JP2016034693A - 機構分割式無心インデックス装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 異形ワークである大型モータ等の積層鉄心用のセクタワークの内周側に高精度かつ効率よく放射状に並んだスロット溝を加工することができる機構分割式無心インデックス装置を提供する。
【解決手段】 セクタワークEを加工するための加工テーブル80を下部テーブル81と、下部テーブル81に対して取り外し自在の上部テーブル82との2層構造とし、下部テーブル81に駆動機構70を搭載するとともに、上部テーブル82に特定のサイズのセクタワークEを割出し駆動するための軽量なジグ機構60を搭載する。強力な駆動機構70と軽量なジグ機構60の組合せによって単位時間当たりの割出し動作回数の向上を図るとともに、異サイズのセクタワークEに対しては、上部テーブル81ごとジグ機構60全体を一気に交換することによって最短時間で対応可能とする。
【選択図】図1
【解決手段】 セクタワークEを加工するための加工テーブル80を下部テーブル81と、下部テーブル81に対して取り外し自在の上部テーブル82との2層構造とし、下部テーブル81に駆動機構70を搭載するとともに、上部テーブル82に特定のサイズのセクタワークEを割出し駆動するための軽量なジグ機構60を搭載する。強力な駆動機構70と軽量なジグ機構60の組合せによって単位時間当たりの割出し動作回数の向上を図るとともに、異サイズのセクタワークEに対しては、上部テーブル81ごとジグ機構60全体を一気に交換することによって最短時間で対応可能とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、分割された環状のワークであるセクタワークの内周側を割出し加工する際に使用するインデックス装置であって、サイズの異なるセクタワークに簡単に対応することができるようにした機構分割式無心インデックス装置に関する。
各種のモータや発電機における固定磁極や回転子磁極を形成するコイルの磁界形成能力(起磁力)を高めるために使用される積層鉄心は、同一形状に打ち抜き加工した単位素材としてのケイ素鋼板(電磁鋼板)を積層鉄心の軸方向に多数枚積層して形成される。単位素材としての個々のケイ素鋼板がどのような形状に加工されるかは、単位素材を積層して最終的に形成されるべき積層鉄心の形状に依存して決定される。なお、単位素材としてのケイ素鋼板の板厚は、電磁的な理由からモータや発電機のサイズにかかわらず略一定であり、約0.6ミリメートルないし0.7ミリメートルである。
モータや発電機は、固定子磁界と回転子磁界との相互作用によって回転運動や起電力を発生するエネルギー変換装置である。回転子(ロータ)用の積層鉄心は、通常、外周部にコイルを装填するための多数のスロット溝を形成した円柱状に形成される。一方、固定子磁界(ステータ)用の積層鉄心は、回転子を周囲から取り囲む必要性があることから、内周側に多数のスロット溝を形成した円筒状に形成される。また、回転子磁界用の積層鉄心においても、固定子磁界用の積層鉄心においても、スロット溝は、軸方向に向けて形成される。
この結果、ロータ用の積層鉄心の単位素材は、外周側にスロット溝を形成した円板状となり、ステータ用の積層鉄心の単位素材は、内周側にスロット溝を形成した環状となる。なお、モータや発電機のコギングの防止や変換効率の向上、スロット溝に装填すべきコイルの巻き線技術の向上等により、積層鉄心は多極化される傾向にある。このことは、積層鉄心を形成するための個々の単位素材ごとに多数本のスロット溝を形成する必要があることを意味する。
上記したように、単位素材の厚みは一定あることから、例えば、軸方向のサイズが700ミリメートルの積層鉄心を製造する場合には、単純計算で、それぞれ多数のスロット溝を形成した1000枚の単位素材を積層する必要がある。また、より大型のモータや発電機に使用される積層鉄心では、2000枚以上の単位素材の積層を要する。このことから全ての単位素材に形成すべきスロット溝の総数は、膨大な数となる。このように膨大な数のスロット溝はどのようにして加工されるのであろうか。
