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JP2009273202A - 積層鉄心の製造方法および製造装置、並びに積層鉄心 - Google Patents

積層鉄心の製造方法および製造装置、並びに積層鉄心 Download PDF

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JP2009273202A JP2008119779A JP2008119779A JP2009273202A JP 2009273202 A JP2009273202 A JP 2009273202A JP 2008119779 A JP2008119779 A JP 2008119779A JP 2008119779 A JP2008119779 A JP 2008119779A JP 2009273202 A JP2009273202 A JP 2009273202A
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Abstract

【課題】生産性の高い積層鉄心の製造方法および製造装置、並びに積層鉄心を提供する。
【解決手段】環状に並ぶ複数の鉄心片2からなる環状鉄心片3を複数積層して固定した積層鉄心1を、一方向へ搬送される被加工板Wから前記鉄心片2を打ち抜きつつ製造する積層鉄心の製造方法である。当該製造方法は、同一の環状鉄心片3を構成する複数の鉄心片2の少なくとも1つの円弧角が、同一の環状鉄心片3を構成する他の鉄心片2の円弧角と異なるように前記被加工板Wから前記鉄心片2を順次打ち抜く。更に、当該鉄心片2の打ち抜き毎に一定回転する受け台35上に、前記打ち抜かれた鉄心片2を環状に順次並べつつ積層する。
【選択図】図12

Description

本発明は、複数の鉄心片をカシメ結合した積層鉄心の製造方法および製造装置、並びに積層鉄心に関する。
従来より、周方向に複数に分割された板材である円弧状の鉄心片を、周方向の繋ぎ目の位相をずらしつつ、いわゆるレンガ積みにした積層鉄心が用いられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の鉄心では、積層鉄心の外周に積層方向に延びて形成されるキー溝にキーを嵌めることで、円弧状の鉄心片同士を固定している。
平3−155346号公報
しかし、特許文献1の積層鉄心では、周方向の繋ぎ目の位相をずらしつつ積層してキーを嵌める必要があるため、生産性が低い。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、生産性の高い積層鉄心の製造方法および製造装置、並びに積層鉄心を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る積層鉄心の製造方法は、環状に並ぶ複数の鉄心片からなる環状鉄心片を複数積層して固定した積層鉄心を、一方向へ搬送される被加工板から前記鉄心片を打ち抜きつつ製造する積層鉄心の製造方法である。当該製造方法は、同一の環状鉄心片を構成する複数の鉄心片の少なくとも1つの円弧角が、同一の環状鉄心片を構成する他の鉄心片の円弧角と異なるように前記被加工板から前記鉄心片を順次打ち抜く。更に、当該鉄心片の打ち抜き毎に一定回転する受け台上に、前記打ち抜かれた鉄心片を環状に順次並べつつ積層する。
上記目的を達成する本発明に係る積層鉄心の製造装置は、環状に並ぶ複数の鉄心片からなる環状鉄心片を複数積層して固定した積層鉄心を、一方向へ搬送される被加工板から前記鉄心片を打ち抜きつつ製造する積層鉄心の製造装置である。当該装置は、同一の環状鉄心片を構成する複数の鉄心片の少なくとも1つの円弧角が、同一の環状鉄心片を構成する他の鉄心片の円弧角と異なるように前記被加工板から前記鉄心片を順次打ち抜く鉄心片打ち抜き部を有する。更に、当該装置は、前記鉄心片の打ち抜き毎に一定の回転角だけ回転し、前記鉄心片打ち抜き部により打ち抜かれた前記鉄心片が環状に順次並べられる受け台を有している。
上記目的を達成する本発明に係る積層鉄心は、環状に並ぶ複数の鉄心片からなる環状鉄心片を複数積層して固定した積層鉄心を、一方向へ搬送される被加工板から前記鉄心片を打ち抜きつつ製造した積層鉄心である。当該積層鉄心は、同一の環状鉄心片を構成する複数の鉄心片の少なくとも1つの円弧角が、同一の環状鉄心片を構成する他の鉄心片の円弧角と異なり、積層方向に互いに重なる鉄心片同士が、周方向にずれて配置されている。
上記のように構成した本発明に係る積層鉄心の製造方法は、同一の環状鉄心片を構成する複数の鉄心片の少なくとも1つの円弧角が、他の鉄心片と異なり、かつ受け台の回転角が一定であるため、受け台上で鉄心片を積層すると、互いに重なる鉄心片がずれて積層される。したがって、容易に周方向の繋ぎ目の位相をずらすことができ、生産性に優れている。
上記のように構成した本発明に係る積層鉄心の製造装置は、同一の環状鉄心片を構成する複数の鉄心片の少なくとも1つの円弧角が、他の鉄心片と異なるように打ち抜く鉄心片打ち抜き部と、一定の回転角で回る受け台が設けられているため、受け台上で鉄心片を積層すると、互いに重なる鉄心片がずれて積層される。したがって、容易に周方向の繋ぎ目の位相をずらすことができ、生産性に優れている。
上記のように構成した本発明に係る積層鉄心は、同一の環状鉄心片を構成する複数の鉄心片の少なくとも1つの円弧角が、他の鉄心片の円弧角と異なり、かつ積層方向に互いに重なる鉄心片同士が周方向にずれて配置されているため、容易に周方向の繋ぎ目の位相をずらして製造でき、生産性に優れている。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る積層鉄心の製造装置により製造された積層鉄心を示す平面図、図2は、同積層鉄心を示す側面図、図3は、図1のIII−III線に沿う単一層の断面図である。
第1実施形態における積層鉄心1は、電動機の回転子側に用いられる積層回転子鉄心であり、16個の磁石装着孔4を有する磁石付き環状回転子の構成要素である。積層鉄心1は、図1,2に示すように、5つに分割された円弧状鉄心片2a,2b(鉄心片)を環状に並べた環状鉄心片3を複数積層して形成される。
円弧状鉄心片2(以下、2a,2bを総じて2と称する。)のうちの4個の円弧状鉄心片2bには、周方向に並ぶ3つの磁石装着孔4が形成され、1個の円弧状鉄心片2aには、周方向に並ぶ4つの磁石装着孔4が形成されている。
すなわち、積層鉄心1は、n(=3)個の磁石装着孔4を備えたi(=4)枚の円弧状鉄心片2bと、(n+1)個の磁石装着孔4を備えた1枚の円弧状鉄心片2aを並べて構成された環状鉄心片3が積層されて、下式により設定されるm(=16)個の磁石装着孔4を有して形成される。
m=i×n+(n+1) ・・・式(1)
それぞれの磁石装着孔4の近傍には、1つのパイロット孔5(パイロット部)と、2つのカシメ部6が形成されている。したがって、3つの磁石装着孔4を有する円弧状鉄心片2bには、3つのパイロット孔5と、6つのカシメ部6が形成され、4つの磁石装着孔4を有する円弧状鉄心片2aには、4つのパイロット孔5と、8つのカシメ部6が形成される。カシメ部6は、図3に示すように一方面側へ半抜きされて形成されており、一方面側にカシメ凸部7が形成され、他方側にカシメ凹部8が形成される。ここで半抜きとは、不完全に打ち抜いてカシメ凸部7とカシメ凹部8を形成することを意味し、図3のように表裏に貫通せずとも、または部分的に貫通していてもよい。
磁石装着孔4、パイロット孔5および2つのカシメ部6は、円弧状鉄心片2を環状に並べて環状鉄心片3を構成した際に、22.5(=360/m)度毎に配置されている。
各々の円弧状鉄心片2の外周には、磁石装着孔4の間に切り込み部9が形成され、バリアエリアを形成して磁束を調整する役割を果たしている。
