JP2015113026A - 車両下部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】前輪に入力された衝突荷重を車両のフロアに支持させることができる車両下部構造を得る。【解決手段】車両の下部10は、車両前部において車両前後方向に延びるフロントサイドメンバ12の車幅方向外側に配置された前輪14の車両後方側かつ車両フロアの側部に配置され車両前後方向に延びるロッカ16を備えている。また、ロッカ16の車幅方向内側かつフロントサイドメンバ12の車両後方側には、車両前後方向に延びるフロアメンバ18が設けられている。さらに、フロアメンバ18の前端側には、車幅方向外側に向けて突出する凸状に形成されていると共に、微小ラップ衝突時に前輪14が当接する荷重受け部材20が設けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、車両下部構造に関する。
下記特許文献1には、衝突対象が車両前部におけるサイドメンバの車両幅方向外側に衝突(微小ラップ衝突)した際に、当該衝突対象がキャビンに侵入することを抑制した車両下部構造(車両前部構造)が開示されている。この文献に記載された技術によれば、車両前後方向を板厚方向とする平板形状に形成された荷重受け部材を前輪の車両前方側に設けることによって、微小ラップ衝突時に衝突対象がキャビンに侵入することを抑制している。
上記特許文献1に記載された構造は、微小ラップ衝突時に衝突対象がキャビンに侵入することを抑制するという観点では有用な技術ではあるが、微小ラップ衝突時に衝突対象から前輪に入力された衝突荷重を車両のフロアに支持させるという観点では改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、前輪に入力された衝突荷重を車両のフロアに支持させることができる車両下部構造を得ることが目的である。
請求項1記載の車両下部構造は、車両前部において車両前後方向に延びるフロントサイドメンバの車幅方向外側に配置された前輪の車両後方側かつ車両フロアの側部に配置され車両前後方向に延びるロッカと、前記ロッカの車幅方向内側かつ前記フロントサイドメンバの車両後方側に配置され、車両前後方向に延びるフロアメンバと、前記フロアメンバの前端側に設けられていると共に車幅方向外側に向けて突出する凸状に形成されており、微小ラップ衝突時に前記前輪が当接する突起部と、を備えている。
請求項1記載の車両下部構造によれば、衝突対象が車両前部におけるサイドメンバの車両幅方向外側に衝突すると、即ち、車両が微小ラップ衝突すると、当該衝突による衝突荷重が前輪に入力され、前輪が車両後方側に向けて移動する。ここで、前輪の車両後方側の端部が車幅方向内側に移動しながら当該前輪が車両後方側に向けて移動すると、前輪の車両後方側の端部が車両フロアにおけるロッカとフロアメンバとの間に当接することが考えられる。この場合においては、前輪が車両フロアの剛性部材に当接し難く、これにより、前輪に入力された衝突荷重を車両フロアに支持させることが難しい。しかしながら、本車両下部構造によれば、上記の突起部が設けられているため、前輪の車両後方側の端部が車幅方向内側に移動しながら当該前輪が車両後方側に向けて移動すると、当該前輪の車両後方側の端部が突起部に当接する。これにより、前輪に入力された衝突荷重を突起部を介してフロアメンバに支持させることができる。
請求項2記載の車両下部構造は、請求項1記載の車両下部構造において、前記突起部の一部が、前記フロアパネルとダッシュパネルとの境界と車両底面視でオーバーラップしている。
請求項2記載の車両下部構造によれば、突起部の一部が上記の位置に配置されていることにより、微小ラップ衝突時に前輪からフロアパネルとダッシュパネルとの境界に入力される衝突荷重を緩和することができる。すなわち、本車両下部構造によれば、微小ラップ衝突時にフロアパネルとダッシュパネルとの境界を起点とする車両下部の変形を抑制することができる。
請求項3記載の車両下部構造は、請求項1又は請求項2記載の車両下部構造において、前記車両フロアには、車幅方向に延びるフロアクロスメンバが設けられており、前記突起部の一部と前記フロアクロスメンバの少なくとも一部とが、車両底面視でオーバーラップしている。
請求項3記載の車両下部構造によれば、突起部の一部が上記の位置に位置していることにより、突起部に入力された衝突荷重の一部をフロアクロスメンバに支持させることができる。これにより、微小ラップ衝突時における車両下部の変形をより一層抑制することができる。
請求項4記載の車両下部構造は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両下部構造において、前記突起部の車両前方側の面が車幅方向に延在している。