従来からの一般的なスロット溝の加工方法は、積層鉄心のサイズにより異なる。ごく小型の積層鉄心用の単位素材では、総型のパンチとダイを用いて、例えて表現すれば、歯数ピッチの粗い外歯歯車状を呈するロータ用の単位素材、内歯歯車状を呈するステータ用の単位素材ともに、それぞれ1工程で打ち抜かれ、スロット溝を形成するための専用工程は必要とはされない。
また、中型サイズの積層鉄心用の単位素材は、先ず、ロータ用の円形の単位素材と、ステータ用の環状の単位素材を打ち抜き、次いで、これらに対して、総型のパンチとダイを用いてスロット溝を打ち抜く2段階工程によって製造される。2段階加工されるのは、一工程の打抜き加工に際してのせん断延長が過大になると巨大なせん断応力が発生し、打抜きプレス装置の能力問題ばかりではなく、パンチやダイの支持の問題、位置決め精度を悪化させる振動の発生等の種々の問題が生じるためである。
さらに、大型の積層鉄心の場合は、構造は同じであるが工程は複雑になる。ロータ用の単位素材は、まず、円板状に打ち抜かれる。次いで、これをロータリインデックス装置を用いて所定の角度ピッチで間欠移動させながら、その外周部に一個ずつスロット溝が打抜き加工される。一方、ステータ用の単位素材の加工は、より複雑である。
すなわち、単位素材を積層して製造されるべきステータ用の積層鉄心は、十分な厚みを伴う円筒状であるが、その単位素材は、環状ではなく、全形環を所定の中心角で幾つかに等分割した形状(以下、セクタ状またはセクタワークという。)に打ち抜かれる。これは、環状の物品は、定寸のケイ素鋼板材料から何枚切り取れるかという、いわゆる板取り効率が極めて悪く、この問題に対処すべく、定寸のケイ素鋼板材料からより多数枚を切り取れるセクタ状に加工されるのである。
次いで、ロータ用の単位素材と同様にロータリインデックス装置を利用してこのセクタ状の単位素材の内周部にスロット溝が形成されるのであるが、ここに、面倒な問題がある。ロータ用の単位素材は円形であるから、汎用のロータリインデックス装置に搭載することには何の問題もない。しかし、ステータ用の単位素材であるセクタワークの場合は、数学的な意味での観念的な中心はあるものの、機械的に支持することができる現実の中心といったものが存在しない。しかも、ロータ用の単位素材の場合と異なり、スロット溝は、セクタワークの内周側に加工する必要がある。このため、先ず、ロータリインデックス装置に非常に手の込んだ複雑な構成の有心のジグを取り付け、この有心ジグにセクタワークを搭載して内周側の割出し加工がおこなわれる。なお、使用される有心ジグは、異なるサイズのセクタワークの加工に際して専用サイズのものに交換される。
上記総型のポンチやダイを用いて必要なスロット溝を一気に加工する方法は、せん断延長長さの限界問題から加工対象が小型の積層鉄心に限られるのであるが、単に「小型」と言っても、小型の範囲内における積層鉄心のサイズ違いの数は膨大であり、これらのサイズ違いのセクタワークに対応するためには、膨大な個数のポンチやダイを備えおく必要があり、加工業者にとっての大きな負担となっている。
また、上記従来の汎用ロータリインデックス装置を利用してのロータ用の単位素材およびステータ用のセクタワークの加工に関しては、要求精度達成の観点からは問題がないのであるが、加工すべきスロット溝数の膨大さと一個のスロット溝を加工するのに要する時間とがミスマッチングであるという指摘がされている。つまり、加工効率が低すぎるということである。
汎用ロータリインデックス装置の仕様や提供メーカの主張内容等を閲覧すれば理解されるように、ロータリインデックス装置自体は、業界慣習的に単位時間当たりの位置決め回数よりも位置決め精度を重視した装置として構成されることが多く、このため、一位置決め動作当たりの加工単価が高価な加工を時間を掛けて精密に実施するのには適するが、単位加工単価が安い反復加工を効能率で消化するには本来的に適さないのである。
この結果、必要とされる積層鉄心のサイズが、ロータリインデックス装置を用いないで単位素材にスロット溝を加工することが可能であるサイズを超えた途端に、非常に高価なものになるという問題がある。このため、大型のモータや発電機メーカからは、特に加工が煩雑なステータ用のセクタワークに対する高速かつ高精度の専用インデックス装置の提供が要望されていた。また、具体的な要望の有無にかかわらず、多様な機器に多様なモータが使用されている今日では、広範囲の異サイズのセクタワークに対して簡単に適合できることも前提的な了解事項とされる。
