下をきたしてきた。
本発明者らは、上記問題の原因について検討を進めた結果、太陽光反射用パネルを構成する、例えば、フィルムミラーパネルの全ての周辺部に対し、側面部と、上面端部及び下面端部の少なくとも一方とを含む領域を、繋ぎ目(接合面)がなく、1回の形成プロセスで一体成形して封止構造を形成することにより、様々な環境下においても、安定した封止を達成し、高い腐食性を備えた太陽光反射用パネルを実現することができた。
被覆用樹脂材料により連続した封止構造を備えた本発明の太陽光反射用パネルの構成の一例を示す断面図 本発明の太陽光反射用パネルの構成の一例を示す概略斜視図 本発明の太陽光反射用パネルを構成する太陽光反射層の層構成の一例を示す断面図 本発明の端部に連続した封止構造を形成する方法の一例を示す概略図 本発明の端部連続した封止構造を形成する他の方法の一例を示す概略図 比較例の端部に独立した封止構造を形成方法の一例を示す概略図
本発明の太陽光反射用パネルは、基材上に、少なくとも金属反射層を含む太陽光反射層を有し、全ての側面部と、上面端部及び下面端部の少なくとも一方とを含む領域が、被覆用樹脂材料により形成された連続した構造で被覆されていることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項3に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の目的とする効果をより発現できる観点から、前記被覆用樹脂材料が、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが、太陽光反射用パネルを構成する表面側部材、裏面側部材及び側面部との密着親和性がより高い観点から好ましい。
また、太陽光入射面側の最表面に、メタロキサン骨格を有するポリマーを含有するハードコート層を有する態様が、高い表面硬度を実現し、外部環境、例えば、砂漠における砂や表面清掃に対する優れた耐擦性を得ることができる観点から好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態及び態様について詳細な説明をする。なお、以下の説明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《太陽光反射用パネルの基本構成》
本発明の太陽光反射用パネルは、基材上に、少なくとも金属反射層を含む太陽光反射層を有し、全ての側面部と、上面端部及び下面端部の少なくとも一方とを含む領域が、被覆用樹脂材料により形成された連続した構造で被覆されていることを特徴とする。
図1は、被覆用樹脂材料により連続した封止構造を備えた本発明の太陽光反射用パネルの構成の一例を示す断面図である。
図1において、太陽光反射用パネル1は、基材2上に、太陽光反射層3と最表層としてハードコート層4を有する構成(以下、この構成群をミラーパネルユニットUともいう。)である。
基材2としては、樹脂基材が好ましく適用されているが、ミラーパネルに剛性を付与する目的からは、粘着層や接着層を介して、ガラス基材あるいは金属基材と貼り合わせて適用することもできる。
図1に記載の構成からなるミラーパネルユニットUの端部においては、太陽光反射層3の断面部が露出した状態にあり、外部環境からの酸素、水蒸気あるいは硫化水素等の有害ガスにより、太陽光反射層3を構成している金属、例えば、銀膜等が腐食する恐れがある。
本発明では、上記問題を踏まえ、このミラーパネルユニットUの端部を構成する全ての側面部Zと、上面端部X及び下面端部Yの少なくとも一方とを含む領域を、被覆用樹脂材料により、一体化した繋ぎ目のない構造で被覆した封止構造5を形成することを特徴としている。
本発明においては、図1及び後述の図2で例示するように、側面部Z、上面端部X及び下面端部Yの全領域に対し、コ字型の封止構造5を形成する態様であっても、あるいは、全ての側面部Zと、上面端部X及び下面端部Yのいずれか一方とを含む領域から構成されるL字型の封止構造5であっても良い。
図1においては、基材2上に、太陽光反射層3と最表層としてハードコート層4を有する構成のミラーパネルユニットUの周辺部の側面部Z、上面端部X及び下面端部Yの全領域に対し封止部材5を形成した例を示したが、更に、ミラーパネルユニットUを、粘着層を介して金属基材上に貼りつけた後に、周辺部の側面部Z、上面端部X及び下面端部Yの全領域に対し封止部材5を形成する、あるいは全ての側面部Zと、上面端部X及び下面端部Yのいずれか一方とを含む領域から構成される封止構造5を形成する構成であってもよい。
図2は、本発明の太陽光反射用パネルの構成の一例を示す概略斜視図である。
図1で示した封止構造5を有する太陽光反射用パネル1の斜視図で、ハードコート層4を含むミラーパネルユニットUの全周辺部領域を、被覆用樹脂材料により一体化した封止構造5を形成している。前述のように、全周辺部と、上面端部X及び下面端部Yのいずれか一方とを含む領域を封止したL型構成であってもよい。
《太陽光反射層の基本構成》
図3に、本発明の太陽光反射用パネル1を構成する太陽光反射層3の層構成の一例を示す。
本発明に係る太陽光反射層3の好ましい基本構成としては、金属反射層6の上に、各機能層として、金属反射層の金属の腐食防止を目的とした腐食防止層7、接着層8及び紫外線吸収層(UV吸収層)9が積層されている。紫外線吸収層9は、紫外線による金属反射層6や基材2へのダメージを抑制するため、紫外線吸収剤を含有する他、HALS剤を含有するアクリル樹脂フィルムや紫外線反射多層膜等が適用される。
また、金属反射層6の裏面側には、アンダーコート層10を設けることができる。
上記のような構成において、本発明では、少なくとも基材2及び太陽光反射層3から構成され、封止構造5を設ける前の積層体を、「ミラーパネルユニットU」と定義し、この「ミラーパネルユニットU」の全ての側面部Zと、上面端部X及び下面端部Yの少なくとも一方とから構成される領域に封止構造5を形成したもの、あるいは「ミラーパネルユニットU」を、接着層を介して金属基板上に貼合した後、全ての側面部Zと、上面端部X及び下面端部Yの少なくとも一方とから構成される領域に封止構造5を形成したものを「太陽光反射用パネル」と定義する。
