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JP2015182318A - テープカートリッジおよびテープ印刷装置 - Google Patents

テープカートリッジおよびテープ印刷装置 Download PDF

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JP2015182318A JP2014060919A JP2014060919A JP2015182318A JP 2015182318 A JP2015182318 A JP 2015182318A JP 2014060919 A JP2014060919 A JP 2014060919A JP 2014060919 A JP2014060919 A JP 2014060919A JP 2015182318 A JP2015182318 A JP 2015182318A
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Abstract

【課題】カートリッジ装着部に対し、装着姿勢を維持したまま引き抜くことができるテープカートリッジ等を提供する。
【解決手段】テープ印刷装置1のカートリッジ装着部5に対し、装着および離脱可能に構成されたテープカートリッジ100であって、少なくとも離脱時に把持される摘み部182、を備え、摘み部182は、離脱する方向に交差する面内において、離脱に伴う引抜き抵抗が均衡する位置またはその近傍に配設されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、テープ印刷装置のカートリッジ装着部に、着脱可能に装着されるテープカートリッジおよびテープ印刷装置に関する。
従来、この種のテープカートリッジとして、印字テープを収容したテープカセットと、インクリボンを収容したリボンカセットと、から成る2重構造ものが知られている(特許文献1参照)。この場合、テープ状ラベル作成装置による多色印字を可能とすべく、リボンカセットには、インクリボンのリボン色が異なる複数種のものが準備されている。一方、テープカセットおよびリボンカセットが装着されるテープ状ラベル作成装置は、リボン色が異なるリボンカセットが装着される毎に、印字テープを巻き戻して、多色印字を実施する。
テープカセットは、テープ状ラベル作成装置のカセットカバーに対応する内部に着脱自在に収容されている。テープカセットには、カセットケース内に印字テープが巻装されたテープスプールが設けられると共に、リボンカセットが着脱自在に装着されるリボンカセット収容部が形成されている。
リボンカセットは、リボンケースとリボンケースから水平に延びる上壁部とを有している。リボンケースには、インクリボンが巻装されたリボンスプールと、インクリボンを巻き取る巻取りスプールと、が設けられている。また、リボンケースには、装置側のサーマルヘッドを収容するヘッド収容部が形成されている。一方、上壁部には、2つの係合脚部が設けられており、2つの係合脚部は、装置側の一対のガイド軸に係合するようになっている。
また、リボンカセットには、リボンケースの蓋部材の上面および上壁部の上面に、つまみ片がそれぞれ形成されている。一対のつまみ片は、巻取りスプールを挟んでヘッド収容部から離れ、一方の係合脚部側に寄った位置に配設されている。
ユーザーは、一対のつまみ片を把持して、テープ状ラベル作成装置に装着されたテープカセットに、リボンカセットを装着する。テープカセットに装着されたリボンカセットは、そのリボンケースの部分がテープカセットのリボンカセット収容部に挿入され、上壁部の2の係合脚部が一対のガイド軸に外嵌する。
特開2005−324555号公報
このような従来のリボンカセットでは、一対のつまみ片は、装着方向から見て、ヘッド収容部から離れた一方の係合脚部側に寄った位置に突設されている。一方で、このリボンカセットでは、装置側の部材との間で位置決めを必要とするヘッド収容部や2つの係合脚部が、これを引き抜く(離脱)ときに、引抜き抵抗の大きな部分となる。
このため、一対のつまみ片を把持してリボンカセットを引き抜こうとすると、引抜き抵抗のバランスが崩れてリボンカセットが傾いてしまい、引抜きが円滑に行われなくなる課題がある。特に、位置決めを必要とする部分は、垂直に引抜くことを前提としてその寸法公差が設計されている。したがって、テープカートリッジが傾くと引っ掛かりが生じ易く、極端に引抜き難いものとなる。
本発明は、カートリッジ装着部に対し、装着姿勢を維持したまま引き抜くことができるテープカートリッジおよびテープ印刷装置を提供することを課題としている。
本発明のテープカートリッジは、テープ印刷装置のカートリッジ装着部に対し、装着および離脱可能に構成されたテープカートリッジであって、少なくとも離脱時に把持される摘み部、を備え、摘み部は、離脱する方向に交差する面内において、離脱に伴う引抜き抵抗が均衡する位置またはその近傍に配設されていることを特徴とする。
この構成によれば、摘み部が、離脱に伴う引抜き抵抗が均衡する位置またはその近傍に配設されているため、カートリッジ装着部からテープカートリッジを引き抜く(離脱)ときに、各部の引抜き抵抗がバランスし、テープカートリッジの傾きが抑制される。すなわち、カートリッジ装着部に対し、装着姿勢を維持したまま引き抜くことができ、テープカートリッジの円滑な離脱を可能とする。
この場合、離脱する方向の手前側に位置するケース壁に設けられ、摘み部が没する凹部を、更に備えることが好ましい。
この構成によれば、摘み部の、ケース壁からの突出寸法を小さく抑えることができる。したがって、単体のテープカートリッドにおいて、摘み部が邪魔になるのを抑制することができる。
この場合、凹部に対し摘み部は、凹部から突出する起上り位置と、凹部内に没入する倒込み位置との間で、起倒可能に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、摘み部廻りの構造を単純化することができる。なお、凹部に対し摘み部は、回動可能に取り付けられていることが、より好ましい。
この場合、凹部には、摘み部を起上り位置に向かって付勢する起立付勢部が、設けられていることが好ましい。