本発明は、上記業界の要望に基づき、大型積層鉄心用のセクタワークの内周スロット溝の加工を主眼としつつ、大型の範疇に属する広範囲の異サイズのセクタワークの加工に簡単に適合することができるセクタワークの内周加工専用のインデックス装置の提供を目的とする。このためには、各位置決め動作時の位置決め精度を犠牲にすることなく、単位時間内での割出し可能回数の向上を図ることが課題となる。このことは、本発明が慣性との戦いであることを意味するものでもある。
上記課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明は次のような解決手段を採用する。
本発明の分割された環状を呈するセクタワークの内周側加工用の機構分割式無心インデックス装置は、所定位置に固定設置する下部テーブルと、この下部テーブルに対して取外し自在に取り付ける上部テーブルとからなる2層構造の加工テーブルを備え、下部テーブルに駆動機構を組み付けるとともに、上部テーブルに駆動機構によって駆動されるジグ機構を組み付けてなり、この際のジグ機構は、特定サイズのセクタワークを搭載して円弧線上に配置された多数個のガイドローラによって形成される所定半径の円弧軌道に沿って往復移動可能なスライダと、継脱自在のカップリング機構を介して駆動機構によって正方向および逆方向に回転駆動されるインデックスプーリとを備え、また、この際のスライダは、異なるサイズのセクタワークを搭載するための複数のアダプタプレートを備えるとともに、インデックスプーリは、多数個のガイドローラによって形成される円弧軌道の外側から回転方向に従って相互に反対動作をする巻取り側と繰出し側との2本の鋼索を介してスライダを往復駆動する構成を有し、この結果として、加工対象となるセクタワークの大幅なサイズ変更に際しては、ジグ機構をカップリング機構を介して駆動機構から分離することによって上部テーブルごと異なるサイズのセクタワークに対応するようにセットされた別のジグ機構と交換可能であるとともに、加工対象となるセクタワークの小幅なサイズ変更に際しては、スライダのアダプタプレートを交換することによって対応可能としたことを特徴とする分割された環状を呈するセクタワークの内周側加工用の機構分割式無心インデックス装置。
あることを特徴とする
あることを特徴とする
上記解決手段について説明する。本発明の機構分割式無心インデックス装置は、その名称に示されるように、機械的には心無し構造である。つまり、心無し形状であるセクタワークを心無し形状のまま、直接に割り出ししようという発想である。この点、有心のジグを介在させて汎用のインデックス装置を利用していた従来方法と根本的に異なる。これは、大半径のセクタワークを搭載するための大半径の有心ジグの慣性から解放されるための構成であり、これにより高速割出し動作の可能性が機構的に担保される。
また、本発明の機構分割式無心インデックス装置は、基本的に、割出動作に必要な動力を送り出す側の駆動機構と、送り出された動力を受けて作動するジグ機構とからなり、この駆動機構とジグ機構とには、分離可能な構成が採用されている。
単位時間当たりの位置決め回数(割出し動作回数)を増加させるには、単位時間内に高頻度でジグ機構の加速と減速とを繰り返す必要がある。このためには、ジグ機構の慣性質量を削減することの他に、強力なサーボ能力を有する強力な駆動機構が必要とされる。
本発明のインデックス装置におけるジグ機構は、円弧線上に配置された多数個のガイドローラによって案内されるスライダと、2本の鋼索を介してスライダを往復駆動するインデックスプーリとからなる。このようなジグ機構の構成は、慣性質量を極限まで削減しようとする努力の成果であり、また、慣性質量を削減するために、特定のサイズのセクタワーク用に特化した専用のものとされる。これによって、高速の割出し動作の可能性が構成的に担保されることになるが、この結果としてセクタワークのサイズが異なる毎にジグ機構をそのサイズ専用のものに交換する必要が生じる。
ここで、重要なことは、単に、セクタワークのサイズが異なるといっても、僅かに異なる場合と、大幅に異なる場合とがあるということである。本発明は、この2つの場合について、それぞれ異なる方法で最適に対応することができる構成を含んでいることが特徴である。
