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JP2016030288A - レーザ加工方法、および、板ガラスブランクスの製造方法 - Google Patents

レーザ加工方法、および、板ガラスブランクスの製造方法 Download PDF

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JP2016030288A
JP2016030288A JP2014154909A JP2014154909A JP2016030288A JP 2016030288 A JP2016030288 A JP 2016030288A JP 2014154909 A JP2014154909 A JP 2014154909A JP 2014154909 A JP2014154909 A JP 2014154909A JP 2016030288 A JP2016030288 A JP 2016030288A
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英紀 長田
Hidenori Osada
英紀 長田
寛文 松山
Hirofumi Matsuyama
寛文 松山
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Opi Co Ltd
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Abstract

【課題】単結晶サファイアなどで構成された高硬度の被加工物を効率良く加工することができる方法を提供する。
【解決手段】レーザ加工に用いるレーザ光2を透過する被加工物1を、レーザ光2によって加工するレーザ加工方法であって、被加工物1に向けて照射したレーザ光2をその光軸方向Zにおいて被加工物1の下面6に収束させることにより、レーザ光2の焦点位置Fpで多光子吸収を生じさせて被加工物1の材料を蒸発させるとともに、レーザ光2の光軸方向Zにおいて被加工物1の下面6から上面5に向かって焦点位置Fpを移動させることにより、被加工物1に貫通部7を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を用いて被加工物を加工するレーザ加工方法、および、板ガラスブランクスの製造方法に関する。
一般に、スマートフォンなどの携帯型電子機器のカバーガラスには化学強化ガラスが使用されている。ただし近年においては、スマートフォンなどのカバーガラスに単結晶サファイアガラス(以下、単に「サファイアガラス」という。)が採用されるようになってきている。その理由は、サファイアガラスは、カバーガラスに要求される耐熱性や耐食性、光透過性に優れるほか、化学強化ガラスよりも高い耐摩耗性を有するからである。ただし、サファイアガラスは、ダイヤモンドに次ぐ硬度を有するため、加工が非常に難しいという難点がある。
従来、単結晶サファイアはGaN(窒化ガリウム)系のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)の素子成長基板やSOS(Silicon on Sapphire)半導体素子成長基板に多く用いられている。これらの基板製造は以下のような方法で行っている。
成長結晶(以下、「Boule(ブール)」という)から基板(以下、Wafer「ウェーハ」という)を切り出す工程を説明する。
まず、成長初期の欠陥の集合体や不純分析出など単結晶として品質の劣るブールの上端と下端を除去する。これをクロッピング(Cropping)と呼ぶ。
次に、ブールから所定の径と長さの円柱形状(以下、「Ingot(インゴット)」という)を切り出す。円周先端部にダイアモンドチップを接合したカップ型の円筒ドリル(以下、「コアドリル」という)を高速回転させてくり抜く。この工程をコアリングと呼ぶ。くり抜く方向と角度は円筒端面がウェーハの主面方位となるようにする。
続いて、インゴット外周部の一部または複数の帯状領域をインゴット軸に平行に平面研削する。これはインゴット端面の法線に直交する一意の結晶軸を示すオリエンテーションフラットと呼ばれ、切断時に切断方向を選定するのに必要である。
次に、マルチワイヤソーを用いてインゴットをスライスすることにより、一つのインゴットから複数のウェーハを得る。マルチワイヤソーに関しては、ワイヤと材料の相対的位置は絶えず変化するから、ワイヤの切り込み方向と角度は微妙に変動するという本質的な課題がある。そのため、実際の加工では切断面からわずかに傾いたままワイヤが走行するトラッキングと呼ばれる現象が少なからず見受けられる。このような現象を低減する目的で、ワークを機械的に揺動したり(特許文献1)、ワークに超音波パルスを加えて圧縮性応力を相殺したりすることが試みられている。また、より高速の切断加工として、金属ワイヤを電極とし、ワイヤを送りながらワークとの間で放電するワイヤ放電が検討されている(特許文献2)。
特開2011−240449号公報 特開2014−8592号公報
しかしながら上述した従来の方法では、マルチワイヤソーを用いたスライス工程に長い時間がかかっている。