この構成によれば、摘み部の操作を簡単に行うことができる。また、カートリッジ装着部に開閉蓋等が設けられている場合に、摘み部が開閉蓋の閉塞の邪魔になるのを抑制することができる。また、開閉蓋が開放されている状態では、摘み部は、把持位置に自動的に立ち上がっているため、容易に把持することができる。
同様に、凹部に対し摘み部は、凹部から突出する把持位置と、凹部内に没入する非把持位置との間で、進退可能に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、摘み部廻りの構造を単純化することができる。また、摘み部を持ち易い形状および持ち易い姿勢とすることができる。
この場合、凹部には、摘み部を把持位置に向かって付勢する突出付勢部が、設けられていることが好ましい。
この構成によれば、摘み部の操作を簡単に行うことができる。また、カートリッジ装着部に開閉蓋等が設けられている場合に、摘み部が開閉蓋の閉塞の邪魔になるのを抑制することができる。
また、摘み部は、滑り止め用の凹凸部を有していることが好ましい。
この構成によれば、摘み部を滑り難いものとすることができ、その分、摘み部をコンパクトに構成することができる。
さらに、摘み部を非把持位置に保持するロック機構を、更に備えることが好ましい。
この構成によれば、テープカートリッジをカートリッジ装着部に対し着脱する際、摘み部は自動的に立ち上がった状態にあるため、テープカートリッジを把持する部位として容易に機能させることができる。
本発明のテープ印刷装置は、上記したテープカートリッジが、着脱可能に装着されるカートリッジ装着部を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、カートリッジ装着部に対しテープカートリッジを、その装着姿勢を維持したまま引き抜くことができ、テープカートリッジの着脱を円滑に行うことができる。また、摘み部により、テープカートリッジを着脱させる構成であるため、カートリッジ装着部に指を臨ませるためのスペースを必要とすることがなく、装置の大型化を抑制することができる。
実施形態に係るテープ印刷装置の開蓋状態の外観斜視図である。 実施形態に係るテープカートリッジの平面図(a)および側面図(b)である。 カートリッジ装着部の平面図である。 開閉蓋を裏面側から見た斜視図である。 上ケースを取り去った状態のテープカートリッジの平面図(a)および上ケースの裏面図(b)である。 テープカートリッジを裏面側から見た斜視図である。 第1実施形態に係るテープカートリッジの平面図である。 第1実施形態に係るテープカートリッジの摘み部を把持した状態の拡大断面図(a)、摘み部の非押圧状態の拡大断面図(b)、および摘み部の押圧状態の拡大断面図(c)である。 第2実施形態に係るテープカートリッジの平面図である。 第2実施形態に係るテープカートリッジの摘み部を把持した状態の拡大断面図(a)、摘み部の非押圧状態の拡大断面図(b)、および摘み部の押圧状態の拡大断面図(c)である。 第3実施形態に係るテープカートリッジの拡大断面図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係るテープカートリッジにつき、これが装着されるテープ印刷装置と共に説明する。このテープ印刷装置は、装着したテープカートリッジから印刷テープおよびインクリボンを繰り出しながら印刷を行い、印刷テープの印刷済み部分を切断して、ラベル(テープ片)を作成するものである。
[テープ印刷装置の概要]
図1は、テープ印刷装置およびこれに装着されるテープカートリッジの外観斜視図である。図1に示すように、テープ印刷装置1は、外殻を構成する装置ケース3と、テープカートリッジ100が着脱自在に装着されるカートリッジ装着部5と、カートリッジ装着部5を開閉する開閉蓋7と、を備えている。装置ケース3の上面には、奥側にカートリッジ装着部5が設けられ、中央にディスプレイ11が設けられ、手前側にキーボード13が設けられている。開閉蓋7の近傍には、指掛け用の窪入部15が設けられている。開閉蓋7は、この窪入部15に指を掛けて引き上げることで開放される。そして、装置ケース3の側面(左側面)には、印刷テープ102が排出される縦長のテープ排出口17が設けられている。
また、テープ印刷装置1は、カートリッジ装着部5に立設された印刷ヘッド21を有する印刷機構部23と、カートリッジ装着部5の裏側空間に内蔵したテープ送り機構部25と、テープ排出口17の近傍に内蔵したテープ切断機構部27と、を備えている。ユーザーは、キーボード13から印刷情報を入力し、ディスプレイ11で印刷情報を確認した後、キー操作により印刷を実行する。印刷が指令されると、テープ送り機構部25が駆動することで、印刷テープ102とインクリボン110とが並走する。さらに、印刷機構部23からインクリボン110に加えられる熱によって、インクリボン110のインクを印刷テープ102へ熱転することで印刷が行われる。この印刷送りにより、印刷テープ102はテープ排出口17から排出されてゆき、印刷が完了すると、テープ切断機構部27が駆動して、印刷テープ102の印刷済み部分が切り離される。
[テープカートリッジの概要]
図2および図5に示すように、テープカートリッジ100は、印刷テープ102をテープコア104に巻回したテープロール106と、インクリボン110を繰出しコア112に巻回したリボンロール114と、を備えている。また、テープカートリッジ100は、使用後のインクリボン110を巻き取る巻取りコア116と、印刷ヘッド21がインクリボン110および印刷テープ102を介して当接すると共に印刷テープ102およびインクリボン110を送るプラテンローラー120(プラテン)と、を備えている。さらに、テープカートリッジ100は、これらテープロール106、リボンロール114、巻取りコア116およびプラテンローラー120を収容したカートリッジケース130を備えている。このように、本実施形態のテープカートリッジ100は、外殻をカートリッジケース130で覆われた、いわゆるシェル構造を有している。
また、テープカートリッジ100は、カートリッジケース130に形成され、テープ印刷装置1に装着されたときに、印刷ヘッド21が挿入される挿入開口134を備えている。また、テープカートリッジ100は、カートリッジケース130に形成され印刷テープ102が送り出されるテープ送出口138を備えている。なお、詳細は後述するが、テープロール106は、カートリッジケース130の内側に突設した円筒状のコア軸192に回転自在に支持されている。