また、ミラーパネルユニットUの端部を構成する上面端部、下面端部及び側面部の全領域、あるいは全ての側面部Zと、上面端部X及び下面端部Yの少なくとも一方とから構成される領域を被覆用樹脂材料により、一体化した連続構造5で被覆して形成したものを「封止構造」又は「封止部」という。
また、本発明でいう全ての側面部Zと、上面端部X及び下面端部Yの少なくとも一方とから構成される領域が、被覆用樹脂材料により連続して被覆されている構造とは、当該領域が、つなぎ目が存在しない状態で、すべての領域が連続した一体構成で、1回のプロセスで形成されることをいう。
《太陽光反射用パネルの構成材料》
〔被覆用樹脂材料:封止部形成部材〕
本発明においては、ミラーパネルユニットUの全ての側面部Zと、上面端部X及び下面端部Yの少なくとも一方とから構成される領域が、被覆用樹脂材料により連続した構造により被覆されて、封止構造を形成していることを特徴とする。
本発明に係る被覆用樹脂材料としては、特に制限はないが、形成の容易性、封止材料としてのガス遮断性、耐久性等の観点から、一般的な硬化性樹脂、例えば、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂や、熱可塑性樹脂から適宜選択して用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン(日本ゼオン社のゼオノア、JSR社製のアートン、ポリプラスチック社製のTOPAS、三井化学社製のアペル等)、ポリ乳酸、セルロースエステル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリカプロラクトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリ[3−ヒドロキシブチレート]、ポリアリレート、ナイロン、アラミド、熱可塑性エラストマー、シリコーンなどが挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
また、活性エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
具体的には、アデカオプトマーKR、BYシリーズのKR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(以上、(株)ADEKA製)、コーエイハードのA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学工業(株)製)、セイカビームのPHC2210(S)、PHCX−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業(株)製)、KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー(株))、RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、DIC(株)製)、オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製)、サンラッド H−601(三洋化成工業(株)製)、SP−1509、SP−1507(以上、昭和高分子(株)製)、RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成(株)製)、又はその他の市販のものから適宜選択して利用することができる。
また、接着剤という分類からは、アクリル樹脂系接着剤、アクリル樹脂嫌気性接着剤、アクリル樹脂エマルジョン接着剤、α−オレフィン系接着剤、二液混合型のウレタン樹脂系接着剤、二液混合型のエポキシ樹脂系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、シリコーン系接着剤、反応性ホットメルト接着剤、変性シリコーン系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリウレタン樹脂ホットメルト接着剤、ポリオレフィン樹脂ホットメルト接着剤、メラミン樹脂系接着剤等を挙げることができる。
また、その他には、シーリング材、例えば、信越シリコーン社製のシーリング材、シーラント45、4588、4515,40N、シーリングマスター300、300LS、プアシーラントS、KE−3418、KE−42等も挙げることができる。
上記説明した本発明に係る被覆用樹脂を構成する材料としては、特に、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが、太陽光反射用パネルを構成する表面側部材、裏面側部材及び側面部との密着親和性がより高い観点から好ましい。
(被覆用樹脂材料の付与方法)
本発明においては、上記説明した被覆用樹脂材料を、図1及び図2に示すようにミラーパネルユニットUの全ての側面部と、上面端部及び下面端部の少なくとも一方とを含む領域に、被覆用樹脂材料により形成された連続した封止構造を形成することを特徴とする。
ミラーパネルユニットUの上面端部X、下面端部Y及び側面部Zへ被覆用樹脂材料5Aを付与する方法としては、例えば、ロールコート法、ディップ法、キャスト法、インクジェット法、スプレー法、印刷法に代表されるようなウェットプロセスの他、ディスペンサーを用いた塗布方法、スリット型ダイコーターを用いたスロット法等の塗布方法を挙げることができる。
被覆用樹脂材料を塗布する方法として、必要な膜厚の塗布膜を形成するのに必要な量より余分に塗布液を塗布し、その後、余剰分を除去する後計量型と、必要な量だけ塗布液を塗布する前計量型とが知られている。何れの塗布方法も適用可能であるが、塗布の高精度、高速化、薄膜化、塗布膜の品質向上、積層への適性等の観点から、前計量型が好ましい。また、塗布液の曝露抑制、濃度変化の抑制、クリーン度の維持、異物の混入防止という観点から、密閉系であることが好ましい。そのため、上記塗布方法のなかでも、ロールコート法、ディップ法、スプレー法、インクジェット法が好ましい。また、塗布性の観点から、必要に応じて溶媒等を用いて希釈した塗布液を用いても良い。