具体的には、マルチワイヤソーを用いてインゴットをスライスするには、ワイヤ線径を大きくして高張力かつ高速度でワイヤを送る事が望ましいが、線径が大きければカーフロスと呼ばれる材料の欠損が大きくなる。通常は芯線の径が180μm、ダイヤモンドの微粒子層を70μm固着した線径250μmのワイヤを使用することが一般的である。この場合、切断速度は単結晶サファイアの場合、4インチで10時間、6インチで15時間を要し、炭化ケイ素の場合だと4インチで20時間、6インチで40時間を要する。さらに、ダイヤモンド固着層は切断によって脱落するから、高い切断精度を維持するには1回の切断ごとにワイヤを交換する必要がある。それほど高い切断精度を要しない場合でも3〜5回の切断毎にワイヤ交換が必要となる。このため、ワイヤ交換にともなう工程時間のロス、ワイヤの費用が別途必要になる。
本発明の主な目的は、単結晶サファイアなどで構成された高硬度の被加工物を効率良く加工することができる技術を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
レーザ加工に用いるレーザ光を透過する被加工物を前記レーザ光によって加工するレーザ加工方法であって、
前記被加工物に向けて照射したレーザ光を該レーザ光の光軸方向において前記被加工物の一方の主表面に収束させることにより、前記レーザ光の焦点位置で多光子吸収を生じさせて前記被加工物の材料を蒸発させるとともに、前記レーザ光の光軸方向において前記被加工物の一方の主表面から他方の主表面に向かって前記焦点位置を移動させる
ことを特徴とするレーザ加工方法である。
本発明の第2の態様は、
前記レーザ光を走査しながら前記レーザ光の焦点位置を前記被加工物の一方の主表面から他方の主表面に向かって移動させる
ことを特徴とする上記第1の態様に記載のレーザ加工方法である。
本発明の第3の態様は、
前記被加工物の一方の主表面は、前記被加工物に向けて前記レーザ光を照射した際に、前記レーザ光の出射側に位置する主表面である
ことを特徴とする上記第2の態様に記載のレーザ加工方法である。
本発明の第4の態様は、
前記被加工物は円柱形をなし、
前記被加工物の中心軸を中心に前記被加工物を回転させるとともに、該回転中の前記被加工物に対して前記被加工物の中心軸と直交する方向から前記レーザ光を照射し、かつ、前記レーザ光の光軸方向において前記被加工物の一方の主表面から他方の主表面に向かって前記焦点位置を移動させる
ことを特徴とする上記第1〜第3の態様のいずれか一つに記載のレーザ加工方法である。
本発明の第5の態様は、
前記被加工物の主表面である外周面に前記レーザ光が入射したときの光学的な効果と逆の効果を果たす補正レンズを通して前記被加工物に前記レーザ光を照射する
ことを特徴とする上記第4の態様に記載のレーザ加工方法である。
本発明の第6の態様は、
前記被加工物は、単結晶サファイアまたは炭化珪素によって構成されている
ことを特徴とする上記第1〜第5の態様のいずれか一つに記載のレーザ加工方法である。
本発明の第7の態様は、
電子機器の表示面を覆うカバーガラス用の板ガラスブランクスの製造方法であって、
単結晶サファイアからなるブールの上端および下端を切除する第1工程と、
前記ブールからインゴットを切り出す第2工程と、
前記インゴットをスライスして前記板ガラスブランクスを得る第3工程と、を有し、
前記第2工程においては、レーザ加工によって前記インゴットを切り出し、
前記レーザ加工においては、前記ブールに向けて照射したレーザ光を前記ブールの上端または下端の主表面に収束させることにより、前記レーザ光の焦点位置で多光子吸収を生じさせて前記ブールの材料を蒸発させるとともに、前記レーザ光を走査しながら前記焦点位置を前記ブールの高さ方向に移動させる
ことを特徴とする板ガラスブランクスの製造方法である。
本発明の第8の態様は、
電子機器の表示面を覆うカバーガラス用の板ガラスブランクスの製造方法であって、
単結晶サファイアからなるブールの上端および下端を切除する第1工程と、
前記ブールからインゴットを切り出す第2工程と、
前記インゴットをスライスして前記板ガラスブランクスを得る第3工程と、を有し、
前記第3工程においては、レーザ加工によって前記インゴットをスライスし、
前記レーザ加工においては、前記インゴットの中心軸を中心に前記インゴットを回転させ、該回転中の前記インゴットに対して前記インゴットの中心軸と直交する方向から照射したレーザ光を前記インゴットの主表面に収束させることにより、前記レーザ光の焦点位置で多光子吸収を生じさせて前記インゴットの材料を蒸発させるとともに、前記レーザ光の光軸方向において前記インゴットの主表面から中心軸に向かって前記焦点位置を移動させる
ことを特徴とする板ガラスブランクスの製造方法である。
本発明によれば、単結晶サファイアなどで構成された高硬度の被加工物を効率良く加工することができる。