上記のテープ送り機構部25により、プラテンローラー120および巻取りコア116が駆動されると、印刷テープ102はテープコア104から繰り出され、インクリボン110は繰出しコア112から繰り出される。繰り出された印刷テープ102およびインクリボン110は、プラテンローラー120の部分で並走し、印刷ヘッド21によって印刷に供される。印刷が行われた印刷テープ102の繰出し端部(印刷済部分)は、テープ送出口138からテープ排出口17に向かって送り出される。一方、インクリボン110は、挿入開口134の周壁部分を周回し、巻取りコア116に巻き取られる。なお、テープカートリッジ100は、印刷テープ102のテープ幅に応じて、厚みの異なる複数種が用意されている。
[テープ印刷装置の詳細]
図1および図3に示すように、カートリッジ装着部5は、テープカートリッジ100の平面形状と相補的な平面形状に形成されると共に、装着可能な複数種のテープカートリッジ100のうち、最大厚のテープカートリッジ100に対応する深さを有して、窪入形成されている。この場合、カートリッジ装着部5の底板部を構成する装着ベース31と側板部33とは、樹脂等で一体に形成(成形)されている。カートリッジ装着部5と上記のテープ排出口17との間には、スリット状のテープ排出経路35が形成されており、この部分に、上記のテープ切断機構部27が内蔵されている。
カートリッジ装着部5の装着ベース31には、テープカートリッジ100のコア軸192が嵌合して位置決めされる位置決め突起41と、ヘッドカバー43に覆われた印刷ヘッド21と、が立設されている。また、装着ベース31には、プラテンローラー120を回転駆動するプラテン駆動軸45と、巻取りコア116を回転駆動する巻取り駆動軸47と、が立設されている。また、巻取り駆動軸47の近傍に位置して装着ベース31には、印刷テープ102の種別(属性情報)を検出する検出部51と、繰出しコア112および巻取りコア116の回転止めを解除するコア解除部53と、が設けられている。
さらに、装着ベース31には、その対角位置に一対の小突起55が設けられ、加えて装着したテープカートリッジ100の中間部を掛け止めする一対の掛止め片57が設けられている。そして、装着ベース31の裏側空間には、プラテン駆動軸45および巻取り駆動軸47を回転させるモーターおよびギヤ列(いずれも、図示省略)等で構成される、上記のテープ送り機構部25が内蔵されている。テープ送り機構部25は、ギヤ列で動力分岐し、プラテン駆動軸45および巻取り駆動軸47を同期回転させる。
印刷機構部23は、サーマルヘッドで構成された印刷ヘッド21と、印刷ヘッド21を支持すると共に回動させるヘッド支持フレーム61と、を備えている。また、印刷機構部23は、ヘッド支持フレーム61を介して印刷ヘッド21を印刷位置と退避位置との間で回動させるヘッドリリース機構(図示省略)と、印刷ヘッド21(およびヘッド支持フレーム61)を覆うヘッドカバー43と、を備えている。
ヘッドリリース機構は、上記の開閉蓋7の開閉に連動して作動し、開閉蓋7の閉塞動作に連動して印刷ヘッド21を印刷位置に移動(回動)させる。また、ヘッドリリース機構は、開放動作に連動して印刷ヘッド21を退避位置に移動(回動)させる。印刷位置に移動した印刷ヘッド21は、プラテンローラー120にインクリボン110および印刷テープ102を介して当接し、退避位置に移動した印刷ヘッド21は、プラテンローラー120から離間する。これにより、テープカートリッジ100を着脱する際に、印刷テープ102やインクリボン110の印刷ヘッド21への干渉が防止される。
印刷ヘッド21には、複数の発熱素子が設けられ、複数の発熱素子は、プラテンローラー120の軸方向と同方向に列設されている。そして、印刷テープ102およびインクリボン110の送りと、複数の発熱素子の選択的駆動により印刷が行われる。ヘッドカバー43は、平面視略矩形に形成されおり、上記の装着ベース31(カートリッジ装着部5)と一体に形成(成形)されている。また、ヘッドカバー43は、装着ベース31から垂直に突出しており、その内側において印刷ヘッド21の回動を許容し、外側においてテープカートリッジ100の装着ガイドとして機能する。
検出部51は、複数のマイクロスイッチ51aで構成されており、後述するテープカートリッジ100の被検出部180に対し選択的に係合し、印刷テープ102のテープ幅やテープ色、材質等の種別を検出する。そして、この検出結果に基づいて、印刷ヘッド21やテープ送り機構部25の駆動が制御される。コア解除部53は、繰出しコア112用および巻取りコア116用の2つの解除ピン53aで構成されている。詳細は後述するが、カートリッジケース130には、繰出しコア112および巻取りコア116にそれぞれ掛止めされる回転止めフック206が設けられている(図6参照)、テープカートリッジ100を装着すると、これら回転止めフック206に解除ピン53aが係合し、繰出しコア112および巻取りコア116の回転止めが解除される。
プラテン駆動軸45は、プラテンローラー120を挿通するように長く延びた固定軸45aと、固定軸45aの基部に回転自在に軸支されたスプライン形状の可動軸45bとを有している。テープ送り機構部25の回転動力は、この可動軸45bに伝達され、更に可動軸45bからプラテンローラー120に伝達される。同様に、巻取り駆動軸47は、固定軸47aと、固定軸47aに回転自在に軸支されたスプライン形状の可動軸47bとを有している。この場合も、テープ送り機構部25の回転動力は、可動軸47bに伝達され、更に可動軸47bから巻取りコア116に伝達される。
テープカートリッジ100をカートリッジ装着部5に装着すると、位置決め突起41にコア軸192(テープコア104)が係合し、プラテン駆動軸45にプラテンローラー120か係合し、更に巻取り駆動軸47に巻取りコア116が係合する。そして、開閉蓋7を閉塞すると、印刷ヘッド21が回動し、印刷テープ102およびインクリボン110を挟んでプラテンローラー120に当接して、テープ印刷装置1は印刷待機状態となる。