無心のセクタワークを高速で間欠駆動する上で必要であるために採用された上記複数の構成部材からなるジグ機構の交換に際して、個々の構成部品ごとに交換作業を行ったのでは、交換段取り作業に過大な時間を要し、高速での割出し動作をすることの利点が相殺されてしまう結果になる。この問題に対するスマートな解答が本発明の採用するところの、加工テーブルを下部テーブルと下部テーブルとの2層構造とし、下部テーブルに対して上部テーブルを取外し自在とする構成である。
すなわち、2層構造とされた加工テーブルのうち、取外し自在である上部テーブルにジグ機構を組み付けるとともに、駆動機構は、固定の下部テーブル側に組み込まれる。これにより、ジグ機構を上部テーブルごと異サイズのセクタワークのジグ機構に交換することが可能であり、この際の段取り作業は、下部テーブルの所定位置に別の上部テーブルを固定するのみの単純作業とすることができるのである。一方で、下部テーブル側に残された駆動機構は、そのまま交換したジグ機構を駆動するのに用いることができるので、合理的かつ経済的でもある。なお、このような交換作業を実施する上で必要な駆動機構とジグ機構の連結または分離は、駆動機構の出力軸とジグ機構のインデックスプーリとの間に介装されたカップリング機構により実現される。
上記、ジグ機構を上部テーブルごと異サイズのセクタワーク用に予めセットされたジグ機構に交換する方法は、専ら、加工対象となるセクタワークのサイズが大幅に異なる場合に選択される方法である。ただし、この方法は、セクタワークの小幅なサイズ変更の場合においても有効であることは無論であるが、作業内容が上部テーブルの交換という簡素な内容に要約されているとは言っても、加工対象の僅かのサイズ変更に対してジグ機構全体を交換することは、大作業に過ぎるという問題が残る。
上記問題に対して、本発明は、セクタワークを搭載するためのスライダに、異なるサイズのセクタワークを搭載するための複数のアダプタプレートを付属させることによって対応している。セクタワークのサイズが異なることによって問題とされることは、その半径が異なることである。したがって、この際のアダプタプレートとは、多数個のガイドローラによって形成されるスライダの円弧軌道と同心であって異なる半径位置にセクタワークを搭載する、いわば、スライダの延長部材としての意義を有するものである。この結果、スライダ自体の円弧軌道は変わらないものの、アダプタプレートを介してスライダに搭載されたセクタワークは、スライダとは別の搭載されたセクタワークの半径に対応した円弧軌道を描くように駆動され、半径方向に揃って正しく放射状配置されたスロット溝の加工が可能になる。この方法は、スライダにセクタワークのサイズに応じたアダプタプレートを固定するのみの極めて簡単な作業によって実施することができる。
本発明の機構分割式無心インデックス装置は、2本の鋼索によって特定サイズのセクタワーク専用のスライダをガイドローラ列に沿って往復駆動する構成により、高頻度での割出し動作に必要な間欠運動系の慣性質量を最小限に抑えることができる。この結果、単位時間当たりの割出し動作回数を大幅に向上させることが可能であり、このことは、そのままセクタワークに対するスロット溝加工作業効率の大幅な向上をもたらした。一方、特定サイズのセクタワークに特化させることによって軽量化を図ったジグ機構は、異サイズのセクタワークに適合できないという問題に関しては、加工テーブルをジグ機構を搭載する上部テーブルと、駆動機構を搭載する下部テーブルとの2層構造とし、上部テーブルごとジグ機構を交換可能とする斬新な発想によって異サイズのセクタワークにも簡単にかつ短時間で適合することが可能とされた。
また、本来は特定サイズのセクタワークを搭載するためのスライダに、異なるサイズのセクタワークを搭載することができる複数のアダプタプレートを付属させることによって、セクタワークの小幅なサイズ変更に対しては、ジグ機構を交換するまでもなく、スライダにアダプタプレートを取り付けるより簡便な方法によって対応することができるので、加工効率の一層の改善成果をもたらすことができる。