互いに重なる環状鉄心片3は、周方向の円弧状鉄心片2同士の繋ぎ目10が周方向にずれて、いわゆるレンガ積みに所定枚数積層されており、本実施形態では、22.5度の位相ずれαを有して積層されている。
22.5度の位相ずれαを有して環状鉄心片3を積層すると、上述したように、磁石装着孔4、パイロット孔5および2つのカシメ部6が22.5度毎に配置されているため、磁石装着孔4、パイロット孔5およびカシメ部6のそれぞれの位置が、積層方向に一致する。したがって、磁石装着孔4およびパイロット孔5は、環状鉄心片3の一方側から他方側へ貫通し、カシメ部6は、互いに重なるカシメ凹部8にカシメ凸部7が嵌合して連結される。
なお、積層方向一方最外側の環状鉄心片3を構成する円弧状鉄心片2では、外側にカシメ部6が突出しないよう、カシメ部6の代わりに貫通孔11が形成されることが好ましい。
次に、第1実施形態に係る積層鉄心の製造装置20について説明する。
図4は、第1実施形態に係る積層鉄心の製造装置を示す平面図、図5は、図4のV−V線に沿う断面図、図6は、図4のVI−VI線に沿う断面図である。
本実施形態に係る積層鉄心の製造装置20は、被加工板Wを順送りしつつ非連続に円弧状鉄心片2を打ち抜き、打ち抜かれた円弧状鉄心片2を順次並べて積層する装置である。ここで非連続とは、順次打ち抜かれる複数の円弧状鉄心片2が連結しておらず、すなわち、被加工板Wから所定の間隔を有して材料取りされることを意味している。
被加工板Wは、ロール形態に巻かれた鋼板から引き出された帯状鋼板である。被加工板Wからは、円弧状鉄心片2が一列に並んで材料取りされる。被加工板Wにおける円弧状鉄心片2の材料取りする位置は、打ち抜かれる円弧状鉄心片2の周方向端部が、被加工板Wの両縁部側に位置する。
製造装置20は、図4,5に示すように、順送りの金型装置を含んでおり、異なる加工を行う複数のステーションS1〜S7が一列に並んで配置されることで、被加工板Wを順送りしつつ、各ステーション毎の加工を金型の一動作で同時に行うことができる。製造装置20は、制御部21を有しており、この制御部21により、各ステーションS1〜S7の動作が制御される。
ステーションS1は、カシメ部成形ステーションS1であり、上型22には、円弧状鉄心片2のカシメ部6に対応する数の半抜きポンチ24が設けられ、下型23に同数の半抜き孔部25が設けられる。カシメ部成形ステーションS1では、上型22と下型23が近接することで、被加工板Wを半抜きポンチ24および半抜き孔部25により半抜き加工し、カシメ部6を成形する。カシメ部成形ステーションS1は、制御部21により、加工する円弧状鉄心片2に応じて作動および不作動が制御可能となっている。なお、カシメ部成形ステーションS1では、いずれの円弧状鉄心片2a,2bも、円弧角の最も大きい円弧状鉄心片2aに対応した数(本実施形態では8個)のカシメ部6が形成される。
ステーションS2は、貫通孔打ち抜きステーションS2であり、上型22には、円弧状鉄心片2aのカシメ部6に対応する数(本実施形態では8個)の貫通孔打ち抜きポンチ27が設けられ、下型23に同数の貫通孔打ち抜き孔部28が設けられる。貫通孔打ち抜きステーションS2では、上型22と下型23が近接することで、被加工板Wを貫通孔打ち抜きポンチ27および貫通孔打ち抜き孔部28により打ち抜き加工し、カシメ部6に対応する位置に貫通孔11を成形する。貫通孔打ち抜きステーションS2は、加工する円弧状鉄心片2に応じて、作動および不作動が制御部21により制御可能となっている。
ステーションS3は、パイロット部打ち抜きステーションS3であり、上型22には、円弧状鉄心片2aのパイロット孔5に対応する数(本実施形態では4個)のパイロット打ち抜きポンチ29が設けられ、下型23に同数のパイロット打ち抜き孔部30が設けられる。パイロット部打ち抜きステーションS3では、上型22と下型23が近接することで、被加工板Wをパイロット打ち抜きポンチ29およびパイロット打ち抜き孔部30により打ち抜き加工し、パイロット孔5を成形する。
ステーションS4は、磁石装着孔打ち抜きステーションS4であり、上型22には、円弧状鉄心片2aの磁石装着孔4に対応する数(本実施形態では4個)の磁石装着孔打ち抜きポンチ31が設けられ、下型23に同数の磁石装着孔打ち抜き孔部32が設けられる。磁石装着孔打ち抜きステーションS4では、上型22と下型23が近接することで、被加工板Wを磁石装着孔打ち抜きポンチ31および磁石装着孔打ち抜き孔部32により打ち抜き加工し、磁石装着孔4を成形する。
ステーションS5は、第1側部打ち抜きステーションS5であり、上型22には、円弧状鉄心片2bの周方向の両側部を打ち抜く第1側部打ち抜きポンチ43が設けられ、下型23に同数の第1側部打ち抜き孔部44が設けられる。第1側部打ち抜きステーションS5では、上型22と下型23が近接することで、被加工板Wを第1側部打ち抜きポンチ43および第1側部打ち抜き孔部44により打ち抜き加工する。
第1側部打ち抜きステーションS5は、円弧状鉄心片2bを加工するものであり、5回のうち4回稼動するように、作動および不作動が制御部21により制御可能となっている。第1側部打ち抜きステーションS5が稼働すると、ステーションS1〜S4において最も円弧角の大きい円弧状鉄心片2aに対応して形成されたカシメ部6、貫通孔11、パイロット孔5および磁石装着孔4のうち、余分なカシメ部6、貫通孔11、パイロット孔5および磁石装着孔4を含む部位が打ち抜かれる。
ステーションS6は、第2側部打ち抜きステーションS6であり、上型22には、円弧状鉄心片2aの周方向の両側部を打ち抜く第2側部打ち抜きポンチ45が設けられ、下型23に同数の第2側部打ち抜き孔部46が設けられる。第2側部打ち抜きステーションS6では、上型22と下型23が近接することで、被加工板Wを第2側部打ち抜きポンチ45および第2側部打ち抜き孔部46により打ち抜き加工する。
第1側部打ち抜きステーションS6は、円弧状鉄心片2aを加工するものであり、5回のうち1回稼動するように、作動および不作動が制御部21により制御可能となっている。第2側部打ち抜きステーションS6が稼働すると、最も円弧角の大きい円弧状鉄心片2aに対応して、周方向の両側部が打ち抜かれる。
ステーションS7は、環状積層カシメステーションS7(鉄心片打ち抜き部)であり、図5,6に示すように、上型22には、円弧状鉄心片2aの輪郭を打ち抜く鉄心片打ち抜きポンチ51が設けられる。鉄心片打ち抜きポンチ51には、打ち抜く円弧状鉄心片2aのパイロット孔5に対応する位置に下方へ延びるパイロットピン52が形成される。下型23には、円弧状鉄心片2aの輪郭に対応する形状の鉄心片打ち抜き孔部34が設けられる。鉄心片打ち抜き孔部34の下方には、打ち抜かれた円弧状鉄心片2を受ける受け台35が設けられており、受け台35には、上方からパイロットピン52が挿入可能なパイロット逃げ孔54が形成される。受け台35は、受け台35の下方に設けられて水平面で回転可能な回転台38に載置されている。また、受け台35と回転台38の間には、ばね55により、上方へ向かって受け台35の下面に付勢された付勢部56が設けられており、付勢部56から上方へ延びる保持ピン57が、受け台35を貫通している。付勢部56は、周方向に複数に分割されて設けられており、本実施形態では、1つの磁石装着孔4、1つのパイロット孔5および2つのカシメ部6で1組となる22.5度毎に分割されている。したがって、分割された各々の付勢部56が、独立して上下に移動可能となっている。
受け台35は、回転台38により水平面で回転可能となっており、回転台38は、昇降可能に設けられる。回転台38の下方には、ばね部材やシリンダー等からなる反力発生機構(不図示)が設けられる。受け台35は、回転台38の外径よりも大きな大径部58を有している。回転台38は、インデックスハンドラによって、一回のプレス動作に応じて一定回転する構造となっている。一回の回転角β[度]は、下式(2)により設定される。