本発明の実施の形態に係るレーザ加工方法の一例を説明する概略図である。 レーザ光の焦点位置を移動させた場合の被加工物の状態の変化を時系列に示す図である。 本発明の実施の形態に係るレーザ加工方法を利用して直方体の被加工物を切断する場合の具体例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るレーザ加工方法を利用して直方体の被加工物を切断する場合の手順を説明する図である。 本発明の実施の形態に係るレーザ加工方法を利用して円柱形の被加工物を切断する場合の具体例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るレーザ加工方法を利用して円柱形の被加工物を切断する場合の手順を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る板ガラスブランクスの製造方法の手順を示すフローチャートである。 クロッピング工程の内容を説明する図である。 切り出し工程の内容を説明する図である。 スライス工程の内容を説明する図である。 レーザ加工で使用するレーザ加工装置の構成例を示す概略図である。 スライス工程に適用されるレーザ加工方法を説明する図である。 インゴットの切り出し形状の他の例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
(レーザ加工方法)
まず、本発明の実施の形態に係るレーザ加工方法について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るレーザ加工方法の一例を説明する概略図である。
図1においては、レーザ加工の対象となる被加工物1を直方体とし、この被加工物1をレーザ光2の照射によって加工する場合を想定している。被加工物1は、レーザ加工に用いるレーザ光2を透過する性質を有する。ここでは一例として被加工物1が単結晶サファイアによって構成されているものとする。レーザ加工に際して、レーザ光2は、集光レンズ3を通して被加工物1に照射される。このため、被加工物1に向かって照射されたレーザ光2のビーム径は、集光レンズ3の光学的な効果によって徐々に小さく絞られている。ここではレーザ光2のビーム径が最小になったところをレーザ光2の焦点位置Fpとする。そして、この焦点位置Fpでのレーザ光2のビーム径をスポット径という。
被加工物1の上面5および下面6は、レーザ光2の光軸J1に対してそれぞれ直角をなして配置されている。本明細書において、「レーザ光の光軸」とは、集光レンズ3から被加工物1に至り、この被加工物1を透過するまでのレーザ光2の光軸J1を意味するものとする。このため、レーザ光2の進行方向において、たとえば、集光レンズ3よりも上流側でレーザ光2がミラー等によって反射されていたとしても、レーザ光2の光軸J1は一義に決まることになる。
集光レンズ3から被加工物1に向けてレーザ光2を照射すると、このレーザ光2は、被加工物1の上面5に垂直に入射し、被加工物1の下面6から垂直に出射する。このため、被加工物1の上面5はレーザ光2の入射側に位置し、被加工物1の下面6はレーザ光2の出射側に位置することになる。また、被加工物1の上面5および下面6は、それぞれレーザ光2の光軸J1上に存在する被加工物1の主表面となる。
実際のレーザ加工では、まず、被加工物1に向けて照射したレーザ光2を、レーザ光2の光軸方向Z(以下、「Z方向」ともいう。)において、被加工物1の下面6に収束させる。これにより、レーザ光2の焦点位置Fpが被加工物1の下面6に合う。レーザ光2の焦点位置Fpでは、レーザ光2の収束によって光子密度が非常に高くなる。そして、レーザ光2のパワー密度が一定の閾値を超えると、被加工物1を構成している物質が多数個の光子を同時に吸収する多光子吸収(二光子吸収を含む)が起こる。
本発明のレーザ加工方法では、被加工物1にレーザ光2を照射したときに、被加工物1にレーザアブレーション(以下、単に「アブレーション」という。)を生じさせることができる短波長のパルスレーザを用いる。具体的には、ナノ秒レーザ、ピコ秒レーザ、フェムト秒レーザなどを用いることができる。被加工物1を構成している物質(本形態例では単結晶サファイア)がレーザ光2の焦点位置Fpで多光子吸収を起こすために必要なレーザ光の条件としては、たとえば、レーザ光の波長=1064nm、繰り返し周波数=500kHz、パワー=50W、パルス幅=10ps、パルスエネルギー=0.1mJ、ピークパワー=10MW、スポット径=30μmに集光したときのパワー密度=1.4TW(テラワット)/cmといった条件を挙げることができる。
上述のように被加工物1の下面6にレーザ光2の焦点位置Fpを合わせ、そこで多光子吸収を生じさせると、被加工物1の材料の一部がアブレーションによって蒸発する。このため、被加工物1の下面6に局所的な凹みが形成される。この凹みの大きさは、レーザ光2のスポット径によって変わる。アブレーションによって被加工物1の材料を蒸発させる場合は、蒸発させた材料を効率良く取り除くために、必要に応じて被加工部に圧縮ガスを吹き付けるとよい。被加工物1が酸化しやすい材料である場合は、不活性ガス(たとえば、窒素ガス)を吹き付けてもよい。
このようにレーザ光2の焦点位置Fpで多光子吸収を生じさせて被加工物1の材料を蒸発させたら、それに続いてレーザ光2の焦点位置Fpを被加工物1の下面6から上面5に向かって垂直に移動させる。具体的には、レーザ光2の光軸方向Zにおいて、集光レンズ3を含むレーザ光学系全体を上昇させるか、被加工物1を下降させることにより、レーザ光2の焦点位置Fpを移動させる。これにより、図2(A)〜(D)に時系列に示すように、被加工物1の内部がレーザ光2の焦点位置Fpの移動とともに削り取られる。そして、レーザ光2の焦点位置Fpが被加工物1の上面5に到達した段階で、被加工物1に貫通部7(図1を参照)が形成される。