請求項4記載の車両下部構造によれば、突起部の車両前方側の面が上記のように設定されていることにより、前輪を突起部に当接させ易くすることができる。これにより、前輪に入力された衝突荷重を車両のフロアにより確実に支持させることができる。
請求項1〜請求項4記載の本発明に係る車両下部構造は、前輪に入力された衝突荷重を車両のフロアに支持させることができる、という優れた効果を有する。
図1〜図3を用いて本発明の第1実施形態に係る車両下部構造について説明する。なお、車両前後方向前方側を矢印FRで示し、車幅方向外側を矢印OUTで示し、車両上下方向上側を矢印UPで示す。また、以下の説明で、単に前後、上下の方向を示す場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下を示すものとする。
図1に示されるように、本実施形態の車両下部構造が適用された車両の下部10には、車幅方向に間隔を空けて配置された一対のフロントサイドメンバ12と、フロントサイドメンバの車幅方向外側に配置された前輪14と、車両フロアの側部に配置され車両前後方向に延びるロッカ16と、が設けられている。また、車両の下部10には、ロッカ16の車幅方向内側に配置され車両前後方向に延びるフロアメンバ18と、フロアメンバ18の前端部に固定された突起部としての荷重受け部材20と、が設けられている。
フロントサイドメンバ12は、一例として車幅方向外側に配置されたアウタパネルと車幅方向内側に配置されたインナパネルとが接合されることによって構成されており、また、フロントサイドメンバ12の車両前方視での断面は矩形状に形成されている。また、フロントサイドメンバ12の前端には、バンパリインフォースメント22がクラッシュボックス24を介して取付けられており、フロントサイドメンバ12の後端部には、ロアアーム26やスタビライザ等の車両の足回りを構成する部品を支持するサスペンションメンバ28が固定されている。さらに、フロントサイドメンバ12には、図示しないマウントを介してパワーユニット30が固定されている。
前輪14は後に詳述するロッカ16の車両前方側に配置されており、また前輪14はサスペンションメンバ28に支持されたロアアーム26等を介して車体に支持されている。
ロッカ16は、車両フロアの側部に配置され車両前後方向に延びる矩形状断面に形成されており、このロッカ16は一例として車幅方向外側に配置されたアウタパネルと車幅方向内側に配置されたインナパネルとが接合されることによって構成されている。また、フロアパネル32の車幅方向外側の端部がロッカ16に接合されている。また、車幅方向一方側に配置されたロッカ16の前後方向の中間部と車幅方向他方側に配置されたロッカ16の前後方向の中間部とは、車幅方向に延びるフロアクロスメンバ34を介して接続されている。このフロアクロスメンバ34は、車両側面視で下方側が開放されたハット型断面の部材がフロアパネル32の車両上方側の面に接合されることによって構成されている。なお、このフロアクロスメンバ34は、車両側面視で上方側が開放されたハット型断面の部材がフロアパネル32の車両下方側の面に接合されることによって構成されていてもよい。
フロアメンバ18は、フロントサイドメンバ12の車両後方側に配置されていると共にその前端部がフロントサイドメンバ12の後端部に接合されている。具体的には、このフロアメンバ18は、車両正面視でハット型断面に形成された部材がフロアパネル32に接合されることによって構成されている。このフロアメンバ18はフロアパネル32に対して車両下方側に向けて凸状に形成されており、フロアメンバ18の車両前方視での断面は矩形状に形成されている。また、フロアメンバ18はロッカ16と略平行に延在している。また、フロアメンバ18の前端部とロッカ16の前端部とはトルクボックス36を介して車幅方向に繋がれている。なお、このトルクボックス36は、車両側面視でハット型断面に形成された部材がフロアパネル32に接合されることによって構成されており、このトルクボックス36の車両側面視での断面は矩形状に形成されている。また、トルクボックス36のフロアパネル32からの突出量はフロアメンバ18のフロアパネル32からの突出量に比して低く設定されている。
なお、上記フロアメンバ18の車幅方向内側かつフロアパネル32の車幅方向の中心部には、車両前後方向に沿って延びるトンネル38が形成されており、フロアパネル32におけるトンネル38に近接する部位はトンネルリインフォースメント40によって補強されている。
次に、本実施形態の要部である荷重受け部材20について説明する。