図1および図4に示すように、開閉蓋7は、奥側に設けたヒンジ部71を介して、装置ケース3に回動自在に、すなわち開閉自在に取り付けられている。開閉蓋7は、平面視矩形に形成され開閉蓋本体73と、開閉蓋本体73の中央に設けた覗き窓75と、開閉蓋本体73の裏面に突設されヒンジ部71に回動自在に軸支された一対の軸支片77と、を備えている。また、開閉蓋7は、開閉蓋本体73の裏面に突設され印刷ヘッド21を回動させる作動レバー79と、開閉蓋本体73の裏面に突設されテープカートリッジ100を押し込む押込み突起81と、を備えている。さらに、開閉蓋7は、開閉蓋本体73の裏面に突設され、内蔵する蓋閉塞検出スイッチ(図示省略)を作動させる(ONとする)押下突起83を備えている。
また、開閉蓋7は、開閉蓋本体73の裏面に突設され、後述するテープカートリッジ100の摘み部182を押さえる押え部85を備えている。詳細は後述するが、開閉蓋7を閉塞すると、この押え部85が、摘み部182を介してテープカートリッジ100をカートリッジ装着部5(装着ベース31)に弾力的に押圧する。
覗き窓75は、横長に形成され、開閉蓋本体73とは別体となる透明(可視光に対し透明)な樹脂で構成されている。この覗き窓75越しに、カートリッジ装着部5に装着されたテープカートリッジ100が、視認(印刷テープ102の種別やテープ残量)できるようになっている。また、一対の軸支片77、作動レバー79、押込み突起81、押下突起83および押え部85と、開閉蓋本体73とは、樹脂で一体に形成(成形)されている。
作動レバー79は、開閉蓋本体73の裏面から突出しており、開閉蓋7の閉塞に伴って、カートリッジ装着部5の側方に設けたスリット開口87に挿入される。スリット開口87に挿入された作動レバー79は、上記のヘッドリリース機構を作動させ、印刷ヘッド21をプラテンローラー120に向かって回動させる。同様に、押下突起83は、開閉蓋7の閉塞に伴って、スリット開口87に隣接する矩形開口91に挿入され、蓋閉塞検出スイッチを作動(例えば「ON」)させる。押込み突起81は、テープカートリッジ100のプラテンローラー120の近傍位置に対応しており、開閉蓋7の閉塞に伴って、テープカートリッジ100がカートリッジ装着部5の装着ベース31に着座するようにこれを押し込む。
[テープカートリッジの詳細]
次に、図2、図5および図6を参照して、テープカートリッジ100について詳細に説明する。なお、テープカートリッジ100の説明では、図2を例に、テープカートリッジ100の上正面である装着方向手前の面を「表面」と、逆側の装着方向奥側の面を「裏面」と称するものとする。また、図2を例に、テープカートリッジ100の左側の側面を「左側面」と、右側の側面を「右側面」と、上側の円弧状の側面を「先端面」と、下側の側面を「基端面」と、称呼するものとする。
テープカートリッジ100は、上述のように、カートリッジケース130と、これに収容したテープロール106、リボンロール114、巻取りコア116およびプラテンローラー120と、を備えている。また、テープカートリッジ100は、カートリッジケース130に形成され挿入開口134と、プラテンローラー120の近傍において左側面に形成したテープ送出口138と、を備えている。さらに、テープカートリッジ100は、テープロール106が収容されている部位の表面、左側面および右側面に亘って貼着された識別シール141(図2参照)を備えている。識別シール141には、カートリッジケース130に収容されている印刷テープ102のテープ幅やテープ色、材質等が、表示されている。
カートリッジケース130は、テープカートリッジ100の外郭を構成するものであり(シェル構造)、右側面の基端側が幾分突出した、平面視「L」字状の外観を呈している。表裏方向においてカートリッジケース130は、カートリッジ装着部5に装着したときに奥側となる下ケース150と、手前側となる上ケース152と、で構成されている。本実施形態のカートリッジケース130は、上ケース152が収容されている印刷テープ102が視認可能に程度に透明な樹脂の成型品で構成され、下ケース150が不透明な樹脂の成型品で構成されている。上述のように、テープカートリッジ100は、厚みの異なる複数種が用意されており、この厚みの相違は下ケース150で調整され、上ケース152は共通の部品として用いられる。
上ケース152は、カートリッジケース130の表面を構成する天壁部156と、天壁部156の周縁部に垂設された上周壁部158と、で一体に形成(成形)されている。また、下ケース150は、カートリッジケース130の裏面を構成する底壁部160と、底壁部160の周縁部に立設された下周壁162と、上記の挿入開口134を画成すべく底壁部160に立設された開口周壁部164と、で一体に形成(成形)されている。
上ケース152における上周壁部158の下端面には、適宜の間隔で複数の接合ピン170が設けられる一方、下ケース150の下周壁162には、この複数の接合ピン170に対応して複数の接合孔172が設けられている(図5参照)。下ケース150に、テープロール106やリボンロール114等の構成部品を配設した後、複数の接合孔172に複数の接合ピン170を圧入するように上ケース152を接合することによって、テープカートリッジ100が組み立てられる。なお、各接合孔172は、成形の容易性を考慮し貫通孔となっている。
一方、下ケース150の左側面および右側面には、上記の一対の掛止め片57に掛け止めされる一対の掛止受け部174が設けられている(図2および図6参照)。装着したテープカートリッジ100の一対の掛止受け部174に、カートリッジ装着部5側の一対の掛止め片57が掛け止めされることにより、テープカートリッジ100の浮き上がりが防止される。また、下ケース150の裏面には、上記の一対の小突起55が幾分余裕をもって嵌合する嵌合小穴176が設けられている(図6参照)。嵌合小穴176に、カートリッジ装着部5側の一対の小突起55が嵌合されることによって、装着ベース31上におけるテープカートリッジ100の簡単な位置決めが為される。
さらに、下ケース150の裏面には、基端面側の左隅部(表面側から見て右隅部)に位置して、上記の検出部51に対応する被検出部180が設けられている(図6参照)。被検出部180は、検出部51の複数のマイクロスイッチ51aに対応する部分で構成され、この部分に設けた受け穴180aの有無により、複数のビットパターンを得るようにしている。すなわち、このビットパターンが、上記した印刷テープ102の種別に対応している。