上記のレーザ加工方法を利用すれば、被加工物1に貫通部7などを形成するだけでなく、被加工物1を切断することが可能となる。以下、2つの具体例を挙げて説明する。
(第1の具体例:被加工物が直方体の場合)
被加工物1が図3に示すような直方体の場合は、図中下向きの矢印で示すレーザ光2の光軸J1に対して、これと直交する方向(図中、左右方向)Xに被加工物1を往復移動させながら、上記同様にレーザ光2の焦点位置Fp(図2を参照)を被加工物の下面6から上面5に向かって移動させる。そうすると、被加工物1は以下のような手順で削り取られる。
まず、図4(A)に示すように、X方向において、被加工物1の下面6の左端にレーザ光2の焦点位置Fpを合わせる。このとき、被加工物1の側面でレーザ光2の一部が反射しても、焦点位置Fpでアブレーションが生じるようにレーザ光の条件を設定しておく。次に、X方向の一方に被加工物1を移動させることにより、図4(B)に示すように、レーザ光2の焦点位置Fpを被加工物1の右端まで移動させる。そうすると、被加工物1の下面6が焦点位置Fpの移動によって直線状に削り取られる。
次に、図4(C)に示すように、レーザ光2の焦点位置Fpを所定の量だけ上方に移動させる。所定の量とは、レーザスポット径を30μmに設定した時には、30μm程度が考えられる。次に、X方向の他方に被加工物1を移動させることにより、図4(D)に示すように、レーザ光2の焦点位置Fpを被加工物1の左端まで移動させる。そうすると、被加工物1の下面6が先ほどよりも深く削り取られる。
以降は、同様の動作の繰り返しによって被加工物1が徐々に深く削り取られていく。
したがって、X方向におけるレーザ光2の走査範囲を被加工物1の全幅W(図3参照)以上に設定し、この設定条件でレーザ光2をX方向に走査しながらレーザ光2の焦点位置Fpを被加工物1の上面5まで移動させることにより、図3のハッチングで示す位置で被加工物1を切断することもできる。
(第2の具体例:被加工物が円柱形の場合)
被加工物1aが図5に示すような円柱形の場合は、図中下向きの矢印で示すレーザ光2の光軸J1に対して、被加工物1aの中心軸J2が直交する向きに被加工物1aを配置する。そして、被加工物1aにレーザ光2を照射するときは、被加工物1aの中心軸J2と直交する方向からレーザ光2を照射する。この場合、レーザ光2の光軸J1上に存在する被加工物1aの外周面は、被加工物1aの主表面に相当する面となる。
レーザ加工に際しては、まず、図6(A)に示すように、レーザ光2の出射側に位置する被加工物1aの下側の外周面にレーザ光2の焦点位置Fpを合わせる。また、被加工物1aの中心軸J2を中心に被加工物1aを回転させる。これにより、被加工物1aの外周面が1周にわたって細い溝状に削り取られる。このとき削り取られる溝幅は、レーザ光2のスポット径によって変わる。次に、図6(B)の矢印で示すように、レーザ光2の焦点位置Fpを被加工物1aの下側の外周面(一方の主表面)から上側の外周面(他方の主表面)に向かって移動させる。そうすると、焦点位置Fpの移動にしたがって被加工物1aの外周面が中心軸J2に向かって徐々に深く削り取られていく。その後、図6(C)の矢印で示すように、レーザ光2の焦点位置Fpを被加工物1の中心軸J2まで移動させると、上記図5に示すハッチング位置で被加工物1aが完全に削り取られる。このため、レーザ光2の焦点位置Fpを被加工物1aの中心軸J2まで移動させることにより、上記図5のハッチングで示す位置で被加工物1aを切断することができる。
なお、上記第1の具体例においては、被加工物1をX方向に往復移動させるとしたが、これに限らず、レーザ光学系をX方向に往復移動させてもよい。
また、上記各具体例においては、被加工物1,1aに対してレーザ光2を垂直方向(上方)から照射しているが、これに限らず、レーザ光2を水平方向から照射してもよい。
また、被加工物1,1aの材料は、単結晶サファイアの他にも、レーザ加工に用いるレーザ光2を透過するものであればよく、たとえば、炭化珪素であってもよい。
また、レーザ光2の光軸方向Zで焦点位置Fpを移動させる場合は、上述した第1の具体例とは逆に、被加工物1の上面5に先にレーザ光2の焦点位置FPを合わせ、そこから被加工物1の下面6に向かって焦点位置Fpを移動させてもよい。ただし、本発明を実施するにあたっては、レーザ光2の焦点位置Fpを被加工物1の下面6から上面5に向かって移動させた方が好ましい。その理由は、以下のとおりである。
まず、被加工物1の上面5にレーザ光2の焦点位置Fpを合わせると、多光子吸収にともなうアブレーションによって被加工物1の上面5に局所的な凹みが形成される。また、そこからレーザ光2の焦点位置Fpを被加工物1の下面6に向かって移動させると、被加工物1の内部が徐々に深く削り取られていく。この場合は、レーザ光2の進行方向の上流側に被加工物1の凹み部分が存在し、それよりも下流側にレーザ光2の焦点位置Fpが存在することになる。このため、凹み部分の存在がレーザ光2の収束の仕方に光学的な影響を与えるおそれがある。