β=360×(n/m) ・・・式(2)
ここで、nは、円弧状鉄心片2bに形成される磁石装着孔4の数(n=3)であり、mは、積層鉄心1に形成される磁石装着孔4の数(m=16)である。したがって、回転角βは、67.5度である。
受け台35の下方には、受け台35が下降すると大径部58の下面に接して受け台35の下降を規制する下降規制部40が形成されている。
保持ピン57は、円弧状鉄心片2により環状に構成される環状鉄心片3のカシメ部6と一致する配置で、付勢部56に周方向に設けられ、そのうちの8本が、鉄心片打ち抜きポンチ51により1つずつ打ち抜かれる円弧状鉄心片2の下方に位置する。他の保持ピン57は、受け台35が回転することで、鉄心片打ち抜きポンチ51の下方に位置することができる。なお、保持ピン57は、必ずしもカシメ部6の数と一致して設けられる必要はなく、カシメ部6の数よりも少なくてもよい。
また、受け台35に形成されるパイロット逃げ孔54は、円弧状鉄心片2により環状に構成される環状鉄心片3のパイロット孔5と一致する配置で、受け台35に周方向に設けられ、そのうちの4つが、鉄心片打ち抜きポンチ51により1つずつ打ち抜かれる円弧状鉄心片2の下方に位置する。他のパイロット逃げ孔54は、受け台35が回転することで、鉄心片打ち抜きポンチ51の下方に位置することができる。
受け台35の側方には、受け台35の上部で製造された積層鉄心1を搬出する搬出機構42が設けられる。搬出機構42は、例えば制御部21により駆動が制御されるエアシリンダーである。
次に、第1実施形態に係る積層鉄心の製造装置20の作用を説明する。
図7は、第1実施形態に係る積層鉄心の製造装置により円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図、図8は、図7のVIII−VIII線に沿う断面図、図9は、同断面における円弧状鉄心片を打ち抜いた際を示す断面図、図10は、2つ目の円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図、図11は、5つ目の円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図である。
図12は、異なる層の円弧状鉄心片の積層に移行する際を示す平面図、図13は、図12のXIII−XIII線に沿う断面図、図14は、同断面における円弧状鉄心片を打ち抜いてカシメ積層した際を示す断面図、図15は、同断面における所定層数の円弧状鉄心片の積層が終了して積層鉄心が構成された際を示す断面図、図16は、同断面における構成された積層鉄心から保持ピンを引き抜いて搬出する際を示す断面図である。
本実施形態に係る積層鉄心の製造装置20に搬入された被加工板Wは、図4,5に示すように、始めにカシメ部成形ステーションS1に順送りされる。しかし、積層鉄心1の最下層を構成する始めの5つの円弧状鉄心片2にはカシメ部6は形成されないため、ステーションS1における加工は行われずに、貫通孔打ち抜きステーションS2に順送りされる。ここで最下層とは、受け台35と接する側の層を意味している。
貫通孔打ち抜きステーションS2に順送りされた始めの5つの円弧状鉄心片2は、貫通孔打ち抜きポンチ27により打ち抜き加工され、カシメ部6に対応する位置に貫通孔11が成形される(貫通孔打ち抜き行程)。
次に、被加工板Wはパイロット部打ち抜きステーションS3に順送りされ、パイロット打ち抜きポンチ29により打ち抜き加工されて、パイロット孔5が成形される(パイロット孔打ち抜き行程)。
次に、被加工板Wは磁石装着孔打ち抜きステーションS4に順送りされ、磁石装着孔打ち抜きポンチ31により打ち抜き加工されて、磁石装着孔4が成形される(磁石装着孔打ち抜き行程)。
次に、被加工板Wは第1側部打ち抜きステーションS5に順送りされる。第1側部打ち抜きステーションS5は、円弧状鉄心片2bの周方向の両側部を打ち抜くものであり、始めの円弧状鉄心片2aを加工する際には稼働されず、この後の4つの円弧状鉄心片2bを加工する際に稼動される。ステーションS1〜S4では、最も円弧角の大きい円弧状鉄心片2aに対応して、カシメ部6、貫通孔11および磁石装着孔4が打ち抜かれているため、第1側部打ち抜きステーションS5では、円弧状鉄心片2bに対応するように、余分なカシメ部6、貫通孔11および磁石装着孔4を含む部位が除かれる。この後も、5回のうち4回稼動して、円弧状鉄心片2bの周方向両側部が打ち抜かれる。
次に、被加工板Wは第2側部打ち抜きステーションS6に順送りされる。第2側部打ち抜きステーションS6は、円弧状鉄心片2aの周方向の両側部を打ち抜くものであり、始めの円弧状鉄心片2aを加工する際に稼働し、この後の4つの円弧状鉄心片2bを加工する際には稼動しない。この後も、5回のうち1回稼動して、円弧状鉄心片2aの周方向両側部が打ち抜かれる。
この後、被加工板Wは環状積層カシメステーションS7に順送りされ、図7〜9に示すように、鉄心片打ち抜きポンチ51により円弧状鉄心片2aが打ち抜き加工される。これにより、鉄心片打ち抜きポンチ51により打ち抜かれた円弧状鉄心片2aが受け台35に押し付けられる(鉄心片打ち抜き工程)。このとき、打ち抜かれた円弧状鉄心片2aのパイロット孔5およびパイロット逃げ孔54にパイロットピン52が挿入されて、円弧状鉄心片2が高精度に環状の位置決めがなされる。更に、保持ピン57は、先端が鉄心片打ち抜きポンチ51により押されて後退しつつも、ばね55により上方へ付勢されている。受け台35に接する円弧状鉄心片2には、カシメ部6が形成されていないため、受け台35上に良好に保持される。
この後、鉄心片打ち抜きポンチ51が上方へ戻ると、パイロットピン52も上方へ戻るが、保持ピン57がばね55により上方へ移動して円弧状鉄心片2aの貫通孔11を貫通する。これにより、受け台35に接する最下層の円弧状鉄心片2aが、高精度に環状の位置決めがなされる。
この後、図10に示すように、受け台35を、回転角βである67.5度だけ回転させる。このとき、保持ピン57により高精度に環状の位置決めがなされているため、受け台35が回転しても円弧状鉄心片2の位置精度を良好に保持できる。
更に、順送りされる被加工板WからステーションS2〜S6により順次加工される最下層の4つの円弧状鉄心片2bを、環状積層カシメステーションS7にて順次打ち抜きつつ、鉄心片打ち抜き工程毎に受け台35を一定回転させて、図11に示すように環状に並べる。このとき、各々の円弧状鉄心片2は、貫通孔11にパイロットピン52が挿入されて受け台35上に保持される。なお、鉄心片打ち抜きポンチ51および鉄心片打ち抜き孔部34は、円弧角の大きい円弧状鉄心片2aに対応した形状で形成されているが、被加工板W上の円弧状鉄心片2bの周方向側部が、第1側部打ち抜きステーションS5により打ち抜かれているため、円弧角の小さい円弧状鉄心片2bをも良好に打ち抜くことができる。なお、円弧状鉄心片2bの周方向側部の一方側のみではなく、両側が打ち抜かれているため、打ち抜きの際の荷重バランスを適切にすることができる。
同一の環状鉄心片3を構成する5つの円弧状鉄心片2を全て受け台35に並べた後は、次の層を構成する円弧状鉄心片2の積層に移行する。このときの受け台35の回転角βは、図12に示すように、同一層の円弧状鉄心片2を並べる際と変わることなく、67.5度である。このように、円弧角の異なる円弧状鉄心片2a,2bが同一の環状鉄心片3に含まれており、かつ積層する際の回転角が常に一定であるため、層が変わることで、周方向の円弧状鉄心片2同士の繋ぎ目10が位相ずれαを有することとなる。すなわち、同一の環状鉄心片3を構成する5つの円弧状鉄心片2は、並べられることで360度の環形状を呈するが、この5つ分の円弧状鉄心片2を打ち抜く際に、受け台35は、回転角β(67.5度)に5回を乗じた337.5度のみしか回転せず、360度と一致しないため、この差から位相ずれα(=22.5度)が生じることとなる。