一方、テープカートリッジ100の表面には、挿入開口134の近傍に位置して、テープカートリッジ100を把持する為の摘み部182が設けられている(図2参照)。より具体的には、摘み部182は、上記の左右一対の掛止受け部174を結ぶ線上の略中間位置において、上ケース152の表面に設けられている。詳細は後述するが、摘み部182は、テープカートリッジ100をカートリッジ装着部5に着脱する際に、テープカートリッジ100を把持する部位として機能する。また、摘み部182は、開閉蓋7を閉塞したときに、テープカートリッジ100を押圧する開閉蓋7の押え部85を受ける部位として機能する。
図5に示すように、カートリッジケース130内の上側空間(先端面側)には、広くテープロール106が収容されるテープ収容エリア190が構成されている。テープ収容エリア190の中央には、下ケース150に一体に形成(成形)されたコア軸192が立設されている。コア軸192は、円筒状に形成されており、その外周面にはテープロール106(テープコア104)が回転自在に軸支されている。また、プラテンローラー120の近傍に位置してテープ収容エリア190には、繰り出された印刷テープ102をプラテンローラー120に導くテープガイド194が、下ケース150に一体に立設されている。
すなわち、カートリッジケース130の内部には、テープロール106を起点とし、テープガイド194およびプラテンローラー120を経てテープ送出口138に至るテープ送り経路196が構成されている。テープロール106から繰り出された印刷テープ102は、テープガイド194を介してプラテンローラー120に導かれ、ここで印刷に供され、更にプラテンローラー120からテープ送出口138に導かれる。
テープロール106は、印刷テープ102およびテープコア104を有すると共に、ロール状の印刷テープ102の両端面に貼着された2枚の円形フイルム198を有している。この2枚の円形フイルム198は、テープコア104に巻回した印刷テープ102のバラケを防止している。また、テープコア104には、図示では省略したが、逆転止め機構が組み込まれている。テープカートリッジ100を持ち運びするときには、この逆転止め機構によって、印刷テープ102の逆転が防止される。一方、テープカートリッジ100をテープ印刷装置1のカートリッジ装着部5に装着すると、上記の位置決め突起41により逆転止め機構の逆転止めが解除され、印刷テープ102の送りが可能になる。
カートリッジケース130内の基部右側には、挿入開口134に隣接してリボン収容エリア200が構成されている。リボン収容エリア200の右寄りには、リボンロール114(繰出しコア112)を回転自在に支持する繰出し側軸受部202が、また左寄りには、巻取りコア116を回転自在に支持する巻取り側軸受部204が、それぞれカートリッジケース130に一体に形成されている。すなわち、上ケース152および下ケース150に、それぞれ繰出し側軸受部202および巻取り側軸受部204が形成されている。
下ケース150に形成された繰出し側軸受部202および巻取り側軸受部204の切欠き部分には、先端部をこれら繰出し側軸受部202および巻取り側軸受部204に臨ませた回転止めフック206が、それぞれ一体に形成されている。そして、一方の回転止めフック206は繰出しコア112に、他方の回転止めフック206は巻取りコア116に、それぞれ回転止め状態に係合されている。
繰出し側軸受部202の近傍に位置してリボン収容エリア200には、繰り出されたインクリボン110をプラテンローラー120に導く第1リボンガイド210が、下ケース150に一体に立設されている。また、上記の開口周壁部164の外周側には、インクリボン110の周回をガイドする複数の第2リボンガイド212が一体に形成されている。
すなわち、カートリッジケース130の内部には、リボンロール114を起点とし、第1リボンガイド210、プラテンローラー120および複数の第2リボンガイド212を経て巻取りコア116に至るリボン送り経路214が構成されている。リボンロール114から繰り出されたインクリボン110は、第1リボンガイド210を介してプラテンローラー120に導かれ、ここで印刷に供され、更にプラテンローラー120から開口周壁部164(複数の第2リボンガイド212)を周回して巻取りコア116に巻き取られる。
リボンロール114は、インクリボン110および繰出しコア112を有すると共に、繰出しコア112に制動負荷を付与する円環状の板ばね220を有している(図5(b)参照)。板ばね220は、周方向において波状に形成されており、軸方向において上ケース152の天壁部156と繰出しコア112との間に介設されている。すなわち、繰出しコア112には、この板ばね220の弾発力により回転制動負荷が付与される。これにより、巻取りコア116により繰り出されてゆくインクリボン110には、バックテンションが付与されその弛みが防止される。
繰出しコア112は円筒状に形成され、その下ケース150側の端部には、周方向に複数の切欠き222が形成されている(図6参照)。そして、複数の切欠き222には、上記の回転止めフック206が係脱するようになっている。なお、繰出しコア112を支持する下ケース150側の繰出し側軸受部202は円形の開口で構成されているが、上ケース152側の繰出し側軸受部202は、円筒状の突出部分で構成されている。そして、この突出部分に上記の板ばね220が装着されている(いずれも、図5(b)参照)。
同様に、巻取りコア116は円筒状に形成され、その下ケース150側の端部には、周方向に複数の切欠き224が形成されている。そして、複数の切欠き224には、上記の回転止めフック206が係脱する。また、巻取りコア116の内周面にはスプライン溝226が形成され、上記の巻取り駆動軸47にスプライン係合する。これにより、巻取り駆動軸47の回転力が巻取りコア116に伝達され、インクリボン110が巻き取られる。