図2及び図3に示されるように、荷重受け部材20は、鋼板材にプレス加工等が施されることによって形成されており、この荷重受け部材20は、フロアメンバ18に対して車幅方向外側に向けて凸状に形成されている。具体的には、荷重受け部材20は、車両底面視で略直角三角形状に形成されていると共に車両上下方向を板厚方向として車幅方向に延びる下壁部42及び上壁部44を備えている。また、荷重受け部材20は、下壁部42と上壁部44とを車両上下方向に繋ぐ側壁部46及び前壁部48を備えている。以上説明した荷重受け部材20は、フランジ部50にスポット溶接が施されることによってフロアメンバ18の前端部に固定されている。
図1に示されるように、以上説明した荷重受け部材20がフロアメンバ18の前端部に固定された状態において、荷重受け部材20の車両前後方向の中間部が、フロアパネル32とダッシュパネル52との境界Bと車両底面視で車両前後方向の同位置に位置している、即ち、荷重受け部材20の車両前後方向の中間部が、フロアパネル32とダッシュパネル52との境界Bと車両底面視でオーバーラップしている。また、荷重受け部材20の車両前方側の面が車幅方向に延在している、すなわち、荷重受け部材20の前壁部48の前面が車両前方側に向けられている。さらに、前壁部48は、フロアパネル32とダッシュパネル52との境界B及びロッカ16の前端16Aよりも車両前方側に位置している。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図4に示されるように、本実施形態の車両下部構造が適用された車両が微小ラップ衝突すると、当該衝突による衝突荷重が前輪14に入力される。前輪14に入力された衝突荷重が所定値を超えると、ロアアーム26等が変形し、前輪14が車両後方側に向けて移動する。
ここで、前輪14の車両後方側の端部が車幅方向内側に移動しながら当該前輪14が車両後方側に向けて移動すると、前輪14の車両後方側の端部がフロアパネル32におけるロッカ16とフロアメンバ18との間に当接することが考えられる。この場合においては、前輪14が車両フロアの剛性部材に当接し難く、これにより、前輪14に入力された衝突荷重を車両のフロアに支持させることが難しい。
しかしながら、本実施形態では、上記の荷重受け部材20が設けられているため、前輪14の車両後方側の端部が車幅方向内側に移動しながら当該前輪14が車両後方側に向けて移動すると、当該前輪14の車両後方側の端部が荷重受け部材20に当接する。これにより、前輪14に入力された衝突荷重を荷重受け部材20を介してフロアメンバ18に支持させる、即ち、前輪14に入力された衝突荷重を車両のフロアに支持させることができる。
また、本実施形態では、荷重受け部材20の車両前後方向の中間部が、フロアパネル32とダッシュパネル52との境界Bと車両底面視で車両前後方向の同位置に位置していることにより、微小ラップ衝突時に前輪14からフロアパネル32とダッシュパネル52との境界Bに入力される衝突荷重を緩和することができる。すなわち、本実施形態では、微小ラップ衝突時にフロアパネル32とダッシュパネル52との境界を起点とする車両下部の変形を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、荷重受け部材20の車両前方側の面が車幅方向に延在していることにより、前輪14を荷重受け部材20に当接させ易くすることができる。これにより、前輪14に入力された衝突荷重を車両のフロアにより確実に支持させることができる。
(第2実施形態)
次に、図5〜図7を用いて本発明の第2実施形態に係る車両下部構造について説明する。なお、第1実施形態と同一の部材及び同一の機能を有する部分については第1実施形態で用いた符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、図5〜図7を用いて本発明の第2実施形態に係る車両下部構造について説明する。なお、第1実施形態と同一の部材及び同一の機能を有する部分については第1実施形態で用いた符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の車両下部構造は、第1実施形態の荷重受け部材20よりも車両前後方向の寸法が長く設定された突起部としての荷重受け部材54がフロアメンバ18の前端部に固定されていると共に、荷重受け部材54の後端とフロアクロスメンバ34の前端とが、車両底面視で車両前後方向の同位置に位置している(荷重受け部材54の後端とフロアクロスメンバ34の前端とが、車両底面視でオーバーラップしている)ことに特徴がある。
以上説明した本実施形態では、荷重受け部材54に入力された衝突荷重の一部をフロアクロスメンバ34に支持させることができる。これにより、微小ラップ衝突時における車両下部の変形をより一層抑制することができる。
