JP2015120425A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1では、空気入りラジアルタイヤにリムガードを設け、該リムガードのタイヤ径方向外側にあるリムガード部分の輪郭の曲率半径を15mm〜40mmとしている。ここでは、上記部分の曲率半径を上記範囲に設定することによって、リムガードのリムの保護効果を確保しつつ、上記空気入りラジアルタイヤの質量を低減させている。
本発明の空気入りタイヤは、タイヤの一対のビードコア間にトロイド状に跨り、該ビードコアに係止される、少なくとも1プライからなるカーカスと、前記ビードコアのタイヤ径方向外方に配置されたビードフィラーと、タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧とし、無負荷とした状態におけるタイヤと適用リムとの離反点よりもタイヤ径方向外方に位置し、タイヤ幅方向外側に突出するリムガードとを備え、
該タイヤの幅方向断面において、
前記リムガードのタイヤ幅方向最外端よりもタイヤ径方向外側にあるリムガード部分の輪郭が、5mm〜40mmの曲率半径を有し、
前記ビードフィラーに隣接し、タイヤ径方向に沿って延びるコード補強層を備え、
前記コード補強層の各コードは、タイヤ径方向に対して傾斜して延び、
前記コード補強層とタイヤ外表面とのタイヤ内面に垂直な方向の最短距離L1と、前記リムガードの頂点位置から前記コード補強層までのタイヤ内面に垂直な方向の距離L2とが、
0.3≦L1/L2≦0.5
を満たすことを特徴とする。
この構成によれば、リムガードのリムの保護効果を保持しつつ、タイヤの転がり抵抗を低減させ、かつ、操縦安定性を確保することができる。
またなお、「リムガードのタイヤ幅方向最外端よりもタイヤ径方向外側にあるリムガード部分(リムガード径方向外側部分)の輪郭の曲率半径」とは、リムガードのタイヤ幅方向最外側位置からリムガードのタイヤ径方向外側部分に沿って、リムガードのタイヤ径方向外側に向かう輪郭において、リムガードのタイヤ幅方向最外側位置とそれに最も近い変曲点との間の輪郭部分の曲率半径を指す(上記輪郭が1つ曲率半径のみ有する場合には、その曲率半径を指す)。
更になお、本発明の空気入りタイヤの諸寸法は、タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧とし、無負荷状態としたときの諸寸法を指す。因みに、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD
MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムを指し、「所定空気圧」とは、適用サイズのタイヤにおける所定の荷重に対応する空気圧(最高空気圧)を指す。
前記コード補強層のタイヤ径方向内側端は、前記5mm〜40mmの曲率半径を有する前記リムガード部分のタイヤ径方向内側端よりタイヤ径方向内側、且つ、前記ビードコアのタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向外側に位置することが好ましい。
この構成によれば、転がり抵抗と操縦安定性とをさらに両立させることができる。
上記の範囲とすることにより、より一層転がり抵抗を低減することができる。
上記の範囲とすることにより、さらにより一層、転がり抵抗を低減することができる。
この構成によれば、タイヤの骨組み構造に隣接した位置にコード補強層が配置されるため、操縦安定性を効果的に確保することができる。
またなお、図1ではラジアルカーカスのプライ数を1プライとした場合を示しているが、本発明の空気入りタイヤでは、プライ数は必要に応じて複数のプライとすることもできる。また、図1では、カーカスをラジアルカーカスとした場合を示しているが、本発明の空気入りタイヤでは、カーカスをバイアスカーカスとしてもよい。
そして、この空気入りタイヤ1は、ビードフィラー7に隣接して(図示例ではビードフィラー7とカーカスの本体部6aとの間に)配置され、タイヤ径方向に沿って延びるコード補強層9を備えている。コード補強層9の各コードは、タイヤ径方向に対して傾斜して延びている。
なお、コードの材質は、特には限定しないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート等を用いることができる。
因みに、「リムライン位置」とは、タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧とし、無負荷とした状態におけるタイヤと適用リムとの離反点を指す。
ここで、この空気入りタイヤ1では、リムガードのタイヤ幅方向最外端よりもタイヤ径方向外側にあるリムガード部分(以下、リムガード径方向外側部分ともいう)10aの輪郭が、5mm〜40mmの曲率半径Rを有することを必要とする。
さらに、図1、図2に示す例では、コード補強層9のタイヤ径方向内側端9bは、5mm〜40mmの曲率半径を有するリムガード部分10aのタイヤ径方向内側端10cよりタイヤ径方向内側、且つ、ビードコア5のタイヤ径方向外側端5aよりタイヤ径方向外側に位置している。
0.3≦L1/L2≦0.5
を満たすことが必要である。
以下、本実施形態の空気入りタイヤ1の作用効果について説明する。
ここで、曲率半径Rを40mm以下とすれば、リムガード径方向外側部分の変形が生じやすくなるものの、リムガード径方向外側部分の体積の増加を抑制することができるため、この部分のヒステリシスロスの増加を抑制することができる。また、タイヤ幅方向の変形入力に際して、この部分がビードフィラーと比較して変形しやすい状態となるため、この部分の変形によるヒステリシスロスと比較して、(一般に損失正接が高い)ビードフィラーの変形によるヒステリシスロスが相対的に低減する。そのため、タイヤ全体における転がり抵抗を低減させることができる。