カートリッジケース130内の基部左側には、挿入開口134に隣接してプラテン収容エリア230が構成されている。プラテン収容エリア230の中央には、下ケース150に形成した楕円状(長円状)開口の下軸受部234と(図6参照)、上ケース152に形成した楕円状(長円状)開口の上軸受部232と(図5(b)参照)が設けられている。そして、上軸受部232および下軸受部234には、プラテンローラー120が回転自在且つ僅かに移動(横移動)可能に支持されている。すなわち、楕円状の上軸受部232および下軸受部234に支持されたプラテンローラー120は、プラテン駆動軸45に係合するホーム位置と、印刷テープ102を挟み込んでテープガイド194に接する挟持位置との間で、移動(微小移動)可能に構成されている。
ところで、このテープカートリッジ100は、印刷テープ102の繰出し端部を、テープ送出口138から外部に僅かに突出された状態で持ち運びされる(図1参照)。その際、誤って印刷テープ102の繰出し端部に押込み力や引込み力が作用すると、これに引きずられたプラテンローラー120が上記の挟持位置に移動する。これにより、印刷テープ102の繰出し端部が、テープ送出口138からカートリッジケース130内に引き込まれることが防止される。
プラテンローラー120は、円筒状のローラー基体240と、ローラー基体240の外周面に装着したゴムローラー242と、を有している。ゴムローラー242は、軸方向において印刷ヘッド21に対応する長さを有しており、印刷位置に移動した印刷ヘッド21は、印刷テープ102およびインクリボン110を挟み込んでこのゴムローラー242に接触する。また、ローラー基体240の内周面にはスプライン溝244が形成され、上記のプラテン駆動軸45にスプライン係合する。これにより、プラテン駆動軸45の回転力がプラテンローラー120に伝達され、印刷テープ102(およびインクリボン110)が印刷送りされる。
[摘み部と押え部(第1実施形態)]
次に、図7および図8を参照して、第1実施形態に係るテープカートリッジ100の摘み部182の構造について、開閉蓋7の押え部85の構造と共に詳細に説明する。上述のように、摘み部182は、上ケース152の表面に設けられ、これに対応して押え部85は、開閉蓋7の裏面に突出するように設けられている。
図7および図8に示すように、テープカートリッジ100には、左右一対の掛止受け部174を結ぶ仮想線L上の略中間位置に、摘み部182が設けられている。上述のように、一対の掛止受け部174には、カートリッジ装着部5の装着ベース31に立設した一対の掛止め片57が掛け止めされる。これにより、テープカートリッジ100の浮き上がりが防止されるが、同時に、テープカートリッジ100をカートリッジ装着部5から引き抜く(離脱)ときに、この掛止め片57と掛止受け部174との掛止め部分が、引抜き抵抗となる。同様に、ヘッドカバー43と挿入開口134との係合部分、プラテン駆動軸45とプラテンローラー120との係合部分、巻取り駆動軸47と巻取りコア116との係合部分も、それぞれ引抜き抵抗が生ずる部分となる。
そこで、本実施形態では、摘み部182を、テープカートリッジ100の離脱する方向に交差(直交)する面内において、離脱に伴う引抜き抵抗が均衡する位置またはその近傍に、すなわち一対の掛止受け部174を結ぶ仮想線L上の略中間位置に、配設するようにしている。一方、上ケース152の天壁部156(ケース壁)には、上記の中間位置に平面視矩形の凹部260が設けられており、摘み部182は、この凹部260内に収容されるように配設されている。
凹部260は、一対の掛止受け部174を結ぶ線上の略中間位置において、上ケース152(天壁部156)に窪入形成されている。この場合、凹部260の直下には、印刷テープ102(テープロール106)が配設されているため、本実施形態の上ケース152では、その天壁部156を凹部260の深さ寸法分、嵩上げするようにしている。また、凹部260は、矩形に形成された摘み部182に合わせて矩形に形成され、摘み部182が没する為の十分な深さを有している。なお、摘み部182の形状は、必ずしも矩形である必要はない。
摘み部182は、基端部に軸孔280を有して矩形の板状に形成されており、軸孔280に挿通した回動支軸282を介して、凹部260に回動自在に支持されている。この場合、凹部260に対し摘み部182は、回動支軸282を中心に把持位置と非把持位置との間で回動自在に、すなわち起倒自在に支持されている。また、回動支軸282には、捻じりコイルばねで構成された起立付勢部284が設けられており、起立付勢部284は、摘み部182を把持位置に向かって付勢している。なお、把持位置は、起立付勢部284が自由状態となった位置であり(付勢力ゼロ)、摘み部182は、天壁部156に対し斜め45°前後の角度で傾いている。
一方、図8に示すように、摘み部182を押える押え部85は、閉塞した開閉蓋7の摘み部182に対応する位置に配設されている。具体的には、押え部85は、摘み部182に対応する位置において、開閉蓋7の開閉蓋本体73の裏面に突出するように設けられている。押え部85は、例えば断面円形或いは断面矩形に形成され、開閉蓋7の閉塞に伴って、カートリッジ装着部5に装着されたテープカートリッジ100の摘み部182を押圧する。
図8(a)は、テープカートリッジ100の着脱に際し、摘み部182を把持している状態を表している。起立付勢部284により把持位置に回動した(凹部260から突出)摘み部182を把持すると、摘み部182は、テープカートリッジ100(天壁部156)に対し垂直な姿勢となる。ユーザーは、摘み部182を介してテープカートリッジ100把持し、この状態でカートリッジ装着部5に対し、テープカートリッジ100の装着および離脱(引抜き)を行う。
図8(b)は、テープカートリッジ100をカートリッジ装着部5に装着した状態(開閉蓋7を閉めかけている状態)を表している。摘み部182は、起立付勢部284により把持位置に向けて付勢されており、摘み部182は、天壁部156に対し斜め45°前後の角度で傾いている。すなちわ、起立付勢部284は、自由状態に変位しており、摘み部182は、凹部260から突出し起立した姿勢となっている。