これに対して、レーザ光2の焦点位置Fpを被加工物1の下面6から上面5に向かって移動させる場合は、レーザ光2の焦点位置Fpよりも上流側(上方)に上記凹み部分が存在することがない。このため、凹み部分の存在がレーザ光2の収束の仕方に光学的な影響を与えるおそれがない。また、被加工物1は下面6から上面5に向かって削り取られるため、被加工部が下向きに開放された状態になる。このため、アブレーションによって蒸発させた被加工物1の材料を、重力の作用を利用してスムーズに取り除くことができる。この点は、上述した第2の具体例についても同様である。
(板ガラスブランクスの製造方法)
続いて、本発明の実施の形態に係る板ガラスブランクスの製造方法について説明する。
本発明の実施の形態においては、一例として、種々の電子機器の表示面のなかでも、特にスマートフォンに代表される携帯型電子機器の表示面を覆うためのカバーガラス用の板ガラスブランクスを製造する板ガラスブランクスの製造方法について説明する。
本実施の形態に係る板ガラスブランクスの製造方法は、カバーガラスやこれを用いたタッチパネルの原版となる板ガラスブランクスのガラス素材に、単結晶サファイアからなるサファイアガラスを用いるものである。板ガラスブランクスは、少なくとも一つのカバーガラスを平面的に並べることができる大きさに製造される。また、カバーガラスは、最終的には表面および裏面を研磨することによって仕上げられる。このため、後述するインゴットから板ガラスブランクスを切り出す場合は、最終的に得られるカバーガラスの厚み寸法によりも厚く板ガラスブランクスを切り出すことになる。
板ガラスブランクスの製造方法は、図7に示すように、クロッピング工程S1、研磨工程S2、切り出し工程S3、および、スライス工程S4を有する。
(クロッピング工程S1)
まず、図8(A)に示すように単結晶サファイアからなるブール10を結晶成長によって作製した後、図8(B)に示すようにブール10の上端および下端を切除する。結晶成長によって得られる単結晶サファイアのブール10には、外周部を含めて全体的に凹凸がついた柱状になっている。そこで、クロッピング工程S1では、ダイヤモンドの微粒子を先端部に固着した鋼製の外周刃または内周刃を備える加工機を用いて、ブール10の上端および下端をそれぞれ平面(平坦)に切除する。これにより、ブール19の上端および下端にそれぞれ平らな上端面11および下端面12が形成される。切除後のブール10の上端面11および下端面12は、互いに平行な平面となる。
(研磨工程S2)
次に、ブール10の少なくとも上端面11を研磨加工する。この研磨加工は、このあとの工程で被加工物にレーザ光を照射した際に、被加工物の上端面でのレーザ光の反射を抑制し、より多くのレーザ光を被加工物の内部に透過(入射)させるために行われる。
(切り出し工程S3)
次に、図9に示すように、ブール10から円柱形のインゴット14を切り出す。これにより、外径Dが一定のインゴット14が得られる。切り出し工程S3では、レーザ光を用いたレーザ加工によってブール10からインゴット14を切り出す。使用するレーザ加工装置の構成や具体的なレーザ加工方法については後述する。
(スライス工程S4)
次に、図10に示すように、インゴット14をスライスすることにより、円板状の板ガラスブランクス15を切り出す。スライス工程S4では、レーザ光を用いたレーザ加工によってインゴット10から板ガラスブランクス15を切り出す。使用するレーザ加工装置の構成や具体的なレーザ加工方法については後述する。
以上の工程により、板ガラスブランクス15が得られる。
(レーザ加工装置の構成)
図11はレーザ加工で使用するレーザ加工装置の構成例を示す概略図である。
図示したレーザ加工装置20は、レーザ発振器21と、伝搬光学系22と、ガルバノスキャナ23と、集光レンズ24と、ワーク保持機構25と、相対位置可変機構26と、を備えている。このうち、レーザ発振器21、伝搬光学系22、ガルバノスキャナ23および集光レンズ24は、一つのレーザ光学系27を構成している。
レーザ発振器21は、レーザ加工に用いる所定波長のレーザ光(レーザビーム)を出射するものである。レーザ発振器21は、たとえば、YAGレーザなどの固定レーザを用いて構成することができる。
伝搬光学系22は、レーザ発振器21から出射されたレーザ光を伝搬するものである。伝搬光学系22は、レーザ発振器21とガルバノスキャナ23の間に配置されている。
ガルバノスキャナ23は、伝搬光学系22によって伝搬されたレーザ光を複数のミラーによって反射させるとともに、各々のミラーの角度を適宜変更することにより予め決められた条件にしたがってレーザ光を走査するものである。ガルバノスキャナ23の走査用の駆動軸は、二軸構成または三軸構成になっている。
集光レンズ24は、ガルバノスキャナ23によって走査されるレーザ光を集光するものである。
ワーク保持機構25は、被加工物となるブール10を保持するものである。
相対位置可変機構26は、ワーク保持機構25に保持されたブール10とレーザ光学系27との相対位置をZ方向(上下方向)で変更するものである。
(切り出し工程でのレーザ加工)
続いて、切り出し工程S3に適用されるレーザ加工方法について説明する。切り出し工程S3においては、上記構成のレーザ加工装置20を用いる。