なお、最下層以降の円弧状鉄心片2は、最下層の円弧状鉄心片2の加工と異なり、カシメ部成形ステーションS1においてカシメ部6が形成された後、貫通孔打ち抜きステーションS2は稼働されずに、貫通孔11が形成されない。この後、ステーションS3〜S6が、最下層の円弧状鉄心片2の際と同様に稼働されて、パイロット孔5、磁石装着孔4が形成された円弧状鉄心片2aおよび円弧状鉄心片2bが順次加工される。
環状積層カシメステーションS7に順送りされた被加工板Wは、図13,14に示すように、鉄心片打ち抜きポンチ51により打ち抜き加工される(鉄心片打ち抜き工程)。これにより、打ち抜かれた円弧状鉄心片2のパイロット孔5および、その下の層の円弧状鉄心片2のパイロット孔5の両方にパイロットピン52が挿入されて、2層目の円弧状鉄心片2が下層の円弧状鉄心片2に対して高精度に環状の位置決めがなされる。さらに、2層目の円弧状鉄心片2のカシメ凸部7が下層の貫通孔11に嵌合し、1層目と2層目の円弧状鉄心片2が高精度に位置決めされた状態でカシメ結合して固定される(環状積層カシメ工程)。このとき、回転台38の下方の反力発生機構(不図示)により、打ち抜かれた円弧状鉄心片2は反力を受けるため、最適な力でカシメ結合される。
また、受け台35にはパイロット逃げ孔54が設けられるため、パイロットピン52が受け台35から干渉を受けず、高精度な位置決めが可能である。また、カシメ結合の際には、保持ピン57はカシメ凸部7により下方へ押されて後退し、カシメ結合に干渉しない。
この後、鉄心片打ち抜きポンチ51が上方へ戻ると、パイロットピン52も上方へ戻るが、既に重なる円弧状鉄心片2同士がカシメ結合により固定されているため、円弧状鉄心片2の位置決めが高精度に保持される。
なお、2層目が積層されると、保持ピン57は後退した状態のままとなるが、その先端部が貫通孔11に部分的に挿入されて、円弧状鉄心片2を保持している。
この後、受け台35を鉄心片打ち抜き工程毎に一定の回転角βで回転させつつ、順送りされる被加工板WをステーションS1、S3〜7により順次加工して、円弧状鉄心片2を下層の円弧状鉄心片2とカシメ結合して積層する。なお、3層目以降の円弧状鉄心片2のカシメ凸部7は、その下層のカシメ凹部8に対して嵌合してカシメ結合することとなる。
図15に示すように、予め設定された層数の環状鉄心片3が積層されて積層鉄心1が構成されると積層が終了する。
この後、図16に示すように回転台38を下方へ移動させると、大径部58が下降規制部40と接して受け台35の下降が規制されることで、保持ピン57が貫通孔11から完全に後退する。これにより、積層鉄心1は、回転台38上で水平方向に滑らかに移動可能となる。この後、受け台35に残された積層鉄心1を、搬出機構42により側方へ押し出して搬出する。
本実施形態に係る積層鉄心の製造装置20によれば、同一の環状鉄心片3を構成する複数の円弧状鉄心片2の少なくとも1つが、他の円弧状鉄心片2bと円弧角が異なるため、回転角βを一定に保ったまま積層することで、位相ずれαを有しつつ積層鉄心1を製造できる。したがって、位相ずれαを設けるために回転台38の回転角を変則的に間欠回転制御する必要がなく、複雑な構造が不要であるため、設備を安価に実現できる。また、加工が変則的でないため、生産性が向上する。
また、円弧状鉄心片2aと円弧状鉄心片2bの円弧角の差が、磁石装着孔4の1つ分のみであるため、円弧状鉄心片2aと円弧状鉄心片2bの円弧角の差が大きくなり過ぎない。そのため、被加工板Wから効率よく円弧状鉄心片2aおよび円弧状鉄心片2bの両方を材料取りすることができ、歩留りがよい。なお、円弧状鉄心片2aと円弧状鉄心片2bの円弧角の差を、磁石装着孔4の複数分に一致するようにすることもできる。
また、本実施形態のように、積層鉄心1が、n個の磁石装着孔4を備えたi枚の円弧状鉄心片2bと、(n+1)個の磁石装着孔4を備えた1枚の円弧状鉄心片2aを並べて構成された環状鉄心片3が積層されて、m=i×n+(n+1)個の磁石装着孔を有するようにすることで、確実な位相ずれαを生じさせることができる。
また、本実施形態に係る製造装置20は、位相ずれαを与えつつ円弧状鉄心片2を積層するため、積層方向および周方向の円弧状鉄心片2同士をカシメ結合により固定でき、後工程で接合する必要もなく、コストを低減できるとともに、生産性に優れている。
<第2実施形態>
図17は、第2実施形態に係る積層鉄心の製造装置により製造された積層鉄心を示す平面図である。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する部位については同一の符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
本実施形態における積層鉄心60は、電動機の回転子側に用いられる積層回転子鉄心であり、15個の磁石装着孔4を有する磁石付き環状回転子の構成要素である。積層鉄心60は、図17に示すように、4つに分割された円弧状鉄心片62a,62b(鉄心片)を環状に並べた環状鉄心片63を複数積層して形成される。
円弧状鉄心片62(以下、62a,62bを総じて62と称する。)のうちの1個の円弧状鉄心片62aには、周方向に並ぶ3つの磁石装着孔4が形成され、3個の円弧状鉄心片62bには、周方向に並ぶ4つの磁石装着孔4が形成されている。
すなわち、積層鉄心60は、n(=1)個の磁石装着孔4を備えたi(=3)枚の円弧状鉄心片62bと、(n−1)個の磁石装着孔4を備えた1枚の円弧状鉄心片62aを並べて構成された環状鉄心片63が積層されて、下式(3)により設定されるm個の磁石装着孔を有して形成される。
m=i×n+(n−1) ・・・式(3)
磁石装着孔4、パイロット孔5および4つのカシメ部6は、円弧状鉄心片62を環状に並べて環状鉄心片63を構成した際に、24度毎に配置されている。
互いに重なる環状鉄心片63は、周方向の円弧状鉄心片62同士の繋ぎ目64が周方向にずれて、いわゆるレンガ積みに所定枚数積層されており、本実施形態では、24度の位相ずれαを有して積層されている。
次に、第2実施形態に係る積層鉄心の製造装置65について説明する。
図18は、第2実施形態に係る積層鉄心の製造装置を示す平面図である。
第2実施形態に係る積層鉄心の製造装置65は、第1実施形態のステーションS1〜S7に対応するステーションS1−2〜S7−2を備えている。
ステーションS1−2〜S4−2では、第1実施形態のステーションS1〜S4と同様に、カシメ部6、貫通孔11、パイロット孔5および磁石装着孔4が順次加工される。
第1側部打ち抜きステーションS5−2は、円弧状鉄心片62aを加工するものであり、4回のうち1回稼動するように、作動および不作動が制御部21により制御可能となっている。第1側部打ち抜きステーションS5−2が稼働すると、円弧状鉄心片62aに対応して、周方向の両側部が打ち抜かれる。
第2側部打ち抜きステーションS6−2は、円弧状鉄心片62bを加工するものであり、4回のうち3回稼動するように、作動および不作動が制御部21により制御可能となっている。第2側部打ち抜きステーションS6−2が稼働すると、円弧状鉄心片62bに対応して、周方向の両側部が打ち抜かれる。
環状積層カシメステーションS7−2は、第1実施形態と同様に、円弧角の大きい円弧状鉄心片62bの輪郭を打ち抜き、受け台35に円弧状鉄心片62を積層するものである。
受け台35の一回の回転角β[度]は、上述の式(2)により設定される。ここで、nは、円弧状鉄心片62bに形成される磁石装着孔4の数(n=4)であり、mは、積層鉄心60に形成される磁石装着孔の数(m=15)である。したがって、回転角βは、96度である。
次に、第2実施形態に係る積層鉄心の製造装置65の作用を説明する。
