JP2016077808A - 椅子の荷重支持構造及び椅子 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に記載された座は、アウターカバー(外殻部材)と、アウターカバーに支持されるインナーシェル(内殻部材)と、アウターカバーとインナーシェルとの間に配設される金属製芯部材(芯部材)と、インナーシェルに支持されるクッション(外装部材)と、を備えている。
特許文献1に記載された座において、アウターカバーと金属製芯部材との相互連結は、座の下方からのビスの挿入によってなされる(特許文献1の図8参照)。こうしたビスによる締結構造では、金属製芯部材を強度部材としたことにより軽量化されたアウターカバーを締め付けることとなり、ビス挿入穴近傍に局所的に応力が集中するため、強度上好ましくない。また、特許文献1に記載された座のように、跳ね上げ式のものでは、座の下方にされたビスが前方を向いて露呈することもあるため、外観上も好ましくない。
この発明に係る椅子の荷重支持構造は、外殻部材と、前記外殻部材に支持される内殻部材と、前記外殻部材と前記内殻部材との間に配設される芯部材と、前記内殻部材に支持される外装部材と、を備える椅子の荷重支持構造であって、前記外殻部材及び前記内殻部材の一方に設けられ、前記芯部材を挟み込む第1の爪部対と、前記外殻部材及び前記内殻部材の他方に設けられ、前記芯部材を挟み込んだ前記第1の爪部対に外嵌する第2の爪部対と、を有する、ことを特徴とするものである。
この構成によれば、芯部材が外殻部材及び内殻部材の一方に設けられた第1の爪部対に挟み込まれた状態で、その第1の爪部対に他方に設けられた第2の爪部対が外嵌するため、芯部材を挟み込んだ第1の爪部対が開き方向に変位することを第2の爪部対によって防止することができ、小さな範囲で効率的に高い保持力を得ることができる。このため、芯部材を堅牢に保持でき、また、ビス等を用いないため、外殻部材や内殻部材を軽量化しても局所荷重を与えることなく強度を確保することができる。また、第1の爪部対及び第2の爪部対は、外殻部材と内殻部材との間に配設される芯部材を挟み込むものであり、外殻部材と内殻部材とに覆われるため、外観に影響を与えることはない。
この構成によれば、第2の爪部対に補強部を設け、第1の爪部対の開き方向における第2の爪部対の剛性を大きくすることにより、第1の爪部対が拡開することを防止することができる。このため、芯部材をより堅牢に保持することができる。
この構成によれば、外殻部材及び内殻部材の他方に一体的に設けられた補強リブで第2の爪部対を補強するため、部材そのものを補強する部分を利用して効率的に補強部を形成することができる。
この構成によれば、補強リブが第1の爪部対の開き方向に延在し、第2の爪部対の背面側に接続されるため、第2の爪部対の開き方向における曲げ剛性を効率的に大きくすることができる。
この構成によれば、第1の爪部対及び第2の爪部対が内殻部材の中央部を囲うように配設された芯部材に沿って複数配設されているため、外殻部材や内殻部材を弾性変形し易くした場合に、芯部材よりも内側の部分の弾性変形を阻害することがない。
この構成によれば、先に記載の椅子の支持構造体によって座及び背凭れの少なくともいずれか一方が形成されるため、強度的に優れ且つ外観に悪影響を与えることのない椅子が得られる。
図1及び図2に示すように、本実施形態の椅子1は、フロア上に載置される脚部2と、脚部2の上端に設置される支持構造体3と、支持構造体3に支持されて着座者が着座する座4と、を有する。
支持構造体3は、図2に示すように、脚柱6の昇降調整機構を内蔵するボックス状の支基7と、座4に着座した着座者の背中を支持する背凭れ8と、を有する。支基7には、昇降調整機構を操作する操作レバー9が右側方に突出して設けられている(図1参照)。
本実施形態の座4は、図3に示すように、アウターカバー20(外殻部材)と、芯部材30と、インナーシェル40(内殻部材)と、外装部材50と、を有する。
図9に示すように、アウターカバー20は、芯部材30よりも一回り大きく形成されており、芯部材30の底面及び側面を覆うものである。このアウターカバー20は、芯部材30の第1のフレーム31及び第2のフレーム32を覆う本体カバー20aと、芯部材30の取付部33を覆う取付部カバー20bと、からなる。取付部カバー20bは、第1の締結部材61が挿通される開口部20b1が形成されている。一方、本体カバー20aは、第2の締結部材62が挿通される開口部20a1が形成されている。
受け部25は、アウターカバー20の前後左右の四辺に設けられている。この受け部25は、下方に凸となる略円弧状に形成され、芯部材30に沿って複数配設されており、第1のフレーム31を支持する構成となっている。受け部25に芯部材30が載置されることで、下方への芯部材30の移動が規制される。
図11に示すように、第1の爪部対26は、芯部材30を挟んで一対で設けられている。第1の爪部対26の離間寸法は、芯部材30のパイプ直径に対応して設定されている。第1の爪部対26は、アウターカバー20に対し上方に突出して設けられている。この第1の爪部対26の先端部には、芯部材30を保持するフック状の保持部27が設けられている。保持部27の離間寸法は、芯部材30のパイプ直径よりも小さく設定されている。