また、曲率半径Rを、5mm以上とすれば、リムガードのリムの保護効果を確保することができる。
そのため、まず、曲率半径Rを上記範囲内に設定することで、リムの保護効果を損なうことなく、タイヤ全体における転がり抵抗を低減することができる。
このように、本実施形態のタイヤによれば、リムガードのリムの保護効果を保持しつつ、タイヤの転がり抵抗を低減させ、かつ、操縦安定性を確保することができる。
コード補強層9のタイヤ径方向外側端9aを上記の領域に位置させることにより、タイヤ重量への影響も少なく、転がり抵抗への影響を最小限に抑えることができる。また、その上でコード補強層9のタイヤ径方向内側端9bを上記の領域に位置させることにより、曲率半径を5mm〜40mmとした領域にコード補強層9を位置させ、これにより、曲率半径を40mm以下として変形しやすくなった部分の径方向の剛性をさほど増大させない程度に(すなわち、タイヤの撓み変形のしやすさは妨げずに)その部分の周方向剛性を高め、操縦安定性を効率的に補完することができる。
曲率半径Rを5mm以上とすることによる効果は、上記と同様である。
また、曲率半径Rを15mm以下とすれば、リムガード径方向外側部分の体積の増加を更に抑制することができ、この部分のヒステリシスロスの増加を更に抑制することができる。また、この部分の変形によるヒステリシスロスと比較して、(損失正接が高い)ビードフィラーの変形によるヒステリシスロスが相対的に更に低減する。そのため、タイヤ全体における転がり抵抗を更に低減することができる。
この構成によれば、とりわけビードフィラーやカーカスプライといったタイヤの骨組み構造に隣接した位置にコード補強層が配置されるため、上述した操縦安定性への寄与を高めることができ、操縦安定性をさらに確保することができる。
200%以上とすれば、ビード部の剛性を確保することができ、ビード部変形が減少するのでヒステリシスロスを低減させことができる。また、3000%超となると、サイドウォール部の剛性が過度に増加して、トレッド部のヒステリシスロスが増加する虞がある。そのため、EBをERの上記範囲とすれば、タイヤ全体における転がり抵抗を更に低減させることができる。
また、剛性確保のため、この範囲内において高い方が好ましく、上記と同様の理由により、EBは、ERの1000%〜2000%の範囲であることが更に好ましい。
好ましい。600%以下とすれば、ビードフィラーのヒステリシスロスの過度な増加を抑
制して、タイヤ全体のおける転がり抵抗を更に低減させることができる。
また、転がり抵抗の観点からは、tanδBは小さいほどヒステリシスロスが小さいため、tanδBはこの範囲内で小さい方が好ましく、上記と同様の理由により、tanδBは、tanδRの20%〜300%の範囲であることが更に好ましい。
曲率半径Rは、タイヤの変形の観点から比較的小さい方が良いが、曲率半径R2は、この曲率半径Rより大きくすることにより、タイヤのリム付近の剛性を高めて操縦安定性を確保することができるからである。
リムガード部分10の径方向外側部分は、タイヤの変形の観点からゴムボリュームが小さい方が好ましく、一方で、リムガード部分10の径方向内側部分は、操縦安定性を確保するために、ゴムボリュームを比較的大きくすることが好ましいからである。
各タイヤの緒元は、表1に示しており、表1に示す諸元以外は各タイヤで共通である。
なお、比較例2は、コード補強層を用いないタイヤである。
空気入りタイヤ(225/45R17)を、JATMA規格に定める適用リム(7.5J)に装着して、リム組みした空気入りタイヤを作製した。そして、上記空気入りタイヤを、内圧230kPa、荷重4.5tの条件下、車両に装着し、以下に示す転がり抵抗試験を行った。ドラム試験機において、上記空気入りタイヤを、直径1.7mの鉄板表面上で速度80km/hで走行させた。そして、タイヤを慣性走行させたときのタイヤの減速度から転がり抵抗を測定して評価した。具体的には、比較例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。評価結果を表1に示す。指数が小さいほど転がり抵抗が小さく、燃費性に優れることを示す。
<操縦安定性>
上記のタイヤサイズの各空気入りタイヤを、JATMA規格に定める適用リム(7.5J)に装着して、ドライ路面上を走行した際の走行性能をドライバーによる官能により評価した。比較例1にかかるタイヤの評価結果を100とした場合の相対値で評価し、数値が大きい方が操縦安定性に優れていることを示す。
<リム保護性試験>
上記のタイヤサイズの各空気入りタイヤを、JATMA規格に定める適用リム(7.5J)に装着して、リム組みした空気入りタイヤを作製した。そして、リム組みをしたままでの保管を想定し、内圧を充填せずに(内圧0kPaで)、以下のリム保護性試験を行った。
図3に、リム保護性試験の試験方法の概要について示す。アムスラー試験機において、タイヤ1を横倒しにして、タイヤの一方の面を平板30に向けて置き、もう一方の面上に鉄板31を置いた。そして、鉄板31側から平板30側に向けて荷重を印加し、平板側にあるタイヤが装着されたリム20のリムフランジ20aが平板30に接触するまでに要したエネルギーを算出した。具体的には、比較例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。評価結果を表1に示す。指数が大きいほどリムの保護効果が高いことを示す。