まず、被加工物となるブール10をワーク保持機構25により保持する。このとき、集光レンズ24を通して照射されるレーザ光28の光軸に対してブール10の中心軸J3が平行となるように、ワーク保持機構25によってブール10を保持する。これにより、ワーク保持機構25では、ブール10の上端面11が集光レンズ24に対向する状態で、ブール10が垂直姿勢に保持される。また、ブール10の上端面11は上向き、ブール10の下端面12は下向きに配置される。
次に、レーザ発振器21から所定波長のレーザ光を出射する。このレーザ光は、伝搬光学系22およびガルバノスキャナ23を経由して集光レンズ24に達し、さらにこの集光レンズ24を通してブール10に照射される。このとき、レーザ加工装置20の初期設定条件として、集光レンズ24で集光させたレーザ光28が、このレーザ光20の光軸上においてブール10の下端面12よりも下方で収束するように、ブール10とレーザ光学系27との相対位置を相対位置可変機構26により設定しておく。この初期設定条件のもとでは、ブール10から外れたところにレーザ光の焦点位置が存在する。
次に、上記初期設定条件のもとでガルバノスキャナ23により図中二点鎖線の矢印で示すようにレーザ光28を円形に走査する。レーザ光を走査するときの円の直径は、ブール10から切り出すインゴット14の外径D(図9を参照)にあわせて設定する。そして、ガルバノスキャナ23によりレーザ光28を円形に走査しながら、相対位置可変機構26によりブール10を集光レンズ24から遠ざかる方向、つまり下方に移動させる。これにより、集光レンズ24で集光させたレーザ光28をブール10の移動の途中でブール10の下端面12に収束させる。そうすると、ブール10の下端面12にレーザ光28の焦点位置(不図示)が合う。レーザ光28の焦点位置では、レーザ光28の収束によって光子密度が非常に高くなる。そして、レーザ光のパワー密度が一定の閾値を超えると、多光子吸収(二光子吸収を含む)が起こる。
上述のようにレーザ光の焦点位置となるブール10の下端面12で多光子吸収が起こると、ブール10の材料(原子、分子等)がアブレーションによって蒸発する。このため、ガルバノスキャナ23でレーザ光28を円形に走査すると、ブール10の下端面12がアブレーションによって円形(リング形)に削り取られる。また、ガルバノスキャナ23でレーザ光28を円形に走査しながら、相対位置可変機構26でレーザ光28の焦点位置をブール10の下端面12から上端面11に向かって徐々に移動させると、レーザ光の焦点位置の移動にしたがってブール10が深く削り取られていく。そして、レーザ光28の焦点位置がブール10の上端面11に到達したところで、ブール10からインゴット14(図9を参照)が切り離される。このため、ブール10から円柱形のインゴット14を切り出すことができる。このとき、インゴット14を取り出した後のブール10は、内部が円柱形にくり抜かれた状態になる。
なお、上記の形態例では、ガルバノスキャナ23を用いてレーザ光28を円形に走査することとしたが、本発明はこれに限らない。たとえば図示はしないが、レーザ光学系に回転ヘッド機構を設け、この回転ヘッド機構の駆動によってレーザ光を円形に走査する構成としてもよい。また、ブールを保持するワーク保持機構に回転機構を設け、この回転機構の駆動によってブールを回転させることによりレーザ光を円形に走査する構成としてもよい。
(スライス工程でのレーザ加工)
次に、スライス工程S4に適用されるレーザ加工方法について、図12を用いて説明する。図12(A)はレーザ加工中のインゴットを該インゴットの中心軸方向から見た図であり、図12(B)は(A)のE矢視図である。
図示したレーザ加工方法においては、上記構成のレーザ加工装置20とは異なるレーザ加工装置を用いている。具体的には、スライス工程S4ではレーザ加工中にレーザ光を走査する必要がないため、レーザ光学系の構成としてはガルバノスキャナを備えていなくてもよい。つまり、レーザ光学系としては、レーザ発振器、伝搬光学系、集光レンズを備えていればよい。また、レーザ光学系は、集光レンズ31に加えて補正レンズ32を備えていることが望ましい。その理由は後述する。
一方、ワーク保持機構(不図示)は、被加工物となる円柱形のインゴット14を保持するものであるが、この場合はインゴット14を水平に保持するものとする。また、相対位置可変機構(不図示)は、インゴット14をθ方向(またはそれと反対方向)に回転させる回転機構と、インゴット14をZ方向に移動させる移動機構(以下、「垂直移動機構」という。)と、インゴット14をY方向に移動させる移動機構(以下、「水平移動機構」という。)と、を備えるものとする。このうち、回転機構は、インゴット14の中心軸J4を中心にインゴット14を回転させるものである。また、垂直移動機構は、集光レンズ31からインゴット14に向けて照射されるレーザ光33の光軸と平行な方向(Z方向)にインゴット14を移動させるものであり、水平移動機構は、インゴット14の中心軸J4と平行な方向(Y方向)にインゴット14を移動させるものである。