図8(c)は、開閉蓋7を閉塞した状態を表している。開閉蓋7を閉塞すると、開閉蓋7の押え部85は、起立付勢部284に抗して摘み部182を押圧する。これにより、摘み部182は、把持位置から非把持位置に回動し、凹部260に没入するように倒込み姿勢となる。この状態では、起立付勢部284の付勢力が、摘み部182を介して押え部85(開閉蓋7)に作用する。一方で、開閉蓋7(押え部85)は、この付勢力の反力を、摘み部182および起立付勢部284を介して、テープカートリッジ100に作用させる。したがって、テープカートリッジ100は、閉塞した開閉蓋7により、弾力的に押圧される。
以上のように、第1実施形態によれば、摘み部182を、テープカートリッジ100の離脱に伴う引抜き抵抗が均衡する位置またはその近傍に配設している。このため、カートリッジ装着部5からテープカートリッジ100を引き抜く(離脱)ときに、各部の引抜き抵抗がバランスし、テープカートリッジ100の傾きが抑制される。すなわち、カートリッジ装着部5に対しテープカートリッジ100を、その装着姿勢を維持したまま引き抜くことができる。したがって、テープカートリッジ100をカートリッジ装着部5から円滑に離脱させることができる。
一方、摘み部182および起立付勢部284を、開閉蓋7を閉塞したときに、テープカートリッジ100を弾力的に押圧するよう機能させることができる。これにより、テープカートリッジ100の浮き上がりを防止することができるだけでなく、テープカートリッジ100をカートリッジ装着部5に位置決めすることができる。したがって、印刷ヘッド21等からの押圧力により、テープカートリッジ100の位置ズレを抑制することで印刷品質を高めることができる。
なお、第1実施形態の摘み部182は、前後方向に延在する回動支軸282を中心に回動するが、これを左右方向に延在する回動支軸282を中心に回動する構成としてもよい。また、摘み部182の表面に、凹凸部等の滑り止めを設けることが好ましい。かかる場合には、摘み部182が把持し易い構造となるため、摘み部182を小さくすることも可能である。また、変形例として、摘み部182を付勢部284のばね力に抗して凹部260の内部にいる状態でロックするロック機構を付け加えることもできる。ロック機構を付加しておけば、複数のテープカートリッジ100を保管しておくに際し、重ね合わせておくこと(保管すること)も容易となる。なお、このロック機構を付け加える事は後述の他の実施例に応用することもできることは言うまでもない。
さらに、図8(c)の摘み部182の姿勢を定常状態とし、ユーザーは、摘み部182を引き上げて把持する一方、押え部85が、摘み部182を押し込むように押圧する構成としてもよい。この場合には、凹部260を広く形成して、指を差し込むスペースを確保する。
[摘み部と押え部(第2実施形態)]
次に、図9および図10を参照して、第2実施形態に係るテープカートリッジ100Aの摘み部182Aの構造について、開閉蓋7の押え部85の構造と共に説明する。また、第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。
図9および図10に示すように、第2実施形態の摘み部182Aも、第1実施形態と同様に、テープカートリッジ100Aの離脱に伴う引抜き抵抗が均衡する位置またはその近傍に、すなわち一対の掛止受け部174を結ぶ仮想線L上の略中間位置に、配設されている。この場合も、上ケース152の天壁部156(ケース壁)には、上記の中間位置に凹部260が設けられており、摘み部182Aは、この凹部260内に収容されるように配設されている。
凹部260は、平面視円形に形成され、摘み部182Aも平面視円形に形成されている。凹部260に対し摘み部182Aは、把持位置と非把持位置と間で進退自在に収容されている。また、凹部260には、摘み部182Aを把持位置に向かって付勢すると共に圧縮コイルばねで構成された突出付勢部310が、収容されている。
摘み部182Aは、凹部260に対し出没する断面逆略「U」字状の摘み部本体320と、摘み部本体320の下部外周面に突設され、凹部260の内周面に進退自在にガイドされる被ガイド部322と、摘み部本体320の中央部裏面に突設され、突出付勢部310が係合する係合軸部324と、で一体に形成されている。突出付勢部310は、係合軸部324に係合して姿勢を維持され、凹部260の底面を受けとして、摘み部182Aを上方に付勢している。
摘み部本体320には、その側面に環状凹部326が形成され、この環状凹部326が把持したときの滑り止めとして機能している。被ガイド部322は、凹部260の内周面に対し上下方向にスライド自在(進退自在)に摺接している。また、係合軸部324は、突出付勢部310を保持している。なお、環状凹部326に代えて、ローレット加工のような凹凸部を設けるようにしてもよい。
把持位置に移動した摘み部182Aは、突出付勢部310により付勢され、その被ガイド部322が、凹部260の開口縁部に下側から当接している。この状態で摘み部182Aは、摘み部本体320が凹部260から突出し、摘み部本体320の環状凹部326が露出する。また、非把持位置に移動した摘み部182Aは、開閉蓋7の押え部85により押し込まれ、摘み部本体320が凹部260内に没する。
図10(a)は、テープカートリッジ100Aの着脱に際し、摘み部182Aを把持している状態を表している。摘み部182Aは、突出付勢部310により把持位置に移動(前進)しており、摘み部本体320の環状凹部326が、凹部260から突出している。ユーザーは、摘み部182Aを介してテープカートリッジ100A把持し、この状態でカートリッジ装着部5に対し、テープカートリッジ100Aの装着および離脱(引抜き)を行う。
図10(b)は、テープカートリッジ100Aをカートリッジ装着部5に装着した状態を表している。この場合の摘み部182Aおよび突出付勢部310は、図10(a)と同一の状態となっている。
図10(c)は、開閉蓋7を閉塞した状態を表している。開閉蓋7を閉塞すると、開閉蓋7の押え部85は、突出付勢部310に抗して摘み部182Aを押圧する。これにより、摘み部182Aは、把持位置から非把持位置に移動(後退)し、凹部260に没入する。この状態では、突出付勢部310の付勢力が、摘み部182Aを介して押え部85(開閉蓋7)に作用する。一方で、開閉蓋7(押え部85)この付勢力の反力を、摘み部182Aおよび突出付勢部310を介して、テープカートリッジ100Aに作用させる。したがって、テープカートリッジ100Aは、閉塞した開閉蓋7により、弾力的に押圧される。