図4は、ディップ法により、一例として、ミラーパネルユニットUの上面端部X、下面端部Y及び側面部Zの全ての領域に、同時に被覆用樹脂材料を付与する方法の一例を示してある。
図4のa)において、被覆用樹脂材料を含む塗布液5Aを、液受けパン11に貯留し、一定の温度で保温する。ディップコーターは、一対の外側ローラー12Aと、その間に内部ローラー12Bを有する構成で、回転しながら、被覆用樹脂材料を含む塗布液5Aを、ミラーパネルユニットUの上面端部X、下面端部Y及び側面部Zに供給して、封止構造5を形成する。
この時、上面端部X及び下面端部Yに形成する封止構造の膜厚は、一対の外側ローラー12A間の距離H1で調整し、上面端部X及び下面端部Yの長さ及び側面部Zの厚さは、内部ローラー12Bの設置位置により調整することができる。
本発明に係る封止部材5の構成としては、端部X、Yの長さとしては、1.0〜10.0mmの範囲内であることが好ましく、更に好ましくは2.0〜5.0mmの範囲内である。
また、封止部材5の厚さは、0.1〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。
図4のb)は、上記図4のa)で示した図の切断面A−A方向から見たときの側面図であり、ミラーパネルユニットUを、紙面の左から右方向に搬送させながら、被覆用樹脂材料を含む塗布液5Aをディップ法により付与して、封止構造5を形成するが、膜厚等をより正確に制御する観点から、塗布液をミラーパネルユニットUに付与する上流側には膜厚を制御するかきとりブレード13を設けることが好ましい。
また、下流側には、付与した被覆用樹脂材料が熱可塑性樹脂である場合には、エネルギー付与部14より冷風を供給して固化してもよく、又熱硬化性樹脂であれば、ここで加熱して硬化させる。また、被覆用樹脂材料が活性光線硬化性樹脂である場合には、エネルギー付与部14より紫外線等の活性光線を付与して、硬化させることができる。また、溶媒等で樹脂を溶解した塗布液を用いる場合には、エネルギー付与部14より乾燥風を供給して塗膜を乾燥して、封止構造を形成することができる。
図4においては、ミラーパネルユニットUの上面端部X、下面端部Y及び側面部Zの全ての面に同時に封止構造を付与する例を示したが、全ての側面部と、上面端部及び下面端部の少なくとも一方とを含む領域に付与して、L字型の封止構造を形成する場合には、図4に示す一対の外側ローラー12Aのいずれか一方と、内部ローラー12Bを用いて形成すればよい。
図5は、ミラーパネルユニットUの上面端部、下面端部及び側面部へ、同時に被覆用樹脂材料を付与する他の方法の一例を示してある。
図5では、被覆用樹脂材料の付与方法として、インクジェット法あるいはスプレー法を用いた場合の例を示してある。
調製釜16に貯留している被覆用樹脂材料を含む塗布液5Aを、配管を経由して塗布装置15としてインクジェットヘッドあるいはスプレー噴射装置に供給し、一定の吐出量でミラーパネルユニットUの上面端部、下面端部及び側面部へ同時に付与して、封止構造5を形成する方法である。なお、17は、塗布液の所定区域以外への飛翔を防止するための隔壁である。
以上のような方法により、ミラーパネルユニットUの上面端部、下面端部及び側面部へ、同時に一体化した封止構造を形成することができる。
〔基材〕
本発明の太陽光反射用パネルに適用可能な基材としては、金属反射層等を含む太陽光反射層1を保持することができる材料であれば特に制限はなく、例えば、ガラス基材、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。好ましく用いられる透明な基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい基板は、可撓性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
本発明に係る基材として好適な樹脂フィルムとしては、従来公地の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルムが好ましい。
特に、ポリエステル系フィルム、セルロースエステル系フィルムを用いることが好ましく、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
樹脂基材の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。例えば、一般的には、10〜300μmの範囲内である。好ましくは20〜200μm、さらに好ましくは30〜100μmである。
〔太陽光反射層3〕
本発明に係る太陽光反射層3としては、ミラーとしての役割を果たす金属反射層6を有し、そのほかに様々な特性を備えた機能層により構成されている。
(金属反射層6)
本発明に係る金属反射層(反射層ともいう。)は、太陽光を反射する機能を有する金属からなる反射層である。反射層の表面反射率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。金属反射層は太陽光入射側(表面側)にあっても、その反対側(裏面側)にあってもよいが、基材、特に樹脂基材が、太陽光線により劣化してしまうことを防止する目的から、光入射側に配置することが好ましい。
金属反射層の厚さは、反射率等の観点から、10〜200nmが好ましく、より好ましくは30〜150nmである。反射層の膜厚が10nmより大きいと、膜厚が充分であり、光を透過してしまうことがなく、フィルムミラーの可視光領域での反射率を十分確保できるため好ましい。また、200nm程度までは膜厚に比例して反射率も大きくなるが、200nm以上は膜厚に依存しない。
金属反射層の表面粗さRaは0.01〜0.1μmの範囲内であり、好ましくは0.02〜0.07μmの範囲内である。金属反射層の表面粗さRaが0.01μm以上であるため、その粗さに起因してフィルムミラー表面も粗くなり、フィルムミラーの生産段階において、連続的に製膜するロールトゥロール方式を用いた場合でも、フィルムミラーの反射層とその入射光側の隣接層におけるブロッキングなどの貼りつきを防止することができる。また、表面が粗くなると反射光が散乱する恐れがあるが、金属反射層を有するフィルムミラーは凹面状の形状を有しているので、表面粗さRaが0.1μm以下であればフィルムミラーを凹面状の形状にすることによって反射効率の低下を防止することができる。