補正レンズ32は、インゴット14の外周面にレーザ光33が入射したときの光学的な効果と逆の効果を果たすレンズである。インゴット14の外周面は、インゴット14の中心軸方向から見ると、レーザ光33に対して凸面となる。このため、インゴット14の外周面にレーザ光33を照射(入射)すると、レーザ光33の一部が上記凸面の影響を受ける。そこで本実施の形態では、インゴット14の凸面(外周面)の光学的な効果を弱める(打ち消す)ために、該凸面と凹凸関係が逆の凹面を有する補正レンズ32を付加している。インゴット14の凸面と補正レンズ32の凹面とは、インゴット14の中心軸方向から見たときの曲率が互いに等しいことが望ましい。この補正レンズ32を付加することにより、被加工物1の外周面(凸面)の影響を低減することができる。
実際にレーザ加工によってインゴット14をスライスする場合は、インゴット14をワーク保持機構により保持する。このとき、集光レンズ32を通して照射されるレーザ光33の光軸に対してインゴット14の中心軸J4が直交するように、インゴット14を水平に支持する。この状態では、レーザ光33の光軸J1上にインゴット14の中心軸J4が位置する。
次に、レーザ発振器(不図示)から所定波長のレーザ光を出射する。このレーザ光は、伝搬光学系(不図示)から集光レンズ31および補正レンズ32を通してインゴット14に照射される。このとき、レーザ加工装置の初期設定条件として、集光レンズ31で集光させたレーザ光33がZ方向においてインゴット14の下側の外周面よりも少し下方で収束するように、インゴット14とレーザ光学系との相対位置を垂直移動機構により設定しておく。また、Y方向においては、インゴット14の一方の端面を基準にして、板ガラスブランクスの厚み寸法に応じた量だけインゴット14の他方の端面側にずれた位置をスライス位置に設定し、このスライス位置にレーザ光33の光軸J1の位置を合わせる。この初期設定条件の下では、インゴット14から外れたところにレーザ光33の焦点位置(不図示)が存在する。
次に、上記初期設定条件の下でインゴット14をθ方向に回転させるとともに、該回転中のインゴット14に対してレーザ光33の焦点位置Fpを相対的に上方に移動させる。焦点位置Fpの移動は、垂直移動機構によってインゴット14を下降させることにより行う。これにより、上記図12に示すように、集光レンズ31で集光させたレーザ光33をインゴット14の下側の外周面に収束させる。そうすると、インゴット14の下側の外周面にレーザ光33の焦点位置Fpが合う。これにより、レーザ光33の焦点位置Fpとなるインゴット14の下側の外周面で多光子吸収が起こり、インゴット14の材料がアブレーションによって蒸発する。また、インゴット14の回転により、インゴット14の外周面は一周にわたって細い溝状に削り取られる。さらにその状態からレーザ光33の焦点位置Fpを相対的に上方に移動させていくと、それにしたがってインゴット14の外周面が中心軸J4に向かって徐々に深く削り取られていく。
その後、インゴット14の下降によってレーザ光の焦点位置Fpがインゴット14の中心軸J4の高さに到達すると、インゴット14の一部(板ガラスブランクスとなる部分)がスライス位置で切り離される。このため、インゴット14から1枚の板ガラスブランクス15(図10を参照)を切り出すことができる。なお、スライス工程S4に適用されるレーザ加工方法は、基本的に上記図5および図6を用いて説明した方法と同様である。
こうしてインゴット14から1枚の板ガラスブランクス15を切り出したら、2枚目の板ガラスブランクス15を切り出すために、Y方向において板ガラスブランクスの厚み寸法に応じた量だけインゴット14を水平移動機構により移動させる。そして、インゴット14とレーザ光学系との相対位置を初期設定条件に戻して上記同様の動作を行う。これによりインゴット14から再び板ガラスブランクス15を切り出すことができる。以降は、上記同様の動作を繰り返すことにより、一つのインゴット14から複数枚の板ガラスブランクス15が得られる。
ここで、インゴット14をスライスして板ガラスブランク15を得る場合、従来の方法を用いたときと本発明の方法を用いたときの加工時間の違いについて記述する。
まず、マルチワイヤソーを用いる従来の方法では、先述したように0.08〜0.27mm/minの加工速度となるため、インゴットの外径が4インチであるとすると、1回のスライス加工に10時間ほどかかり、6インチになると15時間ほどかかる。これに対して、本発明の実施の形態に係る方法によれば、使用するレーザのパワーにもよるが、たとえば100Wのパワーのレーザを使用した場合は200mm/秒以上の加工速度が得られる。このため、インゴットの外径を4インチとすると、1回のスライス加工が2時間以下となり、6インチであっても3時間以下で済む。したがって、スライス工程の加工時間を大幅に短縮することが可能となる。また、従来の方法ではワイヤの交換が必要であるが、本発明の実施の形態に係る方法では、それが不要になる。このため、板ガラスブランクスやこれを用いたカバーガラスの製造コストを大幅に低減することが可能となる。
なお、上記レーザ加工を用いたスライス工程S4では、インゴット14に照射されたレーザ光が、インゴット14の外周面に形成される細溝部分を通してインゴット14の内部に入射することになる。ただし、その細溝部分の溝幅(たとえば、30μm以下)は、インゴット14の上側の外周面に入射するレーザ光のビーム径(たとえば、3000μm以上)に比して十分に小さい寸法となるため、インゴット14の外周面に存在する細溝部分がレーザ加工に与える影響は相対的に小さくなる。