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、摘み部182Aを、テープカートリッジ100Aの離脱に伴う引抜き抵抗が均衡する位置またはその近傍に配設している。このため、カートリッジ装着部5からテープカートリッジ100Aを引き抜く(離脱)ときに、テープカートリッジ100Aの傾きが抑制される。すなわち、カートリッジ装着部5に対し、装着姿勢を維持したまま引き抜くことができ、テープカートリッジ100Aを円滑に離脱させることができる。
また、摘み部182Aおよび突出付勢部310を、開閉蓋7を閉塞したときに、テープカートリッジ100Aを弾力的に押圧するよう機能させることができる。これにより、テープカートリッジ100Aの浮き上がりを防止することができるだけでなく、テープカートリッジ100Aをカートリッジ装着部5に位置決めすることができる。
[摘み部と押え部(第3実施形態)]
次に、図11を参照して、第3実施形態に係るテープカートリッジ100Bの摘み部182Bの構造について説明する。また、第3実施形態では、主に第1・第2実施形態と異なる部分について説明する。
図11に示すように、第3実施形態の摘み部182Bも、第1実施形態と同様に、テープカートリッジ100Bの離脱に伴う引抜き抵抗が均衡する位置またはその近傍に、すなわち一対の掛止受け部174を結ぶ仮想線L上の略中間位置に、配設されている(図7参照)。但し、この場合の摘み部182Bは、凹部260内に収容された状態で、凹部260に固定されている。
摘み部182Bは、円板状の摘み部本体350と、摘み部本体350を支持すると共に、摘み部本体350を凹部260の底面に固定する支持固定部352と、を有している。この場合、摘み部本体350は、凹部260に没入しており、摘み部本体350の表面は、上ケース152(天壁部156)の表面と面一に配設されている。
凹部260は、摘み部182Bに対し十分に大きい円形または長円形に形成されている。また、凹部260と摘み部182Bとの間には、摘み部182Bを把持するための指が挿入される十分な間隙が構成されている。すなわち、ユーザーは、凹部260と摘み部182Bとの間に指を差し入れて、摘み部182Bを把持するようになっている。
なお、第3実施形態では、摘み部182Bを開閉蓋7の押え部85で押圧する形態にはなっていない。したがって、第3実施形態に対応するテープ印刷装置1の開閉蓋7には、押え部85は設けられていない。
以上のように、第3実施形態によれば、第2実施形態と同様に、摘み部182Bを、テープカートリッジ100Bの離脱に伴う引抜き抵抗が均衡する位置またはその近傍に配設している。このため、カートリッジ装着部5からテープカートリッジ100Bを引き抜く(離脱)ときに、テープカートリッジ100Bの傾きが抑制される。すなわち、カートリッジ装着部5に対し、装着姿勢を維持したまま引き抜くことができ、テープカートリッジ100Bの円滑に離脱させることができる。また、摘み部182Bは、凹部260に没入しており、摘み部182Bが邪魔になることがない。
なお、第3実施形態において、凹部260を省略し、上ケース152の表面に摘み部182Bを直接突設するようにしてもよい。
1 テープ印刷装置、3 装置ケース、5 カートリッジ装着部、7 開閉蓋、21 印刷ヘッド、23 印刷機構部、25 テープ送り機構部、31 装着ベース、43 ヘッドカバー、45 プラテン駆動軸、47 巻取り駆動軸、73 開閉蓋本体、85 押え部、100,100A テープカートリッジ、102 印刷テープ、104 テープコア、110 インクリボン、120 プラテンローラー、130 カートリッジケース、150 下ケース、152 上ケース、156 天板部、182,182A,182B 摘み部、260 凹部、282 回動支軸、284 起立付勢部、310 突出付勢部、320 摘み部本体、322 被ガイド部、324 係合軸部、326 環状凹部、350 摘み部本体、352 支持固定部

Claims (9)

  1. テープ印刷装置のカートリッジ装着部に対し、装着および離脱可能に構成されたテープカートリッジであって、
    少なくとも前記離脱時に把持される摘み部、を備え、
    前記摘み部は、前記離脱する方向に交差する面内において、前記離脱に伴う引抜き抵抗が均衡する位置またはその近傍に配設されていることを特徴とするテープカートリッジ。
  2. 前記離脱する方向の手前側に位置するケース壁に設けられ、前記摘み部が没する凹部を、更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のテープカートリッジ。
  3. 前記凹部に対し前記摘み部は、前記凹部から突出する起上り位置と、前記凹部内に没入する倒込み位置との間で、起倒可能に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のテープカートリッジ。
  4. 前記凹部には、前記摘み部を前記起上り位置に向かって付勢する起立付勢部が、設けられていることを特徴とする請求項3に記載のテープカートリッジ。
  5. 前記凹部に対し前記摘み部は、前記凹部から突出する把持位置と、前記凹部内に没入する非把持位置との間で、進退可能に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のテープカートリッジ。
  6. 前記凹部には、前記摘み部を前記把持位置に向かって付勢する突出付勢部が、設けられていることを特徴とする請求項5に記載のテープカートリッジ。
  7. 前記摘み部は、滑り止め用の凹凸部を有していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のテープカートリッジ。
  8. 前記摘み部を前記非把持位置に保持するロック機構を、更に備えたことを特徴とする請求項4または6に記載のテープカートリッジ。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のテープカートリッジが、着脱可能に装着されるカートリッジ装着部を備えたことを特徴とするテープ印刷装置。
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