金属反射層は、アルミニウム、銀、クロム、ニッケル、チタン、マグネシウム、ロジウム、プラチナ、パラジウム、スズ、ガリウム、インジウム、ビスマス及び金からなる元素群の中から選ばれるいずれかの元素を含む材料として形成されることが好ましい。中でも、反射率、耐食性の観点からアルミニウムまたは銀を主成分としていることが好ましく、このような金属の薄膜を二層以上形成するようにしてもよい。そうすることにより、フィルムミラーの赤外域から可視光領域での反射率を高め、入射角による反射率の依存性を低減できる。赤外域から可視光領域とは、2500〜400nmの波長領域を意味する。入射角とは、膜面に対して垂直な線(法線)に対する角度を意味する。特に銀を主成分とする銀反射層とすることが好ましい。
本発明に係る金属反射層の形成法としては、湿式法及び乾式法のどちらも適用することができる。
湿式法とは、めっき法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例を挙げるとすれば、銀鏡反応等がある。
一方、乾式法とは、真空成膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法等がある。とりわけ、連続的に成膜するロール・ツー・ロール方式が可能な蒸着法が好ましく用いられる。すなわち、本発明においては、金属反射層、例えば、銀反射層を銀蒸着によって形成する工程を有する態様の製造方法であることが好ましい。
(腐食防止層7)
本発明に係る太陽光反射層には、金属反射層の腐食を防止する目的から、腐食防止層を設けることが好ましい。
腐食防止層は、金属反射層に隣接して設けられることが好ましい。特に、金属反射層が銀反射層である場合に腐食防止層を設けることが好ましい。特に、腐食防止層が金属反射層の光入射側に隣接していることがより好ましい。また、金属反射層の両側に腐食防止層を隣接させてもよい。
腐食防止層は、腐食防止剤を含有している。腐食防止剤としては、大別して、金属、特に銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤と、酸化防止能を有する腐食防止剤(酸化防止剤ともいう)が好ましく用いられる。腐食防止層は、金属、特に銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤と酸化防止剤の少なくとも一方を含有していることが好ましい。ここで、「腐食」とは、金属(銀)がそれをとり囲む環境物質によって、化学的または電気化学的に浸食されるか若しくは材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103−2004参照)。
腐食防止層には、腐食防止剤を保持するバインダーとして樹脂を用いることができる。例えば、以下の樹脂を用いることができる。セルロースエステル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアリレート系、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン系、ポリカーボネート、ノルボルネン系、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル系樹脂等を挙げることができる。中でも、アクリル系樹脂が好ましい。腐食防止層は、厚さが30nm以上、1μm以下であることが好ましい。
なお、腐食防止剤の含有量は、使用する化合物によって最適量は異なるが、一般的には0.1〜1.0g/mの範囲内であることが好ましい。
次に腐食防止剤の詳細について説明する。
〈腐食防止剤〉
銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤としては、アミン類およびその誘導体、ピロール環を有する化合物、トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系の少なくとも一種またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。
アミン類およびその誘導体としては、エチルアミン、ラウリルアミン、トリ−n−ブチルアミン、O−トルイジン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アセトアミド、アクリルアミド、ベンズアミド、p−エトキシクリソイジン、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンカーバメイト、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート、シクロヘキシルアミンアクリレート等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ピロール環を有する物としては、N−ブチル−2,5−ジメチルピロール,N−フェニル−2,5ジメチルピロール、N−フェニル−3−ホルミル−2,5−ジメチルピロール,N−フェニル−3,4−ジホルミル−2,5−ジメチルピロール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
トリアゾール環を有する化合物としては、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、3−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−メチル−1,2,3−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4,5,6,7−テトラハイドロトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ピラゾール環を有する化合物としては、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾロン、ピラゾリジン、ピラゾリドン、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ヒドロキシピラゾール、4−アミノピラゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チアゾール環を有する化合物としては、チアゾール、チアゾリン、チアゾロン、チアゾリジン、チアゾリドン、イソチアゾール、ベンゾチアゾール、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、P−ジメチルアミノベンザルロダニン、2−メルカプトベンゾチアゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