また、上記レーザ加工を用いた切り出し工程S3では、ガルバノスキャナ23によりレーザ光28を円形に走査することにより、ブール10から円柱形のインゴット14を切り出すようにしたが、本発明はこれに限らず、ガルバノスキャナ23によりレーザ光28を任意の形状に走査することにより、当該走査形状を断面形状とする柱状のインゴットを切り出すことができる。具体例として、ガルバノスキャナ23によりレーザ光28を長方形(正方形を含む)に走査した場合は、ブール10から図13に示すような角柱状(直方体に近い形状で4角のコーナ部は角Rを有する)のインゴット14aを切り出すことができる。さらにその場合、長方形の角でレーザ光2をラウンド形状に走査することにより、図例のように柱の角に丸みをつけた角柱状のインゴット14aを切り出すことができる。また、この角柱状のインゴット14aを上記のレーザ加工方法を用いてスライスすることにより、4つの角に丸みをつけた長方形の板ガラスブランクスを得ることもできる。
1,1a…被加工物
2…レーザ光
3…集光レンズ
5…上面
6…下面
10…ブール
11…上端面
12…下端面
14…インゴット
15…板ガラスブランクス

Claims (8)

  1. レーザ加工に用いるレーザ光を透過する被加工物を前記レーザ光によって加工するレーザ加工方法であって、
    前記被加工物に向けて照射したレーザ光を該レーザ光の光軸方向において前記被加工物の一方の主表面に収束させることにより、前記レーザ光の焦点位置で多光子吸収を生じさせて前記被加工物の材料を蒸発させるとともに、前記レーザ光の光軸方向において前記被加工物の一方の主表面から他方の主表面に向かって前記焦点位置を移動させる
    ことを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 前記レーザ光を走査しながら前記レーザ光の焦点位置を前記被加工物の一方の主表面から他方の主表面に向かって移動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. 前記被加工物の一方の主表面は、前記被加工物に向けて前記レーザ光を照射した際に、前記レーザ光の出射側に位置する主表面である
    ことを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工方法。
  4. 前記被加工物は円柱形をなし、
    前記被加工物の中心軸を中心に前記被加工物を回転させるとともに、該回転中の前記被加工物に対して前記被加工物の中心軸と直交する方向から前記レーザ光を照射し、かつ、前記レーザ光の光軸方向において前記被加工物の一方の主表面から他方の主表面に向かって前記焦点位置を移動させる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のレーザ加工方法。
  5. 前記被加工物の主表面である外周面に前記レーザ光が入射したときの光学的な効果と逆の効果を果たす補正レンズを通して前記被加工物に前記レーザ光を照射する
    ことを特徴とする請求項4に記載のレーザ加工方法。
  6. 前記被加工物は、単結晶サファイアまたは炭化珪素によって構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のレーザ加工方法。
  7. 電子機器の表示面を覆うカバーガラス用の板ガラスブランクスの製造方法であって、
    単結晶サファイアからなるブールの上端および下端を切除する第1工程と、
    前記ブールからインゴットを切り出す第2工程と、
    前記インゴットをスライスして前記板ガラスブランクスを得る第3工程と、を有し、
    前記第2工程においては、レーザ加工によって前記インゴットを切り出し、
    前記レーザ加工においては、前記ブールに向けて照射したレーザ光を前記ブールの上端または下端の主表面に収束させることにより、前記レーザ光の焦点位置で多光子吸収を生じさせて前記ブールの材料を蒸発させるとともに、前記レーザ光を走査しながら前記焦点位置を前記ブールの高さ方向に移動させる
    ことを特徴とする板ガラスブランクスの製造方法。
  8. 電子機器の表示面を覆うカバーガラス用の板ガラスブランクスの製造方法であって、
    単結晶サファイアからなるブールの上端および下端を切除する第1工程と、
    前記ブールからインゴットを切り出す第2工程と、
    前記インゴットをスライスして前記板ガラスブランクスを得る第3工程と、を有し、
    前記第3工程においては、レーザ加工によって前記インゴットをスライスし、
    前記レーザ加工においては、前記インゴットの中心軸を中心に前記インゴットを回転させ、該回転中の前記インゴットに対して前記インゴットの中心軸と直交する方向から照射したレーザ光を前記インゴットの主表面に収束させることにより、前記レーザ光の焦点位置で多光子吸収を生じさせて前記インゴットの材料を蒸発させるとともに、前記レーザ光の光軸方向において前記インゴットの主表面から中心軸に向かって前記焦点位置を移動させる
    ことを特徴とする板ガラスブランクスの製造方法。
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