爪部28は、アウターカバー20の前方の一辺に設けられている。この爪部28は、アウターカバー20の上方に突出し、その先端フックが後方を向いて複数設けられている。
挿入ピン29は、アウターカバー20の左右の二辺及び後方の一辺に設けられている。この挿入ピン29は、アウターカバー20の上方に突出し、左右の二辺及び後方の一辺のそれぞれの2箇所に設けられている。
インナーシェル40は、図12及び図13に示すように、アウターカバー20に設けられた第2の嵌合部23の受け側となるシャフト部41と、嵌合孔部42と、を有する。
嵌合孔部42は、インナーシェル40の左右の二辺及び後方の一辺に設けられている。この嵌合孔部42は、アウターカバー20の挿入ピン29が嵌合可能な構成となっている。嵌合孔部42に挿入ピン29が挿入されることで、座4の左右及び後方においてアウターカバー20とインナーシェル40とが嵌合する。
以上のようにして、支持構造体3に対し座4が組み付けられ、図1及び図2に示す椅子1が得られる。
この構成によれば、図11に示すように、芯部材30がアウターカバー20に設けられた第1の爪部対26に挟み込まれた状態で、その第1の爪部対26にインナーシェル40に設けられた第2の爪部対44が外嵌するため、芯部材30を挟み込んだ第1の爪部対26が開き方向に変位することを第2の爪部対44によって防止することができ、小さな範囲で効率的に高い保持力を得ることができる。このため、芯部材30を堅牢に保持でき、また、ビス等を用いないため、アウターカバー20やインナーシェル40を軽量化しても局所荷重を与えることなく強度を確保することができる。また、第1の爪部対26及び第2の爪部対44は、アウターカバー20とインナーシェル40との間に配設される芯部材30を挟み込むものであり、アウターカバー20とインナーシェル40とに覆われるため、外観に影響を与えることはない。
この構成によれば、第2の爪部対44に補強部45を設け、第1の爪部対26の開き方向における第2の爪部対44の剛性を大きくすることにより、第1の爪部対26が拡開することを防止することができる。このため、芯部材30をより堅牢に保持することができる。
この構成によれば、インナーシェル40に一体的に設けられた補強リブ46で第2の爪部対44を補強するため、インナーシェル40そのものを補強する部分を利用して効率的に補強部45を形成することができる。
この構成によれば、補強リブ46が第1の爪部対26の開き方向に延在し、第2の爪部対44の背面側に接続されるため、第2の爪部対44の開き方向における曲げ剛性を効率的に大きくすることができる。
この構成によれば、第1の爪部対26及び第2の爪部対44がインナーシェル40の中央部40aを囲うように配設された芯部材30に沿って複数配設されているため、インナーシェル40を弾性変形し易くした場合に、芯部材30よりも内側の部分の弾性変形を阻害することがない。
4 座
8 背凭れ
11 座受部
20 アウターカバー(外殻部材)
21 係合溝
26 第1の爪部対
30 芯部材
40 インナーシェル(内殻部材)
40a 中央部
44 第2の爪部対
45 補強部
46 補強リブ
50 外装部材
Claims (6)
- 外殻部材と、前記外殻部材に支持される内殻部材と、前記外殻部材と前記内殻部材との間に配設される芯部材と、前記内殻部材に支持される外装部材と、を備える椅子の荷重支持構造であって、
前記外殻部材及び前記内殻部材の一方に設けられ、前記芯部材を挟み込む第1の爪部対と、
前記外殻部材及び前記内殻部材の他方に設けられ、前記芯部材を挟み込んだ前記第1の爪部対に外嵌する第2の爪部対と、を有する、ことを特徴とする椅子の荷重支持構造。 - 前記第1の爪部対の開き方向において、前記第2の爪部対の剛性を、前記第1の爪部対よりも大きくする補強部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の椅子の荷重支持構造。
- 前記補強部は、前記他方に一体的に設けられた補強リブである、ことを特徴とする請求項2に記載の椅子の荷重支持構造。
- 前記補強部は、前記第1の爪部対の開き方向に延在して前記第2の爪部対の背面側に接続されている、ことを特徴とする請求項2または3に記載の椅子の荷重支持構造。
- 前記芯部材は、前記内殻部材の中央部を囲うように配設されており、
前記第1の爪部対及び前記第2の爪部対は、前記芯部材に沿って複数配設されている、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の椅子の荷重支持構造。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の椅子の荷重支持構造を備える座及び背凭れの少なくともいずれか一方を有する、ことを特徴とする椅子。
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