イミダゾール環を有する化合物としては、イミダゾール、ヒスチジン、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5ジヒドロキシメチルイミダゾール、4−フォルミルイミダゾール、2−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−フォルミルイミダゾール、4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−5−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
インダゾール環を有する化合物としては、4−クロロインダゾール、4−ニトロインダゾール、5−ニトロインダゾール、4−クロロ−5−ニトロインダゾール等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
銅キレート化合物類としては、アセチルアセトン銅、エチレンジアミン銅、フタロシアニン銅、エチレンジアミンテトラアセテート銅、ヒドロキシキノリン銅等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チオ尿素類としては、チオ尿素、グアニルチオ尿素等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
メルカプト基を有する化合物としては、すでに上記に記載した材料も加えれば、メルカプト酢酸、チオフェノール、1,2‐エタンジオール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、グリコールジメルカプトアセテート、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
ナフタレン系としては、チオナリド等が挙げられる。
(接着層8)
接着層は、腐食防止層7と紫外線吸収層9との接着性を高める機能があるものであれば特に限定はない。
接着層の層厚は、密着性、平滑性、金属反射層の反射率等の観点から、0.01〜10.μmの範囲内が好ましく、より好ましくは0.1〜6.0μmの範囲内である。
接着層が樹脂により形成される合、樹脂材料(バインダー)として、上記の密着性、平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂が使用でき、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。この接着層の形成方法には、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
接着層が金属酸化物である場合、例えば、酸化シリコーン、酸化アルミニウム、窒化シリコーン、窒化アルミニウム、酸化ランタン、窒化ランタン等、各種真空製膜法により製膜することができる。この接着層は、例えば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などによって形成できる。
(紫外線吸収層9)
紫外線吸収層は、太陽光や紫外線による太陽光反射用ミラーの劣化防止の目的で紫外線吸収剤を含有してなる層である。紫外線吸収層は、基材よりも光入射側に設けることが好ましく、図3に示すように、腐食防止層を有する場合はその腐食防止層よりも光入射側に設けることが好ましい。
紫外線吸収層には、紫外線吸収剤を保持するバインダーとして樹脂を用いることができる。例えば、以下の樹脂を用いることができる。セルロースエステル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアリレート系、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン系、ポリカーボネート、ノルボルネン系、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル系樹脂等を挙げることができる。中でも、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。なお、紫外線吸収層の層厚は、1〜200μmの範囲内であることが好ましい。
また、太陽光反射層3に紫外線吸収層9を設ける以外に、基材2よりも光入射側に設けられた構成層のうちの何れか一層に紫外線吸収剤を添加し、紫外線吸収層を兼ねるようにしてもよい。また、後述するハードコート層に紫外線吸収剤を添加することも好ましい。
紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系等が挙げられ、また無機系紫外線吸収剤として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄等が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
また、紫外線吸収剤としては、上記以外に、紫外線の保有するエネルギーを分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを熱エネルギーとして放出する機能を有する化合物を用いることもできる。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用により効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。但し、上記の紫外線吸収剤を使用する場合は、紫外線吸収剤の光吸収波長が、光重合開始剤の有効波長と重ならないものを選択する必要がある。
