JP2015193244A - 加飾シート及び加飾樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
項1. 少なくとも、顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層とが隣接するように積層されており、
前記アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が60mgKOH/g以上である、加飾シート。
項2. 前記高輝度インキ層に含まれる顔料が、粒子径が15μm以下、厚みが50nm以下の金属顔料である、項1に記載の加飾シート。
項3. 前記高輝度インキ層とは隣接しないようにして絵柄層が積層されている、項1または2に記載の加飾シート。
項4. 表面保護層をさらに備える、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項5. 基材層をさらに備える、項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
項6. 前記高輝度インキ層と、前記アンカー層と、表面保護層とがこの順に積層されている、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項7. 基材層と、前記高輝度インキ層と、前記アンカー層と、表面保護層とがこの順に積層されている、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項8. 前記基材層と、前記アンカー層と、前記高輝度インキ層と、表面保護層とがこの順に積層されている、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項9. 前記高輝度インキ層と、前記アンカー層と、表面保護層と、転写用基材層とがこの順に積層されている、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項10. 顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層と、プライマー層と、離型層と、剥離用基材層とがこの順に積層されたシートであって、
前記アンカー層と、前記高輝度インキ層とが隣接するように積層されており、
前記アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が60mgKOH/g以上である、加飾シートを製造するためのシート。
項11. 項1〜9のいずれかに記載の加飾シートの製造方法であって、
平均酸価が60mgKOH/g以上である熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物によりアンカー層を形成した後に、顔料を含む高輝度インキ層を前記アンカー層の上に積層する工程を備える、加飾シートの製造方法。
項12. 少なくとも、成形樹脂層の上に、顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により形成されたアンカー層とが隣接するように積層された積層体からなり、
前記アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が60mgKOH/g以上である、加飾樹脂成形品。
本発明の加飾シートは、顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層とが隣接するように積層されており、アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が60mgKOH/g以上であることを特徴とする。本発明の加飾シートは、このような構成を有することにより、高輝度を有し、成形性にも優れている。以下、本発明の加飾シートについて詳述する。
本発明の加飾シートは、少なくとも、顔料を含む高輝度インキ層2と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層3とが隣接するように積層されている。また、本発明の加飾シートは、加飾シートの保形性を高めることなどを目的として、必要に応じて、基材層1を有していてもよい。また、本発明の加飾シートは、加飾シートの表面を保護することなどを目的として、必要に応じて、表面保護層4を設けてもよい。また、表面保護層4と、これに隣接する層との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて、表面保護層4の下にプライマー層7を設けてもよい。また、加飾シートに装飾性を付与することなどを目的として、必要に応じて、絵柄層5を有していてもよい。また、加飾シートの層間(例えば、基材層1と高輝度インキ層2との間など)や、加飾シートと成形樹脂層9との間(例えば、高輝度インキ層2と成形樹脂層9との間など)の密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて、接着層6を有していてもよい。
[基材層1]
基材層1は、本発明の加飾シートの保形性を高めることなどを目的として、必要に応じて設けられる層である。基材層1は、好ましくは樹脂シート(樹脂フィルム)により形成されている。上述の通り、本発明の第1の態様においては、成形樹脂層9を基材層1側に形成することにより、基材層1は、加飾樹脂成形品に含まれる。一方、本発明の第2の態様においては、後述の絵柄層5を含む転写層11から基材層1を含む支持体10を剥離するため、基材層1は加飾樹脂成形品に含まれない。第2の態様において、基材層1は、高輝度インキ層2及びアンカー層3を含む転写層11を成形樹脂層9に転写させるための転写用基材層1aとして機能する。