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、荷重受け部材20,54の車両前方側の面が車幅方向に延在している例について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、例えば、荷重受け部材20,54の車両前方側の面を車幅方向に対して傾斜させた構成することもできる。このように、荷重受け部材20,54の車両前方側の面の車幅方向に対する角度は、微小ラップ衝突時の前輪14の移動軌跡等を考慮して適宜設定すればよい。
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、荷重受け部材20,54の車両前後方向の中間部が、フロアパネル32とダッシュパネル52との境界Bと車両底面視で車両前後方向の同位置に位置するように設定した例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、荷重受け部材20,54の車両前方側の面をフロアパネル32とダッシュパネル52との境界Bよりも車両後方側に配置することもできる。このように、荷重受け部材20,54の車両前後方向の中間部をフロアパネル32とダッシュパネル52との境界Bと車両前後方向の同位置に配置するか否かについては、フロアパネル32及びダッシュパネル52の剛性等を考慮して適宜設定すればよい。
さらに、上記第1実施形態及び第2実施形態では、荷重受け部材20,54をフロアメンバ18に接合することによってフロアメンバ18の前端側に突起部を設けた例について説明してきたが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図8に示されるように、フロアメンバ18の前端側に突起部56を一体に形成することによって、第1実施形態の車両下部構造と同様の作用効果を得ることができる。また、図9に示されるように、フロアメンバ18の前端側に突起部58を一体に形成することによって、第2実施形態の車両下部構造と同様の作用効果を得ることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
12 フロントサイドメンバ
14 前輪
16 ロッカ
18 フロアメンバ
20 荷重受け部材(突起部)
34 フロアクロスメンバ
52 ダッシュパネル
54 荷重受け部材(突起部)
56 突起部
58 突起部
B フロアパネルとダッシュパネルとの境界
14 前輪
16 ロッカ
18 フロアメンバ
20 荷重受け部材(突起部)
34 フロアクロスメンバ
52 ダッシュパネル
54 荷重受け部材(突起部)
56 突起部
58 突起部
B フロアパネルとダッシュパネルとの境界
Claims (4)
- 車両前部において車両前後方向に延びるフロントサイドメンバの車幅方向外側に配置された前輪の車両後方側かつ車両フロアの側部に配置され車両前後方向に延びるロッカと、
前記ロッカの車幅方向内側かつ前記フロントサイドメンバの車両後方側に配置され、車両前後方向に延びるフロアメンバと、
前記フロアメンバの前端側に設けられていると共に車幅方向外側に向けて突出する凸状に形成されており、微小ラップ衝突時に前記前輪が当接する突起部と、
を備えた車両下部構造。 - 前記突起部の一部が、前記フロアパネルとダッシュパネルとの境界と車両底面視でオーバーラップしている請求項1記載の車両下部構造。
- 前記車両フロアには、車幅方向に延びるフロアクロスメンバが設けられており、
前記突起部の一部と前記フロアクロスメンバの少なくとも一部とが、車両底面視でオーバーラップしている請求項1又は請求項2記載の車両下部構造。 - 前記突起部の車両前方側の面が車幅方向に延在している請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両下部構造。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018144609A (ja) * | 2017-03-03 | 2018-09-20 | マツダ株式会社 | 車両の前部車体構造 |
WO2018179046A1 (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-04 | 日産自動車株式会社 | 車体前部構造 |
JP2018188014A (ja) * | 2017-05-08 | 2018-11-29 | マツダ株式会社 | 車両の前部車体構造 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013203126A (ja) * | 2012-03-27 | 2013-10-07 | Isuzu Motors Ltd | タイヤストッパ |
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