図19は、第2実施形態に係る積層鉄心の製造装置により円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図、図20は、2つ目の円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図、図21は、4つ目の円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図、図22は、異なる層の円弧状鉄心片の積層に移行する際を示す平面図、図23は、更に次の円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図である。
本実施形態に係る積層鉄心の製造装置65に搬入された被加工板Wは、図18に示すように、始めにカシメ部成形ステーションS1−2に順送りされる。しかし、積層鉄心60の最下層を構成する始めの4つの円弧状鉄心片62にはカシメ部6は形成されないため、ステーションS1−2における加工は行われずに、貫通孔打ち抜きステーションS2−2に順送りされる。
貫通孔打ち抜きステーションS2−2に順送りされた始めの4つの円弧状鉄心片62は、打ち抜き加工され、カシメ部6に対応する位置に貫通孔11が成形される(貫通孔打ち抜き行程)。
次に、被加工板Wはパイロット部打ち抜きステーションS3−2に順送りされ、打ち抜き加工されて、パイロット孔5が成形される(パイロット孔打ち抜き行程)。
次に、被加工板Wは磁石装着孔打ち抜きステーションS4−2に順送りされ、打ち抜き加工されて、磁石装着孔4が成形される(磁石装着孔打ち抜き行程)。
次に、被加工板Wは第1側部打ち抜きステーションS5−2に順送りされる。第1側部打ち抜きステーションS5−2は、円弧状鉄心片62aの周方向の両側部を打ち抜くものであり、始めの3つの円弧状鉄心片62bを加工する際には稼働せず、この後の1つの円弧状鉄心片62aを加工する際に稼動する。この後も、4回のうち1回稼動して、円弧状鉄心片62aの周方向両側部が打ち抜かれる。
次に、被加工板Wは第2側部打ち抜きステーションS6−2に順送りされる。第2側部打ち抜きステーションS6−2は、円弧状鉄心片62bの周方向の両側部を打ち抜くものであり、始めの3つの円弧状鉄心片62bを加工する際に稼働し、この後の1つの円弧状鉄心片62aを加工する際には稼動しない。この後も、4回のうち3回稼動して、円弧状鉄心片62bの周方向両側部が打ち抜かれる。
この後、図19に示すように、被加工板Wは環状積層カシメステーションS7−2に順送りされ、円弧状鉄心片62bが打ち抜き加工されて、受け台35上に並べられる。
この後、図20に示すように、受け台35を、回転角βである96度だけ回転させる。
更に、順送りされる被加工板WからステーションS2−2〜S6−2により順次加工された最下層の2つの円弧状鉄心片62bおよび1つ円弧状鉄心片62aを、環状積層カシメステーションS7−2にて順次打ち抜きつつ受け台35を一定の回転角βで回転させて、図21に示すように環状に並べる。
同一の環状鉄心片63を構成する4つの円弧状鉄心片62を全て受け台35に並べた後は、次の層を構成する円弧状鉄心片62の積層に移行する。このときの受け台35の回転角βは、図22に示すように、同一層の円弧状鉄心片62を並べる際と変わることなく、96度である。このように、円弧角の異なる円弧状鉄心片62a,62bが同一の環状鉄心片63に含まれており、かつ積層する際の回転角βが常に一定であるため、層が変わることで、周方向の円弧状鉄心片62同士の繋ぎ目64が位相ずれαを有することとなる。すなわち、同一の環状鉄心片63を構成する4つの円弧状鉄心片62は、並べられることで360度の環形状を呈するが、この4つ分の円弧状鉄心片62を打ち抜く際に、受け台35は、回転角β(96度)に4回を乗じた384度回転し、360度と一致しないため、この差から位相ずれα(=24度)が生じることとなる。
なお、最下層以降の円弧状鉄心片62は、最下層の円弧状鉄心片62の加工と異なり、カシメ部成形ステーションS1−2においてカシメ部6が形成された後、貫通孔打ち抜きステーションS2−2は稼働されずに、貫通孔11が形成されない。この後、ステーションS3−2〜S6−2が、最下層の円弧状鉄心片62の際と同様に稼働して、パイロット孔5、磁石装着孔4が形成された円弧状鉄心片62aおよび円弧状鉄心片62bが順次加工される。
環状積層カシメステーションS7−2に順送りされた被加工板Wは、鉄心片打ち抜きポンチ51により打ち抜き加工される(鉄心片打ち抜き工程)。これにより、2層目の円弧状鉄心片62のカシメ凸部7が下層の貫通孔11に嵌合し、1層目と2層目の円弧状鉄心片62が高精度に位置決めされた状態でカシメ結合して固定される(環状積層カシメ工程)。
この後、図23に示すように、受け台35を一定の回転角βで回転させつつ、順送りされる被加工板WをステーションS1−2、S3−2〜7−2により順次加工して、円弧状鉄心片62を下層の円弧状鉄心片62とカシメ結合して積層する。
この後、予め設定された層数の環状鉄心片63が積層されて積層鉄心60が構成されると積層が終了する。
本実施形態に係る積層鉄心の製造装置20によっても、第1実施形態と同様に、同一の環状鉄心片63を構成する複数の円弧状鉄心片62の少なくとも1つが、他の円弧状鉄心片62bと円弧角が異なるため、回転角βを一定に保ったまま積層することで、位相ずれαを有しつつ積層鉄心60を製造できる。したがって、位相ずれαを設けるために回転台38の回転角βを変則的に間欠回転制御する必要がなく、複雑な構造が不要であるため、設備を安価に実現できる。また、加工が変則的でないため、生産性が向上する。
また、円弧状鉄心片62aと円弧状鉄心片62bは、円弧角が、磁石装着孔4の1つ分のみ異なるものであるため、円弧状鉄心片62aと円弧状鉄心片62bの円弧角の差が大きくなり過ぎない。そのため、被加工板Wから効率よく円弧状鉄心片62aおよび円弧状鉄心片62bの両方を材料取りすることができ、歩留りがよい。なお、円弧状鉄心片62aと円弧状鉄心片62bの円弧角の差を、磁石装着孔4の複数分に一致するようにすることもできる。
また、本実施形態では、円弧角が大きい円弧状鉄心片62bが、円弧状鉄心片62aよりも多いため、被加工板Wから効率よく円弧状鉄心片62aおよび円弧状鉄心片62bを材料取りすることができ、第1実施形態よりも歩留りがよい。
また、本実施形態のように、積層鉄心60が、n個の磁石装着孔4を備えたi枚の円弧状鉄心片62bと、(n−1)個の磁石装着孔4を備えた1枚の円弧状鉄心片62aを並べて構成された環状鉄心片63が積層されて、m=i×n+(n−1)個の磁石装着孔を有するようにすることで、確実な位相ずれαを生じさせることができる。
<第3実施形態>
図24は、第3実施形態に係る積層鉄心の製造装置により製造された積層鉄心を示す平面図である。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する部位については同一の符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
第3実施形態における積層鉄心70は、電動機の固定子側に用いられる積層固定子鉄心であり、コイルが巻きつけられる24個のティースを有する固定子の構成要素である。積層鉄心70は、図24に示すように、5つに分割された円弧状鉄心片72a,72b(鉄心片)を環状に並べた環状鉄心片71を複数積層して形成される。
円弧状鉄心片72は、環状鉄心片の周方向に円弧状に延びる円弧状ヨーク部73、および円弧状ヨーク部73から突出してコイルが装着されるティース部74を有する。
円弧状鉄心片72(以下、72a,72bを総じて72と称する。)のうちの1個の円弧状鉄心片72aには、周方向に並ぶ4つのティース部74が形成され、4個の円弧状鉄心片72bには、周方向に並ぶ5つのティース部74が形成されている。
すなわち、積層鉄心70は、n(=5)個のティース部74を備えたi(=4)枚の円弧状鉄心片72bと、(n−1)個のティース部74を備えた1枚の円弧状鉄心片72aを並べて構成された環状鉄心片71が積層されて、下式(4)により設定されるm個のティース部74を有して形成される。