以下、図面を引用しながら本発明の機構分割式無心インデックス装置(以下本欄において単に「インデックス装置」という。)の実施の形態例を説明する。
本発明のインデックス装置M1は、一定の基準で選択される適切な形式のパンチプレス装置M2と組み合わせて使用される(図1)。この際のパンチプレス装置M2の選択基準は、大きな打ち抜き能力は要求されないものの、精密であること、イナーシャが小さく動作が高速であること、機幅が狭いことである。ここで、図示のパンチプレス装置M2について簡単に説明しておく。
パンチプレス装置M2は、左右一対の側板21,21間に複数のクロスメンバ22…を横設して内部スペースを確保する構成とした幅寸法を抑えたフレーム20を有する。フレーム20の内部スペースには、動力の伝達経路順に、駆動モータ2M、減速機23、クランク機構24、プレスラム25が配設され、プレスラム25の下端に可動型であるポンチ26が取り付けられている。また、プレスラム25の下方には、ポンチ26に対応する固定型であるダイ27が配置されている。なお、このパンチプレス装置M2は、図示しない精密級のリニヤ送り装置上に設置され、前後方向に移動可能とされていることが設置上の特徴である。
本発明のインデックス装置M1は、以下に説明するように、パンチプレス装置M2に対して、セクタワークEを割出し移動させながら短時間内に順次に必要な加工位置を提供することを目的とする装置である。したがって、装置全体としては、パンチプレス装置M2用のジグとして認識することも、パンチプレス装置M2と組み合わせて用いる間欠送り装置として認識することも、本発明のように、インデックス装置M1として認識することもできる構成である。そして、このことは、本発明のインデックス装置M1が既製の装置の範疇にそのまま属することができない独自のものであることを示唆している。
インデックス装置M1は、断面角型の型鋼材94…を縦横に組み合わせてなる堅固な架台90によって所定の高さ位置に支持された2層構造の加工テーブル80を備える。加工テーブル80のパンチプレス装置M2側の中央部分は、コ字形に大きく繰り欠かれ、この部分にリニヤ送り装置上に設置されたパンチプレス装置M2が進入することができる構成である。加工テーブル80を移動可能とせずにパンチプレス装置M2を移動可能としている理由は、加工テーブル80の左右の側方に、セクタワークEを加工テーブル80上に供給するための図示しないローダ装置、および加工済みのセクタワークEを加工テーブル80上から取り出すための図示しないアンローダ装置を接続する必要があるためである。
加工テーブル80は、ボックス構造の下部テーブル81と、下部テーブル81上に直接重ねるように設置させる単板構造の上部テーブル82とからなる(図1,図2)。下部テーブル81には、インデックス装置M1の駆動源となる駆動機構70が組み込まれ、上部テーブル82には、駆動機構70によって駆動されるジグ機構60が組み付けられている。
駆動機構70は、段付きの特殊な出力軸75を取り付けたACサーボモータそのものである。一方、ジグ機構60は、多くの部材から構成される。ジグ機構60の主要部材は、特定のセクタワークEの半径相当を半径とする円弧線上に一定ピッチで配列された多数個のガイドローラ61…に案内されて移動可能なスライダ62である。その他の部材は、駆動機構70からスライダ62に至る動力伝達系をなす部材と、スライダ62の動作を安定化させることを目的とする部材である。
スライダ62は、円弧形に形成され、スライダ62上面には、セクタワークEを位置決めするための4個の突当てチャック6T…が取り付けられている。4個の突当てチャック6T…は、搭載するセクタワークEのU字ノッチU…に対応して配置されている(図5)。各突当てチャック6Tは、衣類のボタンのような形状を有し、セクタワークEのU字ノッチU…の部分を押し込む簡単な操作によってセクタワークEの位置決めすると同時に、その浮き上がりを防止する機能を有する。
具体的に、ジグ機構60を構成するその他も部材として主要なものは、インデックスプーリ65である(図1,図2)。インデックスプーリ65は、複数の重量軽減孔を形成したディスク面の中心部にテーパ孔6Hを形成したボス部6Mを備える。また、外周の巻き胴部6Dは、ごく浅い鍔によって上下2段に区画されている。インデックスプーリ65は、ボス部6Mの下端面に固定するアダプタリング6Rを介して上部テーブル82の座繰り孔に落とし込まれた状態で位置決めされている(図2,図3)。