<乗り心地性>
上記のタイヤサイズの各空気入りタイヤを、JATMA規格に定める適用リム(7.5J)に装着して、ドライ路面上を走行した際の乗り心地性をドライバーによる官能により評価した。比較例1にかかるタイヤの評価結果を100とした場合の相対値で評価し、数値が大きい方が乗り心地性に優れていることを示す。 以下、表1にこれらの評価結果をタイヤ諸元と共に示す。
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6a カーカス本体部
6b カーカス折り返し部
6c カーカス折り返し端部
7 ビードフィラー
8 ゴムチェーファー
9 コード補強層
10 リムガード
11 タイヤ外表面
12 タイヤ内面
20 リム
20a リムフランジ
30 平板
31 鉄板
本発明の空気入りタイヤは、タイヤの一対のビードコア間にトロイド状に跨り、該ビードコアに係止される、少なくとも1プライからなるカーカスと、前記ビードコアのタイヤ径方向外方に配置されたビードフィラーと、タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧とし、無負荷とした状態におけるタイヤと適用リムとの離反点よりもタイヤ径方向外方に位置し、タイヤ幅方向外側に突出するリムガードとを備え、
該タイヤの幅方向断面において、
前記リムガードのタイヤ幅方向最外端よりもタイヤ径方向外側にあるリムガード部分の輪郭が、5mm〜40mmの曲率半径を有し、
前記ビードフィラーに隣接し、タイヤ径方向に沿って延びるコード補強層を備え、
前記コード補強層の各コードは、タイヤ径方向に対して傾斜して延び、
前記コード補強層とタイヤ外表面とのタイヤ内面に垂直な方向の最短距離L1と、前記リムガードの頂点位置から前記コード補強層までのタイヤ内面に垂直な方向の距離L2とが、
0.3≦L1/L2≦0.5
を満たし、
前記コード補強層のタイヤ径方向外側端は、前記5mm〜40mmの曲率半径を有する前記リムガード部分のタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向外側、且つ、タイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向内側に位置し、
前記コード補強層のタイヤ径方向内側端は、前記5mm〜40mmの曲率半径を有する前記リムガード部分のタイヤ径方向内側端よりタイヤ径方向内側、且つ、前記ビードコアのタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向外側に位置することを特徴とする。
この構成によれば、リムガードのリムの保護効果を保持しつつ、タイヤの転がり抵抗を低減させ、かつ、操縦安定性を確保することができる。
Claims (5)
- タイヤの一対のビードコア間にトロイド状に跨り、該ビードコアに係止される、少なくとも1プライからなるカーカスと、前記ビードコアのタイヤ径方向外方に配置されたビードフィラーと、タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧とし、無負荷とした状態におけるタイヤと適用リムとの離反点よりもタイヤ径方向外方に位置し、タイヤ幅方向外側に突出するリムガードとを備える空気入りタイヤであって、
該タイヤの幅方向断面において、
前記リムガードのタイヤ幅方向最外端よりもタイヤ径方向外側にあるリムガード部分の輪郭が、5mm〜40mmの曲率半径を有し、
前記ビードフィラーに隣接し、タイヤ径方向に沿って延びるコード補強層を備え、
前記コード補強層の各コードは、タイヤ径方向に対して傾斜して延び、
前記コード補強層とタイヤ外表面とのタイヤ内面に垂直な方向の最短距離L1と、前記リムガードの頂点位置から前記コード補強層までのタイヤ内面に垂直な方向の距離L2とが、
0.3≦L1/L2≦0.5
を満たすことを特徴とする、空気入りタイヤ。 - 前記コード補強層のタイヤ径方向外側端は、前記5mm〜40mmの曲率半径を有する前記リムガード部分のタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向外側、且つ、タイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向内側に位置し、
前記コード補強層のタイヤ径方向内側端は、前記5mm〜40mmの曲率半径を有する前記リムガード部分のタイヤ径方向内側端よりタイヤ径方向内側、且つ、前記ビードコアのタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向外側に位置する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記リムガードのタイヤ幅方向最外端よりもタイヤ径方向外側にあるリムガード部分の輪郭が、5mm〜15mmの曲率半径を有する、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記リムガードのタイヤ幅方向最外端よりもタイヤ径方向外側にあるリムガード部分の輪郭が、5mm〜10mmの曲率半径を有する、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
- 前記コード補強層は、前記ビードフィラーと前記カーカスの本体部との間に配置された、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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