高輝度インキ層2は、本発明の加飾シートに高輝度な金属調の意匠性を付与するために設けられる層である。高輝度インキ層2は、高輝度な金属調の意匠を発現するために、顔料を含んでいる。高輝度インキ層2は、通常、顔料、バインダー樹脂、溶剤を含み、必要に応じて、体質顔料、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合した高輝度インキ組成物を後述するアンカー層3の上に印刷することにより形成することができる。後述の通り、本発明においては、高い酸価を有する熱可塑性樹脂を含むアンカー層3の上に高輝度インキ層2を形成することにより、高輝度を有し、成形性にも優れた加飾シートとすることができる。
アンカー層3は、本発明の加飾シートにおいて、高輝度インキ層2に高輝度な金属調の意匠を発現させつつ、高い成形性を備えさせるために、高輝度インキ層2と隣接して設けられる層である。アンカー層3は、平均酸価が60mgKOH/g以上の熱可塑性樹脂を含んでいる。なお、アンカー層3に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価は、JIS K2501:2003の規定に準拠して測定した値である。本発明のアンカー層3は、例えば、酸価が60mgKOH/g以上の1種類または複数種類の熱可塑性樹脂が混合され、アンカー層3に含まれる熱可塑性樹脂全体としての平均酸価が60mgKOH/g以上になっていてもよい。また、例えば、1種類または複数種類の酸価が60mgKOH/g以上の熱可塑性樹脂と、1種類または複数種類の酸価が60mgKOH/g未満の熱可塑性樹脂とが混合され、アンカー層3に含まれる熱可塑性樹脂全体としての平均酸価が60mgKOH/g以上になっていてもよい。なお、アンカー層3は、平均酸価が60mgKOH/g以上の熱可塑性樹脂以外の成分を含んでいてもよいが、実質的に平均酸価が60mgKOH/g以上の熱可塑性樹脂のみにより形成されていることが好ましい。
表面保護層4は、加飾樹脂成形品の耐傷付き性、耐候性などを高めることを目的として、必要に応じて、加飾樹脂成形品の最表面に位置するようにして、加飾シートに設けられる層である。表面保護層4を形成する素材は、特に限定されないが、通常は樹脂が用いられ、好ましくは電離放射線硬化性樹脂が用いられる。また、表面保護層4は、樹脂フィルムにより形成することも好ましい。樹脂フィルムとしては、特に制限されず、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂などのフィルムが挙げられ、これらの中でも特にアクリル樹脂のフィルムを用いることが好ましい。表面保護層4は、例えば電離放射線硬化性樹脂または樹脂フィルムの1層により形成されていてもよいし、これらの2層以上により形成されていてもよい。以下、表面保護層4の形成に用いられる電離放射線硬化性樹脂について詳述する。
表面保護層4の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、及びモノマーなどのうち少なくとも1種を適宜混合したものが挙げられる。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面保護層4の形成において好適に使用される。
表面保護層4を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物には、表面保護層4に備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤、マット剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができ、例えばマット剤としてはシリカ粒子や水酸化アルミニウム粒子等が挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
表面保護層4の厚みについては、特に制限されないが、表面保護層4を電離放射線硬化性樹脂を用いて形成する場合には、例えば、1〜1000μm、好ましくは1〜50μm、更に好ましくは1〜30μmが挙げられる。このような範囲の厚みを満たすと、耐傷付き性、耐候性等の表面保護層としての十分な物性が得られると共に、電離放射線を均一に照射することが可能であるため、均一に硬化することが可能となり、経済的にも有利になる。また、表面保護層4を樹脂フィルムにより形成する場合には、例えば、25〜1000μm、好ましくは50〜200μm程度が挙げられる。更に、表面保護層4の厚みが前記範囲を充足することによって、加飾シートの三次元成形性が一層向上するため自動車内装用途等の複雑な三次元形状に対して高い追従性を得ることができる。このように、本発明の加飾シートは表面保護層4の厚みを従来のものより厚くしても、十分に高い三次元成形性が得られることから、特に表面保護層4に高い膜厚を要求される部材、例えば車両外装部品等の加飾シートとしても有用である。
表面保護層4の形成は、例えば、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を調製し、これを塗布し、架橋硬化することにより行われる。なお、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度は、後述の塗布方式により、絵柄層5やプライマー層7などの表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよい。
プライマー層7は、表面保護層4とその下に位置する層との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて含まれる層である。プライマー層7は、樹脂により形成することができる。