インデックスプーリ65とスライダ62とは、一端を巻き胴部6Dに固定するとともに、他端をスライダ62に固定するテープ状の2本の鋼索6Bを介して連結されている。この際の2本の鋼索6Bは、たすき掛け状態とされ、スライダ62がガイドプーリ61…に沿っていずれの方向に進行する場合にも、進行側の鋼索6Bを繰り出すとともに、反対側の鋼索6Bを等量巻き取る動作によってスライダ62を間欠駆動する仕組みである。これは、スライダ62に不要な慣性質量を負荷することなくスライダ62に動力を伝達するための工夫である。すなわち、鋼索6Bの慣性質量は無視し得る大きさであると言える。
その他、ジグ機構60には、スライダ62とセクタワークEとの接触状態を安定化させるためのマグネットセッタを位置決めさせる機能を有する空圧式のプシャ63…等が含まれる(図1)。
上部テーブル82に搭載されたジグ機構60と、下部テーブル81に組み込まれた駆動機構70とは、ジグ機構60のインデックスプーリ65と、駆動機構70の出力軸75との間に介装するカップリング機構50を介して連結される(図2,図3)。
カップリング機構50は、摺割り付きの円筒状キー5Kを備えるテーパチャック部材51と、回り止めキーを備えるキ―部材52とからなる。カップリング機構50は、駆動機構70の出力軸75上に、インデックスプーリ65のボス部6Mに形成されたテーパ孔6Hを位置決めし、次いで、上部テーブル82を下部テーブル81上に載せた状態において、テーパ孔6H内に円筒状キー5Kを挿入してボス部6Mの上端面にテーパチャック部材51全体をネジ止めするとともに、出力軸75に形成されたキー溝7Kにキ―部材52を嵌め込むことによって、インデックスプーリ65と駆動機構70の出力軸75とを確実に求心連結することができる(図2)。
上記連結操作は、駆動機構70の出力軸75と、インデックスプーリ65のテーパ孔6Hを一致させて行えば、必然的に出力軸75の中心を基準点として上部テーブル82と下部テーブル81とが正確に位置決めされることになるので、非常に容易である。ただし、基準点以外の箇所の位置は定まらない。しかし、この時点では、上部テーブル82の全重量は、下部テーブル81によって支持されている状態である。したがって、後は、出力軸75を回転軸として上部テーブル82を旋回させる簡単な操作によって、上部テーブル82と下部テーブル81の全体位置を所定位置に定めることができる。駆動機構70の出力軸75がロケータピンを兼ねているとは、このことを指している。
上記駆動機構70とジグ機構60との連結操作を別の観点から見れば、本発明のインデックス装置M1においては、上部テーブル82ごと交換することを条件とすれば、あるジグ機構60を別のジグ機構60の簡単に交換できることを意味する(図4)。なお、同図は、ジグ機構60を上部テーブル82ごと別のジグ機構60に交換する際のイメージを示している。
多数のジグ部材の集合体であるジグ機構60を上記のように簡単に、しかも、個々のジグ部材単位での位置決め作業を要することなく、予め位置決めされたジグ機構60手早く交換できるメリットは、通常は一体物である加工テーブル80を上部テーブル82と下部テーブル81とに分離可能とした本発明特有の構成によってのみもたらされる。これによって、段取りに手間取ることなく多様なサイズのセクタワークEに簡単に対応することが可能である。
本発明は、スライダ62にアダプタプレート64を取付け可能にすることによって、セクタワークEのサイズ変更幅が小幅なものに過ぎない場合には、上記のようにジグ機構60を交換するまでもなく、スライダ62にアダプタプレート64を取る付け、アダプタプレート64を介してセクタワークEをスライダ62に搭載することによって対応することもできる(図5)。
この際のアダプタプレート64は、スロット溝を加工する以前のセクタワークEを幅広に形成したものに相当する形状である。ただし、その板厚はセクタワークEよりも厚く、スライダ62の4個の突当てチャック6T…に対応するU字ノッチ6U…を備える。また、アダプタプレート64には、搭載する小サイズのセクタワークEのU字ノッチU…に対応する位置に突当てチャック6T…が設けられる。