m=i×n+(n−1) ・・・式(4)
ティース部74、パイロット孔5および4つのカシメ部6は、円弧状鉄心片72を環状に並べて環状鉄心片71を構成した際に、15度(=360/m)毎に配置されている。
互いに重なる環状鉄心片71は、周方向の円弧状鉄心片72同士の繋ぎ目75が周方向にずれて、いわゆるレンガ積みに所定枚数積層されており、本実施形態では、15度の位相ずれαを有して積層されている。
次に、第3実施形態に係る積層鉄心の製造装置76について説明する。
図25は、第3実施形態に係る積層鉄心の製造装置を示す平面図である。
第3実施形態に係る積層鉄心の製造装置76は、第1実施形態のステーションS1〜S3、S5〜S7に対応するステーションS1−3〜S3−3、S5−3〜S7−3を備えている。なお、第3実施形態では、磁石装着孔は形成されないため、第1実施形態における磁石装着孔打ち抜きステーションS4に対応するステーションは設けられない。ティース部74は、環状積層カシメステーションS7−3による打ち抜きによって形成できるため、ティース部74を形成するための独立したステーションは設けられない。
ステーションS1−3〜S3−3では、カシメ部6、貫通孔11およびパイロット孔5が順次加工される。
第1側部打ち抜きステーションS5−3は、円弧状鉄心片72aを加工するものであり、5回のうち1回稼動するように、作動および不作動が制御部21により制御可能となっている。第1側部打ち抜きステーションS5−3が稼働すると、円弧状鉄心片72aに対応して、周方向の両側部が打ち抜かれる。
第2側部打ち抜きステーションS6−3は、円弧状鉄心片72bを加工するものであり、5回のうち4回稼動するように、作動および不作動が制御部21により制御可能となっている。第2側部打ち抜きステーションS6−3が稼働すると、円弧状鉄心片72bに対応して、周方向の両側部が打ち抜かれる。
環状積層カシメステーションS7−3は、第1実施形態と同様に、円弧状鉄心片72aの輪郭を打ち抜き、受け台35に円弧状鉄心片72を積層するものである。
受け台35の一回の回転角β[度]は、式(2)により設定される。ここで、nは、円弧状鉄心片72bに形成されるティース部74の数(n=5)であり、mは、積層鉄心70に形成されるティース部74の数(m=24)である。したがって、回転角βは、75度である。
次に、第3実施形態に係る積層鉄心の製造装置76の作用を説明する。
図26は、第3実施形態に係る積層鉄心の製造装置により円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図、図27は、2つ目の円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図、図28は、5つ目の円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図、図29は、異なる層の円弧状鉄心片の積層に移行する際を示す平面図である。
第3実施形態に係る積層鉄心の製造装置76に搬入された被加工板Wは、図25に示すように、始めにカシメ部成形ステーションS1−3に順送りされる。しかし、積層鉄心70の最下層を構成する始めの5つの円弧状鉄心片72にはカシメ部6は形成されないため、ステーションS1−3における加工は行われずに、貫通孔打ち抜きステーションS2−3に順送りされる。
貫通孔打ち抜きステーションS2−3に順送りされた始めの5つの円弧状鉄心片72は、カシメ部6に対応する位置に貫通孔11が成形される(貫通孔打ち抜き行程)。
次に、被加工板Wはパイロット部打ち抜きステーションS3−3に順送りされ、パイロット孔5が成形される(パイロット孔打ち抜き行程)。
次に、被加工板Wは第1側部打ち抜きステーションS5−3に順送りされる。第1側部打ち抜きステーションS5−3は、円弧状鉄心片72aの周方向の両側部を打ち抜くものであり、始めの4つの円弧状鉄心片72bを加工する際には稼働されず、この後の1つの円弧状鉄心片72aを加工する際に稼動される。この後も、5回のうち1回稼動されて、円弧状鉄心片72aの周方向両側部が打ち抜かれる。
次に、被加工板Wは第2側部打ち抜きステーションS6−3に順送りされる。第2側部打ち抜きステーションS6−3は、円弧状鉄心片72bの周方向の両側部を打ち抜くものであり、始めの4つの円弧状鉄心片72bを加工する際に稼働され、この後の1つの円弧状鉄心片72aを加工する際には稼動されない。この後も、5回のうち4回稼動して、円弧状鉄心片72bの周方向両側部が打ち抜かれる。
この後、図26に示すように、被加工板Wは環状積層カシメステーションS7−3に順送りされ、円弧状鉄心片72bが打ち抜き加工されて、受け台35上に並べられる。
この後、図27に示すように、受け台35を、回転角βである75度だけ回転させる。
更に、順送りされる被加工板WからステーションS2−3〜S6−3により順次加工された最下層の3つの円弧状鉄心片72bおよび1つ円弧状鉄心片72aを、環状積層カシメステーションS7−3にて順次打ち抜きつつ受け台35を一定の回転角βで回転させて、図28に示すように環状に並べる。
同一の環状鉄心片71を構成する5つの円弧状鉄心片72を全て受け台35に並べた後は、次の層を構成する円弧状鉄心片72の積層に移行する。このときの受け台35の回転角βは、図29に示すように、同一層の円弧状鉄心片72を並べる際と変わることなく、75度である。このように、円弧角の異なる円弧状鉄心片72a,72bが同一の環状鉄心片71に含まれており、かつ積層する際の回転角が常に一定であるため、層が変わることで、周方向の円弧状鉄心片72同士の繋ぎ目75が位相ずれαを有することとなる。すなわち、同一の環状鉄心片71を構成する5つの円弧状鉄心片72は、並べられることで360度の環形状を呈するが、この5つ分の円弧状鉄心片72を打ち抜く際に、受け台35は、回転角β(75度)に5回を乗じた375度回転し、360度と一致しないため、この差から位相ずれα(=15度)が生じることとなる。
なお、最下層以降の円弧状鉄心片72は、最下層の円弧状鉄心片72の加工と異なり、カシメ部成形ステーションS1−3においてカシメ部6が形成された後、貫通孔打ち抜きステーションS2−3は稼働されずに、貫通孔11が形成されない。この後、ステーションS3−3〜S6−3が、最下層の円弧状鉄心片72の際と同様に稼働して、パイロット孔5が形成された円弧状鉄心片72aおよび円弧状鉄心片72bが順次加工される。
環状積層カシメステーションS7−3に順送りされた被加工板Wは、打ち抜き加工される(鉄心片打ち抜き工程)。これにより、2層目の円弧状鉄心片72のカシメ凸部7が下層の貫通孔11に嵌合し、1層目と2層目の円弧状鉄心片72が高精度に位置決めされた状態でカシメ結合して固定される(環状積層カシメ工程)。
この後、受け台35を一定の回転角βで回転させつつ、順送りされる被加工板WをステーションS1−3、S3−3〜7−3により順次加工して、円弧状鉄心片72を下層の円弧状鉄心片72とカシメ結合して積層する。
この後、予め設定された層数の環状鉄心片71が積層されて積層鉄心70が構成されると積層が終了する。
第3実施形態に係る積層鉄心の製造装置76によっても、第1実施形態と同様に、同一の環状鉄心片71を構成する複数の円弧状鉄心片72の少なくとも1つが、他の円弧状鉄心片72bと円弧角が異なるため、回転角βを一定に保ったまま積層することで、位相ずれαを有しつつ積層鉄心70を製造できる。したがって、位相ずれαを設けるために回転台38の回転角βを変則的に間欠回転制御する必要がなく、複雑な構造が不要であるため、設備を安価に実現できる。また、加工が変則的でないため、生産性が向上する。