通常の紫外線吸収剤を使用する場合は、可視光でラジカルを発生する光重合開始剤を使用することが有効である。
紫外線吸収剤の使用量は、0.1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは3〜10質量%の範囲内である。使用量をこれらの範囲内にすることで、他の構成層との密着性を良好に保ちつつ、耐候性を向上させることが可能となる。
(アンダーコート層10)
アンダーコート層は、樹脂を有し、基材と金属反射層とを密着させるために設けられる層である。従って、アンダーコート層は、基材と金属反射層とを密着させる密着性、金属反射層を真空蒸着法等で形成する時の熱にも耐え得る耐熱性、及び金属反射層が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性が必要である。
アンダーコート層に使用する樹脂は、上記の密着性、耐熱性、及び平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂が使用でき、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂又はポリエステル系樹脂とアクリル系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。
アンダーコート層の層厚は、0.01〜3.0μmの範囲内が好ましく、より好ましくは0.1〜2.0μmの範囲内である。この層厚条件を満たすことにより、密着性を保ちつつ、例えば、樹脂フィルム基材表面の凹凸を覆い隠すことができ、平滑性を良好に保つことができ、アンダーコート層の硬化も十分に行えるため、結果としてフィルムミラーとしての反射率を高めることが可能となる。
また、アンダーコート層には、上記腐食防止層で用いる腐食防止剤を含有させることが好ましい。
なお、アンダーコート層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
(その他の構成層)
上記説明した各機能層の他に、例えば、ガスバリアー層、防汚層や帯電防止層等を設けても良い。
本発明において、ガスバリアー層は、湿度の変動、特に高湿度による樹脂基材及び樹脂基材で保護される各種機能素子等の劣化を防止するためのものであるが、特別の機能・用途を持たせたものであっても良く、上記特徴を維持する限りにおいて、種々の態様のガスバリアー層を設けることができる。本発明においては、金属反射層の上側に、ガスバリアー層を設けることが好ましい。
〔ハードコート層〕
本発明の太陽光反射用パネルにおいては、屋外に設置されるフィルムミラー表面の汚れや傷を防止する目的で、フィルムミラーの最表面層に、金属−酸素−金属結合を骨格として有するメタロキサン骨格を有するポリマーを含有するハードコート層を設けることが好ましい態様である。特に、メタロキサン骨格を有するポリマーは、耐光性及び耐候性に優れた効果を発現する。
従来の太陽光反射用パネルにおいては、ハードコート層の構成材料と封止部材との密着性が低い場合があり、封止材料を均一に付与することは難しかった。
本発明で規定するようにミラーパネルユニットUの側面部Zと、少なくとも上面端部Xから構成される領域へ被覆用樹脂材料を付与して封止構成を形成することにより、メタロキサン骨格を有するポリマーを含有するハードコート層を用いた場合でも、均一に端部領域に封止構造を形成することが可能となった。
メタロキサン骨格を有する材料を含有するハードコート層は、珪素、チタン、ジルコニウム、アルミ等のポリメタロキサン、またはポリシラザン、パーヒドロポリシラザン、アルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、下記一般式(1)で表される構造を有するポリシロキサン等を塗布乾燥して形成することができる。
Figure 2016148689
式中、R11、R12は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。pは、1以上の整数である。
本発明に係るハードコート層としては、金属反射層よりも光源側の最外側に配置され、水に対する接触角が80〜170°の範囲内であり、動摩擦係数が0.10〜0.35の範囲内であることが好ましい。
フッ素化合物及び珪素化合物の混合ガス、またフッ素及び珪素を有する化合物を用いた蒸着により、表面エネルギーを低くし、ハードコート層の水に対する接触角を上記で規定する範囲内とすることができる。
また、最表層は耐傷性を向上するために、動摩擦係数が0.10〜0.35の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.15〜0.25の範囲である。
上記ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミ等のポリメトキサン、ポリシラザン、パーヒドロポリシラザン、アルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、ポリシロキサン等を用いることで、フィルム表面同士の動摩擦係数を上記で規定する範囲内に制御することができる。
上記水に対する接触角は、協和界面科学製接触角CA−Wを用い、23℃、55%RHの環境下で、3μlの水滴をミラーパネルユニットU表面に滴下して測定できる。また、上記動摩擦係数は、新東科学社製表面性測定機(HEIDON−14D)を用い、試料台に最表層を上にして1枚のミラーパネルユニットUを貼り付け、圧子に他の1枚の同じミラーパネルユニットUを取り付け、2枚のミラーパネルユニットUの最表面同士が接触するように重ね合わせ、その上に約160g/cmの荷重を加えて、3m/minの速度で10回往復摺動させ、10往復の平均動摩擦係数として算出することができる。
(フィルムミラーユニットUの厚さ)