絵柄層5は、例えば、加飾シートに装飾性を付与する目的で、必要に応じて設けられる層である。より高い輝度と優れた成形性とを有する加飾シートとする観点からは、絵柄層5は、高輝度インキ層2とは隣接しないようにして積層されていることが好ましい。すなわち、絵柄層5の上に高輝度インキ層2が積層されると、絵柄層5が高輝度インキ層2を形成するための溶剤に溶解して、平滑性が低下し、高輝度インキ層2の輝度が低下しやすくなる。また、高輝度インキ層2の上に絵柄層5が積層される場合には、高輝度インキ層2が、絵柄層5を形成するための溶剤に溶解して、平滑性が低下し、高輝度インキ層2の輝度が低下しやすくなる。
接着層6は、例えば、基材層1と高輝度インキ層2との間などの加飾シートの層間や、例えば、高輝度インキ層2と成形樹脂層9との間などの加飾シートと成形樹脂層9との間の密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて設けられる層である。接着層6を形成する樹脂としては、加飾シートの層間や、加飾シートと成形樹脂層9との密着性、接着性を向上させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
離型層8は、上述の第2の態様の加飾シートにおいて、必要に応じて転写用基材層1aの上に設けられ、転写用基材層1aと共に支持体10を構成する。離型層8は、転写用基材層1aの転写層11からの剥離性を高める役割を有する層である。
本発明においては、上記のような加飾シートは、次のような構成を有する、加飾シートを製造するためのシートを用いて製造することもできる。
顔料を含む高輝度インキ層2と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層3と、プライマー層7と、離型層8と、転写用基材層1aとがこの順に積層されたシートであって、アンカー層3と、高輝度インキ層2とが隣接するように積層されており、アンカー層3に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が60mgKOH/g以上である加飾シートを製造するためのシート。
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シートに成形樹脂を一体化させることにより成形されてなるものである。即ち、本発明の加飾樹脂成形品は、少なくとも、成形樹脂層の上に、顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層とが隣接するように積層された積層体からなり、アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が60mgKOH/g以上であることを特徴とする。本発明の加飾樹脂成形品では、必要に応じて、加飾シートに上述の表面保護層4、プライマー層7、絵柄層5、接着層6などの少なくとも1層がさらに設けられていてもよい。図3、図4、図12に示されるような上述の第1の態様においては、加飾樹脂成形品に基材層1が設けられていてもよい。また、図6に示されるような上述の第2の態様においても、加飾樹脂成形品に転写用基材層1aを含む支持体10が設けられていてもよい(このような状態の加飾樹脂成形品を支持体付き加飾樹脂成形品ともいう)。なお、図3は、図1に示される加飾シートに成形樹脂が積層された加飾樹脂成形品の断面図であり、図4は、図2に示される加飾シートに成形樹脂が積層された加飾樹脂成形品の断面図である。
本発明の加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形する真空成形工程、
真空成形された加飾シートの余分な部分をトリミングして成形シートを得るトリミング工程、及び
成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を射出成形型内に射出して樹脂と成形シートを一体化する一体化工程。
本発明の加飾シートを、所定形状の成形面を有する可動金型の当該成形面に対し、加飾シートが対面するように設置した後、当該加飾シートを加熱、軟化させると共に、可動金型側から真空吸引して、軟化した加飾シートを当該可動金型の成形面に沿って密着させることにより、加飾シートを予備成形する予備成形工程、
成形面に沿って密着された加飾シートを有する可動金型と固定金型とを型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、流動状態の樹脂を射出、充填して固化させることにより樹脂成形体を形成し、樹脂成形体と加飾シートを積層一体化させる一体化工程、及び
可動金型を固定金型から離間させて、加飾シート全層が積層されてなる樹脂成形体を取り出す取出工程。
<実施例1〜4及び比較例1〜3>
表面保護層としてアクリル樹脂フィルム(厚さ;75μm)を用い、当該フィルムの表面にバインダー樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂/アクリル樹脂を含む絵柄層形成用インキをグラビアコートにより印刷し、絵柄層を形成した。次に、アンカー層として表1及び表2に示す樹脂をグラビアコートにより印刷した(厚さ1μm)。次に、粒子径が10μm程度、厚さが50nm程度のアルミニウム顔料(蒸着により形成された金属薄膜を粉砕して作製されたフレーク状、100質量部)及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(100質量部)を含む高輝度インキ組成物を、主としてメチルエチルケトンを含む溶剤に溶解し、グラビアコートにより印刷し、高輝度インキ層を形成した。なお、隠蔽性の向上のため、高輝度インキは2層印刷した(高輝度インキ層の総厚み2μm)。次に、ポリエステルポリオールからなる接着剤をグラビアコートにより印刷し、ドライラミネートによりABS樹脂からなる基材層(厚さ400μm)と貼り合わせることで、加飾シートを得た。実施例1〜4及び比較例1〜3の加飾シートの層構成は、図1に示すような構成である。なお、比較例1では、アンカー層を設けなかった。