また、円弧状鉄心片72aと円弧状鉄心片72bは、円弧角が、ティース部74の1つ分のみ異なるものであるため、円弧状鉄心片72aと円弧状鉄心片72bの円弧角の差が大きくなり過ぎない。そのため、被加工板Wから効率よく円弧状鉄心片72aおよび円弧状鉄心片72bの両方を材料取りすることができ、歩留りがよい。なお、円弧状鉄心片72aと円弧状鉄心片72bの円弧角の差を、ティース部74の複数分に一致するようにすることもできる。
また、本実施形態では、円弧角が大きい円弧状鉄心片72bが、円弧状鉄心片72aよりも多いため、被加工板Wから効率よく円弧状鉄心片72aおよび円弧状鉄心片72bを材料取りすることができ、歩留りがよい。
また、本実施形態のように、積層鉄心70が、n個のティース部74を備えたi枚の円弧状鉄心片72bと、(n−1)個のティース部74を備えた1枚の円弧状鉄心片72aを並べて構成された環状鉄心片71が積層されて、m=i×n+(n−1)個のティース部74を有することで、確実な位相ずれαを生じさせることができる。
<第4実施形態>
図30は、第4実施形態に係る積層鉄心の製造装置を示す平面図である。
第4実施形態に係る積層鉄心の製造装置80は、被加工板W上で材料取りされる円弧状鉄心片82の配置が、第1〜3実施形態と異なる。すなわち、第1〜3実施形態では、円弧状鉄心片は、被加工板Wの両縁部側に周方向端部が位置するように材料取りしているが、第4実施形態では、被加工板Wの送り方向に周方向端部が位置するように材料取りしている。
第4実施形態によっても、同一の環状鉄心片を構成する複数の円弧状鉄心片82の少なくとも1つが、他の円弧状鉄心片82と円弧角が異なるため、回転角βを一定に保ったまま積層することで、位相ずれαを有しつつ積層鉄心を製造できる。
<第5実施形態>
図31は、第5実施形態に係る積層鉄心の製造装置を示す平面図である。
第5実施形態に係る積層鉄心の製造装置90は、第2実施形態のステーションS1−2〜S6−2に対応するカシメ部成形ステーションS1−5、貫通孔打ち抜きステーションS2−5、パイロット部打ち抜きステーションS3−5、磁石装着孔打ち抜きステーションS4−5、第1側部打ち抜きステーションS5−5、第2側部打ち抜きステーションS6−5が、一度のプレス加工で2つの加工形状T1〜T6を並んで加工するように設けられる。更に、環状積層カシメステーションS7−5は、順送方向に2つ並んで配置されている。
被加工板W上には、各ステーションS1−5〜S6−5で加工される同形状の加工形状T1〜T6が2つずつ並ぶこととなる。この加工形状T1〜T6の一方は、環状積層カシメステーションS7−5の一方で打ち抜かれて、残された他方は、環状積層カシメステーションS7−5の他方で打ち抜かれ、各々が別個の積層鉄心として2つの受け台35上に積層される。
第5実施形態に係る積層鉄心の製造装置90によれば、2つの積層鉄心を同時に積層(2連積層)するため、生産性を向上させて、加工費を低減できる。なお、構成を変更することで、更に多くの多連層構造とすることもできる。
また、ステーションS1−5〜S6−5における工程と、打ち抜いてカシメを行う環状積層カシメステーションS7−5における工程を、別型(別設備)で実施することもできる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、円弧状鉄心片は、帯状の板材から連続的に繋がった状態で打ち抜かれてもよい。また、パイロット機構は、磁石貫通孔に差し込まれるようにしたり、または円弧状鉄心片に差し込まれるパイロットピンとしての形態ではなく、円弧状鉄心片の輪郭を保持するように形成することもできる。また、鉄心片は、かならずしも円弧状でなくてもよく、さらに、パイロット孔やカシメ部の数が異なってもよい。また、互いに重なる円弧状鉄心片同士を、カシメ結合以外の方法で固定してもよい。
本発明の第1実施形態に係る積層鉄心の製造装置により製造された積層鉄心を示す平面図である。 同積層鉄心を示す側面図である。 図1のIII−III線に沿う単一層の断面図である。 第1実施形態に係る積層鉄心の製造装置を示す平面図である。 図4のV−V線に沿う断面図である。 図4のVI−VI線に沿う断面図である。 第1実施形態に係る積層鉄心の製造装置により円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図である。 図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。 同断面における円弧状鉄心片を打ち抜いた際を示す断面図である。 2つ目の円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図である。 5つ目の円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図である。 異なる層の円弧状鉄心片の積層に移行する際を示す平面図である。 図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。 同断面における円弧状鉄心片を打ち抜いてカシメ積層した際を示す断面図である。 同断面における所定層数の円弧状鉄心片の積層が終了して積層鉄心が構成された際を示す断面図である。 同断面における構成された積層鉄心から保持ピンを引き抜いて搬出する際を示す断面図である。 第2実施形態に係る積層鉄心の製造装置により製造された積層鉄心を示す平面図である。 第2実施形態に係る積層鉄心の製造装置を示す平面図である。 第2実施形態に係る積層鉄心の製造装置により円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図である。 2つ目の円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図である。 4つ目の円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図である。 異なる層の円弧状鉄心片の積層に移行する際を示す平面図である。 更に次の円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図である。 第3実施形態に係る積層鉄心の製造装置により製造された積層鉄心を示す平面図である。 第3実施形態に係る積層鉄心の製造装置を示す平面図である。 第3実施形態に係る積層鉄心の製造装置により円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図である。 2つ目の円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図である。 5つ目の円弧状鉄心片を打ち抜く際を示す平面図である。 異なる層の円弧状鉄心片の積層に移行する際を示す平面図である。 第4実施形態に係る積層鉄心の製造装置を示す平面図である。 第5実施形態に係る積層鉄心の製造装置を示す平面図である。
符号の説明
1,60,70 積層鉄心、
2,62,72,82 円弧状鉄心片(鉄心片)、
3,63,71 環状鉄心片、
4 磁石装着孔、
6 カシメ部、
10 繋ぎ目、
11 貫通孔、
20,65,76,80,90 製造装置、
35 受け台、
74 ティース部、
i 鉄心片の枚数、
m 積層鉄心における磁石装着孔の数,ティース部の数、
n 鉄心片における磁石装着孔の数,ティース部の数、
S5,S5−2,S5−3,S5−5 環状積層カシメステーション(鉄心片打ち抜き部)、
T1〜T6 加工形状、
W 被加工板、
α 位相ずれ、
β 回転角。

Claims (25)

  1. 環状に並ぶ複数の鉄心片からなる環状鉄心片を複数積層して固定した積層鉄心を、一方向へ搬送される被加工板から前記鉄心片を打ち抜きつつ製造する積層鉄心の製造方法であって、