アダプタプレート64は、スライダ62に対してセクタワークEを搭載する場合と同様に位置決めした後、ネジ止めして使用される。この状態において、スライダ62の突当てチャック6T…に対して、アダプタプレート64に設けられた突当てチャック6T…は、セクタワークEの加工中心側に変位して位置している。すなわち、アダプタプレート64を介してスライダ62に搭載されるセクタワークEは、スライダ62に直接搭載されるセクタワークEよりも内周側にせり出して搭載されることになる。これにより、変位量相当小半径のセクタワークEをジグ機構60を交換することなく手早く加工することができるし、原状に復帰させることも容易である。なお、このようなアダプタプレート64は、セクタワークEに応じて簡単に製作することができるので、規格外のいかなる変則的なサイズ変更にも短時間で対応することができるという利点もある。
E セクタワーク
M1 インデックス装置
50 カップリング機構
60 ジグ機構
6B 鋼索
65 インデックスプーリ
60 ジグ機構
61 ガイドローラ
62 スライダ
64 アダプタプレート
70 駆動機構
75 出力軸
80 加工テーブル
81 下部テーブル
82 上部テーブル
M1 インデックス装置
50 カップリング機構
60 ジグ機構
6B 鋼索
65 インデックスプーリ
60 ジグ機構
61 ガイドローラ
62 スライダ
64 アダプタプレート
70 駆動機構
75 出力軸
80 加工テーブル
81 下部テーブル
82 上部テーブル
Claims (1)
- 所定位置に固定設置する下部テーブルと、該下部テーブルに対して取外し自在に取り付ける上部テーブルとからなる2層構造の加工テーブルを備え、前記下部テーブルに駆動機構を組み付けるとともに、前記上部テーブルに前記駆動機構によって駆動されるジグ機構を組み付けてなり、
前記ジグ機構は、特定サイズのセクタワークを搭載して円弧線上に配置された多数個のガイドローラによって形成される所定半径の円弧軌道に沿って往復移動可能なスライダと、継脱自在のカップリング機構を介して前記駆動機構によって正方向および逆方向に回転駆動されるインデックスプーリとを備え、
前記スライダは、異なるサイズのセクタワークを搭載するための複数のアダプタプレートを備えるとともに、前記インデックスプーリは、前記多数個のガイドローラによって形成される円弧軌道の外側から回転方向に従って相互に反対動作をする巻取り側と繰出し側との2本の鋼索を介して前記スライダを往復駆動し、
加工対象となるセクタワークの大幅なサイズ変更に際しては、前記ジグ機構を前記カップリング機構を介して前記駆動機構から分離することによって前記上部テーブルごと異なるサイズのセクタワークに対応するようにセットされた別のジグ機構と交換可能であるとともに、
加工対象となるセクタワークの小幅なサイズ変更に際しては、前記スライダの前記アダプタプレートを交換することによって対応可能としたことを特徴とする分割された環状を呈するセクタワークの内周側加工用の機構分割式無心インデックス装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112388018A (zh) * | 2020-11-18 | 2021-02-23 | 山东艾泰克环保科技股份有限公司 | 一种车载空滤固定孔自动开孔设备 |
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2014
- 2014-08-01 JP JP2014166956A patent/JP2016034693A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112388018A (zh) * | 2020-11-18 | 2021-02-23 | 山东艾泰克环保科技股份有限公司 | 一种车载空滤固定孔自动开孔设备 |
CN112388018B (zh) * | 2020-11-18 | 2021-09-14 | 山东艾泰克环保科技股份有限公司 | 一种车载空滤固定孔自动开孔设备 |
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