輝度の評価は光沢度で判定し、測定にはBYKガードナー社製マイクログロス(60°)を用いた。
加飾シートを引張試験機で一方向に300%引き延ばした後、加飾シートの表面を目視で観察し、以下の基準により成形性を評価した。
○;加飾シートに全くクラックが生じていない
△;加飾シートに微細なクラックが生じている
×;加飾シートに大きなクラックが生じている
<実施例5〜8及び比較例4〜6>
基材層として、ABS樹脂フィルム(厚さ400μm)を用い当該フィルムの表面にバインダー樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂/アクリル樹脂を含む絵柄層形成用インキをグラビアコートにより印刷し、絵柄層を形成した。次に、アンカー層として表1及び表3に示す樹脂をグラビアコートにより印刷した(厚さ1μm)。次に、粒子径が10μm程度、厚さが50nm程度のアルミニウム顔料(蒸着により形成された金属薄膜を粉砕して作製されたフレーク状、100質量部)及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(100質量部)を含む高輝度インキ組成物を、主としてメチルエチルケトンを含む溶剤に溶解し、グラビアコートにより印刷し、高輝度インキ層を形成した。なお、隠蔽性の向上のため、高輝度インキは2層印刷した(高輝度インキ層の総厚み2μm)。次に、高輝度インキ層の表面にアクリル樹脂からなるプライマー層を厚さ3μmとなるようグラビアコートにより印刷した。次に、プライマー層の表面に表面保護層として下記の電離放射性硬化型(EB)樹脂組成物を樹脂組成物の硬化後の厚さが10μmとなるようにグラビアコートにより印刷し、この未硬化樹脂層に加速電圧165kV、照射強度50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電離放射性硬化型樹脂組成物を硬化させて加飾シートを得た。実施例5〜8及び比較例4〜6の加飾シートの層構成は、図2に示すような構成である。なお、比較例4では、アンカー層を設けなかった。
[電離放射性硬化型樹脂組成物]
アクリルシリコーンアクリレート(重量平均分子量20,000):70質量部
6官能のウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量5,000):30質量部
1a…転写用基材層
2…高輝度インキ層
3…アンカー層
4…表面保護層
5…絵柄層
6…接着層
7…プライマー層
8…離型層
9…成型樹脂層
10…支持体
11…転写層
Claims (12)
- 少なくとも、顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層とが隣接するように積層されており、
前記アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が60mgKOH/g以上である、加飾シート。 - 前記高輝度インキ層に含まれる顔料が、粒子径が15μm以下、厚みが50nm以下の金属顔料である、請求項1に記載の加飾シート。
- 前記高輝度インキ層とは隣接しないようにして絵柄層が積層されている、請求項1または2に記載の加飾シート。
- 表面保護層をさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
- 基材層をさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
- 前記高輝度インキ層と、前記アンカー層と、表面保護層とがこの順に積層されている、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
- 基材層と、前記高輝度インキ層と、前記アンカー層と、表面保護層とがこの順に積層されている、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
- 前記基材層と、前記アンカー層と、前記高輝度インキ層と、表面保護層とがこの順に積層されている、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
- 前記高輝度インキ層と、前記アンカー層と、表面保護層と、転写用基材層とがこの順に積層されている、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
- 顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層と、プライマー層と、離型層と、剥離用基材層とがこの順に積層されたシートであって、
前記アンカー層と、前記高輝度インキ層とが隣接するように積層されており、
前記アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が60mgKOH/g以上である、加飾シートを製造するためのシート。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の加飾シートの製造方法であって、
平均酸価が60mgKOH/g以上である熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物によりアンカー層を形成した後に、顔料を含む高輝度インキ層を前記アンカー層の上に積層する工程を備える、加飾シートの製造方法。 - 少なくとも、成形樹脂層の上に、顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により形成されたアンカー層とが隣接するように積層された積層体からなり、
前記アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が60mgKOH/g以上である、加飾樹脂成形品。
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