    同一の環状鉄心片を構成する複数の鉄心片の少なくとも1つの円弧角が、同一の環状鉄心片を構成する他の鉄心片の円弧角と異なるように前記被加工板から前記鉄心片を順次打ち抜き、当該鉄心片の打ち抜き毎に一定回転する受け台上に、前記打ち抜かれた鉄心片を環状に順次並べつつ積層することを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  2. 前記打ち抜かれた鉄心片を、前記受け台上に環状に順次並べつつ、互いに重なる鉄心片同士をカシメて結合することを特徴とする請求項1に記載の積層鉄心の製造方法。
  3. 前記環状鉄心片を、磁石が装着される磁石装着孔またはコイルが装着されるティース部をn個備えたi枚の鉄心片と、前記磁石装着孔またはティース部を(n+1)個備えた1枚の鉄心片とを並べて構成し、下式により設定されるm個の磁石装着孔またはティース部を周方向に有する積層鉄心を製造することを特徴とする請求項1または2に記載の積層鉄心の製造方法。
    m=i×n+(n+1)
  4. 前記環状鉄心片を、磁石が装着される磁石装着孔またはコイルが装着されるティース部をn個備えたi枚の鉄心片と、前記磁石装着孔またはティース部を(n−1)個備えた1枚の鉄心片とを並べて構成し、下式により設定されるm個の磁石装着孔またはティース部を周方向に有する積層鉄心を製造することを特徴とする請求項1または2に記載の積層鉄心の製造方法。
    m=i×n+(n−1)
  5. 前記受け台の回転角β度は、下式により設定されることを特徴とする請求項3または4に記載の積層鉄心の製造方法。
    β=360×(n/m)
  6. 前記積層鉄心は、16個の磁石装着孔を有する環状回転子用の鉄心であり、3個の磁石装着孔を備えた4枚の鉄心片と、4個の磁石装着孔を備えた1枚の鉄心片を並べて前記環状鉄心片を構成することを特徴とする請求項3に記載の積層鉄心の製造方法。
  7. 前記積層鉄心は、15個の磁石装着孔を有する環状回転子用の鉄心であり、4個の磁石装着孔を備えた3枚の鉄心片と、3個の磁石装着孔を備えた1枚の鉄心片を並べて前記環状鉄心片を構成することを特徴とする請求項4に記載の積層鉄心の製造方法。
  8. 前記積層鉄心は、24個のティース部を有する環状固定子用の鉄心であり、5個のティース部を備えた4枚の鉄心片と、4個のティース部を備えた1枚の鉄心片を並べて前記環状鉄心片を構成したことを特徴とする請求項4に記載の積層鉄心の製造方法。
  9. 前記受け台を前記被加工板の搬送方向に複数設け、同一の被加工板から複数の鉄心片を同時に打ち抜きつつ前記受け台上に積層することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層鉄心の製造方法。
  10. 環状に並ぶ複数の鉄心片からなる環状鉄心片を複数積層して固定した積層鉄心を、一方向へ搬送される被加工板から前記鉄心片を打ち抜きつつ製造する積層鉄心の製造装置であって、
    同一の環状鉄心片を構成する複数の鉄心片の少なくとも1つの円弧角が、同一の環状鉄心片を構成する他の鉄心片の円弧角と異なるように前記被加工板から前記鉄心片を順次打ち抜く鉄心片打ち抜き部と、
    前記鉄心片の打ち抜き毎に一定の回転角だけ回転し、前記鉄心片打ち抜き部により打ち抜かれた前記鉄心片が環状に順次並べられる受け台と、を有することを特徴とする積層鉄心の製造装置。
  11. 前記打ち抜き部は、受け台上で積層方向に重なる前記鉄心片同士をカシメ結合する環状積層カシメステーションを含むことを特徴とする請求項10に記載の積層鉄心の製造装置。
  12. 前記環状鉄心片が、磁石が装着される磁石装着孔またはコイルが装着されるティース部をn個備えたi枚の鉄心片と、前記磁石装着孔またはティース部を(n+1)個備えた1枚の鉄心片とを並べて構成されており、下式により設定されるm個の磁石装着孔またはティース部を周方向に有する積層鉄心を製造することを特徴とする請求項10または11に記載の積層鉄心の製造装置。
    m=i×n+(n+1)
  13. 前記環状鉄心片が、磁石が装着される磁石装着孔またはコイルが装着されるティース部をn個備えたi枚の鉄心片と、前記磁石装着孔またはティース部を(n−1)個備えた1枚の鉄心片とを並べて構成されており、下式により設定されるm個の磁石装着孔またはティース部を周方向に有する積層鉄心を製造することを特徴とする請求項10または11に記載の積層鉄心の製造装置。
    m=i×n+(n−1)
  14. 前記受け台の回転角β度は、下式により設定されることを特徴とする請求項12または13に記載の積層鉄心の製造装置。
    β=360×(n/m)
  15. 前記積層鉄心は、16個の磁石装着孔を有する環状回転子用の鉄心であり、3個の磁石装着孔を備えた4枚の鉄心片と、4個の磁石装着孔を備えた1枚の鉄心片を並べて前記環状鉄心片が構成されることを特徴とする請求項12に記載の積層鉄心の製造装置。
  16. 前記積層鉄心は、15個の磁石装着孔を有する環状回転子用の鉄心であり、4個の磁石装着孔を備えた3枚の鉄心片と、3個の磁石装着孔を備えた1枚の鉄心片を並べて前記環状鉄心片が構成されることを特徴とする請求項13に記載の積層鉄心の製造装置。
  17. 前記積層鉄心は、24個のティース部を有する環状固定子用の鉄心であり、5個のティース部を備えた4枚の鉄心片と、4個のティース部を備えた1枚の鉄心片を並べて前記環状鉄心片が構成されることを特徴とする請求項13に記載の積層鉄心の製造方法。
  18. 前記受け台が前記被加工板の搬送方向に複数設けられ、同一の被加工板から複数の鉄心片を同時に打ち抜きつつ前記受け台上に積層することを特徴とする請求項10〜17のいずれか1項に記載の積層鉄心の製造装置。
  19. 環状に並ぶ複数の鉄心片からなる環状鉄心片を複数積層して固定した積層鉄心を、一方向へ搬送される被加工板から前記鉄心片を打ち抜きつつ製造した積層鉄心であって、
    同一の環状鉄心片を構成する複数の鉄心片の少なくとも1つの円弧角が、同一の環状鉄心片を構成する他の鉄心片の円弧角と異なり、積層方向に互いに重なる鉄心片同士が、周方向にずれて配置されたことを特徴とする積層鉄心。
  20. 前記積層方向に重なる鉄心片同士が、カシメ結合されていることを特徴とする請求項19に記載の積層鉄心。
  21. 前記環状鉄心片が、磁石が装着される磁石装着孔またはコイルが装着されるティース部をn個備えたi枚の鉄心片と、前記磁石装着孔またはティース部を(n+1)個備えた1枚の鉄心片とを並べて構成されており、下式により設定されるm個の磁石装着孔またはティース部を周方向に有することを特徴とする請求項19または20に記載の積層鉄心。
    m=i×n+(n+1)
  22. 前記環状鉄心片が、磁石が装着される磁石装着孔またはコイルが装着されるティース部をn個備えたi枚の鉄心片と、前記磁石装着孔またはティース部を(n−1)個備えた1枚の鉄心片とを並べて構成されており、下式により設定されるm個の磁石装着孔またはティース部を周方向に有することを特徴とする請求項19または20に記載の積層鉄心。
    m=i×n+(n−1)
  23. 前記積層鉄心は、16個の磁石装着孔を有する環状回転子用の鉄心であり、3個の磁石装着孔を備えた4枚の鉄心片と、4個の磁石装着孔を備えた1枚の鉄心片とを並べて構成された前記環状鉄心片を有することを特徴とする請求項21に記載の積層鉄心。
  24. 前記積層鉄心は、15個の磁石装着孔を有する環状回転子用の鉄心であり、4個の磁石装着孔を備えた3枚の鉄心片と、3個の磁石装着孔を備えた1枚の鉄心片とを並べて構成された前記環状鉄心片を有することを特徴とする請求項22に記載の積層鉄心。
  25. 前記積層鉄心は、24個のティース部を有する環状固定子用の鉄心であり、5個のティース部を備えた4枚の鉄心片と、4個のティース部を備えた1枚の鉄心片を並べて構成された前記環状鉄心片を有することを特徴とする請求項22に記載の積層鉄心。
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