本発明に係るフィルムミラーユニット全体の厚さは、ミラーがたわみ防止、正反射率、取り扱い性等の観点から、75〜250μmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは90〜230μmの範囲内であり、さらに好ましくは100〜220μmの範囲内である。
《太陽光反射用パネル》
図1に示す構成からなる本発明の太陽光反射用パネルは、太陽光を集光する目的に好ましく使用できる。太陽光反射用パネルとしては、好ましくは太陽光反射用パネルの光入射側から見て最下層に粘着層を形成し、他基材上に、特に金属基材上に、封止した太陽光反射用パネルを貼り付けたのち、封止構造を付与して太陽光反射用パネルとして用いることである。
太陽熱発電用反射装置として用いる場合、反射装置の形状を樋状(半円筒状)として、半円の中心部分に内部に流体を有する筒状部材を設け、筒状部材に太陽光を集光させることで内部の流体を加熱し、その熱エネルギーを変換して発電する形態が一形態として挙げられる。また、平板状の反射装置を複数個所に設置し、それぞれの反射装置で反射された太陽光を一枚の反射鏡(中央反射鏡)に集光させて、反射鏡により反射して得られた熱エネルギーを発電部で変換することで発電する形態も一形態として挙げられる。特に後者の形態においては、用いられる反射装置に高い正反射率が求められる為、本発明の太陽光反射用ミラーが特に好適に用いられる。
〈粘着層〉
粘着層としては、特に制限されず、例えば、ドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤等のいずれもが用いられる。
例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトリルゴム等が用いられる。
ラミネート方法は特に制限されず、例えば、ローラー式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。
粘着層の厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1〜50μmの範囲内であることが好ましい。
〈金属基材〉
本発明の太陽光反射用パネルを、接着層を介して貼り付けて太陽光反射用ミラーを形成する際に用いることのできる金属基材としては、例えば、鋼板、銅板、アルミニウム板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム系合金めっき鋼板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板、クロムめっき鋼板、ステンレス鋼板等熱伝導率の高い金属材料を用いることができる。
本発明においては、特に耐食性の良好なめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等にすることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
《太陽光反射用パネルの作製》
〔太陽光反射用パネル1の作製〕
樹脂基材として、二軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ100μm)を用いた。上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、(1)ポリエステル樹脂(ポリエスター SP−181 日本合成化学製)、(2)メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ−820 DIC社製)、(3)TDI系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)、(4)HDMI系イソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)を、樹脂固形分比率で、(1):(2):(3):(4)=20:1:1:2(質量比)となる条件で、固形分濃度として10質量%となるようにトルエン中に混合した樹脂溶液を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ0.1μmの接着層を形成した。
次いで、形成した接着層上に、金属反射層として、真空蒸着法により厚さ80nmの銀反射層を形成した。次いで、この銀反射層上に、前記ポリエステル樹脂と前記TDI系イソシアネートを樹脂固形分比率で10:2に混合し、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ0.1μmの隣接層を形成した。さらに、上記形成した隣接層上に、ジブチルエーテル中の3%パーヒドロポリシラザン液(AZエレクトリックマテリアル社製 NL120)を用いて、乾燥後の膜厚が500nmとなるようにバーコーティングし、3分間自然乾燥した後、90℃のオーブンで30分間アニールし、ハードコート層を設けた。さらにハードコート層上に撥水化剤(AZエレクトリックマテリアル社製アクアノラン)をバーコーティングして防汚層を形成して、フィルム積層体を作製した。
続いて、上記作製したフィルム積層体を縦100mm×横100mmに切り出し、ポリエステルフィルムの金属反射層を形成した面とは反対側の面に、厚さ3μmの粘着層を介して、厚さ0.5mmで縦100mm×横100mmのアルミ板に貼り付け、ミラーフィルムユニット1を作製した。
その後、図4に示す端部塗布装置を用いて、シリコンシーラント(信越シリコーン社製 KE−4921−B)を、ミラーフィルムユニット1の上面端部X、下面端部Y及び側面部Zへ、同時に付与して封止構造を形成し、太陽光反射用パネル1を作製した。この封止構造の形成方法を、方法1と称する。
〔太陽光反射用パネル2の作製〕
上記太陽光反射用パネル1の作製において、封止構造の形成材料として、シリコンシーラント(信越シリコーン社製 KE−4921−B)に代えて、エポキシ樹脂(スリーボンド社製2081D)を用いた以外は同様にして、太陽光反射用パネル2を作製した。
〔太陽光反射用パネル3の作製〕
上記太陽光反射用パネル1の作製において、封止構造の形成材料として、シリコンシーラント(信越シリコーン社製 KE−4921−B)に代えて、ウレタン樹脂(エムシー工業社製ハイブレン XLL−6051A)を用いた以外は同様にして、太陽光反射用パネル3を作製した。
〔太陽光反射用パネル4の作製〕
上記太陽光反射用パネル1の作製において、封止構造の形成材料として、シリコンシーラント(信越シリコーン社製 KE−4921−B)に代えて、アクリル樹脂(スリーボンド社製3017D)を用い、高圧水銀ランプを用いて、照射距離15cm、積算照度30kJ/mで硬化させた以外は同様にして、太陽光反射用パネル4を作製した。
〔太陽光反射用パネル5の作製〕
上記太陽光反射用パネル1の作製において、ハードコート層及び防汚層の形成を行わなかった以外は同様にして、太陽光反射用パネル5を作製した。
〔太陽光反射用パネル6の作製〕
上記太陽光反射用パネル1の作製において、封止構造の形成材料として、シリコンシーラント(信越シリコーン社製 KE−4921−B)に代えて、ミラーフィルムユニット1の上面端部X、下面端部Y及び側面部Zへ、アルミ箔テープ(テラオカ製No.833 t0.13 巾12.7mm)を用いて封止した以外は同様にして、太陽光反射用パネル6を作製した。この封止構造の形成方法を、方法2と称する。
〔太陽光反射用パネル7の作製〕
上記太陽光反射用パネル1の作製において、封止材料としてシリコンシーラントを用い、図5に記載の1辺ずつ封止構造を形成するディップ方式の塗布装置により、側面部Zを形成した後、上面端部X及び下面端部Yの順に、それぞれ独立して封止構造を形成した以外は同様にして、太陽光反射用パネル7を作製した。この封止構造の形成方法を、方法3と称する。
表1に記載した封止方法の詳細は、以下のとおりである。
方法1:ミラーフィルムユニット1の上面端部X、下面端部Y及び側面部Zへ、同時に被覆用樹脂材料を付与して封止構造を形成(本発明の封止構造形成方法)
方法2:ミラーフィルムユニット1の上面端部X、下面端部Y及び側面部Zへ、アルミ箔テープを用いて封止して封止構造を形成(比較例の封止構造形成方法)
方法3:ラーフィルムユニット1の側面部Zを形成した後、上面端部X及び下面端部Yの順に、それぞれ独立して封止構造を形成(比較例の封止構造形成方法)
《太陽光反射用パネルの評価》
上記作製した各太陽光反射用パネルについて、下記の評価を行った。
〔耐腐食性の評価:塩水浸漬試験〕
上記作製した各太陽光反射用パネルについて、3本ローラーを用いて、1.7mm/100mmで湾曲させた。その後、3.5質量%塩水に、湾曲した太陽光反射用パネルを48時間浸漬した後、太陽光反射用パネルの金属反射層端部における銀腐食の状態を目視観察し、下記の基準に従って耐久性の評価を行った。
5:浸漬前後で、金属反射層端部における色味の変化は全く観察されない
4:浸漬前後で、金属反射層端部における色味の変化がわずかに認められるが、問題のない品質である
3:浸漬前後で、金属反射層端部における色味の変化がやや観察されるが、実用上許容される品質である
2:浸漬前に対し、金属反射層端部で明らかな色味の変化が認められ、実用上問題となる品質である
1:浸漬前に対し、金属反射層端部で激しい色味の変化が認められ、実用に耐えない品質である
〔耐擦性の評価:スチールウール試験〕
上記作製した各太陽光反射用パネル1〜5の表面(ハードコート層形成面側)に、純水10mlを、霧吹きを用いて噴霧した後に、#0000番のスチールウールを用いて、1000g/cmの摩擦荷重で10回往復摩擦した後、表面における擦り傷有無を目視観察し、下記基準で耐擦性を評価した。
5:全く傷の発生が認められない
4:わずかに傷が認められる
3:傷の発生は認められるが、実用上は許容される品質である
2:傷が多数発生しており、実用上懸念される品質である
1:多数の傷が発生しており、実用に耐えない品質である
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2016148689
表1に記載の結果より明らかなように、本発明の太陽光反射用パネル1〜5は、上面端部X、下面端部Y及び側面部Zの全面が、一体化された構成で封止されているため、優れた耐腐食性を有していることが分かる。その中でも、特に、封止材料としてシリコーン樹脂を用いた太陽光反射用パネル1は、実用可能な強度、即ち、実用同等の湾曲後においても高い耐腐食性が得られていることが分かる。一方、比較例である太陽光反射用パネル6では、湾曲に伴う応力の集中などにより、微細なテープ剥離や、パネル角部におけるテープ重ね合わせによる隙間が原因と推定される腐食が発生した。また、比較例である太陽光反射用パネル7は、複数回の塗布により、封止構造を形成したことにより、端部の平面性が劣化することで隙間が発生し、実用上課題となるレベルの耐腐食性に留まった。
また、本発明の太陽光反射用パネル1〜5においては、ハードコート層を設けた太陽光反射用パネル1〜4が優れた耐擦性を発揮していることが分かる。
1 太陽光反射用パネル
2 基材
3 太陽光反射層
4 ハードコート層
5 封止部材
5A 覆用樹脂材料を含む塗布液
6 金属反射層
7 腐食防止層
8 接着層
9 紫外線吸収層(UV吸収層)
10 アンダーコート層
11 液受けパン
12A 外側ローラー
12B 内側ローラー
13 かきとりブレード
14 エネルギー付与部
15 噴射式塗布装置
16 調整釜
17 隔壁
U ミラーパネルユニット
X 上面端部
Y 下面端部
Z 側面部

Claims (3)

  1. 基材上に、少なくとも金属反射層を含む太陽光反射層を有する太陽光反射用パネルであって、
    全ての側面部と、上面端部及び下面端部の少なくとも一方とを含む領域が、被覆用樹脂材料により形成された連続した構造で被覆されていることを特徴とする太陽光反射用パネル。
  2. 前記被覆用樹脂材料が、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光反射用パネル。
  3. 太陽光入射面側の最表面に、メタロキサン骨格を有するポリマーを含有するハードコート層を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽光反射用パネル。
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